JPH0630035Y2 - 花卉用容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は花卉用容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】花屋において花卉を展示、保存するため
には、水を入れたバケツに花卉を入れて水に浸漬してい
る。そして、バケツの水が古くなり交換する場合には、
花卉をバケツから取出して他のバケツに一時的に避難さ
せておき、この状態でバケツ内の古くなった水を廃棄
し、次いでバケツに新しい水を入れ、その後一時的に避
難させておいた花卉を再びバケツに入れるようにしてい
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、前述したよう
に花卉を水を入れたバケツに入れて保存する方法では次
に述べる問題がある。

【０００４】まず、バケツ内の水を交換する場合には、
花卉をバケツから他のバケツに入替えること、バケツを
手で持ち上下逆向きにしてバケツの中の水を排出するこ
と、水を交換した後に再び花卉をバケツに入れることを
伴うので作業が面倒である。さらに、丈の長い花卉をバ
ケツに入れると、花卉の重心がバケツの上側にあって、
バケツに外から力が加わるとひっくり返り易いという問
題がある。

【０００５】本考案は前記事情に基づいてなされたもの
で、内部に水を溜めて花卉を入れる容器であって、水を
交換する時の問題点の解決および花卉を入れた時の安定
性の向上を図った花卉用容器を提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本考案の花卉用容器は、底面部に排水口を有するバケ
ツと、このバケツの底面部に設けられ前記排水口を閉じ
る弁体およびこの弁体を動かして前記排水口を開く足踏
みレバーを有する排水弁と、前記バケツに挿脱可能に挿
入されるとともに挿入された状態で頭部が前記の頭部か
ら上側にバケツから突出する花卉を入れるかごと、この
かごの頭部に取付けられた取手を具備してなり、この取
手は他のかごの取手と着脱可能に連結される連結部を有
するものであることを特徴とする。

【０００７】

【作用】かごに花卉を入れ、水を溜めたバケツの中にか
ごを入れる。バケツ内の水を交換する場合には、排水弁
の足踏みレバーを操作して弁体を動かしバケツの排水口
を開き、排水口を通して水を排出する。このため、バケ
ツの水を排出するために、バケツを上下逆向きにして水
を頭部から排出する必要がなく、またかご内に入れた花
を取出す必要がないので、バケツの水を排出する作業が
簡単である。

【０００８】バケツに新しい水を入れるに際して、ホー
スなどを用いる場合には、花卉を入れたかごをバケツか
ら取出す必要がない。また、バケツを遠方にある給水栓
まで運んでバケツに給水を行う場合には、花卉を入れた
かごをバケツから取出すことにより、バケツのみを給水
栓まで運べば良く、花を入れたままバケツを運ぶ場合に
比較して労力を減らすことができる。しかもこの場合、
かごによって花卉をまとめてバケツから取出すことがで
きるので、花卉を取出す作業が容易であり、且つバケツ
から取出した花卉はかごによってまとめられていて、ば
らばらになることがなくるので取扱いが容易である。

【０００９】さらに、バケツに入れたかごに設けた取手
を他のバケツに入れたかごに設けた取手と連結すると、
隣り合うかごが相互に倒れないように支え合う。このた
め、バケツに入れたかごに丈の長い花卉を挿しても入れ
ても、かごおよびバケツが安定しており、バケツおよび
かごに外から力が加わっても転倒することがない。

【００１０】

【実施例】本考案の一実施例について図１ないし図５を
参照して説明する。 図１および図２は本実施例の花卉用容器の全体を示して
いる。図中１はバケツ、２はかごである。

【００１１】バケツ１は直方体をなすもので、上端面は
水を入れるために開放され、底面部は水を溜めるために
閉塞され、この底面部の中央には排水口３が形成されて
いる。このバケツの１の底面部には排水弁４が設けられ
ている。この排水弁４は、図３に示すようにバケツ１の
内側に配置されて排水口３を閉じる弁体５と、バケツ１
の外側に配置されて弁体５を動かして排水口３を開く足
踏みレバー６とを備えている。

【００１２】足踏みレバー４は、バケツ１に形成された
支持部１ａに枢軸７によって回動自在に支持され、一端
が弁体５に連結され、他端がバケツ１の外側に突出して
ペダル８が取付けられている。足踏みレバー４は枢軸７
に設けられたねじりばね（図示しない）によって弁体５
が排水口３を閉塞する方向にばね力を加えられている。
このため、図３（ｂ）に示すように弁体５が排水口３を
常時閉塞する。そして、図３（ａ）に示すように作業者
が足でペダル８を踏み足踏みレバー６をねじりばね９ば
ね力に抗して回動させると、弁体５が動き排水口３が開
放される。バケツ１は底面部の下側に足踏みレバー４を
設ける空間部を確保するために脚部１ｂが形成され、各
害側面に頭部には夫々取手１ｃが形成されている。な
お、９ａはバケツ１の排水口３に取付けたシールリン
グ、９ｂは弁体５に取付けたシールリングである。

【００１３】かご２は、バケツ１の内部に挿入されるた
めにバケツ１よりひとまわり小さい断面を有する直方体
をなし、バケツ１の内部に挿入された状態で頭部がバケ
ツ１の上端から上側に突出する高さを有している。かご
２は上面部が花卉を出し入れするために開放され、底面
部を除く全体が金網１０で形成され、底面部には金属板
によって水溜め部１１が形成されている。この水溜り部
１１はかご２の底面およびその周囲を囲む所定高さの縁
を有し、水を溜めることができるようになっている。

【００１４】かご２の４個の外側面の頭部には夫々合成
樹脂製の取手１２、１３が取付けられている。取手１２
はかご２の４個の側面のうち対向する２個の側面に取付
けられた一対のもので、図２および図４に示すように連
結部としてかご側面に平行な丸棒部１２ａを有してい
る。取手１３はかご２の対向する他の２個の側面に取付
けられた一対のもので、図２および図４に示すように連
結部としてかご側面に平行な円筒部１３ａを有してい
る。この円筒部１３ａは軸方向に沿って割れており、弾
性により取手１２の丸棒部１２ａを着脱可能に嵌合でき
るようになっている。なお、図１および図２に示すよう
にかご２の底面部にはバケツ１の排水弁４の弁体５を逃
げる空間を確保するために脚２ａが形成されている。か
ご２の上端開放部には花卉がばらつかないように支える
仕切り桟１４が取付けられている。

【００１５】このように構成された容器に用いる場合に
は、図２に示すようにかご２をバケツ１に中に挿入す
る。バケツ１の内部には水（図示せず）を入れ、かご２
の内部には花卉Ｆを挿し入れる。かご２のなかの花卉Ｆ
はバケツ１の内部の水を吸い取る。この状態で例えば花
屋の店先に置く。 バケツ１を持つときは、取手１ｃを用いる。かご２を持
つときは、取手１２、の丸棒部１２ａと取手１３の円筒
部１３ａを用いる。

【００１６】バケツ１内に溜められた水を交換する場合
には、排水弁４の足踏みレバー６を操作して弁体５を動
かしバケツ１の排水口３を開き、バケツ１内の水Ｗが排
水口３を通して外部に排出する。従って、バケツ１内の
水を外部に排出する場合に、バケツ１を上下逆向きにす
る必要がなく、またかご２内に入れた花Ｆを取出す必要
がないので、バケツ１の水を排出する作業が簡単であ
る。

【００１７】その後、バケツ１に新しい水を入れる。こ
こで、ホースなどを用いてバケツ１内に給水する場合に
は、花卉Ｆを入れたかご２をバケツ１から取出す必要が
なくい。

【００１８】また、バケツ１を遠方にある給水栓まで運
んで給水を行う場合には、花卉Ｆを入れたかご２をバケ
ツ１から取出すことにより、バケツ１のみを給水栓まで
運べば良く、花卉Ｆを挿したかご２を入れたままバケツ
１を運ぶ場合に比較して労力を減らすことができる。こ
の場合、かご２によって花卉Ｆをまとめてバケツ１から
取出すことができるので、花卉Ｆを個別にバケツ１から
取出す場合に比較して作業が容易であり、且つバケツ１
から取出した花卉Ｆはかご２内でまとめられていて、ば
らばらになることがないので取扱いが容易である。

【００１９】この実施例では、かご２の底面部に水溜め
部１１が設けらている。このため、水溜め部１１に水を
溜めることにより、かご２自身でも花卉Ｆに水を与える
ことができる。

【００２０】さらに、図５に示すように複数の容器を縦
横に並べ、バケツ１に入れたかご２を取手１２、１３を
用いて相互の連結することができる。すなわち、図４に
示すようにバケツ１に入れたかご２に設けた取手１２の
丸棒部１２ａを、隣り合う他のバケツ１に入れたかご２
に設けた取手１３の円筒部１３ａに嵌合する。また、バ
ケツ１に入れたかご２に設けた取手１３の円筒部１３ａ
を、隣り合う他のバケツ１に入れたかご２に設けた取手
１２の丸棒部１２ａに嵌合する。このようにすると隣り
合う各バケツ１に入れたかご２を相互に連結して互いに
倒れないように支え会う。このため、丈の長い花卉Ｆを
かご２に入れても、かご２およびバケツ１が安定してお
り、バケツ１およびかご２に外から力が加わっても転倒
することがない。

【００２１】なお、本考案は前述した実施例に限定され
ず、種々変形して実施することができる。例えばかご２
は底面部に水溜め部１１を設けず、全体を金網で形成し
ても良い。この場合には、かご２を水を入れたバケツ１
に出し入れする時に、かご２が水の抵抗を受けにくく挿
脱が容易である。

【００２２】

【考案の効果】以上説明したように本考案によれば、水
を溜めるとともに底面部に排水口を有するバケツと、こ
のバケツの内部に挿脱自在に入れる花卉用のかごとを組
合せ、且つバケツには足踏みレバー式の排水弁を設け、
かごには他のかごの取手と着脱可能に連結される取手を
設けたので、水を交換する時における種々の不便な問題
を解決し、また花卉を入れた時の安定性を向上させた花
卉用容器を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の花卉用容器の一実施例を示す分解斜視
図。

【図２】かごをバケツに入れた状態を示す斜視図。

【図３】排水弁を供えたバケツの底面部を示す断面図。

【図４】かごの取手を連結した状態を示す断面図。

【図５】複数の容器のかごを連結した状態を示す斜視
図。

【符号の説明】

１…バケツ、２…かご、３…排水口、４…排水弁、１
２，１３…取手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 底面部に排水口を有するバケツと、この
   バケツの底面部に設けられ前記排水口を閉じる弁体およ
   びこの弁体を動かして前記排水口を開く足踏みレバーを
   有する排水弁と、前記バケツに挿脱可能に挿入されると
   ともに挿入された状態で頭部が前記バケツの頭部から上
   側に突出する花卉を入れるかごと、このかごの頭部に取
   付けられた取手とを具備してなり、この取手は他のかご
   の取手と着脱可能に連結される連結部を有することを特
   徴とする花卉用容器。