JPH0632583Y2 - 組合せ秤の物品供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、直進フイーダ、計量機構等を、円周上に配置
している組合せ秤において使用される物品供給装置に関
する。

（従来の技術） ほぼ円錐状に形成された分散フイーダの周囲に複数の直
進フイーダと計量機構等を放射状に配置してなる組合せ
秤において、取り扱われる品物が長くて柔らかいもの
（たとえば、紐状のゼリー菓子等）である場合、隣合う
２つの直進フイーダに品物がまたがると、当該品物はも
ちろんのこと後続する品物の移動も阻止して、円滑に品
物を各計量機構に供給できないため、処理能力及び計量
精度が低下する欠点があった。

その解決策として、例えば実開昭62-146929号公報に示
されているように、分散フイーダの送出口の相隣合うも
のの間にそれぞれ存在する移送路分岐部の上方位置に、
環状の円板を配して、この円板から垂設された棒状の物
品接触部材を、前記移送路分岐部近傍を通って両側の送
出口間を移動させるようにしたものが知られている。あ
るいは、実開平1-59831号公報に示されているように、
分散フイーダ上面から直進フイーダ上に臨むように延長
して、直進フイーダの数に対応するブレードを配設し、
この各ブレードは先端部が分散フイーダの周縁部で相隣
合う直進フイーダへの分岐部上からフイーダの中央線上
に彎曲させて配された方式がある。

（解決しょうとする課題） しかしながら、前記の公知技術における前者の方式で
は、円板に物品接触部材として棒状のものを垂設し、こ
の物品接触部材を移動させる独立した機構を準備して、
配置する必要があるためどうしても製作費が嵩むことに
なる。また、前記公知技術における後者の方式では、分
散フイーダに多くのブレードを配設しなければならず、
しかも取り扱う品物が円滑に分配移送できて、品物を傷
めないようにブレードの上面に工夫を加えなければなら
ないので、製作コストが高まることになる。

本考案では、このような問題点を解決して、極く簡単な
手段を分散フイーダに付加することで、直進フイーダへ
の分岐境界部における品物のまたがりを防止できるよう
にした物品供給装置を目的としている。

（課題を解決するための手段） すなわち、本考案は傾斜面を有する分散フイーダの周囲
に、複数の直進フイーダと計量機構を配置して組合せ秤
に使用する分散供給部において、分散フイーダの周縁部
における分岐境界部に、軸線を分散フイーダの半径方向
にして回動自在なローラを配設したことを特徴とする組
合せ秤の物品供給装置である。

前記分岐境界部に配設されたローラは、支持軸心が水平
位置から上向きの適宜角度の範囲で設定される。このロ
ーラは単一のもの、あるいは幅の狭いものを複数個同一
軸線上に並べた構造のものを用いることができる。また
ローラの支持軸の先端に、ローラの外径よりも上側へ突
き出したストッパーを付しておき、分岐境界部にてロー
ラ上にまたがった品物が、ローラの先端からはみ出すの
を阻止する構造とすることができる。

（作用） このように構成された本考案によれば、分散フイーダに
供給されて分散された長くて柔らかい物品が、直進フイ
ーダ上へ進み、相隣合う直進フイーダ間の境界部に達し
たものは、当該位置に設けられたローラにより進行を妨
げられ、このローラに跨った状態となる。しかしなが
ら、このローラには分散フイーダに加えられている振動
が伝播され、かつ回転自在であるので、跨った物品が先
に移動するにつれて不安定となり、やがて隣合う直進フ
イーダのいずれかに落下して供給され、滞留することな
く直進フイーダを経て計量機構等に送られることにな
る。

なお、ローラの支持軸心を先端側が上向きになるよう傾
斜させておくことにより、このローラに跨って受けられ
た物品は、先端側へ移動するほど直進フイーダとの距離
が大きくなり、跨った状態の物品がより不安定になっ
て、直進フイーダのトレイ上面から物品端が浮き上がっ
た状態となって積極的に何れか一方の直進フイーダに受
け入れられることになる。前記のローラが幅の狭いロー
ラを複数個並べて軸支持された構造にしておくと、当該
ローラ上に複数の被処理物品が跨って乗っても、ローラ
が個別になっているので、個々に対応して複数の跨った
物品が相互に影響しあうことなく、個々に不安定となっ
て、ローラ上から両側の何れか一方の直進フイーダに落
下供給させることができる。

（考案の効果） 上記したように本考案によれば、分散フイーダから直進
フイーダへの分岐境界部にて、分散フイーダに先端部が
隣合う各直進フイーダ間上に位置するローラを配設して
おくだけで、全ての物品が各直進フイーダ上に供給さ
れ、フイーダトレイの側壁に物品が跨ることなく、計量
精度の低下や処理速度の低下を防止できる。

また、ローラはその軸心を先端側が上向きになる傾斜を
付しておくことで、このローラ上に物品が跨った場合で
も、確実に両側のいずれか一方に物品を振り分けて供給
することが、より効果的に行える。

さらに、前記ローラが幅の狭いものを複数支持軸上に並
べた構造とすれば、柔らかくて細長い物品が複数個ロー
ラ上に跨って乗った場合でも、ローラが個別になってい
るので、個々にローラが作用して、物品を一層効果的に
振り分け供給できる。

（実施例） 次に本考案の物品供給装置を一実施例図について説明す
る。

第１図及び第２図において示す装置は、従来の物品供給
装置と同様に、分散フイーダ10と複数の直進フイーダ20
とで構成されている。

分散フイーダ10はテーブル11が偏平な円錐形をして、そ
のテーブル11下の中央部に配置された駆動源15と連結さ
れている。

直進フイーダ20は、分散フイーダ10を中心にして、各計
量機構（図示省略）と１対１で対応した複数個が、放射
状に配置されている。この各直進フイーダ20はトレイ21
の側壁22が隣合うものと重なり合うように配されてい
る。各直進フイーダ20のトレイ21の下面には第２図で示
すように、それぞれ振動源25が結合されて、トレイ21に
軸線方向に物品が移動するよう振動が与えられる構成と
なっている。各トレイ21の先端部下方には、組合せ秤の
計量ホッパまたは中間ホッパ（いずれも図示省略）が設
けられている。

上記したような関係にある分散フイーダ10のテーブル11
周縁部12には、各直進フイーダ20の隣合うトレイ21側壁
22の上側対応位置、すなわち分散フイーダ10から各直進
フイーダ20への物品の分岐境界部16に、それぞれ軸30が
基端をテーブル11の裏面部に定着して突設されている。
この具体例では、軸30は第２図に示すように、テーブル
11裏面部に定着した基端部31が屈曲されて、先端部32を
斜め上向きにして設けられている。この軸30上にはロー
ラ35が回転自在に設けられ、該ローラ35の後端上縁が丁
度分散フイーダ10のテーブル11周縁の上面とほぼ合致す
るように関係付けられている。なお、各軸30先端部に
は、ローラ35の上縁よりも高くしたストッパー36を取り
付けておくことで、跨った物品がローラ35端から外れて
外部に落下することを阻止するのに役立て得る。また、
ローラ35を支持する軸30は、上記したように先端部が上
向きに傾斜させておくに際して、その傾斜角は取り扱う
物品に応じ水平状態から２０°程度の範囲で任意に設定
できる。

このように構成された本考案の物品供給装置では、分散
フイーダ10のテーブル11頂部付近に、細長くて柔らかい
物品（例えばゼリー菓子など）を供給すると、分散フイ
ーダ10の作動でこの物品はテーブル11上に分散されて、
滑りながら周縁部に到達し、各直進フイーダ20のトレイ
21の中央部に流入する。この際各直進フイーダ20のトレ
イ21への分岐境界部16に移動した物品は、当該箇所のロ
ーラ35に妨げられて直接直進フイーダ20上へ進むことな
く、ローラ35上に跨った状態となる。ところがこのロー
ラ35は軸30上で回転自在に支持されているから、ことに
ローラ35を支持する軸30が上向きに傾斜しているので、
跨った物品が先端に移動するほどローラ35と直進フイー
ダ20のトレイ21上面との距離が大きくにり、跨った物品
は直進フイーダ20のトレイ21のいずれの部分にも支えら
れない状態になる。さらに、このローラ35を支持する軸
30は分散フイーダ10のテーブル11に定着されているの
で、この分散フイーダ10の振動に伴って支持する軸30も
振動するから、跨った物品はローラ35の回転によってバ
ランスが崩れ易くなり、隣合う直進フイーダ20のいずれ
かのトレイ21に端が接することになる。一旦直進フイー
ダ20のトレイ21に一端が接した物品は、その他方が浮い
ているため、接触した側の直進フイーダ20の動作によっ
て、接する部分が引きずられ、その結果全体がその直進
フイーダのトレイ上に落下して送り出されることにな
る。

なお、ローラ35を支持する軸30の先端にストッパー36を
取り付けておくことにより、跨った物品がローラ35の先
端を越えて系外に脱落することはない。また、必要に応
じて直進フイーダ20の境界部にフエンスを付設しておく
こともできる。

第３図に示すのは、前記の分岐境界部16に設けた軸30に
て支持されるローラの別例であり、このローラ35Aは、
幅を狭くしたローラ35aを複数個並べて軸30上に支持さ
せた構造になっている。個のような構造にしておけば、
複数の物品がローラ35A上に乗った場合でも、物品が乗
っている個々のローラ35aがそれぞれ自由に回動できる
ので、相互に干渉することなく、確実に直進フイーダへ
送り込むことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による物品供給装置の一実施例の部分省
略平面図、第２図は第１図の縦断面図、第３図はローラ
の別例を示す図である。 10……分散フイーダ、11……テーブル 12……周縁部、15……駆動源 16……分岐境界部、20……直進フイーダ 21……トレイ、22……トレイの側壁 30……ローラを支持する軸 31……軸の基端部、35,35A……ローラ 36……ストッパー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】傾斜面を有する分散フイーダの周囲に、複
   数の直進フイーダと計量機構を配置して組合せ秤に使用
   する分散供給部において、分散フイーダの周縁部におけ
   る分岐境界部に、軸線を分散フイーダの半径方向にして
   回動自在なローラを配設したことを特徴とする組合せ秤
   の物品供給装置。
2. 【請求項２】ローラは幅の狭いものを複数個並べて同一
   軸上に支持されている請求項１に記載の組合せ秤の物品
   供給装置。