JPH0639149B2 - 耐熱性の優れた塩化ビニル系樹脂シートを表面層に有する積層体 - Google Patents

耐熱性の優れた塩化ビニル系樹脂シートを表面層に有する積層体

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JPH0639149B2
JPH0639149B2 JP60085113A JP8511385A JPH0639149B2 JP H0639149 B2 JPH0639149 B2 JP H0639149B2 JP 60085113 A JP60085113 A JP 60085113A JP 8511385 A JP8511385 A JP 8511385A JP H0639149 B2 JPH0639149 B2 JP H0639149B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は架橋性塩化ビニル系樹脂シートを表面層とする
積層体に関するものであり、特に耐熱特性及び耐摩耗性
が求められている積層体に関するものである。
「従来の技術と問題点」 従来、塩化ビニル系樹脂組成物を表面層とした床材や壁
装材が多量に用いられているが、これらにはかなりの量
の可塑剤が含まれているため本質的に耐熱変形性や耐摩
耗性が劣るという欠点があった。特に耐タバコ性につい
ては、誤って落したタバコの吸殻の火によって、床材の
表面が溶けて凹凸痕が生じたり、表面が膨れたりして装
飾的価値を低下させ、当業界では高温物の短時間接触に
対する耐熱性の向上が望まれてきた。
このような欠点を改良する方法として、表面に反応性可
塑剤を含む軟質塩化ビニル系樹脂組成物を積層する方法
(特開昭51-88582)、架橋剤を含有する軟質塩化ビニル
系樹脂組成物を積層する方法(特開昭52-19783)、テト
ラヒドロフランに不溶なゲル分を含有する塩化ビニル系
樹脂を用いた軟質塩化ビニル系樹脂組成物を積層する方
法(特開昭55-21217)などが提案されている。しかし乍
ら、反応性可塑剤を用いる方法は反応性可塑剤を成形中
に重合させて製品の硬度をあげる方法であるが、該特許
に記載された方法では塩化ビニル系組成物の変性は充分
でなく、タバコの火のような高温加熱体に対する耐熱性
の大幅な改良は期待できない。また、ジチオールトリア
ジン系の化合物を用いて架橋する方法では耐熱性は優れ
ているが、熱安定性および耐候性が悪く、臭気がある、
温水白化がおこりやすい。MgOなどの架橋助剤の併用に
より透明性が劣る、等の品質上の問題のみならず架橋速
度及び架橋度のコントロールが難かしい、架橋に比較的
長い成形時間を要す等の問題を孕んでいる。また、テト
ラヒドロフランに不溶なゲル分を含有する塩化ビニル系
樹脂を用いた方法は、塩化ビニル系樹脂は部分的に架橋
しているといえども塩化ビニル樹脂以外の組成物は架橋
しておらず、本質的には一般の軟質塩化ビニル樹脂組成
物と変らず耐熱性は不充分である。
「問題点を解決するための手段」 本発明者らはかかる実情に鑑み、上記問題を解消すべく
鋭意研究の結果、シロキサン縮合触媒が添加された組成
物であれば、バンバリーミキサーなどによる溶融混練、
ミキシングロールなどの混練時に架橋がおこり、カレン
ダーまたは押出機などの方法で容易にシート状に成形加
工でき、また、いわゆるシロキサン縮合触媒が添加され
ていない組成物でもシート状に成形した後に徐々に架橋
が進み、積層体の表面層として好適な耐熱性の優れた表
面層を有する積層体を提供することに成功し、本発明を
完成させた。
即ち本発明は、下記の(a)成分、(b)成分及び(c)成分と
からなる樹脂組成物シートを表面層に有してなる耐熱性
の優れた積層体; (a)塩化ビニル系樹脂 100重量部、 (b)炭素−炭素二重結合を有するビニル系樹脂とヒドロ
シランとによるヒドロシリル化反応、またはビニル系化
合物と二重結合を有するラジカル重合性シラン化合物と
のラジカル共重合により得られる下記一般式 (式中、Rは水素または炭素数1〜10のアルキル、アリ
ール、アラルキル基より選ばれる1価の炭化水素基、X
は加水分解性基、nは1〜3の整数)で表わされるシリ
ル基を分子中に少なくとも1つ有するビニル系重合体
3〜150重量部、 (c)可塑剤 30〜200重量部 を内容とするものである。
本発明において、積層体の表面層として好適な樹脂組成
物は、塩化ビニル系樹脂に可塑剤を加え、必要に応じて
安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、顔料、加工助剤など通常
の塩化ビニル系樹脂組成物に用いられる添加剤を加えた
系に、シリル基を分子中に少なくとも1つ有する特定の
ビニル系重合体を加えたものからなり、この架橋性軟質
塩化ビニル系組成物はシロキサン縮合触媒が添加された
組成物であれば、驚くべきことにバンバリーミキサー、
ミキシングロールなどで溶融混練することにより架橋が
おこり、しかもカレンダーまたは押出機などの方法で容
易にシート状にとり出すことができ、また、いわゆるシ
ロキサン縮合触媒が添加されていない組成物でもシート
状に成形した後徐々に架橋が進み、該シートを積層体の
表面として利用することにより耐熱性及び耐摩耗性に優
れた積層体を提供するものである。本発明において架橋
の程度はシリル基を含有するビニル系重合体の添加量に
より容易にコントロールすることができ、この架橋した
シートを表面層とする積層体は耐熱性が特に優れ、耐摩
耗性も優れた特徴を有するものである。
本発明において用いられる塩化ビニル系重合体は、塩化
ビニルモノマーを単独重合させた塩化ビニル樹脂、また
は塩化ビニルを主成分とする、すなわち85%以上含有す
る塩化ビニル共重合樹脂であり、後者の具体例として
は、例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、塩化ビ
ニル−エチレン共重合樹脂、塩化ビニル−プロピレン共
重合樹脂、塩化ビニルとアクリル酸またはそのエステル
との共重合樹脂、塩化ビニルとメタクリル酸またはその
エステルとの共重合樹脂、塩化ビニルとアルキルビニル
エーテルとの共重合樹脂などがあげられる。これらの塩
化ビニル共重合樹脂は塩化ビニル樹脂に対して劣位置
(30%まで)ブレンドして使用してもよい。
これらの塩化ビニル樹脂およびその共重合樹脂は懸濁重
合、塊状重合、乳化重合法により作ることができ、市販
されている塩化ビニル系樹脂はいずれも使用することが
できる。
前記塩化ビニル系樹脂の平均重合度は700〜4,500である
ことが好ましく、平均重合度が700未満になると溶融粘
度が下がりカレンダーや押出成形加工がしにくくなり、
平均重合度が4,500をこえると溶融ゲル化が遅くなり、
溶融粘度が上がり、カレンダーや押出成形加工がしにく
くなる。成形加工のし易さからいえば平均重合度は1,00
0〜3,500が好ましい。
また、塩化ビニル系樹脂として特開昭56-81325号、特開
昭57-195711号などに開示されているテトラヒドロフラ
ンに不溶なゲル分を有する部分的に架橋された塩化ビニ
ル系樹脂を用いることもできる。
本発明に用いるシリル基含有ビニル重合体は特開昭54-3
6395号、特開56-43364号、特開昭58-157810号などに開
示されたシリル基を分子中に少なくとも1つ有するビニ
ル系重合体を指し、該シリル基含有ビニル系重合体は以
下(A)及び(B)の方法で作ることができる (A) (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、
アラルキル基より選ばれる1価の炭化水素基、Xはハロ
ゲン、アルコキシ、アシロキシ、チオアルコキシ、フエ
ノキシ、アミノキシ、アミノ基より選ばれる加水分解性
基、nは1から3の整数)で示されるヒドロキシ化合物
を炭素−炭素二重結合を有するビニル系樹脂とVIII族遷
移金属の触媒下で反応させて作ることができる。ハロゲ
ン化シラン類を用いて得られるシリル基含有ビニル系重
合体は、ハロゲン官能基をアルコキシ、アシロキシ、チ
オアルコキシ基などの他の加水分解性官能基に変換させ
用いることができる。
ビニル系樹脂としては特に限定はなく、メタアクリル酸
メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブ
チルなどのメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアク
リル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレンなどの
芳香族ビニル単量体、アクリロニトリルなどの不飽和ニ
トリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニル
エステル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレートなどのエポキシ基、アクリルアミド、N−メチ
ロールアクリルアミドなどのアミド基、アクリル酸、メ
タクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマル酸な
どのカルボン酸化合物、塩化ビニル、エチレンなどのビ
ニル系化合物から1種または2種以上塩化ビニル系樹脂
との相溶性を著るしく低下させない組成を適宜選んで用
いることができる。これらのビニル系化合物の単独重合
体または共重合体の製造時に、一部アクリル酸アリルや
メタクリル酸アリル、ジアリルフタレート等を添加して
ラジカル共重合させることにより、ビニル系樹脂中にヒ
ドロシリル化反応のための炭素−炭素二重結合の導入が
可能となり、ヒドロシラン化合物との反応は白金、ロジ
ウム、コバルト、パラジウム、ニッケル等から選ばれた
VIII族遷移金属錯体化合物を触媒として用いることによ
って行なうことができ、シリル基含有ビニル系重合体を
作ることができる。
(B)シリル基含有ビニル系重合体の他の作り方として
は、 (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、
アラルキル基より選ばれる1価の炭化水素基、R2は重合
性二重結合を有する有機残基、Xはハロゲン、アルコキ
シ、アシロキシ、チオアルコキシ、フェノキシ、アミノ
キシ、アミノ基より選ばれる基、nは1から3までの整
数である。)で示されるシラン化合物をラジカル重合す
ることによって作ることができる。シラン化合物として
は、特開昭58-157810号などで開示されている などの化合物が用いられ、ビニル系化合物としては(A)
法に記載された以外に2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水酸基
を含むビニル化合物も用いることができる。これらのビ
ニル系化合物は塩化ビニル系樹脂との相溶性を著るしく
低下させないよう1種または2種以上併せて用いること
ができる。
シリル基は分子内に少なくとも1つあればよく、シリル
基含有ビニル重合体の分子量は特に限定されないが、30
0〜300,000の範囲で使用することができる。シリル基含
有ビニル重合体は塩化ビニル系樹脂100重量部につき3
〜150重量部添加できる。該重合体が3重量部未満では
架橋させることができるがゲル分は少なく、積層体の表
面層の材料として用いたとき耐熱性及び耐摩耗は不充分
であり、一方該重合体が150重量部を越えると架橋させ
た後のシートは硬くなり、加工しにくく、また価格も上
がり、積層体の表面層の材料として実用性に乏しくな
る。
本発明において、可塑剤は積層体の表面層を適度に柔軟
にするために用いられるものであり、可塑剤の添加量は
表面層の柔らかさの要求によって変わり一概に規定でき
ないが、床材や壁装材などの用途においては30〜200重
量部の範囲で用いられる。なお、表面層の材料の硬度は
シリル基含有ビニル系重合体の組成や添加量によっても
ある程度調整することができる。可塑剤としては、例え
ばジオクチルフタレート、ジノニルフタレート、ジイソ
デシルフタレートなどのフタル酸系可塑剤、アジピン酸
ジオクチル、アゼライン酸ジオクチルなどの脂肪酸系可
塑剤、トリメリット酸トリオクチルなどのトリメリット
酸系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、エポキシ化大豆油
などのエポキシ化合物、トリクレジルフォスフェートな
どのリン酸系可塑剤、塩素化パラフィンなど通常軟質塩
化ビニル系樹脂組織物に用いられる可塑剤を使用するこ
とができる。
シリル基含有ビニル系重合体を含む塩化ビニル系樹脂組
成物を架橋するには、該重合体中のSi原子に直結したア
ルコキシ基などの加水分解性基が水との接触によりシラ
ノール化した後、更に2個のシラノール分子が脱水縮合
し、Si-O-Si結合を生成し架橋せしめる反応を促進する
働きを有するものであれば、すべて好適に用い得る。本
発明で使用されるシラノール縮合触媒は、効果的な種種
の物質が公知であり、且つ有機金属化合物、例えばカル
ボン酸の金属塩、チタンキレート、アルキルチタン酸エ
ステル、アルキルジルコニウム酸エステル、有機塩基及
び有機酸を包含する。このような触媒の具体的な例は、
ジラウリン酸ジブチルスズ、ジオクタン酸ジブチルス
ズ、ジ酢酸ジブチルスズ、オクタン酸第一スズ、オレイ
ン酸第一スズ、フタル酸ジブチルスズ、オクタン酸鉛、
2−エチルヘキソン酸亜鉛、コバルトナフテナート、オ
クタン酸コバルト、2−エチルヘキソン酸鉄、ビス(ア
セチルアセトニル)ジ−イソプロピルチタナート、ジ−
イソプロポキシチタンジ(エチルアセトアセタート)、
チタン酸テトラブチル、ジルコニウム酸テトラブチル、
エチルアミン、ヘキシルアミン、ラウリルアミン、ジブ
チルアミン、ピペリジン、オクトデシルアミンアセター
ト、p−トルエンスルホン酸及び酢酸などである。好ま
しい触媒は有機金属化合物、詳細にはカルボン酸スズ、
例えばジラウリン酸ジブチルスズ、ジ酢酸ジブチルス
ズ、ジオクタン酸ジブチルスズ、及びフタル酸ジブチル
スズなどが好ましい。シラノール縮合触媒は0.01から5
重量部の量で用いることができる。ジラウリン酸ジブチ
ルスズのごとき塩化ビニル系樹脂の熱安定剤にも用いら
れる触媒は熱安定剤を加えなくてもよい。該組成物の熱
安定性及び混練加工性などの面から三塩基性硫酸鉛など
の鉛系熱安定剤、Ba/Zn系熱安定剤Ca-Zn系熱安定剤、Cd
-Ba系熱安定剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カル
シウムなどの一般に塩化ビニル系樹脂組成物の加工に用
いられる熱安定剤を併用することもできる。透明性を阻
害しない安定剤が適当であり、一般に6重量部以下の量
で用いられる。また、いわゆるシラノール縮合触媒を添
加しなくても、成形加工後架橋は徐々に進行し、耐熱性
を向上させることができる。
なお、本発明に用いられる樹脂組成物には必要に応じて
滑剤、加工助剤、顔料、などを配合して使用してもよ
く、その種類および量は目的に応じて適宜選択すればよ
い。滑剤の例としては、高級アルコール類、高級脂肪酸
類、高級脂肪酸エステル類など透明性を著るしく低下さ
せないものが好ましく、通常塩化ビニル系組成物に使用
されるものが用いられ、1種または2種以上を2重量部
以下の量で用いられる。加工助剤の例としては、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのメタクリル酸
エステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸ブチルなどのアクリル酸エステルの単独重合体ま
たはこれらのエステル類の共重合体などを用いることが
でき、一般に15重量部以下の量で用いることができる。
本発明に用いられる耐熱性に優れた塩化ビニル系樹脂シ
ートは通常の塩化ビニル系樹脂シートと同じ製造工程に
より製造することが可能である。耐熱性に優れた塩化ビ
ニル系樹脂シートは通常の塩化ビニル樹脂組成物と同じ
工程によりシート成形が可能である。即ち、リボンブレ
ンダーなどの攪拌混合機にて塩化ビニル系樹脂、可塑
剤、シロキサン結合を促進する触媒、熱安定剤、滑剤な
ど混合し、シリル基含有ビニル系重合体を添加し混合し
たのち、直ちにバンバリーミキサー、ミキシングロール
などによって混練しカレンダー加工によりシート化され
る。シロキサン結合はバンバリーミキサー、ロール混練
中におこるが、架橋化された組成物は驚くべきことに容
易にカレンダー加工できシートとして取り出すことがで
きる。
なお、バンバリーミキサーの混練温度は120〜200℃がよ
く、該架橋性塩化ビニル系樹脂組成物中の塩化ビニル系
樹脂の重合度、可塑剤の種類と量、シリル基含有ビニル
重合体の種類と量により最適温度が選ばれる。混練時間
は該組成物がゲル状になる最小時間でよく、通常2分ま
たはそれ以上で充分である。
シリル基含有ビニル系重合体とシロキサン結合を促進す
る触媒は溶融混練する直前まで分離しておく方が好まし
く、どちらかの一成分を混練直前に組成物に添加する
か、またはバンバリーミキサーなどでの溶融混練時に一
成分を添加することもできるが、シリル基含有ビニル系
重合体を後から加えることが好ましい。
本発明の、塩化ビニル系樹脂シートを表面層に有する耐
熱性の優れた積層体は、通常の塩化ビニル系樹脂シー
ト、アスベスト織布、不織布、紙などから選ばれた2層
あるいは多層の積層体の表面に積層することにより製造
される。積層は、公知の方法、例えば、加熱圧着、接着
剤を用いて行うことができる。
また、該架橋性組成物をバンバリーミキサーにて溶融混
練しロールにてシート化したり、ペレタイザーにより製
造したペレット、または溶融混練物またはシート状のま
ま押出機のホッパー口に投入、押出機によってもシート
化することが可能でありこの場合も上記と同じ方法で積
層体の表面に積層することができる。
「実施例」 以下、実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、これ
によって本発明は限定されるものではない。以下の実施
例中に記載の物性の測定は、次のごとく行なった。
ゲル含有率:表面層のシートを350メッシュ金網に入
れ、80℃の恒温水槽中で沸騰させたテトラヒドロフラン
に4時間浸漬して求めた。
耐熱性:得られた積層体の表面に火のついたタバコを水
平に放置して、表面に凹凸の変形がおこる時間または表
面が溶融して変形がおこる時間より求めた。
耐摩耗性:カレンダー成形にて得られたシートをテーバ
ー式摩耗試験機にて、摩耗輪H−18を使用し、500g荷
重、1,000回転後の摩耗減量より求めた。
カレンダー加工性:リボンブレンダーにてブレンドした
架橋性軟質塩化ビニル系組成物をバンバリーミキサーに
て150℃で5分間混練した後、逆L型カレンダーにて第
4ロールを160℃として、厚み約0.5mmの透明シートを作
成し、シートの表面状態より加工性を評価した。
実施例1〜3 第1表に示した如く、リボンブレンダーに塩化ビニル樹
脂(「カネビニールS1003」鐘淵化学製)100部(重量
部、以下同じ)に、DOP、エポキシ化大豆油、Ba-Zn
系安定剤、ジラウリン酸ジブチルスズ、ステアリン酸を
加え、最終にシリル基含有ビニル重合体(γ−メタクリ
ロキシプロピルトリトリメトキシシラン10部、メタクリ
ル酸メチル55部、アリル酸−n−ブチル35部をキシレン
100部中で開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを
用いて120℃で重合して得た。)をブレンドし、直ちに
バンバリーミキサーに投入して150℃で5分間混練後逆
L型カレンダーにて第4ロールを160℃として厚み約0.5
mmの透明シートを作成した。
上記の方法で得られた透明シートを不燃アスベスト紙上
で半ゲル化させた発泡プラスチゾル層の上に積層し、20
0℃のオーブンのなかで約3分間加熱して発泡したクッ
ション性のよい積層体を作成した。
得られた積層体を用いて、耐タバコ性試験、表面層のゲ
ル含有率、耐摩耗性及びカレンダー加工性を評価しその
結果を第1表に示した。
第1表から、本発明による積層体はタバコの火に対して
180秒以上の耐熱性を有し、極めて耐熱性が良いことが
わかる。
比較例1 シリル基含有ビニル重合体を添加せず、それ以外の配合
剤は実施例1と同様とし、同一条件で配合剤をブレン
ド、加工してシートを作成、同一方法で積層体を作り物
性を測定した。
この積層体の表面層は火のついたタバコを30秒置くと表
面が溶け出し、凹凸が生じた。
比較例2 20重合機にて脱イオン水150部、ポリビニルアルコー
ル0.1部、イソブチルパーオキシジカボネート0.05部お
よびジアリルフタレート0.2部を仕込み、脱気後塩化ビ
ニル単量体100部を仕込み、攪拌を開始し40℃まで昇温
して、17時間重合した。重合終了後内容物をとり出し脱
水乾燥し、得られた塩化ビニル重合体(テトラヒドロフ
ラン不溶なゲル含有率30%)100部に対して第1表に示
した如き配合剤を加え、リボンブレンダーでブレンドし
たのち、バンバリーミキサーにて165℃で5分間混練
し、逆L型カレンダーにて第4ロールを185℃として約
0.5mm厚の透明シートを作成した。以下、実施例と同じ
方法で積層体を作り物性を測定した。
この積層体の表面層は火のついたタバコを70秒置くと表
面が溶け出し、凹凸が生じた。
「発明の効果」 本発明は、シリル基含有化合物の主鎖部分にビニル系オ
リゴマーを使用することにより、シリル基による架橋反
応と塩化ビニル系樹脂の溶融を同時に行い得ることを可
能とし、架橋化した透明な軟質塩化ビニル系樹脂シート
をカレンダー成形または押出成形により容易に製造で
き、該シートを表面層になる様に成形加工することによ
り、耐熱性が顕著に改良されるとともに耐摩耗性も良好
であり、積層体の性能を大幅に改善することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(a)成分、(b)成分及び(c)成分とか
    らなる樹脂組成物シートを表面層に有してなる耐熱性の
    優れた積層体; (a)塩化ビニル系樹脂 100重量部、 (b)炭素−炭素二重結合を有するビニル系樹脂とヒドロ
    シランとによるヒドロシリル化反応、またはビニル系化
    合物と二重結合を有するラジカル重合性シラン化合物と
    のラジカル共重合により得られる下記一般式 (式中、Rは水素または炭素数1〜10のアルキル、アリ
    ール、アラルキル基より選ばれる1価の炭化水素基、X
    は加水分解性基、nは1〜3の整数)で表わされるシリ
    ル基を分子中に少なくとも1つ有するビニル系重合体
    3〜150重量部、 (c)可塑剤 30〜200重量部
  2. 【請求項2】樹脂組成物シートがシラノール触媒として
    ラウリン酸ジブチルスズ、ジ酢酸ジブチルスズ、ジオク
    タン酸ジブチルスズ、フタル酸ジブチルスズよりなる群
    から選ばれる1種以上のジブチルスズ化合物を0.01
    〜5重量部含有する特許請求の範囲第1項記載の積層
    体。
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