JPH06324367A - 光導波路素子およびその制御方法 - Google Patents

光導波路素子およびその制御方法

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JPH06324367A
JPH06324367A JP18421893A JP18421893A JPH06324367A JP H06324367 A JPH06324367 A JP H06324367A JP 18421893 A JP18421893 A JP 18421893A JP 18421893 A JP18421893 A JP 18421893A JP H06324367 A JPH06324367 A JP H06324367A
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light
core
polymer
optical
clad
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JP18421893A
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Inventor
Fumihiro Ebisawa
文博 海老沢
Mitsutoshi Hoshino
光利 星野
Takeshi Sukegawa
健 助川
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外部からのエネルギーを何ら必要とすること
なく、任意の位相制御状態を保持し得る光導波路素子お
よびその制御方法を提供する。 【構成】 コアまたはクラッドの一部分に、特定波長域
の光照射に感応して屈折率が任意の値に制御されかつ該
屈折率が暗所および前記特定波長域を除く光照射ではそ
のまま保持されるホトクロミック材料を所定量添加した
光導波路素子に特定波長域の光を照射することにより任
意の位相シフトを与えることを可能とする。その位相制
御は、コアへ信号光と共に制御光を入射する方法または
導波路に直交する方向から制御光を照射する方法により
実施可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コアを伝搬するコヒー
レントな光の位相をその屈折率を特定波長域の光の照射
により変化させて制御する光導波路素子およびその制御
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、コアを伝搬するコヒーレントな光
の位相をその屈折率を変化させて制御する光導波路素子
としては、熱光学効果(TO効果)を利用したものが知
られている(例えば、オプトロニクス、No.8(19
88)河内正夫、p.85〜90参照)。具体的には、
ガラスクラッド上部にヒーターを設けるとともに下部に
シリコン基板のヒートシンクを設け、ヒーターに通電し
て加熱することによって上部クラッド、コア、下部クラ
ッドの順に温度が低下する温度分布を得て、この際、該
温度分布に応じて生じる屈折率の変化により、コアを伝
搬する光の位相を変化させるようになしたものである。
この光導波路素子を用いた位相調整器で位相を一定にし
ようとする場合、常時、光導波路の温度分布を一定に保
持する正確な温度維持装置が必要となり、また、温度維
持のための通電を行う必要がある。
【0003】また、従来のこの種の他の光導波路素子と
しては、電気光学効果(EO効果)を利用したものが知
られている(例えば、光新時代、No.31(199
2)、Guss Mohlmann、中村司朗、p.1
〜5、またはFourth Optoelectron
ics Conference(OEC’92)Tec
hnical Digest、17D3−4、Jul
y、(1992)、G.R.Mohlmann参照)。
具体的には、二次の光学非線形有機ポリマーをコアと
し、これに電界を印加してその屈折率を変化させ、該コ
アを伝搬する光の位相を変化させるようになしたもので
ある。この光導波路素子を用いて、相変調器、マッハツ
ェンダー干渉計、2×2方向スイッチまたはこれらを3
0組程度まで集積化した光デバイスが実現されている。
【0004】また、最近、光を照射することにより屈折
率を制御する光反応効果(OO効果)を光デバイスへ応
用した例が報告されている(例えば、電子情報通信学会
春季全国大会、C−217、(1990)、小林勇仁
他、p.4−272、または電子情報通信学会春季全国
大会、C−292、(1991)、小林勇仁 他、p.
4−309、または電子情報通信学会春季全国大会、C
−646、(1992)、吉田卓史 他、p.5−26
7、または特開平4−256907号公報参照)。これ
らは光ファイバカップラのクラッドに、光屈折率制御材
料としてホトクロミック性有機材料を用いて、カップラ
の分岐比を変化させるようになしたものである。
【0005】さらにまた、機械式の自己保持型光導波路
スイッチがいくつか提案されている(例えば、特開平4
−256906号公報参照)が、該機械式の光導波路ス
イッチはオン・オフ動作だけが可能で、その自己保持性
はオン・オフ動作に限定されたものであり、コアを伝搬
する光の位相を変化させるものとは異なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のTO効
果やEO効果を利用した光導波路素子では高速な位相制
御が可能であるが、いずれも熱や電界をかけ続けなけれ
ばその効果、すなわち位相制御状態が消失してしまうと
いう欠点があった。
【0007】本発明は前記従来の問題点に鑑み、外部か
らのエネルギーを何ら必要とすることなく、任意の屈折
率、すなわち位相制御状態を保持し得る光導波路素子を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では前記目的を達
成するため、コアを伝搬するコヒーレントな光の位相を
その屈折率を変化させて制御する光導波路素子におい
て、コアの一部分を、特定波長域の光照射に感応して屈
折率が任意の値に制御され且つ該屈折率が暗所及び前記
特定波長域を除く光照射ではそのまま保持される有機化
合物で構成した光導波路素子を提案する。
【0009】すなわち、請求項1記載の発明は、少なく
ともコアとクラッドからなる光導波路素子であって、前
記コアの少なくとも一部は、該コアの屈折率を特定波長
域の光の照射のみによって変化せしめる有機化合物を含
むものであることを特徴とする。
【0010】また、請求項2記載の発明は、少なくとも
コアとクラッドからなる光導波路素子であって、前記ク
ラッドの少なくとも一部は、該クラッドの屈折率を特定
波長域の光の照射のみにより変化せしめる有機化合物を
含むものであることを特徴とする。
【0011】請求項3記載の発明は、少なくともコアと
クラッドからなり、該コアおよびクラッドのうち少なく
とも一方が該一方の屈折率を特定波長域の光の照射のみ
によって変化せしめる有機化合物を含む光導波路素子の
制御方法であって、前記コアの一端から前記特定波長域
の光を照射し、該照射により前記コアまたはクラッドの
屈折率を変化させ、前記コアを伝搬する光の位相を制御
することを特徴とする。
【0012】請求項4記載の発明は、少なくともコアと
クラッドからなり、該コアおよびクラッドのうち少なく
とも一方が該一方の屈折率を特定波長域の光の照射のみ
によって変化せしめる有機化合物を含む光導波路素子の
制御方法であって、前記光導波路素子の光導波路に直交
する方向から前記特定波長域の光を照射し、該照射によ
り前記コアまたはクラッドの屈折率を変化させ、前記コ
アを伝搬する光の位相を制御することを特徴とする。
【0013】
【作用】位相制御という観点から見た場合の本発明と従
来技術との差を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1からわかるように、本発明は従来の位
相制御技術に比べて、完全無電力でコアを伝搬する光の
位相状態を長期に亘って維持し、その状態を容易に変更
可能な技術を提供するものである。このため、実際の素
子の使用に当たって、動作速度が早いか遅いかはあまり
問題とならない。このような長期に亘る位相状態の保持
をTO効果で実現しようとする場合は高精度な温度維持
管理装置並びに長期に亘る電力供給が不可欠になり、非
常に不経済なシステムとなってしまう。また、EO効果
で実現しようとする場合も、屈折率を制御するための電
圧を常時印加しなければならず、また、その状態を維持
管理する新たな装置が必要であり、非常に高価なシステ
ムとなってしまう。
【0016】また、OO効果を利用した光ファイバカッ
プラでの自己保持型スイッチや、機械式の自己保持型光
導波路スイッチがあるが、いずれも任意の位相シフトを
起こさせるものではなく、その応用は位相シフトのもの
とは異なる。すなわち、ホトクロミック性有機材料を用
いたカップラの例では、分岐比を変化させた自己保持型
光スイッチ、ならびにその分岐比の設定、変更、微調整
に使用が限定される。また、これらに用いられている有
機化合物の物性からみて、室温下での熱逆反応は止めら
れず、長期の自己保持性は実現されていない。また、機
械式では比のオン・オフ動作に限定され、任意の位相調
整を行うことはできない。
【0017】本発明はOO効果を用いて長期に亘る自己
保持動作を可能となした位相制御機能を有する光導波路
素子に関するものであり、従来のTO効果やEO効果を
用いた位相制御機能を有する光導波路素子とは外部から
強制的に位相保持のための動作を行う必要がないという
点が異なる。また、従来の長期に亘る自己保持型光スイ
ッチは機械式のスイッチのみであり、位相制御という動
作でない点、すなわち機械式のスイッチがオン・オフ動
作しかできない点が異なる。
【0018】また、本発明は石英系光導波路での応用に
限定されるものではなく、半導体光導波路、誘導体光導
波路、石英系を除く非晶質光導波路等のコアまたはクラ
ッドにホトクロミック材料を装荷し、同様な動作が可能
である。
【0019】本発明に用いられる有機化合物は、光照射
で屈折率を制御できる材料であれば特に限定されず、例
えば光分解反応、光解離反応、光二量化反応、光異性化
反応、ホトクロミック反応等を引起す有機材料を用いる
ことができる。ただし、可逆な屈折率制御ができる点で
ホトクロミック反応を引起す有機材料が好適であり、発
明者らの調べた限りではジアリールエテン構造のホトク
ロミック材料で最も良い結果が得られた。
【0020】これらの有機化合物は通常、室温で固体で
あり、光導波路のコア材料として用いる時は有機高分子
と混合して、あるいは有機溶媒に溶解させて、もしくは
有機高分子の側鎖に化学結合して用いられる。このよう
な有機化合物を光導波路のコアとして用いる場合には光
導波路との屈折率のマッチングが重要である。特に、石
英系の光導波路は通常の有機化合物より低い屈折率が必
要になるが、発明者らが検討した結果ではフッ素化した
有機高分子あるいはフッ素系有機溶媒、シリコン系有機
溶媒を用いることにより、容易にマッチングを実現でき
た。
【0021】有機化合物をコア層として光導波路のコア
を形成する方法は特に限定されず、良質のコアとして光
が通過すれば良い。コアは石英ガラスクラッドで覆われ
るため、特に防湿や自然酸化等の環境からの影響は極め
て少ないが、さらに信頼性を確保する目的でパッシベー
ションや封止等の処理を加えても良い。
【0022】有機化合物をクラッド層として導波路のコ
ア部に形成する方法は特に限定されず、良質のクラッド
層としてコア部を被覆できればいかなる形成方法も使用
可能である。有機化合物をクラッド層に用いる場合も導
波路全体を被覆して、屈折率変化の必要な部分に光照射
して導波路の位相を制御してもよいが、位相制御する部
分のみを該屈折率制御有機化合物でコア部を被覆し、他
の部分は通常のクラッド層を用いてもよい。また、位相
制御のバランスをとるため、コア部の任意の箇所に屈折
率を調整、固定した有機材料をクラッド層として用いて
もよい。このようにして作製したクラッド層は、必要に
応じて、防湿や自然酸化等の環境からの影響を軽減する
目的で、パッシベーションや封止等の処理を加えても良
い。
【0023】上述の有機化合物をコアまたはクラッドに
含有させた本発明の光導波路素子において、そのコアを
伝搬するコヒーレントな光の位相を制御する方法として
は、その伝搬光(信号光)とともにコアの一端から、ま
たは光導波路に対して直交する方向から特定波長域の光
を照射して屈折率を変化させて位相を制御する方法など
を挙げることができる。
【0024】以下、実施例に従って本発明を説明する
が、本発明はこれに限定されるものでなく、位相制御が
必要となる光導波路素子であれば使用できる。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0026】図1は本発明の光導波路素子の第1の実施
例を示すもので、ここでは方向性結合器付きマッハツェ
ンダー型2×2光スイッチを実現した例を示す。図中、
1はシリンダ基板、2は火炎堆積法で作製した石英ガラ
スクラッド、3は同法で作製した石英ガラスコア(9μ
m×9μm、△n=0.3%)、4,5は3dB方向性
結合器、6は石英ガラス板、7はホトクロミック材料を
10(重量)%添加した高分子コア、8はホトクロミッ
ク材料を添加していない高分子コア、AおよびBは光入
射ポート、CおよびDは光出射ポート、Eはマッハツェ
ンダ第1アーム、Fはマッハツェンダ第2アームであ
る。
【0027】図2は図1中のa−a線矢視方向の拡大断
面図、図3は図1中のb−b線矢視方向の拡大断面図で
ある。高分子コアおよび8の長さはいずれも5mm、素
子全体の長さは40mm、幅4.5mmである。
【0028】これを作製するには、まず、従来の火炎堆
積法で2入力2出力方向性結合器付きマッハツェンダー
干渉回路を作製し、その後、マッハツェンダーの2本の
アームの中央部にリアクティブイオンエッチング(RI
E)装置でコアに沿って幅2mm、長さ5mmでコア上
部までエッチングする。次に、両アームのコア部分だけ
をコア幅9μm、長さ4mm、深さ9μmとして、コア
部分をくり抜くようにエッチングする。
【0029】次に、コア材として、波長1.5μmにお
ける屈折率を1.448に調整したフッ素化メチルメタ
クリレートとメチルメタクリレートとの共重合体の高分
子溶液を第1アームEのコア部分に注入し、同様にホト
クロミック材料(ここではペルフルオロシクロペンテン
環を持つジアリールエテンを用いた。)を10(重量)
%添加し且つ波長1.5μmにおける屈折率を1.44
8になるように調整した高分子溶液を第2アームFのコ
ア部分に注入する。該注入した高分子溶液の溶媒が十分
に蒸発した後、長さ4.6mm、幅1.9mm、長さ
0.2mmの上下面を光学研磨した石英ガラス板6を高
分子コア7および8上に載せる。
【0030】次に、真空状態でこの部分を120℃〜1
40℃に加熱し、石英ガラス板6を軽く押し付けると高
分子コア7および8は軟化して余分な分が押し出され、
石英ガラス板6は高分子コア7および8の上に隙間なく
密着し、この石英ガラス板6は上部クラッドとなる。
【0031】前記構造では光の進行方向で石英ガラス板
6と素子本体のクラッド2との間のわずかな隙間による
コア露出部分が生ずるため、特に、ガラスコア3の直上
部のみに屈折率を調整したフッ素化PMMAの高分子溶
液を注入し、高分子クラッド9を形成する。その後、石
英ガラス板6の周辺の凹部にシアノアクリレート系ある
いはエポキシ系接着剤10を注入し、基板との接着を十
分に行う。このことにより、高分子コア7および8は湿
気、酸素、その他の反応性ガス等の外部からの影響が遮
断され、長期安定性を保証できる。さらに使用したホト
クロミック材料の屈折率の自己保持性は極めて優れ、8
0℃で3ケ月以上の安定性を有することが知られてい
る。
【0032】これを動作させるには、高分子コア7に光
反応を生じさせるための紫外光源、可視光源が必要とな
る。高分子コア7に光反応を生ぜしめる光入射方法とし
ては、光導波路上面等の外部から光を入射させる方法
と、コアを伝搬させて入射する方法とがある。簡便に
は、光導波路上面よりキセノンストロボ光を入射させる
方法がある。キセノンストロボ(例えば、松下電気PE
1120CT等)の発光面カバーを取外し、代りに紫外
光源として紫外線バンドパスフィルタ(例えば、UVD
33S、東芝ガラス製等)を取付けたもの、可視光源と
して紫外線カットフィルタ(例えば、Y−50、東芝ガ
ラス製等)を取付けたものを2つ準備する。この光源は
乾電池2本で動作するものであり、携帯に便利である。
【0033】次に、光入射ポートAおよび光出射ポート
C,Dにそれぞれシングルモードファイバを接続する。
光入射ポートA溝の光ファイバにはレーザダイオード
(波長1.55μm、出力1mW)からの光を入射さ
せ、光出射ポートC,Dの光ファイバは2入力のGaA
s受光装置に接続した。光出射ポートCからの光出力は
900μWで、光出射ポートDからの光出力は10μw
であった。
【0034】次に、石英ガラス板6の上部から紫外線バ
ンドパスフィルタを取付けたストロボを1回閃光させた
ところ、直ちに光出射ポートCの光出力が10μWとな
り、光出射ポートDの光出力が900μWとなった。こ
の状態は光の照射なしでは変化しなかった。この1分
後、紫外線カットフィルタを取付けたストロボを1回閃
光させたところ、速やかに光出射ポートCの光出力が9
00μWとなり、、光出射ポートDの光出力が10μW
となった。このようすを図4に示す。この結果、前記光
スイッチは自己保持動作が可能で消光比は−19.5d
B、挿入損失は0.46dBの特性を有していることが
わかった。
【0035】さらに、前記光スイッチを暗所に1ケ月以
上放置しても、900μWの光出力の変動は0.1%以
内という良好な安定性を示した。また、周囲温度を−2
0℃から60℃まで変化させたヒートサイクル試験(サ
イクル時間1時間)でも500回以上のサイクルで光出
力の変動は0.1%以内と良好な安定性を示した。
【0036】一方、制御光である可視光および紫外光を
シングルモードファイバで伝送させ、3dBのファイバ
カップラで信号光(波長1.3あるいは1.5μm)と
光スイッチ直前で合波させて、高分子コア7および8に
導く方法がある。
【0037】光入射ポートAより信号光とともにコア3
に入射された制御光は3dB方向性結合器4を通過した
後、マッハツェンダー第1アームE、マッハツェンダー
第2アームFのコアに入射し、ホトクロミック材料が存
在する第2アームFのみの位相を変化させる。ここでは
ヘリウムネオンレーザー光(633nm、3mW)とヘ
リウムカドミウムレーザー(325nm、10mW)、
水銀キセノンランプ(313nm、50mW、365n
m、100mW)あるいはパルス窒素レーザー(337
nm)とをファイバカップラで合波させ、10mのシン
グルモードファイバで光スイッチの直前まで伝送し、さ
らにファイバカップラを用いて信号光(波長1.55μ
m、1000μW)と合波させ、コア3に直接入射させ
た。
【0038】制御光である可視光及び紫外光を照射しな
い状態では光出射ポートCがオン状態(900μm
W)、光出射ポートDがオフ状態(10μW)であっ
た。1分後にヘリウムカドミウムレーザーの照射を5秒
間行ったところ、直ちに光出射ポートCがオフ状態、光
出射ポートDがオン状態になった。この状態は光の照射
なしでは変化しなかった。さらに1分後、ヘリウムネオ
ンレーザーの照射を5秒間、光ファイバを通じて行った
ところ、光出射ポートCがオン状態、光出射ポートDが
オフ状態の初期状態に戻った。なお、制御光の光照射時
間をより長くすることで、出力光をさらに変化させるこ
とができた。このとき、最大値として4πラジアンの位
相シフトが観測できた。従って、2π,4πラジアンの
時には出力光としては制御光を照射しない時と同じ状態
になった。
【0039】このように、制御光もまた光ファイバで伝
送可能であり、光だけでの遠隔操作で自己保持型スイッ
チングが可能であることがわかつた。
【0040】図5は本発明の光導波路素子の第2の実施
例を示すもので、ここでは自己保持型光周波数多重合分
波器を実現した例を示す。図中、11はシリコン基板、
12は下部クラッド、13は上部クラッド、14はコ
ア、15および16は3dB方向性結合器、17は石英
ガラス板、18はホトクロミック添加高分子コア、Aお
よびBは光入射ポート、CおよびDは光出射ポート、G
は下部アーム、Hは上部アームである。
【0041】これを作製するには、まず、従来の火炎堆
積法で石英ガラス導波路を作製し、高分子コア18のコ
ア部分およびその周囲の上部クラッド13を第1の実施
例と同様に反応性イオンエッチング法によりエッチング
し、このコア部分にホトクロミック材料を添加した高分
子溶液(屈折率は石英ガラスコア14と一致させてあ
る。)を注入する。該注入した高分子溶液の溶媒を十分
に蒸発させた後、この上に石英ガラス板17を載せ、不
活性ガス中で140℃に全体を加熱し、該石英ガラス板
17を押し付けて上部クラッドとする。
【0042】前記構造では光の進行方向で石英ガラス板
17と素子本体のクラッド13との間のわずかな隙間に
よるコア露出部分が生ずるため、特に、ガラスコア14
の直上部に屈折率を調整したフッ素化PMMAの高分子
溶液を注入し、高分子クラッド(図示せず)を形成す
る。その後、石英ガラス板17の周辺の凹部にシアノア
クリレート系あるいはエポキシ系接着剤(図示せず)を
注入し、基板との接着を十分に行う。このことにより、
高分子コア18は湿気、酸素、その他の反対性ガス等の
外部からの影響が遮断され、長期安定性を保証できる。
【0043】これを動作させるため、第1の実施例と同
様にキセノンストロボをフィルタを変えて用いた。
【0044】また、光入射ポートAおよび光出射ポート
C,Dにそれぞれシングルモードファイバを接続する。
光入射ポートAにはDFB−LD(波長1.55μm)
の光を導入し、注入電流あるいは温度により周波数を変
化させる。2本のアームGおよびHの光路差をΔLとす
ると、ΔL=1cmの時、Δf(=f1−f2)は0.
04nm(5GHz)となった。DFB−LDの波長を
掃引させると、波長が1.51nmの時は光出射ポート
Cに光出力があり、波長が1.55nmになると光出射
ポートDに光出力があった。この時の挿入損失は2.5
dB、クロストークは17dBであった。
【0045】次に、紫外線バンドパスフィルタを取付け
たストロボを石英ガラス板17の上から1回閃光させた
ところ、光出射ポートCに波長1.52μmの光が出力
され、光出射ポートDには波長1.55μmの光が出力
された。この状態はホトクロミック添加高分子コア18
の屈折率が変化し、ΔLが実効的に長くなった効果と同
じであり、波長間隔を変化させることができた。この状
態は暗所に放置した状態では安定し、自己保持性があっ
た。
【0046】また、可視光を石英ガラス板17に照射す
ると、Δfが元の5GHzの状態に速やかに戻った。紫
外光線の照射量、可視光線の照射量を適宜変化させる
と、任意の波長間隔を自己保持できる光周波数多重合波
分波器が構成できた。自己保持可能なΔfは1GHzか
ら1THzまでの任意の周波数であった。
【0047】さらに、前記光周波数多重合波分波器を暗
所に数カ月以上放置しても、光出力の変動は0.1%以
内という良好な安定性を示した。また、周囲温度を−2
0℃から60℃まで変化させたヒートサイクル試験(サ
イクル時間1時間)でも500回以上のサイクルで光出
力の変動は0.1%以内と良好な安定性を示した。
【0048】また、第1の実施例と同様に、光ファイバ
を伝送させた制御光で波長選択域を再設定可能であるこ
ともわかった。
【0049】〔実施例3〕図6は本発明の光導波路素子
の第3の実施例を示すもので、21は石英ガラス基板、
22は石英ガラス板、23および26は3dB方向性結
合器、24はホトクロミック材料添加高分子コア、25
は高分子コア、27は光吸収剤添加高分子コア、Iおよ
びJは光入射ポート、KおよびLは光出射ポート、Mは
マッハツェンダー第1アーム、Nはマッハツェンダー第
2アームである。
【0050】図7は図6中のc−c線矢視方向の拡大断
面図、図8は図6中のd−d線矢視方向の拡大断面図で
ある。図7はマッハツェンダーアーム部の断面で左の第
2アームNにのみホトクロミック材料添加の高分子が用
いられ、その長さは5mmである。図8は3dB方向性
結合器の中央部分の断面を示したもので左右のコアはよ
り接近し、コア材料は同じ添加剤なしの高分子で作製さ
れている。素子全体の長さは50mm、幅5mmであ
る。
【0051】これを作製するには従来法である溶融法で
作製した石英板の表面を光学研磨し、2入力2出力方向
結合器付きマッハツェンダー干渉回路を構成出来るよう
にコア部となる8μm×8μmの凹部をリアクティブイ
オンエッチング(RIE)装置で作製する。次に機能性
コア材として、ホトクロミック材料(ここではペルフル
オロシクロペンテン環を持つジアリールエテンを用い
た)を10重量%添加した高分子(フッ素化メチルメタ
クリレートとメチルメタクリレートの共重合体)で屈折
率が1.448(波長1.55μm)になるように屈折
率を調整した高分子溶液を第2アームNの一定長さ(5
mm)に高分子溶液として塗布した。次に、光吸収剤と
して、紫外線吸収剤(最大吸収波長353nm、商品名
チヌビン326)を1重量%と可視光吸収剤(最大吸収
波長550nm、商品名デイスパースファーストバイオ
レット5R)を1重量%を共に高分子(フッ素化メチル
メタクリレートとメチルメタクリレートの共重合体)に
混ぜた。高分子溶液を長さ5mmの光吸収剤添加高分子
コア部27に塗布した。乾燥後の高分子の屈折率は1.
448(波長1.55μm)になるように調整されてい
る。
【0052】第1アームMを含む残りのコア部全体にフ
ッ素化メチルメタクリレートとメチルメタクリレートの
共重合体(屈折率1.448、波長1.55μm)の溶
液を塗布した。該注入した高分子溶液の溶媒が十分に蒸
発した後に基板と同じ大きさの石英ガラス板22を上部
から静かに載せる。
【0053】次に真空状態でこの部分を120℃〜14
0℃に加熱し、石英ガラス板22を押し付けると高分子
は軟化して余分な分が押し出され、石英ガラス板22は
高分子コアの上に隙間なく密着し、この石英ガラス板2
2は上部クラッドとなる。この時、高分子コア部以外の
ガラス界面にエポキシ系接着剤を薄く塗布し、石英ガラ
ス基板21と石英ガラス板22の接着強度を高め、湿度
など外部環境から導波路を保護する。最後に入射ポート
および出射ポート端面を光学研磨し、接続損失を低減さ
せた。
【0054】これを動作するには、第1の実施例と同様
に光信号を光入射ポートIまたはJから光ファイバで導
入し、制御光を石英ガラス板22上面から照射して、光
信号を光出射ポートK,Lのいずれかにスイッチさせる
ことができる。さらに第1の実施例では基板がシリコン
でできていたために基板側からは可視紫外光である制御
光の照射は不可能であったが、本実施例では基板が石英
ガラスでできているために下部からも光制御が可能とな
った。このために、制御光の発光装置の配置が容易にな
った。
【0055】次に制御光による遠隔制御による動作方法
を示す。遠隔制御用光源として、紫外線用に水銀キセノ
ンランプ(200W、1600mW/cm2 )の照射光
を365nmのバンドパスフィルタ(バンド幅10n
m)を通し、単色化したのち、レンズコリメータ系で光
通信用石英系シングルモードファイバに直接入射させ
た。ファイバ入射1m後の光出力強度は150mWであ
った。一方、可視光用にキセノンランプ(200W)の
照射光を550nmのバンドパスフィルタ(バンド幅5
0nm)を通し、単色化したのち、同様にレンズコリメ
ータ系で光通信用石英系シングルモードファイバに直接
入射させた。ファイバ入射後1mでの光出力強度は20
mWであった。紫外線および可視光線用の光ファイバを
ファイバカップラーで1本の石英ファイバにまとめて、
1km光伝送を行った結果、紫外線では0.9mWの光
出力が、一方、可視光では0.6mWの光出力が得られ
た。
【0056】制御用光ファイバは光導波路素子の入射ポ
ートJに接続し、入射ポートIには信号光用シングルモ
ードファイバを1本、出射ポートKおよびLにもそれぞ
れシングルモードファイバを接続した。入射ポートIに
レーザダイオード(波長1.55μm、出力1mW)か
らの光を入射させ、出射ポートKおよびLの光ファイバ
はそれぞれ2台のGaAs受光装置に接続した。出射ポ
ートKからの光出力は900μWで、出射ポートLから
の光出力は10μWであった。次に水銀キセノンランプ
の照射光をシャッターを10秒間開けて照射したとこ
ろ、ただちに出射ポートLの光出力が900μWとな
り、出射ポートKの光出力が10μWとなった。この状
態を10分間保持した後にキセノンランプの照射光を同
様に10秒間照射したところ、今度は逆に出射ポートK
の光出力が900μWとなり、出射ポートLの光出力が
10μWとなった。この様子は第1の実施例の図4に示
したものと同等であった。
【0057】屈折率制御のために導波してきた制御光
(356nm、550nm)が出射ポートK,Lから出
射されることは光信号処理にとって好ましくない。この
ための紫外光、可視光を吸収し、信号光のみ通過させる
ように光吸収剤添加高分子コア部27を出射ポートK,
Lの直前に設置した。紫外光の減衰量は70dB、可視
光の減衰量は83dBであった。一方、通信波長帯域で
はその挿入損失はたかだか0.1dBであった。このよ
うに光出射ポートK,L側にフィルタを構成することで
光信号への悪影響を取り除くと共に出射光ポートからの
紫外、可視光の入射による素子動作の不安定性も同時に
取り除くことができた。この結果、この自己保持性を有
する光スイッチは高い信頼性とともに消光比:−19.
5dB、挿入損失:0.58dBのスイッチ特性を有し
ていることがわかった。しかも、石英系光ファイバを用
いた1kmの遠隔光スイッチ制御が可能なことがわかっ
た。
【0058】さらに、前記光スイッチを暗所に1カ月以
上放置しても、900μWの光出力の変動は0.1%以
内と良好な安定性を示した。また、周囲温度を−20℃
から60℃まで変化させたヒートサイクル試験(サイク
ル時間1時間)でも500回以上のサイクルで光出力変
動率0.1%以内と良好な安定性を示した。
【0059】〔実施例4〕図9は本発明の光導波路素子
の第4の実施例を説明する図であって、31はプラスチ
ック基板、32はプラスチック板、33および36は3
dB方向性結合器、34はホトクロミック材料添加高分
子コア、35は高分子コア、37は光吸収剤添加高分子
コア、OおよびPは光入射ポート、QおよびRは光出射
ポート、Sはマッハツェンダ第1アーム、Tはマッハツ
ェンダ第2アームである。図9の断面は第3の実施例を
示す図7および図8と同様な断面形状を有している。た
だし、基板を含むクラッド部は石英ガラスでなくプラス
チックになっている。
【0060】プラスチック基板31はコアの凹部(8μ
m×8μm)で3dB方向性結合器、マッハツェンダア
ームおよび導波路を構成できるように精密金型を用いた
射出金型成形により形成した。プラスチック板32も同
様に平板として射出成形により形成した。プラスチック
材料としては低屈折率で安定性に優れたポリオレフィン
系熱可塑性樹脂を用いた。ここではポリ4メチル1ペン
テン(屈折率1.46)および低密度ポリエチレン(屈
折率1.51)を用いた。この他にフッ素系樹脂である
ポリビニリデンフロライド(屈折率1.41)も用い
た。
【0061】次にホトクロミック材料(ここではペルフ
ルオロシクロペンテン環を持つジアリールエタンを用い
た)を10重量%添加した高分子(フッ素化メチルメタ
クリレートとメチルメタクリレートの共重合体)を用い
たコアを作製するために、高分子乾燥後にコア・クラッ
ド屈折率差(Δn)が0.3%になるように屈折率を調
整した高分子溶液を作製した。この高分子溶液を第2ア
ームTの一定長さ(5mm)に高分子溶液として塗布し
た。次に光吸収剤として、紫外線吸収剤(最大吸収波長
353nm、商品名チヌビン326)を1重量%と可視
光吸収剤(最大吸収波長550nm、商品名ディスパー
スファーストバイオレット5R)を1重量%を共に高分
子(フッ素化メチルメタクリレートとメチルメタクリレ
ートの共重合体)の溶液に混ぜた。この時、高分子の共
重合比を調整し、乾燥後にΔnが0.3%になるように
屈折率を調整した。この高分子溶液を長さ5mmの光吸
収剤添加高分子コア部37に塗布した。
【0062】第1アームSを含む残りのコア部全体にΔ
nを0.3%に調整した高分子(フッ素化メチルメタク
リレートとメチルメタクリレートの共重合体)の溶液を
塗布した。該注入した高分子溶液の溶媒を十分に蒸発さ
せた後に基板と同じ大きさのプラスチック板32を上部
から静かに載せる。
【0063】次に真空状態でこの部分を70℃〜80℃
に加熱し、プラスチック板32を押し付けると高分子コ
ア部は軟化して余分な分が押し出され、プラスチック板
32は高分子コアの上に隙間なく密着し、このプラスチ
ック板32は上部クラッドとなる。
【0064】さらに、高分子コア部以外の部分をイオン
アッシャーで表面を軽く荒らした後にプラスチック板の
間にエポキシ系接着剤を薄く塗布し、プラスチック基板
31とプラスチック板32とを接着した。この結果、機
械的強度とともに湿度など外部環境から導波路の高分子
を保護できることがわかった。
【0065】これを動作するには、第1の実施例と同様
に光信号に光入射ポートOまたはPから光ファイバで導
入し、制御光をプラスチック板32上面から照射して、
光信号を光出射ポートQ,Rのいずれかにスイッチさせ
ることができる。この時、第1の実施例では基板がシリ
コンでできていたために基板側からの可視紫外光である
制御光の照射は不可能であったが、本実施例では基板が
プラスチック製であるために下部からも光制御が可能と
なった、このために、制御光の発光装置の配置が容易に
なった。
【0066】次に制御光による遠隔制御による動作方法
を示す。遠隔制御用光源として、紫外線用に水銀キセノ
ンランプ(200W、1600mW/cm2 )の照射光
を365nmのバンドパスフィルタ(バンド幅10n
m)を通し、単色化したのち、レンズコリメータ系で光
通信用石英系シングルモードファイバに直接入射させ
た。ファイバ入射1m後の光出力強度は150mWであ
った。可視光用にキセノンランプ(200W)の照射光
を550nmのバンドパスフィルタ(バンド幅50n
m)を通し、単色化したのち、レンズコリメータ系で光
通信用石英系シングルモードファイバに直接入射させ
た。ファイバ入射後1mでの光出力強度は20mWであ
った。
【0067】紫外線および可視光線用の光ファイバをフ
ァイバカップラーで1本の石英ファイバにまとめて、通
信用光ファイバに接続した。1km光伝送を行った結
果、紫外線では0.9mWの光出力が、一方、可視光で
は0.6mWの光出力が得られた。特に制御用光ファイ
バを設置することなく、通信用石英系シングルモードフ
ァイバを信号光と併用することができる。このファイバ
を光導波路素子の入射ポートIに接続した。出射ポート
Q,Rにはそれぞれシングルモードファイバを接続す
る。レーザダイオード(波長1.55μm、出力100
5μW)の光出力を制御光入射点で入射させ、制御光を
伝送させる同じシングルモードファイバで1kmの光伝
送を行った。光ファイバでの減衰を受けて入射ポートI
での光強度は1000μWとなった。出射ポートQ,R
の光ファイバはそれぞれ2台のGaAs受光装置に接続
した。出射ポートQからの光出力は900μWで、出射
ポートRからの光出力は10μWであった。次に水銀キ
セノンランプの照射光をシャッターを10秒間開けて照
射したところ、ただちに出射ポートLの光出力が900
μWとなり、出射ポートQの光出力が10μWとなっ
た。この状態を10分間保持した後にキセノンランプの
照射光を同様に10秒間照射したところ、今度は逆に出
射ポートQの光出力が900μWとなり、出射ポートR
の光出力が10μWとなった。この様子は第1の実施例
の図4に示したものと同等であった。
【0068】屈折率制御のために導波してきた制御光
(356nm、550nm)が出射ポートK,Lから出
射されることは光信号処理にとって好ましくない。この
ための紫外光、可視光を吸収し、信号光のみ通過させる
ように光吸収剤添加高分子コア部27を出射ポートK,
Lの直前に設置した。紫外光の減衰量は70dB、可視
光の減衰量は83dBであった。一方、通信波長帯域で
はその挿入損失はたかだか0.1dBであった。このよ
うに光出射ポートK,L側にフィルタを配置することで
光信号への悪影響を取り除くと共に出射光ポートからの
紫外光、可視光の入射による素子動作の不安定性も同時
に取り除くことができた。この結果、この自己保持性を
有する光スイッチは高い信頼性とともに消光比:−1
9.5dB、挿入損失:0.58dBのスイッチ特性を
有していることがわかった。しかも、石英系光ファイバ
を用いた1kmの遠隔光スイッチ制御が可能なことがわ
かった。
【0069】さらに、前記光スイッチを暗所に1カ月以
上放置しても、900μWの光出力の変動は0.1%以
内と良好な安定性を示した。また、周囲温度を−20℃
から60℃まで変化させたヒートサイクル試験(サイク
ル時間1時間)でも500回以上のサイクルで光出力変
動率0.1%以内と良好な安定性を示した。
【0070】〔実施例5〕図10は本発明の光導波路素
子の第5の実施例を示すもので、ここでは光遠隔制御型
光周波数フィルタを実現した例を示す。この素子を用い
るホトクロミック材料が双安定性を有するために自己保
持動作が可能である。図中41はシリコン基板、42は
下部クラッド、43は上部クラッド、44はコア、45
および46は3dB方向性結合器、47および50は石
英ガラス板、48はホトクロミック添加高分子コア、4
9および52は高分子クラッド、51は光吸収剤添加高
分子コア、UおよびVは光入射ポート、WおよびXは光
出射ポート、Yは上部アーム、Zは下部アームである。
【0071】これを作製するには、まず火災堆積法で石
英ガラス導波路を作製し、ホトクロミック添加高分子コ
ア48のコア部分およびその周囲の上部クラッド43を
第1の実施例と同様に反応性イオンエッチング法により
エッチングし、このコア部分に前者のコア部にはホトク
ロミック材料(ジアリールエテン系ホトクロミック材
料)を添加した高分子溶液を注入する。同時に光吸収剤
添加高分子コア51のコア部分およびその周囲の上部ク
ラッド43を反応性イオンエッチング法によりエッチン
グし、このコア部分には光吸収剤(紫外線吸収剤チヌビ
ン326と可視光吸収剤ディスパースファーストバイオ
レット5R)を添加した高分子溶液を注入する。乾燥
後、これらの高分子コアの屈折率は石英ガラスコア44
と屈折率が一致するように材料配合の調整が行なわれて
いる。
【0072】前記製造では光の進行方向で石英ガラス板
47および50と素子本体の上部クラッド43とのわず
かな隙間によるコア露出部分が生ずるため、特にガラス
コア44の直上部に屈折率を調整したフッ素化PMMA
の高分子溶液を注入し、高分子クラッド49,52を形
成する。その後、石英ガラス板47および50の周囲の
凹部にシアノアクリレート系あるいはエポキシ系接着剤
(図示せず)を注入し、基板との接着を十分に行う。こ
のことにより、高分子コア48および51は湿気,酸
素、その他反応性ガスなどの外部からの影響が遮断さ
れ、長期安定性が保証できる。
【0073】第3の実施例と同様に制御用光源として、
紫外線用の水銀キセノンランプ(200W、1600m
W/cm2 )の照射光を365nmのバンドパスフィル
タ(バンド幅10nm)を通し、単色化したのち、レン
ズコリメータ系で光通信用石英系シングルモードファイ
バに直接入射させた。ファイバ入射1m後の光出力強度
は10mWであった。可視光用にキセノンランプ(20
0W)の照射光を550nmのバンドパスフィルタ(バ
ンド幅50nm)を通し、単色化したのち、レンズコリ
メータ系で光通信用石英系シングルモードファイバに直
接入射させた。ファイバ入射後1mでの光出力強度は2
0mWであった。
【0074】紫外線および可視光線用の光ファイバをフ
ァイバカップラーで1本の石英ファイバにまとめて、1
km光伝送を行った結果、紫外線では0.9mWの光出
力が、一方、可視光では0.6mWの光出力が得られ
た。この制御用光ファイバーを光導波路素子の入射ポー
トUに接続した。一方、入射ポートVには信号光用シン
グルモードファイバーを1本、出射ポートW,Xにもそ
れぞれシングルモードファイバーを接続する。
【0075】入射ポートVにDFBレーザーダイオード
(波長1.55μm)の光を導入し、注入電流あるいは
温度により周波数を変化させた。2本のアームYおよび
Zの光路差をΔLとするとΔL=1cmの時、Δf(=
f1−f2)は0.04nm(5GHz)となった。D
FB−レーザーダイオードの波長を掃引させると波長が
1.51nm時は出射ポートWに光出力があり、波長が
1.55nmになると出射ポートXに光出力があった。
この時の挿入損失は2.5dB、クロストークは17d
Bであった。
【0076】次に紫外線光源のシャッターを20秒間開
いたところ、出射ポートWに1.52μmの光が、一方
出射ポートXには1.55μm光出力があらわれた。こ
の状態はホトクロミック高分子コアの実効屈折率が変化
し、ΔLが実効的に長くなった効果と同じであり、光遠
隔制御型の可変光周波数フィルタが実現できた。自己保
持可能なΔfは1GHzから1THzまでの任意の光周
波数であった。
【0077】紫外線および可視光は光吸収剤添加高分子
コア部での吸収作用で出射ポートW,Xには出射されな
かった。ここでの1.3μm、1.55μmでの挿入損
失は0.1dB以内であった。
【0078】さらに、前記光遠隔制御型可変光周波数フ
ィルタを暗所に数カ月以上で一定周波数に対しての光出
力変動は0.1%以内と良好な安定性を示した。また、
周囲温度を−20℃から60℃まで変化させたヒートサ
イクル試験(サイクル時間1時間)でも500回以上の
サイクルで光出力変動率0.1%以内と良好な安定性を
示した。
【0079】なお、本実施例は、コア部となる溝部分を
基板両端まで貫通させたが、基板41の端部で下部クラ
ッド42を数μm残した箱型の溝48aとしてもよい
(図11参照)。このような箱型溝の場合は、コア端部
が光結合するのに適した平坦面となるため、損失が低下
する効果がある。
【0080】〔実施例6〕図12は本発明の光導波路素
子の第6の実施例を説明するための図である。図中61
はシリコン基板、62は火炎堆積法により作製した下部
の石英ガラスクラッド、63は同法により作製したコア
(9μm×9μm、Δn=0.3%)、64は上部ガラ
スクラッド、65はY分岐コア、66は高分子クラッ
ド、67は高分子クラッド66の材料にホトクロミック
材料を10重量%添加した高分子クラッドである。素子
の大きさは長さ80mm、幅4.5mmである。両方の
高分子クラッド部分の長さは20mmであった。高分子
クラッド66としてフッ素化メチルメタクリレートとメ
チルメタクリレートの共重合体を用いた。また、高分子
クラッド67に添加されるホトクロミック材料としてペ
ルフルオロシクロペンテン環をもつジアリールエタンを
用いた。この材料は屈折率の自己保持特性に優れ、80
℃で3カ月以上の安定性を示すことが知られている。
【0081】図13は図12の自己保持型マッハツェン
ダ干渉計を石英ガラス窓付きの容器に収納し、ファイバ
コネクタを取り付けた導波路素子の構成を示す模式的斜
視図である。68はマッハツェンダ干渉計、69は容
器、70は石英ガラス窓、71は上蓋、72はコネクタ
付き光ファイバである。これを動作するには、高分子ク
ラッド67のPC材料に光反応効果を生じさせるための
紫外線光源、可視光源、およびバンドパスフィルタが必
要となる。図示しないレーザーダイオード(波長1.5
5μm、出力1mW)を光ファイバ72のコネクタに接
続し、反対側の光ファイバ72のコネクタをGaAs受
光素(図示略)に接続する。この状態で光の出力が0.
9mWであることが確認された。このことから、その素
子の1.55μmでの挿入損失は0.46dBであるこ
とがわかった。次に、容器69の上蓋71を取り外し、
上部からXe−Hgランプ(100W)を330nmの
バンドパスフィルタ(UVD33S、東芝ガラス製;図
示略)を通して、5秒間、石英ガラス窓70を介して照
射した。このときの照射強度はおよそ50mW/cm2
であった。次に照射1分後、ハロゲンランプ(150
W)に500nm(G−50、東芝ガラス製)のバンド
パスフィルタと500nm(Y−50)のシャープカッ
トフィルタを用いて、500nmの光を10秒間照射し
た。このときの光照射強度は20mW/cm2 であっ
た。このときの波長1.55μmのレーザー光の出力変
化を図14に示した、紫外線照射開始後約1秒間で光出
力は90μWと90%低下したことから、90%応答速
度は約1秒であることがわかった。その後、数秒で光出
力は10μWと低下し、スイッチとした時の消光比1
9.5dBが確認された。紫外線照射1分後にハロゲン
ランプ光を10秒間照射した。光出力が800μWの紫
外線照射前の光出力に対して89%になった時間は照射
約4秒後であった。90%回復時間は約4秒と確認され
た。この結果、マッハツェンダ干渉回路のホトクロミッ
ク材料を含む導波路アームの位相シフトはπであること
がわかった。次に、マッハツェンダ干渉計に紫外線を2
秒間照射し、レーザー光出力を450μWに低下させ
た。このときの位相シフトはπ/2である。この状態で
容器69に光が入らないように上蓋11をしっかり閉め
て測定を継続した。50時間後でも光出力は450μW
±0.5μWと0.1%の変動で光出力が保持されてい
ることを確認した(図15)。さらに、3カ月後でも光
出力変動は0.4%以内であった。このように、長期に
亘り、その導波路の位相を一定に自己保持できることが
確認された。
【0082】レーザーの波長を1.3μmにして、同様
の実験を行ったが、1.55μmの場合と等価な結果が
得られた。
【0083】この結果から明らかなように半固定の可変
光減衰器として用いた場合、従来の技術に比べて、安定
性、信頼性、特にTO効果利用の素子に比べて省電力
化、簡易化の転移大きな改善が見られた。
【0084】〔実施例7〕図16は本発明の自己保持型
光導波路素子の第7の実施例を説明するための図であっ
て、(a)は上面図、(b)は(a)のe−e線に沿う
断面図である。73は方向性結合器、74はホトクロミ
ック材料を一定重量%添加した高分子クラッド、75は
高分子クラッド、76は石英導波路コア、77は石英ガ
ラスクラッド、78はシリコン基板である。素子の大き
さは長さ80mm、幅4.5mmである。両方の高分子
クラッド部分の長さは20mmである。高分子クラッド
の高分子としてフッ素化メチルメタクリレートとメチル
メタクリレートの共重合体を用いた。また、ホトクロミ
ック材料として無水マイレン酸基を有するジアリールエ
テンを用いた。このホトクロミック材料は屈折率の自己
保持性に優れ、80℃で3カ月以上の安定性を有するこ
とが知られている。
【0085】この2入力2出力光スイッチを実施例6と
同様に石英ガラス窓付き容器に収納し、コネクタ付きフ
ァイバを取り付けて、スイッチ素子とした。この構成を
図17に示した。
【0086】図17において79は2×2光スイッチ、
80は容器、81は石英ガラス窓、82は上蓋、83は
コネクタ付き光ファイバである。これを動作するには、
ホトクロミック材料を添加した高分子クラッド84の屈
折率を光反応効果によって変化させる必要がある。実施
例6と同様に動作させるために紫外線光源、可視光源、
およびバンドパスフィルタを準備した。
【0087】この2×2スイッチを動作させるにはレー
ザーダイオード(波長1.55μm、出力1mW;図示
略)の出力光を光ファイバ83を通じて2×2スイッチ
の入射ポートBに入射させる。次に図16に示すように
出射ポートCとDにつながっている光ファイバを2台の
GaAs受光装置(図示略)にそれぞれ接続する。この
状態で出射ポートCの光の出力が800μWであること
が確認された。このことから、その素子の1.55μm
での挿入損失は1dBであることがわかった。出射ポー
トDでの光出力は8μWであった。次に、容器80の上
蓋82を取り外し、上部から図示しないハロゲンランプ
(150W)を440nmのバンドパスフィルタ(V4
4、東芝ガラス製;図示略)を通して、5秒間照射し
た。このときの照射強度はおよそ40mW/cm2 であ
った。次に照射1分後、波長670nmの可視レーザー
ダイオード(出力20mW)をビームエクスパンダによ
り幅5mm、長さ20mmに広げ、ホトクロミック材料
添加高分子クラッド74に向けて5秒間照射した。この
ときの光照射強度は20mW/cm2 であった。
【0088】このとき波長1.55μmのレーザー光の
出射ポートCとDの光出力変化を図18に示した。44
0nmの光を照射する前は入射ポートBに入射した光は
ポートCに出射され、ポートDには出射されない(クロ
ススイッチ状態)。次に、440nmの光を石英ガラス
窓21を通して照射すると1秒後に出射ポートCの出射
光が90%以上低下し、逆に出射ポートDの出射光の強
度が増加した。数秒後には両出射光ポートの光出力は逆
転した(バースイッチ状態)。この440nmの光の照
射は5秒間行った。出射ポートDでは800μWの出力
が、出射ポートCでは8μWの光出力が観測された。こ
の結果、90%応答速度1秒、クロストーク20dBが
達成された。440nmを照射してから1分後に波長6
70nmのレーザーダイオードを照射したところ、クロ
ススイッチ状態に数秒で変化した。この670nmの照
射は5秒間行った。上蓋82を完全に閉じて、無電力で
クロススイッチ状態を維持させた。1.55μmの光を
通したままで50時間後に出射ポートCの光出力を調べ
たところ、その変動は0.1%以内であった。光を通し
たまま3カ月後の変動を調べたところ0.5%以内であ
った。このように、長期に亘り、無電力、無調整でクロ
ス状態あるいはバー状態を一定に自己保持できることが
確認された。
【0089】さらに方向性結合器73を波長無依存型
(WINC)として、レーザーの波長を1.3μmにし
て、1.55μmの場合と同様の実験を行ったところ、
同様な結果が得られた。
【0090】この結果から明らかなように半固定の2×
2光スイッチとして用いた場合、従来の技術に比べて、
安定性、信頼性、特にTO効果利用の素子に比べて省電
力化、無保守化の点で大きな改善が見られた。
【0091】〔実施例8〕図19は本発明の光導波路素
子の第8の実施例を説明する図であって、91はシリコ
ン基板、92は下部クラッド、93は上部クラッド、9
4はコア、95および96は3dB方向性結合器、97
はホトクロミック材料添加高分子クラッド、98は高分
子クラッド、99は石英ガラス板、100は光吸収剤添
加高分子コア、Aは光入射ポート、Cは光出射ポート、
Eはマッハツェンダー第1アーム、Fはマッハツェンダ
ー第2アームである。
【0092】図20は図19中のf−fの線矢視方向の
拡大断面図、図21は図19中のg−g線矢視方向の拡
大断面図である。図20はマッハツェンダーアーム部中
央の断面図であり、第1アームEにのみホトクロミック
材料添加の高分子が用いられ、その長さは5mmであ
る。図21はガラスコア部を光吸収剤添加高分子コア1
00に置き換えた部分の断面を示したもので上部クラッ
ドとして石英ガラス板99が用いられている。このコア
部100の長さは5mmである。素子の全体の長さは5
0mm、幅5mmである。
【0093】これを作製するにはシリコン基板91の上
に火炎堆積法(FHD法)により、初めに下部クラッド
92を作製し、次にコア部となる層を作製し、リアクテ
ィブイオンエッチング(RIE)装置で図19の破線で
示したコアの形にする。次に高分子クラッド97および
98を除いた部分に上部クラッド93を作製する。最後
に、高分子コア100部分を図21の断面図のようにリ
アクティブイオンエッチング(RIE)装置で切削す
る。
【0094】ホトクロミック材料(ここではベルフルオ
ロシクペンテン環あるいは無水マレイン酸を持つジアリ
ールエテンを用いた)を10重量%添加した高分子(フ
ッ素化メチルメタクリレートとメチルメタクリレートの
共重合体)で乾燥後屈折率が1.444(波長1.55
μm)になるように屈折率を調整した高分子溶液を第1
アームEに高分子溶液として塗布した。一方、第2アー
ムFには乾燥後の屈折率が1.444(波長1.55μ
m)になるように調整したフッ素メチルメタクリレート
とメチルメタクリレートの共重合体の高分子溶液を塗布
した。さらにこれら高分子クラッド上に高分子あるいは
金属蒸着膜で保護膜101を形成した。
【0095】次に、光吸収剤添加高分子コアを作製する
ために紫外線吸収剤(最大吸収波長353nm、商品名
チヌビン326)と可視光吸収剤(最大吸収波長550
nm、商品名ディスバースファーストバイオレット5
R)をそれぞれ1重量%を共に高分子(フッ素化メチル
メタクリレートとメチルメタクリレートの共重合体)に
混ぜて、高分子溶液を作製した。これを長さ5mmの光
吸収剤添加高分子コア部100に塗布した。乾燥後の高
分子の屈折率は1.448(波長1.55μm)になる
ように調整されている。該注入した高分子溶液の溶媒が
十分に蒸発した後にこの部分を加温(80℃から120
℃)しながら石英ガラス板99をRIEでエッチングし
た部分に押し込んだ。軽く押し付けると軟化した高分子
はコア部および石英ガラス板99に隙間なく充填され
た。さらに、石英ガラス板99と上部クラッド93の隙
間にエポキシ系接着剤102を塗布し、これと反対の光
透過方向のわずかな隙間には高分子クラッド98と同一
材料である高分子溶液を塗布した。以上の手順で光遠隔
制御型の自己保持可変減衰器が作製された。
【0096】これを動作するには、光信号を光入射ポー
トAから光ファイバで導入し、制御光を素子上面から照
射して、光信号の光強度可変を行うことができる。一
方、制御光を信号光に重ねて光ファイバから入射し、減
衰量の加減を遠隔制御によって行うこともできる。遠隔
制御には次の光源を用いた。水銀キセノンランプ(20
0W、1600mW/cm2 )の照射光を365nmの
バンドパスフィルタ(バンド幅10nm)を通し、単色
化したのち、レンズコリメータ系で光通信用石英系シン
グルモードファイバに直接入射させたものとキセノンラ
ンプ(200W)の照射光を550nmのバンドパスフ
ィルタ(バンド幅50nm)を通し、単色化したのち、
同様にレンズコリメータ系で光通信用石英系シングルモ
ードファイバに直接入射させたものを用いた。これら2
つの光源を一本の光ファイバにまとめた後、およそ1k
mの伝送を行った。紫外線では0.9mW、可視光では
0.6mWの光出力がファイバ末端で得られた。この光
ファイバは制御光とともに信号光を伝送することが可能
である。
【0097】入射ポートAでの1.55μmの光強度は
1000μWであり、出射ポートCからの光出力は90
0μW(挿入損失0.46dB)であった。次に水銀キ
セノンランプの照射光をシャッターを10秒間開けて照
射したところ、たたちに光出力が9μWとなり、これ以
上減光しなかった。暗状態で10分間保持した後にキセ
ノンランプの照射光を同様に10秒間照射したところ、
今度は逆に出射ポートCの光出力が900μWとなっ
た。また、次に水銀キセノンランプの照射光をシャッタ
ーを4秒間開けて照射したところ、ただちに光出力が4
00μWとなり、この状態は暗状態で長時間安定(2ケ
月以上)に保持された。この状態は可視光および紫外光
を交互にあるいは続けて照射し、これらの照射光量を変
えることで任意の光減衰量(可変減衰量範囲0〜20d
B)を得ることができた。いったん、遠隔操作で設定さ
れた減衰量は暗状態で長時間の安定性を示した。
【0098】導波してきた制御光(356nm、550
nm)が出射ポートCから出射されることは光信号処理
にとって好ましくない。このための紫外光、可視光を吸
収する光吸収剤添加高分子コア部100を出射ポートの
直前に設置した。紫外光の減衰量は70dB、可視光の
減衰量は83dBであった。一方、通信波長帯域ではそ
の挿入損失は0.1dB以内であった。このように光出
射ポート直前にフィルタを構成することで制御光の光信
号検出系への悪影響を取り除くと共に出射ポートからの
紫外光、可視光の入射による素子動作の不安定性も同時
に取り除くことができた。この結果、自己保持型の可変
光減衰器(可変減衰量範囲;0〜20dB、挿入損失:
0.46dB)が実現できた。しかも、石英系光ファイ
バを用いた1kmの光遠隔制御が可能なことがわかっ
た。
【0099】さらに、周囲温度を−20℃から80℃ま
で変化させたヒートサイクル試験(サイクル時間1時
間)でも500回以上のサイクルで任意の減衰量下での
光出力変動は0.1%以内と良好な安定性を示した。
【0100】〔実施例9〕図22は本発明の光導波路素
子の第9の実施例を説明する図であって、111はシリ
コン基板、112は下部クラッド、113は上部クラッ
ド、114はコア、115および116は3dB方向性
結合器、117はホトクロミック材料添加高分子クラッ
ド、118は高分子クラッド、119は石英ガラス板、
120は光吸収剤添加高分子コア、AおよびBは光入射
ポート、CおよびDは光出射ポート、Eはマッハツェン
ダー第1アーム、Fはマッハツェンダー第2アームであ
る。素子の全体の長さは50mm、幅5mmである。
【0101】これを作製するにはシリコン基板111の
上に火炎堆積法(FHD法)により、初めに下部クラッ
ド112を作製し、次にコア部となる層を作製し、リア
クティブイオンエッチング(RIE)装置で図22の破
線で示したコアの形にする。次に高分子クラッド117
および118を除いた部分に上部クラッド113を作製
する。最後に、高分子コア120部分を第8の実施例に
おける高分子コア100(図21参照)のようにリアク
ティブイオンエッチング(RIE)装置に切削する。
【0102】ホトクロミック材料(ここではベルフルオ
ロシクロペンテン環あるいは無水マレイン酸を持つジア
リールエテンを用いた)を10重量%添加した高分子
(フッ素化メチルメタクリレートとメチルメタクリレー
トの共重合体)で乾燥後屈折率が1.444(波長1.
55μm)になるように屈折率を調整した高分子溶液を
第1アームEに高分子溶液として塗布した。一方、第2
アームFには乾燥後の屈折率が1.444(波長1.5
5μm)になるように調整したフッ素化メチルメタクリ
レートとメチルメタクリレートの共重合体の高分子溶液
を塗布した。さらにこれらの上に高分子あるいは金属蒸
着膜の保護膜を形成した。
【0103】次に、紫外線吸収剤(最大吸収波長353
nm、商品名チヌビン326)と可視光吸収剤(最大吸
収波長550nm、商品名ディスバースファーストバイ
オレット5R)をそれぞれ1重量%を共に高分子(フッ
素化メチルメタクリレートとメチルメタクリレートの共
重合体)に混ぜ、これを光吸収剤添加高分子溶液とし
た。これを長さ5mmの光吸収剤添加高分子コア部12
0に塗布した。乾燥後の高分子の屈折率は1.448
(波長1.55μm)になるように調整されている。
【0104】該注入した高分子溶液の溶媒が十分に蒸発
した後にこの部分を加温(80℃から120℃)しなが
ら石英ガラス板119をはめ込んだ。軽く押し付けると
軟化した高分子はコア部と石英ガラス板119の間に隙
間なく充填された。さらに、石英ガラス板119と上部
クラッド113の隙間にエポキシ系接着剤を塗布し、光
透過方向のわずかな隙間には高分子溶液(ただし高分子
クラッド118を作製したものと同じもの)を塗布し
た。
【0105】これを動作するには制御光を素子上面から
照射して、スイッチングを行う方法と以下に述べる光フ
ァイバによる光遠隔制御によってスイッチングを行う方
法がある。
【0106】遠隔制御用光源として、水銀キセノンラン
プ(200W、1600mW/cm2 )の365nmバ
ンドパスフィルタ装着)の照射光をレンズコリメータ系
で光通信用石英系シングルモードファイバに直接入射さ
せたものとキセノンランプ(200W、550nmバン
ドパスフィルタ装着)の照射光を同様に光ファイバに直
接入射させたものを用いた。これらの光ファイバを1本
にまとめ、長さ1kmとして、素子の入射ポートBに接
続した。入射ポートでの紫外光強度は0.9mW、可視
光では0.6mWの光強度であった。
【0107】入射ポートAには信号光用シングルモード
ファイバを1本、出射ポートCおよびDにもそれぞれシ
ングルモードファイバを接続した。入射ポートAにレー
ザダイオード(波長1.55μm、出力1mW)からの
光を入射させ、出射ポートCおよびDの光ファイバはそ
れぞれ2台のGaAs受光装置に接続した。出射ポート
Cからの光出力は900μWで、出射ポートDからの光
出力は10μWであった。次に水銀キセノンランプの照
射光をシャッターを10秒間開けて、入射ポートBから
光制御用ファイバを通じて照射したところ、ただちに出
射ポートDの光出力が900μWとなり、出射ポートC
の光出力が10μWとなった。この状態を10分間保持
した後にキセノンランプで照射光を同様に10秒間照射
したところ、今度は逆に出射ポートCの光出力が900
μWとなり、出射ポートDの光出力が10μWとなっ
た。屈折率制御のために導波してきた制御光(356n
m、550nm)が出射ポートCおよびDから出射され
ることは光信号処理にとって好ましくない。このための
紫外光、可視光を吸収し、信号光のみ通過させるように
光吸収剤添加高分子コア部120を出射ポートCおよび
Dの直前に設置した。紫外光の減衰量は70dB、可視
光の減衰量は83dBであった。一方、通信波長帯域で
はその挿入損失はたかだか0,1dBであった。このよ
うに光出射ポートCおよびD側にフィルタを構成するこ
とで光信号への悪影響を取り除くと共に出射光ポートか
らの紫外光、可視光の入射による素子動作の不安定性も
同時に取り除くことができた。この結果、この自己保持
性を有する光スイッチは高い信頼性とともに消光比:−
19.5dB、挿入損失:0.58dBのスイッチ特性
を有していることがわかった。しかも、石英系光ファイ
バを用いた1kmの遠隔光スイッチ制御が可能なことが
わかった。
【0108】さらに、前記光スイッチを暗所に1年以上
放置しても、900μWの光出力の変動は0.1%以内
と良好な安定性を示した。また、光温度を−20℃から
80℃まで変化させたヒートサイクル試験(サイクル時
間1時間)でも500回以上のサイクルで光出力変動率
0.1%以内と良好な安定性を示した。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、コ
アを伝搬する光の位相を手軽に設定でき、しかも長期に
亘って安定かつ無電力、無制御で維持できるため、手軽
に位相設定ができる半固定位相調整器あるいは長期の位
相維持機能を持つ自己保持型光導波路素子を提供でき
る。
【0110】例えば、自己保持動作が可能な光減衰器、
自己保持動作が可能な光スイッチ、導波路位相高精度調
整器、位相自己保持型リング共振器、リング共振器付き
マッハツェンダー干渉回路、多チャネル周波数選択スイ
ッチ、多チャネル光合分波器、位相干渉効果型トランス
バーサルフィルタ、チューナプル光結合器等が挙げられ
る。この中で導波路位相高精度調整器は光集積回路の工
場出荷前の最終位相調整装置に利用することができる。
また、2×2光スイッチに代表されるN×N光スイッチ
は、光交換機に入る前の光ファイバ集線装置の回線切替
え、光加入者の宅内配線切替えの自己保持動作光スイッ
チに利用でき、機械的動作無しの回線切替えが可能であ
り、信頼性の改善、簡便さ等が実現できる。
【0111】また、前記素子の制御はストロボ等を使用
してその場で簡単に可能であるとともに、シングルモー
ドファイバを用いた光伝送によっても可能なため、光だ
けによる素子の遠隔制御が可能である。このため、光加
入者系光伝送切替えスイッチとして、また、光LANへ
の応用等も可能である。
【0112】以上述べたように本発明は従来の光導波路
素子の位相制御に新たな展開を与えるものであり、光通
信産業の発展に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導波路素子の第1の実施例の構成を
示す斜視図である。
【図2】図1中のa−a線矢視方向の拡大断面図であ
る。
【図3】図1中のb−b線矢視方向の拡大断面図であ
る。
【図4】図1に示した光導波路素子である光スイッチの
スイッチング特性を示す図である。
【図5】本発明の光導波路素子の第2の実施例の構成を
示す斜視図である。
【図6】本発明の光導波路素子の第3の実施例の構成を
示す斜視図である。
【図7】図6中のc−c線矢視方向の拡大断面図であ
る。
【図8】図6中のd−d線矢視方向の拡大断面図であ
る。
【図9】本発明の光導波路素子の第4の実施例の構成を
示す斜視図である。
【図10】本発明の光導波路素子の第5の実施例の構成
を示す斜視図である。
【図11】図に示した光導波路素子における溝状のコア
の変形例の構成を示す一部を省略した斜視図である。
【図12】本発明の光導波路素子の第6の実施例である
自己保持型Y分岐マッハツェンダー導波路素子の構成を
示す模式的斜視図である。
【図13】図12に示した導波路素子を容器に収容した
半固定型光減衰器の構成を示す模式的斜視図である。
【図14】図13に示した半固定型光減衰器に対する特
定波長域の光照射によって変化した波長1.55μmの
レーザ光の出力変化曲線を示す特性図である。
【図15】図14における光出力変化後に光出力を半減
させた状態での出力安定性を示す特性図である。
【図16】本発明の自己保持型光導波路素子の第7の実
施例である2×2光スイッチの構成を示す図であって、
(a)は上面図、(b)は(a)におけるe−e線に沿
う断面図である。
【図17】図16に示した2×2光スイッチを収納容器
に収納した半固定2×2光スイッチの構成を示す模式的
斜視図である。
【図18】図17に示した半固定2×2光スイッチに対
する光照射で変化させたクロスバースイッチ特性曲線を
示す特性図である。
【図19】本発明の光導波路素子の第8の実施例の構成
を示す斜視図である。
【図20】図19中のf−f線矢視方向の拡大断面図で
ある。
【図21】図19中のg−g線矢視方向の拡大断面図で
ある。
【図22】本発明の光導波路素子の第9の実施例の構成
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,11,41 シリコン基板 2,12,13,42,43 クラッド 3,14,44 コア 4,5,15,16,23,26,33,36,45,
46 3dB方向性結合器 6,17,22,47,50 石英ガラス板 7,18,24,34,48 ホトクロミック材料を添
加した高分子コア 8,25,35 高分子コア 9,49,52 高分子クラッド 10 接着剤 21 石英ガラス基板 27,37,51 光吸収剤を添加した高分子コア 31 プラスチック基板 32 プラスチック板 61 シリコン基板 62 火炎堆積法により作製した下部の石英ガラスクラ
ッド 63 同法により作製したコア(9μm×9μm、Δn
=0.3%) 64 上部ガラスクラッド 65 Y分岐コア 66 高分子クラッド 67 PC材料を10重量%添加した高分子クラッド 68 マッハツェンダ干渉計 69 容器 70 石英ガラス窓 71 上蓋 72 コネクタ付き光ファイバ 73 方向性結合器 74 PC材料を一定重量%添加した高分子クラッド 75 高分子クラッド 76 石英導波路コア 77 石英ガラスクラッド 78 シリコン基板 79 2×2光スイッチ 80 容器 81 石英ガラス窓 82 上蓋 83 コネクタ付き光ファイバ 91 シリコン基板 92 下部クラッド 93 上部クラッド 94 コア 95,96 3dB方向性結合器 97 ホトクロミック材料を添加した高分子クラッド 98 高分子クラッド 99 石英ガラス板 100 光吸収剤を添加した高分子コア 101 保護膜 102 接着剤 111 シリコン基板 112 下部クラッド 113 上部クラッド 114 コア 115,116 3dB方向性結合器 117 ホトクロミック材料を添加した高分子クラッド 118 高分子クラッド 119 石英ガラス板 120 光吸収剤を添加した高分子コア A,B,I,J,O,P,U,V 光入射ポート C,D,K,L,Q,R,W,X 光出射ポート E,M,S マッハツェンダー第1アーム F,N,T マッハツェンダー第2アーム G,Z 下部アーム H,Y 上部アーム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともコアとクラッドからなる光導
    波路素子であって、 前記コアの少なくとも一部は、該コアの屈折率を特定波
    長域の光の照射のみによって変化せしめる有機化合物を
    含むものであることを特徴とする光導波路素子。
  2. 【請求項2】 少なくともコアとクラッドからなる光導
    波路素子であって、前記クラッドの少なくとも一部は、
    該クラッドの屈折率を特定波長域の光の照射のみにより
    変化せしめる有機化合物を含むものであることを特徴と
    する光導波路素子。
  3. 【請求項3】 少なくともコアとクラッドからなり、該
    コアおよびクラッドのうち少なくとも一方が該一方の屈
    折率を特定波長域の光の照射のみによって変化せしめる
    有機化合物を含む光導波路素子の制御方法であって、 前記コアの一端から前記特定波長域の光を照射し、該照
    射により前記コアまたはクラッドの屈折率を変化させ、
    前記コアを伝搬する光の位相を制御することを特徴とす
    る光導波路素子の制御方法。
  4. 【請求項4】 少なくともコアとクラッドからなり、該
    コアおよびクラッドのうち少なくとも一方が該一方の屈
    折率を特定波長域の光の照射のみによって変化せしめる
    有機化合物を含む光導波路素子の制御方法であって、 前記光導波路素子の光導波路に直交する方向から前記特
    定波長域の光を照射し、該照射により前記コアまたはク
    ラッドの屈折率を変化させ、前記コアを伝搬する光の位
    相を制御することを特徴とする光導波路素子の制御方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2020027128A (ja) * 2018-08-09 2020-02-20 日本電信電話株式会社 光導波路デバイスを透過する信号光の透過波長を調整する方法
CN113495396A (zh) * 2020-04-08 2021-10-12 富士通光器件株式会社 光调制器

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