JPH06310751A - 回折格子を有する光検出装置及びそれを用いた光通信ネットワーク - Google Patents

回折格子を有する光検出装置及びそれを用いた光通信ネットワーク

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JPH06310751A
JPH06310751A JP12345393A JP12345393A JPH06310751A JP H06310751 A JPH06310751 A JP H06310751A JP 12345393 A JP12345393 A JP 12345393A JP 12345393 A JP12345393 A JP 12345393A JP H06310751 A JPH06310751 A JP H06310751A
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light
diffraction grating
photodetector
waveguide
optical
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JP12345393A
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Yoshinobu Sekiguchi
芳信 関口
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  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】回折格子が形成された光導波路から導波路外へ
放射される回折光の放射角が光の波長に依存することを
利用する分波機能を有する光検出装置、およびこの装置
を使用した光通信ネットワークである。 【構成】回折格子9が形成された導波路21への入射光
強度がほぼ一定になるように、光減衰および光増幅機能
のどちらか又は両機能を有する光増幅器20などの光量
制御手段が導波路21の入射側に設けられている。この
光量制御手段を制御することにより、入射光強度の変化
に伴う導波路21の等価屈折率変化による波長分波機能
の低下を抑制する。入射光に常に連続光を含ませたり、
導波路が光無入射状態に回折格子のブラッグ波長でレー
ザ発振する様にしてもよい。光検出器列11として、広
いダイナミックレンジを有しないものも使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回折格子が形成された
光導波路から導波路外へ出射される回折光の出射角が、
光の波長に依存することを利用する分波機能などを有す
る光検出装置、及びそれを用いた波長多重光通信などの
光通信ネットワークに関するものである。
【0002】
【従来の技術】既に提案されている回折格子を有する光
検出装置においては、導波路外へ放射される回折光は、
光導波路内を伝搬する光の一部が、回折格子と導波路の
結合効率によって決まる一定割合で、回折光として導波
路外に放射されることで発生し、これが複数の光検出器
で受光されるように構成されているか、又は、検出感度
を上げるために、光の入射端部に、入射光を一定の倍率
で増幅するための光増幅部を有する構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記提案例では、回折格子が形成された導波路への入射光
強度が変動すると、それに応じて、導波路の等価屈折率
が変動してしまうため、導波路外へ射出される回折光の
出射角が変化する。このため、同一波長の光が入射して
も、その強度によって回折光の出射角が変化するため、
波長分波機能が低下してしまう。また、入射光強度が変
動すると、それに応じて回折光強度も変化するため、回
折光を受光する光検出器は広いダイナミックレンジを必
要とする等の欠点がある。
【0004】より詳細に言えば次の様になる。
【0005】回折格子が形成された導波路に入射した光
は、回折格子により回折され、導波路上面から放射され
る。この回折光の導波路法線方向からの傾斜角φは、回
折格子のピッチΛと入射光の波長λに対し次の関係を満
たす。 sinφ=neff−qλ/Λ (1) ここで、qは整数、neffは導波路の等価屈折率であ
る。
【0006】したがって、上述した様に、入射光の波長
λが変われば、傾斜角φも変化するので、回折光は分波
されて放射される。よって、分波光を別々の光検出素子
で受光することにより、波長多重された信号などを分波
検出できる。
【0007】ここで、前記導波路に活性層と、活性層へ
の電流注入手段をもうけることにより、導波路に利得を
持たせ、導波光を増幅し、最小受信感度を大幅に改善す
ることができる。
【0008】しかし、増幅度を大幅に増大させると、回
折格子のブラッグ波長λB(=2neffΛ/m)でレーザ
発振が生じてしまい、充分な増幅が得られなかった。
【0009】更に、上述した様に、入射光の波長多重度
が変動すると、入射強度が変動するため、導波路の等価
屈折率が変動し、これに伴い導波路外へ放射される回折
光の放射角が変化し、波長分解能が低下してしまう。
【0010】よって、本発明の目的は、上記の問題点を
解決した、光通信などにおいて使用され回折格子が形成
された光導波路から導波路外へ放射される回折光の放射
角が光の波長に依存することを利用する分波機能などを
有する光検出装置、およびこれらの装置を使用した光通
信ネットワークないし波長多重光通信システムを提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による回折格子を
有する光検出装置によれば、回折格子が形成された導波
路への入射光強度がほぼ一定になるように、光減衰およ
び光増幅機能のどちらか又は両機能を有する光量制御手
段が前記導波路の入射側に設けられている。この光量制
御手段を制御することにより、入射光強度の変化に伴う
導波路の等価屈折率変化による波長分波機能の低下を抑
制するとともに、回折光を受光するための光検出器とし
て、広いダイナミックレンジを有しないものも使用でき
る。
【0012】また、前記光量制御手段を制御するための
信号として、入射端と反対側にモノリシックに形成され
たp−i−n構造PDの出力や回折光を受光する光検出
器の出力を使用することにより、構成を簡単にできる。
【0013】即ち、本発明による回折格子を有する光検
出装置では、回折格子が形成された光導波路から、導波
路外に出射される回折光を検出するために複数の光検出
器を配置した分波機能を有する光検出装置において、導
波路外へ放射される回折光の光量が、入射光量が変化し
てもほぼ一定となるようにする制御手段を有することを
特徴とする。この制御手段は、具体的には例えば、光導
波路入射側に設けられた光増幅部であり、これへの注入
電流を変化させることで、導波路外へ放射される回折光
の光量を、入射光量が変化してもほぼ一定とする。
【0014】また、本発明による回折格子を有する光検
出装置によれば、導波路への入射光が常に連続光を含む
ことにより、あるいは、利得を有する光導波路が、光無
入射時にブラッグ波長でレーザ発振状態になる利得を保
持することにより、入射光の波長多重度などが増減して
も、導波路内での光強度や注入キャリヤ数の変動を低く
おさえることが可能となった。
【0015】したがって、導波路の等価屈折率の変動も
抑圧され、導波路外へ放射される回折光の放射角が変動
しないので、波長多重度などが増減しても波長分解能の
低下を防ぐことができる。
【0016】更に、本発明による回折格子を有する光検
出装置によれば、回折格子のブラッグ波長λB(=2n
effΛ/m)を導波路の利得が存在する波長帯域の利得
の低い波長域、または、利得が無い波長域に設定するこ
とにより、ブラッグ波長におけるレーザ発振の発生を抑
圧し、導波光の増幅度を充分大きくできる。
【0017】また、本発明による光通信ネットワークで
は、異なる波長の光信号を送出する少なくとも1つの送
信端局と複数の波長の光信号を受信する受信端局が、光
伝送路で接続された光通信ネットワークにおいて、少な
くとも1つの受信端局に上記光検出装置を備えたことを
特徴とする。
【0018】
【実施例】図1は、本発明の第1実施例の特徴を最もよ
く表すために装置の左半分を示す図面であり、回折格子
9が形成された光導波路21と、光増幅器20がモノリ
シックに構成されている。光導波路21の上面から垂線
方向に、複数の光検出器11が導波路21の延伸方向に
一列に配置されている。
【0019】回折格子9のピッチΛは、入射光の波長λ
に対し、ほぼΛ〜λ/neff(neff:導波路の実効屈折
率)の関係を満たしており、回折格子9により導波路2
1から垂線方向に放射される回折光10と、導波路21
の垂線とのなす角をφとすると、φは光の波長λに対し
次の関係を満たしている。 dφ/dλ=1/cosφ[dneff/dλ−1/Λ] (1) したがって、波長の異なる入射光(波長λ+Δλi)の
回折光は、放射角(φ+Δφi)も異なるため、前記回
折光は複数の検出器11で受光される。こうして、それ
ぞれの波長で送られて来る複数の信号は、分波された
後、それぞれの光検出器11によって電気信号に変換さ
れ、信号処理・解析装置12を通った後、各種情報・映
像機器に入力される。
【0020】回折光10のファーフィールドパターン
(FFP)は、導波路21に沿う方向では非常に狭く、
例えば、その広がり角(θP)は0.2°程度であり、
導波路21を横切る方向では広くその広がり角(θt
は15°程度である。従って、入射光の波長が0.5n
m程度変化すれば、出射角即ち傾斜角φは〜0.2°程
度変化するので、導波路21に沿う方向で回折光10の
ビーム径程度変化することになる。よって、光検出器列
11の導波路21に沿う方向の各素子の受光面のサイズ
を1次回折光のビーム径(θP)程度にすれば、0.5
nm程度の波長変化を検出できる。波長分解能は上方に
回折される回折光10の導波路21に沿う方向の広がり
角(θP)によって制限されているので、回折格子付き
導波路21の回折格子9と光導波路の結合効率を小さく
し且つ回折格子付き光導波路21を長くすることによ
り、θPを狭くし、波長分解能を上げることが可能であ
る。
【0021】一方、回折格子9が形成された光導波路2
1への入射光強度を常に一定に保持するために、光増幅
器20への注入電流は、回折光10の強度に応じて制御
されている。光増幅器20への注入電流を制御する注入
電流制御装置13のためのフィードバック信号として、
前記複数の光検出器11出力の総和に対応した制御信号
が信号処理・解析装置12から入力されている。
【0022】図1において、光増幅器20は、InP基
板2、InGaAsP光ガイド層3、InGaAsP
(エネルギーギャップ、Eg〜0.8eV)活性層4、
InP上部光閉込め層5、InGaAsコンタクト層
7、InP高抵抗埋込み層6、およびp、nの金属電極
1、8で構成されている。一方、回折格子付き導波路2
1は、光増幅器20と同一のInP基板2、ピッチΛの
回折格子9、InGaAsP(Eg〜0.95eV)光
ガイド層3、InP上部光閉込め層5で構成されてい
る。なお、図1には、示されていないが、入射端面およ
び反対側の端面には、光の反射を防ぐため、誘電体の反
射防止膜が形成されている。
【0023】同図において、光増幅器20に光が入射す
ると、光増幅器20の注入電流に応じた増幅率で入射光
は増幅され、回折格子付き導波路21の回折格子9によ
り、導波路の上面から回折光10が放射される。入射光
が複数の波長を含んでいれば、回折光10の放射角は、
波長により式(1)に従って変化し、波長に応じた回折
光が放射される。それぞれの回折光10を別々の光検出
器11で受光することにより、波長多重された信号をそ
れぞれの波長に分波して受信することができる。
【0024】一方、入射光の時間平均強度が時間ととも
に変動する場合、光増幅器20の注入電流を一定に保持
すると、入射光強度の変動に応じて、回折格子9が形成
された光導波路21への入射光強度も変動し、入射光の
波長が同一にもかかわらず、導波路21の等価屈折率の
変化にともない、各波長について回折光10の放射角φ
が変動する。そこで、複数の光検出器11で受光された
回折光10の強度をフィードバック信号として、制御装
置13で光増幅器20の注入電流を制御して、回折光1
0の強度変動を低減させる。これにより、回折格子9が
形成されている光導波路21への入射光強度の変動も低
減されるため、入射光強度の変動にともなう分波機能の
低減を大幅に抑制できる。
【0025】図2は、図1に示す本発明の光検出装置を
使用した波長多重光通信ネットワークの1つの形態を表
わす概略図である。
【0026】同図において、各送信端局201、20
1、・・・、20Nは、電気・光変換部に波長可変DB
R−LDを有しており、DBR領域への注入電流を制御
して発振可能な波長(λ1、・・・、λn)から、任意の
波長λi(1≦i≦n)で送信を開始する。この時、同
時に送信を希望する複数の送信端局があれば、それぞれ
の送信端局で、他で使われていない波長λj、λk、・・
・(1≦j、k、・・・≦n、i≠j≠k・・・)で送
信する。
【0027】全送信端局201、201、・・・、20
Nから送出される光信号は、分岐合流器301によっ
て、逐次又は一括して多重化され、光伝送路400によ
って受信側へ送出される。一方、各受信端局501、5
01、・・・、50Mの光・電気変換部は、図1の分波
機能を有する光検出装置で構成されている。光伝送路4
00によって送られて来る波長多重された信号は、分岐
合流器302によって分岐された後、各受信端局50
1、501、・・・、50Mに入力される。
【0028】入力された波長多重信号は、分波機能を有
する光検出装置によって、各波長に分波された後、所望
の波長の信号が選択されて受信端局へ取込まれる。この
際、波長の異なる複数の信号、または、必要ならば、す
べての信号を同時に取込むことも可能である。
【0029】図3は、本発明の光検出装置の第2実施例
の特徴を最もよく表す図面であり、回折格子を有する半
導体光導波路から放射される回折光を受光できる位置に
光検出素子列が配置されている。
【0030】回折格子を有する半導体光導波路は、Ga
As基板33上に、有機金属気相成長法等により、Ga
Asバッファ層(不示図)、AlGaAs下部光閉込め
層34、GaAs/AlGaAs多重量子井戸活性層3
6、AlGaAs光導波路層37を積層した後、干渉露
光法等により、回折格子38を形成した後、更にAlG
aAs上部光閉込め層39、AlGaAsコンタクト層
40を積層して形成する。
【0031】その後、横方向の光閉込めを行う為のAl
GaAsBH埋込み層35を形成し、更に、電流注入の
ための金属電極31、41を形成するが、上部電極41
には、回折光43が放射される窓42が形成されてい
る。
【0032】前記回折格子38のピッチΛは、そのブラ
ッグ波長λBが、GaAs/AlGaAs多重量子井戸
活性層36の利得が低い波長域に設定されている。具体
的には、GaAs/AlGaAs多重量子井戸活性層3
6は、GaAs(ウェル、厚さ:6nm)/Al0.2
0.8As(厚さ:10nm)の構成で5ウェルで構成
されており、利得帯域は、注入電流の増大とともに拡大
するが、845nmをピークに、825nm〜875n
m程度である。したがって、回折格子38のピッチΛ
は、ブラッグ波長λBがこの利得帯域の外側になるよう
に設定すればよい。
【0033】導波路の等価屈折率neffは、およそ3.
41であるので、ブラッグ波長λBが上記利得帯域の外
側になる回折格子のピッチΛは、m≦3において、 Λ(<λB=825nm) Λ(>λB=875nm) m=1 <121.0nm >128.3nm =2 <241.9 >256.6 =3 <362.9 >384.9 となる。したがって、設定可能な回折格子のピッチΛ
は、 に限定される。
【0034】本実施例では、回折格子のピッチΛを23
5nmで形成した。この時、波長λの導波光が回折格子
38によって導波路外に放射される時の放射角φ(導波
路法線方向とのなす角)は、(1)式(q=1)により
決定されるので、この位置に回折光43の広がり角に対
応する受光面(導波光の伝搬方向)を持つ複数の光検出
素子列44を配置する。
【0035】入射光は、導波路端面に形成された誘電体
反射防止膜32(図示されていないが、反対端面にも反
射防止膜は存在する)を透過して、光導波路層37に結
合する。この時、電極31、41間を順方向バイアスし
て、活性層36に電流を注入すると、光導波路の損失が
低減する。更に注入電流を増大すると、利得帯域が形成
される。導波光の波長がこの波長帯域内に存在すれば、
導波光は増幅されるので、回折格子38によって分波さ
れて導波路外に放射される回折光43の強度も増大し
て、複数の光検出素子列44に入射される。
【0036】一方、回折格子38のブラッグ波長λ
Bは、前述したように、この利得帯域の外側に設定され
ているため、DFBモードでの発振は抑圧されている。
よって、大きな増幅度を得ることができるので、複数の
光検出素子44で受信できる最小入射光強度を大幅に下
げることができる。
【0037】なお、本実施例では、波長多重された複数
の信号光から成る導波光は、導波路の利得帯域内に設定
されていたが、すべての信号光の波長が利得帯域内に存
在する必要はなく、増幅を必要としない信号光が利得帯
域の長波長側に存在してもよい。
【0038】図2に示す波長多重光通信ネットワーク
に、本実施例の光検出装置も使用することができる。
【0039】図4は、本発明の光検出装置の第3の実施
例であり、増幅度を大きくとれる上に、作製が容易、且
つ導波路外に放射される回折光の導波方向の広がり角θ
Lも狭くしたものであり、3つの光増幅部65と3つの
回折光出射部66で構成されている。
【0040】光導波路は、リブ導波構造を有しており、
光増幅部65は、n−GaAs基板53およびn−Ga
Asバッファ層(不図示)、n−AlxGa1-xAs第1
光閉込め層54、GaAs/AlyGa1-yAs(0<y
<x)多重量子井戸構造の活性層56、p−AlxGa
1-xAs第2光閉込め層59、電気絶縁層62、p−G
aAsコンタクト層60および、n,p用金属電極5
1、61で構成されている。
【0041】回折光出射部66のリブ導波路63には、
回折格子が形成されており(不示図)、回折格子のピッ
チΛは、ブラッグ波長λBが、光増幅部65の利得帯域
の外側に設定されている。なお、外部光入射端面および
反対側端面には、無反射コーティングが施されており、
入射効率の増大および端面間によるファブリペローモー
ドの発生を抑圧している。
【0042】図4において、光増幅部65の長さは〜1
50nm、回折光出射部66の長さは〜400nmであ
り、各光増幅部65への注入電流を制御して、導波光の
位相を合わせることにより、あたかも、長さが2〜3倍
の単一の回折光出射部と同等の機能を有するため、回折
光の導波方向の広がり角θLを数分の1に低減でき、波
長分解能を上げることが可能となった。
【0043】本実施例は、AlGaAs系で構成したの
で、回折光出射部66も活性層56を有しており、この
部分の吸収損失を低減するために、活性層として多重量
子井戸構造を用いているが、InP系で構成する場合
は、回折格子上に活性層を積層したり、回折光出射部の
活性層の除去が安易に行えるので、利得帯域の設計の自
由度が大きくなる。本実施例の作動は第2実施例と実質
的に同じである。また、図2に示す波長多重光通信ネッ
トワークに、本実施例の光検出装置も使用することがで
きる。
【0044】図5は、本発明の光検出装置の第4実施例
の特徴を最もよく表す図面であり、回折格子を有する光
導波路は、光増幅部88と回折光出射部89で構成され
ている。
【0045】回折光放射部89の導波路の垂線方向に、
導波路と相対して、複数の光検出素子84が一列に配置
されている。
【0046】回折格子を有する光導波路は、横方向の光
閉込めのためにリブ構造に形成されており、光増幅部8
8は、n−GaAs基板73およびn−GaAsバッフ
ァ層(不図示)、n−Al0.5Ga0.5As光閉込め層7
4、アンドープGaAs/Al0.3Ga0.7Asの構成で
あってウェル数20で構成される多重量子井戸構造の活
性層76、p−Al0.5Ga0.5As光閉込め層79、電
気絶縁層85、p−GaAsコンタクト層80および
n、p用金属電極71、81で構成されている。回折光
出射部89のリブ導波路86には、回折格子が形成され
ており(不示図)、回折格子のピッチΛは、入射光の波
長λi(i=0、1、2、・・・、k)に対しおよそΛ
〜λi/neff(neff:導波路の実効屈折率)の関係を
満たしている。また、導波層は、光増幅部88から延伸
している活性層76をそのまま使用しているが、多重量
子井戸で構成されているので、光増幅部88で利得を有
する波長域の光に対し、低損失の導波路となっている。
なお、図に示されていないが、光増幅部88の外部光入
射端面には無反射コーティングが施されており、レーザ
発振の抑圧と飽和注入電流密度の増大を可能にしてい
る。
【0047】一方、外部入射光は、比較的光量の多い連
続光λ0、および多重度が変化する信号光λj(j=1、
2、・・・、k)によって構成されている。
【0048】光増幅部88を順バイアス状態で、外部入
射光がリブ導波路に入射すると、光は増幅され、回折光
出射部89から導波路のほぼ法線方向に放射される。こ
の回折光の導波路法線方向からの傾斜角φは、式(1)
の関係を満たすので、入射光の波長λiに応じて傾斜角
φiが変化し分波放射される。式(1)において、導波
路の等価屈折率neffは入射光強度依存性を有してお
り、光増幅部88への入射光強度が〜0.01mW付近
において、光強度が2倍になると、傾斜角φは、およそ
−0.1deg程度変化した。
【0049】したがって、外部入射光が多重度の変化す
る波長多重信号で構成されていると、多重度に応じて光
強度が変化するので、傾斜角も変化し、波長分解能が低
下してしまう。本実施例では、外部入射光が、常時、比
較的光量の多い連続光λ0を含むため、信号光の多重度
が変動しても、全入射光量の変動を低くおさえられる。
【0050】更に、光増幅部88において、信号光が増
幅されると、利得が信号光に分配されて連続光λ0の増
幅度が低下するので、回折光放射部89への導波光強度
の変動は更に低減される。複数の光検出素子84には、
信号光の多重度に応じて強度が変動する連続光の回折光
87、および波長多重された信号光の回折光83(図5
上では、1つの信号光のみ記載)が入射する。
【0051】したがって、多重度の変動にともなう導波
路内の光強度の変動が低減されるため、放射角の変動が
抑圧され、波長分解能の低下が少ない分波・検出が可能
となった。図2に示す波長多重光通信ネットワークに、
本実施例の光検出装置も使用することができる。
【0052】図6は、光検出装置の第5の実施例であ
り、回折格子を有する半導体導波路はBH埋込み導波構
造であり、順方向バイアスにより利得を待つ。
【0053】半導体導波路は、GaAs基板93上に、
GaAsバッファ層(不示図)、AlGaAs下部光閉
込め層94、GaAs/AlGaAs多重量子井戸活性
層96、AlGaAs光導波層97を積層したのち、干
渉露光およびエッチングにより回折格子98を形成し、
更にAlGaAs上部光閉込め層99、AlGaAsコ
ンタクト層100を積層する。その後、ストライプを形
成し、AlGaAsBH埋込み層95により、横方向の
光閉込めを行う。更に、電流注入のための金属電極9
1、110および、回折光放射用の窓120を形成す
る。また、反射防止膜92が、入射側およびこれと相対
する側の端面に形成される。
【0054】回折格子98のピッチΛは、そのブラッグ
波長λBが、多重量子井戸活性層96の利得帯域内にお
いて、短波長側の利得の低い波長域に設定されており、
その1次回折光は、導波路法線方向に放射される。ここ
には、検出素子140が配置されている。
【0055】電極91、110間を順方向にバイアス
し、外部光を入射しない状態で、前記半導体導波路は、
ブラッグ波長でレーザ発振状態に保持され、その回折光
201は、導波路法線方向に放射されている。
【0056】外部から信号光λj(j=1、2、・・
・、k)が入射すると、信号光が増幅されるとともに、
利得が信号光に分配されるので、短波長側のブラッグ波
長の光強度は弱くなる。したがって、全導波光の強度変
化は小さくなり、これにともない、回折光130の放射
角の変動も抑えられる。信号光の多重度が変化する場合
も同様で、導波光の強度変動は小さく、波長分解能の低
下を抑圧できる。
【0057】図2に示す波長多重光通信ネットワーク
に、本実施例の光検出装置も使用することができる。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光検出装
置によれば、回折格子を有する光導波路の前段に、回折
格子が形成された導波路への入射光強度がほぼ一定にな
るように、光減衰および光増幅機能のどちらか又は両機
能を有する光量制御手段が設けられているので、装置へ
の入射光強度の変動にともなう分波機能などの低減を大
幅に抑制できる。よって、入射光強度が時間的に変化す
る場合にも良好な分波機能などを有する光検出装置が実
現できる。
【0059】また、本発明の光検出装置を、波長多重光
通信ネットワークの受信端局の光・電変換部として使用
すると、常に安定的に波長多重された信号を各波長に分
波した後、複数の信号あるいは必要ならば全ての信号を
同時に良好に受信することが可能となる。
【0060】また、以上説明したように、回折格子が形
成された光導波路が利得を有しており、かつ前記回折格
子のブラッグ波長を、前記利得がないか又は利得の低い
波長域に設定することにより、増幅度を大きく設定でき
るので、少ない入射光量でも分波検出などが可能になっ
た。
【0061】更に、以上説明したように、回折格子が形
成された半導体光導波路と、複数の光検出素子で構成さ
れる分波機能を有する光検出装置において、外部入射光
に常時比較的光量の多い連続光を含ませたり、或は半導
体光導波路を、光無入射で、ブラッグ波長でレーザ発振
状態に保持することにより、信号光の波長多重度などが
変動しても、波長分解能などの低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した第1実施例の光増幅器と回折
格子付き導波路とを同一基板上に形成した回折光放射部
の断面及び制御のための構成を模式的に示す図である。
【図2】本発明を実施した波長多重光通信ネットワーク
の概略図である。
【図3】本発明を実施した光検出装置の第2実施例の一
部を破断した概略斜視図である。
【図4】本発明を実施した光検出装置の第3実施例の概
略斜視図である。
【図5】本発明を実施した光検出装置の第4実施例の概
略斜視図である。
【図6】本発明を実施した光検出装置の第5実施例の一
部を破断した概略斜視図である。
【符号の説明】
1、8、31、41、51、61、71、81、91、
110 金属電極 2、33、53、73、93 基板 3、37、97 光ガイド層 4、36 、76、96 活性層 5、34、39、54、59、74、79 、94、9
9 光閉込め層 6、35、95 高抵抗埋め込み層 7、40、60、80、100 コンタクト層 9 、38、98 回折格子 10、43 、83、87、130、201 導波路
外へ放射される回折光 11、44、84、140 回折光を受光するため
の複数の光検出器列 12 光検出器の出力を処理、解析する装置 13 回折光の強度に応じて光増幅器の注入電流を
制御する装置 20、65、88 光増幅器 21、66、89 回折格子付き導波路 62、85 絶縁層 63、86 リブ導波路 201〜20N 送信端局 301、302 分岐合流器 400 光伝送路 501〜50M 受信端局
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04J 14/02 // H01L 31/10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回折格子が形成された光導波路から、導
    波路外に出射される回折光を検出するために複数の光検
    出器を配置した分波機能を有する光検出装置において、
    導波路外へ放射される回折光の光量が、入射光量が変化
    してもほぼ一定となるような制御手段を有することを特
    徴とする回折格子を有する光検出装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、光導波路入射側に設け
    られた光増幅部であり、これへの注入電流を変化させる
    ことで、導波路外へ放射される回折光の光量を、入射光
    量の変動に応じてほぼ一定とすることを特徴とする請求
    項1記載の回折格子を有する光検出装置。
  3. 【請求項3】 光が入射される半導体光導波路と、該光
    導波路に形成された回折格子と、該光導波路の外部に放
    射される回折光を検出するための複数部分から成る光検
    出手段とを有する光検出装置において、前記光導波路
    が、導波光に対し利得を有する様に形成されており、か
    つ前記回折格子は、そのブラッグ波長付近でレーザ発振
    を起こさない波長域に設定されていることを特徴とする
    回折格子を有する光検出装置。
  4. 【請求項4】 前記光導波路は、波長が異なる1波以上
    の信号光で構成される導波光の少なくとも1波に対し、
    利得を有していることを特徴とする請求項3記載の回折
    格子を有する光検出装置。
  5. 【請求項5】 前記光導波路において、導波光に対し利
    得を有する領域には、回折格子が形成されていないこと
    を特徴とする請求項3記載の回折格子を有する光検出装
    置。
  6. 【請求項6】 前記導波光に対し利得を有する領域が複
    数存在することを特徴とする請求項3記載の回折格子を
    有する光検出装置。
  7. 【請求項7】 光が入射される半導体光導波路と、該光
    導波路に形成された回折格子と、該光導波路の外部に放
    射される回折光を検出するための複数部分から成る光検
    出手段とを有する光検出装置において、前記半導体光導
    波路への入射光が、連続光を含む様にされていることを
    特徴とする回折格子を有する光検出装置。
  8. 【請求項8】 前記連続光の波長が、使用可能な信号光
    の最短波長又は最長波長に設定されていることを特徴と
    する請求項7記載の回折格子を有する光検出装置。
  9. 【請求項9】 前記半導体光導波路の1部又は全部が利
    得を有する様に形成されていることを特徴とする請求項
    7記載の回折格子を有する光検出装置。
  10. 【請求項10】 光が入射される半導体光導波路と、該
    光導波路に形成された回折格子と、該光導波路の外部に
    放射される回折光を検出するための複数部分から成る光
    検出手段とを有する光検出装置において、前記光導波路
    が利得を有する様に形成されており、かつ光無入射時に
    前記回折格子のブラッグ波長でレーザ発振する様に形成
    されていることを特徴とする回折格子を有する光検出装
    置。
  11. 【請求項11】 前記ブラッグ波長が、利得を有する様
    に形成された前記光導波路を持つ光増幅部の利得の低い
    帯域に設定されていることを特徴とする請求項10記載
    の回折格子を有する光検出装置。
  12. 【請求項12】 前記ブラッグ波長が、利得を有する様
    に形成された前記光導波路を持つ光増幅部の利得の低い
    帯域の短波長側に設定されていることを特徴とする請求
    項10記載の回折格子を有する光検出装置。
  13. 【請求項13】 異なる波長の光信号光を送出する少な
    くとも1つの送信端局と複数の波長の光信号を受信する
    受信端局が、光伝送路で接続された光通信ネットワーク
    において、少なくとも1つの受信端局に請求項1、3、
    7または10に記載の光検出装置を備えたことを特徴と
    する光通信ネットワーク。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000138362A (ja) * 1998-11-04 2000-05-16 Fujitsu Ltd 半導体光集積回路装置及びその製造方法
JP2015161828A (ja) * 2014-02-27 2015-09-07 日本電信電話株式会社 グレーティングカプラ
JP2020509432A (ja) * 2017-02-21 2020-03-26 ファイセンス ゲーエムベーハー 光学応用のための装置、分光計システム、及び、光学応用のための装置を製造するための方法

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