JPH06307875A - 信号検出方法及び位相変調度変動の検出方法 - Google Patents

信号検出方法及び位相変調度変動の検出方法

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JPH06307875A
JPH06307875A JP6013145A JP1314594A JPH06307875A JP H06307875 A JPH06307875 A JP H06307875A JP 6013145 A JP6013145 A JP 6013145A JP 1314594 A JP1314594 A JP 1314594A JP H06307875 A JPH06307875 A JP H06307875A
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JP
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light
phase
signal
fiber coil
difference
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JP6013145A
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English (en)
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Yozo Nishiura
洋三 西浦
Yasuhiko Nishi
康彦 西
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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    • G01C19/58Turn-sensitive devices without moving masses
    • G01C19/64Gyrometers using the Sagnac effect, i.e. rotation-induced shifts between counter-rotating electromagnetic beams
    • G01C19/72Gyrometers using the Sagnac effect, i.e. rotation-induced shifts between counter-rotating electromagnetic beams with counter-rotating light beams in a passive ring, e.g. fibre laser gyrometers

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ファイバコイルの一端に位相変調器を設けて
位相変調する光ファイバジャイロは、従来受光素子の出
力を同期検波して、基本波または高調波の大きさを求め
ていた。これは同期検波回路が必要であるし、光量変動
やアンプのゲインの変動により出力が変化することもあ
る。これらの影響を受けない光ファイバジャイロを提供
すること。 【構成】 受光素子の出力から交流分だけを取り出し、
位相変調の1周期に2つ含まれる波の内、第1の波の持
続時間T1 と第2の波の持続時間T2 を測定しこれらの
時間の差から、右廻り光左廻り光の位相差を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は新規な光ファイバジャ
イロの信号検出の方式に関する。光ファイバジャイロは
シングルモ−ドファイバに同一の光源からの光を右廻り
光左廻り光として伝搬させた後これを干渉させ、その位
相差から回転角速度を検出するものである。回転角速度
が位相差に比例し、位相差を求めると角速度が分かる。
【0002】受光素子の出力を検出するだけでは位相差
が分からないし回転の方向も分からないので、なんらか
の変調を加える。位相変調、周波数変調、位相シフトな
どの変調方式が良く知られている。
【0003】
【従来の技術】本発明は位相変調を基礎にするので初め
に位相変調光ファイバジャイロについて説明する。図1
1は位相変調光ファイバジャイロの概略構成図である。
発光素子1から出た光はシングルモ−ドファイバに入
り、カップラを通って偏光子に至りここで直線偏光にな
り、第2のカップラを通過して2つの光に分離しシング
ルモ−ドファイバを多数回巻き回したファイバコイルを
左廻り光右廻り光として反対方向に伝搬する。ファイバ
コイルが静止していれば位相差は発生しない。
【0004】しかしファイバコイルが回転していると回
転角速度に比例して位相差が発生する。左廻り光右廻り
光はカップラで合一し、偏光子を通りカップラを通過し
て受光素子に至る。受光素子の出力を同期検波して位相
差を求める。
【0005】位相変調器としては、ファイバコイルの一
端付近のファイバの一部を圧電振動子に巻き付け電極間
に変調電圧を印加し周期的な膨縮運動をファイバに加え
る。ファイバの延び縮みにより光弾性効果によりファイ
バを通過中の光の位相が変化する。
【0006】これが右廻り光と左廻り光に異なるタイミ
ングで位相変化を与えるので、受光素子で干渉光強度を
検出するとファイバコイルが回転しているときは、位相
差が打ち消し合わずに残ることになる。受光素子信号の
中には、変調周波数の奇数次の高調波にはsin Δθの形
で、偶数次の高調波にはcos Δθの形で位相差Δθが含
まれる。高調波の係数は、位相変調の大きさを決める位
相変調度ξのベッセル函数に等しくなっている。
【0007】位相変調方式に於いて受光素子面における
右廻り光の電界ER と左廻り光の電界EL は次のように
書ける。
【0008】 ER =E1sin{ωt+bsin (Ωt+φ/2)+Δθ/2} (1)
【0009】 EL =E2sin{ωt+bsin (Ωt−φ/2)−Δθ/2} (2)
【0010】ここでE1 、E2 は右廻り光左廻り光の電
界振幅である。Ωは位相変調の角周波数、ωは光の角周
波数、Δθはファイバコイルの回転に伴う位相差、φは
右廻り光と左廻り光の位相変調器を通過するタイミング
の差に基づく位相差である。
【0011】φ=Ωτ (3)
【0012】τ=nL/c
(4)
【0013】 Δθ=4πLaΩc /cλ (5)
【0014】τは同一の光から分離された右廻り光と左
廻り光が位相変調器を通る時刻の差である。ファイバコ
イルの一端の近くにあるのでτはファイバコイルを光が
通過するのに要する時間に等しい。nはファイバの屈折
率、Lはファイバコイルを形成するファイバの長さであ
る。cは真空中の光速である。τがファイバコイルを通
過するための時間であることは直ぐに分かる。
【0015】受光素子では右廻り光と左廻り光を干渉さ
せて検出する。つまり両光の電界の和の二乗が出力であ
る。但し光の周波数ωは極めて速いので検出器にかから
ない。ωに関しては平均ということになる。従って受光
素子の出力Iは、
【0016】 I=|ER +EL2 (6)
【0017】 I=|(ER 2+EL 2)/2+2ERLsin{ωt+bsin (Ωt+φ/2)+Δ θ/2}sin {ωt+bsin (Ωt−φ/2)−Δθ/2}| (7)
【0018】 I=(ER 2+EL 2)/2+ERLcos〔b{sin (Ωt+φ/2)−sin (Ωt −φ/2)}+Δθ〕 (8)
【0019】 I=(ER 2+EL 2)/2+ERLcos〔{2bsin (φ/2)cos (Ωt)}+ Δθ〕 (9)
【0020】 I=(ER 2+EL 2)/2+ERLcos〔{2bsin (φ/2)cos (Ωt)}co s Δθ−sin {2bsin (φ/2)cos (Ωt)}sin Δθ〕 (10)
【0021】 I=(ER 2+EL 2)/2+ERL 〔{J0(ξ) +2Σn=1 (−1)n2n( ξ )cos2nΩt}cos Δθ−{2Σn=0 (−1)n2n+1( ξ)cos(2n+1)Ω t}sin Δθ〕 (11)
【0022】というようになる。これらは一続きの式で
あるが、1行の文字数の変更により連続性が失われる惧
れがあるからそれぞれI=の式にして独立して表記して
いる。ただし最終の式においてΣの上限は無限大であ
る。JISでは無限大を1/4角にできないので表記を
省いている。最終の式がベッセル関数を係数とする展開
式を与えている。ベッセル関数の内部に含まれるパラメ
−タξは、位相変調の大きさにより、
【0023】 ξ=2bsin (φ/2) (12)
【0024】と表される。受光素子の出力は(11)に
示すようにすべての次数の高調波を含む。これを高調波
の周波数を持つキャリヤで同期検波すると、その高調波
の成分を得ることができる。
【0025】これらの成分の内、位相変調と同じ周波数
の成分(基本波)I(Ω)は、
【0026】 I(Ω,t)=ERL1(ξ)cos(Ωt)sin Δθ (13)
【0027】となる。これはファイバコイルの角速度に
比例した位相差Δθをsin Δθとして含む。これをキャ
リヤcos (Ωt)によって同期検波すると、
【0028】 I(Ω)=ERL1(ξ)sinΔθ (14) を得るからこれから角速度を求めることができる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら同期検波
の出力は、信号処理回路のゲインや、光学系の変動によ
り変動する。同じΔθであってもこれらの要因によりI
(Ω)が変化してしまう。これをスケ−ルファクタの変
動という。スケ−ルファクタはさまざまな要因で決まっ
ているから、さまざまな原因で変化する。電気回路のゲ
インや光学系の変動により変化する。
【0030】たとえばER やEL は受光素子に入る光の
強度を示すが、これが光学系の軸ずれや発光素子の光量
や受光素子の感度によって変動する。ξに含まれる位相
変調の大きさbは、圧電素子の温度特性などにより電圧
振幅に対する変位量が変化するのに伴って変化する。こ
のようにスケ−ルファクタは様々の原因により変動す
る。
【0031】このような問題を解決するために、基本波
以外の周波数成分を用いて光量や位相変調度を補正した
り変化分をフィ−ドバックして修正する手法が提案され
ている。
【0032】特開昭60−78314号 特開昭60−135816号 特開昭61−117410号 特開昭61−124817号 特開昭61−147106号 特開昭63−138208号
【0033】などである。これらの方式はスケ−ルファ
クタの変動を押さえるという目的に対して一定の範囲で
効果を収め、自動車用光ファイバジャイロなどに実用化
されているのもある。しかしこれらの方式の問題点は、
信号処理回路が複雑となり、コストアップとなるという
ことである。さらにまた補正やフィ−ドバックを行うこ
とに伴い、新たな変動要因が発生しこれを抑制する必要
が生まれるということもある。
【0034】一方同期検波という手法とは別に、角速度
情報を電気信号の時間情報に変換する方式が幾つか発明
されている。
【0035】特開昭61−284607号 特開昭62−80512号 特開昭62−212514号 (10)特開平3−118415号
【0036】などである。この内とは三角波状の位
相変調を光信号に加える。ために高速の位相変調を必要
とする。と(10)は正弦波的な変調で良いため圧電素子
を用いて安価な位相変調器を用いることができる。しか
し反面、信号処理回路が複雑になるという難点がある。
【0037】は受光素子の出力を二つに分け、90度
位相の異なる信号で変調するものである。巧みな方法で
あるが、変調信号の位相差や振幅の誤差が信号処理上の
新たな誤差を生ずる要因となる。この問題は(10)で極大
点、極小点を検出する場合にも存在する。極大点、極小
点であることを判定するための付加回路の安定性が光フ
ァイバジャイロ全体の性能を却って低下させる。このよ
うな難点があった。
【0038】
【課題を解決するための手段】本発明の光ファイバジャ
イロを図1を用いて説明する。光学系は通常の位相変調
方式の光ファイバジャイロと同じである。発光素子1か
ら出た準単色光がファイバ2にはいり、第1カップラ3
を通り偏光子4で或る方向に偏波面を持つ直線偏光にな
る。これが第2カップラ5を通過し2つのビ−ムに分離
する。二つのビ−ムが、シングルモ−ドファイバを多数
回巻き回して作ったファイバコイル6を右廻り光左廻り
光として伝搬する。
【0039】ファイバコイル6の一端には圧電振動子に
ファイバを巻き回した位相変調器7が設けられる。右廻
り光左廻り光は第2カップラでひとつになり、偏光子
4、第1カップラ3を通り受光素子8に入る。受光素子
8は右廻り光左廻り光を干渉させ干渉光の強度を検出す
る。位相変調されているから、受光素子出力には変調周
波数の高調波成分が含まれる。
【0040】受光素子の出力をアンプ9で電流−電圧変
換、増幅を行う。これは交流分と直流分を含むが、コン
デンサ10を通し交流分だけにする。交流信号を零クロ
ス検出器11によって、信号符号の反転が一定回数発生
した時に出力を反転するようにする。零クロス検出器1
1というのは、入力信号が0ボルトを通過した瞬間を検
出するものであり、カウンタ12は0ボルトを通過した
回数を数えるものである。負電圧から正電圧に変化する
のも1回と数え、正電圧から負電圧に変化するのも1回
と数える。これはカウンタであるから任意のN回の零ク
ロスで出力を反転するようにできる。図1の例では2回
(N=2)の符号反転によりカウンタ12の出力が反転
するようにしている。
【0041】零クロスカウンタの出力が変化するが、同
一の出力が持続する時間は、2種類になる。これを第1
期間の持続時間T1 と第2期間の持続時間T2 とする。
もしもファイバコイルが回転していないとすると受光素
子の出力は歪まないので、零クロスカウンタの第1、第
2期間の持続時間T1 とT2 は等しい。T1 =T2 であ
る。
【0042】しかしファイバコイルが回転していると右
廻り光と左廻り光で位相変調を受ける時間が異なること
から受光素子の出力が非対称になる。それ故零クロスカ
ウンタの第1、第2期間の持続時間T1 とT2 が等しく
ならない。本発明はT1 とT2 の不等性を利用して角速
度を求めようとするものである。第1期間、第2期間の
持続時間の差ΔT=T1 −T2 によって角速度を求め
る。位相変調の場合は同期検波して変調周波数成分を求
めるという手法が必ず用いられたが、本発明ではこれと
は全く異なる測定原理に基づくのである。
【0043】
【作用】位相変調方式であるのに受光素子の出力を同期
検波しない本発明の手法は全く新規なものである。これ
は位相変調信号が全体として時間的にどういう変化をす
るのか?という深い洞察からなされた発明である。それ
ゆえ数学的な考察から初めなければならない。
【0044】受光素子の出力に含まれる交流成分をIac
と書くと、(9)、(11)より Iac=ERL 〔cos {2bsin (φ/2)cos (Ωt)+Δθ}−J0(ξ)cos Δθ〕=ERL 〔cos {ξcos (Ωt)+Δθ}−J0(ξ)cosΔθ〕 (15)
【0045】となる。この式は(9)の表現から直流成
分を差し引いて交流成分だけにしたものである。直流成
分がどれかということは(11)から分かる。これに含
まれる直流成分は、(ER 2+EL 2)/2と、ERL
0(ξ) cos Δθである。(9)と(11)は等しい式で
あるから、(9)からこれを差し引くと交流成分のみが
残るはずである。(9)で交流成分のように見えるcos
{2bsin (φ/2)cos (Ωt)+Δθ}は、実際に
は直流成分を含むのである。それでJ0(ξ)cosΔθを差
し引いて真の交流成分を求める。
【0046】これが(15)である。式自体が新規であ
るといえる。(15)はベッセル関数で高周波を展開し
た時のn=1から無限大までの奇数次、偶数次の項を全
て含んでおり、その表現で書かれることは頻繁にある。
しかしこのような全体形として書かれることはかってな
い。
【0047】Iacは時間平均すれば勿論0になり、時間
に関して変調周波数Ωの周期関数であることに疑いはな
い。しかし単純なsin 関数ではなく、1周期において前
後が非対称になる。本発明はこの交流成分の1周期内に
おける非対称性を利用して位相差Δθを求め回転角速度
を知ろうとするものである。
【0048】図3は、ξ=2bsin (φ/2)=1の場
合の、Iacの時間変化を示すグラフである。Δθは0と
0.2ラヂアンの場合を例示している。Iacの変化の1
周期が2π/Ωである。Iacは受光素子の交流成分であ
るから変調周波数と同一の周期を当然に持つはずであ
る。第1期間の持続時間T1 と第2期間の持続時間T2
の和が1周期である。T1 +T2 =2π/Ωである。こ
こで光ファイバジャイロが静止している時は(Δθ=
0)、T1 =T2 である。図2のΔθ=0のグラフもそ
のようになっている。これは(15)において、Iac
Ωt→Ωt+πの変換に対して不変になり周期が半分の
π/Ωになるから当然である。
【0049】しかし光ファイバジャイロが回転している
(Δθ≠0)と、第1期間、第2期間が非対称になる。
つまりT1 ≠T2 となる。図3ではΔθ=0.2(ラヂ
アン)の場合を例示している。第1期間での下がりが大
きいために回復に時間が掛かるために第1期間T1 が長
くなっている。それでT1 >T2 となる。このような非
対称性はΔθが大きくなるに従って大きくなる。
【0050】これによりΔθを求める可能性が分かるが
もうひとつ重要なことはΔθの正負が分かるかどうかと
いうことである。
【0051】正負は勿論分かるのである。図4はξ=1
とした場合の、Δθ=−0.2、−0.1、0、+0.
1、+0.2ラヂアン(rad )の時のIacの時間的変化
を示すグラフである。説明を簡単にするために第1期間
の初めの負の部分をア、正の部分をイ、第2期間の負の
部分をウ、正の部分をエとする。
【0052】正部分であるイとエは余り変化がないが、
負の部分が大きく変化する。Δθが正の場合は、アの部
分が大きくなり、ウの部分が小さくなる。Δθが負の場
合はアの部分が小さくなりウの部分が大きくなる。この
ような違いにより正負を区別できる。つまりΔθが正な
らT1 −T2 が正である。Δθが負ならT1 −T2 が負
である。結局差ΔT=T1 −T2 によりΔθが求められ
るということである。
【0053】図5は、ξ=1,2,3,4の場合におい
て、実験によって右廻り光左廻り光の位相差Δθと、2
πΔT/(T1 +T2 )との関係を求めた結果を示すグ
ラフである。横軸がSagnac位相差Δθであり単位
はラジアンである。縦軸はT1 とT2 の差を和で割って
2πを掛けたものである。つまりT1 +T2 を2πとし
たときのΔTをラジアンで示す。T1 +T2 は位相変調
の周期の2倍であるから定数である。ΔTを正規化する
ために、T1 +T2 で割っているのである。
【0054】ξ=2〜3の程度に設定すれば、Δθ=1
-4〜1radまではΔθに対してΔTがほぼ直線的に
増加していることが分かる。そこで第1期間の持続時間
1と第2期間の持続時間T2 を測定しこの差ΔTか
ら、位相差Δθが分かり、従って回転角速度Ωc が求ま
る。
【0055】図6はΔθ=0.01radの時の、ξの
変化に対する、ΔTの変化分を示すグラフである。ξの
変域は1〜4である。Δθが一定の時、位相変調度ξが
増えると、ΔTが減少する。つまり通常の位相変調方式
を同期検波する場合とは反対にξの小さいほうが、感度
が良いということになる。しかしξの変化と、ΔTの変
化は線形関係にない。図7は同じΔTとξの実験結果の
図であるが、図6の一部を拡大したものである。ξの変
域が2.5〜3.5である。この範囲ではξに増加に対
する、ΔTの減少がほぼ直線的で線形関係に近い。
【0056】例えばξ=3において、Δθ=0.01r
adの時、ΔTは約0.017radとなる。これらの
結果はいろいろな仮定をおいて計算機で数値計算したも
のである。もちろんT1 とT2 は解析的にも求めること
ができる。(15)式から出発する。再び明記すると、
【0057】 Vac=ERL 〔cos {ξcos (Ωt)+Δθ}−J0(ξ)cosΔθ〕(16)
【0058】であるが、光量の部分はT1 やT2 の決定
に無関係である。そこで独立変数をΩt=Θとして、次
の関数を考える。
【0059】 W(Θ)=cos {ξcos Θ+Δθ}−J0(ξ)cosΔθ (17)
【0060】図10に、Θが−π〜2.5πの変域で
の、ξcos (Θ)と、cos (ξcos Θ)とを破線によっ
て示した。ξcos (Θ)は、Θが0、2πでξ、−π、
+πで−ξ、−π/2、π/2、3π/2、5π/2で
0となる関数である。ここではξがπ/2より大きくπ
より小さいものとして図面を書いているが、ξがπ/2
より勿論小さくても差し支えない。定数項で引き算をす
るのは直流分を落とすためであった。従って、W(Θ)
を平均したものは0である。
【0061】JIS表記で式を正確に表示するのは難し
いので、(17)の定数項の部分を単にJと書くことに
する。J=J0(ξ)cosΔθである。これは単に約束事で
あり近似ではない。すると、(17)は、
【0062】 W(Θ)=cos {ξcos Θ+Δθ}−J (18)
【0063】と書ける。cos (ξcos Θ)の形が難しい
が、Θ=−π/2、+π/2、3π/2で極大値1を取
る。またΘが−π、0、π、2πで極小値cos ξを取
る。ξがπ/2より大きいとしているからcos ξが負の
数になっているが、ξがπ/2より小さい時はcos ξが
正の数になる。いずれであっても以下の議論は成立す
る。
【0064】Θがcos の形で含まれるので、cos (ξco
s Θ)は偶関数である。それだけでなく、Θの0、π、
2πなどに関して対称関数である。cos がcos の中に含
まれる。二重に余弦となっているから、さらにπ/2や
3π/2などのπの半整数の値のΘに関しても対称であ
る。またπの平行移動に関して不変である。
【0065】このような対称性と周期性から、cos (ξ
cos Θ)は結局Θ=0〜π/2の間の形状がΘ=0で折
りかえしたものを繰り返すだけの関数となる。これは三
角関数ではないが、周期関数である。周期はcos Θの関
数の半分のπである。cos が二重に入っているから周期
が半分になるのである。つまりΔθ=0の時W(Θ)
は、
【0066】 W(Θ)=W(Θ+πN),W(Θ)=W(πM−Θ) M,Nは整数
【0067】という関係を満足している。さて、水平に
W=Jとなる直線を引く。これとcos (ξcos Θ)とは
π/2の領域毎に交点を持つ。ここが重要である。
【0068】cos (ξcos Θ)=J (19)
【0069】これの解を求めよう。
【0070】ξcos Θ =±cos-1 J (20)
【0071】 Θ=±cos -1{±ξ-1cos-1 J}+2Nπ (Nは整数)(21)
【0072】である。このΘはπ/2毎にひとつ存在す
る。そこでΘ=0〜π/2の範囲でのΘをひとつ決め、
これをCとしよう。
【0073】 C=cos-1 {ξ-1cos-1 J} の主値 (22)
【0074】これの解は、幾つもあるが、Θの範囲にわ
けて次に述べる。Θが−π〜−π/2でΘ=−π+C、
Θが−π/2〜0でΘ=−C、Θが0〜π/2でΘ=
C、Θがπ/2〜πでΘ=π−C、Θがπ〜3π/2で
Θ=π+C、Θが3π/2〜2πでΘ=2π−Cであ
る。C+Nπとなる解は分かり易いが、−C+Nπとな
る解は分かりにくかろう。しかしこのような解になるこ
とに注意すべきである。
【0075】ここでξ→0の極限でΘがどうなるのかを
予め考察しておこう。ξ→0においてJ0(ξ) →1−ξ
2 /4である。cos-1 (1−ξ2 /4)→ξ/21/2
あるから、cos-1 (ξ-1cos J)→cos-1-1/2=π/
4である。つまりξが0の極限で、交点Θはπ/4にな
るのである。これは当たり前のようであるが、見落とし
易い性質である。
【0076】ξが0に近いと、ξcos (Θ)が図10の
ように大きく波を打たず、小さい振幅の関数になる。そ
れに対応してcos (ξcos Θ)も1の近くで弱く振動す
る振幅の小さい関数になる。しかしJがほぼ1に近づく
ので交点は常に存在する。交点はπ/2の領域毎にあり
その値はπ/4+Mπ/2である。
【0077】さてΔθが0でない場合を考える。Δθが
正であるとして、ξcos (Θ)+Δθは、ξcos (Θ)
をΔθだけ上に平行移動した波形である。これを実線で
示している。Θ=0、2πでξ+Δθ、Θ=−π、πで
−ξ+Δθとなる。
【0078】これを余弦関数の中に入れたcos {ξcos
Θ+Δθ}は実線で示すように、Θ=0、2πで少し値
が下に寄る。極大値がπ/2、5π/2で右にずれる。
極大値が−π/2、3π/2で左にずれる。Θ=−π、
πで値が少し上にずれる。
【0079】つまりこの波形は、Θ=−π〜0、π〜2
πで左にずれる。Θ=0〜π、2π〜3πで右にずれ
る。つまりπの奇数倍から偶数倍の領域では左に、偶数
倍から奇数倍の領域では右にずれるのである。
【0080】これとともにW=Jの水平線との交点も右
あるいは左にずれる。周期性と対称性から、ずれについ
てはΘ=0〜πの領域について考察すれば良い。Θ=0
〜π/2の領域で解が先程のものCより右にずれる。Θ
=π/2〜πの領域で先程のπ−Cよりも右にずれる。
どれだけずれるのであろうか。(15)を解けば良い。
【0081】 cos {ξcos Θ+Δθ}=J (23)
【0082】である。この式からπの整数倍Mπに関し
て対称であるという性質があることが分かる。前述のΔ
θ=0の時の規則に変えて、次の規則がなりたつ。
【0083】 W(Θ)=W(Θ+2πN),W(Θ)=W(2πM−Θ) M,Nは整数
【0084】前者の規則は周期性から明らかである。後
者は、Mπに関する対称性を式にしたものであるがこれ
もW(Θ)に代入して確かめることができる。上式か
ら、
【0085】 ξcos Θ+Δθ=±cos-1 J (24)
【0086】 Θ=±cos -1{±ξ-1cos-1 J−Δθ}+2Nπ (Nは整数)(25)
【0087】これは一般式である。Θ=0〜π/2の範
囲で考えると、Θ=cos-1 {ξ-1cos-1 J−Δθ}の主
値である。これはΔθ→0の極限でcos-1 {ξ-1cos-1
J}に収束し、Δθが正なら値が増加する(右にずれ
る)ということから分かる。
【0088】これに反して、Θ=π/2〜πの領域で
は、Θ=π−cos-1 {ξ-1cos-1 J+Δθ}の主値であ
る。これは分かり難いかもしれないが、Δθ→0でΘ=
π−cos-1 {ξ-1cos-1 J}に収束し、Δθが正で値が
増加する(右にずれる)ことから分かる。多義的である
ので、それぞれの関数の主値をA、Bとして説明する。
いずれもCから出発している。Δθ→0でCに戻る値で
ある。
【0089】 A=cos-1 {ξ-1cos-1 J−Δθ} の主値 (26)
【0090】 B=cos-1 {ξ-1cos-1 J+Δθ} の主値 (27)
【0091】Δθ=0の時についてπ/2ずつの各領域
での交点の値は先に説明した。Δθが有限の値になると
これから少しずつずれてくる。次に各領域での交点つま
り解を列挙する。重要であるから繰り返しの1周期を越
えて図10に示した範囲の解の全てを挙げる。
【0092】 (1) −π<Θ<−π/2 Θ=−π+B (28)
【0093】 (2) −π/2<Θ<0 Θ=−A (29)
【0094】 (3) 0<Θ<π/2 Θ=+A (30)
【0095】 (4) π/2<Θ<π Θ=π−B (31)
【0096】 (5) π<Θ<3π/2 Θ=π+B (32)
【0097】 (6) 3π/2<Θ<2π Θ=2π−A (33)
【0098】 (7) 2π<Θ<5π/2 Θ=2π−A (34)
【0099】どの1周期(2π)を取って説明しても良
いのであるが、ここでは(2) 〜(6) を取る。初めの下半
分の波(−A〜+A)の持続時間をT3 、次の上半分の
波(+A〜π−B)の持続時間をT4 、3番目の波(π
−B〜π+B)の持続時間をT5 、4番目の波(π+B
〜2π−A)の持続時間をT6 とする。明らかに、
【0100】T3 =2A (35)
【0101】T4 =π−A−B (36)
【0102】T5 =2B (37)
【0103】T6 =π−A−B (38)
【0104】4つの半波の内、上半分のT4 、T6 は常
に持続時間が等しい。それだけではない。先述の規則W
(Θ)=W(2πM−Θ)から、これらはΘ=πに関し
て対称な波形になるから波形としても全く等しく対称に
なっている。
【0105】これに反して、下半分のT3 、T5 は異な
る。持続時間も波形も異なる。本発明はこの非対称性を
巧みに利用しているのである。Δθ=0の時、A、Bと
もにCに等しいので、この時のみふたつの下半波T3
5 が等しくなるが、Δθ≠0の場合は必ずT3 ≠T5
である。
【0106】しかも、Δθ>0つまり正であると、Aの
方がBより大きい。A>Bである。Δθが正で大きくな
るにつれて、T5 が小さくなりT3 が大きくなる。
【0107】反対にΔθ<0つまり負であると、Aのほ
うがBより小さい。A<Bである。Δθが負で絶対値が
大きくなるにつれて、T5 が大きくなりT3 が小さくな
る。
【0108】この間上の半波T4 、T6 は殆ど変わらな
い。Δθの2次の変化しかしないからである。本発明で
は2種類の正負の波の持続時間T1 、T2 を測定してこ
れの差がΔθにより変化することからΔθを求めようと
するものである。T1 、T2は一続きの下半波と上半波
の和であるから、T1 はT3 とT4 の和である。T2
5 とT6 の和である。こうして第1持続時間T1 、第
2持続時間T2 を解析的に求めることができる。
【0109】 T1 =T3 +T4 =π+A−B (39)
【0110】 T2 =T5 +T6 =π−A+B (40)
【0111】T1 とT2 の差をΔTとしている(ΔT=
1 −T2 )が、これは
【0112】 ΔT=2(A−B) (41)
【0113】である。これまで1周期を2πとしてき
た。変数がΘであるからである。Θ=Ωtとして実際の
1周期に対応させるためには、1周期であるT1 +T2
=2πでこれを割れば良い。(T1 +T2 )で割って、
ΔTを規格化すると、
【0114】 ΔT/(T1 +T2 )=2(A−B)/2π=(A−B)/π (42)
【0115】となる。AとBを代入してさらにΔθとの
関係を明らかにしよう。
【0116】 ΔT/(T1 +T2 )=(cos-1 {ξ-1cos-1 J−Δθ}−cos-1 {ξ-1cos-1 J+Δθ}/π (43)
【0117】これまでの計算は全て厳密で近似を含まな
い。Δθが大きい場合はこの式を用いて厳密計算するこ
とができる。しかし概略のふるまいを調べようとするな
らば、これをΔθで線形化すると便利である。cos-1
数は、
【0118】 cos-1 (x+h)=cos-1 x−h(1−x2-1/2−h2 x(1−x2-3/2/ 2+h3 (1+2x2 )(1−x2-5/2/6…… (44)
【0119】というふうに、微小な数hに関してテイラ
−展開できるので、(26)より、
【0120】 A=cos-1 {ξ-1cos-1 J−Δθ}=C+Δθ(1−x2-1/2−(Δθ)2 x (1−x2-3/2/2+…… (45)
【0121】ただし C=cos-1 {ξ-1cos-1 J}、x
=ξ-1cos-1 Jと置いている。Δθが1よりもずっと小
さければ、この式はΔθの1次の項までを取って線形化
することができる。x=cos Cであるので、同じ式をつ
ぎのように書くこともできる。
【0122】 A=C+Δθcosec C+(Δθ)2cotCcosec2C/2…… (46)
【0123】BはAに含まれるΔθの符号を変えたもの
であるから、
【0124】 B=C−Δθcosec C+(Δθ)2cotCcosec2C/2…… (47)
【0125】A−Bの演算を行うとΔθの偶数次が全て
消えてしまう。これらを代入して、
【0126】 ΔT/(T1 +T2 )=2π-1〔Δθcosec C+(Δθ)3 (cosec5C+2cot2 Ccosec3C)/6+……〕 (48)
【0127】となる。これはΔθの1次に関しては正し
いが、3次に関しては正しくない。Jの表現の中にcos
Δθが含まれるからである。しかしΔθが1より充分に
小さい時はΔθの1次のみを取れば良い。
【0128】この測定系の感度Sは、ΔT/(T1 +T
2 )とΔθの比例定数として定義される。角度に換算す
るために感度Sに2πをかけた値を考える。
【0129】 2πS=2πΔT/{(T1 +T2 )Δθ}=4cosec C (49)
【0130】こうなるのであるが、ξの関数として感度
の変化を考える必要がある。ξは適当に与えることので
きる定数である。しかしξとしてどのような値がよいの
かということ、それにξの変動に対する安定性を考えな
ければならないからである。4がかかっているから、さ
らに4で割った値で考える。
【0131】すると端的にcosec Cに帰着する。つまり
cosec 〔cos-1 {ξ-1cos-10(ξ)cosΔθ}〕のξに
関する変化を調べれば良いのである。ξが充分に大きい
とcosec C→1である。ξが正でcosec Cは単調に減少
するが、ξ=0で1.41、ξ=1で1.39、ξ=2
で1.35、ξ=3で1.26、ξ=4で1.15、ξ
=5で1.06、ξ=6で1.02、ξ=7で1.01
である。これら理論値の変化を図29に示す。
【0132】この結果からξが小さいほど感度が良いと
いうことが分かる。これはこの方法が本質的にベッセル
関数の0次の項を利用している点に由来する。通常の位
相変調の場合は基本波を同期検波するのでJ1(ξ) の極
大で感度が最大になる。このようなものとは全く逆の傾
向があるということが分かろう。ただしξが小さいと図
10において出力の信号の振幅が減少するので、ゼロク
ロスのタイミングの正確な計測が難しくなるという欠点
があろう。
【0133】位相変調度に対する感度の安定性について
述べる。ξが0から無限大までで、感度の変化が1.4
1倍(21/2 倍)であるから感度が誠に安定していると
いうことができる。また位相変調度は圧電素子に加える
電圧の振幅や圧電素子の特性によるので、温度など外部
要因で大幅には変動しないものである。しかし位相変調
度の変化による感度変化が気になるのであれば、次のよ
うにして感度の変化をモニタすることができる。
【0134】図10の出力波形において、上半分の波形
の持続時間T4 、T6 と下半分の持続時間T3 、T5
差を使う。先程はT1 =T3 +T4 、T2 =T5 +T6
としてΔθを求めたが、今度はそうでなく、Q1 =T4
+T6 、Q2 =T3 +T5 としてξの変動を求める。こ
うするには電圧が零点を上から下へ横切る時と、下から
上へ横切る時の両方の場合に計時を開始しなければなら
ない。
【0135】 Q1 =2π−2A−2B (50)
【0136】 Q2 =2A+2B (51)
【0137】これらの差を求めると、
【0138】 Q2 −Q1 =4A+4B−2π (52)
【0139】である。これはΔθに関しては偶関数であ
りΔθが0である時もそうでない時もあまり違わない。
A+B=2Cという置き換えをすることができる。位相
変調度の修正をするのであるが、Δθ=0であることを
要しないのである。
【0140】 Q2 −Q1 =8〔cos-1 {ξ-1cos-1 J}−π/4〕 (53)
【0141】となる。ξ=0でこれは0である。ξが増
加すると差Q2 −Q1 も増えて行き、ξが無限大でこれ
が2πになる。そこで(Q1 +Q2 )でわって、(Q1
−Q2/(Q1 +Q2 )とするとこれは、ξが0から無
限大まで増加するうちに、0から1まで単調に増加する
関数になる。それでこの差を監視して、ξの設定値から
のずれを求めることができる。
【0142】前記の差Q2 −Q1 を8で割ったものは、
ξ=0で0、ξ=1で、0.0109、ξ=2で0.0
44、ξ=3で0.127、ξ=4で0.266、ξ=
5で0.433、ξ=6で0.545である。ξが小さ
い場合、
【0143】 cos-1 {ξ-1cos-1 J}−π/4=ξ2 /96 (54)
【0144】という近似式が成り立つ。これを代入し
て、
【0145】 2π(Q2 −Q1 )/(Q2 +Q1 )=ξ2 /12 (55)
【0146】によって、位相変調度ξを監視することが
できる。
【0147】
【実施例】ファイバコイルの長さLを50m、半径aを
50mm、光源の波長λを0.84×10-6m、回転角
速度をΩc とすると、Δθは
【0148】 Δθ=4πLAΩc /cλ (56) =0.125Ωc (57)
【0149】である。例えば、Ωc =0.05°/sec
〜100°/sec (8.73×10-4rad /sec 〜
1.7rad /sec の回転角速度を検出できるためには、
【0150】 Δθ=1.09×10-4〜0.213rad (58)
【0151】の位相差Δθが検出できれば良い。これ
は、(42)式より充分に線形近似が成り立つ範囲であ
る。
【0152】次に、最小分解能0.05°/sec を検出
するのに必要な時間分解能を計算して見よう。位相変調
周波数を例えば64kHzとする。T1 +T2 =1/6
4×103 =1.5×10-5sec である。Δθ=10-4
であるから、位相変調度ξを3と仮定すると、ΔT/
(T1 +T2 )=2π-1Δθcosec Cに2πを掛けて、
【0153】 2πΔT/(T1 +T2 )=4Δθcosec C=5Δθ (59)
【0154】となる。ΔT=5×10-4×1.5×10
-5/2π=1.2×10-9sec である。つまり1.2n
sの時間差である。
【0155】かなり小さい値であるが、現在の計測技術
からすれば充分に測定可能な時間である。また、実際に
は1秒間に64×103 回の計測を繰り返すのであるか
ら、何回も測定して求めた時間差を平均操作すれば良
い。デ−タサンプリング周期を0.1sec とすると、6
4×102 回の間で、総時間差として分解できれば良
い。従って必要な時間分解能は
【0156】 1.2×10-9×64×102 =7.68×10-6sec
【0157】である。これは容易に検出できる時間の大
きさである。
【0158】本発明の光ファイバジャイロは図11のよ
うな通常の位相変調方式のものにおいて適用できるのは
勿論である。この場合、発光素子から出た光がカップ
ラ、偏光子、カップラを経てファイバコイルを右廻り光
左廻り光として伝搬する。これがカップラ、偏光子、カ
ップラを通り、受光素子に入る。受光素子の出力を検出
して本発明の手法を適用することができる。
【0159】[光学系]実験には図12のような光学系
を用いた。これは図11のものとは違い、発光素子とは
別の受光素子を持たない。発光素子から出た光がファイ
バコイルを右廻り光左廻り光として伝搬し発光素子に戻
り光として戻る。これにより発光素子の発光状態が変化
するので、これを発光素子の駆動電流、電圧の変化或い
はモニタ用受光素子の光電流の変化として取り出すので
ある。これは本発明者が初めて創案したものである。
【0160】偏光子としてはファイバ型偏光子を使う。
ファイバコイルはシングルモ−ドファイバで半径75m
m、全長が100mである。PZTを用いた位相変調器
をファイバコイルの近傍に設けた。デポラライザは0.
15mと3mの長さの偏波面保存光ファイバを45度主
軸が異なるように繋ぎ合わせて作ったものである。
【0161】ここでは光源の発光素子とモニタ用受光素
子で自動光量制御(APC)回路を形成しているもので
ある。信号としてはモニタ用受光素子の出力を交流結合
して取り出した。交流分を取り出しているので、(1
9)式のような出力が得られているのである。この場
合、後段のデジタル処理回路とのマッチングを好適にす
るために2.5Vの直流バイアスを加えておく。デジタ
ル回路の電源電圧が5Vであるからである。
【0162】図13は出力をデジタル処理するための電
気回路図である。IR3C02はモニタ用受光素子の出
力を用いて、光源であるス−パ−ルミネッセントを自動
的に光量を一定に保つように駆動する。モニタ用受光素
子の出力から、100pFのコンデンサを使って交流成
分のみを取り出す。51kΩの抵抗二つを繋ぎ接続点か
らこの信号に直流バイアス(2.5V)を与えている。
これは微弱な振幅の正弦波に近いものである。μPC8
13でこの信号を飽和点近くになるように増幅する。
【0163】これで信号は矩形波になる。高レベルがほ
ぼ5V、低レベルはほぼ0Vである。増幅後の信号をカ
ウンタTC40HC163で1/2の周波数に分周す
る。分周後の信号のデューテイ比をユニバ−サルカウン
タHP5335Aで計測する。
【0164】図14は信号波形の処理を示す図である。
ξ=1としているが、ξの値はどうでも良い。(a)は
交流結合によって得られるアナログ波形である。増幅前
の信号である。
【0165】実線で示すのはΔθ=0の場合の波形であ
る。上下に対称である。第1期間は初めの下半波、上半
波として定義される。持続時間がT1 である。第2期間
は2番目の下半波、上半波として定義される。持続時間
がT2 である。T1 とT2 の和が、位相変調の1周期に
等しい。出力がcos (ξcos Ωt)という形であるから
である。Δθが0の時はT1 =T2 である。
【0166】破線で示すのがΔθ≠0の場合である。Δ
θが正であると、第1期間の下半波がより下がり、第2
期間の下半波が小さくなる。上半波は変わらない。破線
の波形を大きく増幅すると(b)のようになる。矩形波
になっている。下半波がLレベルに、上半波がHレベル
になる。これをカウンタで1/2分周すると、(c)の
ようになる。
【0167】TL として得られるものがT1 である。T
H として得られるものがT2 である。これらの差T1
2 がΔθに比例するので、差からΔθを求めることが
できる。つまり交流成分のデューテイ50%からのずれ
として求められるのである。
【0168】図15は回転角速度ΩC を変えたときの、
交流成分のデューテイ50%からのずれの測定値をリニ
ア表示したものである。光源の光量は1.5mW、位相
変調度ξは2.3としている。Δθ=0.01rad がΩ
c =1.5deg /sec に当たる。ここでは回転角速度Ω
c が0〜30deg /sec までを示す。回転角速度に対す
る線形性が良いということが分かる。図16は同じデ−
タを対数で表示したものである。線形性の良さが何れに
しても良く分かる。
【0169】図17は回転角速度Ωc =6deg /sec と
して(Δθ=0.04rad )、位相変調電圧を変えた時
の、交流成分のデューテイ50%からのずれの測定値を
示す図である。同じΔθであるのに位相変調の大きさに
より、スケ−ルファクタ(交流成分のデューテイ50%
からのずれ(SFと略す))が変動するということが分
かる。
【0170】図18は図17において横軸を位相変調度
2bsin (Ωτ/2)=ξで置き換えたものである。b
は位相変調の大きさ、Ωは位相変調の角周波数、τは光
がファイバコイルを通過するのに要する時間である。
【0171】変調電圧から変調度への変換は、2倍波が
0になる時の変調電圧を測定し、この時の変調度を5.
2とし、電圧と位相変調度の間に正比例関係が成り立つ
ものとしている。
【0172】本発明のゼロクロス検出方式においては、
スケ−ルファクタが、信号光レベルの影響を受けないと
いうのが特徴である。図19は光源発光量をパラメ−タ
として、交流成分のデューテイ50%からのずれを測定
したものである。これはスケ−ルファクタが信号光の強
度に全くよらないということを示す。
【0173】2.12mWの発光量で少し大きめの出力
になっている。これは次に述べるように、信号光レベル
が大きくなるとノイズが増大し、測定誤差が大きくなる
ためであろう。
【0174】静止時のノイズを測定した例を図20〜図
24に示す。図20、21は発光量が4mW、図22は
2mW、図23、24は1.5mWである。
【0175】図20、22、23は100回のデ−タを
7.2sec 事に平均している。図21、24は1000
回のデ−タを72sec 毎に平均した結果を表している。
各デ−タに基づき、測定時間中(静止Ωc =0)のノイ
ズのピ−クからピ−クまでの値を回転角速度に換算して
表すと表1のようになる。
【0176】
【表1】
【0177】4mW、1.5mWで測定したN=100
回とN=1000回の比較から、ノイズの大きさは、N
-1/2に比例する傾向があることが分かる。
【0178】また発光量が大きいと、ノイズが大きくな
る傾向がある。これは次のように解釈できる。光学系の
出力する光信号の中にはノイズが含まれる。誇張して表
すと、図26のようなアナログ信号となる。レベルが低
いときはノイズも小さい。しかし信号レベルの増加に比
例して、ノイズも大きくなる。信号の大きい場合は、右
下に示すようにジッタのためにゼロクロスのタイミング
が不明瞭になる。S/N比としては変わらないので、従
来の同期検波方式では何ら問題にならない。
【0179】しかし本発明のようにこれを増幅してデジ
タル信号に変換する場合には、閾値を通過するタイミン
グの揺らぎが大きくなる。ためにデジタル化後の位相揺
らぎ、つまりジッタが発生する。
【0180】ゲインを余りに大きくするとノイズの発生
が大きくなり不利であるということである。そこで信号
光のレベルがほぼ一定値になるように光源発光量を制御
するなどのフィ−ドバック制御が有効である。
【0181】次に二つの波の持続時間T1 、T2 をクロ
ックパルスを用いて計測する実施例を説明する。図30
はこのような光ファイバジャイロの概略構成図である。
これは位相変調のクロックと、カウント用のクロックを
共通にする例である。基本クロック20が、分周されて
位相変調用のクロック21となる。これが位相変調器7
に与えられる。位相変調器7はこれによってsinΩt
の振動をする。光源1の光が、第1カップラ3、ファイ
バ光路、第2カップラ5を通りファイバコイル6の両端
に入射する。これが途中で位相変調を受ける。この光は
右廻り光、左廻り光としてファイバコイルを回る。又、
光学系としては、図30の構成のものは勿論、図12に
示されたような発光素子とは別の受光素子を持たない光
学系も当然利用できる。
【0182】ファイバコイルが回転している場合は、回
転角速度に比例した位相差が発生する。位相の差を持っ
て左廻り光右廻り光が受光素子8に至る。ここで右廻り
光と左廻り光が干渉する。受光素子の出力はプリアンプ
9で増幅される。コンデンサ10により直流成分が除か
れる。交流分だけになる。ゼロ(零)クロス検出器11
により、0レベルを下から上にクロスする(或いは上か
ら下へクロス)する時刻を検出する。この時刻は計数装
置23に入力される。
【0183】基本クロック20は、分周されてカウント
用クロック22になる、これが計数装置23に入力され
る。ゼロ(零)クロス検出器11からのゼロ(零)クロ
ス信号が入ったときから、計数装置はカウント用クロッ
クの計数を開始する。
【0184】図30の下には、静止時と回転時におけ
る、受光素子の波形と、ゼロクロス検出器の入力波形、
出力波形を示している。ゼロクロス検出器は0レベルを
下から上に通るときに出力が立ち上がり、次に0レベル
を下から上へ通るときに出力が立ち下がるようになって
いる。したがって、T1 の始まりで出力が立ち上がり、
2 の始まりで出力が立ち下がる。次に下から上にゼロ
クロスするときは次の周期のT1 の時間である。つまり
各周期(2π/Ω)において、T1 の時間ではHレベル
(高電圧)を、T2 の時間にはLレベル(低電圧)をと
るような出力波形が得られる。
【0185】ファイバコイルが静止している時は、下半
波に歪みがなく、上半波と同じ長さであるから、T1
2 の長さが等しい。回転時は、下半波が歪み、T1
の下半波とT2 での下半波が異なってくる。ゼロクロス
検出器11の入力が歪むので、下から上へ0レベルを横
切るタイミングがずれてくる。すると、T1 とT2 の長
さが異なってくるのである。計数装置23はT1 に含ま
れるカウント用のクロックパルスの数を数える。T1
2 =2π/Ω(位相変調の1周期)であって、周期は
精密に分かっているから、T1 を計ることによりT2
分かる。あるいは反対にT2 を測定してもよい。さらに
カウンタを二つ使って、T1 とT2 を測定し、T1 と、
2π/Ω−T2 の平均をとるようにすることもできる。
こうして、計数装置はT1 、T2 を出力する。これらの
差(T1 −T2 )によってファイバコイル6の回転角速
度を知ることができる。
【0186】カウントパルスを用いる方法は、最も精度
が高い。とくにT1 に含まれるクロックパルスの周波数
を大きくするほど精度が向上する。しかしカウントパル
スの数が少ない場合には誤差を生ずる可能性がある。図
30の場合は、位相変調のクロックと、カウントのクロ
ックが共通であるから、T1 パルスの立ち上がりから、
最初のカウント用のクロックパルスまでの遅延時間が一
定である。遅延時間が一定であると繰り返し計数すると
誤差が堆積する可能性がある。
【0187】図35に示すように、位相変調器の信号か
らersだけ遅れて、ゼロクロス検出器がT1 パルスを発
生する。T1 パルスが始まった後、カウント用クロック
信号を数える。これのT1 パルスに対する遅延時間をe
1 とする。最後のパルスからT1 の立ち下がりまでの時
間をe2 とする。もしも図30のように、位相変調と同
じ基本クロックを分周して、カウント用のパルスとする
と、初めのカウント用パルスまでの遅延時間ercが常に
一定である。するとT1 の立ち上がりからの遅れe1
一定になる。これが一定であると誤差が累積される。カ
ウントパルス数が少ない場合は、誤差の影響が大きくな
る。
【0188】図31は、位相変調のクロックと、カウン
ト用のクロックが別異であるようにした回路である。位
相変調用基本クロック25が分周されて位相変調用クロ
ック21になる。カウント用基本クロック26は別の発
振器で作られる。これが分周されてカウント用クロック
22になる。これが計数装置23に入る。二つの基本ク
ロックには時間的な相関がない。ために、T1 パルスの
立ち上がりと、最初のカウントパルスまでの遅延時間が
不定である。T1 パルスの立ち上がりから、最初のカウ
ントパルスの立ち上がりまでの遅延時間e1 が位相変調
の周期毎に変動する。ために誤差が打ち消しあう。この
方法では、カウント数を積算して平均化することにより
精度を上げることができる。
【0189】この場合いくつかのT1 パルスの長さを続
けて計り、平均化処理あるいは積算処理すると、時間測
定の精度が向上する。遅延時間がさまざまに変化するの
で、平均、積算により遅延時間のばらつきに起因する誤
差が減少する。
【0190】以上に説明したものは1種類のカウントパ
ルスを使って、T1 の長さを計るものである。複数のカ
ウントパルスを使うと精度を上げることができる。図3
2は、そのような例を示す。カウント用クロック22を
得た後、位相シフト27し、位相がずれたクロックBを
作る。これと初めのクロックAとの両方を使って、T1
を計測する。この結果の平均または和を取ってT1 を定
める。位相の異なる二種類のパルスを使うので時間測定
の精度が向上する。
【0191】図37に動作の例を示す。上のパルスT1
は、カウント用クロックAの6つのパルスを含む。これ
と位相の異なるカウント用クロックBの5つのパルスを
含む。そこでT1 は平均して、5.5パルス分であると
測定できる。下のT1 ’パルスはこれより少し短い。カ
ウント用クロックAは5つ含まれる。カウント用クロッ
クBも5つ含まれる。平均して、下のT1 ’は5パルス
分ということになる。上と下のパルスは0.5パルス分
しか違わない。このような差はひとつのパルスだけを使
っているのでは分からないことである。位相が異なる同
一周期のパルスを使うのでこのような微小な長さの差異
をも検出することができる。このような複数パルス法に
おいても、繰り返しT1 を計測し、これらの平均、和を
とりT1を求めることもできる。
【0192】カウントパルスを使ってデジタル的に時間
計測するのではなくアナログ的に時間を計測することも
できる。例えば鋸歯状電圧を使うこともできる。図33
は、そのような例を示す。ゼロクロス検出器11の出力
に同期して、鋸歯状電圧発生装置30、32が、鋸歯状
の波形を発生させる。これはV=ktというふうに時間
に正比例する電圧を発生するものである。T1 期間のみ
に鋸歯状電圧を発生させ、T1 の終わりにピ−クホ−ル
ド装置31がこれをホ−ルドする。最後の電圧から時間
1 が分かる。或いは反対にT2 時間のみに鋸歯を発生
させる。又、Q1 、Q2 についても同様にQ1 期間のみ
に鋸歯状電圧を発生させ、Q1の終わりにピ−クホ−ル
ド装置33がこれをホ−ルドして、Q1 −Q2 の値を求
める。
【0193】T1 とT2 のいずれか一方が分かれば他方
もわかる。あるいは両方において鋸歯状波を別異の回路
で発生させて、それらの差(T1 −T2 )を求めても良
い。図33は、T1 とT2 の両方で鋸歯状波形を作りだ
すものである。ホ−ルドされた電圧の差から回転角速度
が求まる。鋸歯状電圧発生装置30、32は、抵抗、コ
ンデンサ、アンプを使って簡単に構成できる。図38は
各部での波形を示している。
【0194】ここでは二組の装置を設けているが、ひと
つだけであっても良い。T1 +T2=2π/Ωという条
件があるからである。この手法についてはアナログ計測
であるので、クロックの遅延時間のばらつきのような問
題がない。しかし電圧の分解能が低い場合は、やはり複
数回T1 を計測し、積算あるいは平均化して計時の精度
を高める必要がある。
【0195】アナログ的に時間を測定する他の方法は図
34に示す。これはT1 でHに、T2 でLになるゼロク
ロス検出器11の出力を積分するものである。図39に
積分を示す。(a)は静止時の波形である。(b)は回
転時の波形である。積分回路の時定数により積分の結果
が異なる。(a)、(b)共に、時定数が短い時は上の
ような折れ線の波形になる。(b)の場合は折れ線が上
がってゆくことになる。時定数が長くなると、下の欄に
示すように、平均値に収束する。図34は平均値に収束
した後の結果を示している。
【0196】静止時はT1 とT2 の長さが等しいの
で、積分の結果はHとLレベルの丁度中間になる。 反時計周りに回っている場合は、T1 がT2 より長く
なるので、積分値が、中間よりも上に来る。 時計廻りの場合は、T1 がT2 より短くなるので、積
分値が中間よりも下に来る。
【0197】結局積分値がLからHの間の値を取るが、
その値からファイバコイルの回転角速度が求められる。
中間値で回転角速度が0であり、中間値からのずれが回
転角速度の絶対値を与える。中間値より大あるいは小と
いうことで回転角速度の正と負が区別できる。この場合
もアナログ計測であり、遅延時間のばらつきの問題がな
い。しかし、HとLの間のアナログ電圧で回転角速度の
全範囲を表すので精度が悪いという可能性がある。これ
も複数回の計測をして平均、積算して精度を向上させる
ことができる。
【0198】T1 やT2 を計測する手段の種類を説明し
た。次にゼロクロス検出器の例を説明する。図40は一
例を示す。これは、コンパレ−タ36とDフリップフロ
ップ37を組み合わせている。コンパレ−タ36は例え
ばAD9696を使うことができる。Dフリップフロッ
プとしてはTC74HC74を用いることができる。
【0199】これらの素子は何種類もの市販品がある。
入力信号は正弦波に近い波である。コンパレ−タは入力
信号の正半分をHレベルに、負半分をLレベルに変換さ
せる。DフリップフロップはQの反転出力とD入力が接
続されている。これは単純なフリップフロップで、2パ
ルスを1パルスにするだけのものである。1/2分周す
るだけのことである。
【0200】コンパレ−タの出力Bは下のように、上半
波のパルスT4 、T6 である。下半波がT5 、T3 であ
る。上半波は同じ長さで、下半波が異なる長さを持つ。
Dフリップフロップの出力は上に示すようにT1 、T2
を示す波形になる。T1 がH、T2 がLレベルになる。
出力AではT1 がH、T2 がLである。以下の説明でも
この波形を用いる。しかしこれを反対にするもの可能で
ある。ここではT1 =T4 +T5 、T2 =T6 +T3
ある。
【0201】この定義は式(39)、(40)とすこし
違う。しかしこれはゼロクロス検出をどこでするかの違
いによるだけである。下向きにゼロクロスのを採用する
場合はT3 とT4 が一続きのパルスになり、T5 とT6
がもう一つの続きパルスになる。連続する半波をひとつ
にすれば良いのである。Q1 は上半波の合計である。Q
2 は下半波の合計である。この定義は一義的である。Q
1 、Q2 は先に説明したように位相変調度の補正に使う
ことができる。
【0202】図41は、カウンタの例を示す回路図であ
る。カウント用クロック22がカウント用のパルスを発
生する。これは図30のように共通のクロックを分周し
たものであっても良いし、図31にように独立のクロッ
クを分周したものでも良い。4つの信号A、−A、B、
−Bを扱う。反転信号−A、−Bを作るためにインバ−
タ38、39を用いる。
【0203】Dフリップフロップ45、46、47、4
8のD入力にそれぞれの信号を接続する。クロック入力
にはカウントパルスを入力する。ここで、カウント用ク
ロックとカウントパルスという時間的に非相関な信号を
カウンタICに入力した場合、カウンタICの動作が不
安定になることがある。この為、カウントパルスをDフ
リップフロップ45〜48によりカウント用クロックに
同期させて、カウント用ICのイネ−ブル端子に入力さ
せるものとする。従って、図30のように、共通のクロ
ックを使用している場合は、カウント用クロックとクロ
ックパルスとが時間的に相関であるため、Dフリップフ
ロップ45〜48は不要になる。
【0204】イネ−ブルEnがHであるときカウンタは
クロックパルスを計数する。従ってカウンタ41は、T
1 時間に含まれるカウント用パルスの数を数える。イン
バ−タ38で反転するので、Dフリップフロップ46は
2 の時間中、Q出力がHレベルになる。カウンタ42
は、T2 に含まれるカウント用パルスの数を数える。
【0205】Bはゼロクロス検出器のコンパレ−タから
の出力である。これをDフリップフロップ47、48、
カウンタ43、44により計数する。Dフリップフロッ
プ47は正の半波で出力Qが正になる。カウンタ43は
正の半波T4 、T6 に含まれるカウントパルスの数を数
える。これがQ1 である。
【0206】Dフリップフロップ48は負の下半波でQ
がHレベルになる。カウンタ44は、下半波T5 、T3
に含まれるカウントパルスの数を数える。これがQ2
ある。
【0207】図42はカウント用のパルスを位相をずら
せて二つのパルスにし、より精密な計測をするものであ
る。インバ−タ50でカウントパルスを位相反転する。
これにより180度位相の異なる二つのカウントパルス
を使うことになる。T1 は、カウンタ41が、クロック
Aを数えることにより、カウンタ51がクロックBを数
えることにより得られる。これをの平均を取る。T2
1 、Q2 などについても同様である。これは図37に
対応するものである。
【0208】図43は図33に示す鋸歯状信号を使う場
合の回路図である。ゼロクロス検出器11に出力信号
が、ミラ−積分回路を通し、ピ−クホ−ルド回路に入
り、鋸歯状信号のT1 またはT2 の最後における電圧が
保持される。等価の4つの回路を用いるから、その内の
ひとつについて説明する。鋸歯状波発生回路は抵抗6
1、63、アンプ62、コンデンサ64よりなる。電流
が抵抗61からコンデンサ64に流れることによりアン
プの出力の電圧が上がる。抵抗61とコンデンサ64の
積によってきまる時定数の積分を行なうことになる。だ
から時間とともに一定割合で増加する鋸歯が得られる。
【0209】ピ−クホ−ルド回路は二つのアンプ65、
70、ダイオ−ド66、コンデンサ67、抵抗68、リ
セットスイッチ69などより成る。アンプの反転入力が
共にアンプ70の出力に接続されている。ダイオ−ド6
6とコンデンサ67により入力電圧を保持することがで
きる。これがアンプ70の出力に現われる。以後この電
圧が保持される。この電圧を消去するためには、リセッ
トスイッチ69を閉じて、コンデンサ電圧を放電すれば
よい。
【0210】図44はゼロクロス検出器の出力を積分す
るだけのものである。図34の積分回路35に対応す
る。Aの出力に対して、抵抗102、コンデンサ104
が積分回路になっている。出力はT1 −T2 になる。B
の出力に対して抵抗104、コンデンサ105が積分回
路になっている。この出力はQ1 −Q2 になる。
【0211】
【発明の効果】従来は複雑な構成で安定化を行っていた
位相変調方式の光ファイバジャイロにおいて、本発明に
より簡単な方法でスケ−ルファクタを安定化させること
ができる。しかも光量を測定するのではなく、受光素子
の出力が平均値を横切るタイミングを測定するので、発
光素子の光量変動やゲインの変動の影響を全く受けな
い。安定した高精度の回転角速度測定を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバジャイロの原理的構成図。
【図2】ファイバコイルの静止時とファイバコイル回転
時における位相変調光ファイバジャイロの出力の交流成
分の波形の違いを示す波形図。
【図3】位相変調度ξが1である場合の、右廻り光左廻
り光の位相差Δθが0の時と、Δθ=0.2rad である
時の交流成分波形図。
【図4】位相変調度ξが1である場合の、右廻り光左廻
り光の位相差Δθが、−0.2、−0.1、0、0.
1、0.2rad であるときの出力の交流成分波形図。
【図5】ξを1、2、3、4として、第1期間の持続時
間T1 と第2期間の持続時間T2の差ΔTと、位相差Δ
θの関係を示すグラフ。
【図6】本発明の光ファイバジャイロに於いて、位相変
調度(ξ=1〜4)とスケ−ルファクタの関係を示す図
(実験値)。
【図7】本発明の光ファイバジャイロに於いて、位相変
調度(ξ=2.5〜3.5)とスケ−ルファクタの関係
を示す図(実験値)。
【図8】交流成分波形の各半波の時間長さを測定するよ
うにして、ξの変動をモニタすることを説明するための
時間の長さの定義を示す波形図。
【図9】Δθ=0の時の、上半波の長さと下半波の長さ
の差と、ξの変化の一例を示すグラフ。
【図10】横軸をΘとし、ξcos Θ(破線)、ξcos Θ
+Δθ(実線)の曲線と、これらを余弦の中の変数とす
るW=cos (ξcos Θ)(破線)、W=cos (ξcos Θ
+Δθ)(実線)の曲線、これらと水平線W=Jの交点
を示すグラフ。
【図11】位相変調方式の光ファイバジャイロの基本構
成図。
【図12】本発明の作用を確かめるための実験装置の概
略構成図。
【図13】ゼロクロス検出実験用回路図。
【図14】Δθが0の場合と0.2ラジアンの場合の波
形変化を示す実験用回路での出力検出原理図。
【図15】本発明の光ファイバジャイロにおいて回転角
速度と、出力の交流成分のデューテイ50%からのずれ
との関係を示すグラフ。
【図16】本発明の光ファイバジャイロにおいて回転角
速度と、出力の交流成分のデューテイ50%からのずれ
との関係を対数表示で示すグラフ。
【図17】本発明の光ファイバジャイロにおいて、位相
変調電圧と、出力の交流成分のデューテイ50%からの
ずれとの関係を示すグラフ。
【図18】本発明の光ファイバジャイロにおいて、位相
変調度と、出力の交流成分のデューテイ50%からのず
れとの関係を示すグラフ。
【図19】本発明の光ファイバジャイロにおいて、光源
発光量と、出力の交流成分のデューテイ50%からのず
れとの関係を示すグラフ。
【図20】本発明の光ファイバジャイロにおいて、光源
のパワ−を4mWとし、平均すべき信号のサンプル数N
を100とした時の静止時ノイズの例を示す波形図。
【図21】本発明の光ファイバジャイロにおいて、光源
のパワ−を4mWとし、平均すべき信号のサンプル数N
を1000とした時の静止時ノイズの例を示す波形図。
【図22】本発明の光ファイバジャイロにおいて、光源
のパワ−を2mWとし、平均すべき信号のサンプル数N
を100とした時の静止時ノイズの例を示す波形図。
【図23】本発明の光ファイバジャイロにおいて、光源
のパワ−を1.5mWとし、平均すべき信号のサンプル
数Nを100とした時の静止時ノイズの例を示す波形
図。
【図24】本発明の光ファイバジャイロにおいて光源の
パワ−を1.5mWとし、平均すべき信号のサンプル数
Nを1000とした時の静止時ノイズの例を示す波形
図。
【図25】ξを変えたときの、左廻り光右廻り光の位相
差Δθと、交流成分のデューテイ50%からのずれの関
係を示すグラフ。
【図26】信号レベルが低い時と、高い時において、デ
ジタル化した後の位相誤差の発生が異なることを示すた
めのグラフ。
【図27】本発明の光ファイバジャイロにおいて零クロ
ス時間の測定のための電気回路図。
【図28】図27の回路における各部での電圧波形図。
【図29】本発明の光ファイバジャイロに於いて、位相
変調度(ξ=0〜7)とスケ−ルファクタの関係を示す
グラフ(理論値)。
【図30】出力信号の波の持続時間T1 、T2 のパルス
幅を計測する計数装置に位相変調器と同一の基本クロッ
ク回路で発生するパルスを用いた、本発明の実施例に係
る光ファイバジャイロの概略構成図。
【図31】位相変調器に用いるクロックパルスと、出力
信号の波の持続時間T1 、T2 のパルス幅を計測する計
数装置に用いるクロックパルスが異なるクロック発生回
路によって発生させるようにした、本発明の実施例に係
る光ファイバジャイロの概略構成図。
【図32】計数装置に用いるクロックパルスを、位相の
異なる二つのクロックにした実施例を示す光ファイバジ
ャイロの概略構成図。
【図33】出力信号の波の持続時間T1 、T2 のパルス
幅を計測するために、T1 またはT2 あるいは両方の期
間において増大する鋸歯状の電圧を発生させその期間の
終わりの電圧によって、T1 とT2 の差を求めるように
にした実施例に係る光ファイバジャイロの概略構成図。
【図34】出力信号の波の持続時間T1 、T2 のパルス
幅を計測するために、いずれか一方で高電圧に、他方で
低電圧になるような信号を発生させ、これを積分し、積
分値によって、T1 とT2 の差を求めるようにした実施
例に係る光ファイバジャイロの概略構成図。
【図35】ゼロクロス検出器の出力であるT1 パルス
と、その長さを測定するためのクロックパルスの初めと
終わりにおける間隔e1 、e2 を定義するための波形
図。
【図36】ゼロクロス検出器の出力であるT1 パルス
と、その長さを測定するためのクロックパルスの初めと
終わりに置ける間隔が、各周期によりまちまちであるこ
とを説明する波形図。
【図37】位相がずれた二つのクロックパルスを用い
て、波の長さT1 を測定すると、より高精度で時間計測
できることを説明する波形図。
【図38】鋸歯状波発生装置を用いて、持続時間T1
長さを計測する例を示す波形図。
【図39】ゼロクロス検出の出力を積分した場合の波形
を示す。時定数が小さい場合は上下動しながら上または
下へ推移し、時定数が大きい場合は、HレベルとLレベ
ルの適当な電圧値に収束しこれがT1 とT2 の差を与え
ることを説明する波形図。
【図40】ゼロクロス検出器の一例を示す回路図。
【図41】T1 、T2 、Q1 、Q2 の計時装置を示す回
路図。
【図42】T1 、T2 、Q1 、Q2 を位相のことなるふ
た通りのクロックパルスによって計測しこれらの平均に
より持続時間をより正確に求めるようにした実施例を示
す構成図。
【図43】鋸歯状波を発生させることによりT1 、T
2 、Q1 、Q2 を計測するようにした回路例図。
【図44】ゼロクロス検出器の出力を積分回路に入れ
て、積分値からT1 とT2 の差、あるいはQ1 とQ2
差を求めるようにした例を説明する回路図。
【符号の説明】
1 発光素子 2 光ファイバ 3 第1カップラ 4 偏光子 5 第2カップラ 6 ファイバコイル 7 位相変調器 8 受光素子 9 プリアンプ 10 コンデンサ 11 ゼロ(零)クロス検出器 12 カウンタ 20 基本クロック 21 位相変調用クロック 22 カウント用クロック 23 計数装置 25 位相変調用基本クロック 26 カウント用基本クロック 27 位相シフト 30 鋸歯発生装置 31 ピ−クホ−ルド装置 32 鋸歯発生装置 33 ピ−クホ−ルド装置 35 積分回路 36 コンパレ−タ− 37 Dフリップフロップ 38 インバ−タ 39 インバ−タ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバをコイル状に巻いたファイバ
    コイルに光を右廻りと左廻りに伝搬させ、ファイバコイ
    ルが回転した時に発生する右廻り光左廻り光の位相差か
    ら回転角速度を検出する光ファイバジャイロであって、
    ファイバコイルの一端近くに、位相変調器を設けて伝搬
    光の位相を周期的に変調し、右廻り光左廻り光の干渉光
    の強度変化を電気信号に変換し、これの交流信号を取り
    出し、変調の1周期に二つ含まれる波の持続時間T1
    2 の差から、ファイバコイルの回転角速度を求めるこ
    とを特徴とする信号検出方法。
  2. 【請求項2】 光ファイバをコイル状に巻いたファイバ
    コイルに光を右廻りと左廻りに伝搬させ、ファイバコイ
    ルが回転した時に発生する右廻り光左廻り光の位相差か
    ら回転角速度を検出する光ファイバジャイロであって、
    ファイバコイルの一端近くに、位相変調器を設けて伝搬
    光の位相を周期的に変調し、右廻り光左廻り光の干渉光
    の強度変化を電気信号に変換し、これの交流信号を取り
    出し、変調の1周期に二つ含まれる波の持続時間T1
    2 を複数の周期に渡って積算し、これらの和ΣT1
    ΣT2 の差を求めこれから、ファイバコイルの回転角速
    度を求めることを特徴とする信号検出方法。
  3. 【請求項3】 光ファイバをコイル状に巻いたファイバ
    コイルに光を右廻りと左廻りに伝搬させ、ファイバコイ
    ルが回転した時に発生する右廻り光左廻り光の位相差か
    ら回転角速度を検出する光ファイバジャイロであって、
    ファイバコイルの一端近くに、位相変調器を設けて伝搬
    光の位相を周期的に変調し、右廻り光左廻り光の干渉光
    の強度変化を電気信号に変換し、これの交流信号を取り
    出し、変調の1周期に二つ含まれる正の半波の持続時間
    の和Q1 と負の半波の持続時間の和Q2 の差から、位相
    変調度の変動を求めることを特徴とする位相変調度変動
    の検出方法。
  4. 【請求項4】 光ファイバをコイル状に巻いたファイバ
    コイルに光を右廻りと左廻りに伝搬させ、ファイバコイ
    ルが回転した時に発生する右廻り光、左廻り光の位相差
    から回転角速度を検出する光ファイバジャイロであっ
    て、ファイバコイルの一端近くに位相変調器を設けて伝
    搬光の位相を周期的に変調し、左廻り光、右廻り光の干
    渉光の強度変化を電気信号に変換し、これの交流成分を
    取出し、変調の1周期に二つ含まれる波の持続時間T
    1 、T2 の差から、ファイバコイルの回転角速度を求め
    ることとし、時間測定のためのカウント用のクロックパ
    ルスを発生させ、干渉信号の交流成分の二つの波の持続
    時間T1 、T2 を、持続時間中に検出されるカウント用
    クロックパルスの数を数えることにより求めることを特
    徴とする信号検出方法。
  5. 【請求項5】 カウント用クロックパルスを、位相変調
    を加えるための変調信号とは異なる発振器から発生さ
    せ、干渉信号の交流成分に含まれる波の持続時間に含ま
    れるカウントパルスの数を複数回計数し、複数回の計数
    結果を積算あるいは平均してファイバコイルの回転角速
    度を求めることを特徴とする請求項4に記載の信号検出
    方法。
  6. 【請求項6】 カウント用パルス信号として、位相のず
    れた複数のカウント用パルス信号を発生させ、干渉信号
    の交流成分に含まれる波の持続時間に含まれる複数のカ
    ウント用パルス信号の数を計数し、これらのカウント数
    を積算または平均化することによりファイバコイルの回
    転角速度を求めることを特徴とする請求項4または請求
    項5に記載の信号検出方法。
  7. 【請求項7】 光ファイバをコイル状に巻いたファイ
    バコイルに光を右廻りと左廻りに伝搬させ、ファイバコ
    イルが回転した時に発生する右廻り光、左廻り光の位相
    差から回転角速度を検出する光ファイバジャイロであっ
    て、ファイバコイルの一端近くに位相変調器を設けて伝
    搬光の位相を周期的に変調し、左廻り光、右廻り光の干
    渉光の強度変化を電気信号に変換し、これの交流成分を
    取出し、変調の1周期に二つ含まれる波の持続時間T
    1 、T2 の差から、ファイバコイルの回転角速度を求め
    ることとし、時間測定のために時間とともに電圧の増加
    する鋸歯状電圧を発生させることとし、干渉信号の交流
    成分の二つの波の持続時間T1 、T2 を、いずれか一方
    あるいは両方において鋸歯を発生させ、持続時間の終わ
    りにおける鋸歯状電圧の最大値から、持続時間T1 また
    はT2 、あるいは両方を求めるようにしたことを特徴と
    する信号検出方法。
  8. 【請求項8】 光ファイバをコイル状に巻いたファイ
    バコイルに光を右廻りと左廻りに伝搬させ、ファイバコ
    イルが回転した時に発生する右廻り光、左廻り光の位相
    差から回転角速度を検出する光ファイバジャイロであっ
    て、ファイバコイルの一端近くに位相変調器を設けて伝
    搬光の位相を周期的に変調し、左廻り光、右廻り光の干
    渉光の強度変化を電気信号に変換し、これの交流成分を
    取出し、変調の1周期に二つ含まれる波の持続時間T
    1 、T2 の差から、ファイバコイルの回転角速度を求め
    ることとし、干渉信号の交流成分の二つの波の持続時間
    1 、T2 のいずれかの時に一定高電圧、他方の時に一
    定低電圧になる信号を発生させ、この信号を積分するこ
    とにより持続時間T1 とT2 の差を求めるようにしたこ
    とを特徴とする信号検出方法。
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