JPH0641159B2 - 射出成形機の射出制御方法及び装置 - Google Patents

射出成形機の射出制御方法及び装置

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JPH0641159B2
JPH0641159B2 JP17742886A JP17742886A JPH0641159B2 JP H0641159 B2 JPH0641159 B2 JP H0641159B2 JP 17742886 A JP17742886 A JP 17742886A JP 17742886 A JP17742886 A JP 17742886A JP H0641159 B2 JPH0641159 B2 JP H0641159B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、射出成形機に適用される射出工程の制御方法
及びその装置に関するものである。
(従来の技術) 一般に、精密成形を実現するためには、金型の形状精度
を確保すると共に、成形時における樹脂の収縮量を適正
に制御することが最も重要なこととされている。
従って、いま金型の形状精度が確保された場合成形品の
寸法精度の向上を図ろうとするには、同一の成形収縮量
を毎サイクル再現させることが重要となる。ところで、
樹脂の状態関数は、圧力(P),比容積(V),温度(T)の3つ
の変数より成り立っている。
そして、前記成形収縮量は比容積(V)の変化であり、制
御量としては温度(T)及び圧力(P)になる。しかるに、樹
脂温度を直接制御するのは、時定数が大きいため射出成
形の短いサイクル中ではその応答性から見て困難である
ので、一般に次の方法がとられている。
(1)温度安定化……シリンダ・ノズル、金型の各温度の
安定化。
回転数・背圧の閉ループ制御。
(2)充填時の温度低下の防止……高速充填により、樹脂
が金型により冷却される以前に充填を完了する。すなわ
ち、断熱に近い状態で充填する。
一方、射出工程における圧力(具体的には型内圧)の制
御は比較的容易であり、その例としてはゲートシールま
で一定圧に保持する従来の制御方法が知られている。
第5図に従来例のシステム図を示し、第6図にその制御
パターンを示す。第7図は高速充填時の射出速度、射出
油圧及び型内圧の各実行値を示している。
これらの図に従って、まず従来の射出成形機における射
出時の型内圧制御システムについて説明すると、金型1
のランナー部2、キャビティ3のゲート4の近傍、又は
スプルー5の近傍に型内圧Pmを検知する型内圧検出器
6が設けられている。8は射出工程中の型内圧の実行値
を記録するオシログラフ等の記録計である。
指令器9は、射出開始時に初期速度指令値を出し、型内
圧検出器6の型内圧Pm出力が制御開始圧Pmoに到達す
ると、後述の式(1)で表わされる型内圧指令値Pmset
発生する。
比較器10は前記検出された型内圧Pmを前記型内圧指令
値Pmsetから減算して偏差e(=Pmset−Pm)を出力
し、制御器11は同偏差信号を受けて偏差eをPID制御
の上増幅器12に出力し、サーボ弁等の制御弁13は前記増
幅器12からの出力を受けてその開度を変えて、アキュム
レータ14からの供給油を調節する。
射出成形機の射出部はシリンダ18の左端にノズル7が、
またその右端に射出用油圧シリンダ16が設置されてお
り、シリンダ18の中にスクリュ17が挿入されている。同
スクリュ17は射出ラム19にその後端部が固定されてお
り、射出用油圧シリンダ16に供給される圧油により左方
への射出動作を行なう。なお、15はアキュムレータ14に
蓄圧するポンプ、20はアキュムレータ14の蓄圧圧力を設
定するリリーフ弁、21はアキュムレータ14からの逆流を
防ぐ逆止弁である。
以上の構成において、その作用を述べると、射出開始時
には初期速度指令値に基づく制御弁13の開度で定まる速
度で溶融樹脂の充填が行なわれ、型内圧Pmが制御開始
圧Pmoに到達すると、指令器9から式(1)に示す型内圧
指令値Pmsetが出力される。
ここで、PmH……型内圧目標値 α……勾配調整定数 ts……充填時間(第6図参照) 型内圧指令値Pmsetと検出された型内圧Pmとを比較し
て、両者が一致する様にPID制御するようにしている
ので、式(1)に追従して型内圧Pmはサージ圧等のオーバ
ーシュートが生じない様に第6図に示すパターンで上昇
し、型内圧目標値PmHに到達する。
以上の制御によると、金型内に充填される際の樹脂温度
低下を極力防ぐため、充填時間tsを短くして高速充填
しても、第7図に示すようにオーバーシュートを生じる
ことなく、滑らかに型内圧目標値PmHに切換えられる。
また、この型内圧目標値PmHに切換わるときの射出速度
は、型内圧Pmの上昇と共に減速し、滑らかに零(スク
リュ射出停止)の状態になっている。
この現象を簡単に説明する。
型内圧Pmと充填樹脂流量Qとの関係は次式(2)で示され
る。
ここで、Pm……型内圧(kgf/cm2) K……樹脂体積弾性計数(kgf/cm2) Vm……金型内キャビティ容積(cm3) Q……充填樹脂流量(cm3/sec) 充填樹脂流量Qとスクリュの射出速度vとの関係は次式
(3)となる。
ここで、d……スクリュ直径(cm) v……射出速度(cm/sec) いま、型内圧Pmが式(1)の指令値に追従して、その実行
値も式(1)と同様な変化をしたとするとスクリュの射出
速度vは、式(1)、(2)、(3)から次式(4)のようになる。
この式からわかるように、型内圧Pmの上昇につれて、
スクリュの射出速度vが指数関数で減速する。式(4)を
微分すれば減速時の加速度が求められるが、その値も指
数関数となり、射出速度vが零に近づくときの加速度も
小さいことがわかる。
従って、上記の如き従来方式によっても式(2)で示すよ
うに、型内圧上昇の状況を踏まえて、充填樹脂量の増加
を直接的に把握することができ、また型内圧指令値P
msetを式(1)に従って閉ループ制御しているため、滑ら
かに射出速度を減速制御することができるものである。
更に、型内圧Pmがその目標値PmHに到達したときに
は、射出速度vが零になることから、適正量の充填制御
が可能なことがわかる。
なお、制御開始圧Pmoは型内圧検出器6の検知下限値か
ら求められる。
このようにして、型内圧がその目標値PmHに到達する
と、保圧工程に切換わる。
保圧工程に入り、樹脂の流動速度が小さくなると、一般
に金型への熱伝達による冷却が始まって収縮が起こり、
またゲート部を通ってノズルへの逆流が発生する結果、
型内圧が下降して成形品にひけや寸法変化が生ずるよう
になる。これを防ぐため、従来の制御では保圧時間tH
の間は型内圧がその目標値PmHを一定に保持しうるよう
に、射出圧力を制御弁13により調整して、収縮分の補充
のために樹脂を供給するようにしている。このとき、第
7図に示すように射出油圧は上昇し始め、それに伴ない
スクリュも微速前進する。
以上の説明からも理解されるように、従来の制御方法は
樹脂圧力を唯一の制御量とし、樹脂温度については可塑
化工程に影響を与えるシリンダ温度、ノズル温度、スク
リュ回転数及び背圧を毎サイクル再現するように制御す
ることにより安定させようとしているが、これらの他に
も樹脂特性、スクリュデザイン等の多くの要因が影響し
樹脂温度の変動を無くすることは困難である。このた
め、同一型内圧であっても溶融樹脂の比容積が変化する
結果、収縮量の変動を生じて成形品の寸法精度不良を生
ずるという問題点がある。
また、このような樹脂温度の変動によりゲート4がシー
ルされる時点も変動するので、同一保圧時間で成形を続
けると、ゲート4がシールされるよりも早くに保圧工程
を終了してしまい、収縮に対して十分な樹脂の補充がで
きずに「ショート」、「ひけ」と呼ばれる成形不良を生
じ、逆にゲート4がシールされた以後も保圧工程をかけ
続け、ゲート部に過充填してしまい、ゲート部に「歪
み」、「そり」と呼ばれる変形、クラック等の成形不良
が生ずることがある。
更に、従来の如くゲートシール時点まで型内圧を一定値
に制御すると、ゲート部の樹脂が冷却されて粘度が高く
なるため、キャビティ3への圧力伝達が悪くなり、型内
圧が低下しはじめ、型内圧検出器6の出力が減少し、前
述の制御器11の作用により、型内圧を一定に保つために
射出油圧が増加する。このときキャビティ3の中心部の
溶融樹脂の脈動を与える結果、キャビティ3のスキン層
にずり応力が生じ、残留応力が内蔵するようになる。こ
の残留応力により変形、クラック、寸法精度不良等が発
生し、特に光ディスク、コンパクトディスクの基盤で
は、複屈折の悪化という問題を生ずる。
(発明が解決しようとする問題点) これを要約すると、従来のこの種制御では樹脂温度を完
全に制御することは不可能であり、射出工程、特に保圧
工程にあって樹脂温度が変動すると、型内圧或は保圧時
間を一定にしても比容積或はゲートシール時点が変動す
るため、収縮量に変動が生じ或は充填不足・過充填とな
り易いという問題点がある。更に、従来の保圧制御は一
定値制御のため、ゲート部における樹脂の冷却による粘
度上昇に伴い圧力が低下し始めると射出油圧を高め、こ
れが保圧工程中に断続して繰り返えされ、キャビティ内
の樹脂に脈動を発生させてスキン層にずり応力が生じ、
成形物に残留応力が内蔵されることになる。これは特に
光ディスク等の基盤に複屈折の悪化を生じさせることに
なるという問題点があった。
本発明は、これらの問題点を解決すべくなされたもの
で、保圧工程において温度の影響を極力排除し、最小の
収縮量を安定して確保するための射出成形機における射
出制御方法とそのための装置を提供しようとするもので
ある。
(問題点を解決するための手段及び作用) このため、本発明は方法の発明として金型内の樹脂圧力
(型内圧)と樹脂温度を夫々検出する検出器を内部に設
けた金型を用いて充填開始から保圧完了までの制御を行
なう射出制御において、型内圧が予め設定された型内圧
目標値に至るまで一定の関数で示されるパターンに従っ
て漸増する様に充填制御される充填工程と、型内圧目標
値を保持する様に保圧制御を行なうと共に、樹脂の状態
関数に基づき型内圧目標値の圧力下で予め設定された比
容積目標値に達する時点の切換樹脂温度を算出し、上記
検出樹脂温度が前記切換樹脂温度に到達するとキャビテ
ィへの充填及びキャビティからの逆流を防止する保圧工
程からなることを、 また装置の発明として金型内の樹脂圧力(型内圧)を検
出する型内圧検出器と金型内の樹脂温度を検出する樹脂
温度検出器を内蔵する金型を用いた射出成形機におい
て、充填工程から保圧工程にかけて型内圧が型内圧目標
値になる様に制御する閉ループ制御機構と、樹脂の状態
関数に基づいて比容積目標値から切換樹脂温度を算出す
ると共に保圧工程中に樹脂温度が前記切換樹脂温度に到
達すると切換信号を出力する演算制御装置とその切換信
号が入力されるとキャビティにおける樹脂の流動を抑止
する制御機構とからなることをそれぞれ構成とし、これ
らを上記問題点の解決手段とするものである。
即ち、本発明によると、 (1)溶融樹脂の比容積目標値及び型内圧目標値を予め設
定しておき、これらの値と樹脂の状態関数から前記型内
圧目標値の圧力下において比容積が前記比容積目標値と
なる切換樹脂温度を算出する。
(2)型内圧を目標値に一定値制御する保圧工程中に、キ
ャビティの検出樹脂温度が前記切換樹脂温度に到達する
と、例えばその時点のスクリュ位置が保持される様に閉
ループ制御を行なうか或は樹脂通路を閉鎖する。
(3)その結果、過充填及びノズルへの逆流を防ぐことに
なり、キャビティ内の樹脂は比容積目標値の状態で等比
容積変化することになる。
従って、成形品の収縮量が安定し、ゲートシール時点に
おいても樹脂に流れがないため、ゲート部への過充填や
キャビティのスキン層へのずり応力負荷等が発生せず、
成形不良の問題点が解決される。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
第1図は本発明の第一実施例を示す射出成形機のシステ
ム図であり、従来との相違点は第5図に示した従来のシ
ステムに加えて、金型キャビティ樹脂温度検出器を設
け、その検出温度をもとに型内圧目標値一定値制御から
スクリュ位置保持制御に切換える信号を出力する演算制
御装置と、スクリュ位置を検出してスクリュ位置を保持
する閉ループ制御機構を追加したことである。
このうち、まず閉ループ制御機構について説明する。
スクリュ17の位置を検出する位置検出器45からの出力
Sは、スイッチング回路43を経てラッチ回路40と位置比
較器41へそれぞれ入力する。位置比較器41はラッチ回路
40の出力から前記出力Sを減算した偏差esを出力す
る。
偏差esは位置制御器42によりPID制御(P…比例、
I…積分、D…微分)されて出力信号を発し、切換スイ
ッチング回路44、増幅器12を介して油圧を制御する。以
上の各部分により閉ループ制御機構を構成するが、前記
切換スイッチング回路44は前記位置制御器42の出力と従
来の型内圧制御器11の出力を切換えるためのものであ
る。
次に上記演算制御装置について述べると、49はメモリ50
と接続された中央処理装置(以下、CPUという。)
で、このCPU49には従来の型内圧検出器6からの型内
圧Pm及び新たに金型1のキャビティ3に設置された樹
脂温度検出器46からの樹脂温度Trの出力が、それぞれ
A/D変換器52,51を介し送り込まれ、また設定器47か
らはインタフェース48を介して型内圧目標値PmH、制御
開始圧Pmo、充填時間ts、樹脂名コード等が入力され
る。CPU49では以上の入力信号とメモリ50からのデー
タ信号、インタフェース53を介してのパーソナルコンピ
ュータ54からの入力信号等に基づいて演算処理して、型
内圧指令値Pmsetを出力するための指令器9並びに閉ル
ープ制御装置内のスイッチング回路43、同切換スイッチ
ング回路44へそれぞれに必要な信号を出力する。
なお、比較器10では前記指令器9からの型内圧指令値P
msetから型内圧検出器6により検出される型内圧Pm
減算して、その偏差eを制御器11に送り、同制御器11で
は従来と同様にPID制御がなされて前記切換スイッチ
ング回路44へと信号を送る。
以上の構成について、その制御動作を説明するに先立っ
て、PVT線図に基づく保圧冷却過程の一般的な説明を
する必要がある。
樹脂の状態関数は前述の様に、圧力(P),比容積(V),温
度(T)からなるが、この特性曲線を示すものとしてPV
T線図が知られている。
第2図にその一例としてポリスチロール(ポリスチレ
ン)のPVT線図を示す。
いま、金型の形状精度が確保され、十分な型締力を有す
るならば、金型キャビティ内の容積は一定となる。従っ
て、成形収縮量はゲートシール時の温度・圧力における
比容積と、常温20℃)・常圧(1気圧)における比容積
の差となる。
第2図には、既述した従来制御における保圧冷却過程の
代表例a,b,cの3種類が示されている。
過程aは、点a1から点a2へ移り、点a2から200barの
等圧線に沿って保圧制御されて樹脂軟化温度、即ちゲー
トがシールされる点a3まで移行し、その後常圧の点a4
から1barの等圧線に沿って点dを経て常温・常圧であ
る点eへ移行する。ここで、点dは型開きされる点であ
る。
過程bは、点a1から点b2へ移り、1000barの等圧線に
沿ってゲートシール点である点b3へ、点b3から冷却し
つつ型開点dを経て常温・常圧の点eへ移行する。
過程cは、点a1から点c2、600barの等圧線に沿ってゲ
ートシール点に至る前の点c3まで移行し、ここで保圧
を解いたもので以降は不安定な状態のまま点a3→点a4
→点d→点eと移行する。
型開点dを更に詳しく述べると、常圧で金型温度に等し
い樹脂温度の場合を示し、冷却工程完了の状態、すなわ
ち型開きの状態となる点である。また、第2図に示すゲ
ートシール線は各圧力における樹脂の軟化温度を求め、
その点を結んだものである。この線上の点a3,b3はゲ
ートがシールする状態すなわちゲートシール時点とな
る。
このような種類の制御のうち、過程aでは、型内圧目標
値PmHが不足している例であり、ゲートシール時点(点
3)の比容積が大きく、更に常圧になったときの温度
(点a4)は金型温度より高い。従って、型開き前に常
圧下で冷却されて収縮することになるので、金型キャビ
ティの形状を転写できなくなり、「ひけ」「ボイド」と
呼ばれる成形不良を起こす。過程bは型内圧目標値PmH
が高すぎた場合を示し、ゲートシール時点(点b3)の
比容積が小さく過充填になる。従って、型開時に樹脂は
型内圧のため膨張したり、歪み、クラック、金型への喰
いつき等の成形不良が起こる。
過程cでは、ゲートシール時点まで保圧時間tHをかけ
なかった例を示すもので、保圧工程の終了後にゲートか
ら逆流が生じて、比容積が減少している。これは、ゲー
トシール時点(点a3)では、過程aと同一の状態とな
る。
従って、これら従来制御の欠点をなくし、精密成形の最
大目標である「収縮量の安定」を達成するには、PVT
線図上では、ゲートシール時点と型開時化合(点d)の
比容積を等しくさせ、常に収縮量が点dと点eの比容積
の差となる様に制御することであることがわかる。
この理想的な保圧冷却過程をPVT線図上に描いた例を
第3図に示す。
同図によって理解されるように、いま型開点Dの状態
(冷却が完了し型開きして成形品を取り出す時点の状
態)、すなわち常圧で金型温度に等しい時点の比容積V
oを比容積目標値として、型内圧目標値PmH(1000bar)
の一定値制御による保圧工程(点Bから点Cへの過程)
で前記比容積Voをとる点Cに到達後、等比容積変化で
冷却すれば、ゲートシール点Fに関係なく点Dに到達
し、かつ同点Dにおける比容積がVoであるので成形品
の収縮量が安定する。
この様な制御を行なえば、たとえ型内圧目標値をPmH
1000barからPmH=600barに設定を変更しても、保圧工
程が第3図の点B→点Cが点B′→点C′へと変化する
が、このとき点C′の温度が比容積Vo上のゲートシー
ル点Fの温度より高ければ、常に等比容積変化で冷却す
ることが可能となり型開時の比容積はVoとなることが
理解されよう。
そこで、本発明では、等比容積変化に切換える点(図示
例ではC又はC′点)の樹脂温度(以下、切換樹脂温度
と呼ぶ。)TrcをPVT線図より求め、切換樹脂温度T
rcに到達した時点でスクリュの保圧工程中の微前進を停
止させ、その停止位置を保持する様に閉ループ制御する
ことによりゲートシール点Fよりも早い時点でゲートシ
ールと同様にゲートからの逆流や過充填を防止して比容
積Voで等比容積変化を行なおうとするものである。
また、このような制御方式を採用するとゲートシール時
点で樹脂の流れが無いので、ゲート部のそり、残留応力
内蔵による成形不良をも解決できる。
次に、上記原理に従う本発明の実施例装置による制御動
作について説明する。
設定器47により入力される型内圧目標値PmHと樹脂名コ
ードとからCPU49は、メモリ50に記憶された樹脂の状
態関数により切換樹脂温度Trcを算出する。
この演算方法は、樹脂のPVT線図(一般には、圧力一
定の等圧線からなる比容積(V)と温度(T)のグラフ)を2
次元座標から多数のデータV=f(P,T)とし、これを最
小自乗法による2変数近似式又は2次元2次補間式によ
りTrcを求める。
図示しないシーケンサの信号により射出が開始される
と、切換スイッチング回路44は演算制御装置側の接点44
bにつながっており、従来と同様に制御開始圧Pmoに型
内圧Pmが到達すると、制御器11の動作により充填時間
sで型内圧目標値に到達する様に制御される。計量完
了位置からスクリュ17が射出を開始すると同時に、スク
リュ17の位置検出器45の出力信号Sは、スイッチング回
路43を経てラッチ回路40へ送られる。型内圧が型内圧目
標値PmHに到達して型内圧をPmHに保持する制御が行な
われ、第3図のPVT線図に示す点Bからの等圧変化が
始まる。金型のキャビティ3に設けられた樹脂温度検出
器46の出力信号Trは、A/D変換器51を経てCPU49
に転送され、CPU49により切換樹脂温度Trcと比較さ
れる。
樹脂温度Trが切換樹脂温度Trcになると、CPU49は
信号を出力し切換スイッチング回路44の接点を演算制御
装置側の接点44bから閉ループ制御機構側の接点44aへ切
換え、スイッチング回路43の接点を「入」から「切」に
する。
ラッチ回路40は入力される位置信号Sを常に取り込ん
で、そのまま位置比較器41へ出力する機能を備えてい
る。
ここで、スイッチング回路43が「切」になると、「切」
直前の位置信号、即ち樹脂温度Trが切換樹脂温度Trc
になった時点のスクリュ位置信号Soを取り込んだ以後
は新しい位置信号が入力されないので、データの書き直
しがなく前記最後のスクリュ位置信号Soの出力を保持
することになる。その後、スクリュの位置は比較器41で
偏差eS(=So−S)を演算され、PID(比例・積分
・微分)制御を行なう位置制御器42によりスクリュ位置
が切換樹脂温度Trcに達した時点における位置信号So
を保持する様に制御される。
なお、従来例で説明した様に保圧工程では、スクリュの
前進速度は小さいので、位置制御に切換っても慣性によ
るショック、ハンチング等は生じない様にPID定数を
最適なものに調整できる。
これによりキャビティ3への過充填やゲート4からノズ
ル7への逆流がないので、比容積目標値Voの等比容積
変化で冷却が進行する。
前記スクリュ位置制御は、樹脂温度検出器46によって検
出される樹脂温度Trがゲートシール時点の温度(第3
図の点F)に到達するまで行なわれる。
ゲートシール時点Fの温度は、ゲートシール線と比容積
目標値Voとの交点として算出される。
CPU49は、樹脂温度Trの他に、型内圧検出器6の出
力信号PmをA/D変換器52を経て入力し、インタフェ
ース53を経て検出樹脂温度Tr及び型内圧Pmのデータ及
び樹脂の状態関数をパーソナルコンピュータ54へ転送す
る。
パーソナルコンピュータ54は、射出工程が終了すると前
記樹脂温度Tr、型内圧Pmのデータを用いて樹脂の状態
関数により比容積変化の実行値を演算し、第3図に示す
数本の等圧線からなるPVT線図を例えば緑色とし、前
記比容積変化の実行値を例えば赤色として、これを重ね
書きしてCRT画面にグラフィック出力する。オペレー
タはこのCRT画面により比容積、圧力、温度の変化過
程やゲートシール時点がビジュアルでわかる。そこで成
形品の形状、寸法精度、充填状況を比較することによ
り、型内圧目標値PmH、比容積目標値Voの設定値の最
適範囲を容易に得られ、生産性向上に大きな効果があ
る。
第4図は本発明の第二実施例を示すものである。
その構成について述べると、本実施例装置では上記第一
実施例におけるスクリュ位置を保持する閉ループ制御機
構の代わりに、ノズル7とシリンダ18との間に樹脂通路
の閉鎖装置を設けている。同閉鎖装置はニードルバルブ
20、図の左右に往復動してノズル先端の樹脂通路を開放
又は閉鎖するニードル21、ニードル21の後端にその上端
が連結され枢軸を中心に回動するレバー22、及び同レバ
ー22をピストンロッド24を介して駆動するレバー駆動用
油圧シリンダ23から構成されている。なお、同図中25は
その切換によりピストンロッド24を左右に動かす電磁方
向切換弁で、26は油圧シリンダ23へ圧油を送るポンプで
ある。また、27はCPU49の指令を電磁方向切換弁25を
駆動するための電気信号とするインタフェースである。
第4図はレバー22が樹脂通路閉鎖時の状態を示してい
る。開放時は、レバー22は実線位置から2点鎖線で示す
位置22aになる。
以上の構成において、型内圧が型内圧目標値PmHに到達
した後、同圧力を保持する制御が行なわれ、樹脂温度検
出器46により検出される樹脂温度Trが切換樹脂温度T
rcに等しくなると、CPU49はインタフェース27を介し
て指令を出力し、電磁方向切換弁25のソレノイドaが励
磁されてレバー駆動用油圧シリンダ23に圧油が供給さ
れ、ピストンロッド24が右方へ移動し、レバー22が2点
鎖線で示す位置22aから右方の実線位置に移動して、こ
れによりニードル21が前進(図示、左方)し樹脂通路を
閉鎖する。
この閉鎖によりキャビティ3への過充填や、ゲート4か
らノズル7への逆流がないので、以降は比容積目標値V
oとした等比容積変化で冷却が進行することになる。
なお、当該第二実施例において、ニードルバルブを用い
ることなく樹脂通路の閉鎖装置を金型内部の、例えばス
プルー5又はゲート4を閉鎖する位置に設けるようにし
てもよい。
(発明の効果) 以上、詳細に説明した如く本発明によれば次の効果を奏
するものである。
(1)一定制御の保圧中、予め設定された比容積目標値に
溶融樹脂の比容積が等しくなった時点でスクリュの移動
を停止し、或は金型の樹脂流路を閉鎖するため、保持中
に金型への過充填やノズルへの逆流がないので、等比容
積変化をして冷却されることになる。従って、収縮量を
常時最少かつ一定に安定させることが可能となり寸法精
度が著しく向上する。
(2)ゲートシール時点で樹脂の脈動が起きず、またゲー
ト部への過大圧もかからないので、「そり」「歪み」等
の変形や複屈折の悪化等の成形不良が解決される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第一実施例としての概略を示すシステ
ム図、第2図は従来のPVT線図に基づく制御態様を示
す説明図、第3図は本発明におけるPVT線図を用いて
制御する場合の説明図、第4図は本発明の第二実施例と
しての概略を示す制御システム図、第5図は従来の制御
を示す概略システム図、第6図は従来の型内圧の制御曲
線図、第7図は従来制御の型内圧、射出速度、射出圧の
実行値曲線図である。 図の主要部分の説明 40…ラッチ回路 41…位置比較器 42…位置制御器 43…スイッチング回路 44…切換スイッチング回路 45…位置検出器 46…樹脂温度検出器 47…設定器 48…インタフェース 49…CPU

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型内の樹脂圧力(型内圧)と樹脂温度を
    夫々検出する検出器を内部に設けた金型を用いて充填開
    始から保圧完了までの制御を行なう射出制御において、
    型内圧が予め設定された型内圧目標値に至るまで一定の
    関数で示されるパターンに従って漸増する様に充填制御
    される充填工程と、型内圧目標値を保持する様に保圧制
    御を行なうと共に、樹脂の状態関数に基づき型内圧目標
    値の圧力下で予め設定された比容積目標値に達する時点
    の切換樹脂温度を算出し、上記検出樹脂温度が前記切換
    樹脂温度に到達するとキャビティへの充填及びキャビテ
    ィからの逆流を防止する保圧工程からなることを特徴と
    する射出成形機の射出制御方法。
  2. 【請求項2】金型内の樹脂圧力(型内圧)を検出する型
    内圧検出器と金型内の樹脂温度を検出する樹脂温度検出
    器を内蔵する金型を用いた射出成形機において、充填工
    程から保圧工程にかけて型内圧が型内圧目標値になる様
    に制御する閉ループ制御機構と、樹脂の状態関数に基づ
    いて比容積目標値から切換樹脂温度を算出すると共に保
    圧工程中に樹脂温度が前記切換樹脂温度に到達すると切
    換信号を出力する演算制御装置とその切換信号が入力さ
    れるとキャビティにおける樹脂の流動を抑止する制御機
    構とからなることを特徴とする射出成形機の射出制御装
    置。
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