JPH0641378A - 含フッ素エラストマー加硫性組成物 - Google Patents

含フッ素エラストマー加硫性組成物

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JPH0641378A
JPH0641378A JP7804793A JP7804793A JPH0641378A JP H0641378 A JPH0641378 A JP H0641378A JP 7804793 A JP7804793 A JP 7804793A JP 7804793 A JP7804793 A JP 7804793A JP H0641378 A JPH0641378 A JP H0641378A
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JP
Japan
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fluorine
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containing elastomer
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elastomer
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JP7804793A
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Keiichi Toda
圭一 戸田
Shinichi Shibayama
伸一 柴山
Hiroshi Saito
廣 斎藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、従来公知の含フッ素エラス
トマー加硫物と同等の優れた引張特性、耐熱性、耐油
性、高温におけるシール性などを有する加硫物を提供で
きるのみならず、加硫成形時の成形物の金型離型性や、
得られる加硫物の圧縮永久歪、さらには加硫成形時の流
動性やロール作業性、また加硫成形時、特に射出成形等
の成形作業性など、加工性や得られる加硫物の物性につ
いて大幅に改良された含フッ素エラストマー加硫性組成
物を提供することにある。 【構成】 (a)加硫可能な含フッ素エラストマー; (b)架橋剤としてのポリオール化合物を含むポリオー
ル加硫剤;及び (c)式: RαNHβ (I) (Rはアルキル基、αは1〜3の整数、βは3−α) で表わされる脂肪族アミン化合物を包含してなる含フッ
素エラストマー加硫性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含フッ素エラストマーの
新規な加硫性組成物に関するものである。さらに詳細に
は、本発明は従来公知の含フッ素エラストマー加硫物と
同等の優れた引張特性、耐熱性、耐油性、高温における
シール性などを有する加硫物を提供できるのみならず、
加硫成形時の成形物の金型離型性や、得られた加硫物の
圧縮永久歪、さらには加硫成形時の流動性やロール作業
性、また加硫成形時特に射出成形等の成形作業性につい
て大幅に改良された含フッ素エラストマー加硫性組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】含フッ素エラストマー加硫物は、優れた
耐熱性、耐油性などを有していることから、各種の工業
分野、例えば自動車、船舶、航空機、油圧機器、一般機
械工業、公害防止関連部門等において、Oリング、ガス
ケット、オイルシール、ダイヤフラム、ホース、ロー
ル、シート材などに用いられている。一方これらのエラ
ストマーにおいても近年、生産性の向上や生産時の省力
化が大きな課題となってきており、加硫成形作業のしや
すいエラストマーが要求されている。又、射出成形での
加硫成形は生産性向上と省力化に有利であるため、射出
成形での加硫成形に適したエラストマーへの要求が増加
している。
【0003】しかしながら、含フッ素エラストマーは、
これらの優れた特性を有するものであるが、他のエラス
トマーに比べて粘度が高いため成形加工性においては満
足のいくものではない。加工性を改良するためには分子
量を下げる方法が取られるが、分子量を下げて流動性を
上げたエラストマーにおいては、ロール粘着が激しく作
業上問題となるだけでなく低分子量成分はポリオール加
硫において架橋しにくいため、圧縮永久歪などの重要な
物性も悪くなる。
【0004】また射出成形による加硫成形時においては
加硫成形物の金型離型性が劣るため作業効率化に問題が
あるばかりでなく、複雑な形状の製品では亀裂や割れ、
ふくれが発生することにより歩留まりが大幅に低下し、
生産性の悪化を招くことが多い。
【0005】そこで加工性を改良するために、高級脂肪
酸エステル、シリコーン化合物、低分子量ポリエチレン
などの加工助剤が使用されている(例えば、米国特許第
4,065,419号に対応の日本国特公昭52−44
896)。しかしながら、加工助剤は少量では十分な効
果が得られず、また十分に加工性の改良が達成されるの
に必要な量を使用した場合には引張強度や高温における
シール性の大幅な低下が見られる。また、金型離型性を
改良するための外部離型剤や高級脂肪酸エステル、シリ
コーン化合物、脂肪酸アマイド、低分子量ポリエチレン
などの内部離型剤が使用されている。しかしながら、金
型離型性の大幅な改良が達成されるのに十分な量の内部
離型剤を使用した場合には、同様に引張強度や高温にお
けるシール性の大幅に低下が見られる。さらに、外部離
型剤を使用した場合には成形回数が多くなると金型離型
性改良効果が弱くなるため繰り返し塗布する必要がある
ばかりか、製品表面に外部離型剤の痕跡が残り製品価値
がなくなることが多い。そこで、これらを解決する目的
の検討がなされている。
【0006】例えば、N,N,N’,N’−四置換1,
8−ジアミノナフタレンを配合する方法(米国特許第
4,529,759号に対応の日本国特公平2−501
40号)、臭素化末端基を有するペルフルオロポリエー
テルを添加する方法(米国特許第5,061,759号
に対応の日本国特開昭62−143951号)、末端臭
素又はヨウ素原子を有するフッ化ビニリデンテロマー及
びコテロマーを添加する方法(EP第251285号に
対応の日本国特開昭63−92664号)、アルキルセ
ルソルブを添加する方法(日本国特開昭63−1894
50号)が挙げられる。しかしながら、これらの添加物
は、特殊で高価な物や引火しやすい可燃性液体であるた
め、工業的に実用化するには制限があった。
【0007】また含フッ素共重合体の水性乳濁液を凝析
する際に加硫助剤としてのアミン及びアミンの塩類を添
加する方法が日本国特公昭57−8124に開示されて
いる。しかしこの方法はジアミン加硫であり、この方法
では、加硫成形時の加工性及び加硫物の物性について、
満足のいく結果は得られない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
公知の含フッ素エラストマー加硫物と同等の優れた引張
特性、耐熱性、耐油性、高温におけるシール性などを有
する加硫物を提供できるのみならず、加硫成形時の成形
物の金型離型性や、得られる加硫物の圧縮永久歪、さら
には加硫成形時の流動性やロール作業性、また加硫成形
時、特に射出成形等の成形作業性など、加工性や得られ
る加硫物の物性について大幅に改良された含フッ素エラ
ストマー加硫性組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究を
重ねた結果、意外にも含フッ素エラストマーとポリオー
ルよりなる加硫性組成物に、特定の脂肪族アミン化合物
を配合することにより前記目的を達成し得ることを知見
した。詳細には、本発明者らは式:RαNHβ(Rはア
ルキル基、αは1〜3の整数、βは3−α)で表わされ
る脂肪族アミン化合物を、含フッ素エラストマーとポリ
オールよりなる加硫性混合物に配合することにより、加
硫によって得られる加硫物の物性を損なうことなく、加
硫成形時の成形物の金型離型性や加硫物の圧縮永久歪、
さらには加硫成形時の流動性や射出成形等の成形作業性
など、加工性や得られる加硫物の物性について大幅に改
良された含フッ素エラストマー加硫性組成物の得られる
ことを知見した。本発明は、この知見に基づいて完成さ
れたものである。
【0010】すなわち、本発明によれば、 (a)加硫可能な含フッ素エラストマー; (b)架橋剤としてのポリオール化合物を含むポリオー
ル加硫剤;及び (c)式: RαNHβ (I) (Rはアルキル基、αは1〜3の整数、βは3−α)で
表わされる脂肪族アミン化合物を包含してなることを特
徴とする含フッ素エラストマー加硫性組成物が提供され
る。
【0011】本発明の含フッ素エラストマー加硫性組成
物において、(a)成分として用いる加硫可能な含フッ
素エラストマーは、フッ化ビニリデン単位とヘキサフル
オロプロペン単位及び場合によりテトラフルオロエチレ
ン単位から成る含フッ素エラストマー、フッ化ビニリデ
ン単位とパーフルオロビニルエーテル単位とテトラフル
オロエチレン単位から成る含フッ素エラストマー、パー
フルオロビニルエーテルとテトラフルオロエチレン単位
から成る含フッ素エラストマー、テトラフルオロエチレ
ン単位とプロピレン単位及び場合によりフッ化ビニリデ
ン単位から成る含フッ素エラストマー、フルオロフォス
アゼンエラストマーなどである。
【0012】特に、フッ化ビニリデン単位とヘキサフル
オロプロペン単位及び場合によりテトラフルオロエチレ
ン単位から成る含フッ素エラストマーが好適に使用され
る。この含フッ素エラストマーにおけるフッ化ビニリデ
ン単位(以下VDF単位と略記する)、ヘキサフルオロ
プロペン単位(以下HFP単位と略記する)の組成比は
VDF単位とHFP単位の割合が重量比で40:60な
いし80:20の割合にあることが望ましい。VDF単
位がこれよりも少ないものは高分子量物が得られにくく
高価なものになり、またこれよりも多いものは樹脂状と
なって弾性が低下する傾向にある。またテトラフルオロ
エチレン単位(以下TFE単位と略記する)を含む3成
分系含フッ素エラストマーにおいては、TFE単位の含
有量はVDF単位、HFP単位及びTFE単位の合計重
量の35重量%以下であることが望ましい。この含有量
が35重量%を越えると弾性が低下する傾向にある。
【0013】(b)成分のポリオール加硫剤は、架橋剤
としてのポリオール化合物を包含する。架橋剤としての
ポリオール化合物の例としては、例えばビスフェノール
AF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ジヒドロ
キシベンゾフェノン、ヒドロキノン、2,4,6−トリ
カプト−S−トリアジン、4,4’−チオジフェノー
ル、及びそれらの金属塩を挙げることができる。
【0014】本発明の含フッ素エラストマー加硫性組成
物における架橋剤としてのポリオール化合物の配合割合
は、通常(a)成分100重量部に対して、0.1〜1
0重量部であり、好ましくは0.5重量部〜5重量部で
ある。
【0015】ポリオール加硫剤(b)は、更に架橋反応
における触媒の働きをする加硫促進剤を含有することが
できる。
【0016】加硫促進剤の例としては、ホスホニウム
塩、アンモニウム塩、イミニューム塩、スルホニウム
塩、アミノホスフィン誘導体などを挙げることができ
る。更に具体的にはテトラメチルアンモニウムクロリ
ド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラメチル
アンモニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホ
ニウムクロリド、ビス(ベンジルジフェニルホスフィ
ン)イミニウムクロリド、DBU塩(例えば、1,8−
ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセニウムク
ロリドや1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−
ウンデセニウムプロマイド)などを挙げることができ
る。
【0017】本発明の含フッ素エラストマー加硫性組成
物における加硫促進剤の配合割合は、通常(a)成分1
00重量部に対して、0.05〜10重量部であり、望
ましくは0.1重量部〜5重量部である。
【0018】また必要に応じ、加硫促進剤の効果を上げ
るために、種々の加硫促進活性剤を添加することができ
る。この加硫促進活性剤の代表的な例としては、ジメチ
ルスルホン、ジクロロジフェニルスルホンなどのスルホ
ン化合物を上げる事ができる。
【0019】ポリオール加硫は通常、受酸剤の役目をす
る二価金属水酸化物及び二価金属酸化物の存在下で架橋
反応が行われる。二価金属水酸化物及び二価金属酸化物
は、各々、通常(a)成分100重量部に対して、1〜
10重量部であり、両者を合わせると2〜20重量部の
範囲である。
【0020】二価金属の水酸化物及び酸化物の例として
は、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、鉛などの水酸化
物及び酸化物を挙げることができる。
【0021】(c)成分は、式:RαNHβ(Rはアル
キル基、αは1〜3の整数、βは3−α)で表わされる
脂肪族アミン化合物である。アルキル基の炭素数は12
から22の範囲にあることが好ましく、さらに好ましく
は14から18の範囲である。この炭素数は、含フッ素
エラストマーとの相溶性やアミン自身の好ましい融点の
観点から、上記範囲にある事により本発明の含フッ素エ
ラストマー加硫性組成物は、特に優れた所望の効果を発
揮することができる。炭素数が12〜22の範囲にある
場合に、本発明の効果を最もよく発揮することができ
る。脂肪族アミン化合物の具体的な例としては、モノテ
トラデシルアミン、モノヘキサデシルアミン、モノオク
タデシルアミン、モノデシルアミン、モノドコセニルア
ミン、モノオレイルアミン、ジテトラデシルアミン、ジ
ヘキサデシルアミン、ジオクタデシルアミン、ジデシル
アミン、ジドコセニルアミン、ジオレイルアミン、トリ
テトラデシルアミン、トリヘキサデシルアミン、トリオ
クタデシルアミン、トリデシルアミン、トリドコセニル
アミン、トリオレイルアミンなどを挙げることができ
る。これらの脂肪族アミン化合物は、単独でも組み合わ
せてもよい。
【0022】本発明の含フッ素エラストマー加硫性組成
物における(c)成分としての脂肪族アミン化合物の配
合割合は、通常(a)成分としての加硫可能な含フッ素
エラストマー100重量部に対して、0.05〜10重
量部、好ましくは0.1〜5重量部である。本発明の
(c)成分がこの範囲にあるのは、0.05重量部未満
では十分な効果が得られず、10重量部を越えると本発
明の組成物の加硫により得られる加硫物の物性、例えば
圧縮永久歪や引張強度などが大幅に低下するためであ
る。
【0023】さらに本発明の含フッ素エラストマー加硫
性組成物においては、必要に応じ、他の成分、例えばカ
ーボンブラック、オースチンブラック、グラファイト、
シリカクレー、ケイソウ土、タルク、ウォラストナイ
ト、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、フッ化カルシウ
ム、硫酸バリウム、スルホン化合物、燐酸エステル、高
級脂肪酸エステル、脂肪酸カルシウム、脂肪酸アマイ
ド、低分子量ポリエチレン、シリコーンオイル、シリコ
ーングリース、金属石鹸、ステアリン酸、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、チタンホワイト、ベ
ンガラなどの充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤等を配
合することができる。これらの添加量としては、この分
野で通常用いられている範囲の量を用いることができ
る。
【0024】特に高級脂肪酸エステルの少なくとも1種
からなる加工助剤を、脂肪族アミンと併用することによ
り、更に良好な加硫成形時の成形物の金型離型性や、加
硫成形時の本発明の組成物の更に良好な流動性、ロール
作業性を得る事ができる。高級脂肪酸エステル単独では
物性(例えば、引張強度や圧縮永久歪など)の劣化が激
しいが、脂肪族アミンの存在下で高級脂肪酸エステルを
用いる事によりこれら物性を落とす事なく優れた金型離
型性、流動性、ロール作業性が得られる。
【0025】高級脂肪酸エステルの少なくとも1種から
なる加工助剤の例としては、動植物や鉱物から得られる
ワックスの精製物が好適に用いられる。より具体的に
は、例えばキャンデリラワックス、米ぬかワックス、カ
ルナウバワックス、モンタンワックス、セラックワック
スが好適に用いられる。特にキャンデリラワックス、米
ぬかワックス、カルナウバワックスが最も好適に用いら
れる。
【0026】これらの高級脂肪酸エステルの少なくとも
1種からなる加工助剤の添加量は、(a)成分としての
加硫可能な含フッ素エラストマー100重量部当り0.
1から10重量部の範囲、好ましくは0.2から5重量
部の範囲である。
【0027】また、本発明の効果を阻害しない量範囲で
あれば、従来公知の加硫剤すなわちパーオキサイド加硫
剤やジアミン加硫剤などを1種又は2種以上配合しても
よい。
【0028】本発明の含フッ素エラストマー組成物は、
前記(a)成分、(b)成分、(c)成分及び必要に応
じて用いられる添加成分を、ロールやバンバリミキサー
などで混合混練することにより調製できる。
【0029】このようにして得られた含フッ素エラスト
マー加硫性組成物の加硫方法としては、例えば開放型練
りロール又は密閉式練りロール(バンバリーミキサー、
加圧式ニーダー等)で十分に混練の後、加硫性組成物を
リボン状に切り出し射出成形により加硫成形し、所望に
より更に二次加硫する方法が挙げられる。一般に射出成
形の条件として金型温度150〜200℃、時間1〜1
0分の範囲が、二次加硫を行う場合、その条件として
は、温度150〜250℃、時間1〜48時間の範囲が
採用される。また、他の加硫手段として、圧縮成形によ
り一次加硫し、次に二次加硫する方法や、押出などの予
備成形をした後に加硫する方法、あるいはメチルエチル
ケトン、アセトンなどのケトン類、エチルエーテル、テ
トラヒドロフランなどのエーテル類などの1種または2
種以上を媒体とする溶液もしくは分散液を調製し、これ
で紙、繊維、フィルム、シート、板、チューブ、パイ
プ、タンク、大型容器その他の成形品の表面上を被覆し
てから加硫する方法などを用いることもできる。また他
種のゴム、例えばNBR、アクリルゴム、EPゴムなど
と多層にして多層シート、多層ホースなど積層体成形物
をつくる事もできる。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0031】なお、含フッ素エラストマー加硫性組成物
を加硫して得られる加硫物の下記の物性や金型離型性は
次に示す方法により求めた。
【0032】(1)加硫物の硬さ〔JIS−A〕、10
0%引張応力、引張強さ、伸びはJIS−K6301に
準じて測定した。
【0033】(2)圧縮永久ひずみはJIS−K630
1に規定された試験片を使用し、175℃×22時間の
条件でJIS−K6301に準じて測定した。
【0034】(3)金型離型性の評価はJIS−B24
01に規定された運動用O−リングのP−10の金型
(48個取り)で外部離型剤を用いずに10ショットの
射出成形加硫を行い、下記の5段階で評価した。
【0035】◎:金型から加硫物が抵抗なくとれる。
【0036】○:金型のスプルーロック部分以外は加硫
物が抵抗なくとれる。
【0037】△:バリの一部が金型に粘着する。
【0038】▲:O−リングの一部が金型に粘着するが
取れる。
【0039】×:O−リングが金型に粘着し、バリ喰い
切り部分で切れて金型に残る。 実施例1 フッ化ビニリデン(VDF)単位/ヘキサフルオロプロ
ペン(HFP)単位/テトラフルオロエチレン(TF
E)単位が各々60重量%、31重量%、9重量%から
なりフッ素顔料が66重量%でムーニー粘度(ML12
1℃1+10)が110の含ッ素エラストマーA100
重量部を開放型練りロールに巻付け、ビスフェノールA
F1.1重量部とビス(ベンジルジフェニルホスフィ
ン)イミニウムクロリド0.3重量部を練り込む。次に
日本国、東海カーボン株式会社製「シーストS」20重
量部と日本国、協和化学工業株式会社製酸化マグネシウ
ム(キョーワマグ30」6重量部及び独国、Rhcin
Chemie Rheinau GmbH製水酸化カ
ルシウム「Rhenofit−CF」2重量部を練り込
んだ後、オクタデシルアミン1.0重量部を練り込み、
そのまま一夜放置して熟成させた。
【0040】その後、再練りを行ってから金型に入れ、
温度180℃でプレス加硫を5分間行いシートに成形し
た。次いで金型から取り出し、温度230℃の空気循環
式炉内で24時間加熱して二次加硫を簡潔させ各種試験
を行った。
【0041】金型離型性は、再練りを行った練り生地を
リボン状に加工し、金型温度180℃で射出成形を行い
評価した。
【0042】配合を表1に、またこのようにして得られ
た加硫成形物の常態物性、圧縮永久ひずみ、金型離型
性、適正加硫時間を表2に示す。
【0043】実施例2 キャンデリラワックスとして日本国、株式会社野田ワッ
クス製「セラリカNC−1630」1重量部を加える以
外は実施例1と同様にして各種試験を行った。配合を表
1に、結果を表1に示す。
【0044】実施例3 オクタデシルアミン1.0重量部を0.5重量部にし日
本国、株式会社野田ワックス製「セラリカNC−163
0」1重量部を加える以外は実施例1と同様にして各種
試験を行った。配合を表1に、結果を表2に示す。
【0045】実施例4 オクタデシルアミン1.0重量部をジオクタデシルアミ
ン1.0重量部にする以外は実施例1と同様にして各種
試験を行った。配合を表1に、結果を表2に示す。
【0046】実施例5 オクタデシルアミン1.0重量部をトリオクタデシルア
ミン1.0重量部にする以外は実施例1と同様にして各
種試験を行った。配合を表1に、結果を表2に示す。
【0047】比較例1 オクタデシルアミン1.0重量部を使用しない以外は実
施例1と同様にして各種試験を行った。配合を表1に、
結果を表2に示す。
【0048】比較例2 高級脂肪酸エステル1.0重量部を加える以外は比較例
1と同様にして各種試験を行った。配合を表1に、結果
を表2に示す。
【0049】実施例6 オクタデシルアミン1.0重量部をドデシルアミン1.
0重量部にする以外は実施例1と同様にして各種試験を
行った。配合を表1に、結果を表2に示す。
【0050】実施例7 オクタデシルアミン1.0重量部をエイコシルアミン
1.0重量部にする以外は実施例1と同様にして各種試
験を行った。配合を表1に、結果を表2に示す。内部離
型剤を使用しない比較例1に対して、特定の脂肪族アミ
ン化合物を配合した本発明の組成物を用いた実施例1,
4,5は金型離型性が大幅に改良されている。また内部
離型剤を使用した比較例2に対しても実施例1,4,
5,6,7は金型離型性が大幅に改良されている。さら
に内部離型剤と併用した実施例2及び3でも金型離型性
が大幅に改良されている。
【0051】実施例8〜9、比較例3〜4 表3に示された配合及び条件以外は実施例1と同様の方
法で作業を行い各種物性及び特性を測定した。その結果
を表4に示す。
【0052】実施例8はオクタデシルアミンを使用しな
い比較例3に比べてムーニー粘度が低く押出特性が大幅
に改良されている。
【0053】実施例9はオクタデシルアミンを使用しな
い比較例4に比べて圧縮永久歪が大幅に改良されてい
る。
【0054】実施例10〜12 表5に示された配合及び条件以外は実施例1と同様の方
法で作業を行い各種物性及び特性を測定した。その結果
を表6に示す。
【0055】実施例10は、本発明の加硫物が耐熱老化
性に優れていることを示している。実施例11は、本発
明の加硫物は圧縮永久歪が小さいことを示している。
【0056】実施例12は、本発明の加硫物が優れた熱
時特性を持つことを示している。
【0057】本発明の含フッ素エラストマー加硫性組成
物は、加硫成形時の加硫成形物の金型離型性、成形時の
該組成物の流動性、成形時特に射出成形時の作業性が大
幅に改良されていることは明白である。
【0058】
【表1】
【0059】表1において; 含フッ素エラストマーA…VDF,HFP,TFEの組
成比が各々60,31,9重量%でフッ素含量が66%
ムーニー粘度がML121℃1+10で110の3元系
含フッ素エラストマー SRF(semi−reinforcing furn
ace)カーボンブラック…日本国、東海カーボン
(株)製カーボンブラック「シーストS」 水酸化カルシウム…独国、Rhein Chemie
Rheinau GmbH製「Rhenofit−C
F」 低活性酸化マグネシウム…日本国、協和化学工業株式会
社製「キョーワマグ30」 キャンデリラワックス…日本国、株式会社野田ワックス
製セラリカNC1630。
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】表3において; 含フッ素エラストマーB…VDF,HFPの組成比が各
々63,37重量%でフッ素含量が66%、ムーニー粘
度がML121℃1+10で55の2元系含フッ素エラ
ストマー 含フッ素エラストマーC…VDF,HFPの組成比が各
々63,37重量%でフッ素含量が66重量%ムーニー
粘度がML121℃1+10で30の2元系含フッ素エ
ラストマー SRFカーボンブラック…日本国、東海カーボン(株)
製カーボンブラック「シーストS」 MT(medium thermal)カーボンブラッ
ク…カナダ国、CANCARB社製カーボンブラック
「サーマックスN990」 水酸化カルシウム…日本国、近江化学工業(株)製「カ
ルビット」 高活性酸化マグネシウム…日本国、協和化学工業(株)
製「キョーワマグ150」 低活性酸化マグネシウム…日本国、協和化学工業(株)
製「キョーワマグ30」 キャンデリラワックス…日本国、株式会社野田ワックス
製「セラリカNC−1630」
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】表5において; 含フッ素エラストマーD…VDF,HFP,TFEの組
成比が各々54,25,21重量%でフッ素含量が67
重量%、ムーニー粘度がML121℃1+10で110
の3元系フッ素ゴム 水酸化カルシウム(2)…独国、Rhein Chem
ie RheinauGmbH製「Rhenofit−
CF」 ストラクトール(STRUKTOL)WS280…独
国、SCHILL&SEILACHER社製加工助剤。
【0066】
【表6】
【0067】
【発明の効果】本発明の含フッ素エラストマー加硫性組
成物は、それを加硫して得られる加硫物の優れた物性、
高温における良好なシール性を維持できると同時に、加
硫成形時の成形物の金型離型性、成形時の該組成物の流
動性、成形時特に射出成形時の作業性などに関して、大
幅に改良されており、高い生産性をもって所望の優れた
諸物性を有する加硫成品を提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)加硫可能な含フッ素エラストマ
    ー; (b)架橋剤としてのポリオール化合物を含むポリオー
    ル加硫剤;及び (c)式: RαNHβ (I) (Rはアルキル基、αは1〜3の整数、βは3−α) で表わされる脂肪族アミン化合物を包含してなることを
    特徴とする含フッ素エラストマー加硫性組成物。
JP7804793A 1992-04-03 1993-04-05 含フッ素エラストマー加硫性組成物 Pending JPH0641378A (ja)

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