JPH06316418A - フォトクロミックガラスの製造方法 - Google Patents

フォトクロミックガラスの製造方法

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JPH06316418A
JPH06316418A JP10653093A JP10653093A JPH06316418A JP H06316418 A JPH06316418 A JP H06316418A JP 10653093 A JP10653093 A JP 10653093A JP 10653093 A JP10653093 A JP 10653093A JP H06316418 A JPH06316418 A JP H06316418A
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glass
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expressed
alkyl group
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JP10653093A
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Masahiro Asuka
政宏 飛鳥
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C4/00Compositions for glass with special properties
    • C03C4/04Compositions for glass with special properties for photosensitive glass
    • C03C4/06Compositions for glass with special properties for photosensitive glass for phototropic or photochromic glass

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス組成の制御が容易な、フォトクロミッ
クガラスの製造方法を提供する。 【構成】 (1)ケイ素、アルミニウム、ナトリウム、
ホウ素及び銅の各アルコキシド、有機溶媒、酸、水、並
びにカルボン酸銀からなるゾル溶液を作製する工程、
(2)ゾル溶液を10〜80℃で乾燥し、乾燥ゲルを作
製する工程、(3)乾燥ゲルを、150〜800℃で加
熱し、多孔性の焼結体を作製する工程、および(4)多
孔性の焼結体を、塩素、臭素または沃素原子を含むガス
中において、100〜800℃で熱処理してハロゲン化
銀を成長させる工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォトクロミックガラ
スの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光の明るさによって色の濃さが変わる
(例えば、光量が大きくなると暗化する)フォトクロミ
ックレンズのメガネが販売されており、この種のフォト
クロミックガラスの有用性が増している。従来、フォト
クロミックガラスは、ケイ砂(SiO2 )、ソーダ灰
(Na2 O)、アルミナ(Al 23 )、ホウ酸(B2
3 )を所定の組成となるように配合し、配合物にハロ
ゲン化銀と酸化銅を少量添加したものを、1500℃以
上の高温度で加熱溶融し、溶融物を冷却して銀とハロゲ
ンをイオンとして含む透明なガラスを作り、このガラス
を500〜600℃で再加熱してハロゲン化銀の微粒子
を析出させる、という方法で製造されてきた。
【0003】しかし、この方法は、高温度での溶融時
に、ハロゲンと銀が揮発し易いのでハロゲン化銀を予め
過剰に加えておく必要があり、所望のガラス組成どおり
のフォトクロミックガラスを得にくい、および製造コス
トが高くなるなどの問題点があった。この問題点を解決
するために、特開昭58−190837号公報では、ケ
イ素、アルミニウムおよびナトリウムのアルコキシドの
混合物に水および塩酸を加え、さらにハロゲン化銀を加
え、攪拌・重合させ、粘度が高くなったところで容器に
収容し、ゲル化・収縮させ乾燥ゲルを形成させ、続い
て、この乾燥ゲルを900℃程度で熱処理して、透明な
ガラスを得、これを550℃に加熱してハロゲン化銀の
粒子を成長させてフォトクロミックガラスを製造する方
法が提案されていた。
【0004】また、特開平3−50128号公報には、 a)Si,Na,Al ,B,Cuの各アルコキシド,水
およびアルコールを混合・攪拌し加水分解反応させた
後、SiO2 微粒子を所定量添加し,ゾルを調製する工
程、 b)該ゾルをゲル化させた後、50〜100℃にて乾燥
し、乾燥ゲルを作製する工程、 c)該乾燥ゲルを更に加熱し、多孔性の焼結ゲルを作製
する工程、 d)該焼結ゲルをAg+ 、Cl- イオンを含む水溶液中
に浸漬しゲル内部に拡散させ所望の組成にした後、再加
熱しガラス化する工程、および e)得られたガラス体を500〜600℃で処理し、フ
ォトクロミックガラスとする工程からなる、フォトクロ
ミックガラスの製造方法が提案されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開昭58−1908
37号公報で提案された製造方法では、乾燥ゲルを90
0℃程度で熱処理する工程および550℃に加熱してハ
ロゲン化銀の粒子を成長させる工程でハロゲンが揮発
し、所望の組成通りのフォトクロミックガラスを得にく
い、という問題点があった。
【0006】また、特開平3−50128号公報で提案
された製造方法では、焼結ゲル内部にAg+ 、Cl-
オンを拡散させ所望の組成にする時に、Ag+ イオンお
よびCl- イオンの焼結ゲル中への拡散をコントロール
しにくいため、所望の組成どおりのフォトクロミックガ
ラスを得にくいという問題点があった。本発明の目的
は、上記の問題点を解決するものであり、ガラス組成の
制御が容易であるフォトクロミックガラスの製造方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明で使用されるケイ
素アルコキシド(a)は、下記の一般式[I] からなる群
から選ばれる少なくとも1種である。 Yn ─Si(OR)4-n ・・・[I]
【0008】一般式[I] で表されるケイ素アルコキシド
(a)において、式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基
を示すが、炭素数が多くなると混合物の安定性が低下し
て長期保存性が悪くなるので、炭素数は1〜5に限定さ
れる。Rの例としては、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−
ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。Yは
有機基を示し、例えば、炭化水素基、グリシドキシアル
キル基、アミノアルキル基などが挙げられる。炭化水素
基としては、例えば、アルキル基、置換アルキル基、ア
リル基、ビニル基、フェニル基、ナフチル基などが挙げ
られる。nは0〜3の整数を示す。
【0009】一般式[I] で表されるケイ素アルコキシド
としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、モノメチ
ルトリメトキシシラン、モノメチルトリエトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、トリメチルモノメトキシシラン、トリ
メチルモノエトキシシランなどが挙げられる。ケイ素ア
ルコキシド(a)としては、単独で使用されてもよいし
2種以上併用されてもよい。
【0010】本発明で使用される一般式Al(OR1
3 (式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基)で表され
るアルミニウムトリアルコキシド(b)としては、例え
ば、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムトリイ
ソプロポキシドなどが挙げられる。
【0011】本発明で使用される一般式Na(OR2
(式中、R2 は炭素数1〜5のアルキル基)で表される
ナトリウムアルコキシド(c)としては、例えば、ナト
リウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどが挙げら
れる。
【0012】本発明で使用される一般式B(OR3 3
(式中、R3 は炭素数1〜5のアルキル基)で表される
ホウ素トリアルコキシド(d)としては、例えば、ホウ
素トリブトキシド、ホウ素トリイソプロポキシドなどが
挙げられる。
【0013】本発明で使用される一般式Cu(OR4
2 (式中、R4 は炭素数1〜5のアルキル基)で表され
る銅ジアルコキシド(e)としては、例えば、銅ジメト
キシド、銅ジエトキシドなどが挙げられる。
【0014】本発明で使用される一般式Ag(Cn
2n-12 )(式中、nは2〜11の整数)で表されるカ
ルボン酸銀(i)としては、例えば、酢酸銀が挙げられ
る。
【0015】本発明で使用される有機溶媒(f)として
は、前記ケイ素アルコキシド(a)、アルミニウムトリ
アルコキシド(b)、ナトリウムアルコキシド(c)、
ホウ素トリアルコキシド(d)、銅ジアルコキシド
(e)、酸(g)、水(h)およびカルボン酸銀(i)
と相溶性のあるものであれば特に限定されるものではな
く、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコー
ル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テ
トラヒドロフランなどが挙げられ、特にメチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが好ま
しい。これらは単独で使用されてもよいし2種以上併用
されてもよい。
【0016】有機溶媒(f)の添加量は、上記アルコキ
シド(a)〜(e)の総合計1モルに対して、3〜10
0モルが好ましく、さらに好ましくは5〜20モルであ
る。有機溶媒(f)は少なくなると、混合物が均一に混
合されにくく、不均質な溶液となり、多くなると、溶液
の固形分濃度が低くなりすぎる。
【0017】本発明で使用される水(h)は、前記アル
コキシド(a)〜(e)の加水分解のために加えられ、
酸(g)は加水分解のための触媒として加えられる。水
(h)の添加量は、上記アルコキシド(a)〜(e)の
総合計1モルに対して、1〜30モルが好ましく、さら
に好ましくは3〜10モルである。水(h)が少なくな
ると、加水分解が十分起こりにくく、多くなると、溶液
との相溶性が悪くなる。酸(g)は添加する水に0.0
01〜0.5重量%の割合で含有されるのが好ましい。
酸が少なくなると、触媒としての効果が望めず、多くな
ると、ガラスを不均質にする。酸としては、特に限定さ
れるものではなく、無機酸、有機酸のいずれも使用可能
であり、例えば、塩酸、硫酸が挙げられる。
【0018】本発明で使用される塩素、臭素または沃素
原子を含むガスとしては、例えば、塩素ガス、塩化水素
ガス、臭素ガス、臭化水素ガス、沃素ガス、沃化水素ガ
スなどが使用される。
【0019】本発明で使用される混合物の配合割合は、
ガラス化後の酸化物の重量割合でSiO2 50〜65
%、Al 23 5〜15%、Na2 O1〜15%、B2
3 15〜25%、CuO0.01〜0.3%が好まし
い。また、カルボン酸銀は、ガラス化後の(SiO2
Al 23 +Na2 O+B23 +CuO)100重量
部に対して、Agが0.3〜2.5重量部となるよう
に、添加される。
【0020】本発明のフォトクロミックガラスの製造は
以下の(1)〜(4)の工程に従って行われる。 (1)ケイ素アルコキシド(a)、アルミニウムトリア
ルコキシド(b)、ナトリウムアルコキシド(c)、ホ
ウ素トリアルコキシド(d)および銅ジアルコキシド
(e)を、有機溶媒(f)に所定割合で配合した溶液
に、カルボン酸銀(i)を所定割合で添加し、これに、
酸(g)を含んだ水(h)を添加し、混合・攪拌するこ
とにより、加水分解および縮重合を進ませて均一なゾル
溶液を作製する。なお、この混合物の調製に際して、上
記(a)〜(h)の各成分の添加順序は、任意に変えら
れ得る。
【0021】(2)次に、バルク状のフォトクロミック
ガラスを得たい場合には、上記のゾル溶液を所望のフォ
トクロミックガラスの形状をした容器に注入する。薄膜
状のフォトクロミックガラスを得たい場合には、所望の
形状をしたガラス基材上に塗布する。ガラス基材上に塗
布する場合の塗布方法としては、例えば、スピンコー
ト、スプレーコート、ロールコート、ディップコートま
たは流し塗り等の方法が挙げられる。次に、上記の容器
に注入されたゾル溶液、または塗布されたゾル溶液を1
0〜80℃で乾燥し、乾燥ゲルを作製する。乾燥温度が
高くなると、ゲルにクラックが発生し、低くなると、溶
媒が十分除去できなくなる。
【0022】(3)次に、乾燥ゲルを、150〜800
℃で加熱し、銀イオンを含んだ多孔性の焼結体を作製す
る。焼結温度が高くなると、多孔性のゲルを得にくく、
低くなると、十分な焼結ができない。
【0023】(4)次に、多孔性の焼結体を、塩素、臭
素または沃素原子を含むガス中において、100〜80
0℃で熱処理して、ハロゲン化銀微粒子核を成長させて
フォトクロミックガラスとする。熱処理温度が高くなる
と、ハロゲンの揮発が起こり易く、低くなるとハロゲン
化銀の成長が起こりにくくなる。
【0024】本発明2のフォトクロミックガラスの製造
は、前記の(1)〜(3)の工程の後、次に示す(4)
および(5)の工程に従って行われる。
【0025】(4)多孔性の焼結体を、塩素、臭素また
は沃素イオンを含む水または低級アルコール溶液中に浸
漬し、該焼結体の内部に塩素、臭素または沃素イオンを
拡散させてハロゲン化銀微粒子核を生成させる。塩素、
臭素または沃素イオンを含む溶液としては、例えば、塩
化水素、塩化ナトリウム、臭化水素、臭化ナトリウム、
沃化水素の水溶液またはアルコール溶液が挙げられる。
アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコ
ールが挙げられる。溶液中の上記ハロゲンイオンの濃度
は、特に限定されないが、溶液中のハロゲンイオンの全
量は、工程(1)で使用されたカルボン酸銀のモル数以
上であることが好ましい。
【0026】(5)微粒子核が生成された焼結体を、1
00〜800℃で加熱してハロゲン化銀微粒子を成長さ
せる。この加熱温度が高くなると、ハロゲンの揮発量が
大きくなり、低くなると、ハロゲン化銀の成長が十分行
われない。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0028】実施例1 (1)シリコンテトラエトキシド 208.2g(1.00モル) アルミニウムトリイソプロポキシド 20 g(0.10モル) ナトリウムエトキシド 11 g(0.16モル) ホウ素トリブトキシド 52.9g(0.23モル) 銅ジエトキシド 0.3g(0.002モル) をエチルアルコール500g(10.9モル)と混合
し、さらに0.36重量%の塩酸を含む水を200g
(11.1モル)加えて、1時間混合・攪拌した。次い
で、酢酸銀を1.55g(0.01モル)加えて、24
時間混合・攪拌してゾル溶液を得た。 (2)加水分解・縮重合によって粘度が上昇したゾル溶
液を、ポリスチレン製の容器にいれ、60℃の恒温槽に
7日間保持してゲル化させて、厚さ1.5cmの乾燥ゲ
ルを得た。 (3)この乾燥ゲルを、ポリスチレン製の容器から取り
出し、5℃/時間の昇温速度で750℃まで加熱し、A
gイオンを含む透明な多孔性ガラスを得た。 (4)この多孔性ガラスを、塩素ガスをフローさせた5
50℃の電気炉中に10時間放置し、フォトクロミック
ガラスを得た。
【0029】実施例2 (1)実施例1の工程(1)と同様にしてゾル溶液を得
た。 (2)得られたゾル溶液に石英の平板(30mm×10
0mm×1mm厚)を浸漬し、引き上げ速度800mm
/minでディップコートした後、60℃の恒温槽に3
日間保持してゲル化させて、乾燥ゲルからなる薄膜で被
覆された石英板を得た。 (3)上記薄膜被覆石英板を、5℃/時間の昇温速度で
600℃まで加熱し、Agイオンを含む透明な多孔性ガ
ラス薄膜被覆石英板を得た。 (4)この多孔性ガラス薄膜被覆石英板を、塩素ガスを
フローさせた550℃の電気炉中に10時間放置し、フ
ォトクロミックガラス薄膜被覆石英板を得た。このフォ
トクロミックガラス薄膜の厚みは1μmであった。
【0030】実施例3 工程(1)〜(3) 実施例1の工程(1)〜(3)と同様にして、Agイオ
ンを含む透明な多孔性ガラスを得た。 (4)このAgイオンを含む多孔性ガラスを、3mol
/LのNaCl水溶液中に浸漬し、72時間放置して、
AgClの微粒子核を生成させた。 (5)微粒子核を生成させた多孔性ガラスを上記水溶液
から取り出し、40℃で5時間乾燥させた後、550℃
の電気炉中に10時間放置し、フォトクロミックガラス
を得た。
【0031】実施例4 工程(1)〜(3) 実施例2の工程(1)〜(3)と同様にして、Agイオ
ンを含む透明な多孔性ガラス薄膜被覆石英板を得た。 (4)このAgイオンを含む多孔性ガラス薄膜被覆石英
板を、3mol/LのNaCl水溶液中に浸漬し、72
時間放置して、AgClの微粒子核を生成させた。 (5)微粒子核を生成させた多孔性ガラス薄膜被覆石英
板を上記水溶液から取り出し、40℃で5時間乾燥させ
た後、550℃の電気炉中に10時間放置し、フォトク
ロミックガラス薄膜被覆石英板を得た。このフォトクロ
ミックガラス薄膜の厚みは1μmであった。
【0032】比較例1 工程(1)〜(3) 実施例1の工程(1)において、酢酸銀を加えずにゾル
溶液を作製したこと以外は、実施例1の工程(1)〜
(3)と同様にして、透明な多孔性ガラスを得た。 (4)この多孔性ガラスを、NaClとAgNO3 とを
それぞれ3mol/Lの濃度で溶解した水溶液中に浸漬
し、72時間放置した。 (5)次に、多孔性ガラスを上記水溶液から取り出し、
40℃で5時間乾燥させた後、電気炉に入れ、1℃/分
の昇温速度で950℃まで加熱した。次に、得られたガ
ラスを550℃の電気炉中に10時間放置して、ガラス
内部にAgClの微粒子を成長させフォトクロミックガ
ラスを得た。
【0033】評価 実施例1〜4および比較例1で得られたガラスまたはガ
ラス薄膜被覆石英板を試料として以下の評価を行った。 組成分析 X線マイクロアナライザーにて組成分析をし、結果を表
1に示した。表1に示した数値の単位は重量%である。
また、目標組成とあるのは、ガラス設計の目標とした組
成のことである。 フォトクロミック特性の評価 暗室内で、以下の方法でおこなった。光を遮断して30
分保持後、150ワットの水銀灯の光を試料に60分間
照射し、波長400nmの光線透過率を、照射開始直後
から60分後まで、可視・紫外分光光度計を用いて測定
した。次に、光を遮断し、遮断直後から90分後まで同
様に測定した。結果を図1および図2に示した。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明のフォトクロミックガラスの製造
方法は前記した通りであり、従来の高温溶融法と違っ
て、低温で製造できるので、ガラス組成の制御が容易で
あり、ハロゲン化銀を予め過剰に加えておく必要がない
ので、製造コストが安い。特開昭58−190837号
公報および特開平3−50128号公報記載の方法のよ
うに、ガラス組成物中にハロゲンが含まれた後に加熱す
るのではなく、ハロゲン処理をしつつ加熱するので、ハ
ロゲンの揮発の恐れがなく、ガラス組成の制御が容易で
ある。
【0036】本発明2のフォトクロミックガラスの製造
方法は前記した通りであり、従来の高温溶融法と違っ
て、低温で製造できるので、ガラス組成の制御が容易で
あり、ハロゲン化銀を予め過剰に加えておく必要がない
ので、製造コストが安い。特開昭58−190837号
公報記載の方法は、ガラス組成物中にハロゲンが含まれ
た後に、900℃までの加熱と550℃での再加熱の2
回の加熱工程が必要であるが、本発明2では、ハロゲン
が含まれた後の加熱は1回ですむので、ハロゲンの揮発
が少なくなり、従ってガラス組成の制御が容易である。
特開平3−50128号公報記載の方法は、焼結ゲル内
部に液相中からAg+ とCl- イオンの両方を拡散させ
ねばならないが、本発明2では、Ag+ イオンは、予め
ガラス組成物中に配合されており、Cl- イオンだけを
焼結ゲル中へ拡散すればよいので、ガラス組成の制御が
容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1および実施例2で得られたガラスまた
はガラス薄膜被覆石英板のフォトクロミック特性の評価
結果である。
【図2】実施例3、実施例4および比較例1で得られた
ガラスまたはガラス薄膜被覆石英板のフォトクロミック
特性の評価結果である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)(a)下記の一般式[I] からなる群
    から選ばれる少なくとも1種のケイ素アルコキシド、 Yn ─Si(OR)4-n ・・・[I] (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基、Yは有機基、
    nは0〜3の整数)(b)一般式Al(OR1 3 (式
    中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基)で表されるアル
    ミニウムトリアルコキシド、(c)一般式Na(O
    2 )(式中、R2 は炭素数1〜5のアルキル基)で表
    されるナトリウムアルコキシド、(d)一般式B(OR
    3 3 (式中、R3 は炭素数1〜5のアルキル基)で表
    されるホウ素トリアルコキシド、(e)一般式Cu(O
    4 2 (式中、R4 は炭素数1〜5のアルキル基)で
    表される銅ジアルコキシド、(f)有機溶媒、(g)
    酸、(h)水、および(i)一般式Ag(Cn 2n-1
    2 )(式中、nは2〜11の整数)で表されるカルボン
    酸銀からなる混合物を、加水分解および縮重合させゾル
    溶液を作製する工程、 (2)ゾル溶液を10〜80℃で乾燥し、乾燥ゲルを作
    製する工程、 (3)乾燥ゲルを、150〜800℃で加熱し、多孔性
    の焼結体を作製する工程、および (4)多孔性の焼結体を、塩素、臭素または沃素原子を
    含むガス中において、100〜800℃で熱処理してハ
    ロゲン化銀を成長させる工程からなるフォトクロミック
    ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の(1)、(2)および
    (3)の工程の後、(4)多孔性の焼結体を、塩素、臭
    素または沃素イオンを含む水またはアルコール溶液中に
    浸漬し、ハロゲン化銀微粒子核を生成させる工程、およ
    び(5)微粒子核が生成された焼結体を、100〜80
    0℃で加熱してハロゲン化銀微粒子を成長させる工程か
    らなるフォトクロミックガラスの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20160067916A (ko) * 2013-10-09 2016-06-14 코닝 인코포레이티드 역 광색성 보로실리케이트 유리

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KR20160067916A (ko) * 2013-10-09 2016-06-14 코닝 인코포레이티드 역 광색성 보로실리케이트 유리
JP2016535715A (ja) * 2013-10-09 2016-11-17 コーニング インコーポレイテッド 逆フォトクロミックホウケイ酸ガラス

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