JPH06344510A - 厚肉未加硫ゴム複合体の加硫成形方法 - Google Patents

厚肉未加硫ゴム複合体の加硫成形方法

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JPH06344510A
JPH06344510A JP13443893A JP13443893A JPH06344510A JP H06344510 A JPH06344510 A JP H06344510A JP 13443893 A JP13443893 A JP 13443893A JP 13443893 A JP13443893 A JP 13443893A JP H06344510 A JPH06344510 A JP H06344510A
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rubber
unvulcanized rubber
unvulcanized
walled
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Hidetoshi Matsuzawa
秀年 松沢
Satoshi Kaneko
智 金子
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C35/00Heating, cooling or curing, e.g. crosslinking or vulcanising; Apparatus therefor
    • B29C35/02Heating or curing, e.g. crosslinking or vulcanizing during moulding, e.g. in a mould
    • B29C35/08Heating or curing, e.g. crosslinking or vulcanizing during moulding, e.g. in a mould by wave energy or particle radiation
    • B29C35/0805Heating or curing, e.g. crosslinking or vulcanizing during moulding, e.g. in a mould by wave energy or particle radiation using electromagnetic radiation
    • B29C2035/0811Heating or curing, e.g. crosslinking or vulcanizing during moulding, e.g. in a mould by wave energy or particle radiation using electromagnetic radiation using induction
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29LINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS B29C, RELATING TO PARTICULAR ARTICLES
    • B29L2030/00Pneumatic or solid tyres or parts thereof
    • B29L2030/006Solid tyres

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  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 厚肉ゴム製品の性能を保持した上で、加硫成
形工程の生産性を大幅に向上し得る厚肉未加硫ゴム複合
体の加硫成形方法を提案することである。 【構成】 複数種の未加硫ゴムを互いに接合一体化した
厚肉複合体を、予め高周波誘電加熱により加熱した後加
硫成形するにあたり、各未加硫ゴムのうち、その比誘電
率(ε)と誘電体損失角(tanδ)との積ε・tan
δであらわされる損失係数の値の小さい未加硫ゴムの成
分組成中に予め少量の導電性カーボンブラックを添加配
合して、各未加硫ゴム相互間における損失係数の較差を
縮小することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数種の未加硫ゴム
を互いに接合一体化した厚肉複合体を高周波誘電加熱に
よりその後の加硫成形に対し有利に予備加熱した後加硫
成形する方法に関し、特に各未加硫ゴム相互間でその比
誘電率εと誘電体損失角tanδとの積ε・tanδで
あらわされる損失係数の値に大きな較差を有する厚肉複
合体に適合し、その加硫成形後におけるゴム製品が所期
の十分な性能を発揮すると同時に、高温短時間による高
能率な加硫成形を可能としてこの工程全般にわたる生産
性を大幅に向上させることに寄与する厚肉未加硫ゴム複
合体の加硫成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】厚肉複合体をその表面部からの熱伝導の
みに依存して加硫成形する従来一般の方法では、加熱さ
れる表面から内部へ行くに従って、ゴム特有の著しく小
さい熱伝導率のため表面部に比し温度上昇が大幅に遅れ
るが、慣例としてこの難昇温部が適正加硫度(期待し得
る最も望ましい物性を示す加硫の度合)に達するまで加
硫成形のための加熱を継続する必要があった。
【0003】その場合、難昇温部から表面部に向うにつ
れ次第に加硫度が増加するので、表面部により近い部分
ほど著しい過加硫状態を示し、これに伴うゴム物性の劣
化により製品性能低下の不利は免れず、またこの性能低
下を最小限に止めるには低温長時間の加硫成形が余儀な
くされるため生産性が著しく損なわれる問題が生じ、よ
ってこれらの同時改善が従来から強く求められてきた。
【0004】この改善の最も簡便な手段として、室温よ
りは高いが加硫温度に比し大幅に低い雰囲気温度とした
予備加熱室内にて、厚肉複合体を全体にわたりほぼ均一
な温度に達するまで加熱する方法が採られた。しかしこ
の方法は、加熱の設定温度を高め過ぎると厚肉複合体の
表面部の加硫が進行し過ぎる不具合を招くため低く抑え
る必要があり、その結果難昇温部を所定の温度レベルま
で高めるには長時間を要するうえ加熱の度合も低く、結
局加硫成形工程全般にわたる生産性改善が不十分となる
のは止むを得ず、加えて過加硫問題の解決には至らなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこでさらに一層有効
な方法として高周波誘電加熱、なかでもマイクロ波加熱
が試みられた。しかしこの方法にしても、単一の配合ゴ
ム組成になる厚肉体の場合又は厚肉複合体では各未加硫
ゴム相互間の配合組成が近似している場合に限り、この
被加熱体回りのマイクロ波電界を均一にすることにより
短時間で難昇温部を所望温度まで加熱し得るに過ぎない
という、実用上利用可能なゴム製品が著しく限定される
不利な点を有している。
【0006】この点は、例えばフォークリフトなどの使
途に適合するソリッドタイヤ用の厚肉複合体のように、
その各未加硫ゴムが各々異なる要求特性に適合するよう
に配合設計され、各未加硫ゴム相互間で配合組成に著し
い相違を有する場合、これに高周波加熱、なかでも加熱
効率に優れるマイクロ波加熱を施した際、実際上難昇温
部の温度が損失係数の値が高い未加硫ゴムの、例えば表
面部分のそれに比し大幅に低い結果がもたらされ、引続
く加硫成形に不都合をきたすことにほかならない。
【0007】なお加硫成形前のタイヤにマイクロ波加熱
を施す方法として特公昭57−42501号公報は、タ
イヤのトレッドゴムに予めマイクロ波加熱を施し加熱し
た後、組立て成型する点につき開示しているが、この組
立て成型から加硫成形に至る間に、予備加熱を施さない
他の接合部材に対する熱伝導により、特にトレッドゴム
の他の接合部材との接合面近傍にて著しく温度が低下
し、またこれを回避するため複数ゴム部材を同時に加熱
しようとすれば、その部材数に見合う台数のマイクロ波
加熱装置を必要とするなど、実用上の大きな不利を伴
う。
【0008】そこで複数種の互いに大きく相違する配合
組成からなる各未加硫ゴムを含む厚肉複合体に高周波誘
電加熱、特にマイクロ波加熱を施して、厚肉複合体の難
昇温部の温度を表面部のそれ以上の望ましい温度まで高
めた後これを加硫成形することにより、製品がその全体
にわたる適正なゴムの加硫度の下で要求性能に対し充足
した所期のゴム物性を発揮すること並びに加硫成形工程
全般にわたる生産性を大幅に向上させることが可能な厚
肉未加硫ゴム複合体の加硫成形方法を提案するのがこの
発明の目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】各未加硫ゴムの比誘電率
εと誘電体損失角tanδとの積であらわされる損失係
数ε・tanδに着目することにより、上記目的を達成
することが可能であることを見出してこの発明を完成さ
せるに至った。すなわちこの発明の厚肉未加硫ゴム複合
体の加硫成形方法は、複数種の未加硫ゴムを互いに接合
一体化した厚肉複合体を、予め高周波誘電加熱により加
熱した後加硫成形するにあたり、各未加硫ゴムのうち、
その比誘電率(ε)と誘電体損失角(tanδ)との積
ε・tanδであらわされる損失係数の値の小さい未加
硫ゴムの成分組成中に予め少量の導電性カーボンブラッ
クを添加配合して、各未加硫ゴム相互間における損失係
数の較差を縮小することを特徴とする。
【0010】以下この発明を図2及び図3に基づき一層
詳細に説明する。図2(a)、(b)及び図3(a)、
(b)は厚肉未加硫ゴム複合体の一例として加硫成形後
にソリッドタイヤとなる環状の厚肉複合体1を示し、図
2は二種の未加硫ゴムを、図3では三種の未加硫ゴムを
互いに接合一体化した例を示す。なお図2(a)、図3
(a)は斜め上から見た厚肉複合体1のありさまを、図
2(b)、図3(b)にはそれぞれA−A線に沿う断面
を示し、図中Bは難昇温部をあらわす。
【0011】図2、図3において環状の厚肉複合体1
は、その半径方向で最も内側の未加硫ゴム1−1と、こ
のゴムとは配合組成が大幅に相違する最も外側の未加硫
ゴム1−2とを、図3に示す例ではこれらゴムの中間
に、やはりいずれのゴムとも配合組成を異にする未加硫
ゴム1−3を、それぞれ互いに接合一体化してなる。
【0012】上記の厚肉複合体1を予め高周波誘電加熱
により加熱した後加硫成形するのに先立ち、各未加硫ゴ
ム1−1、1−2、1−3のうち損失係数ε・tanδ
の値が小さい未加硫ゴム、例えば最内側の未加硫ゴム1
−1及び中間の未加硫ゴム1−3の成分組成中に予め少
量の導電性カーボンブラックを添加配合するものとし、
これにより各未加硫ゴム1−1、1−2及び1−3相互
間における損失係数の較差を縮小する。
【0013】ここに少量の導電性カーボンブラックの少
量とは、製品ソリッドタイヤにおける所期の適正なゴム
物性を保持し得る範囲内の量を意味し、好ましくはゴム
100重量部に対し20重量部以内とする。これは反面
下記に例示するように、少量の添加配合であっても上記
の損失係数の較差縮小に十分寄与し得る性質を備えてい
る導電性カーボンブラックの適用が好都合であることに
ほかならない。
【0014】すなわち導電性カーボンブラックには、例
えば、ケッチェンEC、ケッチェン600JD(ライオ
ン(株))、バルカンXC−72、バルカンSC、バル
カンC(米、CABOT社)、プリンテックスXE2
(独、DEGUSSA社)などの導電性ファーネスブラ
ック、またデンカブラック(電化(株))の導電性アセ
チレンブラックなどが適合し、さらにこれら以外のカー
ボンブラックであっても上述の特性を有するものであれ
ば適用を可とする。
【0015】かくして各未加硫ゴム1−1、1−2、1
−3の損失係数の較差を予め縮小した厚肉複合体1とし
たうえで、これに高周波加熱を施して予備加熱すること
により、厚肉複合体1の難昇温部から表面部に至る全域
にわたる各部を所望の温度まで高めた後加硫成形を行う
ものである。なお厚肉未加硫ゴム複合体の予備加熱に
は、高周波のなかでもマイクロ波の照射が好ましい。ま
た加熱される度合は後述するように実際上未加硫ゴムの
損失係数に応じて定まる。
【0016】上記は加硫成形によりソリッドタイヤとな
る厚肉複合体1を例として説明したが、その他の厚肉ゴ
ムタイヤ全般及びそれ以外の厚肉ゴム物品における厚肉
複合体にも適用することができる。
【0017】
【作用】一般に上記厚肉複合体1は、加硫成形後のゴム
製品、例えばタイヤとして各部分が異種の要求性能に対
応する必要上、複数種の未加硫ゴム1−1、1−2、1
−3は各々配合設計が大きく異なり、従って各未加硫ゴ
ム組成は互いに大きく相違するのが通例である。また、
しばしば製造工程に対する配慮からの要求に応えるため
同様な相違が生じる。
【0018】各未加硫ゴム1−1、1−2、1−3の配
合組成が大きく相違すれば、高周波電界内における損失
係数ε・tanδの値もまた各未加硫ゴム相互間で大き
な較差が生じるのが通例である。そこでこれらのゴムを
互いに接合一体化した厚肉複合体1に高周波、なかでも
マイクロ波を照射して加熱すると、マイクロ波の電力ロ
スは厚肉複合体1内における損失係数の値が大きい未加
硫ゴム部分に選択的に集中する結果、この未加硫ゴム部
分が主に加熱されて他の部分に比し著しく高温となる現
象を呈する。
【0019】これは、未加硫ゴム1−1、1−2、1−
3にて消費するマイクロ波電力ロスPが、
【数1】 P=(1/1.8)fv2 ×ε・tanδ×10-10 (W/m3 ) ただしf;発振周波数(Hz)、 v;電界の大きさ(V/m)、 にて与えられ、ここに上式の右辺中、発振周波数fは被
加熱物である厚肉複合体1に対し最適となるように固定
するのが合理的であり、電界の大きさvについては、厚
肉複合体1が各未加硫ゴム相互間で損失係数の値に大き
な較差を有する場合、過大な加熱部分が生じるうれいを
回避するため所定の限度以内に抑える必要があり、結局
未加硫ゴム1−1、1−2、1−3にて消費されるマイ
クロ波電力ロス、すなわち発生する熱量は損失係数ε・
tanδに比例するからである。
【0020】上に述べたところは、例えば従来の厚肉複
合体1にマイクロ波加熱を施した直後における各未加硫
ゴム1−1(損失係数0.2)、1−2(損失係数1.
05)、1−3(損失係数0.1)の表面部及び内部の
温度を計測した例を図4(a)、(b)に示すとおり、
損失係数の値が最も大きい未加硫ゴム1−2の内部温度
が他の未加硫ゴム1−1、1−3に比し著しく高い温度
を示すことから明らかである。
【0021】よって冒頭で述べた従来のマイクロ波加熱
を可能とする対象が、単一の配合ゴム組成になる厚肉体
又はこれに類似した、各未加硫ゴム相互間の配合組成が
近似した厚肉複合体に限定されるのは上記理由による。
【0022】そこで、配合組成が互いに大きく相違する
未加硫ゴム1−1、1−2、1−3のうち、損失係数の
値が小さい未加硫ゴム組成、例えば未加硫ゴム1−1、
1−3に上述したような特性を有する導電性カーボンブ
ラックを少量添加配合することにより、これらの損失係
数の値を大きくすることができる。
【0023】これは、実施例にて詳述するように上記従
来例の厚肉複合体1の未加硫ゴム1−1(損失係数0.
2)及び1−3(損失係数0.1)に前掲の各種導電性
カーボンブラックを1.5〜8.0重量部数添加配合す
ることにより、これらの損失係数の値が共に1.00ま
で高まることを見出した結果に基づく知見である。
【0024】さらに上記の損失係数の値を1.00とし
た未加硫ゴム1−1、1−3と従来例と同じ未加硫ゴム
1−2(損失係数1.05)との各種厚肉複合体1に、
従来例と同一照射条件の下でマイクロ波加熱を施した直
後における計測温度を図5(a)〜(d)及び図6
(a)、(b)に示すが、これらは何れも従来例の図4
(a)、(b)にて特に難昇温部B又はその近傍部分が
示していた低い温度が、表面部に比しより高温度を示す
まで顕著に上昇することをあらわしている。なお図4〜
図6は、図2(b)、図3(b)に示す環状厚肉複合体
1の断面を図で上下に2分して難昇温部Bを通る線上の
各点にて測定した温度をプロットした温度分布グラフを
示す。
【0025】ここに一般には単一の配合組成になる未加
硫ゴムなどの誘電体に対するマイクロ波の浸透深さは発
振周波数fに反比例するとされているが、この図5、図
6に例示するような昇温現象は、例えば厚肉体の形状、
大きさ、ゴム配合組成などに応じ難昇温部B近傍にてマ
イクロ波を重複作用させ得るようなマイクロ波周波数f
を適宜選択することにより得られる。なお図5、図6に
示す例ではこの周波数fを915MHzとしたものであ
り、ちなみにこの周波数fを2450MHzとしたとこ
ろ難昇温部Bの温度が表面部のそれに比し大幅に低い結
果を示した。
【0026】さらに上述の作用と、導電性カーボンブラ
ックの添加量又はその種類とを適宜組合わせることによ
り、厚肉複合体1の難昇温部Bから表面部に至る間の温
度分布のありさまを所望の形態とすることが可能とな
る。
【0027】かくして厚肉複合体1の未加硫ゴム1−
1、1−2、1−3相互間における損失係数の較差を縮
小することにより、この厚肉複合体1に高周波誘電加
熱、とりわけマイクロ波加熱を施した際、難昇温部B及
びその近傍を所望の温度まで、表面部の温度以上に高め
ることができる。
【0028】その場合、被加熱体である厚肉複合体1の
各未加硫ゴムの配合組成、形状、寸法などに応じて、最
適なマイクロ波の周波数fの他に、出力電力又は被加熱
体回りの電界の大きさv、照射時間などの諸条件を設定
して予備加熱を実施するのは勿論であり、かくして準備
した厚肉複合体1に、望ましくは引続いて慣例に従い金
型を用いた加硫成形を施せば、高温短時間で厚肉複合体
1の各部における加硫度を適正に保ったゴム製品が得ら
れる。
【0029】これにより厚肉複合体1の加硫成形後にお
けるゴム製品は、その各部に加硫の過不足がなく、しか
も少量の導電性カーボンブラックの添加配合で足りるの
で要求性能の発揮に適うゴム物性を保持することができ
る。同時に高温短時間条件下での高能率な加硫成形が可
能となるのでこの工程全般にわたる生産性を大幅に向上
することに寄与する。さらにマイクロ波などの高周波出
力電力を一層高めることも可能となり照射時間の短縮も
可能となる。
【0030】
【実施例】まず後述する実施例1、2及び比較例1、2
に共通するマイクロ波加熱の例につき図1を用いて説明
する。図1は厚肉複合体1にマイクロ波加熱を施す装置
を模式で示し、2はマイクロ波発生装置、3はマイクロ
波の導波管、4は厚肉複合体1にマイクロ波照射を施す
アプリケータ、5はアプリケータ内のマイクロ波を反射
攪拌するスターラ(回転翼)、6は好ましくはマイクロ
波を透過するポリプロピレンなどの合成樹脂からなる回
転支持台である。
【0031】[実施例1]加硫成形後にソリッドタイヤ
となる円環状厚肉複合体1は図2(a)、(b)に従
い、A−A線に沿う総厚さtを10cmとし、最内側未
加硫ゴム1−1は通常のゴムに短繊維を均して分散混入
したゴムであり、厚さt/2は5cm、その損失係数が
0.2であり、最外側未加硫ゴム1−2は表1に示す配
合組成になり、厚さt/2が5cm、その損失係数は
1.05である。なおこの例における難昇温部は両ゴム
1−1と1−2との接合面のほぼ中央周線上Bにあり、
容積は約17500cm3とした。
【0032】
【表1】
【0033】上記の厚肉複合体1を比較例1として用
い、最内側未加硫ゴム1−1に下記導電性カーボンブラ
ックを添加配合した(A)〜(D)の厚肉複合体1を、
各未加硫ゴム1−1に添字a〜dを付し、実施例1とし
て準備した。 (A)1−1a;ケッチェンECを1.5重量部添加、 (B)1−1b;プリンテックスXE2を1.5重量部
添加、 (C)1−1c;バルカンXC−72を6重量部添加、 (D)1−1d;アセチレンブラックを8重量部を添
加、 なお上記(A)〜(D)の損失係数は1.00に揃え
た。
【0034】(A)〜(D)の各実施例1と比較例1と
に、それぞれ別個に図1に例示する装置にてマイクロ波
加熱を施した。なおマイクロ波の周波数fを915MH
z、出力電力は3KW、照射時間を約10分とした。
【0035】マイクロ波加熱を施した後引続き各厚肉複
合体1の各部温度を測定した結果を、比較例1は図4
(a)、実施例1の(A)〜(D)を図5(a)〜
(d)に示す。なお図5(a)は(A)、図5(b)は
(B)、図5(c)は(C)、図5(d)は(D)に対
応する。なお各図において横軸は厚さt(cm)を示
す。図4(a)、図5から明らかなように、実施例1の
各厚肉複合体1は難昇温部B近傍の温度が表面部より高
く、引続く加硫成形に対し好ましい温度分布を示し、比
較例1の温度分布に対し大幅に改善されている。
【0036】上記各厚肉複合体1を金型により加硫成形
してソリッドタイヤとした後、各ソリッドタイヤの各部
の加硫度を図4〜図6における温度測定位置近傍で測定
したところ、冒頭にて述べた適正加硫度を100とする
指数にてあらわせば、比較例1は100〜440にわた
る範囲の分布を有し、これに対し実施例1の(A)〜
(D)は100〜170の範囲内に収まり、かつゴムの
基本物性に変化は見出せず製品性能は確保されている。
【0037】なお試みに各実施例1が示す加硫度の範囲
内に収まるように比較例1に低温加硫成形を施してみよ
うとしても不可能であった。 [実施例2]同様にソリッドタイヤとなる厚肉複合体1
は図3(a)、(b)に従い、A−A線に沿う総厚さt
を10cmとし、最内側未加硫ゴム1−1は実施例1と
同じ損失係数が0.2の短繊維混入ゴムとし、厚さt/
2は5cmであり、最外側未加硫ゴム1−2は表1に示
す実施例1と同一配合の損失係数が1.05で、厚さを
t/4の2.5cmとし、中間未加硫ゴム1−3は表1
に示す配合組成とし、その損失係数は0.1で、厚さt
/4は2.5cmである。なおこの例においても難昇温
部は最内側未加硫ゴム1−1と中間未加硫ゴム1−3と
の接合面のほぼ中央周線上Bにあり、容積は約1750
0cm3とした。
【0038】この厚肉複合体1を比較例2として用い、
最内側未加硫ゴム1−1及び中間未加硫ゴム1−3に下
記導電性カーボンブラックを添加配合した(E)、
(F)を実施例2として準備した。なお添字e、fは実
施例1と同様である。 (E)1−1e;プリンテックスXE2を1.5重量部
添加、 1−3e;プリンテックスXE2を5.0重量部添加、 (F)1−1f;バルカンXC−72を6.0重量部添
加、 1−3f;プリンテックスXE2を5.0重量部を添
加、 なお(E)、(F)の最内側及び中間の各未加硫ゴムの
損失係数は1.00に揃えた。
【0039】実施例(E)、(F)と比較例2とに、そ
れぞれ別個に図1に例示する装置にてマイクロ波加熱を
施した。なおマイクロ波の周波数fを915MHz、出
力電力は3KW、照射時間は約10分とした。
【0040】マイクロ波加熱を施した後引続き各厚肉複
合体1の各部温度を測定した結果を、比較例2は図4
(b)、実施例2の(E)、(F)を図6(a)、
(b)に示す。なお図6(a)は(E)に、図6(b)
は(F)に対応し、各図の横軸は厚さtを示す。図4
(b)、図6から明らかなように、実施例2においても
各厚肉複合体1は難昇温部B近傍の温度が表面部より高
く、引続く加硫成形に対し好ましい温度分布を示し、比
較例2の温度分布に比しより大幅に改善されている。
【0041】上記各厚肉複合体1をやはり金型により加
硫成形してソリッドタイヤとした後、それらの各部の加
硫度を図4〜図6の温度測定位置近傍で測定し、その結
果を適正加硫度を100とする指数にてあらわしたとこ
ろやはり比較例2は100〜550にわたる範囲の分布
を有し、これに対し実施例2の(E)、(F)は100
〜180の範囲内に収まり、かつゴムの基本物性に変化
は見出せず製品性能が確保されている。
【0042】また試みに各実施例2の加硫度の範囲内に
収まるように比較例2のソリッドタイヤに低温加硫成形
を施してみようとしてもやはり不可能であった。
【0043】
【発明の効果】この発明によれば、複数種の互いに大き
く相違する配合組成からなる未加硫ゴムを含む厚肉複合
体に対し、高周波誘電加熱、なかでもマイクロ波加熱を
施して難昇温部の温度を表面部のそれに比しより一層高
温度まで高める予備加熱を可能とし、これにより、その
後の加硫成形後における製品が要求性能に対し十分対応
できる適正なゴム物性を備えることができ、同時に加硫
成形工程全般にわたる生産性を大幅に向上することを可
能とする厚肉未加硫ゴム複合体の加硫成形方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のマイクロ波加熱の装置の一例を示
す。
【図2】厚肉複合体の一例を示す。
【図3】別の厚肉複合体の例を示す。
【図4】従来の厚肉複合体の高周波加熱による温度分布
を示す。
【図5】この発明による厚肉複合体の温度分布を示す。
【図6】この発明による別の厚肉複合体の温度分布を示
す。
【符号の説明】
1 厚肉複合体 1−1 未加硫ゴム 1−2 未加硫ゴム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種の未加硫ゴムを互いに接合一体化
    した厚肉複合体を、予め高周波誘電加熱により加熱した
    後加硫成形するにあたり、 各未加硫ゴムのうち、その比誘電率(ε)と誘電体損失
    角(tanδ)との積ε・tanδであらわされる損失
    係数の値の小さい未加硫ゴムの成分組成中に予め少量の
    導電性カーボンブラックを添加配合して、各未加硫ゴム
    相互間における損失係数の較差を縮小することを特徴と
    する厚肉未加硫ゴム複合体の加硫成形方法。
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