JPH06344520A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JPH06344520A
JPH06344520A JP13576193A JP13576193A JPH06344520A JP H06344520 A JPH06344520 A JP H06344520A JP 13576193 A JP13576193 A JP 13576193A JP 13576193 A JP13576193 A JP 13576193A JP H06344520 A JPH06344520 A JP H06344520A
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JP
Japan
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resin
polyolefin
ethylene
laminate
resin layer
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Application number
JP13576193A
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English (en)
Inventor
Kotaro Tsuboi
康太郎 坪井
Koji Motoi
孝治 本居
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリオレフィン系樹脂層とアクリル系樹脂層
とが接着層を介して積層されてなる積層体において、該
接着層が、(a) 不飽和カルボン酸誘導体又はアルコキシ
シラン誘導体が付加重合されてなるスチレン−エチレン
・ジエン−スチレン系ブロック共重合体、(b) 不飽和カ
ルボン酸誘導体又はアルコキシシラン誘導体が付加重合
されてなるポリオレフィン系エラストマー、(c) 塩素化
ポリオレフィン系樹脂とポリオレフィン系エラストマー
との混合物、及び(d) 塩素化ポリオレフィン系エラスト
マーからなる群より選ばれた少なくとも1つのゴム状樹
脂からなることを特徴とする積層体である。 【効果】 ポリオレフィン系樹脂層とアクリル系樹脂層
とが強固に接着した積層体を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン系樹脂
層とアクリル系樹脂層とが強固な接着層を介して積層さ
れてなる積層体に関する。本発明の積層体は、ポリオレ
フィン系樹脂とアクリル系樹脂の各長所を生かしたもの
であって、雨樋、窓枠、波板、デッキ板、自動車用モー
ル材、バンパー等様々な屋外用途に使用される。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂は、その優れた成
形加工性、機械的性質、耐薬品性、耐オゾン性、耐熱
性、耐水性等から、幅広い用途を有している。しかし、
ポリオレフィン系樹脂の成形品は、光沢が消失したり表
面に傷が付き易く、着色性が劣り、さらに耐候性が悪い
等の欠点があった。
【0003】一方、アクリル系樹脂はその優れた透明性
と、加飾性、表面硬度、耐候性、耐油性等を特徴として
独自の用途分野を確立している。しかし、この樹脂は、
耐衝撃性、耐湿性、耐有機溶剤性等には劣っていた。
【0004】そこで、ポリオレフィン系樹脂層とアクリ
ル系樹脂層とを積層すれば、極めて優れた材料が得られ
ることが予想される。しかし、これら2つの樹脂層を積
層すると両者の接着性が著しく悪く、また両者を強固に
接着する接着剤も見い出されていなかった。
【0005】このような問題を解決するために、積層さ
れたポリオレフィン系樹脂層とアクリル系樹脂層を接着
する層として一般式(A−B)n(式中、Aは実質的に
モノビニル置換芳香族化合物からなる重合体ブロック、
Bは実質的に共役ジオレフィンからなる重合体ブロック
をそれぞれ意味する)等で表されるブロック共重合体を
使用することが提案されている(特公昭60−4202
9号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法に
よってもポリオレフィン系樹脂層とアクリル系樹脂層と
は充分な接着性を得られなかった。
【0007】本発明の目的は、上記の点に鑑み、ポリオ
レフィン系樹脂層とアクリル系樹脂層とが強固に接着し
た積層体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による積層体は、
上記目的を達成すべく工夫されたものであり、ポリオレ
フィン系樹脂層とアクリル系樹脂層とが接着層を介して
積層されてなる積層体において、該接着層として特定の
ものを用いることにより上記両層が強固に接着された積
層体を得ることができるという知見を得て完成されたも
のである。
【0009】すなわち、本発明による積層体は、ポリオ
レフィン系樹脂層とアクリル系樹脂層とが接着層を介し
て積層されてなる積層体において、該接着層が、(a) 不
飽和カルボン酸誘導体又はアルコキシシラン誘導体が付
加重合されてなるスチレン−エチレン・ジエン−スチレ
ン系ブロック共重合体、(b) 不飽和カルボン酸誘導体又
はアルコキシシラン誘導体が付加重合されてなるポリオ
レフィン系エラストマー、(c) 塩素化ポリオレフィン系
樹脂とポリオレフィン系エラストマーとの混合物、及び
(d) 塩素化ポリオレフィン系エラストマーからなる群よ
り選ばれた少なくとも1つのゴム状樹脂からなることを
特徴とするものである。
【0010】上記スチレン−エチレン・ジエン−スチレ
ン系ブロック共重合体は、スチレンとエチレン・ジエン
共重合体とがブロック共重合されたものであり、ジエン
成分としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエ
ン等が挙げられる。これらは共重合の際に水添されても
よいし、二重結合が残存していてもよい。
【0011】エチレン・ジエン成分の量は、少なくなる
と得られるゴム状樹脂層が固くなりすぎ、多くなると強
度が低くなるので、いずれの場合も最終的に得られる積
層体の接着強度が低くなり好ましくない。エチレン・ジ
エン成分の好ましい量は、ブロック共重合体全構成成分
中に30〜90重量%である。
【0012】ゴム状樹脂層の形成が例えば押出成形によ
りなされるときは、上記スチレン−エチレン・ジエン−
スチレン系ブロック共重合体の重量平均分子量は、小さ
いと金型等からの樹脂漏れを発生しやすくなり、大きい
と成形性が劣ってくるので、40000〜150000
であることが好ましい。
【0013】このようなスチレン−エチレン・ジエン−
スチレン系ブロック共重合体としては、例えば、旭化成
社製、商品名;H1041(スチレン−エチレン・ブタ
ジエン−スチレン系ブロック共重合体)、クラレ社製、
商品名;セプトン2043(スチレン−エチレン・イソ
プレン−スチレンブロック共重合体)等がある。
【0014】上記ポリオレフィン系エラストマーは、常
温付近でゴム状弾性を有するα−オレフィン系樹脂であ
って、例えばエチレン−プロピレンゴム、エチレン−1
−ブテンゴム、プロピレン−1−1ブテンゴム、エチレ
ン−プロピレン−ジエンゴム、ポリイソブチレン等が挙
げられる。上記エチレン−プロピレンゴムとしては、例
えば、三井石油化学社製、商品名;P−0280、三菱
油化社製、商品名;サーモラン2940等がある。
【0015】本発明においてスチレン−エチレン・ジエ
ン−スチレン系ブロック共重合体又はポリオレフィン系
エラストマーに付加重合されている不飽和カルボン酸誘
導体とは、炭化水素基中にエチレン性不飽和結合または
アセチレン性不飽和結合をもつカルボン酸及びその誘導
体をいう。不飽和カルボン酸としては例えば(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げ
られ、不飽和カルボン酸の誘導体としては例えばマレイ
ン酸無水物等の不飽和カルボン酸無水物、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の不飽和カ
ルボン酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド、マレイ
ン酸アミド、マレアミド等の不飽和カルボン酸アミド、
マレインミド、N−ブチルマレイミド等の不飽和カルボ
ン酸イミド、(メタ)アクリル酸ナトリウム酸ナトリウ
ム等の不飽和カルボン酸塩等が挙げられる。これらは単
独で使用されてもよいし、2種以上併用されてもよい。
【0016】上記不飽和カルボン酸誘導体の付加重合の
量は、少なくても多くても最終的に得られる積層体の接
着強度を低下させるので、スチレン−エチレン・ジエン
−スチレン系ブロック共重合体又はポリオレフィン系エ
ラストマー100重量部に対して0.1〜20重量部で
あることが好ましい。
【0017】スチレン−エチレン・ジエン−スチレン系
ブロック共重合体又はポリオレフィン系エラストマーに
付加重合されるアルコキシシラン誘導体とは、少なくと
も1つの末端にアルコキシ基を有するシラン化合物であ
り、例えばビニルメトキシシラン、ビニルエトキシシラ
ン、ビニルジメトキシシラン、ビニルジエトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等
のアルコキシビニルシラン、メチルメトキシシラン、ジ
メチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、
エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシ
シラン、n−プロピルトリエトキシシラン、メチルトリ
ス(β−メトキシエトキシ)シラン、メチルトリス(β
−ヒドロキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、トリメ
チルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、ジ
エチルジメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、
ジエチルジエトキシシラン、トリプロピルメトキシシラ
ン、ジプロピルメトキシシラン、ジプロピルジメトキシ
シラン、トリプロピルエトキシシラン、ジプロピルジエ
トキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、ヘキシルトリメトキシシラン、メチルヘキシル
ジメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、メチ
ルヘキシルジエトキシシラン、ウンデシルトリメトキシ
シラン、ウンデシルトリエトキシシラン、メチルウンデ
シルジエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラ
ン、メチルオクタデシルジメトキシシラン、オクタデシ
ルトリエトキシシラン、メチルオクタデシルジメトキシ
シラン、メチルオクタデシルジエトキシシラン、γ−ク
ロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシラン等が挙げられ、特にアルコキシ
ビニルシランが好ましい。これらは単独で使用されても
よいし、2種類以上併用されてもよい。
【0018】上記アルコキシシラン誘導体の量は、少な
くても多くても最終的に得られる積層体の接着強度が低
くなるので、スチレン−エチレン・ジエン−スチレン系
ブロック共重合体又はポリオレフィン系エラストマー1
00重量部に対して好ましくは0.1〜20重量部であ
る。
【0019】上記不飽和カルボン酸誘導体又はアルコキ
シシラン誘導体を付加重合する方法は特に限定されず、
従来公知の任意の方法が使用でき、例えば不飽和カルボ
ン酸誘導体又はアルコキシシラン誘導体のモノマーとス
チレン−エチレン・ジエン−スチレン系ブロック共重合
体とを押出機に供給して加熱溶融しながら混練して反応
させる方法、スチレン−エチレン・ジエン−スチレン系
ブロック共重合体又はポリオレフィン系エラストマーを
トルエン、キシレン等の溶媒に溶解してこの溶液に上記
モノマーを添加して反応させる方法等が挙げられる。
【0020】付加重合反応に際しては、必要に応じてハ
イドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、ジアル
キルパーオキサイド等のラジカル開始剤が添加されても
よい。ラジカル開始剤の量は、多くなるとスチレン−エ
チレン・ジエン−スチレン系ブロック共重合体又はポリ
オレフィン系エラストマーが分解するので、スチレン−
エチレン・ジエン−スチレン系ブロック共重合体又はポ
リオレフィン系エラストマー100重量部に対して好ま
しくは2重量部以下である。
【0021】上記塩素化ポリオレフィン樹脂は、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが後塩素化
されたものである。塩素化ポリオレフィンの塩素化度
は、低くなるとアクリル樹脂との接着力が低下し、高く
なるとポリオレフィン樹脂との接着力が低下するため、
好ましくは20〜40重量%である。塩素化ポリオレフ
ィンの添加量は、少なくなるとアクリル樹脂との接着力
が低下し、多くなるとポリオレフィン樹脂との接着力が
低下するため、ポリオレフィン系エラストマー100重
量部に対して好ましくは40〜200重量部である。
【0022】上記塩素化ポリオレフィン系エラストマー
は、前記ポリオレフィン系エラストマーが後塩素化され
たものである。ポリオレフィン系エラストマーの塩塩素
化度は、低くなるとアクリル樹脂との接着力が低下し、
高くなるとポリオレフィン樹脂との接着力が低下するた
め、好ましくは20〜40重量%である。
【0023】後塩素化方法としては従来公知の方法が使
用でき、例えばポリオレフィン系エラストマーを四塩化
炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン等の塩素系有
機溶剤に溶解し、又は懸濁液とし、窒素等の不活性ガス
置換後、紫外線を照射しながら塩素ガスを導入する方
法、水性懸濁状態で塩素ガスを導入する通常の水性懸濁
塩素化法等が使用できる。
【0024】上記ゴム状樹脂には、必要に応じてガラス
繊維等の補強材、炭酸カルシウム、タルク等の無機質充
填材、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料等が適宜添加さ
れてもよい。これらは単独で使用されてもよいし、2種
類以上併用されてもよい。本発明による積層体の一方の
層を構成するポリオレフィン系樹脂は、α−オレフィン
の単独重合体、及びα−オレフィンとこれに共重合可能
な不飽和基を有するモノマーとの共重合体であり、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
イソプレン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン、塩素
化ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−1−ブ
テン共重合体、4−エチレン−2−メチルペンテン共重
合体、エチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体、エレチン−酢酸ビニル共重合
体等が挙げられる。
【0025】さらに、ポリオレフィン系樹脂には環状オ
レフィン樹脂、架橋性オレフィン樹脂も含まれる。
【0026】環状オレフィン樹脂とは剛性、耐熱性等に
優れた樹脂で、具体的にはエチレンと環状オレフィンと
のランダム共重合体(エチレン含量40〜90モル%)
であり、耐衝撃性向上のため必要に応じてエチレン−α
−オレフィン共重合体(エチレン含量30−95モル
%)を多環式(メタ)アクリレート単量体をグラフト重
合してなる変性共重合体やエチレン−α−オレフィン共
重合体(エチレン含量30〜95モル%)を添加するこ
ともできる(特開平3−95243)。
【0027】また架橋性オレフィン樹脂とは耐熱性に優
れた樹脂で、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン系樹脂の架橋物である。架橋の方法
としては電子線照射法、化学架橋法が挙げられる。化学
架橋法としては、従来公知の方法が使用でき、例えばポ
リオレフィン系樹脂にシラノール基を導入し成形後(上
記シラン化合物を導入、必要に応じて上記過酸化物を添
加)、水(温水、水蒸気、大気中の湿度)と接触させ架
橋させる方法や、ポリオレフィン系樹脂に架橋剤、具体
的には1分子中に2個以上のアミノ基を有する化合物、
例えばヘキサメチレンジアミン、1,8−ジアミノオク
タン、1,10−ジアミノデカン等の脂肪族ジアミンや
o−、m−、p−フェニレンジアミン、4,4′−ジア
ミノフェニルエーテル等の芳香族系ジアミンを添加し、
樹脂を溶融混練し架橋させる方法がある。
【0028】これらのポリオレフィン系樹脂は単独で使
用されてもよいし、2種類以上併用されてもよい。
【0029】上記ポリオレフィン系樹脂は成形方法によ
り適宜選択される。例えばポリオレフィン系樹脂層の形
成が押出成形によりなされるときは、JIS K 72
10による230℃におけるメルトフローレートが低く
なると成形性に劣り、高くなると金型等からの樹脂漏れ
を発生しやすくなるので、この値が0.5〜5g/10
分の範囲にある樹脂を用いるのが好ましい。
【0030】上記ポリオレフィン系樹脂には必要に応じ
てガラス繊維等の補強材、炭酸カルシウム、タルク等の
無機質充填材、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料等が適
宜添加されてもよい。これらは単独で使用されてもよい
し、2種類以上併用されてもよい。
【0031】本発明による積層体の他方の層を構成する
アクリル系樹脂とは、アクリル酸及びその誘導体を重合
したものをいい、例えばアクリル酸およびそのエステ
ル、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸
及びそのエステル等の重合体及び共重合体等が挙げられ
る。上記アクリル系樹脂は成形方法により適宜選択され
る。例えばアクリル系樹脂層の形成が押出成形によって
なされるときは、JISK 7210による230℃に
おけるメルトフローレートが低くなると成形性に劣り、
高くなると金型等からの樹脂漏れを発生しやすくなるの
で、この値が0.5〜5g/10分の範囲にある樹脂を
用いるのが好ましい。
【0032】上記アクリル系樹脂にも必要に応じてガラ
ス繊維等の補強材、炭酸カルシウム、タルク等の無機質
充填材、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料等が適宜添加
されてもよい。これらは単独で使用されてもよいし、2
種類以上使用されてもよい。
【0033】本発明の積層体の積層方法は特に限定され
ず、従来公知の任意の方法が使用できる。例えば溶融し
たポリオレフィン系樹脂、ゴム状樹脂、アクリル系樹脂
を別個の押出機で溶融混練し、この順で200〜250
℃の金型内に注入して各層を積層させ、冷却、固化さ
せ、積層体を成形してもよい。溶融混練の温度はポリオ
レフィン系樹脂については140〜230℃、ゴム状樹
脂として(a) 不飽和カルボン酸誘導体又はアルコキシシ
ラン誘導体が付加重合されてなるスチレン−エチレン・
ジエン−スチレン系ブロック共重合体を使用したときは
180〜220℃、ゴム状樹脂として(b) 不飽和カルボ
ン酸誘導体又はアルコキシシラン誘導体が付加重合され
てなるポリオレフィン系エラストマー、(c) 塩素化ポリ
オレフィン系樹脂とポリオレフィン系エラストマーとの
混合物、及び(d) 塩素化ポリオレフィン系エラストマー
を使用したときは160℃〜230℃、アクリル系樹脂
については180〜260℃が好ましい。
【0034】また、ゴム状樹脂をトルエン、キシレン等
の溶剤に溶解してなる溶液を、ポリオレフィン系樹脂層
又はアクリル系樹脂層のうちの一方に塗布し、この塗布
面に他方の樹脂層を積層して乾燥してもよい。
【0035】本発明の各樹脂層の厚さは特に限定される
ものではなく、製品の溶融性能に応じて適宜設定すれば
よいが、ゴム状樹脂からなる層は薄いと得られる積層体
の接着強度が低くなるので、30μm以上であることが
好ましく、アクリル系樹脂層は薄いと充分な耐候性が得
られないので、50μm以上であることが好ましい。
【0036】
【実施例】以下、本発明の詳細を実施例をもって説明す
る。
【0037】実施例1 表1に示す所定量(重量部)のスチレン−エチレン・ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体(旭化成社製、商
品名;H1041、エチレン・ブタジエン含有量70重
量%、分子量50000、以下SEBSと略記する)、
無水マレイン酸およびハイドロパーオキサイド(日本油
脂社製、商品名;パークミルH)を2軸押出機のホッパ
ーに供給し、190℃で溶融混練して混練物を押出し、
マレイン酸が付加重合されたSEBS(以下MSEBS
と略記する)からなるゴム状樹脂のペレットを得た。
【0038】次いで3台の押出機から、ポリプロピレン
系樹脂(三菱油化社製、商品名;EC−8、エチレン−
プロピレンブロック共重合体、230℃におけるメルト
フローレート1.5g/10分)を200℃で、上記M
SEBSを210℃で、ポリメチルメタクリレート系樹
脂(住化ハース社製、商品名;HFI−10、230℃
におけるメルトフローレート4g/10分)を210℃
で、この順で金型温度230℃の金型内に押出し、厚さ
1.3mmのポリプロピレン系樹脂層、ゴム状樹脂から
なる厚さ50μmの接着層、厚さ100μmのポリメチ
ルメタクリレート系樹脂層からなる積層体を得た。
【0039】実施例2 SEBSの代わりに、スチレン−エチレン・イソプレン
−スチレンブロック共重合体(クラレ社製、商品名;セ
プトン2043、エチレン・イソプレン含有量87重量
%、分子量50000、以下SEPSと略記する)を用
い、マレイン酸が付加重合されたSEPSからなるゴム
状樹脂のペレットを得た以外は実施例1と同様にして積
層体を得た。
【0040】比較例1、2 MSEBSの代わりにSEBS(比較例1)またはSE
PS(比較例2)を用いた以外は実施例1と同様にして
積層体を得た。
【0041】実施例3〜4 ポリプロピレン系樹脂(三菱油化製、商品名;EC−
8)の代わりに環状オレフィン(三井石油化学製、商品
名;アベル130R、260℃におけるメルトフローレ
ート5g/10分)を用いた以外は実施例1および実施
例2と同様にして積層体を得た。
【0042】実施例5〜6 ポリプロピレン系樹脂(三菱油化製、商品名;EC−
8)の代わりに架橋性オレフィン(三菱油化製、商品
名;リンクロンXPM−800H、230℃におけるメ
ルトフローレート11g/10分)を用いた以外は実施
例1および実施例2と同様にして積層体を得た。
【0043】性能試験 実施例および比較例で得られた各積層体について、積層
体の端部においてポリプロピレン系樹脂層とポリメチル
メタクリレート系樹脂層を把持して積層体を剥離し、オ
ートグラフにより試験温度23℃、引張速度5mm/m
inで180°剥離試験を行った。こうして得られた剥
離強度をもって積層体の接着強度とした。
【0044】またJIS K 7207に準拠した方法
で熱変形温度を測定し、これを積層体の耐熱性とした。
【0045】これらの試験結果を表1にまとめて示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明では接着層の樹脂として上述のよ
うな特定のゴム状樹脂を用いるので、ポリオレフィン系
樹脂層とアクリル系樹脂層とが強固に接着した積層体を
提供することができる。従って、本発明の積層体は、ポ
リオレフィン系樹脂とアクリル系樹脂の各長所を生か
し、成形加工性、機械的性質、耐薬品性、耐オゾン性、
耐熱性、耐水性等に優れているだけでなく、加飾性、表
面硬度、耐候性、耐油性、等にも優れているので、雨
樋、窓枠、波板、デッキ板、自動車用モール材、バンパ
ー等様々な屋外用途に使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂層とアクリル系樹
    脂層とが接着層を介して積層されてなる積層体におい
    て、該接着層が、(a) 不飽和カルボン酸誘導体又はアル
    コキシシラン誘導体が付加重合されてなるスチレン−エ
    チレン・ジエン−スチレン系ブロック共重合体、(b) 不
    飽和カルボン酸誘導体又はアルコキシシラン誘導体が付
    加重合されてなるポリオレフィン系エラストマー、(c)
    塩素化ポリオレフィン系樹脂とポリオレフィン系エラス
    トマーとの混合物、及び(d) 塩素化ポリオレフィン系エ
    ラストマーからなる群より選ばれた少なくとも1つのゴ
    ム状樹脂からなることを特徴とする積層体。
JP13576193A 1993-06-07 1993-06-07 積層体 Pending JPH06344520A (ja)

Priority Applications (1)

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JP13576193A JPH06344520A (ja) 1993-06-07 1993-06-07 積層体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001199021A (ja) * 2000-01-21 2001-07-24 Sekisui Chem Co Ltd 外装建材
JP2006290983A (ja) * 2005-04-08 2006-10-26 Mitsui Chemicals Inc カルボジイミド変性芳香族系接着剤およびそれを用いた積層体
JP2017517609A (ja) * 2014-06-12 2017-06-29 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー コーティングされた基材及びそれから作製された物品

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