JPH06348153A - 加熱定着装置及びその製造方法 - Google Patents

加熱定着装置及びその製造方法

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JPH06348153A
JPH06348153A JP13353693A JP13353693A JPH06348153A JP H06348153 A JPH06348153 A JP H06348153A JP 13353693 A JP13353693 A JP 13353693A JP 13353693 A JP13353693 A JP 13353693A JP H06348153 A JPH06348153 A JP H06348153A
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JP
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film
heater
heating resistor
hard carbon
heat fixing
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JP13353693A
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Yasushi Taniguchi
靖 谷口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通電により発熱する発熱抵抗体からなるヒー
ターを有する加熱定着装置において、フィルムやこれと
摺動する発熱抵抗体等の摩耗を低減してその長寿命化を
図ること。 【構成】 絶縁性基板2上に通電により発熱する発熱抵
抗体3を設け、該発熱抵抗体により被加熱体とともに移
動するフィルムを介して該被加熱体を加熱し、熱定着に
よる画像形成装置で使用される熱定着用ヒーターにおい
て、フィルムと接触摺動するヒーターの絶縁保護膜6あ
るいは発熱抵抗体3上、もしくはフィルム上に硬質炭素
膜18を潤滑保護膜として形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、レーザービー
ムプリンタ等の画像形成装置に用いられるヒーターに関
し、特に未定着画像の加熱定着に用いられるヒーターに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特開昭63−313182号公報
等で固定ヒーターと、このヒーターと摺動する薄膜フィ
ルムを用いた加熱装置が提案されている。
【0003】このようなヒーターに関し、本発明に係る
ヒーターを示す図1、図2を参照して説明する。ヒータ
ー1は、電気絶縁性・耐熱性・低熱容量の細長い基板2
と、この基板2の一方面側(表面側)の基板幅方向中央
部に基板長手に沿って直線細帯状に形成した通電発熱体
3と、この通電発熱抵抗体の両端部にそれぞれ通電させ
て基板面に形成した電極端子(接続端子)4・5と、基
板2の通電発熱抵抗体形成面を被覆させたヒーター表面
保護層としてのガラス等の電気絶縁性保護層6と、基板
2の他方面側(背面側)に設けたサーミスター等の温度
検出素子7を有する。基板2は、例えば、幅10mm・
厚さ1mm・長さ240mmのAl2 3 、AIN、S
iC等のセラミック板等がある。通電発熱抵抗体3は、
例えば、厚さ10μm・幅1mmの、スクリーン印刷等
で塗工したAg/Pd(銀パラジウム合金)、Ru
2 、Ta2 N等を大気焼成して形成したパターン層で
ある。電極端子(接続端子)4・5は、通常厚さ10μ
mのスクリーン印刷等で塗工したAgを大気焼成して形
成したパターン層であり、この電極4・5に通常は、コ
ネクター(不図示)を介して電線を接続し給電する。
【0004】ヒーター1は定着面の温度を管理・制御す
るために装置の横断面において、通電発熱抵抗体3を定
着ニップ部15(合接ニップ部、加圧部)の幅領域の略
中央部に位置させる構造となっている。ヒーター1の絶
縁保護層6側がフィルム接触摺動面側である。ヒーター
1は通電発熱抵抗体3の両端電極端子4・5間に交流電
源12より電圧印加され、該通電発熱抵抗体3が発熱す
ることで昇温する。
【0005】ヒーター1の温度は、基板背面の温度検出
素子7で検出されて、その検出情報が通電制御回路へフ
ィードバックされて、交流電源12から通電発熱抵抗体
3への通電が制御され、ヒーター1が所定の温度に温度
制御される。ヒーター1の温度検出装置7は熱応答性の
最も良い定着面、つまりヒーター基板表面側の通電発熱
抵抗体3の形成位置に対応する基板背面側部分位置(通
電発熱抵抗体3の直下に対応する基板背面側部分位置)
に配設される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】未定着画像を定着する
ためには、ヒーター上の絶縁性保護層並びにフィルム接
触摺動面を介してヒーターの熱を伝熱させて熱定着す
る。しかしながら、絶縁性保護層とフィルムとの接触摺
動時の摩耗により、接触摺動距離が約60kmに達する
とフィルムの摩耗が激しくなってくる。この時生じる摩
耗粉が、フィルムを起動するローラーに不均一に付着す
ることから、フィルムの駆動速度が不規則となり、結果
として未定着画像の定着が不均一になるという問題が発
生する。絶縁性保護膜に用いられるガラス質層は、低軟
化点ガラスを印刷、焼成することにより形成される。こ
のガラス質層とフィルムの表面形状差(摩擦係数)と硬
度差により、フィルムの磨耗が生じるものと考えられ
る。そこで、ポリイミド等の耐熱性フィルムの摩耗を防
ぐために、絶縁性保護膜との摩擦係数を小さくする目的
からポリイミド・フィルムにフィラーを混入したり、テ
フロン(登録商標)コーティング等を施している。しか
しながら、熱定着方式による定着のより高度化と定着ボ
リュームの増大に対応することはできず、ヒーターの寿
命(接触摺動距離)をできるだけ長くすることが必要と
されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヒーターの絶
縁保護膜あるいは発熱抵抗体上、もしくはフィルム上に
硬質炭素膜を形成することにより、上述の問題を解決し
たものである。
【0008】以下、本発明に関して詳細に説明する。本
発明に係る硬質炭素膜は、巨視的にはアモルファス構造
でsp2 、sp3 結合の炭素からなり、膜中に水素をほ
とんど含有していない。含有する場合でもその量は1a
t%よりも少ない。硬質炭素膜の密度は、グラファイト
の密度(2.26g/cm3 )よりも大きくダイヤモン
ドの密度(3.51g/cm3 )よりも小さい範囲にあ
る。また、硬質炭素膜は、 度2000〜5000kg
/mm2 、摩擦係数μ<0.2、電気抵抗(体積抵抗
率)105 〜1011Ωcm等に代表される物理的性質を
有するものである。
【0009】本発明で用いる硬質炭素膜は、プラズマ・
スパッタ法、イオンビーム・スパッタ法、イオンビーム
蒸着法、イオンビーム・ミキシング法、イオンプレーテ
ィング法、クラスターイオンビーム法、イオン注入法、
アーク放電法、レーザー蒸着法等により形成される。こ
のとき用いる固体炭素源としては、高純度のグラファイ
トやガラス状炭素等を挙げることができる。あるいは気
体炭素源として含炭素ガスであるメタン、エタン、プロ
パン、エチレン、ベンゼン、アセチレン等の単化水素;
塩化メチレン、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロル
エタン等のハロゲン化炭化水素;メチルアルコール、エ
チルアルコール等のアルコール類;(CH3 2 CO、
(C6 5 2 CO等のケトン類;CO、CO2 等を用
いる場合には、質量分離後炭素イオンビームとして使用
する。また、アシスト・イオンビーム用の原料ガスとし
て、He、N2 、H2 、O2 、H2 O、Ar、Ne、K
r、Xe等のガスが挙げられる。
【0010】ヒーターの絶縁保護膜あるいは発熱抵抗体
上に形成される硬質炭素膜の膜厚は、数nm〜数10μ
mの範囲であれば良く、特に数10nm〜数μmが好適
である。これは、膜厚が数nmより薄いときには、十分
な潤滑性能や絶縁性能が得られず、数10μmよりも厚
い時には膜応力により膜が基板から剥離し易いからであ
る。なお、発熱抵抗体上に直接形成する場合には、十分
な絶縁性が確保できる高電気抵抗の膜を使用する必要が
ある。フィルム上に形成する場合には、数nm〜数10
0nmの膜厚が好適である。膜厚が数nmより薄い場合
には十分な潤滑性能が得られず、数100nmよりも厚
い場合には膜応力により膜がフィルムから剥離したりフ
ィルムがカールしてしまうためである。なお、前述の好
適な膜厚範囲で膜を形成した場合でも、フィルムがカー
ルするときにはフィルムの両面に硬質炭素膜を形成すれ
ば良い。
【0011】硬質炭素膜の密度は、前述のようにグラフ
ァイトとダイヤモンドの間にあるが、実用上は2.0g
/cm3 以上であれば良い。密度が2.0g/cm3
りも小さい膜は、sp2 結合(グラファイト)成分が増
加するため、低硬度、低電気抵抗、低密着性であり、本
発明の潤滑保護膜としては適していない。
【0012】なお、本発明の潤滑保護膜は、ヒーターの
絶縁保護膜や発熱抵抗体上あるいはフィルム上に形成す
るだけでなく、フィルムと接触するヒーターホルダー部
に形成することにより、ヒーター、フィルム間の接触摺
動特性をより向上させることができる。
【0013】本発明は、フィルムと接触摺動するヒータ
ーの絶縁保護膜あるいは発熱抵抗体上、もしくはフィル
ム上に気相合成法により硬質炭素膜を潤滑保護層として
形成することにより、ヒーターとフィルム間の耐摩耗性
と摺動性を改善し、長寿命のヒーターを実現するもので
ある。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の具体的実
施例を説明する。
【0015】<実施例1>図3は、本発明の実施例のヒ
ーターを用いた加熱定着装置の部分拡大断面図である。
ヒーター1は、断熱性のヒーターホルダー8を介してヒ
ーター支持部9に固定支持されている。10は、例えば
厚さ40μm程度のポリイミド等のエンドレスベルト
状、あるいは長尺ウェブ状の耐熱性フィルム、11はこ
のフィルムをヒーター1に対して押圧する加圧部材とし
ての回転加圧ローラーである。フィルム10は、不図示
の駆動部材により或は加圧ローラー11の回転力によ
り、所定の速度で矢印の方向にヒーターホルダー8のエ
ッジ部に接触しながら、ヒーター1面に密着した状態で
ヒーター1面を摺動しながら回転或は走行移動する。ヒ
ーター1の通電発熱抵抗体3に対する通電によりヒータ
ー1を所定温度に昇温させ、またフィルム10を移動駆
動させた状態である定着ニップ部15に被加熱材として
記録材16を未定着トナー画像面をフィルム10面側に
して導入することで、記録材16がフィルム10面に密
着してフィルム10と共に定着ニップ部15を移動通過
し、その移動通過過程でヒーター1からフィルム10を
介して記録材16に熱エネルギーが付与されて記録材1
6上の未定着トナー画像17が加熱溶融定着される。
【0016】図4は、第1実施例を示すヒーター部の断
面模式図である。図中1はヒーター、2はセラミックス
基板、3はAg/Pdからなる発熱抵抗体、4、5はC
uからなる電極端子部、6はガラス質の絶縁保護層、1
8は硬質炭素膜、8はヒーターホルダー、12は電極タ
ブ、13はAuSiからなるロウ材、14はワイヤーで
ある。
【0017】本実施例におけるヒーターは、まずAl2
3 基板2上にAg/Pdからなるペーストを発熱抵抗
体3となるようにスクリーン印刷により塗工し、大気焼
成した。抵抗値を測定した後、所望の抵抗値となるよう
にトリミングした。次に、Cuペーストをスクリーン印
刷により塗工し、電極端子部4、5を酸素分圧に注意し
ながら焼成、形成した(図4の(a))。この後、絶縁
性保護膜6としてケイ酸鉛系の低軟化点ガラスをスクリ
ーン印刷により塗工し、大気焼成して形成した(図4の
(b))。この後、硬質炭素膜18をDCスパッタリン
グ法により500nm形成した(図4の(c))。図5
は、硬質炭素膜を形成するために用いたDCマグネトロ
ン・スパッタリング装置の模式図である。図中40は真
空槽、41は基板、42は純度99.99%のグラファ
イト・ターゲット、43はガス導入系、44はDC電
源、45は排気系である。真空槽を1×10-7Torr
まで排気した後、ガス導入系よりArを導入しガス圧を
0.9Paとした。この時、基板温度を室温、放電パワ
ー50W、基板ターゲット間距離を40mmとした。な
お、成膜に先立ち、300Wで20min.間ターゲッ
トのプレスパッタリングを行った。同一条件で作製した
膜をHFS(Hydrogen Fowardscat
tering Spectrometry)法により水
素濃度を分析したところ水素含有量は0at%であっ
た。膜硬度を薄膜硬度計で測定した結果、ビッカース硬
度換算で2200kg/mm2 であった。ピン・オン・
ディスク法により摩擦特性を評価した。測定は相対湿度
45%の空気中で行い、ピンとして軸受け鋼(SUJ
2)の球(直径5mm)を用い加重2.2N、摺動速度
0.04m/sで行った結果、摩擦係数は0.10であ
った。なお、RBS(Rutherford Back
scattering Spectrometry)で
評価した密度は、2.8g/cm3 であった。
【0018】次に、AuSiからなるロウ材13を用い
て銅合金からなる電極タブ12と、セラミックス基板2
とをロウ付けした(図4の(c))。引き続き、電極タ
ブ12にワイヤー14を圧接しヒーター1をヒーターホ
ルダー8に接着した(図4の(d)、(e))。なお、
ヒーター1の製作時に電極端子部4、5の表面にAuを
フラッシュメッキすることにより、ロウ付け時のロウ材
の濡れ性を向上させ、安定した接続信頼性を得ることが
できた。電極タブ材料としては、銅合金のほかにコバー
ル、42アロイ、リン青銅等の金属が使用できる。ロウ
材は、融点250℃以上のものが好ましく、AuSiの
ほかにAuGe、AuSu等を用いることができる。ま
た、Cu電極端子部の表面にロウ付けまでの表面酸化防
止や汚染を防ぐ目的から、Au、Ni、Au/Niをフ
ラッシュメッキ等で形成することにより、より安定した
ロウ付けが実現できた。この時、Ni層を形成する目的
は、ロウ材中にCuが過度に拡散することを防ぐためで
ある。
【0019】以上のようにして得られた加熱定着装置
は、ヒーターとフィルム間の摩擦、摺動に対してもフィ
ルムの摩耗粉の発生がなく、安定した摺動性能を長期間
保持することができた。
【0020】<実施例2>実施例1と同様のAl2 3
基板に発熱抵抗体層を形成する溝を機械的に加工した。
溝の形状は、350mm×2mm×12μmとした。こ
の溝にAg/Pdからなるペーストを発熱抵抗体3とな
るようにスクリーン印刷により11μm塗工し、大気焼
成した。抵抗値を測定した後、所望の抵抗値となるよう
トリミングした。次に、不図示のスパッタリング装置に
基板を設置し、抵抗体層上にWを1μm形成した。W
は、Ag/PdとCの相互拡散を防止する目的で形成し
た。引き続き、図6のデュアルイオンビーム・スパッタ
リング装置によって硬質炭素膜を600nm形成した。
図中20は真空槽、21はスパッタ・イオン源、22は
アシスト・イオン源、23はグラファイト・ターゲッ
ト、24は基板、25はガス導入系、26は排気系であ
る。真空槽を1×10-7Torrまで排気した後、スパ
ッタ・イオン源、アシスト・イオン源にガス導入系より
Ar:20sccmを導入し、ガス圧を4×10-4To
rrとし、スパッタ・イオン源ではイオンエネルギー1
keV、イオン電流密度4mA/cm2 のArイオンビ
ームでグラファイト・ターゲットをスパッタリングする
と同時に、アシストイオン源を用いてイオンエネルギー
200eV、イオン電流密度0.1mA/cm2 のAr
イオンビームを基板にアシスト照射した。この時基板温
度は150℃とした。実施例1と同様に、膜の硬度を薄
膜硬度計で測定した結果、ビッカース硬度換算で250
0kg/mm2 であった。また、ピン・オン・ディスク
法により摩擦特性を評価した。測定は相対湿度50%の
空気中で行い、ピンとして軸受け鋼(SUJ2)の球
(直径5mm)を用い、加重1.0N、摺動速度0.0
4m/sで行った結果、摩擦係数は0.08であった。
なお、RBS(Rutherford Backsca
ttering Spectrometry)で評価し
た密度は2.6g/cm3 で、膜中の水素濃度はHFS
(Hydrogen Fowardscatterin
g Spectrometry)分析の結果、1ato
m%未満であった。この後、実施例1と同様にして電極
端子部に、電極タブ、ワイヤーを接続した後、ヒーター
ホルダー部に接着してヒーターを完成した。図3は、本
発明の実施例のヒーターを用いた加熱定着装置の部分拡
大断面図である。図3において、図3と同一部分は同一
符号を付して、具体的な説明は省略する。図3におい
て、Gは溝、18は硬質炭素膜を示す。
【0021】以上のようにして得られたヒーターを装着
した加熱定着装置を用い、実施例1と同様に記録材の熱
定着を行った結果、実施例1と同様の安定した定着と耐
久性が得られた。
【0022】<実施例3>実施例1と同様にして、絶縁
保護層上に潤滑保護膜として硬質炭素膜を形成した。図
8は、実施例1で用いたDCマグネトロン・スパッタリ
ング装置にアシスト・イオン源を備えた装置の模式図で
ある。図中30は真空槽、31はアシスト・イオンビー
ム源、32はイオン化室、33はガス導入系、34はイ
オンビーム引き出し電極、35は基体、36はグラファ
イト・ターゲット、37は排気系、38はDC電源であ
る。真空槽1×10-7Torrまで排気した後、ガス導
入系より真空槽内とアシスト・イオン源内にそれぞれ1
00sccm、35sccmm導入し、ガス圧を6×1
-2Paとした。放電パワー1kWでグラファイトのス
パッタリングを行うと同時に、アシスト・イオン源より
イオンエネルギー300eV、イオン電流密度0.2m
A/cm2 のArイオンビームを基板に照射して、50
0nmの硬質炭素膜を形成した。
【0023】実施例1と同様に、膜の硬度を薄膜硬度計
で測定した結果、ビッカース硬度換算で2700kg/
mm2 であった。また、ピン・オン・ディスク法により
摩擦特性を評価した。測定は相対湿度45%の空気中で
行い、ピンとして軸受け鋼(SUJ2)の球(直径5m
m)を用い、加重1.0N、摺動速度0.04m/sで
行った結果、摩擦係数は0.07であった。なお、RB
S(Rutherford Backscatteri
ng Spectrometry)で評価した密度は
2.8g/cm3 で、膜中の水素濃度はHFS(Hyd
rogen Fowardscattering Sp
ectrometry)分析の結果、1atom%未満
であった。この後、実施例1と同様にして電極端子部
に、電極タブ、ワイヤーを接続した後、ヒーターホルダ
ー部に接着してヒーターを完成した。以上のようにして
得られたヒーターを装着した加熱定着装置を用い、実施
例1と同様に記録材の熱定着を行った結果、実施例1と
同様の安定した定着と耐久性が得られた。
【0024】<実施例4>実施例3と同様にしてヒータ
ーの絶縁保護膜上に硬質炭素膜を450nm形成した。
この時、アシスト・イオン源によるArイオンビームの
イオン電流密度を0.2mA/cm2 に固定し、イオン
エネルギーを0〜500eVの範囲で変えた以外は同一
条件とした。以上のようにして作製したヒーターをサン
プル1〜4とし、水素濃度、膜密度、膜硬度、電気抵抗
(体積抵抗率)、摩擦係数を評価した結果を表1に示し
た。この時、水素濃度はHFS分析、密度はRBS分
析、硬度は薄膜硬度計、電気抵抗は四端針法、摩擦係数
は実施例3と同一条件で評価した。
【0025】
【表1】
【0026】以上のようにして得られたヒーターを装着
した加熱定着装置を用い、実施例1と同様に記録材の熱
定着を行った結果、試料1〜3は実施例1と同様の安定
した定着と耐久性が得られた。試料4は定着回数の増加
に伴い部分的に微妙な膜剥離を生じた。
【0027】<実施例5>実施例1と同様にして、ポリ
イミド・フィルムの両面に硬質炭素膜を50nm形成し
た。この時の成膜条件は、実施例1と同一とした。ま
た、同様にヒーターホルダーでフィルムと接触摺動する
部分に、硬質炭素膜を200nm形成した。以上のよう
にして得られたヒーターとフィルムからなる加熱定着装
置を用い、実施例1と同様に記録材の熱定着を行った結
果、実施例1と同様の安定した定着と耐久性が得られ
た。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、熱定着
による画像形成装置で使用される熱定着用ヒーターにお
いて、フィルムと接触摺動するヒーターの絶縁保護層あ
るいは発熱抵抗体層上、もしくはフィルム上に高硬度、
低摩擦係数である硬質炭素膜を潤滑保護膜として形成す
るものである。本発明の潤滑保護膜は、使用環境(特に
湿度)や使用時間(摺動距離)に因って摩擦係数が変化
せず、基板に対する密着性も良好である。
【0029】本発明のヒーターによれば、ヒーターとフ
ィルム間で生じる接触摺動に対して、フィルムの摩耗を
生じることなく、安定した摺動特性を保持する極めて信
頼性、耐久性に優れたヒーターを提供することができ
る。この結果、定着スピードの高速化、定着サイズの大
型化が可能となり、ランニング・コストの低減も実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヒーターの発熱抵抗体側の平面
図。
【図2】本発明に係るヒーターの背面側の平面図。
【図3】本発明の実施例におけるヒーターを用いた定着
装置の断面図。
【図4】本発明の実施例におけるヒーターの部分断面
図。
【図5】本発明の実施例で硬質炭素膜形成に用いたDC
マグネトロン・スパッタ装置。
【図6】本発明の実施例2で硬質炭素膜形成に用いたデ
ュアルイオンビーム・スパッタリング装置の模式図。
【図7】本発明の実施例2におけるヒーターを用いた定
着装置の断面図。
【図8】本発明の実施例3で硬質炭素膜形成に用いたD
Cマグネトロン・スパッタ装置にアシストイオン源を具
備した成膜装置の模式図。
【符号の説明】
1:ヒーター 2:セラミックス基
板 3:発熱抵抗体 4:電極端子部 5:電極端子部 6:絶縁保護層 7:温度測定素子 8:ヒーターホルダ
ー 9:裏面断熱層 10:耐熱性フィル
ム 11:加圧ローラー 12:電極タブ 13:ロウ材 14:ワイヤー 15:定着ニップ 16:記録材 17:未定着トナー 18:硬質炭素膜 20:真空槽 21:スパッタ・イ
オン源 22:アシスト・イオン源 23:グラファイト
・ターゲット 24:基板 25:ガス導入系 26:排気系 30:真空槽 31:アシスト・イオン源 32:イオン化室 33:ガス導入系 34:イオンビーム
引き出し電極 35:基板 36:グラファイト
・ターゲット 37:排気系 38:DC電源 40:真空槽 41:基板 42:ターゲット 43:ガス導入系 44:DC電源 45:排気系

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に通電により発熱する発熱
    抵抗体を設け、該発熱抵抗体により被加熱体とともに移
    動するフィルムを介して該被加熱体を加熱し、熱定着に
    よる画像形成装置で使用される熱定着用ヒーターにおい
    て、フィルムと接触摺動するヒーターの絶縁保護膜ある
    いは発熱抵抗体上、もしくはフィルム上に硬質炭素膜を
    潤滑保護膜として形成したことを特徴とする加熱定着装
    置。
  2. 【請求項2】 前記、硬質炭素膜における膜中水素濃度
    が1at%よりも小さく、密度が2.0g/cm3 以上
    であることを特徴とする請求項1記載の加熱定着装置。
  3. 【請求項3】 絶縁性基板上に通電により発熱する発熱
    抵抗体を設け、該発熱抵抗体により被加熱体とともに移
    動するフィルムを介して該被加熱体を加熱し、熱定着に
    よる画像形成装置で使用される熱定着用ヒーターにおい
    て、フィルムと接触摺動するヒーターの絶縁保護膜ある
    いは発熱抵抗体上、もしくはフィルム上に水素濃度1a
    t%未満、密度2.0g/cm3 以上の硬質炭素膜を潤
    滑保護膜として形成することを特徴とする加熱定着装置
    の製造方法。
JP13353693A 1993-05-28 1993-06-03 加熱定着装置及びその製造方法 Pending JPH06348153A (ja)

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