JPH06310329A - 多層磁気抵抗効果膜および磁気ヘッド - Google Patents

多層磁気抵抗効果膜および磁気ヘッド

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JPH06310329A
JPH06310329A JP5092744A JP9274493A JPH06310329A JP H06310329 A JPH06310329 A JP H06310329A JP 5092744 A JP5092744 A JP 5092744A JP 9274493 A JP9274493 A JP 9274493A JP H06310329 A JPH06310329 A JP H06310329A
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JP
Japan
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magnetic
layer
magnetoresistive effect
layers
film
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JP5092744A
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Ryoichi Nakatani
亮一 中谷
Katsumi Hoshino
勝美 星野
Yoshihiro Hamakawa
佳弘 濱川
Mikio Suzuki
幹夫 鈴木
Masaaki Futamoto
正昭 二本
Masahiro Kitada
正弘 北田
Hisano Tokida
久乃 常田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、面心立方構造を有する磁性
層間の交換相互作用を弱め、多層膜の感度を高くする方
法を提供することにある。 【構成】 多層磁気抵抗効果膜と基板との間にTi,Z
r,Hfなどの稠密六方構造を有する非磁性合金からな
るバッファ層を形成した。これにより多層膜が(11
1)配向になり、磁性層間の交換相互作用を低下させ
た。磁化の向きの制御は、反強磁性層からの交換バイア
ス磁界を用いた。また、上記多層磁気抵抗効果膜を磁気
抵抗効果素子、磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置に用
いた。 【効果】 本発明の多層磁気抵抗効果膜は低い飽和磁界
および高い磁気抵抗変化率を示す。また、上記多層磁気
抵抗効果膜を使用した磁気ヘッドは、優れた再生特性を
示した。また、上記磁気ヘッドを磁気記録再生装置に用
いることにより、高性能磁気記録再生装置が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高い磁気抵抗効果を有す
る多層磁気抵抗効果膜膜およびこれを用いた磁気抵抗効
果素子、磁気ヘッド、磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の高密度化に伴い、再生用磁気
ヘッドに用いる磁気抵抗効果材料として、高い磁気抵抗
効果を示す材料が求められている。現在、使用されてい
るパーマロイの磁気抵抗変化率は約3%であり、新材料
はこれを上回る磁気抵抗変化率を有することが必要であ
る。
【0003】最近、Baibichらによる、フィジカル・レ
ビュー・レターズ(Pysical ReviewLetters)、第61巻、
第21号、2472〜2475ページに記載の「(001)Fe/(001)Cr
磁性超格子の巨大磁気抵抗効果」(Giant Magnetoresis
tance of (001)Fe/(001)Cr Magnetic Superlattices)
のように、多層構造を持つ磁性膜(Fe/Cr多層膜)
において、約50%の磁気抵抗変化率(4.2Kにおい
て)が観測されている。しかし、上記Fe/Cr多層膜
に十分な磁気抵抗変化を生じさせるためには、800k
A/mもの高い磁界が必要であり、低い磁界で動作する
必要がある磁気抵抗効果素子、磁気ヘッドに用いること
ができないという問題がある。
【0004】そこで、Dienyらによるフィジカル・レビ
ュー・B(Pysical Review B)、第43巻、第1号、1297〜1
300ページに記載の「軟磁性多層膜における巨大磁気抵
抗効果」(Giant Magnetoresistance in Soft Ferromagne
tic Multilayers)のように2層の磁性層を非磁性層で分
離し、一方の磁性層に反強磁性層からの交換バイアス磁
界を印加する方法が考案された。上記のような多層膜で
は、European Patent,0 490 608 A2に記載のように、多
層膜の組織、結晶粒径等を調整するために、基板上にT
a,Ru,CrVからなるバッファ層を形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような多層膜で
は、2層の磁性層を比較的薄い非磁性金属層で磁気的に
分離する必要がある。このためには、多層膜の結晶配向
性が非常に重要である。
【0006】本発明の目的は、上述の多層膜を用いた磁
気抵抗効果素子の問題の解決方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々の材
料および膜厚を有する磁性層、非磁性層を積層した多層
磁性膜を用いた磁気抵抗効果素子について鋭意研究を重
ねた結果、上記多層膜と基板との間に、稠密六方構造を
有する非磁性金属からなるバッファ層を形成することに
より、2層の磁性層間の交換相互作用を最小限に抑える
ことができることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち、2層以上の磁性層を非磁性層で
分割し、少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交
換バイアス磁界が印加されており、少なくとも1層の磁
性層に反強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印
加されていない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜にお
いて、上記多層膜と基板との間に、稠密六方構造を有す
る非磁性金属からなるバッファ層を形成することによ
り、2層の磁性層間の交換相互作用を最小限に抑えるこ
とができ、低い磁界で高い磁気抵抗変化率を示す多層磁
気抵抗効果膜を得ることができる。上記稠密六方構造を
有する非磁性金属としてはTi,Hf,Zn,Zr、あ
るいはTi,Hf,Zn,Zrを主成分とする合金が好
ましい。上記稠密六方構造を有する非磁性金属をバッフ
ァ層として用いると、多層膜が強い(111)配向を示
し、このため、磁性層間の交換相互作用を最小限に抑え
ることができる。また、4層以上の磁性層を非磁性層で
分割し、少なくとも2層の磁性層に反強磁性層からの交
換バイアス磁界が印加されており、少なくとも2層の磁
性層に反強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印
加されていない多層膜を形成すると、さらに高い磁気抵
抗変化率が得られる。また、上記磁性層としては、Ni
−Fe−Co系合金が軟磁性を示し、かつNi−Fe−
Co系合金の使用により、高い磁気抵抗変化率が得られ
ることから好ましい。また、高い磁気抵抗変化率および
優れた軟磁性を得るためには、上記Ni−Fe−Co系
合金のCo濃度は10〜25at%であることが好まし
い。
【0009】また、上記多層磁気抵抗効果膜は、磁気抵
抗効果素子、磁界センサ、磁気ヘッドなどに好適であ
る。また、上記磁気ヘッドを用いることにより、高性能
磁気記録再生装置を得ることができる。
【0010】第1の発明の特徴は、(1)2層以上の磁
性層を非磁性層で分割し、少なくとも1層の磁性層に反
強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されており、少
なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイアス
磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた多層磁
気抵抗効果膜において、上記多層膜と基板との間に、稠
密六方構造を有する非磁性金属からなるバッファ層が形
成されている多層磁気抵抗効果膜にある。
【0011】(2)(1)において、上記稠密六方構造
を有する非磁性金属がTi,Hf,Zn,Zr、あるい
はTi,Hf,Zn,Zrを主成分とする合金からなる
ことをが好ましい。
【0012】(3)(1)において、上記稠密六方構造
を有する非磁性金属がTi,Hf,Zrであることが好
ましい。
【0013】第2の発明の特徴は、(4)2層以上の磁
性層を非磁性層で分割し、少なくとも1層の磁性層に反
強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されており、少
なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイアス
磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた多層磁
気抵抗効果膜において、上記多層膜と基板との間に、T
i,Hf,Zrから選ばれる少なくとも1種類の金属、
あるいは、Ti,Hf,Zrから選ばれる少なくとも1
種類の金属を主成分とする非磁性金属からなるバッファ
層が形成されており、上記バッファ層が非晶質状態であ
る多層磁気抵抗効果膜にある。
【0014】(5)(1)から(4)において、上記磁
性層が面心立方構造を有し、(111)配向しているこ
とが好ましい。
【0015】第3の発明の特徴は、(6)4層以上の磁
性層を非磁性層で分割し、少なくとも2層の磁性層に反
強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されており、少
なくとも2層の磁性層に反強磁性層からの交換バイアス
磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた多層磁
気抵抗効果膜にある。
【0016】(7)(6)において、上記多層磁気抵抗
効果膜と基板との間に、稠密六方構造を有する非磁性金
属からなるバッファ層が形成されていることが好まし
い。
【0017】(8)(7)において、上記稠密六方構造
を有する非磁性金属がTi,Hf,Zn,Zr、あるい
はTi,Hf,Zn,Zrを主成分とする合金からなる
ことが好ましい。
【0018】(9)(8)において、上記稠密六方構造
を有する非磁性金属がTi,Hf,Zrであることが好
ましい。
【0019】(10)(6)において、上記多層磁気抵
抗効果膜と基板との間に、Ti,Hf,Zrから選ばれ
る少なくとも1種類の金属、あるいは、Ti,Hf,Z
rから選ばれる少なくとも1種類の金属を主成分とする
非磁性金属からなるバッファ層が形成されており、上記
バッファ層が非晶質状態であることが好ましい。
【0020】(11)(7)から(10)において、上
記磁性層が面心立方構造を有し、(111)配向してい
ることが好ましい。
【0021】(12)(1)から(11)において、上
記磁性層の少なくとも一部がNi−Fe系合金ないしN
i−Fe−Co系合金であることが好ましい。
【0022】(13)(12)において、上記Ni−F
e−Co系合金のCo濃度が10〜25at%であるこ
とが好ましい。
【0023】(14)(1)から(11)において、少
なくとも一部の磁性層がCoあるいはCoを主成分とす
る合金であることが好ましい。
【0024】(15)(1)から(14)において、上
記非磁性層の少なくとも一部がCuであることが好まし
い。
【0025】第4の発明の特徴は、(16)2層以上の
磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも1層の磁性層に
反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されており、
少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
ス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた多層
磁気抵抗効果膜において、上記多層膜と基板との間に、
稠密六方構造を有する非磁性金属からなるバッファ層が
形成されている多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に
用いた磁気抵抗効果素子にある。
【0026】第5の発明の特徴は、(17)2層以上の
磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも1層の磁性層に
反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されており、
少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
ス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた多層
磁気抵抗効果膜において、上記多層膜と基板との間に、
Ti,Hf,Zrから選ばれる少なくとも1種類の金
属、あるいは、Ti,Hf,Zrから選ばれる少なくと
も1種類の金属を主成分とする非磁性金属からなるバッ
ファ層が形成されており、上記バッファ層が非晶質状態
である多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に用いた磁
気抵抗効果素子にある。
【0027】第6の発明の特徴は、(18)4層以上の
磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも2層の磁性層に
反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されており、
少なくとも2層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
ス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた多層
磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に用いた磁気抵抗効果
素子にある。
【0028】第7の発明の特徴は、(19)2層以上の
磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも1層の磁性層に
反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されており、
少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
ス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた多層
磁気抵抗効果膜において、上記多層膜と基板との間に、
稠密六方構造を有する非磁性金属からなるバッファ層が
形成されている多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に
用いた磁気ヘッドにある。
【0029】第8の発明の特徴は、(20)2層以上の
磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも1層の磁性層に
反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されており、
少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
ス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた多層
磁気抵抗効果膜において、上記多層膜と基板との間に、
Ti,Hf,Zrから選ばれる少なくとも1種類の金
属、あるいは、Ti,Hf,Zrから選ばれる少なくと
も1種類の金属を主成分とする非磁性金属からなるバッ
ファ層が形成されており、上記バッファ層が非晶質状態
である多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に用いた磁
気ヘッドにある。
【0030】第9の発明の特徴は、(21)4層以上の
磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも2層の磁性層に
反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されており、
少なくとも2層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
ス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた多層
磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に用いた磁気ヘッドに
ある。
【0031】第10の発明の特徴は、(22)2層以上
の磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも1層の磁性層
に反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されてお
り、少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バ
イアス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた
多層磁気抵抗効果膜において、上記多層膜と基板との間
に、稠密六方構造を有する非磁性金属からなるバッファ
層が形成されている多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一
部に用いた磁気抵抗効果素子と誘導型磁気ヘッドを組み
合わせた複合型磁気ヘッドにある。
【0032】第11の発明の特徴は、(23)2層以上
の磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも1層の磁性層
に反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されてお
り、少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バ
イアス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた
多層磁気抵抗効果膜において、上記多層膜と基板との間
に、Ti,Hf,Zrから選ばれる少なくとも1種類の
金属、あるいは、Ti,Hf,Zrから選ばれる少なく
とも1種類の金属を主成分とする非磁性金属からなるバ
ッファ層が形成されており、上記バッファ層が非晶質状
態である多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に用いた
磁気抵抗効果素子と誘導型磁気ヘッドを組み合わせた複
合型磁気ヘッドにある。
【0033】第12の発明の特徴は、(24)4層以上
の磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも2層の磁性層
に反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されてお
り、少なくとも2層の磁性層に反強磁性層からの交換バ
イアス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた
多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に用いた磁気抵抗
効果素子と誘導型磁気ヘッドを組み合わせた複合型磁気
ヘッドにある。
【0034】第13の発明の特徴は、(25)2層以上
の磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも1層の磁性層
に反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されてお
り、少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バ
イアス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた
多層磁気抵抗効果膜において、上記多層膜と基板との間
に、稠密六方構造を有する非磁性金属からなるバッファ
層が形成されている多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一
部に用いた磁気ヘッドを具えた磁気記録再生装置にあ
る。
【0035】第14の発明の特徴は、(26)2層以上
の磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも1層の磁性層
に反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されてお
り、少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バ
イアス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた
多層磁気抵抗効果膜において、上記多層膜と基板との間
に、Ti,Hf,Zrから選ばれる少なくとも1種類の
金属、あるいは、Ti,Hf,Zrから選ばれる少なく
とも1種類の金属を主成分とする非磁性金属からなるバ
ッファ層が形成されており、上記バッファ層が非晶質状
態である多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に用いた
磁気ヘッドを具えた磁気記録再生装置にある。
【0036】第15の発明の特徴は、(27)4層以上
の磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも2層の磁性層
に反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されてお
り、少なくとも2層の磁性層に反強磁性層からの交換バ
イアス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた
多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に用いた磁気ヘッ
ドを具えた磁気記録再生装置にある。
【0037】第16の発明の特徴は、(28)2層以上
の磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも1層の磁性層
に反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されてお
り、少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バ
イアス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた
多層磁気抵抗効果膜において、上記多層膜と基板との間
に、稠密六方構造を有する非磁性金属からなるバッファ
層が形成されている多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一
部に用いた磁気抵抗効果素子と誘導型磁気ヘッドを組み
合わせた複合型磁気ヘッドを具えた磁気記録再生装置に
ある。
【0038】第17の発明の特徴は、(29)2層以上
の磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも1層の磁性層
に反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されてお
り、少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バ
イアス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた
多層磁気抵抗効果膜において、上記多層膜と基板との間
に、Ti,Hf,Zrから選ばれる少なくとも1種類の
金属、あるいは、Ti,Hf,Zrから選ばれる少なく
とも1種類の金属を主成分とする非磁性金属からなるバ
ッファ層が形成されており、上記バッファ層が非晶質状
態である多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に用いた
磁気抵抗効果素子と誘導型磁気ヘッドを組み合わせた複
合型磁気ヘッドを具えた磁気記録再生装置にある。
【0039】第18の発明の特徴は、(30)4層以上
の磁性層を非磁性層で分割し、少なくとも2層の磁性層
に反強磁性層からの交換バイアス磁界が印加されてお
り、少なくとも2層の磁性層に反強磁性層からの交換バ
イアス磁界は直接には印加されていない多層膜を用いた
多層磁気抵抗効果膜を少なくとも一部に用いた磁気抵抗
効果素子と誘導型磁気ヘッドを組み合わせた複合型磁気
ヘッドを具えた磁気記録再生装置にある。
【0040】
【作用】上述のように、上記多層膜と基板との間に、稠
密六方構造を有する非磁性金属からなるバッファ層を形
成することにより、低い磁界で高い磁気抵抗変化率を示
す多層磁気抵抗効果膜を得ることができる。上記稠密六
方構造を有する非磁性金属としてはTi,Hf,Zn,
Zr、あるいはTi,Hf,Zn,Zrを主成分とする
合金が好ましい。上記稠密六方構造を有する非磁性金属
をバッファ層として用いると、多層膜が強い(111)
配向を示し、このため、磁性層間の交換相互作用を最小
限に抑えることができる。また、磁性層を4層以上にす
ると、さらに高い磁気抵抗変化率が得られる。また、上
記磁性層としては、Ni−Fe−Co系合金が軟磁性を
示し、かつNi−Fe−Co系合金の使用により、高い
磁気抵抗変化率が得られることから好ましい。さらに、
上記多層磁気抵抗効果膜は、磁気抵抗効果素子、磁界セ
ンサ、磁気ヘッドなどに好適である。また、上記磁気ヘ
ッドを用いることにより、高性能磁気記録再生装置を得
ることができる。
【0041】
【実施例】以下に本発明の一実施例を挙げ、図表を参照
しながらさらに具体的に説明する。
【0042】[実施例1]多層膜の作製にはイオンビ−
ムスパッタリング法を用いた。到達真空度は、3/10
5Pa、スパッタリング時のAr圧力は0.02Paで
ある。また、膜形成速度は、0.1〜0.2nm/sで
ある。形成した多層膜の断面構造を図1に示す。基板1
1にはSi(100)単結晶を用いた。また、バッファ
層12として、厚さ5nmのTi,Zr,Hf,Cr,
Nb,Ta,Cu,Ag,Auを用いた。また、バッフ
ァ層12のない試料も形成した。磁性層13および15
には、厚さ3nmのNi−20at%Fe合金を用い
た。非磁性層14には、厚さ2nmのCuをもちいた。
また、反強磁性層16には、厚さ5nmのFe−40a
t%Mn合金を用いた。また、保護層17には、厚さ5
nmのTi,Zr,Hf,Cr,Nb,Ta,Cu,A
g,Auを用いた。
【0043】図2にバッファ層を用いていない多層膜の
磁化曲線を示す。なお、この多層膜の保護層17にはN
bを用いた。図のように、磁化曲線は単純な単層膜の磁
化曲線と同等であり、2層の磁性層は、外部磁界に対し
て同様の磁化過程を示す。
【0044】図3にバッファ層12として、面心立方構
造を有するCu,Ag,Auを用いた多層膜の磁化曲線
を示す。これらの多層膜の保護層17にはバッファ層1
2と同じ材料を用いた。図3のように、バッファ層を用
いていない多層膜と同様に、これらの多層膜において
も、2層の磁性層は、外部磁界に対して同様の磁化過程
を示す。
【0045】図4にバッファ層12として、体心立方構
造を有するCr,Nb,Taを用いた多層膜の磁化曲線
を示す。これらの多層膜の保護層17にはバッファ層1
2と同じ材料を用いた。図4のように、磁化曲線は若干
分離している。また、バッファ層として、Nb,Taを
用いた多層膜では、1層の磁性層15に反強磁性層16
からの交換バイアス磁界が印加されており、磁化曲線は
正の印加磁界方向にシフトしている。
【0046】図5にバッファ層12として、稠密六方構
造を有するHf,Zr,Tiを用いた多層膜の磁化曲線
を示す。これらの多層膜の保護層17にはバッファ層1
2と同じ材料を用いた。図5のように、磁化曲線は2つ
の部分に明瞭に分離している。このことから、バッファ
層12として、稠密六方構造を有するHf,Zr,Ti
を用いると、2層の磁性層間の交換相互作用が弱くな
り、かつ、一方の磁性層15に反強磁性層16からの交
換バイアス磁界が強く印加されていることがわかる。こ
の原因を明らかにするために、多層膜に対してX線回折
を行ったところ、バッファ層12として稠密六方構造を
有するHf,Zr,Tiを用いた多層膜は、強い(11
1)配向を示した(図10参照)。しかし、バッファ層
12として、面心立方構造あるいは体心立方構造を有す
る非磁性材料を用いた多層膜、および、バッファ層を用
いていない多層膜は強い(111)配向を示さなかっ
た。
【0047】以上述べたように、バッファ層12とし
て、稠密六方構造を有する非磁性材料を用いると、2層
の磁性層間の交換相互作用が弱くなり、かつ、一方の磁
性層15に反強磁性層16からの交換バイアス磁界が強
く印加される。しかし、バッファ層12として、面心立
方構造あるいは体心立方構造を有する非磁性材料を用い
た場合、および、バッファ層を用いない場合には、2層
の磁性層間の交換相互作用が強い、あるいは、反強磁性
層16からの交換バイアス磁界が十分ではない。
【0048】バッファ層を用いていない多層膜の磁気抵
抗効果曲線を図6に示す。この図のように、多層膜は、
ほとんど磁気抵抗効果を示さない。これは、図2の磁化
曲線から明らかなように、2層の磁性層が外部磁界に対
して同様の磁化過程を示すため、磁化の向きが常に平行
であるためである。
【0049】同様に、図7のように、バッファ層12と
して、面心立方構造を有するCu,Ag,Auを用いた
多層膜も磁気抵抗効果を示さない。
【0050】バッファ層12として、体心立方構造を有
するCr,Nb,Taを用いた多層膜は、図8のよう
に、比較的高い磁気抵抗変化率を示す。しかし、図4の
ように、明瞭には磁化曲線が2つの部分に分離していな
いため、電気抵抗が高い磁界領域が狭い。この磁界領域
を超えた磁界を印加すると、多層膜は同じ磁化状態に戻
らなくなる。これは、磁化曲線にヒステリシスがあるた
めである。従って、上記磁界領域は、広い方が好まし
い。
【0051】これに対し、本発明の、バッファ層12と
して、稠密六方構造を有するHf,Zr,Tiを用いた
多層膜は、比較的高い磁気抵抗変化率を示すのみなら
ず、電気抵抗が高い領域が広い。
【0052】本発明者等は、バッファ層材料として、Z
nを用いた多層膜についても検討を行ったが、上記稠密
六方構造を有するバッファ層を用いた場合とほぼ同様の
結果を得た。しかし、バッファ層材料としてZnを用い
た多層膜は、(111)配向が、Hf,Zr,Tiを用
いた多層膜よりも弱い。このため、バッファ層材料とし
てZnを用いた多層膜は、Hf,Zr,Tiを用いた多
層膜よりも、若干、特性が劣っていた。
【0053】また、磁気抵抗効果曲線にバルクハウゼン
ノイズが生じる場合は、多層磁気抵抗効果膜の磁界検出
方向と直角の方向にバイアス磁界を印加する機構を設け
ることが、バルクハウゼンノイズの抑止に効果がある。
磁気抵抗効果膜をトラック幅1μm以下の狭トラック磁
気ヘッドに用いる場合には、トラック幅を厳密に規定す
る必要があるため、上記バイアス磁界を印加する機構と
しては、反強磁性層から直接交換バイアス磁界が印加さ
れていない磁性層のトラック以外の部分に、反強磁性層
を接触させる方法が好ましい。
【0054】また、本実施例では、磁性層としてNi−
Fe系合金を使用したが、他の面心立方構造を有する磁
性層を用いても、バッファ層材料による磁化曲線および
磁気抵抗効果曲線の変化は同様である。しかし、反強磁
性層から直接交換バイアス磁界が印加されていない磁性
層は、軟磁性を示すことが必要であり、磁性層として、
Ni−Fe系合金、Ni−Fe−Co系合金を用いるこ
とが好ましい。
【0055】また、本実施例では、非磁性層として、C
uを用いたが、電気抵抗率の低い、Au,Ag,Alを
用いても同様の結果が得られる。しかし、磁性層として
3d遷移金属を用いる場合には、磁性層とのフェルミ面
のマッチングの観点から、非磁性層はCuであることが
好ましい。
【0056】また、本実施例では、反強磁性層として、
Fe−Mn系合金を用いたが、他の反強磁性材料を用い
ることもできる。反強磁性材料としては、Fe−Mn系
合金およびFe−Mn系合金に耐食性向上元素を添加し
た合金、NiOなどが好ましい。Fe−Mn系合金に耐
食性向上元素を添加した合金としては、Fe−Mn−R
u系合金が、耐食性、ネ−ル温度の高さの点から好まし
い。
【0057】また、本実施例では、バッファ層12とし
て、Hf,Zr,Ti,Znを用いたが、実質的にH
f,Zr,Ti,Znを主成分とし、稠密六方構造を有
する非磁性合金であれば、上記実施例と同様の効果が得
られる。
【0058】[実施例2]実施例1と同様の構造の多層
膜を形成した。図1のバッファ層12として、Tiを用
いた。スパッタリング条件を変え、透過電子顕微鏡によ
る断面観察を行なったところ、Tiは非晶質になってい
た。Tiが非晶質になる原因は明らかではないが、Si
基板上に自然形成したSiO2と反応した可能性があ
る。従って、上記バッファ層12は、Tiの酸化物であ
る可能性がある。また、多層膜に対してX線回折を行っ
たところ、多層膜は強い(111)配向を示した。非晶
質金属上に多層膜を形成したために、面心立方構造を有
するNi−Fe系合金等の最稠密面である(111)面
が基板と平行に配向しやすくなったためと考えられる。
【0059】また、バッファ層12として、Hf,Zr
を用いた場合にも、バッファ層12は非晶質になった。
【0060】また、本実施例では、バッファ層12とし
て、Hf,Zr,Tiを用いたが、実質的にHf,Z
r,Tiを主成分とした合金であれば、上記実施例と同
様の効果が得られる。
【0061】[実施例3]実施例1と同様の方法で、多
層膜を形成した。本実施例では、図1の磁性層13およ
び15として、膜厚5nmのNi−Fe−Co系合金を
用いた。NiおよびFeの組成比は、80:20とし、
Coの濃度を変化した。基板11にはSi(100)単
結晶を用いた。また、バッファ層12として、厚さ5n
mのHfを用いた。非磁性層14には、厚さ2nmのC
uをもちいた。また、反強磁性層16には、厚さ5nm
のFe−40at%Mn合金を用いた。また、保護層1
7には、厚さ5nmのHfを用いた。
【0062】図11に、Co濃度と多層膜の磁気抵抗変
化率との関係を示す。この図のように、Co濃度の増加
に従い、磁気抵抗変化率が増加する。2.5%以上の磁
気抵抗変化率を得るためには、Co濃度が10%以上で
あることが必要である。
【0063】図12に、Co濃度と磁性層13の異方性
磁界との関係を示す。この図のように、Co濃度を高く
すると、磁性層13の異方性磁界が高くなる。磁性層1
3の異方性磁界が高くなると、磁界に対する感度が低下
するという問題がある。図12のように、異方性磁界を
2.4kA/m(30Oe)以下とするためには、Co
濃度を25at%以下にする必要がある。
【0064】以上のように、高い磁気抵抗変化率および
低い磁性層の異方性磁界を得るためには、Co濃度を1
0〜25at%にすることが好ましい。
【0065】なお、磁性層の結晶磁気異方性定数を零に
近くし、磁性層の保磁力を低くするためには、NiとF
eの組成比を75:25〜85:15にすることが好ま
しい。
【0066】[実施例4]実施例1と同様の方法で、多
層膜を形成した。本実施例では、図13の基板21には
Si(100)単結晶を用いた。また、バッファ層22
として、厚さ5nmのTi,Zr,Hfを用いた。磁性
層23には、厚さ5nmのNi−16at%Fe−18
at%Co合金を用いた。非磁性層24には、厚さ2n
mのCuをもちいた。磁性層25には、厚さ4nmのC
oを用い、磁性層26には、厚さ3nmのNi−16a
t%Fe−18at%Co合金を用いた。また、反強磁
性層27には、厚さ5nmのFe−40at%Mn合金
を用いた。また、保護層28には、厚さ5nmのTi,
Zr,Hfを用いた。
【0067】表1に多層膜の磁気抵抗変化率を示す。表
1のように、磁性層の一部にCoを用いることにより、
高い磁気抵抗変化率を得ることができる。
【0068】
【表1】
【0069】なお、本実施例で磁性層26としてNi−
Fe−Co系合金を用いた。これは、面心立方構造のF
e−Mn系合金の形成を容易にするためである。Fe−
Mn系合金は面心立方構造の時、室温以上のネ−ル温度
を示す。従って、Co上にFe−Mn系合金を形成して
も、Fe−Mn系合金が面心立方構造になれば、磁性層
26は必要ない。
【0070】本実施例では、磁性層25として、Coを
用いたが、Coを主成分とする合金を用いても高い磁気
抵抗変化率を得ることができる。
【0071】また、本実施例では、磁性層23としてN
i−Fe−Co系合金を使用したが、他の面心立方構造
を有する磁性層を用いても、同様の結果が得られる。し
かし、反強磁性層から直接交換バイアス磁界が印加され
ていない磁性層は、軟磁性を示すことが必要であり、磁
性層23として、Ni−Fe系合金、Ni−Fe−Co
系合金を用いることが好ましい。
【0072】また、本実施例では、非磁性層24とし
て、Cuを用いたが、電気抵抗率の低い、Au,Ag,
Alを用いても同様の結果が得られる。しかし、磁性層
として3d遷移金属を用いる場合には、磁性層とのフェ
ルミ面のマッチングの観点から、非磁性層はCuである
ことが好ましい。
【0073】また、本実施例では、反強磁性層27とし
て、Fe−Mn系合金を用いたが、他の反強磁性材料を
用いることもできる。反強磁性材料としては、Fe−M
n系合金およびFe−Mn系合金に耐食性向上元素を添
加した合金、NiOなどが好ましい。Fe−Mn系合金
に耐食性向上元素を添加した合金としては、Fe−Mn
−Ru系合金が、耐食性、ネ−ル温度の高さの点から好
ましい。
【0074】また、本実施例では、バッファ層22とし
て、Hf,Zr,Tiを用いたが、実質的にHf,Z
r,Tiを主成分とし、稠密六方構造を有する非磁性合
金であれば、上記実施例と同様の効果が得られる。ま
た、多層膜を(111)配向にするには、Hf,Zr,
Tiを主成分とする非晶質合金を用いることが好まし
い。
【0075】[実施例5]実施例1と同様の方法で、多
層膜を形成した。本実施例では、図14の基板31には
Si(100)単結晶を用いた。また、バッファ層32
として、厚さ5nmのTi,Zr,Hfを用いた。磁性
層33および磁性層35には、厚さ2nmのNi−16
at%Fe−18at%Co合金を用いた。非磁性層3
4には、厚さ2nmのCuを用いた。反強磁性層36に
は、厚さ3nmのFe−40at%Mn合金を用いた。
交換相互作用遮断層37には、厚さ1nmのCuを用い
た。また、保護層38には、厚さ5nmのTi,Zr,
Hfを用いた。
【0076】表2に多層膜の磁気抵抗変化率を示す。表
2のように、磁性層を4層にし、その内の2層に反強磁
性層からの交換バイアス磁界を印加することにより、高
い磁気抵抗変化率を得ることができる。
【0077】
【表1】
【0078】本実施例では、磁性層を4層にし、その内
の2層に反強磁性層からの交換バイアス磁界を印加した
場合について述べたが、さらに磁性層数を増やしても高
い磁気抵抗変化率を得ることができる。
【0079】[実施例6]本発明の多層膜を用いた磁気
抵抗効果素子を形成した。本実施例では、図1のバッフ
ァ層12として、厚さ5nmのHfを用いた。磁性層1
3および磁性層15には、厚さ5nmのNi−16at
%Fe−18at%Co合金を用いた。非磁性層14に
は、厚さ2nmのCuをもちいた。反強磁性層16に
は、厚さ5nmのFe−40at%Mn合金を用いた。
また、保護層17には、厚さ5nmのHfを用いた。
【0080】図15に磁気抵抗効果素子の構造を示す。
磁気抵抗効果素子は、多層磁気抵抗効果膜41および電
極42をシ−ルド層43、44で挟んだ構造を有する。
上記磁気抵抗効果素子に磁界を印加し、電気抵抗率の変
化を測定したところ、本発明の多層磁気抵抗効果膜を用
いた磁気抵抗効果素子は、1.6kA/m(20Oe)
程度の印加磁界で3%程度の磁気抵抗変化率を示した。
また、本発明の磁気抵抗効果素子の再生出力は、Ni−
Fe単層膜を用いた磁気抵抗効果素子と比較して2.7
倍であった。
【0081】[実施例7]実施例6で述べた磁気抵抗効
果素子を用い、磁気ヘッドを作製した。磁気ヘッドの構
造を以下に示す。図16は、記録再生分離型ヘッドの一
部分を切断した場合の斜視図である。多層磁気抵抗効果
膜51をシ−ルド層52、53で挾んだ部分が再生ヘッ
ドとして働き、コイル54を挾む下部磁極55、上部磁
極56の部分が記録ヘッドとして働く。多層磁気抵抗効
果膜51は実施例5に記載の多層膜からなる。また、電
極58には、Cr/Cu/Crという多層構造の材料を
用いた。
【0082】以下にこのヘッドの作製方法を示す。
【0083】Al23・TiCを主成分とする焼結体を
スライダ用の基板57とした。シ−ルド層、記録磁極に
はスパッタリング法で形成したNi−Fe合金を用い
た。各磁性膜の膜厚は、以下のようにした。上下のシ−
ルド層52、53は1.0μm、下部磁極55、上部5
6は3.0μm、各層間のギャップ材としてはスパッタ
リングで形成したAl23を用いた。ギャップ層の膜厚
は、シ−ルド層と磁気抵抗効果素子間で0.2μm、記
録磁極間では0.4μmとした。さらに再生ヘッドと記
録ヘッドの間隔は約4μmとし、このギャップもAl2
3で形成した。コイル54には膜厚3μmのCuを使
用した。
【0084】以上述べた構造の磁気ヘッドで記録再生を
行ったところ、Ni−Fe単層膜を用いた磁気ヘッドと
比較して、2.6倍高い再生出力を得た。これは、本発
明の磁気ヘッドに高磁気抵抗効果を示す多層膜を用いた
ためと考えられる。
【0085】また、本発明の磁気抵抗効果素子は、磁気
ヘッド以外の磁界検出器にも用いることができる。
【0086】また、さらに、上記磁気ヘッドを磁気記録
再生装置に用いることにより、高性能磁気記録再生装置
が得られる。
【0087】
【発明の効果】上述のように、磁性層の一部に反強磁性
層からの交換バイアス磁界を印加した多層膜において、
基板上にHf,Zr,Tiなどの稠密六方構造を有する
非磁性合金からなるバッファ層を形成することにより、
低い磁界で高い磁気抵抗変化率を示す多層膜が得られ
る。さらに、上記多層磁気抵抗効果膜は、磁気抵抗効果
素子、磁界センサ、磁気ヘッドなどに好適である。ま
た、上記磁気ヘッドを用いることにより、高性能磁気記
録再生装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層磁気抵抗効果膜の構造を示す断面
図である。
【図2】バッファ層を有さない多層膜の磁化曲線図であ
る。
【図3】面心立方構造を有するバッファ層を用いた多層
膜の磁化曲線図である。
【図4】体心立方構造を有するバッファ層を用いた多層
膜の磁化曲線図である。
【図5】稠密六方構造を有するバッファ層を用いた本発
明の多層膜の磁化曲線図である。
【図6】バッファ層を有さない多層膜の磁気抵抗効果曲
線図である。
【図7】面心立方構造を有するバッファ層を用いた多層
膜の磁気抵抗効果曲線図である。
【図8】体心立方構造を有するバッファ層を用いた多層
膜の磁気抵抗効果曲線図である。
【図9】稠密六方構造を有するバッファ層を用いた本発
明の多層膜の磁気抵抗効果曲線図である。
【図10】本発明の多層磁気抵抗効果膜のX線回折プロ
ファイルを示す図である。
【図11】本発明の多層磁気抵抗効果膜のCo濃度と磁
気抵抗変化率との関係を示すグラフである。
【図12】本発明の多層磁気抵抗効果膜のCo濃度と磁
性層の異方性磁界との関係を示すグラフである。
【図13】本発明の磁性層の一部にCo系磁性層を用い
た多層磁気抵抗効果膜の構造を示す断面図である。
【図14】本発明の磁性層数が4層の多層磁気抵抗効果
膜の構造を示す断面図である。
【図15】本発明の多層磁気抵抗効果膜を用いた磁気抵
抗効果素子の構造を示す斜視図である。
【図16】本発明の磁気ヘッドの構造を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
11,21,31…基板、12,22,32…バッファ
層、13,15,23,25,26,33,35…磁性
層、14,24,34…非磁性層、16,27,36…
反強磁性層、17,28,38…保護層、37…交換相
互作用遮断層、41…多層磁気抵抗効果膜、42…電
極、43,44…シ−ルド層、51…多層磁気抵抗効果
膜、52,53…シ−ルド層、54…コイル、55…下
部磁極、56…上部磁極、57…基体、58…電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 11/10 A 9075−5D Z 9075−5D H01L 43/08 Z 9274−4M (72)発明者 鈴木 幹夫 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 二本 正昭 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 北田 正弘 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 常田 久乃 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2層以上の磁性層を非磁性層で分割し、少
    なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイアス
    磁界が印加されており、少なくとも1層の磁性層に反強
    磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されてい
    ない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜において、上記
    多層膜と基板との間に、稠密六方構造を有する非磁性金
    属からなるバッファ層が形成されていることを特徴とす
    る多層磁気抵抗効果膜。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の多層磁気抵抗効果膜にお
    いて、上記稠密六方構造を有する非磁性金属がTi,H
    f,Zn,Zr、あるいはTi,Hf,Zn,Zrを主
    成分とする合金からなることを特徴とする多層磁気抵抗
    効果膜。
  3. 【請求項3】請求項1から請求項2に記載の多層磁気抵
    抗効果膜において、上記稠密六方構造を有する非磁性金
    属がTi,Hf,Zrであることを特徴とする多層磁気
    抵抗効果膜。
  4. 【請求項4】2層以上の磁性層を非磁性層で分割し、少
    なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイアス
    磁界が印加されており、少なくとも1層の磁性層に反強
    磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されてい
    ない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜において、上記
    多層膜と基板との間に、Ti,Hf,Zrから選ばれる
    少なくとも1種類の金属、あるいは、Ti,Hf,Zr
    から選ばれる少なくとも1種類の金属を主成分とする非
    磁性金属からなるバッファ層が形成されており、上記バ
    ッファ層が非晶質状態であることを特徴とする多層磁気
    抵抗効果膜。
  5. 【請求項5】請求項1から請求項4に記載の多層磁気抵
    抗効果膜において、上記磁性層が面心立方構造を有し、
    (111)配向していることを特徴とする多層磁気抵抗
    効果膜。
  6. 【請求項6】4層以上の磁性層を非磁性層で分割し、少
    なくとも2層の磁性層に反強磁性層からの交換バイアス
    磁界が印加されており、少なくとも2層の磁性層に反強
    磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されてい
    ない多層膜を用いたことを特徴とする多層磁気抵抗効果
    膜。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の多層磁気抵抗効果膜にお
    いて、上記多層磁気抵抗効果膜と基板との間に、稠密六
    方構造を有する非磁性金属からなるバッファ層が形成さ
    れていることを特徴とする多層磁気抵抗効果膜。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の多層磁気抵抗効果膜にお
    いて、上記稠密六方構造を有する非磁性金属がTi,H
    f,Zn,Zr、あるいはTi,Hf,Zn,Zrを主
    成分とする合金からなることを特徴とする多層磁気抵抗
    効果膜。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の多層磁気抵抗効果膜にお
    いて、上記稠密六方構造を有する非磁性金属がTi,H
    f,Zrであることを特徴とする多層磁気抵抗効果膜。
  10. 【請求項10】請求項6に記載の多層磁気抵抗効果膜に
    おいて、上記多層磁気抵抗効果膜と基板との間に、T
    i,Hf,Zrから選ばれる少なくとも1種類の金属、
    あるいは、Ti,Hf,Zrから選ばれる少なくとも1
    種類の金属を主成分とする非磁性金属からなるバッファ
    層が形成されており、上記バッファ層が非晶質状態であ
    ることを特徴とする多層磁気抵抗効果膜。
  11. 【請求項11】請求項7から請求項10に記載の多層磁
    気抵抗効果膜において、上記磁性層が面心立方構造を有
    し、(111)配向していることを特徴とする多層磁気
    抵抗効果膜。
  12. 【請求項12】請求項1から請求項11に記載の多層磁
    気抵抗効果膜において、上記磁性層の少なくとも一部が
    Ni−Fe系合金ないしNi−Fe−Co系合金である
    ことを特徴とする多層磁気抵抗効果膜。
  13. 【請求項13】請求項12に記載の多層磁気抵抗効果膜
    において、上記Ni−Fe−Co系合金のCo濃度が1
    0〜25at%であることを特徴とする多層磁気抵抗効
    果膜。
  14. 【請求項14】請求項1から請求項11に記載の多層磁
    気抵抗効果膜において、少なくとも一部の磁性層がCo
    あるいはCoを主成分とする合金であることを特徴とす
    る多層磁気抵抗効果膜。
  15. 【請求項15】請求項1から請求項14に記載の多層磁
    気抵抗効果膜において、上記非磁性層の少なくとも一部
    がCuであることを特徴とする多層磁気抵抗効果膜。
  16. 【請求項16】2層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも1層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜において、上
    記多層膜と基板との間に、稠密六方構造を有する非磁性
    金属からなるバッファ層が形成されている多層磁気抵抗
    効果膜を少なくとも一部に用いたことを特徴とする磁気
    抵抗効果素子。
  17. 【請求項17】2層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも1層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜において、上
    記多層膜と基板との間に、Ti,Hf,Zrから選ばれ
    る少なくとも1種類の金属、あるいは、Ti,Hf,Z
    rから選ばれる少なくとも1種類の金属を主成分とする
    非磁性金属からなるバッファ層が形成されており、上記
    バッファ層が非晶質状態である多層磁気抵抗効果膜を少
    なくとも一部に用いたことを特徴とする磁気抵抗効果素
    子。
  18. 【請求項18】4層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも2層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも2層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜を少なくとも
    一部に用いたことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  19. 【請求項19】2層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも1層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜において、上
    記多層膜と基板との間に、稠密六方構造を有する非磁性
    金属からなるバッファ層が形成されている多層磁気抵抗
    効果膜を少なくとも一部に用いたことを特徴とする磁気
    ヘッド。
  20. 【請求項20】2層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも1層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜において、上
    記多層膜と基板との間に、Ti,Hf,Zrから選ばれ
    る少なくとも1種類の金属、あるいは、Ti,Hf,Z
    rから選ばれる少なくとも1種類の金属を主成分とする
    非磁性金属からなるバッファ層が形成されており、上記
    バッファ層が非晶質状態である多層磁気抵抗効果膜を少
    なくとも一部に用いたことを特徴とする磁気ヘッド。
  21. 【請求項21】4層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも2層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも2層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜を少なくとも
    一部に用いたことを特徴とする磁気ヘッド。
  22. 【請求項22】2層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも1層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜において、上
    記多層膜と基板との間に、稠密六方構造を有する非磁性
    金属からなるバッファ層が形成されている多層磁気抵抗
    効果膜を少なくとも一部に用いた磁気抵抗効果素子と誘
    導型磁気ヘッドを組み合わせたことを特徴とする複合型
    磁気ヘッド。
  23. 【請求項23】2層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも1層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜において、上
    記多層膜と基板との間に、Ti,Hf,Zrから選ばれ
    る少なくとも1種類の金属、あるいは、Ti,Hf,Z
    rから選ばれる少なくとも1種類の金属を主成分とする
    非磁性金属からなるバッファ層が形成されており、上記
    バッファ層が非晶質状態である多層磁気抵抗効果膜を少
    なくとも一部に用いた磁気抵抗効果素子と誘導型磁気ヘ
    ッドを組み合わせたことを特徴とする複合型磁気ヘッ
    ド。
  24. 【請求項24】4層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも2層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも2層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜を少なくとも
    一部に用いた磁気抵抗効果素子と誘導型磁気ヘッドを組
    み合わせたことを特徴とする複合型磁気ヘッド。
  25. 【請求項25】2層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも1層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜において、上
    記多層膜と基板との間に、稠密六方構造を有する非磁性
    金属からなるバッファ層が形成されている多層磁気抵抗
    効果膜を少なくとも一部に用いた磁気ヘッドを具えたこ
    とを特徴とする磁気記録再生装置。
  26. 【請求項26】2層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも1層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜において、上
    記多層膜と基板との間に、Ti,Hf,Zrから選ばれ
    る少なくとも1種類の金属、あるいは、Ti,Hf,Z
    rから選ばれる少なくとも1種類の金属を主成分とする
    非磁性金属からなるバッファ層が形成されており、上記
    バッファ層が非晶質状態である多層磁気抵抗効果膜を少
    なくとも一部に用いた磁気ヘッドを具えたことを特徴と
    する磁気記録再生装置。
  27. 【請求項27】4層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも2層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも2層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜を少なくとも
    一部に用いた磁気ヘッドを具えたことを特徴とする磁気
    記録再生装置。
  28. 【請求項28】2層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも1層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜において、上
    記多層膜と基板との間に、稠密六方構造を有する非磁性
    金属からなるバッファ層が形成されている多層磁気抵抗
    効果膜を少なくとも一部に用いた磁気抵抗効果素子と誘
    導型磁気ヘッドを組み合わせた複合型磁気ヘッドを具え
    たことを特徴とする磁気記録再生装置。
  29. 【請求項29】2層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも1層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも1層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜において、上
    記多層膜と基板との間に、Ti,Hf,Zrから選ばれ
    る少なくとも1種類の金属、あるいは、Ti,Hf,Z
    rから選ばれる少なくとも1種類の金属を主成分とする
    非磁性金属からなるバッファ層が形成されており、上記
    バッファ層が非晶質状態である多層磁気抵抗効果膜を少
    なくとも一部に用いた磁気抵抗効果素子と誘導型磁気ヘ
    ッドを組み合わせた複合型磁気ヘッドを具えたことを特
    徴とする磁気記録再生装置。
  30. 【請求項30】4層以上の磁性層を非磁性層で分割し、
    少なくとも2層の磁性層に反強磁性層からの交換バイア
    ス磁界が印加されており、少なくとも2層の磁性層に反
    強磁性層からの交換バイアス磁界は直接には印加されて
    いない多層膜を用いた多層磁気抵抗効果膜を少なくとも
    一部に用いた磁気抵抗効果素子と誘導型磁気ヘッドを組
    み合わせた複合型磁気ヘッドを具えたことを特徴とする
    磁気記録再生装置。
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