JPH06327062A - 建設工事現場管理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業員の位置情報をリアルタイムに検知で
き、現場管理における安全性の向上を図ることができる
建設工事現場管理システムを提供する。 【構成】 固有情報を登録し電源を内蔵して定期的に固
有情報を発信する発信手段７、固有情報を受信するため
に工事現場の壁や天井に所定の間隔で設けられる受信装
置８、各作業員が携帯する携帯電話機６、通話用に工事
現場の壁や天井に所定の間隔で設けられる通話用アンテ
ナ５、事務所内に設けられ固有情報や工事現場内の状況
を集中監視および集中管理装置１、事務所内に設けられ
携帯電話機との通話を制御する通話制御装置２、及び受
信装置７と集中監視および集中管理装置１、通話用アン
テナ５と通話制御装置２との間を接続するケーブル４を
備えた。これにより、受信装置８を通して得られる固有
情報から作業員の位置情報をリアルタイムに検知でき、
携帯電話機６を使って各作業員との通話を行うことがで
きる。したがって、非常時にも完全な人員の情報の把握
や報知を確実且つ迅速に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、工事現場内の作業員等
の管理、情報交換を管理する建設工事現場管理システム
に関する。

【０００２】

【従来の技術】トンネルやシールド、大規模地下工事な
どの建設工事においては、作業個所が広範囲にわたり、
しかも出入口が限られた地下空間であるため、個々の作
業員の位置のリアルタイムに把握することが困難であ
る。

【０００３】そこで一般には、その日その日の作業予定
表や作業内容、業者等から各作業現場でのおおよその作
業員の位置を把握し労務日報により確認する程度であ
り、定常的に個々の作業員を把握したり、作業員との連
絡を行うことは行われていないのが現状である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
は、その日の作業予定にしたがって、作業員が配置して
いるとの前提で人員を管理しているため、以下のような
問題点がある。

【０００５】非常時に完全な人員の情報確認に手間取
る。そのため、避難が遅れて大事故になった例が数件報
告されている。

【０００６】予定作業場所へ向かう作業員の把握がで
きず、安全上問題がある。

【０００７】作業員に対する迅速な連絡が難しく、安
全上問題がある。

【０００８】労務日報の完全なチェックが困難であ
り、労務管理の精度に問題が残る。

【０００９】作業員および作業内容の情報が必ずしも
リアルタイムで報告されておらず、労務管理の精度に問
題が残る。

【００１０】本発明は、上記の課題を解決するものであ
って、作業員の位置情報をリアルタイムに検知でき、現
場管理における安全性の向上を図ることができる建設工
事現場管理システムを提供することを目的とするもので
ある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】そのために本発明は、工
事現場内の作業員等の管理、情報交換を管理する建設工
事現場管理システムであって、固有情報を登録し電源を
内蔵して定期的に固有情報を発信する発信手段、該発信
手段からの固有情報を受信するために工事現場の壁や天
井に所定の間隔で設けられる受信装置、各作業員が携帯
する携帯電話機、該携帯電話機との通話用に工事現場の
壁や天井に所定の間隔で設けられる通話用アンテナ、事
務所内に設けられ固有情報や工事現場内の状況を集中監
視および集中管理する装置、事務所内に設けられ携帯電
話機との通話を制御する通話制御装置、及び受信装置と
集中監視および集中管理装置、通話用アンテナと通話制
御装置との間を接続するケーブルを備えたことを特徴と
するものである。

【００１２】

【作用】本発明の建設工事現場管理システムでは、固有
情報を登録し電源を内蔵して定期的に固有情報を発信す
る発信手段、該発信手段からの固有情報を受信するため
に工事現場の壁や天井に所定の間隔で設けられる受信装
置、各作業員が携帯する携帯電話機、該携帯電話機との
通話用に工事現場の壁や天井に所定の間隔で設けられる
通話用アンテナ、事務所内に設けられ固有情報や工事現
場内の状況を集中監視および集中管理装置、事務所内に
設けられ携帯電話機との通話を制御する通話制御装置、
及び受信装置と集中監視および集中管理装置、通話用ア
ンテナと通話制御装置との間を接続するケーブルを備え
たので、受信装置を通して得られる固有情報から作業員
の位置情報をリアルタイムに検知でき、携帯電話機を使
って各作業員との通話を行うことができる。したがっ
て、非常時にも完全な人員の情報の把握や報知を確実且
つ迅速に行うことができる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図１は本発明に係る建設工事現場管理システム
の１実施例を示す図であり、１はコンピュータ、２は通
話基地、３はインターフェイス、４は多芯ケーブル、５
は通話用アンテナ、６は携帯電話機、７は発信カード、
８は人感知用アンテナを示す。

【００１４】図１において、コンピュータ１は、事務所
内に設けられ固有情報や工事現場内の状況を集中監視お
よび集中管理する装置である。電話基地２は、事務所内
に設けられ携帯電話機との通話を制御するものである。
通話用アンテナ５は、工事現場の壁や天井に所定の間隔
で設けられ、携帯電話機６との通話用のアンテナであ
り、携帯電話機６は、工事現場内の各作業員が携帯する
ものである。発信カード７は、例えば名刺サイズで、各
作業員や車両、機械等に関する固有情報を登録し電源と
してリチウム電池を内蔵して定期的に固有情報を発信す
る発信手段であり、人感知用アンテナ８は、発信カード
７からの固有情報を受信するために工事現場の壁や天井
に所定の間隔で設けられる受信装置である。多芯ケーブ
ル４は、通話用アンテナ５、人検知用アンテナ８を事務
所内のコンピュータ１、電話基地２に接続するものであ
り、インターフェイス３は、コンピュータ１、電話基地
２を多芯ケーブル４を介して通話用アンテナ５、人感知
用アンテナ８と接続するものである。

【００１５】上記のように本発明に係る建設工事現場管
理システムは、作業員の位置をリアルタイムに把握する
発信カード７を使った自動人検知システムと作業員間お
よび事務所と作業員との通話を行う携帯電話機６を使っ
た相互通話システムから構成され、トンネル工事やシー
ルド工事、大規模地下工事など閉鎖的な作業場所におけ
る作業の安全性の向上およびより正確な労務管理を目指
すものである。

【００１６】上記の自動人検知システムでは、発信カー
ド７を各作業員が携帯又はその着衣やヘルメット、バン
ド等に取り付ける。そして、作業員の氏名、職種、年齢
などの個人情報が、例えば各作業員の受入教育時におい
てコンピュータにて登録した個人情報をもった発信カー
ド７が登録され、作業員に受け渡される。この作業員の
検知においては、発信カード７をヘルメット内に埋め込
むことにより、携帯忘れを防ぐと共に、意識的な不携帯
を防ぐことができる。

【００１７】上記の相互通話システムでは、携帯電話機
６を各作業員が携帯し、通話基地２から、全作業員に一
斉通話を可能にしているだけでなく、作業員同士が互い
に通話できるようにしている。

【００１８】図２は本発明に係る建設工事現場管理シス
テムをシールド工事に適用した例を示す図、図３は本発
明に係る建設工事現場管理システムを開削工事に適用し
た例を示す図である。図中、１１は事務所、１２はセグ
メント、１３はシールド掘削機、２１は覆工板、２２は
Ｈ鋼切梁、２３は床版、２４は壁を示す。

【００１９】図２に示す例は、シールド掘削機１３が掘
削を進めながらセグメント１２を連結してゆくシールド
工事であり、セグメント１２の部分断面に示しているよ
うに自動人検知及び相互通話を行えるようにしているも
のである。また、図３に示す例は、開削した後、地表に
覆工板２１を張り、床版２３、壁２４を組み上げてゆく
途中の状態の開削工事であり、それぞれのフロアの天井
に通話用アンテナ５、人感知用アンテナ８を設けて多芯
ケーブル４で接続し、斜線部は人がいないため消灯して
いる様子を示している。

【００２０】なお、本発明は、上記の実施例に限定され
るものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記
の実施例では、自動人検知と相互通話を行う構成を示し
たが、以下に説明するような自動照明制御、工事車両自
動認識に伴う車両管理、坑内環境情報の取り込み、監視
システム、避難誘導の各機能を保有する構成としてもよ
い。

【００２１】すなわち、自動照明制御機能は、自動人検
知により作業個所における作業員の有無を自動検知し、
図３に示したように無人になれば自動的にその作業個所
の照明を消灯し、保安灯のみを点灯する。逆に、作業員
が検知されれば照明を自動点灯する。現場の作業員の情
報および照明点消灯状況は、事務所内で集中監視を行
う。

【００２２】工事車両自動認識に伴う車両管理機能で
は、トンネルなどにおけるダンプトラックの車両管理な
どを行う場合、発信カードに作業員情報の代わりに車両
の情報を登録してそれを車両に貼り付ける。

【００２３】坑内環境情報の取り込み機能では、シール
ド切羽根部における可燃性ガス等の検知器からの情報な
どを坑内に張ったケーブルを通して事務所内のコンピュ
ータに取り込み、事務所内で集中監視すると共に、非常
時には警報ブザーで報知し、通話システムで全作業員に
避難を指示する。

【００２４】監視システムでは、水中ポンプの稼働状況
などを常時コンピュータの画面上で監視し、漏電遮断器
のトリップを警報ブザーと共に把握するだけでなく、場
所まで確認を行う。

【００２５】避難誘導機能では、避難誘導システムと組
み合わせることにより、非常時において、各作業員に危
険を知らせると共に、作業員の位置に対する最短の避難
方法を通話システムで指示する。

【００２６】また、作業場所において、自動人検知シス
テムおよび相互通話システムなどの各ケーブルの煩雑さ
を防ぐため、多芯ケーブルを用い、延長、設置等の手間
を低減したが、それぞれ別々にケーブルを敷設してもよ
い。

【００２７】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、作業員の位置情報をリアルタイムに検知する
ことができるので、現場管理における安全性の向上を図
ることができる。しかも、現場内の作業員の検知により
照明自動点消灯を行うこともできるので、消費電力の無
駄をなくし削減することができる。さらには、リアルタ
イムに作業員の個人情報および位置情報を検知すること
ができるので、より正確な労務管理を行うことができ
る。また、相互通話システムによるより迅速な連絡体制
を実現することができ、安全性の向上を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る建設工事現場管理システムの１
実施例を示す図である。

【図２】 本発明に係る建設工事現場管理システムをシ
ールド工事に適用した例を示す図である。

【図３】 本発明に係る建設工事現場管理システムを開
削工事に適用した例を示す図である。

【符号の説明】

１…コンピュータ、２…通話基地、３…インターフェイ
ス、４…多芯ケーブル、５…通話用アンテナ、６…携帯
電話機、７…発信カード、８…人感知用アンテナ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深井日出男 東京都港区芝浦一丁目２番３号清水建設株 式会社内 (72)発明者 菊地 雄一 東京都港区芝浦一丁目２番３号清水建設株 式会社内 (72)発明者 寺島 武嗣 東京都港区芝浦一丁目２番３号清水建設株 式会社内 (72)発明者 中林 裕 東京都港区芝浦一丁目２番３号清水建設株 式会社内 (72)発明者 岐部 泰俊 東京都港区芝浦一丁目２番３号清水建設株 式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 工事現場内の作業員等の管理、情報交換
   を管理する建設工事現場管理システムであって、固有情
   報を登録し電源を内蔵して定期的に固有情報を発信する
   発信手段、該発信手段からの固有情報を受信するために
   工事現場の壁や天井に所定の間隔で設けられる受信装
   置、各作業員が携帯する携帯電話機、該携帯電話機との
   通話用に工事現場の壁や天井に所定の間隔で設けられる
   通話用アンテナ、事務所内に設けられ固有情報や工事現
   場内の状況を監視する監視装置、事務所内に設けられ携
   帯電話機との通話を制御する通話制御装置、及び受信装
   置と監視装置、通話用アンテナと通話制御装置との間を
   接続するケーブルを備えたことを特徴とする建設工事現
   場管理システム。
2. 【請求項２】 多芯ケーブルを用いたことを特徴とする
   請求項１記載の建設工事現場管理システム。
3. 【請求項３】 工事現場内にガス検知等の検知手段を設
   けてケーブルを介して監視装置に接続し、監視装置から
   検知信号に応じて警報手段や携帯電話機に報知するよう
   に構成したことを特徴とする請求１記載の建設工事現場
   管理システム。
4. 【請求項４】 監視装置は、工事現場内の照明の点灯／
   消灯を固有情報の検出の有無に応じて制御することを特
   徴とする請求項１記載の建設工事現場管理システム。
5. 【請求項５】 監視装置は、固有情報の検出位置や工事
   現場内の機器の稼働状況を画面に表示するように構成し
   たことを特徴とする請求１記載の建設工事現場管理シス
   テム。