JPH06322487A - 超高窒素フェライト系耐熱鋼およびその製造方法 - Google Patents

超高窒素フェライト系耐熱鋼およびその製造方法

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JPH06322487A
JPH06322487A JP8858893A JP8858893A JPH06322487A JP H06322487 A JPH06322487 A JP H06322487A JP 8858893 A JP8858893 A JP 8858893A JP 8858893 A JP8858893 A JP 8858893A JP H06322487 A JPH06322487 A JP H06322487A
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steel
nitrogen
less
creep
ferritic heat
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Application number
JP8858893A
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English (en)
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Masahiro Ogami
正浩 大神
Hiroshi Hasegawa
泰士 長谷川
Hisashi Naoi
久 直井
Oo Shiyupaideru Maakusu
マークス・オー・シュパイデル
Fujimitsu Masuyama
不二光 増山
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Nippon Steel Corp
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は高温・高圧環境下で使用する高窒素
フェライト系Cr含有耐熱鋼およびその製造方法を提供
するものである。 【構成】 質量%で、C:0.01〜0.30%、S
i:0.02〜0.80%、Mn:0.20〜1.0
%、Cr:8.0〜13.0%、W:0.20〜1.5
0%、Mo:0.005〜1.0%、V:0.10〜
2.0%、Nb:0.10〜2.0%、N:0.50〜
2.0%を含有し、残部がFeおよび不可避の不純物よ
りなる超高窒素フェライト系耐熱鋼および該耐熱鋼の製
造に際し、鋼中窒素含有量を達成するに必要十分な窒素
分圧を有する混合ガスあるいは窒素ガス雰囲気中で溶解
し、平衡させた後に、鋳造時あるいは凝固時に、全圧
4.5bar以上、窒素分圧1.5bar以上で、窒素
分圧p、全圧Pの間にP>3.0pの関係が成立するよ
うに雰囲気を制御することを特徴とする超高窒素フェラ
イト系耐熱鋼の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェライト系耐熱鋼に
関するものであり、さらに詳しくは高温・高圧環境下で
使用する超高窒素フェライト系Cr含有耐熱鋼およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、火力発電ボイラの操業条件は高温
・高圧化が著しく、一部では566℃、314barで
の操業が計画されている。将来的には650℃、355
barまでの条件が想定されており、使用する材料には
極めて苛酷な条件となっている。
【0003】操業温度が550℃を超える場合において
は、使用材料の選択にあたり、耐酸化性、高温強度の点
から、例えばフェライト系の2・1/4Cr−1Mo鋼
から18−8ステンレス鋼のごとく、オーステナイト系
の高級鋼へと、材料特性においてもまたコストの面から
も過度に高い材料を使用しているのが現状である。2・
1/4Cr−1Mo鋼とオーステナイト系ステンレス鋼
の中間を埋めるための鋼材は過去数十年間模索されてい
る。Cr量が中間の9Cr、12Cr等のボイラ鋼管は
以上の背景をもとに開発された耐熱鋼であり、母材成分
として各種合金元素を添加して析出強化あるいは固溶強
化によってオーステナイト鋼並の高温強度、クリープ強
度を達成している鋼もある。
【0004】耐熱鋼のクリープ強度は、短かい時効時間
においては固溶強化に、長い時効時間においては析出強
化にそれぞれ支配される。これは、最初鋼中に固溶して
いる固溶強化元素が、時効によって多くの場合M236
等の安定な炭化物として析出するためであり、さらに長
時間の時効ではこれら析出物が凝集粗大化するために、
クリープ強度は低下する。
【0005】従って耐熱鋼のクリープ強度を高く保つた
めに、固溶強化元素を如何に長時間に亘って析出させず
に鋼中に固溶状態でとどめておくかについて多くの研究
がなされてきた。例えば、特開昭63−89644号公
報、特開昭61−231139号公報、特開昭62−2
97435号公報等に、Wを固溶強化元素として使用す
ることで、従来のMo添加型フェライト系耐熱鋼に比較
して飛躍的に高いクリープ強度を達成できるフェライト
系耐熱鋼に関する開示がある。
【0006】しかしながら、基本的に析出物はM236
型の炭化物であり、Wによる固溶強化はMoに比較して
効果的であるものの、長時間時効後のクリープ強度低下
は免れない。さらに、フェライト系耐熱鋼を650℃の
高温にまで適用する場合、オーステナイト系耐熱鋼に比
較して耐高温酸化性が劣るため、これまで適用は難しい
と考えられてきた。特に粒界近傍では鋼中のCrが粗大
なM236 型炭化物として析出するために、耐高温酸化
性の劣化が顕著であり、従って、フェライト系耐熱鋼の
使用限界は600℃が上限とされていた。
【0007】ところが、冒頭に述べたごとく操業条件の
苛酷化に加えて、操業コスト低減のために発電設備を現
行の10万時間から15万時間程度へとさらに長時間運
転する場合も考えられるようになってきたため、極限の
環境に耐えられるような耐熱鋼が要求されるようになっ
てきた。フェライト系耐熱鋼はオーステナイト鋼に比較
して高温強度、耐食性が若干劣るものの、コスト面で有
利であり、かつ熱膨張率の違いから耐水蒸気酸化特性の
内、特に耐スケール剥離性が優れている。従って、特に
発電ボイラ用材料として注目されている。
【0008】しかし、650℃、355bar、15万
時間運転の条件に耐えられ、かつ製品価格、耐水蒸気酸
化性の点で有利なフェライト系耐熱鋼は、従来の技術を
もってしては開発できないことは以上の理由から明らか
である。本発明者らは以上の知見に基づき、既に特開平
3−240935号公報において、加圧雰囲気下で固溶
限度を超えて窒素を添加し、余剰窒素を窒化物あるいは
炭・窒化物として分散析出させることにより、650
℃、355bar、15万時間における直線外挿推定ク
リープ破断強度が147MPa以上である高窒素フェラ
イト系耐熱鋼を提案している。その要旨とするところ
は、質量%でC:0.01〜0.30%、Si:0.0
2〜0.80%、Mn:0.20〜1.00%、Cr:
8.00〜13.00%、W:0.50〜3.00%、
Mo:0.005〜1.00%、V:0.05〜0.5
0%、Nb:0.02〜0.12%、N:0.10〜
0.50%を含有し、P:0.050%以下、S:0.
010%以下、O:0.020%以下に制限し、あるい
はさらに(A)Ta:0.01〜1.00%、Hf:
0.01〜1.00%の1種または2種および/または
(B)Zr:0.0005〜0.10%、Ti:0.0
1〜0.10%の1種または2種を含有し、残部がFe
および不可避の不純物よりなることを特徴とするフェラ
イト系耐熱鋼および該耐熱鋼の製造に際し、所定の窒素
分圧を有する混合ガスあるいは窒素ガス雰囲気中で溶
解、平衡させた後に、鋳造時あるいは凝固時に、窒素分
圧1.0bar以上、全圧4.0bar以上で、窒素分
圧p、全圧Pの間に 10P <P0.37+log106 の関係が成立するように雰囲気を制御することるよりブ
ローホールのない健全な鋼塊を得ることを特徴とする高
窒素フェライト系耐熱鋼の製造方法にある。
【0009】本発明者らはさらに詳細な研究を継続した
結果、最長1万時間までのクリープ破断強度調査結果に
基づく15万時間クリープ破断強度直線外挿推定値は、
特開平3−240935号公報において提案した鋼では
高々176MPaにすぎず、特に1万時間以上のクリー
プ破断強度が著しく低下する場合があることを見出し、
クリープ破断強度低下の原因は、クリープ試験中に粒界
を中心に大きさ1μm以上の粗大なFe2 Wが大量に析
出し、固溶強化元素であるWの固溶量が大幅に低減する
ためであることを見出した。
【0010】従って、Wを1.50%以下に制限し、W
のFe2 Wとしての析出を防止し、しかも同時に微細か
つ安定なNb、V、Crの窒化物を大量に、しかも均一
に析出させるべくNb、Vを0.10〜2.0質量%添
加し、同時に窒素含有量をフェライト系耐熱材料として
は、その固溶限度を遙かに超える0.50〜2.0%ま
で強制的に固溶させることにより、650℃、355b
ar、15万時間のクリープ破断直線外挿推定破断強度
が最高200MPa以上のフェライト系耐熱鋼が得られ
ることを見出した。
【0011】同時に、極めて高い窒素含有量を達成し、
しかも健全な鋼塊を得るための溶解雰囲気条件として、
全圧が4.5bar以上、窒素分圧が1.5bar以上
であって、全圧Pと窒素分圧pの間に P>3.0p なる条件が必要であることも見出した。
【0012】高窒素フェライト系耐熱鋼に関する研究は
報告例が少なく、Ergebnisse der We
rkstoff−Forschung、Band I、
Verlag Schweizerische Aka
demie der Werkstoffwissen
schaften ”Thubal−Kain”、Zu
rich、1987、161−180等に報告が見られ
る程度である。
【0013】しかし、この報告も従来の一般的な耐熱鋼
を高窒素化した研究であって、650℃、355ba
r、15万時間という苛酷な環境において使用する材料
に関する記述はない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術の欠点、即ち炭化物析出に起因する長時間時効
後のクリープ強度低下、耐高温酸化性の劣化を、窒素を
過飽和に添加して窒化物あるいは炭・窒化物を微細に分
散析出させ、従来鋼にみられるM236 等の炭化物の生
成を抑制することで改善し、苛酷な操業条件における使
用が可能なフェライト系耐熱鋼の製造を可能ならしめる
ものであって、固溶限度以上に添加した窒素を窒化物あ
るいは炭・窒化物として分散析出させた耐高温酸化性、
クリープ強度の優れたフェライト系耐熱鋼を供給するこ
とを目的としたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の知見に基
づいてなされたもので、その要旨とするところは、質量
%で、C:0.01〜0.30%、Si:0.02〜
0.80%、Mn:0.20〜1.0%、Cr:8.0
〜13.0%、Mo:0.005〜1.0%、W:0.
20〜1.50%、V:0.10〜2.0%、Nb:
0.10〜2.0%、N:0.50〜2.0%を含有
し、さらにP:0.050%以下、S:0.010%以
下、O:0.020%以下に制限し、あるいはさらに
(A)Co:0.50〜5.0%、Cu:0.50〜
5.0%の1種または2種を含有し、および/または
(B)Zr:0.0005〜0.10%、Ti:0.0
1〜0.10%の1種または2種を含有し、残部がFe
および不可避の不純物よりなることを特徴とする超高窒
素フェライト系耐熱鋼および該成分を有する鋼を所定の
窒素分圧を有する混合ガスあるいは窒素ガス雰囲気中で
溶解し、平衡させた後に、鋳造時あるいは凝固時に、全
圧4.5bar以上、窒素分圧1.5bar以上で、窒
素分圧p、全圧Pの間に次式の関係 P>3.0p が成立するように窒素混合雰囲気を制御することにより
ブローホールのない健全な鋼塊を得ることを特徴とする
超高窒素フェライト系耐熱鋼の製造方法にある。
【0016】以下本発明を詳細に説明する。
【0017】
【作用】最初に本発明において各成分範囲を前記のごと
く限定した理由を以下に述べる。Cは強度の保持に必要
であるが、0.01%未満では強度確保に不十分であ
り、0.30%超の場合には溶接熱影響部が著しく硬化
し、溶接時低温割れの原因となるため、範囲を0.01
〜0.30%とした。
【0018】Siは耐酸化性確保に重要で、かつ脱酸剤
として必要な元素であるが、0.02%未満では不十分
であって、0.80%超ではクリープ強度を低下させる
ので0.02〜0.80%の範囲とした。Mnは脱酸の
ためばかりでなく、強度保持上も必要な成分である。そ
の効果を十分に得るためには0.20%以上の添加が必
要であり、1.0%を超すとクリープ強度が低下する場
合があるので、0.20〜1.0%の範囲とした。
【0019】Crは耐酸化性に不可欠な元素であって、
同時にNと結合してCr2 N、Cr 2 (C、N)等の形
態で母材マトリックス中に微細に析出し、クリープ強度
の向上に寄与している。耐酸化性の観点から下限は8.
0%とし、上限は高温強度を確保すべく、マルテンサイ
ト一相の組織を容易に達成するため、Cr当量値を低く
制限する目的で13.0%とした。
【0020】Wは固溶強化によりクリープ強度を顕著に
高める元素であり、特に550℃以上の高温において長
時間のクリープ強度を著しく高める。1.50%を超え
て添加すると金属間化合物として粒界を中心に大量に析
出し、母材靱性、クリープ強度を著しく低下させるた
め、上限を1.50%とした。また、0.20%未満で
は固溶強化の効果が不十分であるので、下限を0.20
%とした。
【0021】Moも固溶強化により高温強度を高める元
素であるが、0.005%未満では効果が不十分であ
り、1.0%超ではMo2 C型の炭化物の大量析出、あ
るいはMo2 Fe型の金属間化合物析出によってWと同
時に添加した場合に母材靱性を著しく低下させる場合が
あるので、上限を1.0%とした。Vは析出物として析
出しても、またWと同様にマトリックスに固溶しても、
鋼の高温クリープ破断強度を著しく高める元素である。
特に析出の場合にはVNとしてCr2 N、NbNの析出
核となり、析出物の微細分散に顕著な効果を示す。本発
明のごとく窒素含有量が極めて高い場合でも0.10%
未満ではVNが主要な析出物として分散せず、逆に2.
0%を超えるとVNのクラスターが生成して靱性低下を
きたすために添加の範囲を0.10〜2.0%とした。
【0022】NbはNbN、(Nb、V)N、Nb
(C、N)、(Nb、V)(C、N)の析出によって高
温強度を高め、またVと同様にCr2 N、Cr2 (C、
N)等の析出核として微細析出を促す。特に窒素含有量
が0.50%以上の場合には安定な窒化物として粒内に
微細に分散する。Vと同様に0.10%未満では添加効
果が認められず、2.0%を超えて添加すると溶製中に
粗大窒化物として析出し、鋼中に留まらないので、添加
範囲を0.10〜2.0%に限定した。
【0023】Nはマトリックスに固溶するか、あるいは
窒化物、炭・窒化物として析出し、主にVN、NbN、
Cr2 N、Cr2 (C、N)の形態をとるため、従来鋼
の析出物として観察されるM236 、M6 C等に比較し
てCrあるいはWの析出物に起因する消費を減少させ、
耐高温酸化性、クリープ強度を高める元素であるが、窒
化物、炭・窒化物を析出させてM236 、M6 Cの析出
を抑制するために0.50%を下限とし、また窒素の過
剰添加による窒化物、炭・窒化物の凝集粗大化を防止す
るために上限を2.0%とした。なお、本発明における
窒素は固溶限度以上の窒素が殆ど窒化物として析出し、
鋼中に固溶状態で存在しないため、マルテンサイト相の
安定性には大きな影響を与えない。従って、本発明の成
分範囲は完全マルテンサイト組織を十分に達成できる化
学成分であることも本発明者らの新たな研究成果であ
り、同時に本発明の根幹をなす部分でもある。
【0024】P、S、Oは本発明鋼においては不純物と
して混入してくるが、本発明の効果を発揮する上で、
P、Sは強度を低下させ、Oは酸化物として靱性を低下
させるので、それぞれ上限値を0.050%、0.01
0%、0.020%とした。以上が本発明の基本成分で
あるが、本発明においてはこの他にそれぞれの用途に応
じて(A)Co:0.50〜5.0%、Cu:0.50
〜5.0%の1種または2種および/または(B)Z
r:0.0005〜0.10%、Ti:0.01〜0.
10%の1種または2種を含有させることができる。
【0025】Co、Cuはいずれもオーステナイト安定
化元素として知られ、Cr当量値を下げて、完全マルテ
ンサイト組織を安定して得るために有益な元素である。
何れも積層欠陥エネルギーに変化を及ぼさず、かつオー
ステナイト化を促進して材料の低温靱性改善に寄与す
る。しかし、Cr当量値低下に寄与する度合いは大きく
はないため、それぞれ0.5%未満では効果がなく、ま
た5.0%を超えて添加した場合にはCoの場合ではσ
相を生成し、Cuの場合には粒界に沿ってεCuとして
析出するため、何れも高温長時間でのクリープ強度と低
温での靱性を低下させるので、添加範囲をそれぞれ0.
50〜5.0%とした。
【0026】Zrは鋼中の脱酸平衡を支配し、酸素活量
を著しく下げることで酸化物の生成を抑制する。加えて
Nとの親和力が高く、微細な窒化物あるいは炭・窒化物
として析出し、クリープ強度、耐高温酸化性、靱性を高
める。0.0005%未満では脱酸平衡支配には不十分
であり、0.10%を超えて添加すると粗大なZrN、
ZrCが大量に析出し、母材の靱性を著しく低下させる
ので、0.0005〜0.10%の範囲に限定した。
【0027】Tiは窒化物、炭・窒化物として析出し、
窒素の添加効果を高める元素である。0.01%未満で
は効果がなく、0.10%を超えて添加すると粗大な窒
化物あるいは炭・窒化物を析出するために靱性が低下す
る場合があるので、0.01〜0.10%の範囲とし
た。上述の各合金成分はそれぞれ単独に添加しても、あ
るいは併用して添加しても良い。
【0028】なお、本発明は高クリープ強度、耐高温酸
化性の優れた高靱性フェライト系耐熱鋼を提供すること
を目的とするものであるので、本発明鋼は使用目的に応
じて種々の製造方法および熱処理を施すことが可能であ
り、またこれらの製造方法および熱処理により本発明の
効果が何等妨げられるるものではない。しかし、窒素を
過飽和に添加する必要があることから、鋳造時に雰囲気
全圧力を4.5bar以上に高めて、全圧Pと窒素分圧
pがP>3.0pを満足する関係を有することが必要で
ある。窒素ガスの補助として用いる混合ガスはAr、N
e、Xe、Kr等の不活性ガスが良い。以上の鋳造条件
は以下に記述する実験によって決定した。
【0029】窒素を除いて請求項1〜4に示す化学成分
を含有する鋼を、2000barまで加圧することので
きるチャンバー内に設置した誘導加熱炉にて溶解し、所
定の窒素分圧を有するアルゴン、窒素混合ガスを炉内に
導入して種々の圧力に保持し、窒素と溶鋼が化学平衡に
達した後にチャンバー内に予め設置した鋳型内に鋳造し
て1tonインゴットとした。
【0030】得られたインゴットは図1に示す要領で縦
方向に切断して、インゴット1内のブローホール発生状
況を肉眼で調査した。ブローホール調査後、インゴット
の一部を1200℃の炉内で1時間加熱し、厚さ25.
4mm、幅350mm、長さ約1000mmの板に鍛造
した。さらに、1200℃×1時間の溶体化処理、80
0℃×3時間の焼戻し処理を実施した後に鋼を化学分析
して、窒化物あるいは炭・窒化物の分散状態および形態
を光学顕微鏡、電子顕微鏡、X線回折、電子線回折にて
調査し、化学組成を同定した。図2は熱処理ままの12
%Cr鋼中の析出物中のNbN、VN、Cr2 N型窒化
物および炭・窒化物の1mm2 あたりに電子顕微鏡で観
察できる直径1μm以下の窒化物の個数、即ち窒化物析
出密度と鋼中窒素含有量の関係を示している。窒素濃度
が0.5%以上の場合には本発明鋼中の窒化物析出密度
は25000個/mm2 を超えることがわかる。図3は
この窒化物析出密度と1万時間までのクリープ破断強度
値から推定した650℃、15万時間のクリープ破断強
度の関係を示す図である。窒化物析出密度25000個
/mm2 の鋼は15万時間推定クリープ破断強度が本発
明鋼の目標とする200MPaを超えることが明らかで
ある。従って、本発明鋼では鋼中窒素濃度を0.50%
以上とする必要があることが図2および図3より明らで
ある。
【0031】図4は12%Cr鋼のブローホール発生状
況を雰囲気の全圧力と窒素分圧の関係で示したグラフで
ある。窒素濃度を0.50%以上とするためには、最低
で全圧を4.5barにする必要がある。この場合の窒
素分圧はSievertの法則を用いる平衡計算と鋼塊
の中心偏析推定計算から、本発明鋼においては1.5b
arとなる。
【0032】また、窒化物あるいは炭・窒化物の析出量
を制御するために窒素分圧を1.5〜100bar(鋼
中窒素濃度は約2.0mass%)に保持する場合には
全圧を4.5〜約300barまで窒素分圧に応じて変
化させる必要があり、図4に点線で示される境界圧力よ
りも高い全圧を必要とすることがわかる。図4中の境界
線を実験的に求めると、 P=3.0p となるので、不等式 P>3.0p を満たす条件の雰囲気圧力、組成を選択すれば、本発明
鋼が得られることがわかる。
【0033】従って、加圧、雰囲気制御の可能な炉設備
が必要であり、これを用いなければ本発明鋼の製造は困
難である。溶解方法には全く制限がなく、転炉、誘導加
熱炉、アーク溶解炉、電気炉等、鋼の化学成分とコスト
を勘案して使用プロセスを決定すればよい。精錬に関し
ても同様で、全圧4.5bar以上、窒素分圧1.5b
ar以上に雰囲気を制御すれば、LF(Ladle F
urnace、取鍋精錬設備)、ESR(Electr
o Slag Remelting、エレクトロスラグ
再溶解設備)、帯溶融精錬(Zone Meltin
g)等の設備も適用可能であり、かつ有用である。
【0034】全圧4.5bar以上、窒素分圧1.5b
ar以上の条件で加圧雰囲気下で鋳造した後に、鍛造あ
るいは熱間圧延によってビレット、ブルームおよび板に
加工することが可能である。本発明鋼は余剰窒素は鋼中
に固溶せず、窒化物あるいは炭・窒化物として微細に分
散しているため、従来のフェライト系耐熱鋼に比較して
熱間加工性は同等か、むしろ多くの実験結果では優れて
いる。このこともまた、本発明において窒素を固溶限度
に添加して窒化物あるいは炭・窒化物として利用するこ
との理由の一つである。
【0035】製造工程としては、丸ビレットあるいは角
ビレットへ加工した後に、熱間押出しあるいは種々のシ
ームレス圧延法によってシームレスパイプおよびチュー
ブに加工する方法、薄板に熱間圧延、冷間圧延した後に
電気抵抗溶接によって電縫鋼管とする方法、およびTI
G、MIG、SAW、LASER、EB溶接によって
(単独で、あるいは併用して)溶接鋼管とする方法が適
用でき、さらには以上の各方法の後に熱間あるいは温間
でSR(絞り圧延)ないしは定形圧延、さらには各種矯
正工程を追加実施することも可能であり、本発明鋼の適
用寸法範囲を拡大することが可能である。
【0036】本発明鋼はさらに、厚板および薄板の形で
提供することも可能であり、熱間圧延まま、もしくは必
要とされる熱処理を施した板を用いて種々の耐熱材料の
形状で使用することが可能であって、本発明の効果に何
等影響を与えない。以上の鋼管、板、各種形状の耐熱部
材にはそれぞれ目的、用途に応じて各種熱処理を施すこ
とが可能であって、また本発明の効果を十分に発揮する
上で重要である。
【0037】通常は焼準(固溶化熱処理)+焼戻し工程
を経て製品とする場合が多いが、これに加えて焼入れ、
焼戻し、焼準工程を単独で、あるいは併用して施すこと
が可能であり、また有用である。窒素含有量が比較的高
い場合、Co、Cu等のオーステナイト安定化元素を多
く含有する場合およびCr当量値が低くなる場合には、
残留オーステナイト相を回避すべく0℃以下に冷却す
る、いわゆる深冷処理を適用することができ、本発明鋼
の機械的特性を十分に発現するのに有効である。
【0038】材料特性の十分な発現に必要な範囲で、以
上の工程の各々を複数回繰り返して適用することもまた
可能であって、本発明の効果に何等影響を与えるもので
はない。以上の工程を適宜選択して、本発明鋼の製造プ
ロセスに適用すればよい。
【0039】
【実施例】表1〜表14に示す、請求項1〜4の何れか
の組成を有する鋼それぞれ5tonを加圧設備を付帯す
る誘導加熱炉を用いて溶解し、LF処理(雰囲気と同組
成のガスバブリング)で清浄化して不純物を低減した後
に請求項5に示した不等式を満たす条件で窒素とアルゴ
ンの混合ガスを用いて雰囲気を調整し、鋳型に鋳込み、
丸ビレットに加工して熱間押出しにて外径60mm、肉
厚10mmのチューブを、シームレス圧延にて外径38
0mm、肉厚50mmのパイプをそれぞれ製造した。チ
ューブ、パイプは1200℃、1時間の焼準を1回、加
えて800℃にて3時間焼戻し処理を実施した。
【0040】また、構造材料の特性を調査するためにイ
ンゴットを鋳造後、鍛造してスラブとし、熱間圧延によ
って厚さ25mmおよび50mmの板を製造した。クリ
ープ特性は図5に示すように、鋼管3の軸方向4と並行
に、あるいは板の圧延方向5と並行に、直径6mmφの
クリープ試験片6を切り出し、650℃にてクリープ強
度を1万時間まで測定し、得られたデータから直線外挿
して15万時間でのクリープ破断強度を推定評価し、ク
リープ破断強度200MPaをクリープ強度の評価しき
い値とした。以降、650℃、15万時間におけるクリ
ープ強度とは、クリープ破断強度−破断時間図上での1
5万時間における直線外挿値を意味するものとする。表
2、表4、表6、表8、表10、表12、表14中では
略記号CSをもって表した。
【0041】靱性については700℃、3000時間の
時効処理を施し、これを加速試験結果として評価した。
時効した試料からJIS4号引張試験片を切り出し、衝
撃吸収エネルギーを測定した。靱性の評価値は0℃にお
けるプラント組立評価試験を想定して、50Jに設定し
た。靱性値は表2、表4、表6、表8、表10、表1
2、表14中で略記号CHをもって表した。耐高温酸化
性は、25mm×25mm×5mmの大きさに切り出し
た小型試験片を650℃の大気雰囲気中の炉内に1万時
間懸吊し、実験後試料をスケールの成長方向と平行に切
断して酸化スケールの厚みを測定することで評価した。
酸化スケール厚さは表2、表4、表6、表8、表10、
表12、表14中で略記号TOをもって表した。
【0042】650℃、15万時間のクリープ破断強
度、700℃、3000時間時効後の0℃におけるCh
arpy衝撃吸収エネルギー、650℃、1万時間酸化
試験後の酸化スケール厚さをそれぞれ表2、表4、表
6、表8、表10、表12、表14中に示した。比較の
ために本発明の請求項1〜4のいずれにも該当しない成
分を有する鋼を同様の方法で溶解し、試料を製造し、評
価した。化学成分と評価結果を表15、表16に示し
た。
【0043】図6は鋼中窒素含有量と650℃、15万
時間推定クリープ破断強度の関係を示した図である。鋼
中窒素含有量が0.50%以上ではクリープ破断強度が
200MPaを超えて高い値を示すが、0.50%未満
では200MPa未満であって、設定した評価値を満足
しない。図7は鋼中V含有量と650℃、15万時間の
推定クリープ破断強度の関係を示した図である。鋼中V
含有量が0.10%以上であればクリープ破断強度は2
00MPaを超え、またV含有量が2.0%超では溶鋼
段階で析出した粗大なVNのためにかえってクリープ強
度が低下することがわかる。
【0044】図8は鋼中Nb含有量と650℃、15万
時間の推定クリープ破断強度を示した図である。鋼中N
b含有量が0.10%以上であればクリープ破断強度は
200MPaを超え、またNb含有量が2.0%超では
溶鋼段階で析出した粗大なNbNのためにVの場合と同
様にクリープ強度が低下する。図9は鋼中W含有量と6
50℃、15万時間の推定クリープ破断強度との関係を
示した図である。Wが0.20%未満ではクリープ破断
強度は200MPa未満であり、0.20〜1.50%
の範囲では200MPa以上となる。Wが1.50%を
超えると粒界に析出する粗大なFe2 Wのためにクリー
プ破断強度は200MPa未満となる。
【0045】図10はクリープ試験結果を応力−破断時
間の関係で表わしたもので、鋼中窒素添加量が0.50
%以上では応力−破断時間の間に良い直線性が見られ、
クリープ破断推定強度が高いが、鋼中窒素添加量が0.
50%未満では応力−破断時間の関係は長時間側におい
てクリープ強度の低下が顕著であり、直線性が保たれて
いないか、またはクリープ破断線図の傾きが急峻で、短
時間側のクリープ強度は高いものの長時間クリープ破断
強度はむしろ低いか、ないしは終始低いクリープ強度を
示している。これは窒化物析出密度が低く、長時間での
転位のピン止め効果が不十分であるか、もしくは短時間
においても転位を捕捉するのに不十分な析出物密度しか
得られていないためであり、窒素含有量0.50%以上
では、微細に分散した高密度の窒化物が高温長時間での
クリープ試験においても凝集粗大化することなく安定に
存在するために長時間クリープ試験においても高いクリ
ープ強度を維持できたことが原因である。
【0046】図11は700℃、3000時間時効後の
0℃におけるCharpy衝撃吸収エネルギーと鋼中窒
素含有量の関係を示している。鋼中窒素含有量が0.5
0〜2.0%の場合には衝撃吸収エネルギーが50Jを
超え、0.50%未満の場合には固溶化熱処理時に残存
する高融点窒化物による粒成長抑制効果が不十分である
か、あるいはその効果がないために衝撃吸収エネルギー
が低下し、2.0%超の場合には大量に析出した窒化物
によって衝撃吸収エネルギーが低下する。
【0047】図12は650℃、1万時間酸化試験後の
試料表面の酸化スケール厚さと鋼中窒素含有量の関係を
示している。鋼中窒素含有量が0.50%未満では酸化
スケール厚みが30〜800μmと厚いが、鋼中窒素含
有量が0.50%以上では酸化スケール厚みが急激に減
少して30μm以下となっている。表15、表16に示
した比較鋼の内、181、182番鋼は鋼中窒素含有量
が不十分であったために、650℃、15万時間の推定
クリープ破断強度が低く、かつ耐高温酸化性が不良であ
った例、183、184番鋼は鋼中窒素含有量が過多で
あったため、粗大な窒化物あるいは炭・窒化物が大量に
析出し、700℃、3000時間時効後の0℃における
Charpy衝撃吸収エネルギーが50J未満となった
例、185番鋼はW濃度が低く、鋼中窒素含有量が本発
明鋼の範囲にあったにも拘らず、固溶強化が不十分であ
ったために、650℃、15万時間の推定クリープ破断
強度が低下した例、186番鋼はW濃度が高く、クリー
プ中に粗大なFe2 W型Laves相が粒界に析出し、
クリープ強度および靱性がともに低下した例、187番
鋼はV含有量が低く、650℃、15万時間の推定クリ
ープ破断強度が低下した例、188番鋼はV含有量が高
く、粗大なVNが多量に析出したために650℃、15
万時間の推定クリープ破断強度および700℃、300
0時間時効後の0℃におけるCharpy衝撃吸収エネ
ルギーが低下した例、189番鋼はNb含有量が2.0
%超となったために700℃、3000時間時効後の0
℃におけるCharpy衝撃吸収エネルギーが低下した
例、190番鋼はNb含有量が0.10%未満であった
ために鋼中窒化物密度が減少し、十分なクリープ破断強
度を達成できなかった例、191番鋼はZr濃度が0.
10%を超えたために粗大なZrNが大量に析出し、7
00℃、3000時間時効後の0℃におけるCharp
y衝撃吸収エネルギーが50J未満となった例、192
番鋼はTi含有量が0.10%を超え、大量のTiNが
既に溶鋼段階で析出し、700℃、3000時間時効後
の0℃におけるCharpy衝撃吸収エネルギーが50
J未満となった例、193、194番鋼はそれぞれ鋼中
Co、Cu含有量が過多であったため、それぞれσ相お
よびεCuを析出し、193番鋼ではクリープ破断強度
および靱性が、194番鋼では靱性が低下した例、19
5番鋼は化学成分が請求項1〜4を満たしているにも拘
らず、窒素分圧5.1bar、全圧6.0barと、雰
囲気の圧力条件が請求項5の不等式を満足しなかったた
めに、大型のブローホールが多数インゴット内に生成
し、結果として健全な鋼塊、板が得られず、650℃、
15万時間クリープ外挿強度、700℃、3000時間
時効後の0℃におけるCharpy衝撃吸収エネルギー
ともに低下した例である。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
【0053】
【表6】
【0054】
【表7】
【0055】
【表8】
【0056】
【表9】
【0057】
【表10】
【0058】
【表11】
【0059】
【表12】
【0060】
【表13】
【0061】
【表14】
【0062】
【表15】
【0063】
【表16】
【0064】
【発明の効果】本発明は長時間クリープ後の破断強度が
高く、耐高温酸化性に優れた超高窒素含有フェライト系
耐熱鋼を提供するもので、産業の発展に寄与するところ
極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】インゴットと切断の要領を示す図である。
【図2】1mm2 あたりの鋼中窒化物析出密度と鋼中窒
素含有量の関係を示す図である。
【図3】1mm2 あたりの鋼中窒化物析出密度と650
℃、15万時間クリープ推定破断強度の関係を示す図で
ある。
【図4】インゴットのブローホール発生条件を、鋳造時
の雰囲気の全圧と窒素分圧との関係で示す図である。
【図5】鋼管試験体、圧延試験体と、クリープ試験片採
取要領を示す図である。
【図6】鋼中窒素含有量と650℃、15万時間クリー
プ推定破断強度の関係を示す図である。
【図7】鋼中V含有量と650℃、15万時間クリープ
推定破断強度の関係を示す図である。
【図8】鋼中Nb含有量と650℃、15万時間クリー
プ推定破断強度の関係を示す図である。
【図9】鋼中W含有量と650℃、15万時間クリープ
推定破断強度の関係を示す図である。
【図10】クリープ試験結果の一例を種々の窒素含有量
について破断強度と破断時間で示す図である。
【図11】鋼中窒素含有量と700℃、3000時間時
効後の0℃におけるCharpy衝撃吸収エネルギー値
との関係を示す図である。
【図12】鋼中窒素含有量と650℃、1万時間高温酸
化試験後の試料表面に生成する酸化スケールの成長方向
の厚みを示す図である。
【符号の説明】
1 インゴット 2 切断線 3 鋼管試験体 4 鋼管軸方向 5 圧延方向 6 クリープ試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 直井 久 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 マークス・オー・シュパイデル スイス国 シーエッチ−8092 チューリッ ヒ インスティテュート・オブ・メタラジ ー 番地なし (72)発明者 増山 不二光 長崎県長崎市深堀町5丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で C :0.01 〜 0.30%、 Si:0.02 〜 0.80%、 Mn:0.20 〜 1.0 %、 Cr:8.0 〜13.0 %、 Mo:0.005〜 1.0 %、 W :0.20 〜 1.50%、 V :0.10 〜 2.0 %、 Nb:0.10 〜 2.0 %、 N :0.50 〜 2.0 % を含有し、 P :0.050%以下、 S :0.010%以下、 O :0.020%以下 に制限し、残部がFeおよび不可避の不純物よりなるこ
    とを特徴とする超高窒素フェライト系耐熱鋼。
  2. 【請求項2】 質量%で C :0.01 〜 0.30%、 Si:0.02 〜 0.80%、 Mn:0.20 〜 1.0 %、 Cr:8.0 〜13.0 %、 Mo:0.005〜 1.0 %、 W :0.20 〜 1.50%、 V :0.10 〜 2.0 %、 Nb:0.10 〜 2.0 %、 N :0.50 〜 2.0 % を含有し、さらに Co:0.50 〜5.0%、 Cu:0.50 〜5.0% の1種または2種を含有し、 P :0.050%以下、 S :0.010%以下、 O :0.020%以下 に制限し、残部がFeおよび不可避の不純物よりなるこ
    とを特徴とする超高窒素フェライト系耐熱鋼。
  3. 【請求項3】 質量%で C :0.01 〜 0.30%、 Si:0.02 〜 0.80%、 Mn:0.20 〜 1.0 %、 Cr:8.0 〜13.0 %、 Mo:0.005 〜 1.0 %、 W :0.20 〜 1.50%、 V :0.10 〜 2.0 %、 Nb:0.10 〜 2.0 %、 N :0.50 〜 2.0 % を含有し、さらに Zr:0.0005〜0.10%、 Ti:0.01 〜0.10% の1種または2種を含有し、 P :0.050%以下、 S :0.010%以下、 O :0.020%以下 に制限し、残部がFeおよび不可避の不純物よりなるこ
    とを特徴とする超高窒素フェライト系耐熱鋼。
  4. 【請求項4】 質量%で C :0.01 〜 0.30%、 Si:0.02 〜 0.80%、 Mn:0.20 〜 1.0 %、 Cr:8.0 〜13.0 %、 Mo:0.005 〜 1.0 %、 W :0.20 〜 1.50%、 V :0.10 〜 2.0 %、 Nb:0.10 〜 2.0 %、 N :0.50 〜 2.0 % を含有し、さらに Co:0.50 〜5.0%、 Cu:0.50 〜5.0% の1種または2種を含有し、あるいはさらに Zr:0.0005〜0.10%、 Ti:0.01 〜0.10% の1種または2種を含有し、 P :0.050%以下、 S :0.010%以下、 O :0.020%以下 に制限し、残部がFeおよび不可避の不純物よりなるこ
    とを特徴とする超高窒素フェライト系耐熱鋼。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに示す成分を有
    する鋼を所定の窒素分圧を有する混合ガスあるいは窒素
    ガス雰囲気中で溶解し、平衡させた後に、鋳造時あるい
    は凝固時に、全圧4.5bar以上、窒素分圧1.5b
    ar以上で、窒素分圧p、全圧Pの間に次式の関係 P>3.0p が成立するように窒素混合雰囲気を制御することにより
    ブローホールのない健全な鋼塊を得ることを特徴とする
    超高窒素フェライト系耐熱鋼の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016136839A1 (ja) * 2015-02-27 2016-09-01 国立大学法人九州大学 フェライト系耐熱鋼及びその製造方法
CN115401216A (zh) * 2022-09-21 2022-11-29 华北理工大学 一种合金过配粉体选区激光熔化制备高氮不锈钢的方法

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