JPH0632950Y2 - プッシュプル付き荷役車両のフェイス移動制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、プッシュプル付き荷役車両における昇降する
フォーク爪に沿ってシートグリッパを備えたフェイスを
前後方向に移動制御する装置に関する。

〔従来の技術〕

プッシュプル付き荷役車両としては次のようなものが知
られている。

すなわち、車体の前部に設けたマストに沿ってフォーク
爪を昇降可能に設け、このフォーク爪に沿ってシートグ
リッパを備えたフェイスを前後方向に移動自在に設け、
フェイスを前方位置に前進移動して荷の下に敷いたシー
トパレットをシートグリッパで把持し、フェイスを手前
位置に後進移動させながら車体を前進走行してシートパ
レットとともに荷をフォーク爪上に引き込んで荷取り作
業し、シートグリッパによるシートパレットの把持を解
放した状態でフェイスを前方位置に前進移動させながら
車体を後進走行させてフォーク爪に沿ってシートパレッ
トとともに荷を前方に押し出して荷置き作業するプッシ
ュプル付き荷役車両。

かかるプッシュプル付き荷役車両におけるフェイスを手
前位置と前方位置とに亘って前後進移動させるには、リ
ンク機構をシリンダーで伸縮させたり、電動モータで伸
縮させるようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

かかるプッシュプル付き荷役車両においては、運転席に
座ったオペレータがフェイスを見ながらフェイス操作レ
バーを前後進位置に操作してフェイスを前後進移動さ
せ、フェイスが手前位置、前方位置に到達したら中立位
置に操作しているが、シリンダーでフェイスを移動させ
る場合にはフェイスが手前位置、前方位置に到達して機
械的に移動できなくなると油圧回路に設けたリリーフ弁
がリリーフ作動し、その音によって手前位置、前方位置
に到達したことをオペレータが感知できるが、電動モー
タによりフェイスを移動させる場合には手前位置、後方
位置に到達したことをオペレータが感知することは困難
であり、応々にしてフェイスが手前位置、前方位置に到
達した後にもフェイス操作レバーを前後進位置に操作し
続けることがあって、その場合にはフェイスが機械的に
動かない状態になっても電動モータは回転しようとする
ので、電動モータに必要以上の負荷が生じ、過電流が発
生することにより電動モータや電気部品の破損の原因と
なる。

そこで、本考案は前述の課題を解決できるようにしたプ
ッシュプル付き荷役車両のフェイス移動制御装置を提供
することを目的とする。

〔課題を解決するための手段及び作用〕

フェイスの前方位置、後方位置を検出するストロークエ
ンド検出手段と、その検出信号が入力されると電動モー
タへの電流を遮断するモータ制御回路を設け、フェイス
操作レバーを操作し続けてもフェイスが前方位置、後方
位置となると電動モータが自動的に停止するようにした
フェイス移動制御装置。

〔実施例〕

第１図に示すように、車体１には駆動輪２と操向輪３及
び運転席４と操縦部材５が設けてあると共に、車体１の
前部にはマスト６がチルトシリンダ７で前後傾動自在に
設けられ、そのマスト６に沿ってフィンガーボード８が
昇降可能に設けてあると共に、そのフィンガーボード８
にフォーク爪９が取付けられ、さらにフェイス１０が移
動機構１１によって前後方向に移動自在に設けてあり、
そのフェイス１０の下部にはシート受け片１２と押え片
１３とより成るシートグリッパ１４が設けられ、シート
受け片１２と押え片１３との間に荷Ａの下に敷かれたシ
ートパレットＢを臨ませ、押え片１３を移動してシート
パレットＢをシート受け片１２と押え片１３とで把持す
るようにしてプッシュプル付き荷役車両を構成してい
る。

前記移動機構１１は第１図，第２図に示すように、上下
一対のＸ字状リンク対２０，２１より成る車体側リンク
機構２２と上下一対のＸ字状リンク対２３，２４より成
るフェイス側リンク機構２５を備え、車体側リンク機構
２２の一端側とフェイス側リンク機構２５の一端部を縦
軸２６で連結し、車体側リンク機構２２の他端部を前記
フィンガーボード８に設けたフレーム２７に縦ピン３
３、長溝３４を介して連結し、フェイス側リンク機構２
５の他端部をフェイス１０に縦ピン３１、長溝３２を介
して連結し、車体側リンク機構２２の下Ｘ字状リンク対
２１とフェイス側リンク機構２５の下Ｘ字状リンク対２
４における相対向するリンク２１ａ，２４ａに電動モー
タ２８をそれぞれ設け、この電動モータ２８で駆動され
る駆動歯車２９を縦軸２６の回りに設けた揺動用歯車３
０に噛合し、電動モータ２８を正転、逆転すると前記相
対向するリンク２１ａ，２４ａが相対的に回動して各リ
ンク機構が伸縮してフェイス１０が第２図の前方位置と
第３図の手前位置とに前後進移動するようにしてある。

前記電動モータ２８には第４図のようにモータ制御回路
４０より電流が供給制御され、そのモータ制御回路４０
にはフェイス操作レバー４１よりフェイス前進信号、フ
ェイス後進信号が入力されると同時にストロークエンド
検出手段４２より前方ストロークエンド信号、手前スト
ロークエンド信号がそれぞれ入力される。

前記ストロークエンド検出手段４２は第５図のように、
フェイス１０の長溝３２の両側に第１スイッチ４３と第
２スイッチ４４を設け、手前位置のストロークエンドと
なるとピン３１により第１スイッチ４３がＯＮされ、前
方位置のストロークエンドとなるとピン３１が第２スイ
ッチ４４をＯＮするようにしてある。

前記モータ制御回路４０は電流供給方向反転部４０ａと
電流遮断部４０ｂを備え、フェイス操作レバー４１を前
方に倒してフェイス前進信号が入力されると電流供給方
向反転部４０ａより正転電流が電動モータ２８に供給さ
れて正転し、それによって各リンク機構が伸長してフェ
イス１０が前進移動し、前方位置となると第２スイッチ
４４がＯＮして前方ストロークエンド信号が入力され、
それによって電流遮断部４０ｂが電流を遮断して電動モ
ータ２８への電流を中止する。

また、フェイス操作レバー４１を後方に倒してフェイス
後進信号が入力されると電源供給方向反転部４０ａより
逆転電流が電動モータ２８に供給されて逆転し、それに
よって各リンク機構が縮少してフェイス１０が後進移動
し、手前位置となると第１スイッチ４３がＯＮして後方
ストロークエンド信号が入力され、それによって電流遮
断部４０ｂが電流を遮断して電動モータ２８への電流を
中止する。

以上の動作をフローチャートで示すと第６図のようにな
る。

第７図はストロークエンド検出手段４２の変形例を示
し、フレーム２７に超音波発受信器４５を設け、フェイ
ス１０に反射板４６を設けて発信された超音波と受信さ
れた超音波の位相のずれによってフレーム２７とフェイ
ス１０との距離を測定し、その距離が予じめ設定した値
となったら前方ストロークエンド信号、後方ストローク
エンド信号を出力するように構成してある。

第８図はストロークエンド検出手段４２の変形例を示
し、電動モータ２８の回転部にポテンショメータ４７を
設けて回転位置を検出し、中間点から一方向に一定回転
したら前方ストロークエンド信号を出力、他方向に一定
回転したら後方ストロークエンド信号を出力するように
構成してある。

〔考案の効果〕

フェイス１０が前方位置、後方位置となると前方ストロ
ークエンド信号、後方ストロークエンド信号がモータ制
御回路４０に入力されて電動モータ２８への電流が遮断
され、電動モータ２８が停止する。

したがって、フェイス操作レバー４１を操作し続けてい
てもフェイス１０が前方位置、後方位置に到達すると電
動モータ２８が自動的に停止し、電動モータ２８に必要
以上の負荷が作用して過電流が発生しないから電動モー
タ２８や電気部品を破損することがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はプッシュプル付
き荷役車両の正面図、第２図はフェイス移動機構の平面
図、第３図はその作動説明図、第４図は制御回路図、第
５図はストロークエンド検出手段の平面図、第６図は動
作フローチャート、第７図，第８図はストロークエンド
検出手段の変形例を示す説明図である。 ９はフォーク爪、１０はフェイス、１４はシートグリッ
パ、４０はモータ制御回路、４１はフェイス操作レバ
ー、４２はストロークエンド検出手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体側に設けたフォーク爪９に沿ってシー
   トグリッパ１４を備えたフェイス１０を前後位置と手前
   位置と亘って前後進移動可能に設け、そのフェイス１０
   を電動モータ２８で移動させるようにしたプッシュプル
   付き荷役車両において、 フェイス前進信号とフェイス後進信号を出力するフェイ
   ス操作レバー４１と、前記フェイス１０が前方位置とな
   るとストロークエンド信号を出力し、手前位置となると
   後方ストローク信号を出力するストロークエンド検出手
   段４２と、フェイス前進信号、フェイス後進信号が入力
   されると電動モータ２８に正転、逆転電流を供給し、か
   つ前方ストロークエンド信号、後方ストロークエンド信
   号が入力される電動モータ２８への電流を遮断するモー
   タ制御回路４０を設けたことを特徴とするプッシュプル
   付き荷役車両のフェイス移動制御装置。