JPH06350864A - 表示画像調整回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、水平位相制御回路に垂直ＤＹの鋸波
電流波形を積分したパラボラ波形を利用した水平表示位
置調整回路に関し、その目的は、積分回路によって形成
されたパラボラ波形を周波数−電圧変換回路の出力信号
に加算して同一方向への弓形画面歪を補正することがで
きる画面歪補正機能付き水平表示位置調整回路を提供す
ることにある。 【構成】垂直ＤＹの鋸波状偏向電流波形９を積分回路１
０に入力し、この出力信号を水平位相制御電圧に加算す
ることにより達成される。 【効果】同一方向への弓形画面歪を補正することができ
る。また、主な追加回路は積分回路のみであるため、追
加部品も少なく容易に構成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、２つ以上の水平同期周
波数を入力とするＣＲＴマルチスキャンディスプレイに
おいて、特に画面歪補正機能を付加した表示画像調整回
路に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、コンピュータ用のディスプレイで
は各種の水平周波数に対応できる所謂マルチスキャンデ
ィスプレイが主流となっている。そこで、問題となるの
が入力周波数切替時に発生する水平方向の画像表示位置
のシフトである。この問題を解決する有効な手段とし
て、例えば特開昭６３−３００７１号公報に述べられて
いるように、入力水平周波数に比例した直流電圧を利用
してビデオ信号と水平同期信号の位相関係を制御する表
示画像調整回路が知られている。

【０００３】図４に表示画像調整回路を示す。本回路は
周波数−電圧変換回路７の出力電圧Ｖｓは定電流回路８
に供給され、その出力電流はモノマルチ２の遅延時間を
制御する。モノマルチ２とモノマルチ３は所定のパルス
幅を有する遅延させた水平同期信号を発生させる。モノ
マルチ３の出力信号は水平ＡＦＣ回路４に供給され、水
平発振器５及び水平出力回路６で発生した水平偏向電流
が水平偏向コイルに供給される。

【０００４】図４の回路動作を図５，図６を用いて簡単
に説明すると、或る任意の信号源の入力ビデオ信号Ａに
対するコンピュータ出力の水平同期信号Ｂは、ビデオ信
号Ａを画面のほぼ中央に位置するよう制御された水平同
期遅延信号Ｃに変換されるため、図６（ａ）に示すよう
な水平同期信号に対するビデオ信号のタイミングが異な
るために生ずる水平画像表示位置のシフトを軽減でき、
かつ水平周波数に起因せずに図６（ｂ）のように表示画
像を画面のほぼ中央とすることができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、現在のＣＲ
Ｔディスプレイでは偏向ＤＹや回路の性能的な問題から
サイドピン歪を代表とするいろいろな画面歪が生じ、独
自の歪補正回路が必要となるという問題があった。

【０００６】そこで本発明は、画面両サイドの同一方向
への弓形画面歪をマルチスキャン対応の水平方向の画像
シフト回路に垂直ＤＹ偏向電流波形を積分したパラボラ
波形を付加して容易に構成することができる画面歪補正
機能付き表示画像調整回路を提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、マルチスキャ
ン対応の表示画像調整回路において、垂直ＤＹ偏向電流
波形をパラボラ波形に変換する積分回路を備え、該出力
を水平周波数に比例した変換電圧に加算した信号を水平
発振回路に与えることを特徴とする。

【０００８】

【作用】上記構成によれば、鋸波状の垂直ＤＹ偏向電流
波形を入力とする積分回路によりパラボラ波形を形成
し、この出力を周波数−電圧変換回路出力に与えること
により画面歪補正機能を兼ね備えた水平方向の表示画像
調整回路を構成することができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例に基づいて説明す
る。

【００１０】図１は本発明の一実施例を示している。図
１において、端子１に水平同期信号Ｈｓが入力される。
水平同期信号Ｈｓはモノマルチ２及び周波数−電圧変換
回路７に供給される。モノマルチ２は水平同期信号Ｈｓ
をトリガとし、後に説明する定電流回路８の出力により
設定された遅延時間Ｔｄだけ信号を遅延する。モノマル
チ２の遅延信号はモノマルチ３に供給され、モノマルチ
３は所定のパルス幅をもつ遅延した水平同期信号を発生
する。この水平同期信号は水平ＡＦＣ回路４に入力され
る。さらにこの出力信号は水平発振回路５及び水平発振
回路６を経て、水平偏向電流が水平偏向コイルに供給さ
れる（図示せず）。ここで本発明の特徴は、偏向ＤＹや
回路系の性能により発生する画面両サイドの同一方向へ
の弓形画面歪（図３参照）を改善するため、モノマルチ
２の信号遅延量を決定する定電流回路８の出力電流をパ
ラボラ波形で制御している点である。端子９には垂直Ｄ
Ｙの鋸波状偏向電流が供給される。鋸波状偏向電流は積
分回路１０により積分され、垂直周期のパラボラ波形を
形成する。周波数−電圧変換回路７の出力電圧に上記パ
ラボラ波形を加算し、定電流回路８の出力電流を制御す
ることで図３に示すような表示画像の歪を改善すること
が可能となる。

【００１１】図２は画面歪補正に使用する信号波形、図
３は同図右に示す画面歪の各位置における補正後の同期
信号タイミングを示す。図３の画面歪において、今、ｅ
点に対してｄ，ｆ点の水平位置が同じ量だけシフトして
いるとする。図２の垂直偏向電流波形９は積分回路１０
により水平位相制御信号（パラボラ波形）１１に変換さ
れる。この信号の持つ意味は、図３の画面歪において画
面ｄ点では電位ｄ、画面ｅ点では電位ｅ、画面ｆ点では
電位ｆにより水平同期信号の位相制御を行うというもの
である。故に、ビデオ信号Ａに対する画面歪補正後の水
平同期信号タイミングは、画面上部（ｄ点）では水平同
期信号Ｄ、画面中央部（ｅ点）では水平同期信号Ｅ、画
面下部（ｆ点）では水平同期信号Ｆとなる。また、画面
ｄ，ｆ点と画面ｅ点の水平画像シフト量は水平同期信号
の遅延時間Ｔｄに相当している。

【００１２】上記構成によれば、垂直偏向電流波形を積
分して得られるパラボラ波形を水平位相制御に利用する
ことで同一方向への弓形画面歪を軽減することができ、
かつ画面表示位置調整機能も失うこともない。さらに、
具体的な回路構成では、図１に示すように比較的少ない
部品追加（抵抗Ｒ、コンデンサＣ₁，Ｃ₂など数点）で済
む。また、逆方向の同一方向への弓形画面歪に対しても
パラボラ波形の反転により応用できることは言うまでも
ない。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
垂直ＤＹの鋸波状偏向電流波形を入力とした積分回路に
より得られるパラボラ波形を水平表示位置制御信号に加
算することで、画面歪補正機能と画面表示位置調整機能
をまとめて簡易化しているため、付加機能による部品追
加も少なく比較的容易に回路を構成でき、かつ同一方向
への弓形画面歪を低減することができる。さらに、本来
の表示画像調整機能も確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における表示位置調整回路の
構成図である。

【図２】本発明に用いる水平位相制御波形の一例を示す
図である。

【図３】本発明の一実施例における補正波形の一実施例
を示す図である。

【図４】本発明の基礎となる従来の表示位置調整回路の
構成図である。

【図５】本発明の基礎となる従来の表示位置調整回路の
信号タイミングの一例を示す図である。

【図６】本発明の基礎となる表示位置調整回路の画像シ
フト動作の一例を示す図である。

【符号の説明】

１…水平同期信号入力端子、２〜３…モノマルチ、４…
水平ＡＦＣ回路、５…水平発振回路、６…水平出力回
路、７…周波数−電圧変換回路、８…定電流回路、９…
垂直ＤＹ偏向電流波形、１０…積分回路、１１…水平位
相制御信号、Ｈｓ…入力水平同期信号、Ｖｓ…周波数−
電圧変換回路出力電圧、Ａ…ビデオ信号、Ｂ…入力水平
同期信号波形、Ｃ…水平同期遅延信号波形、Ｄ…画面上
部（ｄ点），補正後の水平同期信号波形、Ｅ…画面中央
部（ｅ点），補正後の水平同期信号波形、Ｆ…画面下部
（ｆ点），補正後の水平同期信号波形、ｄ…画面上部、
ｅ…画面中央部、ｆ…画面下部、（ａ）…水平表示位置
調整前の画像、（ｂ）…水平表示位置調整後の画像。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】２つ以上の異なる水平同期周波数が供給さ
   れるマルチスキャンディスプレイの水平表示位置調整回
   路において、鋸波状の垂直ＤＹ偏向電流波形をパラボラ
   波形に変換する積分回路と、水平同期周波数を入力とし
   該周波数に比例した直流電圧に変換する周波数−電圧変
   換回路と、上記２つの回路出力を合成する手段と、前記
   合成出力信号により画面水平位置と画面歪を調整する補
   正信号を得るための遅延回路を備えたことを特徴とする
   表示画像調整回路。