JPH06351264A - 交流電動機電流制御方式 - Google Patents

交流電動機電流制御方式

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JPH06351264A
JPH06351264A JP5156365A JP15636593A JPH06351264A JP H06351264 A JPH06351264 A JP H06351264A JP 5156365 A JP5156365 A JP 5156365A JP 15636593 A JP15636593 A JP 15636593A JP H06351264 A JPH06351264 A JP H06351264A
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JP
Japan
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hysteresis
flag
dthys
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JP5156365A
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Shinichi Kono
新一 河野
Masao Fukukura
正朗 福倉
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 交流電動機電流制御方式において、電流指令
の“0“付近における変動に伴う補正量の方向の振動を
抑制して、補正された電流指令の振動を抑制する。 【構成】 交流電動機に供給する駆動電圧をインバータ
において電流指令により制御するものであって、該イン
バータにおける短絡防止時間による影響を補正量の印加
によって補償する交流電動機電流制御方式において、ヒ
ステリシス制御部18により補正量の印加を制御するも
のであり、該ヒステリシス制御部18は電流指令の0の
付近にヒステリシス幅を持つヒステリシス特性を持ち、
該ヒステリシス特性によって電流指令の方向と大きさに
対して前記補正量14,15を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流電動機電流制御方
式に関し、特に3相電圧形PWMインバータを使用する
交流電動機電流制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、3相電圧形PWMインバータに
おいて、トランジスタとそのトランジスタに逆並列に接
続されたダイオードを組にしてスイッチが構成され、1
相につき2個のスイッチ、3相で6個のスイッチを用い
ることによって各相への電流の制御を行っている。図1
2は、従来の3相電圧形PWMインバータの概略ブロッ
ク図であり、1相分のスイッチのみ示している。
【0003】一般に、オフ時の時間的遅れのほうがオン
時の時間的遅れより長いので、一方のトランジスタにオ
フ信号を与え、同時に他方のトランジスタにオン信号を
与えると、直流電源の短絡を引き起こす。この直流電源
の短絡を防止するため、各相のトランジスタに、ともに
オフ状態となる短絡防止時間を設ける。図13は、1相
分のスイッチの上側トランジスタと下側トランジスタの
電流を示す図であり、ともにオフとなる短絡防止時間を
Tdにより表している。
【0004】この短絡防止時間はインバータ出力電圧に
影響を与え、電圧指令Vuを三角波電圧と比較して得ら
れる成分と短絡防止時間Tdにより生じる成分を加算し
たものとなる。この短絡防止時間Tdにより生じる成分
は、近似的に方形波電圧とみすことができ、その振幅は
インバータの出力電圧と短絡防止時間と三角波の周波数
の積により決まり、その位相は出力電流と逆位相であ
る。サーボモータを低速運転において運転すると、正弦
波電圧の振幅と比較してこの短絡防止時間Tdにより生
じる成分は無視できない大きさとなり、このためモータ
電流波形が乱れ、トルクリプルが生じる。
【0005】従来、この短絡防止時間の影響を少なくす
る方式として、モータ電流の向きを検出してコンパレー
タに通し、電流の方向に応じ電圧指令に短絡防止時間の
影響で生じる電圧成分と等価な補正量を印加することに
よって補正する方式が知られている。図12は、この従
来の短絡防止時間の影響を少なくする方式を示すもので
あり、u相についてのみ示している。モータ電流の向き
が正の方向にときはΔVを電圧指令Vuに加算し、また
負の方向にときは−ΔVを電圧指令Vuに加算してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
従来の交流電動機電流制御方式においては、以下のよう
な問題点を有している。
【0007】短絡防止時間の影響で生じる電圧成分と等
価な補正量を、電流指令の方向に応じて印加する場合、
電流指令が“0“付近においてプラス側とマイナス側で
振動すると、その電流指令の振動に伴って補正量の方向
が振動してチャタリングを発生し、補正された電流指令
が例えば数百Hzのオーダで振動するという問題がある。
図14は、電流指令の振動に伴う補正量の方向の振動を
説明する図であり、u相の電流指令iuが例えばaで示
すようにて“0“付近においてプラス側とマイナス側で
振動すると、bに示すように補正量の方向が振動する。
【0008】そこで、本発明は前記した従来の交流電動
機電流制御方式の問題点を解決し、電流指令の“0“付
近における変動に伴う補正量の方向の振動を抑制して、
補正された電流指令の振動を抑制することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、交流電動機に供給する駆動電圧をインバ
ータにおいて電流指令により制御するものであって、該
インバータにおける短絡防止時間による影響を補正量の
印加によって補償する交流電動機電流制御方式におい
て、電流指令の0の付近にヒステリシス幅を持つヒステ
リシス特性を持ち、該ヒステリシス特性によって電流指
令の方向と大きさに対して前記補正量を設定するもので
ある。
【0010】また、このヒステリシス特性は、電流指令
の履歴により異なるヒステリシス特性によって構成する
ことができ、また電流指令の履歴によりフラグの値を変
更し、そのフラグの値により異なるヒステリシス特性中
から1つのヒステリシス特性を選択することができる。
【0011】そして、補正量は、短絡防止時間により生
じる電圧成分と等価なものとすることができる。
【0012】また、本発明は、前記目的を達成するため
に、交流電動機に供給する駆動電圧をインバータにおい
て電流指令により制御するものであって、インバータに
おける短絡防止時間により生ずる電圧成分を補正量の印
加によって補償する交流電動機電流制御方式において、
電流指令が電流指令の0の付近に設けたヒステリシス幅
の内か外かによってヒステリシス範囲の内外の判断を行
い、ヒステリシス範囲外であればフラグをリセットし、
ヒステリシス範囲内であればフラグを保持し、前回の補
正量の方向と前記フラグの値を判断し、フラグがセット
中、あるいは、フラグがリセット中で電流指令の方向が
前回と同じであれば、前回の補正量の方向を保持し、フ
ラグがリセット中で電流指令の方向が前回と異なれば、
フラグをセットして補正量を前回の逆方向に設定するも
のである。
【0013】
【作用】本発明によれば、前記構成とすることによっ
て、交流電動機に供給する駆動電圧をインバータにおい
て電流指令により制御する交流電動機電流制御方式にお
いて、電流指令の0の付近にヒステリシス幅を持つヒス
テリシス特性を設け、該ヒステリシス特性によって電流
指令の方向と大きさに対して補正量を設定し、この補正
量を電流指令に基づく制御信号に印加して、インバータ
における短絡防止時間により生ずる電圧成分を補償する
とともに、電流指令の0の付近においてチャタリングが
生じた場合においても、補正量の方向が不必要に変化し
て振動が生じることを抑制する。
【0014】また、このヒステリシス特性は、電流指令
の履歴によりヒステリシス特性が異なるよう構成されて
おり、電流指令の履歴によりフラグの値を変更し、その
フラグの値により異なるヒステリシス特性中から1つの
ヒステリシス特性を選択することにより、ヒステリシス
特性の使い分けを行なって、補正量の変更切替え時点を
電流指令が“0“を超える時点に近づけるものである。
また、補正量は、短絡防止時間により生じる電圧成分と
等価なものとすることができる。
【0015】また、本発明によれば、前記構成とするこ
とによって、電流指令が電流指令の0の付近に設けたヒ
ステリシス幅の内か外かによってヒステリシス範囲の内
外の判断を行い、ヒステリシス範囲外であればフラグを
リセットし、ヒステリシス範囲内であればフラグを保持
し、前回の補正量の方向と前記フラグの値を判断し、フ
ラグがセット中、あるいは、フラグがリセット中で電流
指令の方向が前回と同じであれば、前回の補正量の方向
を保持し、フラグがリセット中で電流指令の方向が前回
と異なれば、フラグをセットして補正量を前回の逆方向
に設定することにより、交流電動機に供給する駆動電圧
をインバータにおいて電流指令により制御し、インバー
タにおける短絡防止時間により生ずる電圧成分を補正量
の印加によって補償する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳
細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでは
ない。 (実施例1)(本発明の実施例1の構成)図2は、本発
明の交流電動機電流制御方式を実施するブロック構成図
である。図2において、4は3相交流電源1、整流部
2、及びコンデンサ3により構成される直流電源、9は
トランジスタ5,6とダイオード7,8をそれぞれ逆並
列に接続して構成されるスイッチ、10はスイッチ9に
短絡時間を含んだ電圧指令を供給する短絡時間作成回
路、11は電圧指令を形成するための三角波発生回路、
12は電圧指令を形成するために三角波発生回路11か
らの三角波と指令電圧を比較するコンパレータ、13は
+側補正量発生部14と−側補正量発生部15からなる
補正量発生部、16は電圧指令値に印加する補正量を切
り換える補正量切り換え部、17は電流指令を電圧値に
変換する比例/積分器、18は補正量の方向を設定する
ためのヒステリシス制御部、19はモータ、20はイン
バータである。
【0017】以下、交流電動機の3相のうち、u相につ
いて説明し、他のv相及びw相についてはほぼ同様であ
るため説明を省略する。
【0018】モータ19の各相のコイルは、インバータ
20の対応するスイッチ9によって供給される電力の制
御が行われる。各スイッチ9のトランジスタ5,6は短
絡防止時間作成回路10からの信号を受け、直流電源4
から供給される電圧のモータ19への供給時間を制御し
ている。そして、短絡防止時間作成回路10はスイッチ
9のトランジスタ5,6が同時にオンしないように短絡
防止時間Tdを形成している。
【0019】電流指令信号Iucは、モータ19からの電
流帰還信号であるIufを符号を逆転して加算し、比例/
積分器17に入力する。比例/積分器17は、フィード
バックがかかった電流指令を電圧値に変換して補正量切
り換え部16に入力する。一方、この補正量切り換え部
16には、+側補正量発生部14と−側補正量発生部1
5から正方向の補正量と負方向の補正量が供給されてお
り、ヒステリシス制御部18からの切り換え信号により
切り換えが行われる。ヒステリシス制御部18は、電流
指令Icuの符号とヒステリシス幅との比較、及び履歴等
によって、この切り換え信号を形成している。 (実施例1の作用)次に、本発明の実施例1の作用につ
いて説明する。
【0020】本発明と従来の交流電動機電流制御方式の
相違は、主に補正量切り換え部16及びヒステリシス制
御部18の部分である。以下、この部分を主に説明す
る。
【0021】本発明のヒステリシス制御部18は、電流
指令の“0“付近の正方向と負方向にヒステリシスを設
け、このヒステリシスにより補正量切り換え部16にお
ける補正量の方向を制御するものである。実施例1のヒ
ステリシス制御部18においては、ヒステリシス幅DT
HYSの符号を含めた大きさによって、電流指令の履歴
を表すフラグを用いて、電流指令に対する補正量のヒス
テリシス特性を設定する。
【0022】(フラグ特性):はじめに、フラグについ
て図3を用いて説明する。図3は、電流指令に対するフ
ラグ特性を示しており、正方向のヒステリシス幅を+D
THYS、負方向のヒステリシス幅を−DTHYSと
し、フラグは“0“と“1“の2値をとるものとする。
【0023】フラグが“0“にリセットされるのは、電
圧指令が正方向のヒステリシス幅+DTHYSを超え、
あるいは負方向のヒステリシス幅を−DTHYSを超え
てヒステリシス幅の範囲外となった場合であり、またフ
ラグが“0“に保持されるのは、ヒステリシス幅の範囲
外から範囲内に入って“0“を超えず、未だ電流指令の
正負の方向が変化していない場合である。
【0024】また、フラグが“1“にセットされるの
は、フラグが“0“の状態から電圧指令が“0“を通過
して、電流指令の正負の方向が変化する場合であり、ま
たフラグが“1“に保持されるのは、フラグが“1“に
セットされ後電流指令がヒステリシス幅の範囲内に止ま
っている場合である。
【0025】図中の太い実線で示すように電流指令が負
から正の方向に増加した場合において、電流指令が負の
間はフラグは“0“の値をとり、電流指令が正となると
フラグは“1“の値をとる。そして、電流指令が正方向
のヒステリシス幅+DTHYSを超えると、フラグは再
び“0“の値となる。
【0026】一方、図中の太い破線で示すように電流指
令が正から負の方向に減少した場合において、電流指令
が正の間はフラグは“0“の値をとり、電流指令が負と
なるとフラグは“1“の値をとる。そして、電流指令が
負方向のヒステリシス幅−DTHYSを超えると、フラ
グは再び“1“の値となる。
【0027】したがって、フラグが“1“の値であっ
て、かつ電流指令が正の場合には、電流指令はフラグが
“1“に変化した後は正方向のヒステリシス幅+DTH
YSを超えることなくヒステリシス幅内にあることを示
しており、フラグが“1“の値であって、かつ電流指令
が負の場合には、電流指令はフラグが“1“に変化した
後は負方向のヒステリシス幅−DTHYSを超えること
なくヒステリシス幅内にあることを示している。
【0028】また、フラグが“0“の値であって、かつ
電流指令が正の場合には、電流指令はフラグが“0“に
変化した後は負になることなく正のヒステリシス幅内に
あることを示しており、フラグが“0“の値であって、
かつ電流指令が負の場合には、電流指令はフラグが“0
“に変化した後は正になることなく負のヒステリシス幅
内にあることを示している。
【0029】次に、前記フラグを用いてヒステリシス特
性を説明する。
【0030】(フラグが“1“の場合のヒステリシス特
性):はじめに、フラグが“1“の場合のヒステリシス
特性について、図4及び図5を用いて説明する。図4に
おいて、太い実線がヒステリシス特性であり、斜線部分
はフラグが“1“の区間を示している。ヒステリシス特
性は、電流指令が“0“と負方向のヒステリシス幅−D
THYSを閾値として、正の補正量DTMAXと負の補
正量−DTMAXをとるものである。フラグが“1“の
区間においては、電流指令の値がヒステリシス幅にある
限り、電流指令の増減及び正負に関係なく、補正量は正
の補正量+DTMAXとなる。また、電流指令が減少し
ていったん負方向のヒステリシス幅−DTHYSを超え
ると、その後は電流指令が“0“を超えるまで負の補正
量−DTMAXをとる。
【0031】また、図5は負方向のヒステリシス幅−D
THYSが“0“の場合のヒステリシス特性であり、従
来のヒステリシス特性と同様の特性となる。なお、図
中、太い実線は電流指令が増加する場合を示しており、
太い破線は電流指令が減少する場合を示している。
【0032】(フラグが“0“の場合のヒステリシス特
性):次に、フラグが“0“の場合のヒステリシス特性
について、図6及び図7を用いて説明する。図6におい
て、太い実線がヒステリシス特性であり、斜線部分はフ
ラグが“0“の区間を示している。ヒステリシス特性
は、電流指令が“0“と正方向のヒステリシス幅+DT
HYSを閾値として、正の補正量DTMAXと負の補正
量−DTMAXをとるものである。フラグが“0“の区
間においては、電流指令の値がヒステリシス幅にある限
り、電流指令の増減及び正負に関係なく、補正量は負の
補正量−DTMAXとなる。また、電流指令が増加して
いったん正方向のヒステリシス幅+DTHYSを超える
と、その後は電流指令が“0“を超えるまで正の補正量
DTMAXをとる。
【0033】また、図7は正方向のヒステリシス幅+D
THYSが“0“の場合のヒステリシス特性であり、従
来のヒステリシス特性、及び前記図5に示したフラグが
“1“で負方向のヒステリシス幅−DTHYSが“0
“の場合のヒステリシス特性と同様の特性となる。な
お、図中、太い実線は電流指令が減少する場合を示して
おり、太い破線は電流指令が増加する場合を示してい
る。
【0034】(補正量の方向を定める動作)次に、補正
量の方向を定める動作について前記図2のブロック構成
図、図1のフローチャート及び図8〜図11の波形図を
用いて説明する。
【0035】なお、以下の説明において、電流指令Iu
c、Ivc、Iwcを代表するものとして電流指令Ic
mdを用い、図1のフローチャートに示すステップSの
符号に従って説明する。
【0036】ステップS0:はじめに、電流指令Icm
dの絶対値とヒステリシス幅DTHYSを比較して、電
流指令Icmdが正方向及び負方向のヒステリシス幅−
DTHYSの内側にあるか外側にあるかの判定を行な
う。
【0037】電流指令Icmdの絶対値がヒステリシス
幅DTHYSより大きい場合には、電流指令Icmdは
正方向あるいは負方向のヒステリシス幅−DTHYSの
外側にあることを示している。例えば、図8中で破線で
示されるヒステリシス幅DTHYSの上方あるいは下方
にある状態を示している。
【0038】また、電流指令Icmdの絶対値がヒステ
リシス幅DTHYSより小さい場合には、電流指令Ic
mdは正方向あるいは負方向のヒステリシス幅−DTH
YSの内側にあることを示している。例えば、図8中で
破線で示されるヒステリシス幅DTHYSに挟まれる範
囲内にある状態を示している。
【0039】以下、電流指令Icmdの絶対値がヒステ
リシス幅DTHYSより大きい場合についてステップS
1〜ステップS4により説明し、電流指令Icmdの絶
対値がヒステリシス幅DTHYSより小さい場合につい
てステップS11〜ステップS19により説明する。
【0040】ステップS1:電流指令Icmdの絶対値
がヒステリシス幅DTHYSより大きい場合は、図3に
示す電流指令に対するフラグの特性図から分かるよう
に、フラグは“0“であるため、この工程においてフラ
グを“0“に設定する。このフラグの設定は、図2にお
けるヒステリシス制御部18に電流指令Icmdを入力
し、あらかじめ設定しておいたヒステリシス幅DTHY
Sとの比較により行なわれる。なお、この電流指令Ic
mdとヒステリシス幅DTHYSとの比較は、ハードに
より構成することも、また通常のソフトウエアにより行
なうこともできる。
【0041】ステップS2:次に、電流指令Icmdの
符号を調べる。この工程は、補正量DTの正負を決定す
るための工程であり、図2中のヒステリシス制御部18
において行なわれる。
【0042】ステップS3:前記ステップS2の工程に
おいて、電流指令Icmdの符号が正の場合には、補正
量DTをプラス側の補正量+DTMAXに設定する。こ
の補正量DTの設定は、図2中においてヒステリシス制
御部18からの制御信号を受け、補正量切り換え部16
において補正量発生部13の+側補正量発生部14から
出力される補正量+DTMAXを選択し、その補正量+
DTMAXを比例/積分器17を通して得られる電圧指
令に加算することにより行なわれる。
【0043】ステップS4:一方、前記ステップS2の
工程において、電流指令Icmdの符号が負の場合に
は、補正量DTをマイナス側の補正量−DTMAXに設
定する。この補正量DTの設定は、図2中においてヒス
テリシス制御部18からの制御信号を受け、補正量切り
換え部16において補正量発生部13の−側補正量発生
部14から出力される補正量−DTMAXを選択し、そ
の補正量−DTMAXを比例/積分器17を通して得ら
れる電圧指令に加算することにより行なわれる。
【0044】次に、電流指令Icmdの絶対値がヒステ
リシス幅DTHYSより小さい場合について説明する。
【0045】ステップS11:前記ステップS0の工程
において、電流指令Icmdが正方向及び負方向のヒス
テリシス幅DTHYSの外側にあると判定されると、次
にこの工程において前回の補正量の方向の判定を行な
う。そして、前回の補正量の方向が正である場合にはス
テップS12に進み、前回の補正量の方向が負である場
合にはステップS16に進む。この判定は、図2中のヒ
ステリシス制御ブロック18内において、図示しないメ
モリに記憶しておいた前回の補正量の方向を読み出すこ
とにより行なわれる。
【0046】ステップS12:前回の補正量の方向が正
である場合には、フラグの値が“0“かあるいは“1
“かの判定を行なう。この判定も図2中のヒステリシス
制御ブロック18内において、図示しないメモリに記憶
しておいたフラグの値を読み出すことにより行なわれ
る。
【0047】ステップS13:前記ステップS12の工
程において、フラグの値が“0“と判定されると、この
工程により電流指令Icmdの符号を判定する。この判
定も、前記ステップS2と同様にヒステリシス制御部1
8において行なわれる。
【0048】この判定により、電流指令Icmdが“0
“以上である場合には、フラグの値を“0“にしたま
ま、補正量の方向を前回と同様に正を維持する。
【0049】ステップS14:一方、前記ステップS1
3の工程において、電流指令Icmdが“0“より小さ
い場合には、フラグの値を“1“に設定する。
【0050】ステップS15:前記ステップS14の工
程に続いて、補正量DTをマイナス側の補正量−DTM
AXに設定する。この補正量DTの設定は、前記ステッ
プS4と同様に、図2中においてヒステリシス制御部1
8からの制御信号を受け、補正量切り換え部16におい
て補正量発生部13の−側補正量発生部14から出力さ
れる補正量−DTMAXを選択し、その補正量−DTM
AXを比例/積分器17を通して得られる電圧指令に加
算することにより行なわれる。
【0051】ステップS16:前記ステップS12と逆
に、前回の補正量の方向が負である場合においても、フ
ラグの値が“0“かあるいは“1“かの判定を行なう。
この判定も図2中のヒステリシス制御ブロック18内に
おいて、図示しないメモリに記憶しておいたフラグの値
を読み出すことにより行なわれる。
【0052】ステップS17:前記ステップS12の工
程において、フラグの値が“0“と判定されると、この
工程において電流指令Icmdの符号を判定する。この
判定も、前記ステップS2と同様にヒステリシス制御部
18において行なわれる。
【0053】この判定で電流指令Icmdが“0“より
小さいと判定された場合には、フラグの値を“0“に維
持し、また補正量の方向を前回と同様に負に維持する。
【0054】ステップS18:前記ステップS17の工
程において、電流指令Icmdが“0“より小さいと判
定された場合には、この工程においてフラグの値を“1
“に設定する。
【0055】ステップS19:また、前記ステップS1
8の工程に続いて、補正量DTをマイナス側の補正量−
DTMAXに設定する。この補正量DTの設定は、前記
ステップS4と同様に、図2中においてヒステリシス制
御部18からの制御信号を受け、補正量切り換え部16
において補正量発生部13の−側補正量発生部14から
出力される補正量−DTMAXを選択し、その補正量−
DTMAXを比例/積分器17を通して得られる電圧指
令に加算することにより行なわれる。
【0056】次に、前記図1に示すフローチャートに従
って、図8〜図10の電流指令例についてのフラグ及び
補正量の方向について説明する。
【0057】図8において、(a)は電流指令であり、
(b)はフラグであり、(c)は補正量を示しており、
破線の矢印で示される電流指令の変化に対するフラグ及
び補正量の変化を示している。なお、図中の括弧により
括られる数字は、図1のフローチャートの数字と対応し
ており、以下この数字に従って説明する。
【0058】(1)電流指令Icmdが負方向のヒステ
リシス幅−DTHYSの範囲外にある場合であり、図1
のフローチャートの(1)に示すようにフラグの値を
“0“にセットし、補正量DTをマイナスの補正量−D
TMAXに設定する。したがって、図8の(b)のフラ
グは“0“となり、図8の(c)の補正量は−DTMA
Xとなる。
【0059】(2)電流指令Icmdが負方向のヒステ
リシス幅−DTHYSの範囲外から範囲内に入る場合で
あり、図1のフローチャートの(2)に示すように、フ
ラグの値は“0“に維持され、補正量DTはマイナスの
補正量−DTMAXに維持される。したがって、図8の
(b)のフラグは“0“となり、図8の(c)の補正量
は−DTMAXとなる。
【0060】(3)電流指令Icmdがヒステリシス幅
DTHYSの範囲内であって、負方向から正方向に“0
“を超える場合であり、図1のフローチャートの(3)
に示すように、フラグの値を“1“にセットし、補正量
DTをプラスの補正量+DTMAXに設定する。したが
って、図8の(b)のフラグは“1“となり、図8の
(c)の補正量は+DTMAXとなる。
【0061】(4)電流指令Icmdがヒステリシス幅
DTHYSの範囲内であって、負方向から正方向に“0
“を超え、正方向のヒステリシス幅+DTHYSの範囲
外に出る前に、再び正方向から負方向に“0“を超えて
戻る場合であり、図1のフローチャートの(4)に示す
ように、フラグの値は“1“に維持され、補正量DTは
プラスの補正量+DTMAXに維持される。したがっ
て、図8の(b)のフラグは“1“となり、図8の
(c)の補正量は+DTMAXとなる。
【0062】(5)電流指令Icmdがヒステリシス幅
DTHYSの範囲内から正方向のヒステリシス幅+DT
HYSを超えて範囲外に出る場合であり、図1のフロー
チャートの(5)に示すように、フラグの値を“0“に
セットし、補正量DTをプラスの補正量+DTMAXに
設定する。したがって、図8の(b)のフラグは“0
“となり、図8の(c)の補正量は+DTMAXとな
る。
【0063】(6)電流指令Icmdがヒステリシス幅
DTHYSの範囲内であって、負方向から正方向に“0
“を超え、正方向のヒステリシス幅+DTHYSの範囲
外に出る前に、再び正方向から負方向に“0“を超えて
戻り、さらに負方向のヒステリシス幅−DTHYSの範
囲外に出る場合であり、図1のフローチャートの(6)
に示すようにフラグの値を“0“にセットし、補正量D
Tをマイナスの補正量−DTMAXに設定する。したが
って、図8の(b)のフラグは“0“となり、図8の
(c)の補正量は−DTMAXとなる。
【0064】(7)電流指令Icmdが正方向のヒステ
リシス幅+DTHYSの範囲外にある場合であり、図1
のフローチャートの(7)に示すように、フラグの値を
“0“にセットし、補正量DTをプラスの補正量+DT
MAXに設定する。したがって、図8の(b)のフラグ
は“0“となり、図8の(c)の補正量は+DTMAX
となる。
【0065】(8)電流指令Icmdが正方向のヒステ
リシス幅+DTHYSの範囲外から範囲内に入る場合で
あり、図1のフローチャートの(8)に示すように、フ
ラグの値は“0“に維持され、補正量DTはプラスの補
正量+DTMAXに維持される。したがって、図8の
(b)のフラグは“0“となり、図8の(c)の補正量
は+DTMAXとなる。
【0066】(9)電流指令Icmdがヒステリシス幅
DTHYSの範囲内であって、正方向から負方向に“0
“を超える場合であり、図1のフローチャートの(9)
に示すように、フラグの値を“1“にセットし、補正量
DTをプラスの補正量−DTMAXに設定する。したが
って、図8の(b)のフラグは“1“となり、図8の
(c)の補正量は−DTMAXとなる。
【0067】(10)電流指令Icmdがヒステリシス
幅DTHYSの範囲内であって、正方向から負方向に
“0“を超え、負方向のヒステリシス幅−DTHYSの
範囲外に出る前に、再び負方向から正方向に“0“を超
えて戻る場合であり、図1のフローチャートの(10)
に示すように、フラグの値は“1“に維持され、補正量
DTはマイナスの補正量−DTMAXに維持される。し
たがって、図8の(b)のフラグは“1“となり、図8
の(c)の補正量は−DTMAXとなる。
【0068】(11)電流指令Icmdがヒステリシス
幅DTHYSの範囲内から負方向のヒステリシス幅−D
THYSを超えて範囲外に出る場合であり、図1のフロ
ーチャートの(11)に示すようにフラグの値を“0
“にセットし、補正量DTをマイナスの補正量−DTM
AXに設定する。したがって、図8の(b)のフラグは
“0“となり、図8の(c)の補正量は−DTMAXと
なる。
【0069】(12)電流指令Icmdがヒステリシス
幅DTHYSの範囲内であって、正方向から負方向に
“0“を超え、負方向のヒステリシス幅−DTHYSの
範囲外に出る前に、再び負方向から正方向に“0“を超
えて戻り、さらに正方向のヒステリシス幅+DTHYS
の範囲外に出る場合であり、図1のフローチャートの
(12)に示すように、フラグの値を“0“にセット
し、補正量DTをプラスの補正量+DTMAXに設定す
る。したがって、図8の(b)のフラグは“0“とな
り、図8の(c)の補正量は+DTMAXとなる。
【0070】次に、図9及び図10に示す電流指令の波
形例について、フラグ及び補正量を示す。また、本発明
の実施例の方式と従来の方式との比較も示めしている。
【0071】図9の(a)は、電流指令Icmdが負方
向のヒステリシス幅−DTHYSの範囲外から範囲内に
入り、“0“を超える前に再び負方向のヒステリシス幅
−DTHYSの範囲外にでる場合であり、図8の(1)
と(11)で示したようにフラグは“0“であり、補正
量は−DTMAXである。この場合には、従来の方式の
補正量との差はない。
【0072】図9の(b)は、電流指令Icmdが負方
向のヒステリシス幅−DTHYSの範囲外から範囲内に
入り、“0“を超えて正方向のヒステリシス幅+DTH
YSを超える前に再び“0“を超え、負方向のヒステリ
シス幅−DTHYSの範囲外に出る場合である。このと
き、図8の(1)、(2)、(6)に示したようにフラ
グ及び補正量は電流指令が負方向から正方向に“0“を
超えるときに立ち上がって補正量DTMAXをとり、負
方向のヒステリシス幅−DTHYSの範囲外にでるとき
に立ち下がって補正量−DTMAXをとる。この場合に
は、従来の方式の補正量は、電流指令が負方向から正方
向に超えるときに立ち上がって補正量DTMAXをと
り、正方向から負方向に超えるときに立ち下がって補正
量−DTMAXをとり、立ち下がりの時点で相違が生じ
る。
【0073】図9の(c)は、電流指令Icmdが負方
向のヒステリシス幅−DTHYSの範囲外から範囲内に
入った後、正方向のヒステリシス幅+DTHYSの範囲
外に出た後、再び範囲内に入り負方向のヒステリシス幅
−DTHYSの範囲外に出る場合である。このとき、図
8の(1)、(2)、(3)、(5)、(7)、
(8)、(9)、(11)に示したように、フラグは電
流指令が負方向から正方向に“0“を超えるときに立ち
上がり、正方向のヒステリシス幅+DTHYSの範囲外
に出るときに立ち下がり、また正方向から負方向に“0
“を超えるときに立ち上がり、負方向のヒステリシス幅
−DTHYSの範囲外に出るときに立ち下がる。また、
補正量は、電流指令が負方向から正方向に“0“を超え
るときに立ち上がって補正量DTMAXをとり、正方向
から負方向に“0“を超えるときに立ち下がって補正量
−DTMAXをとる。この場合には、従来の方式の補正
量との差はない。
【0074】図10の(a)は、電流指令Icmdが負
方向のヒステリシス幅−DTHYSの範囲外から範囲内
に入り、“0“を超えて正方向のヒステリシス幅+DT
HYSを超える前に“0“を境にチャタリングを起こし
た後、正方向のヒステリシス幅+DTHYSの範囲外に
出る場合である。このとき、図8の(1)、(2)、
(3)、(4)、(12)に示したように、フラグは電
流指令が負方向から正方向に“0“を超えるときに立ち
上がる。また、補正量は、電流指令が負方向から正方向
に“0“を超えるときに立ち上がって正の補正量DTM
AXをとり、維持される。これに対して、従来の方式で
は、電流指令のチャタリングに応じて、補正量が振動す
る。
【0075】図10の(b)は、電流指令Icmdが負
方向のヒステリシス幅−DTHYSの範囲外から範囲内
に入り、“0“を超えて正方向のヒステリシス幅+DT
HYSを超えた後に変動を起こした後、正方向のヒステ
リシス幅+DTHYSの範囲外に出る場合である。この
とき、図8の(1)、(2)、(3)、(5)に示した
ように、フラグは電流指令が負方向から正方向に“0
“を超えるときに立ち上がり、正方向のヒステリシス幅
+DTHYSの範囲外に出るときに立ち下がる。また、
補正量は、電流指令が負方向から正方向に“0“を超え
るときに立ち上がって正の補正量DTMAXをとり、維
持される。この場合には、従来の方式の補正量との差は
ない。
【0076】図10の(c)は、電流指令Icmdが負
方向のヒステリシス幅−DTHYSの範囲外から正方向
のヒステリシス幅+DTHYSの範囲外に出た後、“0
“を境にチャタリングを起こした後、再び正方向のヒス
テリシス幅+DTHYSの範囲外に出る場合である。こ
のとき、図8の(1)、(2)、(3)、(5)、
(7)、(8)、(12)に示したように、フラグは電
流指令が負方向から正方向に“0“を超えるときに立ち
上がり、正方向のヒステリシス幅+DTHYSの範囲外
に出るときに立ち下がり、また電流指令が正方向から負
方向に“0“を超えるときに立ち上がり、正方向のヒス
テリシス幅+DTHYSの範囲外に出るときに立ち下が
る。また、補正量は、電流指令が負方向から正方向に
“0“を超えるときに立ち上がって正の補正量DTMA
Xをとり、維持される。これに対して、従来の方式で
は、電流指令のチャタリングに応じて、補正量が振動す
る。
【0077】図11は、電流指令の波形例に対して、ヒ
ステリシス範囲内外、フラグ及び補正量を示し、さらに
従来のヒステリシスを有していない方式による補正量と
の比較を示している。図中のaで示されるチャタリング
の部分において、本発明の方式によれば、補正量の振動
が抑制されている。 (本発明の実施例1特有の効果)前記構成によって、実
施例1においては、フラグを用いて電流指令の履歴を考
慮した電流指令に対する補正量のヒステリシス特性を設
定することができるため、補正量の変化点を電流指令が
“0“を通過する時点に近づけるとともに、チャタリン
グを抑制することができる。 (実施例2)次に、本発明の実施例2の交流電動機電流
制御方式について説明する。 (本発明の実施例2の構成)実施例2の構成は、前記実
施例1の構成と同様であるため、ここではその説明を省
略する。 (本発明の実施例2の作用)実施例2は、前記実施例1
とヒステリシス特性においてのみ相違しているため、こ
こでは図15の実施例2のヒステリシス特性図を用いて
ヒステリシス特性を説明する。
【0078】実施例2のヒステリシス特性は、電流指令
が“0“と−DTHYSを閾値として補正量DTMAX
と補正量−DTMAXをとるものであり、前記実施例1
のフラグを用いた2つのヒステリシス特性の一方のみを
用いるものであり、電流指令の履歴にかかわらずヒステ
リシス特性が設定される。
【0079】図16は、このヒステリシス特性を用いた
場合の補正量例であり、従来のヒステリシスを用いない
方式との比較を示している。図から、チャタリタングに
よる補正量の振動が抑制されることが示されている。 (本発明の実施例2特有の効果)実施例2によれば、フ
ラグを設定するための構成を用いることなくヒステリシ
ス特性を設定することができる。 (実施例3)次に、本発明の実施例3の交流電動機電流
制御方式について説明する。 (本発明の実施例3の構成)実施例3の構成は、前記実
施例1の構成と同様であるため、ここではその説明を省
略する。 (本発明の実施例3の作用)実施例3は、前記実施例1
とヒステリシス特性においてのみ相違しているため、こ
こでは図17の実施例3のヒステリシス特性図を用いて
ヒステリシス特性を説明する。
【0080】実施例3のヒステリシス特性は、電流指令
が“0“と+DTHYSを閾値として補正量DTMAX
と補正量−DTMAXをとるものであり、前記実施例1
のフラグを用いた2つのヒステリシス特性の一方のみを
用いるものであり、電流指令の履歴にかかわらずヒステ
リシス特性が設定される。
【0081】図18は、このヒステリシス特性を用いた
場合の補正量例であり、従来のヒステリシスを用いない
方式との比較を示している。図から、チャタリタングに
よる補正量の振動が抑制されることが示されている。 (本発明の実施例3特有の効果)実施例2によれば、フ
ラグを設定するための構成を用いることなくヒステリシ
ス特性を設定することができる。 (実施例4)次に、本発明の実施例4の交流電動機電流
制御方式について説明する。 (本発明の実施例4の構成)実施例4の構成は、前記実
施例1の構成と同様であるため、ここではその説明を省
略する。 (本発明の実施例4の作用)実施例4は、前記実施例1
とヒステリシス特性においてのみ相違しているため、こ
こでは図19の実施例4のヒステリシス特性図を用いて
ヒステリシス特性を説明する。
【0082】実施例4のヒステリシス特性は、電流指令
が−DTHYSと+DTHYSを閾値として補正量−D
TMAXと補正量+DTMAXをとるものであり、電流
指令の履歴にかかわらずヒステリシス特性が設定され
る。
【0083】図20は、このヒステリシス特性を用いた
場合の補正量例であり、従来のヒステリシスを用いない
方式との比較を示している。図から、チャタリタングに
よる補正量の振動が抑制されることが示されている。
【0084】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能で
あり、それらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電流指令の“0“付近における変動に伴う補正量の方向
の振動を抑制して、補正された電流指令の振動を抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の交流電動機電流制御方式のフローチャ
ートである。
【図2】本発明の交流電動機電流制御方式を実施するブ
ロック構成図である。
【図3】本発明の電流指令に対するフラグ特性図であ
る。
【図4】本発明のフラグが“1“の場合のヒステリシス
特性図である。
【図5】本発明のフラグが“1“の場合のヒステリシス
特性図である。
【図6】本発明のフラグが“0“の場合のヒステリシス
特性図である。
【図7】本発明のフラグが“0“の場合のヒステリシス
特性図である。
【図8】本発明の交流電動機電流制御方式を説明する波
形図である。
【図9】本発明の交流電動機電流制御方式を説明する波
形図である。
【図10】本発明の交流電動機電流制御方式を説明する
波形図である。
【図11】本発明の交流電動機電流制御方式を説明する
波形図である。
【図12】従来の3相電圧形PWMインバータの概略ブ
ロック図である。
【図13】1相分のスイッチの上側トランジスタと下側
トランジスタの電流を示す図である。
【図14】電流指令の振動に伴う補正量の方向の振動を
説明する図である。
【図15】実施例2のヒステリシス特性図である。
【図16】実施例2のヒステリシス特性を用いた場合の
補正量である。
【図17】実施例3のヒステリシス特性図である。
【図18】実施例3のヒステリシス特性を用いた場合の
補正量である。
【図19】実施例4のヒステリシス特性図である。
【図20】実施例4のヒステリシス特性を用いた場合の
補正量である。
【符号の説明】
1 3相交流電源 2 整流部 3 コンデンサ 4 直流電源 9 スイッチ 5,6 トランジスタ 7,8 ダイオード 10 短絡時間作成回路 11 三角波発生回路 12 コンパレータ 13 補正量発生部 14 +側補正量発生部 15 −側補正量発生部 16 補正量切り換え部 17 比例/積分器 18 ヒステリシス制御部 19 モータ 20 インバータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電動機に供給する駆動電圧をインバ
    ータにおいて電流指令により制御するものであって、該
    インバータにおける短絡防止時間により生ずる電圧成分
    を補正量の印加によって補償する交流電動機電流制御方
    式において、電流指令の0の付近にヒステリシス幅を有
    するヒステリシス特性を持ち、該ヒステリシス特性によ
    って電流指令の方向と大きさに対して前記補正量を設定
    することを特徴とする交流電動機電流制御方式。
  2. 【請求項2】 前記ヒステリシス特性は、前記電流指令
    の履歴により異なるヒステリシス特性から構成される請
    求項1記載の交流電動機電流制御方式。
  3. 【請求項3】 前記電流指令の履歴によりフラグの値を
    変更し、該フラグの値により異なるヒステリシス特性中
    から1つのヒステリシス特性を選択する請求項2記載の
    交流電動機電流制御方式。
  4. 【請求項4】 前記補正量は、前記短絡防止時間により
    生じる電圧成分と等価である請求項1,2,又は3記載
    の交流電動機電流制御方式。
  5. 【請求項5】 交流電動機に供給する駆動電圧をインバ
    ータにおいて電流指令により制御するものであって、該
    インバータにおける短絡防止時間により生ずる電圧成分
    を補正量の印加によって補償する交流電動機電流制御方
    式において、電流指令が電流指令の0の付近に設けたヒ
    ステリシス幅の内か外かによってヒステリシス範囲の内
    外の判断を行い、ヒステリシス範囲外であればフラグを
    リセットし、ヒステリシス範囲内であればフラグを保持
    し、前回の補正量の方向と前記フラグの値を判断し、フ
    ラグがセット中、あるいは、フラグがリセット中で電流
    指令の方向が前回と同じであれば、前回の補正量の方向
    を保持し、フラグがリセット中で電流指令の方向が前回
    と異なれば、フラグをセットして補正量を前回の逆方向
    に設定することを特徴とする交流電動機電流制御方式。
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