JPH06305016A - ポリエステルフィルムの製造方法 - Google Patents

ポリエステルフィルムの製造方法

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JPH06305016A
JPH06305016A JP6025196A JP2519694A JPH06305016A JP H06305016 A JPH06305016 A JP H06305016A JP 6025196 A JP6025196 A JP 6025196A JP 2519694 A JP2519694 A JP 2519694A JP H06305016 A JPH06305016 A JP H06305016A
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JP
Japan
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film
crystallinity
polyester
polyester film
films
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JP6025196A
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Toshiya Yashiro
敏也 家城
Katsuya Toyoda
勝也 豊田
Kenji Tsunashima
研二 綱島
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Toray Industries Inc
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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】2枚以上のポリエステルフィルムを重ね合わせ
たのち少なくとも縦延伸および/または熱固定したのち
各フィルムに剥離して一挙に2枚以上のポリエステルフ
ィルムを製造する方法において、重ね合わせる前の少な
くとも1枚のポリエステルフィルムの結晶化度を1%以
上とする。 【効果】複数枚のフィルムを従来から公知の製膜機の小
改造で製造でき、大巾な増能力が可能となり、コストダ
ウンにつながる。しかも、得られたフィルムの品質も複
数枚のフィルムの間で差が生じることもない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2枚以上のポリエステル
フィルムを一挙に製造する方法に関するものである。更
に詳しく言えば、ポリエステルフィルム間の剥離フィル
ムを有さずに一挙に多数枚のフィルムを厚みむらなく得
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムで代表されるフィ
ルムは1枚ずつ製膜されるのが常であった。しかしなが
ら一挙に複数枚のフィルムを製造する方法として剥離用
のスペーサーをポリエステルと交互に共押出しして延伸
熱処理後剥離する方法(例えば特開昭61−31236
号)や、キャスト・縦延伸を別の工程で実施しておき、
該縦延伸フィルムを重ね合わせたのち横延伸熱処理して
剥離する方法(例えば特開昭53−79967号、特開
昭53−79968号)などが知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のよ
うなスペーサーを入れる方法では製造工程が煩雑にな
り、フィルムエッジなどの回収が困難になるばかりか、
各フィルムの表面あらさや厚みむらコントロールが困難
で厚みむらの悪いフィルムしか得られないという、製造
コスト上、品質上の重大な欠点を有していた。また縦延
伸フィルムを重ねる方法では単に横延伸テンターのみし
か省略できず、コストダウンには効果がないという欠点
を有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的に合うポリエス
テルフィルムの製造方法は、2枚以上のポリエステルフ
ィルムを重ね合わせたのち少なくとも縦延伸および/ま
たは熱固定したのち各フィルムに剥離して一挙に2枚以
上のポリエステルフィルムを製造する方法において、重
ね合わせる前の少なくとも1枚のポリエステルフィルム
の結晶化度が1%以上であることを特徴とするポリエス
テルフィルムの製造方法に関するものである。
【0005】本発明で言うポリエステルとは、ジオール
とジカルボン酸とから縮重合により得られるエステル基
を主鎖にもつポリマであり、ジカルボン酸としては、テ
レフタル酸、イソフタル酸、ジフェン酸、フタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸、ダイ
マー酸、エイコ酸、ドデカンジオン酸などで代表される
ものであり、また、ジオールとは、エチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、ビスフェノールなどで代
表されるものである。具体的には例えば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、
ポリエチレン−p−オキシベンゾエート、ポリ−1,4
−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどが
あげられる。もちろん、これらのポリエステルは、ホモ
ポリマであってもコポリマであっても良く、共重合成分
としては、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオー
ル成分、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボ
ン酸成分があげられる。本発明の場合、特に、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレ
ートが機械的強度、耐熱性、耐薬品性、耐久性などの観
点から好ましい。
【0006】また、このポリエステルの中には、公知の
各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核
剤、無機粒子などが添加されていてもよい。
【0007】本発明における少なくとも縦方向に延伸し
たフィルムとは、縦方向に延伸し、分子配向を与えたフ
ィルムを言う。当然、その後横延伸を施し、二軸に配向
を与えてもよい。また、さらに、縦あるいは横に延伸を
かけて、強度な配向を付与してもよい。
【0008】また、本発明における縦延伸とは、フィル
ムに分子配向を与えるための延伸を言い、通常は、ロー
ルの周速差により施される。この延伸は1段階で行って
もよく、また、複数本のロール対で多段階で行ってもよ
い。延伸の倍率としては、通常、2〜7倍程度である。
【0009】更に本発明における熱固定は、上記延伸の
後に、あるいは延伸を行うことなく、行なっても良い。
【0010】本発明における、重ね合わせる直前のフィ
ルムの結晶化度とは、上記の縦延伸を施すロールに入る
直前のフィルムの結晶化度を指し、結晶化度は、後述す
るが、フィルムの密度を測定し計算した。
【0011】本発明においては、この結晶化度が、1%
以上である必要がある。好ましくは、3%以上、さらに
好ましくは、3%以上30%以下である。非晶未延伸の
ポリエチレンテレフタレートフィルム同志を重ね合わ
せ、ガラス転移点以上の延伸温度において延伸すること
は容易だが、これを重ね合わせ前のフィルムに剥離する
ことは出来ない。これはフィルム同志が融着してブロッ
キング現象を示すためである。このような融着を生ぜず
スムーズに剥離をするには、剥離応力が10g/cm以
下、好ましくは1g/cm以下、さらに好ましくは0.
1g/cm以下とするのがよい。剥離応力を好ましくは
1g/cm以下、さらに好ましくは0.1g/cm以下
にするには、重ね合わせる前のフィルムの結晶化度は1
%以上、好ましくは3%以上、さらに好ましくは5%以
上30%以下であるのがよい。結晶化度が30%を超え
ると延伸張力が高くなり延伸しにくくなったり、たとえ
延伸できても透明性が悪化したり、表面が粗面化しやす
くなるためである。また、結晶化させるのにアセトンな
どの特定の溶剤で結晶化させる方法は、得られたフィル
ムの表面が粗面化し、透明性が悪化し表面にオリゴマー
などの白粉が付着したり、表面がけずれやすくなったり
して品質が低下するのみならず、生産上も問題が多く本
発明の製法としては適当でない。
【0012】したがって、本発明においては、目的の結
晶化度を得るために、キャスト時や、延伸時および/ま
たは熱処理時に行なうのである。すなわち、ポリエステ
ルをTダイより溶融押出し、冷却ロール上でシート状に
冷却固化する際に、冷却ロールの表面材質や温度をコン
トロールすることにより、冷却過程における結晶化を生
ぜしめ、目的の結晶化度を得る方法が行われる。例え
ば、表面が粗面化されたサンドブラストロールを用い
て、冷却ドラムと溶融シート間に空気層を介在させ結晶
化させる方法を広く用いうる。この時ドラム温度は80
〜120℃と高温にするのがよい。
【0013】さらに、本発明においては、熱結晶化によ
り目的の結晶化度を有したフィルムよりも歪結晶化によ
り目的の結晶化度を有したフィルムの方が好ましい。す
なわち、縦延伸の前に、予備縦延伸を施し、必要によっ
ては熱処理をして1%以上の歪結晶を主成分とした結晶
化度を得るものである。この予備延伸熱処理を施したの
ちに、本来の縦延伸を、所定の温度、倍率で1段もしく
は多段階に行うわけである。
【0014】本発明における予備延伸の条件としては、
フィルムの温度にしてポリマの(ガラス転移点+10
℃)以上(ガラス転移点+30℃)以下の温度で、1.
2倍以上、2.5倍以下の倍率が好ましい。さらに好ま
しくは、1.5倍以上、2.0倍以下である。温度が
(ガラス転移点+10℃)未満の場合、延伸が均一に行
われず、部分的にネッキングを起こしたような状態にな
り好ましくない。また、(ガラス転移点+30℃)を超
える場合、目的の結晶化度を得ることが困難となる。ま
た、倍率が1.2倍未満の場合、これも目的の結晶化度
が得られにくくなり、また、2.5倍を超える場合、配
向が進みすぎ、本来の縦延伸に支障をきたすことがある
ため、いずれも好ましくない。
【0015】このようにして、予備延伸熱処理による歪
結晶化を主成分とした目的の結晶化度を得る方法は表面
あらさ、透明性、さらには厚みむら改善の効果ばかりで
なく、延伸倍率増加による製膜速度の上昇にもつなが
り、一段と生産性の向上の面からも好ましいものであ
る。
【0016】本発明において、目的の結晶化度を得るた
めの別の手段としては、非晶フィルムあるいは微結晶し
たフィルムを乾または湿熱処理をする方法である。この
際に、熱処理の温度としては、該ポリエステルの(ガラ
ス転移点+10℃)以上、(融点−50℃)以下が好ま
しい。さらに好ましくは(ガラス転移点+20℃)以
上、(融点−100℃)以下である。熱処理温度が(ガ
ラス転移点+10℃)未満であると、熱処理による結晶
化の効果がないか、あるいは、目的の結晶化度を得るた
めに多大な時間を要する。また、(融点−50℃)を超
えると、結晶化度の制御が困難であり、また、フィルム
が軟化しすぎて、熱処理中のフィルムの取扱いに支障を
きたしたり、さらには延伸後のフィルム物性、特に透明
性が悪化したりする。
【0017】本発明において上記の熱処理は加熱ロール
を用いて好ましく行われる。加熱ロールとしては、表面
が“テフロン”加工やシリコーンゴム加工などの非粘着
加工を施した物が好ましい。
【0018】また、上記加熱ロールを用いた場合、処理
温度条件によっては、フィルムのロールへの粘着が生じ
る場合がある。そのような場合、熱処理をオーブン内に
て行うことも好ましく行われる。オーブンとしては、無
風状態で加熱するものでもよいが、熱風をフィルムへ吹
き付けるタイプのものが、加熱効率の点から好ましく用
いられる。また、オーブン内でのフィルムの把持手段と
して、特に限定されるものではないが、ロール内に通水
して表面への粘着を防いだロールや、フィルム両端部を
把持するテンタタイプのものなどが好ましく用いられ
る。
【0019】また、フィルム下面より熱風を吹き付け
て、フィルムを浮上させながら熱処理を行う、加熱浮上
処理装置も好ましく用いられる。加熱浮上処理装置の場
合、フィルムの粘着の問題もなく、また、空気圧により
面で把持されるため、加熱時の軟化したフィルムでも走
行性に問題なく熱処理できるものである。
【0020】本発明の結晶化度が1%以上のフィルムを
得る方法は上記の方法に限定されるものではない。ま
た、上記の方法のいずれか単独のみであっても、上記方
法の複数の組合せ、若しくは上記方法と他の方法との任
意の組合せであっても良い。
【0021】また、本発明における製造方法で製造され
たフィルムは、驚くべきことに、熱収縮率の低減効果が
認められる。これは、延伸前に若干の歪結晶化構造を形
成するために、このような効果が発現するものと推定さ
れるが、はっきりとした要因は明らかとなっていない。
【0022】次に本発明の製造方法について説明する
が、かかる例に限定されるものではない。
【0023】ポリエステルとして、ポリエチレンテレフ
タレートのペレットを150〜190℃の真空下で十分
に乾燥を行う。このペレットを、270〜300℃の温
度に加熱された押出機に供給し、Tダイよりシート状に
押出す。
【0024】この溶融されたシートを、ドラム表面温度
10〜100℃に冷却されたサンドブラスト処理ドラム
上に静電気力で密着固化し、結晶化度0〜25%の未延
伸フィルムを得る。該未延伸フィルムを加熱されたロー
ル群に導き、縦延伸を行うが、その前に、予備延伸およ
び/または加熱ロールやオーブンなどにより結晶化度1
〜30%に熱結晶化および/または歪結晶化を与える。
このようにして得られた結晶化フィルム同志、または非
晶フィルムと重ね合わせ、80〜180℃の加熱ロール
で加熱し縦方向に2〜7倍1段もしくは多段階で縦延伸
し、20〜50℃のロール群で冷却する。
【0025】なお、二軸に配向させる場合は、続いて、
フィルムの両端にクリップで把持しながらテンタに導
き、80〜180℃に加熱された熱風雰囲気中で横方向
に2〜7倍に横延伸する。
【0026】こうして二軸延伸されたフィルムは平面
性、寸法安定性を付与するために、テンタ内で150〜
240℃の熱固定を行ない、均一に室温まで徐冷して巻
きとる。
【0027】
【物性値の評価法】
(1)結晶化度 n−ヘプタン−四塩化炭素系の密度勾配管を作成し、2
5℃におけるフィルムの密度を測定する。この密度dか
ら、 結晶化度(%)=[(d−da)/(dc−da)]×
100 とした。ここで、daは非晶密度、dcは完全結晶密度
で、ポリエチレンテレフタレートの場合、文献値より、
da=1.335g/cm3 、dc=1.455g/c
3 とした。
【0028】(2)ガラス転移点、融点 マックサイエンス社製示差走差熱量計DSC3100を
用いて、サンプルを300℃で5分保持し、液体窒素急
冷した後、昇温速度20℃/分でガラス転移点及び融点
を測定した。ガラス転移点はガラス状態からゴム状態へ
の転移に基づくベースラインの変奇点を、融点は結晶融
解に基づく吸熱ピーク温度をとった。
【0029】(3)フィルムの厚みむら アンリツ社製フィルムシックネステスタKG601Aお
よび電子マイクロメータK306Cを用い、縦方向に3
0mm幅、10m長にサンプリングしたフィルムを通
し、連続的に厚みを測定する。10m長での厚み最大値
Tmax(μm)および最小値Tmin(μm)より、 R(μm)=Tmax−Tmin とし、10m長の平均厚みTave(μm)から 厚みむら(%)=R/Tave として求めた。
【0030】(4)フィルムの熱収縮率 フィルムを10mm幅、250mm長にサンプリングし
約200mmの間隔をおいて、標点をつけた。この標点
間距離を正確に測定し、To(mm)とした。このサン
プルを無荷重下で150℃の熱風オーブン中に30分間
放置後、室温で冷却する。十分冷却後に、標点間距離を
再度測定しT(mm)とすると、 熱収縮率(%)=[(To−T)/To]×100 とした。
【0031】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明する。
【0032】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(極限粘度0.65、ガラ
ス転移点69℃、融点256℃、添加剤として0.6μ
径のSiO2 を0.3%含有)のペレットを180℃で
3時間真空乾燥した後に、280℃に加熱された押出機
に供給し、3つのTダイよりそれぞれ別のシートに押出
した。つづいてこの溶融フィルムを表面温度25℃の鏡
面クロムメッキの冷却ドラム上に静電気力で密着固化し
た非晶フィルム(結晶化度0%)3枚を得た。かくして
得られたフィルムの1枚を85℃に加熱されたロール上
で1.6倍予備延伸し、つづいて120℃で1秒間熱処
理しフィルムの歪結晶と熱結晶の混在した結晶化度3%
のフィルム1枚を得た。
【0033】該3%結晶フィルムの両側に、前記結晶化
度0%の非晶フィルム2枚を重ね合わせた。つづいて、
100℃に加熱されたロール上で縦方向に5倍延伸し、
50℃に冷却し、さらに該フィルムを110℃に加熱さ
れたテンター内で巾方向に4倍延伸し、さらに230℃
で巾方向に5%リラックスさせながら熱処理し、均一に
徐冷して厚み6μの二軸延伸フィルム3枚を剥離しなが
らそれぞれの巻取機に巻取った。かくして得られたフィ
ルムの代表的物性は表1の通りである。なお、本フィル
ムの剥離時の応力は0.1g/cmと小さく、剥離ム
ラ、シワ、破れなどの欠点は全くなかった。表1に示し
たように3枚のフィルムの間のフィルム特性には差はな
かった。
【0034】実施例2 実施例1で得られた非晶フィルム(結晶化度0%)を1
40℃に加熱されたロール上で3秒間熱処理して結晶化
度1%のフィルムを得た。該結晶フィルムを2枚重ね合
わせて、実施例1と同じ条件で縦延伸、巾方向延伸、熱
処理を施し、厚み6μの二軸延伸フィルム2枚を剥離し
ながら巻取った。得られたフィルムの物性は表1の通り
であり、剥離ムラ、シワ、破れなどの欠点は全くなかっ
た。
【0035】比較例1 実施例1で示した結晶化工程を省略し、結晶化度0%の
フィルム3枚を重ねて実施例1と同様に延伸熱処理した
ところ、3枚が融着してしまい、分離は不可能であっ
た。
【0036】
【表1】 実施例3 実施例1で用いた中央フィルムのキャスト用鏡面クロム
メッキロールの代わりに、サンドブラスト加工した表面
粗面化ロールに変えて、しかもドラム表面温度を90℃
の加熱に変えて、3枚のキャストシートを得た。表層に
用いる2枚のキャストシートは実施例1と全く同じで結
晶化度0%、中央層に用いるキャストシートは熱結晶を
主成分とした結晶化度は5%であった。これら3枚のシ
ートを実施例1と同様に結晶化度0/5/0(%)とな
るように重ね合わせて二軸延伸熱処理して、厚み6μの
3枚のフィルムを剥離して得た。この時の剥離時の応力
は0.5g/cmと低く、剥離時の問題は全くなかっ
た。得られたフィルムの縦方向厚みむらは5%以内とす
ぐれたフィルムであったが、中央の結晶化したフィルム
の表面あらさRaは0.58μmと少し大きな値を示し
ていたが、両表層のRaは0.20と小さいものであっ
た。
【0037】
【発明の効果】複数枚のフィルムを従来から公知の製膜
機の小改造で製造でき、大巾な増能力となり、コストダ
ウンにつながる。もちろん得られたフィルムの品質も複
数枚のフィルムの間で差がないことも大きなメリットに
なる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚以上のポリエステルフィルムを重ね
    合わせたのち少なくとも縦延伸および/または熱固定し
    たのち各フィルムに剥離して一挙に2枚以上のポリエス
    テルフィルムを製造する方法において、重ね合わせる前
    の少なくとも1枚のポリエステルフィルムの結晶化度が
    1%以上であることを特徴とするポリエステルフィルム
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 結晶化度が1%以上のフィルムと1%未
    満のフィルムとを重ね合わせることを特徴とする請求項
    1に記載のポリエステルフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 結晶化度が1%以上のポリエステルフィ
    ルムが、ポリエステルをTダイより溶融押出し、シート
    状に固化する際の冷却ロールの表面材質や温度をコント
    ロールすることにより得られた未延伸フィルムであるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリエ
    ステルフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 結晶化度が1%以上のポリエステルフィ
    ルムが、重ね合わされる前に非晶未延伸フィルムを予備
    延伸することにより、得られたフィルムであることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載のポリエステル
    フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 予備延伸が該ポリエステルの(ガラス転
    移点+10℃)以上(ガラス転移点+30℃)以下の温
    度で、1.2倍以上、2.5倍以下の倍率条件で施され
    ることを特徴とする請求項4に記載のポリエステルフィ
    ルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 結晶化度が1%以上のポリエステルフィ
    ルムが、重ね合わされる前に、(ガラス転移点+10
    ℃)以上、(融点−50℃)以下の温度で熱処理、結晶
    化させることにより得られたフィルムであることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載のポリエステルフ
    ィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 熱処理を加熱ロール上で行うことを特徴
    とする請求項6に記載のポリエステルフィルムの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 熱処理をオーブン中で行うことを特徴と
    する請求項6に記載のポリエステルフィルムの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 熱処理を加熱浮上処理装置にて行うこと
    を特徴とする請求項6に記載のポリエステルフィルムの
    製造方法。
JP6025196A 1993-02-25 1994-02-23 ポリエステルフィルムの製造方法 Pending JPH06305016A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08132523A (ja) * 1994-11-09 1996-05-28 Toray Ind Inc 低熱収縮性ポリエステルフィルム
JPH08164558A (ja) * 1994-12-15 1996-06-25 Toray Ind Inc ポリエステルフィルム

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08132523A (ja) * 1994-11-09 1996-05-28 Toray Ind Inc 低熱収縮性ポリエステルフィルム
JPH08164558A (ja) * 1994-12-15 1996-06-25 Toray Ind Inc ポリエステルフィルム

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