JPH06298470A - エレベーター用油入緩衝器 - Google Patents

エレベーター用油入緩衝器

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JPH06298470A
JPH06298470A JP8644293A JP8644293A JPH06298470A JP H06298470 A JPH06298470 A JP H06298470A JP 8644293 A JP8644293 A JP 8644293A JP 8644293 A JP8644293 A JP 8644293A JP H06298470 A JPH06298470 A JP H06298470A
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JP
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oil
plunger
shock absorber
cylinder
hole
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JP8644293A
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Masakatsu Tanaka
正勝 田中
Jiyun Sugawara
準 簀河原
Satoru Sasaki
悟 佐々木
Katsuyoshi Katsuta
勝義 勝田
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Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】作動油が吹出される虞れが無く、高い信頼性と
充分な安全性を備えながら、構造が複雑化することのな
いローコストの油入緩衝器を提供すること。 【構成】プランジャ7の内部から外部に向かう方向を阻
止方向とし、且つその阻止機能に所定の漏れ特性が設定
された開閉装置26と、シリンダ3の頂部近傍で該シリ
ンダの内部に連通した油だめ室27とを設けたもの。 【効果】開閉装置26は、それに設定されている漏れ特
性により、作動油の吹出しは阻止しながら、プランジャ
7内の空気が流出するのは妨げないように働き、油だめ
室27は、プランジャ7内に噴出した作動油の液面が開
閉弁装置26に達しないように働く。従って、どのよう
な場合でも作動油が流出す虞れはなくなり、高い信頼性
と充分な安全性を容易に確保することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレベーターの昇降路
の底部の設置され、乗かご或いはつり合いおもりが最下
床の正規の停止位置を過ぎて下降したとき、適正な減速
度をもって衝突力を緩和させ、安全に停止させるために
用いられる油入緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】エレベーターは、正常な状態では有りえ
ないが、何らかの異常が生じたときには、乗りかごが最
下床の正規の停止位置を過ぎて下降する虞れがある。そ
こで、このような異常時でも、乗りかごの衝突力を緩和
して乗りかごが安全に停止するようにするため、図6に
示すように、エレベーターの昇降路51の底部に緩衝器
1の設置が義務付けられている。
【0003】周知のように、この緩衝器1は、エレベー
ターの乗りかご、又はつり合いおもりが最下床の正規の
停止位置を過ぎて下降し、このときの速度が、そのエレ
ベーターの定格速度、或いは法規によって定められてい
る定格速度の1.15倍の速度、いわゆる高速衝突速度
であったときでも、安全に乗りかごを停止させることが
できる性能をもつものであることを前提として設置が要
求されているもので、図6において、52は器械室で、
ここに設置してある巻上機53のシーブ57に乗りかご
55とつり合いおもり56を釣下げたワイヤロープ54
をかけ渡し、モータ58から減速機59を介してシーブ
57を回転させることにより、乗りかご55を運行させ
るようになっている。なお、図示してないが、この緩衝
器1は、つり合いおもり56の下にも設置する場合があ
る。
【0004】ところで、この緩衝器1の形式としては、
従来からばね式の緩衝器と、油入緩衝器が知られてい
る。そこで、一例として油入緩衝器の従来例について、
図10により説明すると、これは、例えば実公昭49−
20678号公報に開示されているもので、図におい
て、ここに例示された油入緩衝器1は、ベース2により
エレベーターの昇降路の底部に垂直に立設されたシリン
ダ3と、このシリンダ3の内部に、その底部から垂直に
立設され、上方に向けて連続的に細く成形されている円
錐状のニードル(細長円錐状部材)4、シリンダ3の上端
部に設けてあるフランジ5と、シリンダ3の上端部から
内部に挿入され、フランジ5にボルト14で固定されて
いるガイド6、このガイド6に挿入された中空のプラン
ジャ7、このプランジャ7の上端に設けられている受板
8、プランジャ7の底部を塞いでいる底部部材9、この
底部部材9の中央部に形成されている円形の噴油孔1
0、底部部材9の周辺部分からなり、ガイド6の下端部
に当接するようになっているストッパー部11、シリン
ダ3のベース2の上に、プランジャ7の底部部材9に達
するようにして設けられているバネ(捩りスプリング、
ヘリカルスプリング)12、それにプランジャ7の頂部
近傍に設けてある空気孔13とで構成されている。
【0005】シリンダ3の内部には、プランジャ7の内
部に油面が達するようにして、例えばタービン油などの
所定の種類の油からなる作動油15が満してあり、通常
は、バネ12の弾性力により、ストッパー部11がガイ
ド6の下端部に当接している図示の位置にまでプランジ
ャ7が押し上げられている。なお、この状態を通常時と
いう。そこでいま、図6に示したエレベーターが運行
中、何らかの異常により、乗りかご55(又はつり合い
おもり56)が最下床の正規の停止位置を過ぎて下降
し、乗りかご55が油入緩衝器1の受板8に衝突したと
する。
【0006】そうすると、これによりプランジャ7に押
し下げ力が掛り、シリンダ3内の作動油15を圧縮す
る。この結果、作動油15は噴油孔10からプランジャ
7の内部に噴出流入し、プランジャ7は下降し始める
が、このとき噴油孔10のオリフィス作用によりエネル
ギーが吸収され、緩衝機能を果たす。すなわち、噴油孔
10は、その流路面積が、噴油孔10の内周縁とニード
ル4との間の空間により決定され、オリフィス(絞り)が
形成されるように作られている。
【0007】従って、プランジャ7の下降に伴って、シ
リンダ3内の作動油15がプランジャ7内に噴出流入す
るとき、噴油孔10で細く絞られることによるオリフィ
ス効果で、プランジャ7の降下に対して強い制動力が与
えられ、緩衝機能が得られるのである。そして、プラン
ジャ7が降下して行くに従い、円錐状(テーパー状)をな
しているニードル4の働きにより、噴油孔10の流路面
積が減少されて行くので、この緩衝器1による制動力は
増加されて行き、この結果、乗りかご55の下降速度を
ゆっくりと遅らせ、安全に停止させることができる。
【0008】次に、この後、乗りかご55(又はつり合
いおもり)を持ち上げて荷重が除かれると、全圧縮され
た状態にあるバネ12の反発力により、プランジャ7は
上方に押され、ストッパー部11がガイド6の下端部に
当接する位置にまで戻されて定常状態に復帰するのであ
る。
【0009】ところで、このような油入緩衝器1につい
ては、所定の頻度、例えば年1回などの頻度で、その性
能が保持されていることを確認するための検査、すなわ
ち、定期検査が義務付けられている。そして、この油入
緩衝器1の定期検査は、エレベーターを低速運転(保守
運転)させ、この状態で、乗りかご55(又はつり合いお
もり)を油入緩衝器にわざわざ衝突させてプランジャ7
を押し、ストローク一杯まで押し下げ、バネ12が全圧
縮された状態にした後、乗りかご55(又はつり合いお
もり)を持ち上げて荷重を開放させたとき、プランジャ
7が正規の復帰位置まで異常なく復帰するか否かを確認
することにより行なわれる。
【0010】しかして、このとき、上記従来技術による
油入緩衝器1では、プランジャ7の押し下げに伴って噴
油孔10からプランジャ7の内部に作動油15が噴出し
たとき、このプランジャ7内の空気は空気孔13から大
気中に吹出されるが、このとき、プランジャ7の内部に
噴出した作動油15も、空気と一緒に空気孔13から外
部に吹出してしまう。
【0011】この結果、上記従来技術による油入緩衝器
1では、定期検査の都度、作動油15が外部に流出して
しまうので、その都度、作動油15の補充を要し、これ
を怠ると、所定の緩衝特性が得られなくなって、安全性
が損なわれてしまう虞れがあった。また、この結果、上
記従来技術による油入緩衝器1では、比較的頻繁に実行
される定期検査の都度、外部に流出した作動油の清掃を
要するこになり、保守性が著しく低下してしまうという
問題もあった。
【0012】そこで、このような油入緩衝器での作動油
の噴出を防止するため、種々の提案がなされているが、
その一例として、装置全体を密封構造に作り、油圧と空
気圧の双方により緩衝機能を得るようにするという装置
が考えられるが、この場合には、密封構造のため、工作
精度を著しく高める必要があるばかりではなく、作動時
での高圧に耐え得る構造が要求されるため、コストアッ
プが著しくなり、実用的ではない。
【0013】一方、特開昭60−148882号公報で
は、図11に示すように、プランジャ7には空気孔を設
けず、連通孔16aによりシリンダ3内に連通した油溜
室16を設け、プランジャ7が押し下げられたとき、シ
リンダ3内の作動油15の一部が油溜室16内に流入す
るようにした油入緩衝器について提案している。
【0014】また、実開昭60−137766号公報で
は、図12に示すように、空気孔18を備えた耐油性の
合成ゴムなどの弾性体からなる開閉装置17を、プラン
ジャ7の頂部にある受板8に設けた油入緩衝器について
提案している。この開閉装置17は、プランジャ7が押
し下げられ、内部の圧力が大きく上昇すると空気孔18
が閉じ、これにより作動油15が外部に吹出さないよう
にする働きをする。
【0015】さらに、実開昭61−20367号公報で
は、図13に示すように、ニードル4の頂部にロッド2
2を継ぎ足し、この上に水平部20と縁部21を有する
飛散防止体19を設けた油入緩衝器について提案してい
る。この飛散防止体19は、プランジャ7が押し下げら
れ、噴油孔10から作動油15が噴出したとき、この噴
出した作動油15を受けて跳ね返えす働きをし、且つ、
その縁部21がプランジャ7の内面との間で狭い空隙を
作り、噴出した作動油15がプランジャ7の上部に直接
達するのを妨げることにより、空気孔13からの作動油
15の吹出を抑える働きをする。
【0016】また、実開昭58−45264号公報で
は、図14に示すように、ニードル4を中空にして空気
通路23を形成させ、これを介してプランジャ7の内部
を補助タンク24に連通させ、これにより空気孔を無く
した油入緩衝器について提案している。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、定期
検査に際しての低速運転動作時と、いわゆる高速衝突速
度動作時の何れの場合でも作動油の吹出しを確実に抑え
る点、及び構造の複雑化を抑える点、さらには減速度特
性の安定性保持の点について充分な配慮がされていると
はいえず、ローコスト化と高信頼性付与の点で問題があ
った。
【0018】すなわち、上記従来技術の内、まず特開昭
60−148882号公報に開示されている技術では、
密封構造になっているため、工作精度を著しく高める必
要があるばかりではなく、作動時での高圧に耐え得る構
造が要求されるため、コストアップが著しくなってしま
うという問題があった。
【0019】次に、実開昭60−137766号公報に
開示されている技術では、いわゆる高速衝突速度での動
作はともかく、定期検査時での低速運転では、プランジ
ャ7内の空気圧力の上昇が緩やかなため、開閉装置17
による空気孔18の閉鎖が遅れ、この遅れの間に作動油
15が吹出してしまい、作動油15の吹出しを充分に抑
えられないという問題があった。
【0020】また、実開昭61−20367号公報に開
示されている技術では、たとえ飛散防止体19が存在し
たとしても、とにかく空気孔13が開いているため、ど
うしても、この空気孔13からの作動油15の吹出しを
完全に抑えることは困難で、かなりの作動油の流出を伴
ってしまうという問題があり、さらに、高速衝突速度で
の動作に際して、噴油孔10から噴出した作動油15が
飛散防止体19に衝突して逆流するため、高速衝突速度
での減速度特性が不安定になってしまうという問題もあ
った。
【0021】さらに、実開昭58−45264号公報に
開示されている技術では、緩衝動作を終った後、補助タ
ンク24内に導入されてしまった作動油は、そのままで
はシリンダ3内に戻らないため、ポンプなどによる送油
手段が必要になり、構成が複雑になる上、この送油手段
についの保守が別途必要になって、信頼性が低下してし
まうという問題があった。
【0022】本発明の目的は、どのようなときでも作動
油が吹出される虞れが無く、高い信頼性と充分な安全性
を備えながら、構造が複雑化することのないローコスト
の油入緩衝器を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、プランジャの内部から外部に向かう方向を阻止方向
とし、且つその阻止機能に所定の漏れ特性が設定された
弁装置と、シリンダの頂部近傍で該シリンダの内部に連
通した油だめ室とを設けたものである。
【0024】
【作用】弁装置は、それに設定されている漏れ特性によ
り、作動油の吹出しは阻止しながら、プランジャ内の空
気が流出するのは妨げないように働くと共に、プランジ
ャが戻るときでの内部への空気の流入抵抗を充分に少な
くするように働き、油だめ室は、プランジャ内に噴出し
た作動油の液面が弁装置に達しないように働く。
【0025】従って、どのような場合でも作動油が流出
す虞れはなくなり、高い信頼性と充分な安全性を容易に
確保することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明によるエレベーター用油入緩衝
器について、図示の実施例により詳細に説明する。図1
は、本発明の第1の実施例によるエレベーター用油入緩
衝器100を示したもので、この実施例によるエレベー
ター用油入緩衝器100でも、図示のように、ベース
2、シリンダ3、ニードル(細長円錐状部材)4、フラン
ジ5、ガイド6、プランジャ7、受板8、底部部材9、
噴油孔10、ストッパー部11、バネ12、それに空気
孔13を備えているが、これらについては、図10以降
で説明した従来技術と同じである。
【0027】シリンダ3とプランジャ7は何れも鋼管製
であるが、シリンダ3のフランジ5に取付けられるガイ
ド6は鋳鉄や砲金などで作られ、プランジャ7の動きが
充分に円滑に得られ、且つ、この部分での油漏れが充分
に抑えられるようになっている。
【0028】この図1の実施例において、25は緩衝材
で、26は開閉装置(弁装置)、27は油だめ室、そして
28は送油孔である。緩衝材25はプランジャ7の頂部
にある受板8の上に設けられたクッション材で、エレベ
ーターの乗りかご55(図6)の底部が当ったときに、傷
や凹みなどが生じないようする働きをするものである。
【0029】開閉装置26は、空気孔13に取付られた
弁装置で、図2に示すように、空気流路29と弁座部3
0とが形成されている本体部26aと、弁座部30内に
保持した鋼球26b、それに、この鋼球26bが弁座部
30内から抜け出すのを防止するストッパ26cとから
なる球弁で構成されおり、プランジャ7の内部から外部
に向かう方向を阻止方向とする一種の逆止め弁として働
くように作られているが、同時に、阻止方向、すなわ
ち、プランジャ7の内部から外部に向かっても所定の漏
れ特性を持つように作られているもので、このため、例
えば鋼球26bの表面、或いは弁座部30の表面の仕上
げ精度を下げておくなどの方法により、弁座部30に対
する鋼球26bの密封状態が不完全になるように作られ
ているものである。
【0030】油だめ室27は、シリンダ3の頂部近傍に
設けられ、同じくシリンダ3の頂部近傍に形成してある
送油孔28によりシリンダ3の内部に連通されるように
作られているものである。
【0031】次に、この実施例の動作について説明す
る。
【0032】異常時、或いは定期検査時、図6に示した
乗りかご55(又はつり合いおもり56)が最下床の正規
の停止位置を過ぎて下降し、油入緩衝器100の受板8
に緩衝材25を介して衝突したとする。
【0033】そうすると、プランジャ7が押し下げら
れ、このプランジャ7の下降に伴ってシリンダ3内の作
動油15がプランジャ7内に噴出流入し、このとき、噴
油孔10で細く絞られることによるオリフィス効果で、
プランジャ7の降下に対して強い制動力が与えられ、上
記した従来例と同様に、緩衝機能が得られる。そして、
これも上記した従来例と同様に、プランジャ7の降下に
伴い、円錐状(テーパー状)をなしているニードル4の働
きにより、噴油孔10の流路面積が減少されて行くの
で、この緩衝器1による制動力は増加されて行き、この
結果、乗りかご55の下降速度をゆっくりと遅らせ、安
全に停止させることができる。
【0034】しかして、このとき、従来例では、上記し
たように、プランジャ7内に噴出流入した作動油15が
空気孔13から外部に吹出してしまうが、この実施例で
は、開閉装置26が設けてあり、鋼球26bにより空気
孔13が塞がれているので、プランジャ7の下降に伴っ
てプランジャ7内に噴出流入した作動油15が空気孔1
3に侵入するのが阻止され、プランジャ7の外部への作
動油15の吹出しは確実に防止されることになる。
【0035】一方、このときプランジャ7内の空気は、
作動油15に比較して極端に粘性が低いから、開閉装置
26に設定してある漏れ特性により、空気孔13を通っ
て比較的容易に外部に抜け出すことができるから、開閉
装置26が設けられているにもかかわらず、内部の圧力
が上昇する虞れは全くない。
【0036】また、このとき、プランジャ7の下降に伴
って、シリンダ3内から作動油15がプランジャ7内に
流入してゆくので、この中での作動油15の液面は上昇
して行き、そのままでは、プランジャ7の下降により低
下してくる開閉装置26が作動油15に浸されてしま
い、外部に吹出してしまう虞れを生じるが、この実施例
では、送油孔28によりシリンダ3の内部に連通した油
だめ室27が設けてあるので、プランジャ7の下降につ
れて作動油15は、この油だめ室27内にも流入してゆ
くので、プランジャ7内での作動油15の油面の上昇位
置を所定の位置に抑えることができ、従って、この実施
例によれば、動作時、開閉装置26が作動油15に浸さ
れ、作動油15が外部に吹出してしまう虞れは生じな
い。
【0037】次に、この後、乗りかご55(又はつり合
いおもり)を持ち上げて荷重が除かれると、やはり上記
した従来例と同様に、全圧縮された状態にあるバネ12
の反発力により、プランジャ7は上方に押され、ストッ
パー部11がガイド6の下端部に当接する位置にまで戻
されて定常状態に復帰する。
【0038】そして、このときには、プランジャ7内の
僅かな圧力低下により、開閉装置26の鋼球26bは弁
座部30から離れ、空気孔13が開放されるので、プラ
ンジャ7の定常位置への復帰時に、内部が負圧になって
復帰動作が妨げられる虞れはない。
【0039】次に、この実施例におけるプランジャ7に
対する開閉装置26の設置位置と、油だめ室27の容積
との関係について、図3により説明する。図3におい
て、32Aは通常時(作動していないとき)での作動油1
5の油面を示し、32Bと32Cはプランジャ7が最下
部まで降下した場合に上昇してくる油面を表わし、ここ
で油面32Bは油だめ室27を設けてない場合で、油面
32Cは油だめ室27が設けてあり、ここに作動油15
が流れ込むようになっていたときの油面である。
【0040】この図3から明らかなように、もしも油だ
め室27が無いと、動作時、プランジャ7が最下部にま
で降下すると、そのときには、開閉装置26の位置は、
図に26’で示してあるように、油面32B以下になっ
てしまい、動作したときに、この開閉装置26’から作
動油15が流出してしまう虞れを生じする。
【0041】しかして、この実施例では、油だめ室27
が設けてあり、動作時、プランジャ7の下降により上昇
してくる作動油15は、この油だめ室27内にも流入し
てゆく。そこで、この実施例では、シリンダ3内に押し
込まれたプランジャ7の体積分に相当する作動油15
は、プランジャ7内に流入する分と、油だめ室27内に
流入する分とに分けられるので、油だめ室27の容積を
適当な値に定めておけば、図示のように、作動油15の
上昇分を油面32Cに抑えることができ、たとえ開閉装
置26’で示すような位置になったとしても、この開閉
装置26’から作動油15が漏れだしてしまう虞れはな
く、従って、この実施例によれば、常に確実に、作動油
15の流出を防止することができる。
【0042】次に、図4は、開閉装置26の他の一実施
例で、コイルスプリングからなる付勢装置26dを設
け、鋼球26bを弁座部30に押し付けておくようにし
たものであり、従って、この実施例によれば、開閉動作
が、さらに安定化されるという効果が得られる。
【0043】また、図5は、開閉装置26のさらに別の
一実施例で、ボール弁ではなくて、弾性体34からなる
リードを用いたリード弁で構成したものであり、この実
施例によっても、同様な効果が期待できる。
【0044】次に、本発明の他の実施例について、説明
する。まず、図7の実施例は、油だめ室17にオイルゲ
ージ35を設けたもので、このオイルゲージ35には、
プラグ36が設けてある。このような油入緩衝器では、
作動油15の分量が規定値にあることが、安全性保持の
ための大きな要素になるが、この実施例によれば、プラ
グ36を外すことにより、容易に作動油15の液面位置
を確認することができるから、保守点検が容易になり、
充分に安全性を確保することができる。
【0045】次に、図8の実施例は、油だめ室27に点
検孔37を設けたもので、この点検孔37には、密閉用
の蓋37Aが設けてある。上記したように、このような
油入緩衝器では、作動油15の分量が規定値にあること
が、安全性保持のための大きな要素になるが、この実施
例によれば、蓋37Aを外すことにより、油だめ室27
内の点検が容易に行なえるから、作動油15の液面位置
や、油の状態を点検することができ、その補給を行なう
ことができるから、保守点検が容易で、充分に安全性を
確保することができる。
【0046】さらに、図9は、本発明の他の一実施例に
よる油入緩衝器100を示したもので、主要部は開閉装
置26と油だめ室27も含めて、図1の実施例と同じで
あるが、この図9の実施例では、さらに、ガイド6の内
側と外側に空間38A、38Bと、これらの空間38
A、38B間を連通させるための貫通孔39が形成して
あり、さらに、プランジャ7に、その内部を空間38A
に連通する孔40が、そして、シリンダ3と油だめ室2
7に、この油だめ室27の内部を空間38Bに連通させ
るための孔41が、それぞれ形成してある。
【0047】従って、この図9の実施例では、プランジ
ャ7が最上昇位置にあるとき、つまり、定常時、及び最
上昇位置近傍にあるときには、油だめ室27の内部が、
孔41から、空間38B、貫通孔39、空間38A、そ
れに孔40を介して、プランジャ7の内部に連通される
ように構成されていることになる。
【0048】この油入緩衝器100では、点検時などに
おいて、プランジャ7が最下降位置にまで押し込まれた
後、荷重が除かれると、バネ12によりプランジャ7が
上昇して復帰位置に戻り始めるが、これに伴い、バネ1
2による復帰力は弱くなって行く。しかして、この実施
例では、プランジャ7が上昇して最上昇位置の近傍に達
すると、上記したように、油だめ室27内の上側がプラ
ンジャ7の内部に連通されるので、これらの内部は同じ
圧力になり、従って、この実施例によれば、プランジャ
7の復帰動作が短時間で完全に行なえるという効果があ
る。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、エレベーターの衝突速
度のいかんに係わらず、常に確実に作動油の噴出を防止
することができるから、保守点検作業が容易になり、且
つ、定期点検時などでの作動油補給の必要性を無くすこ
とができるので、信頼性低下の虞れがなく、常に確実に
安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエレベーター用油入緩衝器の一実
施例を示す断面図である。
【図2】本発明における開閉装置の一実施例を示す断面
図である。
【図3】本発明の一実施例の動作を説明するための断面
図である。
【図4】本発明における開閉装置の他の一実施例を示す
断面図である。
【図5】本発明における開閉装置のさらに別の一実施例
を示す断面図である。
【図6】本発明によるエレベーター用油入緩衝器の適用
対象となるエレベーターの一例を示す説明図である。
【図7】本発明によるエレベーター用油入緩衝器の他の
一実施例を示す断面図である。
【図8】本発明によるエレベーター用油入緩衝器の別の
一実施例を示す断面図である。
【図9】本発明によるエレベーター用油入緩衝器のさら
に別の一実施例を示す断面図である。
【図10】エレベーター用油入緩衝器の第1の従来例を
示す断面図である。
【図11】エレベーター用油入緩衝器の第2の従来例を
示す断面図である。
【図12】エレベーター用油入緩衝器の第3の従来例を
示す断面図である。
【図13】エレベーター用油入緩衝器の第4の従来例を
示す断面図である。
【図14】エレベーター用油入緩衝器の第5の従来例を
示す断面図である。
【符号の説明】
100 油入緩衝器 2 ベース 3 シリンダ 4 ニードル 5 フランジ 6 ガイド 7 プランジャ 8 受板 9 底部部材 10 噴油孔 11 ストッパー部 12 バネ 13 空気孔 15 作動油 25 緩衝材 26 開閉装置 27 油だめ室 28 送油孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 悟 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 勝田 勝義 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直に設置した円筒状部材の内部に作動
    油を満たしシリンダと、このシリンダ内に頂部から挿入
    可能に保持された円筒状部材からなるプランジャと、こ
    のプランジャの底部を塞ぐ底部部材と、この底部部材に
    形成された噴油孔と、該噴油孔に先端部が挿入されるよ
    うにして上記シリンダの底部に垂直に取付けられた細長
    円錐状部材と、上記シリンダの底部と上記底部部材の間
    に挿入されたスプリングと、上記プランジャの内部を外
    部に連通する貫通孔とを備えたエレベーター用油入緩衝
    器において、上記プランジャの内部から外部に向かう方
    向を阻止方向とする弁装置を上記貫通孔に設けると共
    に、上記シリンダの頂部近傍で該シリンダの内部に連通
    した油だめ室を設け、上記弁装置による阻止機能に所定
    の漏れ特性が設定されるように構成したことを特徴とす
    るエレベーター用油入緩衝器。
  2. 【請求項2】 請求項1の発明において、上記弁装置が
    球弁で構成されていることを特徴とするエレベーター用
    油入緩衝器。
  3. 【請求項3】 請求項2の発明において、上記球弁が付
    勢ばねを備え、該付勢ばねにより阻止位置に保持される
    ように構成されていることを特徴とするエレベーター用
    油入緩衝器。
  4. 【請求項4】 請求項1の発明において、上記弁装置が
    弾性体のリードを用いたリード弁で構成されていること
    を特徴とするエレベーター用油入緩衝器。
  5. 【請求項5】 請求項1の発明において、上記油だめ室
    に油面位置点検用のゲージが設けられていることを特徴
    とするエレベーター用油入緩衝器。
  6. 【請求項6】 請求項1の発明において、上記油だめ室
    の頂部に密閉蓋を有する点検孔が設けられていることを
    特徴とするエレベーター用油入緩衝器。
  7. 【請求項7】 請求項1の発明において、上記プランジ
    ャが最下降位置に移動したとき該プランジャ内での油面
    が上記貫通孔の設置位置に達しないように、上記油溜め
    室の容積が定められていることを特徴とするエレベータ
    ー用油入緩衝器。
  8. 【請求項8】 請求項1の発明において、上記油だめ室
    が、その底部と頂部の近傍の2個所に貫通孔を備え、底
    部の近傍にある貫通孔により上記シリンダの内部に連通
    するように構成されていると共に、上記プランジャが底
    部の近傍に貫通孔を備え、該プランジャが最上昇位置か
    ら所定位置に下降するまでの間、上記油だめ室の頂部の
    近傍の貫通孔と上記プランジャの底部近傍の貫通孔とを
    介して上記油だめ室の内部に上記プランジャの内部が連
    通されるように、上記シリンダに上記プランジャが挿入
    される部分に設けられているガイド部材が構成されてい
    ることを特徴とするエレベーター用油入緩衝器。
JP8644293A 1993-04-13 1993-04-13 エレベーター用油入緩衝器 Pending JPH06298470A (ja)

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