JPH0632315Y2 - 調理用切断具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は調理用の材料の切断具に係り、特に強い切断
力を有する切断装置に関するものである。

（従来の技術） 従来から調理に際して必要な調理用材料の切断やきざみ
等の作業は、その材料を調理板（まな板）の上に載置
し、これに対して調理者が包丁等を操作して行ってい
る。調理板としては通常木製あるいはポリエチレン等の
プラスチック製の板が使用され、包丁等は刃部をつけた
鋼製あるいはセラミック製のナイフ形状のものに木製等
の柄をつけたものが一般に用いられている。特に、固い
ものや骨のあるものの切断には出刃等の刃先が曲線状の
包丁が使用されている。

（考案が解決しようとする課題） 上記の切断作業で包丁等の操作は柄を把持する調理者の
力で行われ、材料や調理の種類によってその操作の内容
は様々であるが、そのなかで例えばカボチヤ、切りもち
あるいはカニなど比較的固い材料に対する場合には、柄
から加えられる切断力が不足して切断が困難であった
り、あるいは大型の魚体、肉ブロック等特殊形状のもの
や、鮮度の影響等でぬめりを生じる場合等においては、
刃先が曲線状のものの方が好ましい。しかしそれだけに
取扱が容易ではなく、また場合により使用中刃先一定の
箇所が刃こぼれ等で切れ味が悪くなる等の問題を有して
いた。また、切断を繰り返えし行った場合に疲労を伴う
など不具合な場合が少なくない。本考案はこのような課
題を解決すべく考えられたもので包丁等の先端を調理板
に対して拘束することによって強い切断力が得られ、切
断作業を円滑に行うことができる調理用切断具を得るこ
とを目的とする。

（課題を解決するための手段） この考案に係る調理用先端背面部に複数箇所のＵ字形切
込み溝を有する刃先が曲線状の切断具と、調理板上に固
定された２本の支柱間のすきまに水平に支持された固定
軸とを備えた調理板とからなり、前記固定軸に前記切断
具をその先端背面部のＵ字形切込み溝のいずれかに選択
係合させるようにした調理用切断具にして、切断具の柄
を上下させて調理板上の材料を調理しようとするもので
ある。

（作用） 前記固定軸と前記前記刃先が曲線状の出刃包丁等の切断
具のＵ字状の溝の底部が固定軸と係合することによっ
て、包丁先端部が拘束されるため、この点を支点とする
てこの作用にしたがって材料切断を行う位置が包丁先端
部に近いほど柄に加えられる力に比して強い切断力を得
ることができる。切断具の刃先が曲線状であることと、
切断具の背面の係止箇所を変更することにより、刃先と
調理板の間の空隙が変化するので、材料の調理を安全で
しかも能率的に実施することができる。

（実施例） 第１図および第２図はこの考案の一実施例による調理用
切断具の構成を説明するための図であり、第１図におい
て、１は調理板で木製またはプラスチック製の長方形板
である。この調理板１の一方の長辺中央寄りの表面には
支持柱２が調理板１の裏面に設けたワッシャー４および
とめねじ３によって固定されている。また第２図におい
て示されるように支持柱２には上部から調理板１の長辺
と直角の方向に深い切り溝があって、二つの支持柱２１
と２２とに分割されており、その上部には一本の円柱の
固定軸５が支持柱２１と２２を貫通して水平に挿入固定
されている。第１図の６は切断具である包丁をしめし、
包丁６の刃先は曲線状に構成されている。７はその柄で
あり８は刃部をしめす。包丁６の先端部の上部すなわち
刃部に対する背面部には２箇所以上のＵ字形状の溝部９
が設けられている（図は２箇所の溝を示す）。この溝部
９の底部は半円状になっていて固定軸５と円滑に係合す
ることができる。

切断の作業においては、第１図に示すように、支柱柱２
１と２２の間に包丁６の先端部を挿入するとともに、い
づれかの溝部９を固定軸５に対して下方から嵌入して係
合させたのち、把持した柄７を上下させることによって
包丁６の刃部と調理板１の間においた材料の切断を行う
ものである。固定軸５の調理板に対する高さの位置なら
びに溝部９の深さは包丁６の上記の操作が円滑に行われ
るような係合の位置が得られるように設定される。従っ
て、切断が行われる部位すなわち調理材料を切断する位
置は操作力を加える柄よりも、係合された包丁先端部に
近いためてこの原理により操作力に比して大きい切断力
が得られることになる。

（考案の効果） 以上説明したように、非常に固いもの、形状が大型で特
殊なもの、固さが一様でなくぬめりの発生するもの等各
種の調理材料を、切断具の背面の溝の係止位置を選択す
ることにより、調理材料の移動と組合わせて、状況に応
じた適切な作業が可能であり、また包丁等の切断具の横
方向の位置も先端部で制約されているから、材料の送り
を一定にして連続的に均等寸法の材料切断も容易である
等各種の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による調理用切断具の一例の構成を示
す図、第２図はその構成の一部分を示す斜視図である。 １：調理板 ２：支持柱 ５：固定軸 ６：包丁 ９：溝部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】先端背面部に複数箇所のＵ字形切込み溝を
   有する刃先が曲線状の切断具と、 調理板上に固定された２本の支柱間のすきまに水平に支
   持された固定軸とを備えた調理板とからなり、 前記固定軸に前記切断具をその先端背面部のＵ字形切込
   み溝のいずれかに選択係合させるようにした調理用切断
   具。