JPH0636890B2 - 粉体荷電装置および静電粉体塗着装置 - Google Patents

粉体荷電装置および静電粉体塗着装置

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JPH0636890B2
JPH0636890B2 JP25828985A JP25828985A JPH0636890B2 JP H0636890 B2 JPH0636890 B2 JP H0636890B2 JP 25828985 A JP25828985 A JP 25828985A JP 25828985 A JP25828985 A JP 25828985A JP H0636890 B2 JPH0636890 B2 JP H0636890B2
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plasma electrode
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corona discharge
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秀雄 長坂
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B5/00Electrostatic spraying apparatus; Spraying apparatus with means for charging the spray electrically; Apparatus for spraying liquids or other fluent materials by other electric means
    • B05B5/025Discharge apparatus, e.g. electrostatic spray guns
    • B05B5/03Discharge apparatus, e.g. electrostatic spray guns characterised by the use of gas, e.g. electrostatically assisted pneumatic spraying
    • B05B5/032Discharge apparatus, e.g. electrostatic spray guns characterised by the use of gas, e.g. electrostatically assisted pneumatic spraying for spraying particulate materials

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は静電粉体塗装を行う際などに必要な粉体塗料
を荷電するための粉体荷電装置、及びこの粉体荷電装置
によつて荷電した粉体塗料を被塗物に塗着するための静
電粉体塗着装置に関する。
従来の技術 従来この種の粉体荷電装置及び、これを具備した静電粉
体塗着装置は、第1に気体によつて塗料粉体等を搬送す
る管路の内周面にリング状電極を設け、該リング状電極
の軸心にコロナ放電極の先端を設け、そのコロナ放電極
からリング状電極の内周面に向つてイオン電流を流し、
これと同時に管路内を流れる粉体が、そのイオン電流を
横切る際に荷電するものである。
又、第2にリング状電極の内周面における上流側端部
に、リング状スリツトを設け、その開口を下流側に向
け、これから高速で噴出する清浄気体で、リング電極の
内周面を擦るようにして、そこを常時清浄に保つもので
ある。
更に第3は前述の各装置におけるリング電極の内周面の
形状を、下流に向けて拡がる椀形筒状電極にすると共
に、その筒状電極の内面の下流側端部にリング状スリツ
トの開口部を上流側に向けて設けたものである。
発明が解決しようとする問題点 従来の第1、第2の装置は前述のように、管路内を流れ
る粉体が、放射状イオン電流を横切る際、その粉体を荷
電するものであるが、この管路内を流れる粉体は一般に
重力や上流に接続される配管の屈曲による影響などによ
り、管路内面の片側寄りに偏つて流れ易く、しかも、前
記放射状電流は管路の軸心から内周面に近づくに従つ
て、イオン電流密度が粗くなり、その粉体塗料は、イオ
ン電流密度の粗い部分を横切ることになりやすいので、
高い荷電効率を期待することができない。
又、リング状スリツトから、清浄空気を下流側に向けて
高速で噴出するので、管路内を流れる粉体の速度を増加
し、荷電区間の滞留時間が短くなつて、帯電効率が低下
することになる。又、この荷電装置を静電塗着装置のガ
ンに使用したときは、そのガンの先端から吐出する噴流
体の速度が大きくなり、被塗物に対する塗着効率を低下
させるおそれがある。
従来の技術の第3はイオン電流の密度の低いところを、
粉体塗料が横切ることを避け、その密度の高いところを
横切るようにして、荷電効率を向上させるものである。
更にリング状スリツトから噴出する高速の清浄空気によ
つて管路中を流れる粉体を減速して、これによつても荷
電効率を向上させ、この荷電装置を静電粉体塗着装置の
ガンに使用した際、そのガンの先端から吐出する粉体の
速度を増加せず、粉体塗料の被塗物に対する塗着効率を
高めようとするものである。この場合リング状スリツト
の開口部から高速で噴出される清浄空気は、その開口部
が上流側を向いているので、筒状電極の椀形内面の大径
部から小径部に向つて、その内面に沿つて流れる。その
後、該小径部に連通せる管路を下流に向つて流れる粉粒
体と衝突、合流し、続いてコロナ放電極から筒状電極の
内面に向つて放射状に流れるイオン電流を横切つて流れ
る。この際、椀形内面を沿うように流れる清浄空気は、
その大径部から小径部に移動するにつけてその流れ方向
が上流方向から、徐々に管内の軸心に近づく方向に変化
するので、この清浄空気の流れで、前記管路中を 下流
に向つて流れる粉粒体に対し、それを管路の外周から軸
心に近づけるように誘導する。このとき前記清浄空気が
搬送されてくる粉体と衝突して急速に撹拌するので、粉
体がよく分散され、更に清浄空気の有する搬送空気と逆
向きの速度成分の作用によつて、粉体が減速され、コロ
ナ放電の生起している区内に滞留する時間が長くなる。
その結果、管路内を流れる粉体はその軸心に向けて絞ら
れ、細くなつた状態で放射状イオン電流の中心部を横切
ることとなり、放射状イオン電流の最も密度の高い電界
強度の強いところを通つて荷電される。
以上あげた在来技術の共通点は、何れもコロナ放電極の
みでプラズマ発生し、これから引出された単極性のイオ
ン電流がリング電極乃至は筒状電極に向つて流れ、リン
グ電極、筒状電極側にはプラズマが存在しないのが正常
な運転でありこの条件のもとで両電極をへだてる空間に
荷電すべき粉体を通すことを特徴とするものである。こ
れらの従来技術に共通する問題点は、高抵抗で附着性の
強い粉体を処理する場合に、運転時間の経過とともにリ
ング電極乃至は筒状電極の表面に粉体が附着蓄積され、
ここに生起する逆電離によつてコロナ放電電極に向つて
逆極性の大量のイオン電流が流れる様になり、これによ
つてコロナ放電電流による荷電が中和され、粉体荷電が
不安定になり終局的には不可能になつてしまうことであ
る。
斯様な問題点を解決することが本発明の目的である。
問題点を解決するための手段 この発明は、前述の各装置におけるコロナ放電極とリン
グ電極、乃至はコロナ放電電極と筒状電極等の電極対の
リング電極、筒状電極の代りにコロナ放電電極を適用
し、所要極性と逆極性の両方の電極をコロナ放電によっ
てプラズマを生成する電極(以下コロナ放電プラズマ電
極と呼ぶ)対に高電圧を印加し、両電極夫々の尖端に生
成しているコロナ放電プラズマより引出される正負2種
のイオン電流のうち、粉体を荷電したい極性(以下所要
極性と略称)のイオン電流のみが存在する空間を、最終
的によく分散した粉体が通過したのち排出されるように
し、所要極性イオン電流の荷電能力を、逆極性イオン電
流の荷電能力より大きくするための手段と更に必要に応
じて逆極性イオンが存在する空間から粉体を遠ざける手
段とプラズマ電極に粉体の附着防止手段を設け、使用目
的に応じて通常はコロナ放電電極の何れか一方を接地側
に接続するようにしたものである。
作用 両方のコロナ放電プラズマ電極の先端に発生したプラズ
マと不平等電界の作用により、電極に始発するイオン流
・電風・直流斥力・不平等交番電界による遠心斥力等の
効果によつて運転中は常に、電極附近に存在する粉体粒
子を帯電させ、かつ排斥する作用を両方のプラズマ電極
がもつているので、どちらの電極にも粉体粒子が附着蓄
積することがなく電極の性能が変化することがなく、長
期間安定して運転ができる。コロナ放電プラズマ電極に
粉体の附着防止手段を付加するのは主として起動停止の
過渡状態における粉体の附着を防止するためのものであ
る。
この装置では所要極性イオン電流と同時に、これと逆極
性のイオン電流が必ず存在する。
逆極性のイオン電流の存在する領域から粉体を遠ざける
ための手段、またはおよび逆極性のコロナ放電プラズマ
電極の電圧電流特性を、所要極性のコロナ放電電極の電
圧電流特性よりなるべく小さくすることは、逆極性のイ
オン電流による電荷の中和を小さくし、これら正逆両方
の荷電の差として表れる最終荷電量を実用上充分な大き
さにするためのものである。
本発明においては所要極性イオン電流が存在する空間に
粉体粒子はよく分散された状態で導入されるので、高い
効率で荷電が行なわれる。
管路内に本発明による粉体荷電装置を仕込む場合は、所
要極性プラズマ電極を絶縁材料よりなる管路の下流側に
逆極性プラズマ電極を上流側に設ければ、所要極性に荷
電された粉体が管路出口においてえられる。
所要極性プラズマ電極を絶縁材料よりなる管路の下流側
出口付近に設けて接地し、逆極性プラズマ電極を上流側
に設ければ外部電界なしに帯電した粉体粒子が得られ、
これを被塗物に向つて吹付けることにより、極めて入り
込み性能にすぐれた静電粉体塗装を実施することができ
る。
所要極性プラズマ電極を絶縁材料よりなる管路の下流側
出口附近に設け、逆極性プラズマ電極を上流側に設けて
接地側に接続すれば、外部電界は存在するが、外部イオ
ン電流のない状態で帯電粉体を被塗物に吹付けることが
でき、これにより厚膜の静電粉体塗装を実施することが
できる。
所要極性プラズマ電極を絶縁材料よりなる管路の出口端
附近に設けて被塗物に対向離設し、更に所要極性プラズ
マ電極から外部へ向うイオン電流が存在し得るように高
電圧を印加し、逆極性のコロナ放電電極を上流側に設け
て接地側に接続することにより、荷電装置内部で荷電さ
れた粉体が、さらに外部電界と外部イオン電流の存在の
もとで再荷電されて、静電粉体塗装がおこなわれるの
で、塗着効率と、つきまわり性に著しくすぐれた静電粉
体塗装を実施することができる。
実施例 本発明による第1図及び第2図に示した実施例におい
て、所要極性プラズマ電極3は先端の極率半径の小さな
針電極であり、逆極性プラズマ電極4は先端の極率半径
の大きな針電極であり、この二つの電極の間には直流電
源5によつて高電圧が印加されている。その結果両電極
間には図に示した如き両極性のコロナ放電が発生し、両
電極の先端にはそれぞれプラズマが形成される。この場
合、所要プラズマ電極3の先端の曲率半径が小さいの
で、これから引出される所要極性イオン電流6は逆プラ
ズマ電極4より引き出される逆極性イオン電流7に比べ
て大きく、かつ長く広い範囲にわたつて存在する。従つ
て矢印8によつて示される気体に搬送される粉体は、絞
り10及びこの絞り部に設けられた分散気体噴出口11から
噴出される分散気体11a によつて撹拌され、よく分散し
た粉体12となつて、所要極性イオンが主として存在する
空間13を通つて荷電され、荷電された粉体9となる。
この場合、図に明らかな如く、逆極性イオンが主として
存在する空間14は、この空間から粉体を遠ざけるための
手段15によつて、管路2から実質上分離されているの
で、逆極性のイオン電流7によつて所要極性イオン電流
による荷電が中和されることは極めて少なく、これは更
に逆プラズマ電極4のまわりの逆プラズマ電極気体噴出
口18を通して送入される付着防止気体19によつて更に確
実となる。本発明による粉体荷電装置においては、使用
される電極が、何れもその先端にプラズマが形成される
コロナ放電電極であるので、両方のコロナ放電電極の先
端に発生したプラズマと電界の作用による電極に始発す
るイオン流・電風・直流斥力等の効果によつて、運転中
は常に電極付近に存在する粒子を帯電させ、かつ排斥す
る作用をプラズマ電極がもつているので、電極に粉体粒
子が附着蓄積することがなく、電極の性能が変化するこ
とがなく長期間安定に運転ができる。なお所要プラズマ
電極3の周囲にも所要プラズマ電極気体噴出口16が、リ
ング状に設けられており、ここを通つて付着防止気体17
が高速に吹き込まれる。付着防止気体17と19は、主とし
てトーチ運転の起動停止時の過度状態における、電極先
端への粉体の付着を防止する目的のものである。なおこ
の第1図に示した型の本発明による粉体荷電装置で大容
量のものが必要な場合は、この電極対を管路の流れ方向
にそつて複数対設けることによつてその目的を達成する
ことができる。
第3図の実施例は、絶縁材料で形成され、断面の形状が
円形の筒体1の内側に、気体に搬送される粉体8を輸送
する管路2を形成し、この管路2の軸心に細いコロナ放
電電極を所要極性プラズマ電極3として配置し、かつ該
電極と対向する太いコロナ放電電極を逆極性プラズマ電
極4として管路2の外周面に設ける。この場合、逆極性
プラズマ電極4が設けられた管路2の内面は、その上流
の絞り10に連結した上流に向つて先細りの面を形成し、
その下流は矢印11a によつて示される分散気体がリング
状の分散気体噴出口11より噴出して、逆極性プラズマ電
極4の先端を常に清浄に保つとともに、管路2の中を横
切つて粉体を撹拌分散させる効果によつて、よく分散し
た粉体12となつて、所要極性プラズマ電極3の先端から
引き出される所要極性イオン電流6の主として存在する
空間13に向かつて吹き込まれ、これによつて粉体が帯電
される。この場合、逆極性プラズマ電極4より引出され
る逆極性イオン電流7は電極4の先端の曲率の半径が大
きいために電流自体が少なく、かつ絞り10によつて粉体
が逆極性イオンが主として存在する空間7から遠ざけら
れように構成されているので、逆極性イオンによる所要
極性の帯電量が中和されることを小さくおさえ、結局全
体としての荷電効率を高くすることができる。なお、こ
の場合5は両方の電極に直流を印荷するための直流電源
であり、5aはこれに電力を供給するための高周波電源で
ある。なお、所要極性プラズマ電極3の先端は、所要極
性プラズマ電極気体噴出口16より、高速で噴出する付着
防止気体17によつて、主として起動停止時の過渡状態に
おこる電極先端への粉体の付着防止の役割をはたすもの
である。
第4図は所要極性プラズマ電極3を筒体1によつて形成
される管路2の内面に設けた実施例である。この場合、
気体に搬送される粉体8は、粉体導入管路1aによつて、
管路2の接線方向から所要極性プラズマ電極3の上流側
に導入され逆極性プラズマ電極4の周囲に形成された逆
極性プラズマ電極気体噴出口18を通つて、付着防止気体
19が送入される。このようにして電源5によつて、接地
された逆極性プラズマ電極4と所要極性プラズマ電極3
との間に印加される直流高電圧によつて、両電極間には
コロナ放電が起こり、所要極性プラズマ電極3より引き
出された所要極性イオン電流6は図に示した如く管壁に
そう所要極性イオンが主として存在する空間13を形成す
る。この場合、粉体導入側口24を通して管路2に導入さ
れる粉体は、高速で管路2の中を旋回し、管壁にそつて
よく分散した粉体12となつて、所要極性イオンが主とし
て存在する空間13を横切つて出て行くので、よく荷電さ
れた粉体9を得ることができる。この場合、逆極性イオ
ン電流7が主として存在する空間14には、付着防止気体
19の作用も手伝つて、実質上粉体8が侵入しないので、
逆極性イオン電流7によつて、所要極性イオン電流6に
よる荷電が中和されることは、非常に少なくおさえるこ
とができる。この場合必要に応じて、所要極性プラズマ
電極3に付着防止用の気体を吹き込んでもよいが、強力
な旋回流自体によつて所要極性プラズマ電極3に粉体が
付着するのを、実施例のような構成によつても防止する
ことができる場合が多い。
第5図は絶縁性材料で形成され、断面の形状が円形の筒
体1の内側に、気体で搬送される粉体8を輸送する管路
2を形成し、該管路2の軸心に、先端の極率半径の小さ
い針電極よりなる所要極性プラズマ電極3を設置し、か
つ該所要極性プラズマ電極3と対向して、先端の曲率半
径の大きな逆極性プラズマ電極4を軸心に配置し、これ
ら二つの電極の間に、多段昇圧回路5及び高周波電源5a
によつて直流高電圧が印荷されるようにしたものであ
る。なお、両電極の中間よりやや上流側のところに、リ
ング状の分散気体噴出口11を設け、これを通して、分散
気体11a を管路2の中に吹き込むようになつている。通
常、静電粉体塗装等に要求される程度の粉体荷電装置に
おいては、管路内の粉体の搬送はそれ程高速に行われる
ことが少ない場合が多く、このような場合には、25に示
した如く気体に搬送される粉体は偏流をなしており、逆
極性プラズマ電極4の先端附近に形成される逆極性イオ
ンが主として存在する空間14を通過しても実質上それ程
荷電されない場合が多い。従つてこの空間14の直後にお
いて、分散気体噴出口11より強力に分散気体11a を噴出
させ、よく分散した粉体12として所要極性イオンが主と
して存在する空間13を通過させることによつて、逆極性
イオンによる中和を実質上ほとんどさけて、所要極性イ
オンによる荷電のみを実施することができ、これによつ
て荷電された粉体9を長期間安定に得ることができる。
本発明の他の実施例(第1図、第4図、第6図、第8
図)においては、逆極性イオンが存在する空間から粉体
を遠ざけるための具体的な手段を適用するが、本第5図
の場合も本発明による逆極性イオンが存在する空間から
粉体を遠ざけるための手段を含むものである。
第6図及び第7図に示した実施例においては、絶縁性材
料で形成され、断面の形状が円形の筒体1の内側に、気
体に搬送される粉体8を輸送する管路2を形成し、該管
路2の内面の上流側の軸心に、先端の曲率半径の大きな
針電極よりなる逆極性プラズマ電極4を設け、そのすぐ
上流に、円錐状の電極4から粉体を遠ざけるための手段
15を設け、これに対向して所要極性プラズマ電極3aを設
けてある。この実施例における所要極性プラズマ電極3a
は、互に近接した二つの電極3a−1及び3a−2により構
成されており、それぞれ筒体に内蔵された直流電源5の
異る位置から、それぞれ保護抵抗3a−1R及び3a−2Rを
通して、電圧の異る高電圧が印加され各電極3a−1と3a
−2の間には常に微少な火花放電によるプラズマが形成
され、これによつて逆極性プラズマ電極4に向かつて充
分な量の所要極性のイオン電流が常に引き出され、所要
極性イオンが主として存在する空間13を形成するように
なつている。なお、5Aは直流電源5に電力を供給するた
めの高周波電源である。この所要極性プラズマ電極と逆
極性プラズマ電極との中間には、管路2に開口する複数
個の旋回流噴出口11が形成され、これを通つて分散気体
11aが送入され、これによつて管路2内に存在する粉体
8がよく撹拌分散された上で、管壁に接近し、所要極性
イオンが主として存在する空間13を通つて、単極性に荷
電された粉体9を得ることができる。この実施例におい
ては、逆極性プラズマ電極4から粉体8を遠ざけるため
の手段15と、分散気体噴出口をなす旋回流噴出口11の両
方の働きによつて、逆極性イオンが主として存在する空
間14に粉体が近づくことがほとんどないので、逆極性イ
オンによる電荷の中和を実質上さけることができ、これ
によつて長期間安定した粉体の荷電を高能率で実施する
ことができる。
第8図の実施例においては、絶縁性材料で形成された断
面の形状が円形の筒体1の内側に、気体に搬送される粉
体8を輸送する管路2を形成し、該管路2の軸心の出口
側に、先端の曲率半径の小さな針電極よりなる所要極性
プラズマ電極3を設け、これに電源5により高電圧を印
加し、このまわりに形成された所要極性プラズマ電極気
体噴出口16より、付着防止気体17を噴出させ、これに対
向して、先端の曲率半径の大きな針電極4よりなる逆極
性プラズマ電極4を設置し、そのまわりに逆極性プラズ
マ電極より粉体を遠ざけるための手段として、円錐状コ
ーン15を設置し、逆極性プラズマ電極4の周辺からは付
着防止気体19を逆極性プラズマ電極気体噴出口18を通し
て吹き込むようになつている。
この実施例においては、粉体は逆極性イオンが主として
存在する空間14に侵入せずに、逆極性プラズマ電極部分
を通過し、その後で、リング状の分散気体噴出口11より
噴出する分散気体11aによつて粉体がよく分散された状
態で管路2の中心部に集められつつ、所要極性イオンが
主として存在する空間13に導入されるので、逆極性プラ
ズマ電極4による荷電が、中和を実質上ほとんどなしに
して、高能率で粉体の荷電を実施され、よく荷電された
粉体9を得ることができる。
本発明による粉体荷電装置では、所要極性プラズマ電極
の電圧電流特性を逆極性プラズマ電極の電圧電流特性よ
り大きくとる方が、一般には高い効率を得やすいが、第
1図、第3図、第4図、第5図、第6図、第8図等の如
く逆極性イオンが主として存在する空間14より、粉体を
遠ざける手段を有する場合等には、両プラズマ電極の電
圧電流特性は必ずしも差をつける必要のない場合もあ
る。
第9図で示したのは本発明による所要プラズマ電 極3
と、逆極性プラズマ電極4の動作状態における電圧電流
特性に大きな差をつけることの主要な効果によつて粉体
の荷電を実施する例について示したものである。第9図
においては絶縁性材料で形成され、断面の形状が円形の
筒体1の内側に、気体に搬送される粉体8を輸送する管
路2を形成し、該管路2の軸心に、先端の曲率半径の極
めて小さく、かつ耐久性の良好な所要極性プラズマ電極
3を設置し、これに対向して先端の曲率半径の大きい逆
極性プラズマ電極4を設け、これを接地し、かつ所要極
性プラズマ電極3に直流電源5によつて高電圧を印加す
るようにし、かつ逆極性プラズマ電極4の上流に設けた
絞り10と、この部分に設けたリング状の分散気体噴出口
11より、分散気体11a を噴出させて、粉体をよく分散し
た状態で逆プラズマ電極に送入し、次いで所要プラズマ
電極部を通過させるようにしたものである。なお、5aは
直流高電圧回路5に電力を供給するための高周波電源で
ある。このようにした場合、気体に搬送される粉体は、
既に充分に分散した状態で荷電されやすくなつて、まず
逆極性プラズマ電極4の下流に形成される主として逆極
性イオンが存在する空間14を通過するので、ここで一た
ん逆極性に荷電されるけれども、次で、これより充分大
きな電圧電流特性をもつた所要極性プラズマ電極13より
引き出される強力な所要極性イオン電流の存在する空間
13を通るので、ここで前に与えられた電荷をうち消し
て、充分所要極性に荷電されて、矢印9の如く排出され
る。このような目的を実現するには両電極の荷電特性に
大きな差をつけることが必要であつて、処理する粉体の
量や極性の送択に制限がある場合があるが極めて構造が
簡単なので、目的によつては充分これで本発明の目的を
達する場合もある。なお、この実施例で用いられる気体
の分散手段10、11は特に設けなくても、搬送する気体の
特性や供給量、搬送気体の風速などによつて、既に充分
に分散した状態で電極の存在する区間に粉体が供給され
るような場合には、これらの粉体分散手段は特に設ける
必要がない場合があるが、このような場合も本発明の範
囲に含まれるのである。
第10図の実施例においては、絶縁性材料で形成され、断
面の形状が円形の筒体1の内側に、気体に搬送される粉
体8を輸送する管路2を形成し、該管路2の内面に先端
の曲率半径が極めて小さい所要極性プラズマ電極3を配
置し、これに対向して先端の曲率半径の大きな逆プラズ
マ電極4を設け、この間に直流電源5によつて直流電位
差を印加するようにしてある。この場合他の実施例でも
同様であるが、必ずしも片方の電極が接地されることは
必要ではなく、本実施例のように電源5の途中から若干
の電圧を印加した状態で両電極間に電位差を設ける場合
もこの発明の範囲に含まれる。
なお、さらにこの実施例においては、接線方向から分散
気体11a を吹き込むための分散気体噴出口11が管路2の
内面に設けられており、これによつて気体が管壁に接近
した状態でよく分散されて、先ず逆極性プラズマ電極付
近に形成される逆極性イオンが主として存在する空間14
を通過し、その後に所要極性イオンが主として存在する
空間13を通るが、この場合先端の曲率半径に大きな差が
あり、逆極性プラズマ電極4の逆極性イオンが主として
存在する空間14より、所要極性イオンが主として存在す
る空間13の方がはるかに大きく、かつ強力であるので、
全体として粉体は所要極性に充分荷電され、荷電された
粉体9となつて装置から排出される。この場合も、第9
図の実施例と同様に、粉体の既によく分散された状態で
管路2に入つて来る場合には、必ずしも粉体の分散手段
11及び分散気体11a は必要でない場合もあるが、このよ
うな場合も本発明の範囲に含まれる。
第11図は、所要極性プラズマ電極のプラズマ発生能力を
特に大きくとつて、特に高能率、大容量の本発明による
粉体荷電装置を実施する場合に好適な実施例を示したも
のである。
第11図において、絶縁性材料で形成され、断面の形状が
円形の筒体1の内側に気体に搬送される粉体8を輸送す
る管路2を形成し、該管路2の軸心に所要極性プラズマ
電極3として、交流駆動型のプラズマ発生電極が設けら
れている。この所要極性プラズマ電極3は先端が閉じた
セラミツク等よりなる細い管状絶縁物3Yの中心に、中
心電極3Zが設けられ、その外側に鉢巻状に表面電極3
Xが設置されており、この中心電極3Zと表面電極3X
との間には交流電源26によつてトランスを介して交流の
高電圧が印加され、更に、これに直流電源5によつて直
流電圧が印加されるようになつている。
これに対向する逆極性プラズマ電極は通常は先端の曲率
半径の大きいコロナ放電電極4でよく必要に応じてその
まわりに設けられた逆極性プラズマ電極気体噴出口18よ
り、付着防止気体19を噴出して、その先端への粉体の付
着を防止するようになつており、これが接地されてい
る。なお、両電極の間に開口するリング状の分散気体噴
出口11からは、分散気体11a が噴出し、この位置におい
て搬送される粉体が充分に分散された状態になるように
構成されている。この実施例において使用される所要極
性プラズマ電極は、表面電極3Xと中心電極3Zとの間
に印加される高流高電圧によつて表面電極3Xの周辺に
極めて強力な交流のプラズマが発生するのでこれから充
分な量の所要極性イオンが大量に引き出され、これによ
つて所要極性イオンが主として存在する空間13が強力に
形成されるので、本発明において特に強力で、かつ大容
量の粉体荷電装置を実現するために好適なものである。
なお、この所要極性プラズマ電極3においては表面電極
3Xの周辺に形成される極めて強力な不平等交流電界の
作用によつて、この付近には粉体粒子が接近することが
できないので、特別な付着防止手段を用いる必要がない
場合が多いが、起動停止時の付着防止のためには、付着
防止気体をこの電極の周辺に導入してもよい。尚同図中
特に説明しない図面番号は他の図面と共通の番号を附し
てある。また両プラズマ発生電極間に交流電圧を印加す
る手段は、必ずしも本実施例のトランスを介する方式に
限定されるものでなく、高電圧発生回路の段数や回路定
数を適切に選定することにより、直流電圧に重畳されて
いるリツプル電圧を利用してもよい。
第12図に示したのは、絶縁性材料で形成され、断面の形
状が円形の筒体1の内側に気体に搬送される粉体8が輸
送される管路2を形成し、該管路2の内面に強力に所要
極性イオンを発生させるための交流プラズマ発生電極を
リング状に配設し、これと対向して、軸心に先端の曲率
半径の大きな逆プラズマ電極4を設けたことを特徴とす
る本発明による粉体荷電装置を示したものである。第12
図において、管路2の内面に設けられた通常セラミツク
ス絶縁物よりなるリング3Yの内面には細線状の表面電
極3Xが設けられており、かつ、その裏側には広い面状
のリング状電極3Zが設けられており、この両電極の間
に、トランス27を介して交流の高電圧が印加されるよう
に、電源26によつて交流電源が接続されており、かつ全
体として、この交流の印加された両電極の電位を上げる
ために直流電源5が接続されている。又逆極性プラズマ
電極4は導線21によつてアースされており、その周辺か
らは逆極性プラズマ電極気体噴出口18を通して付着防止
気体19が噴出するようになつており、かつ両電極の中間
からは分散気体噴出口11を通して、分散気体11a が噴出
され、これによつて、よく分散され、かつ管の内壁に接
近した状態で粉体が通過するように形成される。この実
施例においては、電極3Xと電極3Zとの間に印加され
る交流の高電圧の作用によつて、電極3Xの周辺に極め
て強力な交流のプラズマが形成されるので、ここから直
流電源5によつて逆極性プラズマ電極に向かつて形成さ
れる直流電界によつて、極めて大量の所要極性イオンが
逆極性プラズマ電極に向つて、切れ目なく流れ出るよう
になつている。従つてよく分散されて管壁に近づいてこ
の電極の付近を通過する粉体は極めて強力に荷電された
粉体9となつて排出することができ、この方式によれば
高い電荷密度の粉体を大量に得た場合に、極めて適切な
本発明による実施例を構成することができる。
以上詳細に述べた本発明による実施例の1〜12において
は、主として所要極性プラズマ電極とて、曲率半径の小
さなコロナ放電電極乃至は交流プラズマ発生電極が用い
られ、逆極性プラズマ電極としては先端の曲率半径の比
較的大きな針電極によるコロナ放電電極が用いられ、か
つその他に粉体が分散手段としては絞りを用いるもの、
分散気体を用いる場合、及び旋回流を用いるものであ
り、また、そらせ板による分散板を用いてもよい。又逆
極性イオンが主として存在する空間から粉体を遠ざける
ための手段としては粉体を搬送する気体が流れていない
空間を用いるもの、あるいはコーンを用いるもの、ある
いは管路の長さ方向の径の変更、あるいは第6図に例示
したような、そらせ装置などを用いるもの等があるが、
これらはこの発明の主旨を損わない限り任意の組み合わ
せが可能であり、適用の目的に応じて、それぞれから選
択し、組み合わせて使用することができる。
また両電極に粉体が付着堆積することを防止する手段と
しては電極をつつんで気体を噴出させる方式、あるいは
電極として第11図、第12図の如き交流駆動のプラズマ発
生電極を利用する方式、あるいはこれらを組合せて使用
する方式等から、必要に応じて選択して適用することが
できる。
以下の実施例においては、本発明による粉体荷電装置を
静電粉体塗着装置に使用する実施例について説明する
が、これらにおいても前述の如く、電極、粉体分散手
段、あるいは逆極性イオンが主として存在する空間より
粉体を遠ざけるための手段等、本発明の基本的構成要素
は実施の目的に応じて適宜選択して組合せて適用するこ
とができる。
第13図に示したのは、本発明による粉体荷電装置を利用
して極めて入り込み性の良い静電粉体塗装装置を形成し
た実施例でありる。絶縁性材料で形成され、断面の形状
は円形の筒体1の内側に、気体に搬送される粉体8を輸
送する管路2を形成し、該管路2の終端付近に先端が曲
率半径の小さな針電極からなる所要極性プラズマ電極3
を設け、これに対向して先端が曲率半径の大きな針状コ
ロナ放電電極よりなる逆極性プラズマ電極4が設置さ
れ、これに直流電源5によつて高電圧が印加され、かつ
前述の所要極性プラズマ電極3は導線20によつて接地さ
れている。なお5aは直流電源5に電力を供給するための
高周波電源である。又逆極性プラズマ電極4の上流には
粉体をよく分散させるために、例えば絞り10が必要に応
じて設けられており、これによつて粉体がよく分散され
た状態で、まず、逆極性イオンが主として存在する空間
を通つた後に、所要性イオンが主として存在する空間を
通つて、管端からよく荷電された粉体9となつて排出さ
れる。その場合排出のパターンを開整するために分散板
28が設置されており、これによつて吐出パターンに適度
な広がりを与え、かつ、これによる広がりを小さくした
場合は、矢印30によつて示されるパターン調整気体がパ
ターン調整気体噴出口29より噴出して、これを調整する
ようになつている。なお31を被塗物である。このように
構成した本発明の実施例においては、静電粉体塗装装置
の先端は、電線20によつて接地状態に保たれているの
で、被塗物の間に何ら電界を形成することがなく、静電
粉体塗装装置の先端から噴出された粉体9が被塗物に吹
き付けられるにあたつて、通常の静電粉体塗装装置の如
く、ガン先端から被塗物に向かう電界の作用によつて、
電界の強い部分に粉体が集中塗着され、凹んだ部分に粉
体が塗着されないいわゆるフイラデーケージ効果が全く
生ぜず、被塗物に吹き付けられた粉体が、被塗物に接近
した場合にのみ粉体自身の有する電荷によつて発生する
空間電荷電界効果によつて被塗物に塗着されるので極め
て入り込み性の良い静電粉体塗装装置を提供することが
できる。なお、この場合粉体が極めて強く荷電して、ガ
ンの先端に何らの電荷が印荷されていない場合には、粉
体が粉体自身のもつている電荷の相互反撥作用によつて
分散しすぎて細い場所に吹き込むことが困難な場合も生
じるので、この場合には導線20は電源5の適当な高さの
直流電位を有する端子に接続して、これによつて弱い電
界を形成させ、これによつて適度でかつ高能率な入り込
み性の良い静電粉体塗装装置を提供する場合もあり、こ
れも本発明の範囲に含まれる。
なお記動停止の過度状態における電極の先端に粉体付着
防止のために、付着防止用気体17及び19が使用されるこ
とは前述の粉体荷電装置の実施例と全く同様である。
第14図に示したのは、本発明による粉体荷電装置を応用
して、厚膜静電粉体塗装を実施する場合に、極めて好適
な静電粉体塗装装置を提供するための、実施例について
示したものである。絶縁性材料で形成され、断面の形状
が円形の筒体1の内側、気体に搬送される粉体8を輸送
する管路2を形成し、該管路2の軸心で管路の出口側
に、粉体吐出パターン調整のための調整装置29を含む短
管22を設け、その上流に先端が極めて曲率半径の小さな
コロナ放電電極よりなる所要極性プラズマ電極3を設
け、これに対向して先端が比較的曲率半径の大きな逆曲
性プラズマ電極4を設け、これを接地し、所要極性プラ
ズマ電極3には直流電源5により直流高電圧を印加す
る。なお5aは直流高圧電源5に電力を供給する高周波電
源である。更に電極3と電極4との間には絞り10などに
よる本発明の既に詳細に説明した粉体を分散させるため
の手段を設け、かつ荷電させた粉体9の吐出パターンを
調整するためには矢印30で示される吐出パターン調整用
の気体の量を調節する。なお、31は被塗物であり、16は
所要極性プラズマ電極の先端に粉体が付着するのを防止
するための、付着防止気体17を噴出するための噴出口で
ある。このように構成した本発明による静電粉体塗装装
置においては、既に詳細に説明した如く、所要極性プラ
ズマ電極と逆極性プラズマ電極との間でよく分散させた
粉体が充分に荷電して、短管22を通つて被塗物に吹き付
けられる。この場合に、高電圧が印加されている所要極
性プラズマ電極が吐出口の付近にあるので、これにより
被塗物に向かう強力な直流電界が形成され、この電界の
作用によつて荷電された粉体が被塗物に向かつて進行
し、塗着されるのであるが、この場合に短管22の存在に
よつて、所要極性プラズマ電極から被塗物に向かつて流
れる電流が、実質上充分に抑制されるので、被塗物の表
面において静電粉体塗着装置の先端より被塗物に流れる
イオン電流が存在しないので、逆電離がおこりにくく、
かつ電界のみが存在するので、塗着効率はかなり高く保
つことができ、これによつて逆電離のおこらない極めて
厚膜の静電粉体塗装を実施することができる。
第15図に示したのは、本発明による粉体荷電装置を応用
して極めて塗着効率が高く、かつ、つきまわり性の優れ
た著しく高性能な静電粉体塗着装置を提供する実施例に
ついて述べたものである。第15図において絶縁性材料で
形成され、断面の形状が円形の筒体1の内面に気体に搬
送される粉体8を輸送する管路2を形成し、該管路2の
出口側の軸心に所要極性プラズマ電極3を配置し、これ
に電源5によつて高電圧を印加すると共に、この電極と
接続して出口側に向かう対被塗物コロナ電極23を設けて
ある。なお逆極性プラズマ電極4として先端が比較的大
きな曲率半径をもつコロナ放電電極が図の如く設置さ
れ、これは導線21によつて接地されている。なお5aは直
流電源5に電力を供給するための高周波電源である。
又、矢印17によつて示される付着防止気体は所要極性プ
ラズマ電極先端、及び対被塗物コロナ電極23の先端に粉
体が付着するのを防止する目的に使用され、かつ矢印30
に示されるパターン調整気体は、管端付近に開口してい
るパターン調整気体噴出口29より、旋回流を噴出させ
て、この量の調整によつて静電粉体塗着装置から吹き出
される帯電した粉体9の吐出パターンが調整されるよう
になつている。この実施例においては、既に詳細に説明
した本発明による粉体荷電作用により、所要極性プラズ
マ電極3と逆プラズマ電極4の間で、所要極性プラズマ
電極と同じ極性に極めて強力に荷電された粉体が吐出さ
れ、更に、これに加えて対被塗物コロナ電極23の先端か
ら被塗物に向かつて形成される強力な電界とコロナ放電
電流によつて再度粉体が荷電されるので、静電粉体塗装
装置の先端から被塗物に向かう強力な電界と、粉体の強
力な荷電量によつて、粉体は極めて高い塗着効率と付き
まわり性で静電粉体塗着を実施することができ、極めて
高性能の静電粉体塗着装置を得ることができる。尚、こ
の実施例の静電粉体塗装システムにおいては、以上に詳
細にのべた本発明による粉体荷電装置の基本要素の実施
手段を目的に応じて選択して組合せ、また吐出パターン
の形成、調整法などは例示のもの以外に、通常知られた
あらゆる手段を適用することができる。これは第14図、
第13図に示した実施例等についても同様である。
第16図に示したのは、本発明による粉体荷電装置を応用
して、入り込み性と塗着効率のよく調和した静電粉体塗
着装置を提供する実施例について述べたものである。第
16図において、絶縁性材料で形成され、断面の形状が円
形の筒体1の内面に気体に搬送される粉体8を輸送する
管路2を形成し、該管路2の出口側の軸心に出口側に向
つて被塗物31と対向する対被塗物コロナ電極23を設け、
その上流にやや離れて所要極性プラズマ電極3を配置
し、電極3には電源5の最高電圧を接続し、対被塗物コ
ロナ電極23には中間電圧を接続し、最上流の逆極性プラ
ズマ電極4は接地されている。この実施例においては電
極4と電極3との間で前述の諸例と同様に粉体の荷電が
おこなわれると同時に、電極23によつて、やや弱い電界
が荷電された粉体流9の入り込み性能をそこなわず、か
つ粉体の被塗物に向う飛行を適度に助ける程度の電界を
形成するように、中間電圧の値を選んで印加されてい
る。この様にすることによつて、中間的なよく調和のと
れた入り込み性と塗着効率とを併せもつた静電粉体塗着
装置を提供することができるのである。
以上の説明においては、本発明で使用される所要及び逆
極性プラズマ発生電極は針電極と交流駆動プラズマ発生
電極を用いて説明したが、必要に応じて刃型細線等のプ
ラズマを発生し得る他の電極を用いてもよい。また逆極
性プラズマ発生電極にも交流駆動型を利用してもよい。
発明の効果 本発明は上述の通りであり、粉体を荷電するために適用
される両電極対が、両方とも動作状態において粉体に常
に強力な斥力をおよぼす針電極、刃電極、線電極、交流
駆動型等のプラズマ発生電極であるので、各電極に粉体
が付着蓄積することがなく、粉体中で長時間の安定動作
を確保することができ、粉体塗料の荷電などの目的に対
して、粉体の物性に殆んど関係なく、強力で長時間安定
な荷電性能を確保することができる。また本発明による
粉体荷電装置により、内部で強力に荷電された粉体塗料
を外部電界・外部イオン電流・吐出パタン調整手段と組
合せることにより、入り込み性能・厚塗り性能・塗着効
率と、つきまわり性能等に著しくすぐれた静電粉体塗装
装置を新しく提供できることとなり、これらは何れも長
期運転において高度な性能の安定性を示すものである。
尚前記の静電粉体塗装装置において適用される外部電界
・外部イオン電流というのは外部電界・外部イオン電流
の全くない場合も極めて重要であり、この様な静電粉体
塗装を粉体塗料の物性に関係なく、長期間安定かつ高能
率で実施することは、従来は殆んど不可能とされていた
ことである。
これに対し、前記従来のものは第16図、第17図に示すご
とく、粉体を荷電するために適用される両電極対の一方
はコロナ放電電極43であるのに対し、他方は実質的には
平面と考えてよい円筒電極44で、運転状態においては両
電極間に印加さる高電圧と、コロナ放電電極43より円筒
電極44に向つて一方的に流れる単極性の所要極性イオン
電流のみであるために、円筒電極43の表面には本質的に
粉体が付着蓄積されやすくわずかの粉体でも一旦付着す
ると、それが原因となつて逆電離が発生し、これから逆
にコロナ放電電極43に向つて逆極性のイオン電流が流れ
て所要極性のイオンや荷電を中和することとなり、これ
により電極の荷電性能は粉体の付着蓄積とともに急速に
低下し、長期間連続運転は困難となる。この現象は特に
低融点で付着性の強い粉体塗料を荷電する場合に著し
く、円筒電極44の材質・形状・表面加工・清浄空気58の
量や噴出速度の工夫等の対策によつても数時間以上の実
用安定運転を実現することは実用上不可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の粉体荷電装置の縦断面図、第2図は第
1図のII−II線部の断面図、第3図、第4図、第5図及
び第6図は夫々本発明の他の実施例の縦断面図、第7図
は第6図のVII−VII線部の断面図、第8図、第9図、第
10図乃至第12図は夫々、又本発明の他の実施例の縦断面
図、第13図、第14図、第15図及び第16図は夫々、本発明
の静電粉体塗着装置の実施例の縦断面図、第17図及び第
18図は、それぞれ従来の粉体荷電装置の縦断面図であ
る。 1……筒体 2……管路 3……所要極性プラズマ電極 4……逆極性プラズマ電極 5……直流電源 6……所要極性イオン電流 7……逆極性イオン電流 8……粉体 9……荷電された粉体 10……絞り 11……分散気体噴出口 12……分散した粉体 13……所要極性イオンが主として存在する空間 14……逆極性イオンが主として存在する空間 15……粉体を遠ざけるための手段

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気体により粉体を搬送する絶縁性管路と、
    該管路内に設けたコロナ放電、プラズマ電極対と、該電
    極対間に直流電圧を印加する電源と、前記電極対より引
    出される所要極性イオンが種として存在する空間と、逆
    極性イオンが主として存在する空間と、所要極性イオン
    が主として存在する空間によく分散した粉体を供給する
    手段と、よりなることを特徴とする粉体荷電装置。
  2. 【請求項2】コロナ放電プラズマ電極対が針、細線、刃
    型、交流駆動型等のコロナ放電電極の同種の組合せ、又
    は異種の組合せよりなることを特徴とする特許請求の範
    囲1項記載の粉体荷電装置。
  3. 【請求項3】所要極性コロナ放電プラズマ電極の電圧電
    流特性を、逆極性プラズマ電極の電圧電流特性より大に
    したことを特徴とする特許請求の範囲1項及び2項記載
    の粉体荷電装置。
  4. 【請求項4】絶縁性管路が逆極性イオンが種として存在
    する空間より粉体を遠ざけるための手段を有することを
    特徴とする特許請求の範囲1項、2項、3項の何れか一
    項に記載の粉体荷電装置。
  5. 【請求項5】所要極性のイオンが主として存在する空間
    が、粉体の搬送方向に関して下流側のコロナ放電プラズ
    マ電極の上流付近であることを特徴とする特許請求の範
    囲1項、2項、3項、4項の何れか一項に記載の粉体荷
    電装置。
  6. 【請求項6】コロナ放電プラズマ電極に粉体の付着防止
    手段を設けたことを特徴とする特許請求の範囲1項乃至
    5項の何れか一項に記載の粉体荷電装置。
  7. 【請求項7】所要極性コロナ放電プラズマ電極が、接地
    側に接続されていることを特徴とする特許請求の範囲1
    乃至6項の何れか一項に記載の粉体荷電装置。
  8. 【請求項8】逆極性プラズマ電極が、接地側に接続され
    ていることを特徴とする特許請求の範囲1項乃至6項の
    何れか一項に記載の粉体荷電装置。
  9. 【請求項9】気体により粉体を搬送する絶縁性管路と、
    該管路内に設けたコロナ放電プラズマ電極対と、該電極
    対間に直流電圧を印加する電源と前記電極対より引出さ
    れる所要極性イオンが主として存在する空間と、逆極性
    イオンが主として存在する空間と、所要極性イオンが主
    として存在する空間によく分散した粉体を供給する手段
    とよりなる粉体荷電装置を具備し、該所要極性コロナ放
    電プラズマ電極を絶縁性管路の出口側に設けたことを特
    徴とする静電粉体塗着装置。
  10. 【請求項10】所要極性コロナ放電プラズマ電極を接地
    したことを特徴とする、特許請求の範囲9項記載の静電
    粉体塗着装置。
  11. 【請求項11】逆極性コロナ放電プラズマ電極を接地し
    たことを特徴とする、特許請求の範囲9項記載の静電粉
    体塗着装置。
  12. 【請求項12】気体により粉体を搬送する絶縁性管路の
    出口が、被塗物に流れるイオン電流を防止するための短
    管となっていることを特徴とする特許請求の範囲9項記
    載の静電粉体塗着装置。
  13. 【請求項13】気体により粉体を搬送する絶縁性管路の
    出口に、粉体を帯電させるためのコロナ放電プラズマ電
    極対に印加される電圧より低い所要極性と同極性の中間
    電圧が印加されるようになっていることを特徴とする特
    許請求の範囲9項記載の静電粉体塗着装置。
  14. 【請求項14】所要極性コロナ放電プラズマ電極に印加
    される直流電圧と同極性の被塗物に向う直流電界を形成
    するための電極が絶縁性管路の出口に設けられているこ
    とを特徴とする特許請求の範囲9項記載の静電粉体塗着
    装置。
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