JPH0639991A - 掻き取りブレード - Google Patents

掻き取りブレード

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JPH0639991A
JPH0639991A JP19554192A JP19554192A JPH0639991A JP H0639991 A JPH0639991 A JP H0639991A JP 19554192 A JP19554192 A JP 19554192A JP 19554192 A JP19554192 A JP 19554192A JP H0639991 A JPH0639991 A JP H0639991A
Authority
JP
Japan
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blade
ceramics
implanted
ion
face
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP19554192A
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English (en)
Inventor
Akio Dewa
昭夫 出羽
Takashi Kimura
隆 木村
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Publication of JPH0639991A publication Critical patent/JPH0639991A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 硬質セラミックスの焼結材からなるブレード
の靭性の向上を図った。 【構成】 ブレード1の刃部を、表面4、裏面5及び側
面6にイオン7を注入したセラミックス焼結材で形成し
たことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印刷機の印刷版等に適用
される掻き取りブレードに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば印刷版の版面等に付着した余分の
インキを掻き取って印刷時における地汚れを防止した
り、インキ膜厚を一定にするために使用する掻き取りブ
レードは従来図5及び図6の様にエッジを斜めに研削し
て版面に接触する部分が鋭利に加工しているもの、更に
は、ブレード全体又は先端部のみを極薄肉とした図7及
び図8の形状のものが用いられている。
【0003】これらの掻き取りブレードは殆んどが工具
鋼や高速度鋼等の硬質金属又はメッキ、溶射等の硬質表
面処理材が用いられている。又、近年、ジルコニア等の
セラミックスの焼結材からなる掻き取りブレードも検討
されているが、いずれも摩耗速度大、刃部の欠け等の問
題点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】掻き取りブレードは刃
先を印刷版の版面に接触させつつ版面の印刷インキを掻
き採るため、インキ中の不純物、紙粉等により刃先の摩
耗が激しく、鋼ではもともと耐摩耗性がそう高くなく、
又メッキからの腐食も加味し寿命が短かい。図5及び図
6の様に先端を斜めに加工したものは印刷工程中次第に
刃先が摩耗されて版面との接触面積が変化(増大)して
いくため印刷物の色調の変化につながる。そのためブレ
ードの再研削又は取り換えの周期が短かく、ブレードの
交換に要する時間、色調再現のために要する諸作業、そ
れに伴う損紙の増大等のロスが生じる。
【0005】一方、図7及び図8の様な薄肉な均一厚さ
のものは上述の問題点は解消出来るが、薄肉のため鋼単
体では摩耗速度が早く、硬質Crメッキ又はAl2 3
溶射等の表面被覆材、更に硬質セラミックス単体も検討
されている。しかし表面被覆を版面との接触面に施工し
ても短時間の効果しか得られず、非接触面即ちブレード
の表・裏面へ施工してブレード全体の平均硬さを上昇さ
せるにはかなりの膜厚が必要であり、厚膜による被膜の
密着性の低下、ブレードの全厚の増大に起因する掻き取
り性能の低下(掻き取り後の版面に残存するインキの厚
さが大きい)が生じる。一方、硬質セラミックスは耐摩
耗性の面では極めて優れているが、靭性に劣るため刃こ
ぼれが生じ易く、やはり高品質な印刷には信頼性に欠け
る。
【0006】本発明は、かかる問題点に対処するため開
発されたものであって靭性に優れた硬質セラミックスの
ブレードを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の構成を実施例に対応する図1及び図2を用
いて説明すると本発明はブレード1の刃部を表面4、裏
面5及び側面6にイオン7を注入したセラミックス焼結
材で形成したことを特徴とする。
【0008】
【作用】そして本発明は上述の手段により硬質セラミッ
クス焼結材とする刃部は鋼に比べ耐摩耗性が著しく向上
するため薄肉化が可能であり、印刷版面の掻き取り性能
の向上、印刷物の色調の安定化が得られる。又ブレード
の表・裏面及び側面に種々の元素をイオン注入すること
によりセラミックスの表面層に圧縮残留応力が付加さ
れ、同時に表面層の靭性が向上するためクラックの発
生、欠け等の損傷が大幅に軽減され、長寿命な掻き取り
ブレードが得られ更にイオン注入は他のコーティング膜
(メッキ、溶射、イオンプレーティング等)の様に厚さ
の増大はなく又温度上昇を伴なわないため処理材の剥
離、基材の変質がなく安定した掻き取りブレードが得ら
れる。
【0009】
【実施例】以下本発明の一実施例を図1及び図2に基づ
いて説明すると1は掻き取りブレードを示し、該ブレー
ド1の刃部をセラミックス焼結材で構成し該刃部の版面
2との接触面3以外の表面4、裏面5及び両側面6にイ
オン7を注入した。そして本発明に使用するセラミック
スは高硬度、高強性及び薄板加工性等からY2 3 ,M
gOを含有した安定化ジルコニア及びアルミナセラミッ
クスの薄板(50μm)が望ましいが、熱膨張、熱伝導
率等を重要視する場合はアルミナを用いてもよい。注入
するイオンの種類は、本注入が靭性の向上に主眼を置い
ているため特に限定しない。
【0010】尚、注入エネルギーは数10kev未満で
は基板内に十分入り込むことが出来ない。〔例えば真空
第26巻第4号(1983年)287〜293頁「イオ
ン注入と蒸着の併用による改質と薄膜形成」の第1頁を
参照。〕又1000kevを超えると基板表面及び生成
した膜が逆にスパッタされ膜生成が困難となるためその
範囲は数10kevから1000kevが好適である。
一方、注入量は注入分布、注入時間を考慮すると上記エ
ネルギー範囲では105〜108 イオン/cm2 が望ま
しい。図2は表1に示す様な本発明の掻き取りブレード
の実施例1〜5及び従来の各種ブレードを用いた比較例
1〜4を用い、実機の印刷シリンダーをmodifyし
たテスト機により摩耗試験を行った結果である。
【0011】
【表1】
【0012】SK5にクロムメッキしたブレードは著し
く摩耗速度が大きく、薄肉ブレードでは長寿命化は期待
できないことが分かる。一方、セラミックス単体の場
合、初期摩耗速度は小さいが、ある時点で急激に摩耗量
が増大すると同時に印刷版面に筋模様が認められた。こ
の時点でブレード先端部を調査すると図3に示す様にブ
レードの表面側を起点に局部的な欠損が発生しており、
摩耗量の急増、印刷版面の筋模様はこの欠損によるもの
であることが確認された。
【0013】本発明の実施例1〜5は比較例2〜4と同
一なジルコニア及びアルミナセラミックスの表・裏、側
面に表2に示す条件で、Ti+ ,N- 及びCr+ を注入
したものであるが、約350万部の印刷部数処理後も刃
先の欠損は認められず、摩耗速度は極めて小さいことが
確認された。これは前述の通りイオン注入による圧縮機
残留応力の付加、靭性の向上等の効果によるものと思わ
れる。
【0014】
【表2】
【0015】表3に各種セラミックス基板材料に各種の
イオンを注入したときの残留応力の測定結果を示す。い
ずれも圧縮応力でその大きさは0.5〜6GPaに及ん
でいることが分かる。この圧縮応力は照射欠陥と、注入
イオンの導入による注入表層の体積膨張により発生し、
この圧縮残留応力の存在がセラミックスの靭性の向上に
寄与していると言われている。これを確認するため、本
実施例1の表面をビッカース硬度計により圧痕を付け、
圧痕跡をミクロ的に観察すると、未処理のセラミックス
の圧痕のコーナ部には微小なクラックが発生しているの
に対しイオン注入したものは何らクラックは発生せず、
イオン注入が靭性の向上効果を有することが確認され
た。
【0016】
【表3】
【0017】一方、本実施例3と同一基材のイットリウ
ム安定化ジルコニア(ZrO2 )セラミックスにN+
注入したときの破壊靭性値Kic及び注入面の硬さのデ
ータを図4に示す。照射量により相違するがKicは未
注入機に比べ1.2〜1.5倍、又硬さも1.2〜1.
4倍上昇することが分かる。尚、今回の摩耗試験でブレ
ードの基材にアルミナセラミックスを用いたものはアル
ミナの特性(低靭性)を考慮して低線圧でテストした
が、注入するイオンの種類、注入量、注入エネルギーを
検討することにより更に高線圧に耐えるブレードを得る
可能性がある。
【0018】
【発明の効果】このように本発明によるときはブレード
の刃部を、表面、裏面及び側面にイオンを注入したセラ
ミックス焼結材で形成したものであるからブレードは硬
質薄肉であり、靭性に富んでいるため耐摩耗性は勿論、
耐剥離性、耐食性に優れており長期に亘って良好な掻き
取り性能、印刷物の色調の安定化が得られる。
【0019】従ってブレードの再研削の必要はなく、又
取り換えの周期が長いためブレードの交換に要する時
間、色調再現のために要する諸作業、それに伴う損紙の
増大等のロスが激減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので(a)は側面
図、(b)は平面図である。
【図2】本発明と従来例との摩耗比較試験図である。
【図3】従来例の欠陥図で(a)は側面図、(b)は平
面図である。
【図4】ジルコニアにNを注入したものの破壊靭性(K
ic)と硬さ上昇図である。
【図5】従来例の断面図である。
【図6】従来例の断面図である。
【図7】従来例の断面図である。
【図8】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 ブレード 7 イオン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレードの刃部を表面、裏面及び側面に
    イオンを注入したセラミックス焼結材で形成したことを
    特徴とする掻き取りブレード。
JP19554192A 1992-07-22 1992-07-22 掻き取りブレード Withdrawn JPH0639991A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19554192A JPH0639991A (ja) 1992-07-22 1992-07-22 掻き取りブレード

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19554192A JPH0639991A (ja) 1992-07-22 1992-07-22 掻き取りブレード

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0639991A true JPH0639991A (ja) 1994-02-15

Family

ID=16342816

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19554192A Withdrawn JPH0639991A (ja) 1992-07-22 1992-07-22 掻き取りブレード

Country Status (1)

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JP (1) JPH0639991A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7383772B2 (en) 2002-10-19 2008-06-10 Koenig & Bauer Aktiengesellschaft Guiding elements for a printing unit

Cited By (1)

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Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

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Effective date: 19991005