JPH0630832A - 装飾鏡の製造方法 - Google Patents

装飾鏡の製造方法

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JPH0630832A
JPH0630832A JP20732892A JP20732892A JPH0630832A JP H0630832 A JPH0630832 A JP H0630832A JP 20732892 A JP20732892 A JP 20732892A JP 20732892 A JP20732892 A JP 20732892A JP H0630832 A JPH0630832 A JP H0630832A
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JP
Japan
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layer
mirror
masking
light
decorative
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Application number
JP20732892A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiji Sakamoto
恵治 坂本
Gunichirou Kobayashi
軍一郎 小林
Yasukichi Ogasawara
安吉 小笠原
Norio Watabe
紀夫 渡部
Tetsuro Ikoma
哲朗 生駒
Fumio Noguchi
文夫 野口
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装飾面と鏡面の境界が鮮明で、かつ高度の意
匠性を持つ鏡を提供する。 【構成】 光線透過性の基材上に所定形状のマスキング
層をあらかじめ形成し、ついで基材全面に光線透過性を
有するプライマー層、転写印刷層およびトップコート層
を順次形成した後、マスキング層を剥がし、少なくとも
マスキング層部分に引き続き光線反射層および保護層を
形成してなる、部分的に装飾された鏡を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、部分的に装飾された鏡
の製造方法に関する。さらに詳しくは、光線透過性基材
上に転写による部分的な装飾を施して、装飾面と鏡面の
境界が鮮明でなおかつ高度に意匠性に富む鏡を製造する
ことができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、装飾鏡については数多くの提
案がなされている。例えば鏡面と反対側の基材表面に
装飾を施すもの (特開昭55-75943、特開昭52-42129、な
ど) 、鏡面の裏側に装飾を施すもの (特開昭54-15667
2 、実開昭57-102361 など) 、鏡面そのものを装飾加
工するもの (特開昭51-129412 、特開昭52-13348、特開
昭52-123451 、特開昭52-146413 、実開平02-74955な
ど) 、鏡面と基材の間に装飾を施すもの (特開昭53-9
6015、特開昭55-37421、実開昭62-116959 、実開昭62-9
288 など) があげられる。
【0003】ところが、これらの提案はいずれも次に示
す欠点を有していた。まず、の鏡面と反対側の基材表
面に装飾を施すものについては、ガラスなどの基材表面
に装飾を施すため、長期にわたる使用により、装飾面の
剥離や傷つきなどの外観不良による品質低下を招き易い
という欠点があった。の鏡面の裏側に装飾を施すもの
については、実開昭57-102361 が額縁の中に写真や装飾
シートをおいてその上に部分的に鏡面をつくった透明基
材をのせて固定する方法で、装飾シートと透明基材との
間に空気層が存在するため、影ができて装飾シートと鏡
の境界が不鮮明となり、長期にわたる使用で装飾シート
の収縮等によるずれが起こりやすかった。また、額縁が
必要であることから、種々の形に切るなどの鏡の加工が
難しいという欠点があった。特開昭54-156672 では、鏡
面がハーフミラーとなっているため、裏面の装飾がはっ
きりせず、意匠性が落ちるという欠点を持っていた。
【0004】の鏡面そのものを装飾加工するものにつ
いては、特開昭51-129412 や特開昭52-13348は感光性樹
脂や光硬化性樹脂を用いて、基材表面に鏡面を一部設け
ることが装飾であり、鏡面だけでは高度な意匠性は得ら
れにくい。特開昭52-123451、実開平02-74955も同様に
サンドブラストやその他の方法で一部鏡面を残すもの
で、高度な意匠性が得られにくい。また、特開昭52-146
413 ではロウによるマスキングで一部鏡面をつくった
後、着色塗膜を設けるものであるが、ロウによるマスキ
ングでは鏡面の縁が不鮮明となり、ロウの一部残存によ
り、着色塗膜の剥離を引き起こしやすかった。の鏡面
と基材の間に装飾を施すものでは、特開昭55-37421や実
開昭62-9298 、実開昭62-116959 が装飾に透明あるいは
半透明の塗料を用いて塗装するだけのため、単純な意匠
となり、決してより高い意匠性を持つとは言えなかっ
た。特開昭53-96015についても、蒸着金属の違いによる
効果であり、カラフルで高度な装飾は不可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、これら
従来技術の持つ欠点、つまり装飾面の剥離や傷つき、装
飾のずれ、装飾部の剥離、意匠の低さ等を克服すべく、
鋭意検討した結果、光線透過性基材上に転写による装飾
を施すことにより意匠性を高め、さらに装飾時にあらか
じめマスキング層を設け、このマスキング層を剥離する
ことで装飾面と鏡面の境界が鮮明で、なおかつより高い
意匠性を持つ鏡を製造することができる方法を見出し、
本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、光線透過性の
基材上に所定形状のマスキング層をあらかじめ形成し、
ついで基材全面に光線透過性を有するプライマー層、転
写印刷層およびトップコート層を順次形成した後、マス
キング層を剥がし、少なくともマスキング層部分に引き
続き光線反射層および保護層を形成してなる、部分的に
装飾された鏡を製造する方法を提供する。
【0007】本発明の概要を、まず図面に基づいて説明
する。図1は本発明の方法により製造された装飾ガラス
の断面図を示す。光線透過性基材1上にプライマー層
3、転写印刷層4、トップコート層5、光線反射層6お
よび保護層7とからなる装飾部分と、光線反射層6およ
び保護層7とからなる鏡面部分とからなる装飾ガラスで
ある。図2は、得られた装飾ガラスの一態様を示す正面
図であり、鏡面部分8と装飾面部分9とからなる。図3
は、鏡面部分8に相当する範囲に形成されたマスキング
層2を、その上に形成されたプライマー層3、転写印刷
層4、トップコート層5と共に剥離している状態を示
す。
【0008】本発明で用いられる光線透過性基材は、光
線透過性を有するものであれば良く、例えば、ポリメチ
ルメタクリレート、ナイロン、ポリカーボネート、ポリ
エチレンテレフタレート、エポキシ等の合成樹脂、ガラ
ス等が挙げられる。
【0009】マスキング層は、光線透過性基材に良く接
着し、プライマー層、トップコート層に使用する有機溶
剤や熱の影響を受けにくく、剥離するときに、容易に剥
離できて、装飾面と剥離面の境界が鮮明となるものであ
ることが必要である。マスキング層は、紙の他、ポリエ
ステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンやポリプロ
ピレン樹脂等のフィルムに、アクリル系、ゴム系、シリ
コーン系などの易剥離性粘着剤の塗布された、いわゆる
マスキングシートを、必要に応じて任意の形状に切り抜
いて使用する。基材がガラスなどの場合は貼ってから切
り抜いても良い。フィルムはアルミニウム等の蒸着され
たものでも良い。マスキング層としては、特にポリエチ
レンテレフタレートフィルムにアクリル系の粘着剤を塗
布したものが耐溶剤性、耐熱性、フィルム強度があり、
好ましい。
【0010】マスキング層の厚みは、装飾効果に大きな
影響を及ぼすため、前記プライマー層の厚みに40μm
を加えた値を超えないように設定することが好ましい。
すなわち、マスキング層の厚みがプライマー層の厚みよ
り40μmを超える場合は、境界部分での両者の段差が
大きいため、十分転写できなくなり、転写印刷層の輪郭
が不鮮明となる。また、プライマー層と転写印刷層が完
全に同調しないため、輪郭部に転写印刷層のないプライ
マー層ができ、後工程の光線反射層を設けた時に鏡の抜
けや、反射像の歪みができ、装飾効果が大きく低下して
しまう。マスキング層の厚みがプライマー層の厚みに4
0μmを加えた値を超えない範囲であれば、転写印刷層
の輪郭が鮮明で、なおかつプライマー層と転写印刷層が
十分に同調しているため、鏡の歪みや抜けのない高度な
装飾効果を持つものができる。マスキング層は、トップ
コート層が十分乾燥したのち、手等で剥離する。
【0011】プライマー層は、転写印刷層が前記光線透
過性基材に強固に接着するように光線透過性基材上に約
1〜100 μm の塗料樹脂層として形成される。塗料系と
しては、転写印刷層を透視できるようにするため光線透
過性を有するクリヤー塗料で、ポリイソシアネートとポ
リオールとから得られる硬化性ポリウレタン樹脂塗料の
他、アクリル系塗料、ポリエステル系塗料、変性アルキ
ッド塗料、エポキシ系塗料等で光線透過性基材への付着
性等を考慮して選定される。特にポリイソシアネートと
して、ヘキサメチレンジイソシアネート等を使用した無
黄変型ポリウレタン塗料が長期にわたる黄変がないので
好ましい。また、屋外用途等、より良い耐候性が必要な
場合は、ポリオールとしてフッ素樹脂系のものを用いる
こともできる。光線透過性基材としてガラスが用いられ
る場合は、プライマー層形成の前に、プライマー層側の
ガラス表面をシランカップリング剤により表面処理して
おくことが望ましい。プライマーはエアースプレー、エ
アレススプレー、ロールコーター、カーテンコーター等
の塗装機により塗装され、遠赤外線オーブンや熱風オー
ブン等により乾燥する。乾燥条件は基材の種類、厚み、
プライマー層の厚みにより適宜設定する。通常、40〜
100℃で1分〜60分とするが、この範囲に限定され
るものではなく、光線透過性基材が変形しない条件で乾
燥されれば良い。
【0012】転写印刷層は、木目や石目、写真など任意
な画像を与えるために形成するもので、予めポリエチレ
ンテレフタレートなどのポリエステルフィルム基材に、
グラビア印刷により任意の画像を印刷した転写シートを
使用し、このシートの印刷面をプライマー層表面にゴム
ロールで熱圧着して形成することができる。印刷インキ
は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂系、ポリビニル
ブチラール系、変性アルキッド系等が用いられるが、鏡
としての性能を落とさない範囲で他の樹脂系を使用する
ことも出来る。ゴムロールとしては、JIS硬度20〜
100の天然ゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコー
ンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等を用いたものが使
用される。硬度が20未満の場合は柔らかすぎて強度が
なく圧力がかからないため転写不十分となり、100を
越えると逆に硬すぎるために転写むらが出たり、ゴムロ
ールのいたみが激しい。マスキング層とプライマー層の
膜厚差が大きい時は小さめの硬度のものを使用する。熱
圧着条件としては、通常基材温度20〜100℃、圧着
温度20〜100℃、圧力1〜5Kg/cm2 の範囲で行
う。
【0013】トップコート層は、転写印刷層を補強して
装飾された鏡の耐性を向上させるために形成される。転
写印刷の画像を鮮明にし強調させるため、カーボンブラ
ックやチタンホワイト、弁柄、酸化鉄など、隠蔽性のあ
る顔料を主体として有機顔料で任意に着色した、前記プ
ライマー層に使用の各種樹脂系塗料が用いられるが、常
温あるいは比較的低温で乾燥する他の塗料系であっても
よい。またプライマー層に使用する塗料系とトップコー
ト層に使用する塗料系が相違していても差し支えない。
膜厚は特に制限がないが、5μm以上が好ましい。トッ
プコート層は前記プライマー層と同様の方法で塗装、乾
燥されるが、乾燥は十分に行う。トップコート層の乾燥
が不十分であると、後述のマスキング層の剥離時にトッ
プコートのねばつきによるひげが発生し、マスキング面
に付着して鏡の歪みや抜けを引き起こしたり、転写印刷
層が十分補強されないため転写印刷面の輪郭が不鮮明と
なりやすい。乾燥条件としては、通常20〜100℃で
10分以上が好ましい。
【0014】光線反射層は、マスキング層の剥離により
部分的に装飾された光線透過基材を鏡化するものであ
る。光線透過基材がガラスの場合は、装飾面側を酸化セ
リウム研磨後、活性化処理、銀引き、銅引き後、保護塗
料による保護層を設けて鏡化する。また光線透過性合成
樹脂の場合は、同様に装飾面側を真空蒸着、スパッタリ
ング、イオンプレーティング等の各種方法を用いて鏡化
した後、保護塗料による保護層を設ける。必要に応じて
保護層の上にさらに保護層を設けても良い。保護塗料と
してはフタル酸樹脂塗料や硬化性ポリウレタン樹脂塗料
等を用いる。
【0015】以上の方法により、光線透過性基材上に転
写による部分的な装飾を施して、装飾面と鏡面の境界が
鮮明で、なおかつ高度に意匠性に富む鏡を製造すること
ができる。なお、得られた鏡は任意の大きさ、形に切り
取ることもでき、また、あらかじめ任意の形状にしてお
いた光線透過性基材を用いて鏡を得ることもできる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。実施
例で使用した、表面処理剤、マスキングシート、プライ
マー、転写印刷層に使用する転写フィルム、トップコー
トは表1〜5の通り作製準備した。尚、例中「%」はす
べて「重量%」を表す。
【0017】 表1 表面処理剤 備考 シランカッフ゜リンク゛ 剤 KBM-603 0.1 信越化学工業社製 イソフ゜ロヒ゜ルアルコール 99.9 合計 100.0
【0018】 表2 フィルム 粘着剤 名 称 種類 厚み 種類 厚み 全フィルム厚 マスキンク゛フィルムA PET*1 20μm アクリル系*3 15μm 35 μm マスキンク゛フィルムB PET*1 50 アクリル系*3 20 70 マスキンク゛フィルムC 和紙 80 コ゛ム系*4 20 100 マスキンク゛フィルムD 塩ビ*2 30 アクリル系*3 20 50 注; *1 : ホ゜リエチレンテレフタレート *3 : ホ゜リアクリル酸エステル *2 : 塩化ビニール *4 : 合成イソフ゜レン
【0019】 表3 プライマーA 主剤 備考 アクリルホ゜リオール 67.0 大日本インキ 化学工業社製 アクリテ゛ィック A-801 オクチックス錫 0.1 日本化学産業社製 メチルエチルケトン 22.9 トルエン 10.0 100.0 硬化剤 ヘキサメチレンシ゛イソシアネート 65.0 住友ハ゛イエルウレタン社製 スミシ゛ュール N-75 トルエン 35.0 100.0 配合比 主剤/硬化剤=4/1で混合 プライマーB 塗料 備考 アクリル樹脂 30.0 三菱レイヨン社製タ゛イヤナールLR-485 CAB*5 1.5 イーストマンコタ゛ック社製CAB551-02 フ゛チルヘ゛ンシ゛ルフタレート 1.0 酢酸フ゛チル 22.5 フ゛タノール 25.0 トルエン 20.0 100.0 注; *5 : セルロースアセテートフ゛チレート
【0020】 表4 名 称 フィルムの種類 インキの種類 印刷柄 転写フィルム A ホ゜リエチレンテレフタレート 塩酢ビ系*6 大理石模様 転写フィルム B 〃 フ゛チラール 系*7 柾目調の木目 転写フィルム C 〃 CAB系*5 海の風景 注; *6 : 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体 *7 : ホ゜リヒ゛ニルフ゛チラール *5 : セルロースアセテートフ゛チレート トップコートは、表5に示す組成に混合した塗料をサン
ドグラインダーにて2時間分散して作製した。
【0021】 表5 トップコートA 主剤 備考 チタンホワイト 30.0 石原産業社製 タイヘ゜ーク CR-90 アクリルホ゜リオール 50.0 大日本インキ 化学工業社製 アクリテ゛ィック A-801 オクチックス錫 0.1 日本化学産業社製 メチルエチルケトン 10.9 トルエン 9.0 100.0 硬化剤 ヘキサメチレンシ゛イソシアネート 50.0 住友ハ゛イエルウレタン社製 スミシ゛ュール N-75 メチルエチルケトン 25.0 トルエン 25.0 100.0 配合比主剤/硬化剤=4/1で混合 トップコートB 塗料 備考 チタンホワイト 11.5 石原産業社製タイヘ゜ーク R-820 弁柄 0.5 戸田工業社製 130R アクリル樹脂 30.0 三菱レイヨン社製タ゛イヤナールLR-485 CAB*5 1.5 イーストマンコタ゛ック社製 CAB551-02 フ゛チルヘ゛ンシ゛ルフタレート 1.0 酢酸フ゛チル 18.5 フ゛タノール 22.0 トルエン 15.0 100.0
【0022】実施例1 縦横400×400mm、厚さ5mmのガラス板を水洗乾燥
後、全フィルム厚35μmのマスキングフィルムAを直
径300mmの円に切り、ガラス板中央に貼り付けてマス
キング層を形成させた。つぎに表面処理剤をスプレーガ
ンで均一に塗装し、80℃熱風オーブンにて1分間乾燥
させた後、プライマーAを主剤/硬化剤=4/1に混合
し、エアースプレーにて乾燥膜厚が35μmとなるよう
塗装し、80℃の熱風オーブンで20分乾燥させて光線
透過性を有するプライマー層を形成させた。その後、ガ
ラス板を80℃まで加熱してから、転写フィルムAをJ
IS硬度60のゴムロールを用いて、圧着温度80℃、
圧力4Kg/cm2 で圧着せしめ、40℃まで冷却後にポリ
エチレンテレフタレートフィルムを剥がしてプライマー
上に大理石模様の図柄を転写し、転写印刷層を形成させ
た。さらにトップコートAを主剤/硬化剤=4/1に混
合し、エアースプレーにて乾燥膜厚が20μmとなるよ
う塗装し、80℃の熱風オーブンで40分間乾燥させ、
トップコート層を形成させた。その後マスキングフィル
ムを手で剥がし、反対面から観察すると、中央が円状に
抜けて周囲が綺麗な大理石模様に装飾されたガラス板が
得られた。この装飾部分と中央ガラス部分の境界は鮮明
で綺麗であった。その後、このガラス板の装飾面側を酸
化セリウムにて研磨し、銀引き、銅引きの後、フタル酸
樹脂塗料を60μm塗装し90℃で20分間乾燥して保
護層を設け、鏡を完成させた。これを観察すると、中央
が鏡で周囲が綺麗な大理石模様となっており、鏡部分に
歪みや抜けがなく、鏡と大理石模様の境界が鮮明で綺麗
に装飾された鏡が得られた。このものは、洗面化粧台用
の鏡として有用であった。
【0023】実施例2 縦横400×400mm、厚さ5mmのガラス板を水洗乾燥
後、全フィルム厚70ミクロンのマスキングフィルムB
を縦横300×300mmの正方形に切り、ガラス板中央
に貼り付けてマスキング層を形成させた。後の工程は実
施例1と同様の操作を行い、トップコート層まで形成さ
せた。その後、マスキングフィルムを剥がし反対面から
観察すると、中央が正方形に抜けて周囲が綺麗な大理石
模様に装飾されたガラス板が得られた。このものの装飾
部分と中央ガラス部分の境界は鮮明で綺麗であった。そ
の後このガラス板の装飾面側を、実施例1と同様に鏡化
させて鏡を完成させた。このものを観察すると、中央が
鏡で周囲が幅50mmの大理石模様となっており、鏡に歪
みや抜けがなく、鏡と大理石模様の境界が鮮明で綺麗に
装飾されたものが得られた。このものも洗面化粧台用と
して有用であった。
【0024】実施例3 縦横400×400mm、厚さ5mmのガラス板を水洗乾燥
後、全フィルム厚70ミクロンのマスキングフィルムB
を長径350mm、短径280mmの楕円に切り、ガラス板
中央に貼り付けてマスキング層を形成させた。つぎに表
面処理剤をスプレーガンで均一に塗装し、80℃熱風オ
ーブンにて1分間乾燥させた後、プライマーAを主剤/
硬化剤=4/1に混合し、エアースプレーにて乾燥膜厚
が30μmとなるよう塗装し、80℃の熱風オーブンで
20分乾燥させて光線透過性を有するプライマー層を形
成させた。その後、ガラス板を80℃まで加熱してか
ら、転写フィルムAをJIS硬度25のゴムロールを用
いて、圧着温度80℃、圧力4Kg/cm2 で圧着せしめ、
40℃まで冷却後にポリエチレンテレフタレートフィル
ムを剥がしてプライマー上に大理石模様の図柄を転写
し、転写印刷層を形成させた。以下実施例1と同様の操
作を行って鏡を完成させたところ、中央が楕円状に鏡面
で周囲が綺麗な大理石模様の鏡が得られた。鏡面と大理
石模様の境界は鮮明で綺麗であった。
【0025】実施例4 縦横80×80mm、厚さ2mmのアクリル板表面をイソプ
ロピルアルコールにて脱脂後、全フィルム厚100μm
のマスキングフィルムCを、長径70mm、短径50mmの
楕円状に切り取り、アクリル板中央に貼り付けてマスキ
ング層を形成させた。つぎにプライマーAを主剤/硬化
剤=4/1に混合しエアースプレーにて乾燥膜厚が70
μmとなるよう塗装し、75℃の熱風オーブンで30分
乾燥させて光線透過性を有するプライマー層を形成させ
た。その後、アクリル板を75℃まで加熱し、転写フィ
ルムBを、硬度50のゴムロールを用いて、圧着温度7
5℃、圧力3.5Kg/cm2 にて圧着せしめ、30℃まで
冷却後にポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし
てプライマー上に柾目調の木目の図柄を転写して転写印
刷層を形成させた。さらにトップコートAを主剤/硬化
剤=4/1に混合し、エアースプレーにて乾燥膜厚が2
0μmとなるよう塗装、75℃の熱風オーブンで60分
間乾燥させ、トップコート層を形成させた。その後マス
キングフィルムを手で剥がし、反対面から観察すると、
中央が楕円状に抜けて周囲が綺麗な柾目調の木目に装飾
されたアクリル板が得られた。この装飾部分と中央アク
リル部分の境界は非常に綺麗で鮮明であった。その後、
このアクリル板の装飾面側にアルミニウムの真空蒸着お
よびアクリルウレタンによる保護塗装を行い、75℃で
30分乾燥して鏡を完成させた。このものを観察する
と、中央が鏡で周囲が綺麗な柾目調の木目に装飾されて
おり、鏡に歪み、抜けがなく、鏡面と装飾面の境界が綺
麗で鮮明な鏡が得られた。このものは、コンパクトミラ
ー用として有用であった。
【0026】実施例5 縦横200×300mm、厚さ2mmのポリカーボネート板
表面をイソプロピルアルコールにて脱脂し、全フィルム
厚50μmのマスキングフィルムDを、長径150mm、
短径100mmの楕円状に2枚切り、ポリカーボネート板
に左右1枚ずつ縦長に貼り付けてマスキング層を形成さ
せた。つぎにプライマーBをエアースプレーにて乾燥膜
厚が13μmとなるよう塗装し、70℃の熱風オーブン
で10分乾燥させて光線透過性を有するプライマー層を
形成させた。その後、ポリカーボネート板を60℃まで
加熱してから、JIS硬度60のゴムロールを用いて転
写フィルムCを圧着温度65℃、圧力4Kg/cm2 にて圧
着せしめ、35℃まで冷却した後、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムを剥がしてプライマー上に海の風景の
図柄の転写印刷層を形成させた。さらにトップコートB
をエアースプレーにて乾燥膜厚が15μmとなるよう塗
装し、70℃の熱風オーブンで40分間乾燥させトップ
コート層を形成させた。その後マスキングフィルムを剥
がし、反対面から観察すると、中央左右に楕円状に抜け
て、周囲が綺麗な海の風景に装飾されたポリカーボネー
ト板が得られた。この装飾部分とポリカーボネートのみ
の部分の境界は非常に綺麗で鮮明であった。その後、こ
のポリカーボネート板の装飾面側にアルミニウムの真空
蒸着およびアクリルウレタン塗料による保護塗装を行い
鏡を完成させた。このものをベルトソーにて縦に半分に
切ると、周囲が綺麗な海の風景に装飾されて、中央部の
鏡に歪みや抜けがなく、鏡面と装飾面の境界が鮮明で綺
麗な鏡が2枚得られた。このものは手鏡用として有用で
あった。
【0027】実施例1〜5で得られた鏡についての外観
観察結果、付着性試験、耐水性試験および耐湿性試験結
果を表6に示した。付着性試験は、装飾面にカッターナ
イフで1×1mmの碁盤目状に基材に達するようカットを
入れ、セロハン粘着テープを貼り付け、急速に引き剥が
して確認した。耐水性試験は、鏡を60℃の温水中に装
飾面を上にして3時間浸漬し、取り出し後に外観の観察
を行った。また耐湿性試験は、得られた鏡を60℃98
%RHの雰囲気に8時間放置、取り出し後16時間放置
を5サイクル繰り返したあと外観を観察して確認した。
その結果、全ての試料とも外観、付着性、耐水性、耐湿
性が良好であった。
【0028】 表6 試 験 項 目 実施例 1 2 3 4 5 マスキンク゛層とフ゜ライマー層の膜厚差μm 0 35 40 30 37 鏡面の歪み ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 鏡面の抜け ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 装飾/鏡面境界部 ◎ ◎ ○ ◎ ◎ 付 着 性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐 水 性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 耐 湿 性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 評価基準・鏡面の歪み ◎:歪みなし、×:鏡周辺部に
歪みあり ・鏡面の抜け ◎:抜けなし、×:鏡周辺部に抜けあり ・装飾面と鏡 ◎:境界部に転写不良や乱れがない ・面の境界部 ○:ごくわずかに境界部の乱れがあるが
実用上良好 △:境界部に一部転写不良や乱れあり ×:境界部の転写不良や乱れ大 ・付着性 ◎:100/100 で良好、×: 99/100以下 ・耐水性 ◎:装飾部の フ゛リスターヤ鏡面にくもりがない ・耐湿性 ◎:装飾部の フ゛リスターヤ鏡面にくもりがない。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、光線透過性基材上にマ
スキング層を設けて、プライマー層上に木目や石目など
意匠性の高い装飾を転写により持たせ、トップコート層
を形成させた後マスキング層を剥がし、光線反射層を設
けることで、装飾面と鏡面の境界に乱れがなく鮮明で、
なおかつ鏡としての性能を十分満足する装飾鏡の製造方
法が提供される。さらに本発明によれば、従来の方法の
欠点である、装飾面の傷つきや剥離、装飾面のずれ、付
着低下あるいは意匠性の低さを克服した、部分的に装飾
された鏡の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による部分的に装飾された鏡の断面図
【図2】本発明による部分的に装飾された鏡の正面図
【図3】本発明によるマスキング層剥離工程を示す断面
【符号の説明】
1 光線透過性基材 2 マスキング層 3 プライマー層 4 転写印刷層 5 トップコート層 6 光線反射層 7 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠原 安吉 東京都中央区京橋2丁目3番13号 東洋イ ンキ製造株式会社内 (72)発明者 渡部 紀夫 神奈川県横浜市港北区下田町5−35−7 (72)発明者 生駒 哲朗 千葉県野田市三ツ堀1089−33 (72)発明者 野口 文夫 神奈川県横浜市鶴見区東寺尾1−31−11グ ランデA101

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光線透過性の基材上に所定形状のマスキ
    ング層をあらかじめ形成し、ついで基材全面に光線透過
    性を有するプライマー層、転写印刷層およびトップコー
    ト層を順次形成した後、マスキング層を剥がし、少なく
    ともマスキング層部分に引き続き光線反射層および保護
    層を形成してなる、部分的に装飾された鏡を製造する方
    法。
  2. 【請求項2】 マスキング層が、粘着剤を片面に塗布し
    たシートであって、その厚みがプライマー層の厚みに4
    0μmを加えた値以下である請求項1記載の鏡を製造す
    る方法。
JP20732892A 1992-07-10 1992-07-10 装飾鏡の製造方法 Pending JPH0630832A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN112142345A (zh) * 2019-06-27 2020-12-29 株式会社辉曼斯 一种带有双面镜的夹层玻璃及其制造方法

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