JPH06323303A - 油圧アクチュエータ駆動装置 - Google Patents

油圧アクチュエータ駆動装置

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JPH06323303A
JPH06323303A JP5135350A JP13535093A JPH06323303A JP H06323303 A JPH06323303 A JP H06323303A JP 5135350 A JP5135350 A JP 5135350A JP 13535093 A JP13535093 A JP 13535093A JP H06323303 A JPH06323303 A JP H06323303A
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JP
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hydraulic
control
speed
hydraulic cylinder
oil
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Withdrawn
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JP5135350A
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English (en)
Inventor
Hideyo Iwata
英世 岩田
Hirokatsu Tsuda
裕功 津田
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JTEKT Machine Systems Corp
Original Assignee
Koyo Machine Industries Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工作機械等の精密機械において、油圧アクチ
ュエータの作動速度を高い精度をもって多段階または無
段階に可変制御する。 【構成】 油圧ポンプ2を回転駆動させる駆動モータ3
を、制御部4により可変に制御することにより、油圧シ
リンダ1へ供給される作動油の流量を多段階または無段
階に連続的に可変制御して、油圧シリンダ1の作動速度
を高精度に制御する。この制御手段としてインバータ制
御を採用し、簡単な電気的回路構成のみで油圧シリンダ
1の作動速度制御を実現する。また、作動油の粘性変化
量に基づいて、油圧シリンダ1へ供給される作動油の流
量を補正し、作動油の温度上昇による粘性変化が油圧シ
リンダ1の作動速度に与える影響を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は油圧アクチュエータ駆動
装置に関し、さらに詳細には、工作機械等の精密機械に
おいて、油圧シリンダや油圧モータ等の油圧アクチュエ
ータの作動速度を多段階または無段階に可変制御すると
ともに、油圧アクチュエータの作動油の粘性変化に伴う
作動速度変化を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、工作機械における油圧シリンダ
の駆動装置としては、図6に示すような構成のものが一
般的である。
【0003】この駆動装置は自動砥石車交換装置に備え
られるものであって、アクチュエータである油圧シリン
ダaの後部室bと前部室cに、油圧回路を構成する前進
側管路dと後退側管路eがそれぞれ連通されている。こ
れら両管路d,eは、電磁式切換弁(三位置)fを介し
て、油圧源を構成する可変容量形油圧ポンプgと油タン
クhに選択的に接続可能とされるとともに、この油圧ポ
ンプgがかご形3相誘導電動機iにより駆動制御される
構成とされている。jは戻り管路、kはストレーナ、l
は油圧計、mはチェック弁、nはパイロット操作チェッ
ク弁をそれぞれ示している。
【0004】また、上記かご形3相誘導電動機iには常
に一定の電源電圧が供給されて、この電動機iつまり油
圧ポンプgが一定速度で回転駆動するため、その作動油
の吐出流量は一定である。このため、油圧シリンダaの
作動速度を可変に制御する装置として、上記油圧シリン
ダaと切換弁fとの間の油圧回路には、スピードコント
ロールユニットoが介装されている。
【0005】このスピードコントロールユニットoは、
具体的には、油圧シリンダaの低速作動時のノッキング
を防止するためメータ・アウト回路が採用されており、
前進側管路d側に一つのチェック弁付流量制御弁qが設
けられるとともに、後退側管路eに、二つのチェック弁
付流量制御弁q1 ,q2 とこれらを切換制御する電磁式
切換弁(二位置)rとが設けられている。
【0006】つまり、上記チェック弁付流量制御弁q,
1 ,q2 は、いずれも油圧シリンダaへの作動油の流
れがチェック弁を介した自由流れとされるとともに、油
圧シリンダaからの戻り油の流れが可変絞りを介した調
節流れとされて、前進が2段絞り、後退が1段絞りの速
度切換制御とされている。
【0007】しかして、油圧シリンダaの前進動作時
は、切換弁fの切換操作により、前進側管路dが油圧源
g,hに連通されるとともに、後退側管路eが戻り管路
jに連通される。この状態で電動機iにより油圧ポンプ
gが回転駆動されると、油タンクhの作動油が、切換弁
fから前進側管路dのチェック弁n1 および流量制御弁
qのチェック弁を介して、油圧シリンダaの後部室bへ
供給されて、ピストンロッドpを押圧して前進させる。
これと同時に、油圧シリンダaの前部室c内の作動油
は、ピストンロッドpの前進動作により押し出されて、
後退側管路eの流量制御弁q1 またはq2 の可変絞りに
より絞られた後、パイロット操作(図6の点線参照)に
よるチェック弁n2 、切換弁fおよび戻り管路jを介し
て、油タンクhへ還流される。この時、切換弁rの切換
操作により、上記流量制御弁q1 またはq2 のいずれか
一方が選択されて、ピストンロッドpの前進速度が2段
階に調節される。
【0008】これに対して、油圧シリンダaの後退動作
時は、切換弁fの切換操作により、後退側管路eが油圧
源g,hに連通されるとともに、前進側管路dが戻り管
路jに連通される。すると前記と逆に、油タンクhの作
動油は、切換弁fから後退側管路eのチェック弁n2
よび流量制御弁q1 またはq2 のチェック弁を介して、
油圧シリンダaの前部室cへ直接供給されて、ピストン
ロッドpを押圧して後退させる。これと同時に、油圧シ
リンダaの後部室b内の作動油は、ピストンロッドpの
後退動作により押し出されて、前進側管路dの流量制御
弁qの可変絞りにより絞られた後、パイロット操作(図
6の点線参照)によるチェック弁n1 、切換弁fおよび
戻り管路jを介して、油タンクhへ還流される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成では次のような問題点があり、その改良が要望
されていた。
【0010】(1) スピードコントロールユニットoは、
流量制御弁q,q1 ,q2 および切換弁r等の油圧機器
により構成されているところ、油圧シリンダaの作動速
度を複数段階に制御するには、その段階数分だけの油圧
機器が必要である。例えば、図示例においては前進速度
を2段階に制御するため、二つの流量制御弁q1 ,q2
とこれらを選択的に切り換える切換弁rが必要である。
【0011】これがため、装置を構成する部品点数が多
くて、装置構成の複雑化、大型化さ等にはコスト高を招
いており、この問題は、特に、アクチュエータとしての
油圧シリンダaが通常複数台設けられ、これに対応した
数のスピードコントロールユニットoが必要な工作機械
において顕著であった。
【0012】(2) また、油圧機器により構成されるスピ
ードコントロールユニットoにおいては、多段階さらに
は無段階の連続的な速度制御は構造上不可能であり、作
動速度を滑らかに変化させることが不可能であった。
【0013】例えば、図6に示す駆動装置における油圧
シリンダa前進時の速度制御は、図7に示すようにな
る。つまり、前半は比較的高速(例えば流量制御弁q1
の可変絞りの作用)で前進するが(立ち上がり区間から
通常移動区間参照)、研削砥石車という重量物を搬送等
するため、停止時の慣性による揺れや衝撃を和らげるた
めに、後半は一旦低速(例えば流量制御弁q2 の可変絞
りの作用)に切換られてから停止する(立ち下がり区間
参照)ように構成されている。
【0014】ところがこのような構成では、立ち上がり
区間と立ち下がり区間での作動速度変化が一定(直線
的)で、滑らかな前進動作が望めない。そればかりか、
通常移動(トップ速度)区間における前進速度を速くす
ると、立ち上がり区間の速度変化(加速度)が大きくな
って、搬送物の揺れが激しくなるとともに、立ち下がり
時の低速への切換により、搬送時間(作動サイクル)も
長くなってしまう。
【0015】(3) さらに、従来の油圧シリンダaの作動
速度制御においては、作動油の温度上昇による粘性変化
はそれほど重要視されていなかったが、近年の工作機械
等の精密機械において要求される制御精度の向上に伴
い、これらの影響も無視できなくなってきており、この
点からの技術開発の要請も高まっていた。
【0016】この点については、圧力温度補償機能付き
の流量制御弁も既に開発・実用化されており、その利用
も考えられているが、この流量制御弁にあってもまだ精
度的に高い水準にあるとはえいず、特に、工作機械にお
ける油圧シリンダのような精密な速度制御にはまだ満足
できるものではなかった。
【0017】以上の問題点は、油圧シリンダに限られ
ず、油圧モータなどの他の油圧アクチュエータにおいて
も共通の問題であった。
【0018】本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的とするところは、工作機械
等の精密機械において、油圧アクチュエータの作動速度
を高い精度をもって多段階または無段階に可変制御する
ことができる構成を備えた油圧アクチュエータ駆動装置
を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の油圧アクチュエータ駆動装置は、油圧アク
チュエータの油圧回路に介設されて、この油圧アクチュ
エータへ作動油を供給する油圧ポンプと、この油圧ポン
プを回転駆動する駆動モータと、この駆動モータの回転
速度を可変に制御する駆動モータ制御手段とを備えてな
ることを特徴とする。
【0020】好適には、上記駆動モータは電動モータで
あり、上記駆動モータ制御手段は、この電動モータの電
源周波数を制御するインバータと、このインバータを制
御する制御装置とを備える。
【0021】また、上記制御装置は、基準作動速度の制
御プログラムを設定する基準速度設定手段と、この基準
速度設定手段の制御プログラムに応じて、上記インバー
タへ制御周波数データを出力する制御信号出力手段と、
上記油圧回路の作動油の粘性変化量に基づいて基準作動
速度補正量を演算し、上記制御信号出力手段の出力信号
を補正する作動速度補正量演算手段とを備えてなる。
【0022】
【作用】本発明においては、油圧ポンプを回転駆動させ
る駆動モータを、駆動モータ制御手段により可変に制御
することにより、油圧シリンダ等へ供給される作動油の
流量を多段階さらには無段階に連続的に可変制御して、
油圧シリンダ等の作動速度を高精度に制御する。
【0023】上記駆動モータ制御手段としてインバータ
制御を採用することによって、簡単な電気的回路構成の
みで油圧アクチュエータの作動速度制御を実現する。
【0024】また、油圧回路の作動油の粘性変化量に基
づいて、油圧アクチュエータへ供給される作動油の流量
を補正することにより、作動油の温度上昇による粘性変
化が油圧アクチュエータの作動速度に与える影響を防止
する。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0026】本発明に係る油圧アクチュエータ駆動装置
を図1に示し、この駆動装置は、具体的には、工作機械
において自動砥石交換装置のアクチュエータである油圧
シリンダ1を作動制御するためのものであって、油圧シ
リンダ1の油圧回路に介設されて、この油圧シリンダ1
へ作動油を供給する油圧ポンプ2と、その駆動源である
駆動モータ3と、この駆動モータ3を駆動制御する制御
部(駆動モータ制御手段)4とを主要部として構成され
ている。
【0027】油圧シリンダ1は、そのピストンロッド1
aが図示しない砥石運搬台に接続されるとともに、その
油圧回路は、図6に示す従来の駆動装置と同様な基本構
成を備える。つまり、油圧シリンダ1の後部室1bと前
部室1cに、前進側管路5と後退側管路6がそれぞれ連
通されるとともに、これら両管路5,6が、電磁式切換
弁(三位置)7を介して、油圧源である油圧ポンプ2と
油タンク8に選択的に接続される構成とされている。
【0028】なお、図1において、10は戻り管路、1
1はストレーナ、12は油圧計、13は油圧ポンプ2か
ら吐出される作動油の逆流を防止するチェック弁をそれ
ぞれ示している。また、14a,14bは上記切換弁7
の下流側に配置されたパイロット操作チェック弁を示
す。これらチェック弁14a,14bは、それぞれ前進
側管路5と後退側管路6に配設されており、切換弁7が
ニュートラル位置(中央位置)にある状態で、油圧シリ
ンダ1のピストンロッド1aに前進方向または後退方向
の外力が加わった時、作動油のリークを防止して、ピス
トンロッド1aの移動を防止する機能を有する。
【0029】油圧ポンプ2は可変容量形のものであり、
その吐出流量が調節可能とされている。また、この油圧
ポンプ2を回転駆動する駆動モータ3は電動モータで、
具体的には、従来この種の駆動装置で汎用されているか
ご形3相誘導電動機が使用され、その回転速度が上記制
御部4により可変に制御される構成とされている。
【0030】制御部4は、上記電動機3に与える電源周
波数を制御するインバータ15と、このインバータ15
を制御する制御装置16とを備えてなる。
【0031】この制御装置16は、CPU、ROM、R
AMおよびI/Oポートなどからなるマイクロコンピュ
ータで構成されており、具体的には、図2に示すよう
に、速度設定部17と補正演算部(作動速度補正量演算
手段)18を備える。また、速度設定部17は、基準速
度設定回路(基準速度設定手段)19と制御信号出力回
路(制御信号出力手段)20とから構成されている。
【0032】基準速度設定回路19は、基準作動速度の
制御プログラムを設定するもので、具体的には、油圧シ
リンダ1の作動(前進・後退)時の制御プログラムと、
油圧シリンダ1の停止時の制御プログラムとが、NC
(数値制御)データとして予めまたは図示しない操作盤
のキーボード等により適宜選択的に入力設定されてい
る。
【0033】上記油圧シリンダ1作動時の制御プログラ
ムとしては、例えば図3の基準作動速度線図に示すよう
に、油圧シリンダ1の作動速度Vが、その立ち上がり時
と立ち下がり時がほぼS字状のゆるやかなカーブを描く
ような速度分布(無段階に速度変化)をもって制御され
るべくプログラム設定されている。つまり、運搬物であ
る研削砥石車の移動開始時は低速加速で移動を始め、通
常移動時は高速(トップ速度)で移動し、さらに停止時
には低速減速で停止させることにより、揺れのない高速
安全な運搬を可能とする。研削砥石車を装着しない後退
時(リターンバック時)は、前進時よりもさらに高速で
移動させる。
【0034】また、上記油圧シリンダ1停止時の制御プ
ログラムとしては、油圧ポンプ2が低速の一定速度(1
0数rpm)で回転して、油圧シリンダ1に作動油が常
時一定量供給されて、ピストンロッド1aに所定の一定
圧力がかかるようにプログラム設定されている。つま
り、作動油の昇温抑制と省エネルギ化を計りつつ、研削
砥石車のような重量物の吊り上げ時等において、その吊
り上げ状態等を安定して保持する構成とされている。
【0035】制御信号出力回路20は、上述した基準速
度設定回路19の制御プログラムに応じて、その設定さ
れたNCデータを制御周波数(Hz)としてインバータ
15へ与える。そして、このインバータ15による電動
機3の回転数制御が、その電源周波数fを制御すること
により行われることとなる。つまり、このときの電動機
3の回転数N(rpm)は、次式にて一義的に決まる。
【0036】
【数1】
【0037】さらに、この電動機3の電源周波数f(H
z)と油圧シリンダ1のピストンロッド1aの作動速度
V(m/min)とは、次のような完全な形の比例式で
表される。 V=kf …… ここにk(cm3 /rev)は押しのけ容積といい、油
圧ポンプ2の種類(動作特性、例えば上記式参照)と
作動油の粘性v(cm3 /sec)により定まる。
【0038】しかして、電動機3は、基準速度設定回路
19で設定された回転速度をもって駆動されて、油圧ポ
ンプ2が所定の回転速度で回転される。すると、この油
圧ポンプ2の回転数に応じた量の作動油が油タンク8か
ら汲み上げられて、油圧シリンダaの前部室1aまたは
1bへ供給され、シリンダロッド1cは所定の作動速度
をもって前進または後退する。
【0039】補正演算部18は、上記油圧回路5,6の
作動油の粘性変化による油圧シリンダ1への作動油供給
量の変化を補正して、油圧シリンダ1が常時図3に示す
基準作動速度線図に従って作動するようにするためのも
のである。
【0040】すなわち、作動油の温度は装置の稼働によ
り上昇し、この油温上昇に伴ってその粘性も低下するこ
ととなる。つまり、作動油の粘性v(cm3 /sec)
は次式で表され、図4に示す温度特性を持つ。
【0041】
【数2】
【0042】一方、上記式において、油圧シリンダ1
の作動速度Vは押しのけ容積kに比例するところ、この
押しのけ容積kは、作動油の粘性v(cm3 /sec)
に反比例する。したがって、上記の,式から、油圧
シリンダ1のシリンダ室1b,1cへ供給される作動油
の油量は、油温上昇により増加するところとなり、その
結果、油圧シリンダ1の作動速度Vは上記基準作動速度
(図3参照)よりも早くなる。
【0043】ちなみに、この作動速度Vの増加量は、管
路5,6の太さ、長さおよび配管経路、ならびに、油圧
シリンダ1の作動ストロークおよび太さ等によっても異
なるが、試験的・経験的に、作動油の温度が10°C上
昇すると、作動速度が10〜15%早くなることが判明
している。
【0044】例えば図示例の駆動装置において、作動油
の油温tが20℃(基準油温t0 )と25℃の時の、油
圧ポンプ2の回転数(作動油供給量)と油圧シリンダ1
の作動速度(ピストンシリンダ1aの移動速度)の実測
データを示すと、図5のようになる。
【0045】以上より、油圧シリンダ1が、常時図3に
示す基準速度線図に従って作動(前進・後退)するよう
にするためには、図5において、作動油の油温tが25
℃のときの油圧シリンダ1の作動速度Vを、基準油温t
0 (=20℃)のときの基準作動速度V0 に一致させる
べく、油圧ポンプ2つまり電動機3の回転数N(rp
m)を低くなる方向へ補正すればよい。
【0046】ここで、昇温時(油温t)における油圧シ
リンダ1の作動速度V(m/min)は、近似的に次式
で表される。 V=V0 +ΔVn (t−t0 ) ……
【0047】ここに、ΔVn (t−t0 )は昇温による
増速分であり、このとき、油圧シリンダ1の作動速度V
を一定値(=基準作動速度V0 )に維持するためにイン
バータ15に与える周波数f(Hz)は、次式で表され
る。
【0048】
【数3】
【0049】具体的に上記補正量Δfを求めるには、作
動油が基準温度t0 のときの油圧シリンダ1の基準作動
速度V0 と、作動油の昇温(温度t)時の作動速度Vを
それぞれ実測して、これらの実測値から作動油の昇温に
対する作動速度変化量(変化率)ΔVn を求める。
【0050】また、作動速度Vと電動機3の電源周波数
fは、上記式で示したように、完全な形の比例式(V
=kf)で表されるから、実測によりこの式を用いて押
しのけ容積k(cm3 /rev)を求める。
【0051】この目的のため、図示例においては、油タ
ンク8に作動油の温度(油温)を検出する温度センサ2
1が設けられている。この温度センサ21としては、サ
ーミスタや熱電対等が使用される。
【0052】しかして、温度センサ21の出力信号つま
り検出された作動油の油温(アナログ値)は、A/D変
換器(図示省略)によりデジタル値に変換された後、補
正演算部18へ入力される。補正演算部18は、この入
力実測値を、予め記憶されている作動油の油温tと粘性
v(cm3 /sec)の関係式(図4参照)から、現在
の作動油の粘性を演算する。さらに、この粘性結果づい
て、式における周波数補正量Δf=ΔVn /k・(t
−t0 )を演算して、その結果を補正信号として速度設
定部17の制御信号出力回路20へ出力する。
【0053】この補正信号を受け取った制御信号出力回
路20は、式により電動機3の電源周波数fを演算
し、この演算結果をBIN(バイナリ)数に変換してイ
ンバータ15へ速度指令(出力)する。
【0054】次に、以上のように構成された油圧シリン
ダ駆動装置の動作について説明する。
【0055】A.油圧シリンダ1の前進動作:油圧シリ
ンダ1の前進時は、切換弁7の切換操作により、前進側
管路5が油圧源2,8に連通されるとともに、後退側管
路6が戻り管路10に連通される。この状態で電動機3
により油圧ポンプ2が回転駆動されると、油タンク8の
作動油が、切換弁7から前進側管路5の操作チェック弁
14aを介して、油圧シリンダ1の後部室1bへ供給さ
れて、ピストンロッド1aを押圧して前進させる。
【0056】同時に、油圧シリンダ1の前部室1c内の
作動油は、ピストンロッド1aの前進動作により後退側
管路6へ押し出されて、パイロット操作(図1の点線参
照)によるチェック弁14b、切換弁7および戻り管路
10を介して、油タンク8へ還流される。
【0057】この前進時のピストンロッド1aの作動速
度は、制御部4の制御プログラムに従って、図3に実線
で示すように、立ち上がり時と立ち下がり時がほぼS字
状のゆるやかなカーブを描くような速度分布をもって制
御される。
【0058】B.油圧シリンダ1の後退動作:油圧シリ
ンダ1の後退時は、電切換弁7の切換操作により、後退
側管路6が油圧源2,8に連通されるとともに、前進側
管路5が戻り管路10に連通される。すると前進動作時
とは逆に、油タンク8の作動油は、切換弁7から後退側
管路6の操作チェック弁14bを介して、油圧シリンダ
1の前部室1cへ供給されて、ピストンロッド1aを押
圧して後退させる。
【0059】同時に、油圧シリンダ1の後部室1b内の
作動油は、ピストンロッド1aの後退動作により前進側
管路5へ押し出されて、パイロット操作(図1の点線参
照)によるチェック弁14a、切換弁7および戻り管路
10を介して、油タンク8へ還流される。
【0060】この後退時のピストンロッド1aの作動速
度は、制御部4の制御プログラムに従って、図3に破線
で示すように、前進時と同様、立ち上がり時と立ち下が
り時がほぼS字状のゆるやかなカーブを描くような速度
分布をもって制御される。
【0061】B.油圧シリンダ1の停止時:油圧シリン
ダ1の前進位置または後退位置での停止時においても、
電動機3は停止することなく低速で回転されており、油
圧ポンプ2が低速の一定速度(10数rpm)で回転し
て、油圧シリンダ1には一定量の作動油が供給されて、
ピストンロッド1aに常時一定圧がかけられる。これに
より、ピストンロッド1aは外圧により微動等すること
なく、その正確な位置決めが確保される。
【0062】ところで、油圧機器は作動時間が長くなる
につれて、摩擦熱等により作動油の油温tが上昇し、そ
の粘性vは低下することになる。この場合、前述したよ
うに、制御部4の補正演算部18は、上記作動油の粘性
変化量に基づいて、油圧シリンダ1へ供給される作動油
の流量を補正し、作動油の温度上昇による粘性変化が油
圧シリンダ1の作動速度に与える影響を防止する。これ
により、油圧シリンダ1は作動油の粘性如何にかかわら
ず、予め設定された基準作動速度V0 (図3参照)をも
って前進・後退動作される。なお、このような補正動作
は、作動油の油温が低下して粘性が高くなった場合にも
行われる。
【0063】なお、上述した実施例はあくまでも本発明
の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに
限定されることなく、その範囲内において種々設計変更
可能である。
【0064】例えば、図示例においては、温度センサ2
1が油タンク8内の油温を検出するように構成されてい
るが、油圧回路中の油温を検出するようにしてもよく、
またより高い制御精度が要求される場合には、温度セン
サ21を複数箇所に設けて、複数箇所の油温の平均値を
補正演算部3へ入力するようにするなど、目的に応じて
変更可能である。
【0065】また、油圧シリンダ1の基準作動速度V0
は、図3に示される速度分布(速度パターン)に限定さ
れず、やはり目的や使用態様に応じて適宜設定可能であ
る。
【0066】また本発明は、上述した自動砥石車交換装
置の油圧シリンダに限らず、その他の油圧アクチュエー
タ、例えば油圧モータなどにも適用することができる。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
以下に列挙するような種々の特有の効果が得られる。
【0068】(1) 油圧アクチュエータへの作動油の流量
制御が、例えばインバータ等からなる駆動モータ制御手
段により、油圧ポンプを回転駆動する駆動モータを可変
に回転制御することにより行われるから、簡単な電気的
回路構成のみで油圧アクチュエータの作動速度制御が実
現する。
【0069】(2) 駆動モータの回転速度を電気的に可変
制御する構成であるから、多段階さらには無段階で連続
的に、しかも精密かつ高精度な制御を行うことができ
る。
【0070】(3) 作動油の粘性変化量に基づいて、油圧
アクチュエータへ供給される作動油の流量を補正するこ
とにより、作動油の経時的な温度上昇による粘性変化が
油圧アクチュエータの作動速度に影響することはな区、
この点でも高精度で安定した速度制御が実現し、近年の
工作機械等の精密機械において要求されるレベルの制御
が容易に達成され得る。
【0071】(4) 従来の油圧機器による速度制御に比較
して、油圧回路全体の構成が極めてシンプルであり、し
かも構成部品点数も少なく、装置の簡素化、小型化さら
にはコスト低減化も可能である。この効果は、通常複数
台の油圧アクチュエータを備える工作機械において特に
顕著である。
【0072】(5) 油圧アクチュエータの速度がインバー
タ制御されるから、例えば油圧シリンダの場合、その前
進および後退の停止位置において、油圧ポンプの回転数
を下げて、少ない仕事量で一定圧をかけておくことがで
き、その停止位置での微動およびハンチング等を防止す
ることが可能であり、ランニングコストも低く経済性に
も優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る油圧シリンダの駆動装
置を示す概略構成図である。
【図2】同駆動装置の制御部を示すブロック構成図であ
る。
【図3】同駆動装置における油圧シリンダの基準作動速
度線図である。
【図4】同駆動装置における作動油の油温と粘性との関
係を示す線図である。
【図5】同駆動装置における油圧ポンプの回転数と油圧
シリンダの作動速度との関係を示す線図である。
【図6】従来の油圧シリンダの駆動装置を示す概略構成
図である。
【図7】同従来駆動装置における油圧シリンダの作動速
度線図である。
【符号の説明】
1 油圧シリンダ(油圧アクチュエー
タ) 1a ピストンロッド 1b 後部室 1c 前部室 2 油圧ポンプ 3 かご形3相誘導電動機(駆動モー
タ) 4 制御部(駆動モータ制御手段) 15 インバータ 16 制御装置 17 速度設定部 18 補正演算部(作動速度補正量演算手
段) 19 基準速度設定回路(基準速度設定手
段) 20 制御信号出力回路(制御信号出力手
段) 21 温度センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧アクチュエータの油圧回路に介設さ
    れて、この油圧アクチュエータへ作動油を供給する油圧
    ポンプと、 この油圧ポンプを回転駆動する駆動モータと、 この駆動モータの回転速度を可変に制御する駆動モータ
    制御手段とを備えてなることを特徴とする油圧アクチュ
    エータ駆動装置。
  2. 【請求項2】 上記駆動モータは電動モータであり、 上記駆動モータ制御手段は、この電動モータの電源周波
    数を制御するインバータと、このインバータを制御する
    制御装置とを備える請求項1に記載の油圧アクチュエー
    タ駆動装置。
  3. 【請求項3】 上記制御装置は、基準作動速度の制御プ
    ログラムを設定する基準速度設定手段と、この基準速度
    設定手段の制御プログラムに応じて、上記インバータへ
    制御周波数データを出力する制御信号出力手段と、上記
    油圧回路の作動油の粘性変化量に基づいて基準作動速度
    補正量を演算し、上記制御信号出力手段の出力信号を補
    正する作動速度補正量演算手段とを備えてなる請求項2
    に記載の油圧アクチュエータ駆動装置。
  4. 【請求項4】 上記電動モータがかご形3相誘導電動機
    である請求項2または3に記載の油圧アクチュエータ駆
    動装置。
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