JPH06296962A - 浄水処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水道水中のゴミの量、カルキ臭の強さのよう
に、個々の水道水の状態の違いや、カルキ臭を極力少な
くしたい等の使用者の好みの違いに対応する。 【構成】 本体ケース１及び上部ケース３よりなる処理
装置本体は、３個の同一形状のカートリッジ５〜７が着
脱可能に収納され得る。これらのカートリッジは、供給
された水道水が直列に流れるように、互いに結合され
る。カートリッジには、活性炭または中空糸膜等の濾過
材が内蔵されている。個々の水道水の状態等に応じて、
適宜の濾過材が内蔵されたカートリッジを適宜の順序で
処理装置本体に収納できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、水道水を浄化する浄
水処理装置、特に家庭用の浄水処理装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】近年、河川や湖沼等の水道水源の水質の
低下により、有機物やアンモニア性窒素等の除去、消
毒、殺菌のために使用される塩素の量が増加し、このた
め水道水のカルキ臭が強くなっている。また、水質の富
栄養化により藻類が発生し、これによるカビ臭も悪化し
ている。このような水道水のカルキ臭やカビ臭は都市及
びその周辺において顕著である。上記のような状況を背
景として、水道水の不快、有害な異臭、異物を取り除く
ための浄水処理装置が一般家庭においても広く普及する
ようになってきている。

【０００３】前記浄水処理装置は活性炭と中空糸膜フィ
ルターを使用したものが多く、活性炭として用いられる
植物質活性炭や石灰質活性炭により水道水中の臭気物質
及び有機物質を吸着して除去した後、0.1μm程度の微細
孔を有する中空糸膜フィルターにより濾過されるように
なっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、濾過部に濾
過材として使用されている活性炭及び中空糸膜は、活性
炭がその多孔性細孔構造により残留塩素や比較的小さな
臭気物質等の有機物を吸着除去しているのに対し、中空
糸膜は比較的大きな有機物、雑菌、水道管中に発生した
サビなどを濾過して除去することを目的として用いられ
ている。現状では、上記のようにその働きの異なる異種
の濾過材を一つの濾過部としてカートリッジ化してい
る。このため、使用者が濾過材の種類や量を選択するこ
とができず、例えば水道水中のゴミの量、カルキ臭の強
さのように、個々の水道水の状態の違いや、カルキ臭を
極力少なくしたい等の使用者の好みの違いに充分に対応
することができなかった。

【０００５】この発明は上記した欠点を除去するもので
あり、個々の水道水の状態の違い及び使用者の好みの違
いに充分に対応することができる浄水処理装置を提供す
ることを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの、この発明の浄水処理装置は、活性炭または中空糸
膜等の濾過材を内蔵したカートリッジを用い、水道水を
濾過するようにした浄水処理装置において、この浄水処
理装置の処理装置本体は、複数の所定数の、実質的に同
一形状のカートリッジが着脱可能に収納され得る構造に
なっていて、収納された所定数のカートリッジは、供給
された水道水が直列に流れるように、互いに結合される
ように構成したことを特徴とするものである。また、前
記同一形状のカートリッジは個々に入水口及び出水口を
有し、入水口側には前記処理装置本体の入水路または他
のカートリッジの出水口との連結構造を、また出水口側
には処理装置本体の出水路または他のカートリッジの入
水口との連結構造を備えてもよい。

【０００７】

【作用】上記したように構成された浄水処理装置では、
内蔵された濾過材の種類等がそれぞれ異なるカートリッ
ジ、または同一の濾過材が内蔵されたカートリッジ等を
適宜に選択して、しかも適宜の順序に収納することがで
き、従って個々の水道水の状態の違い及び使用者の好み
の違い等に充分対応することができる。

【０００８】

【実施例】以下に、この発明の一実施例を図１について
説明する。図１は浄水処理装置の概略を示す断面図であ
る。この図において、１はほぼ円筒形の本体ケースであ
り、入水管２が配設され、水道蛇口（図示せず）に連結
される。又、上部ケース３には、出水管４が回転自在に
配設されている。本体ケース１及び上部ケース３より成
る外装内には、濾過材が内蔵されている同一形状のカー
トリッジ５〜７が複数個（図中３個）収納されており、
それぞれに入水口８及び出水口９を有している。この入
水口８には本体ケース１の入水路１０または他のカート
リッジの出水口９とパッキン１１を介してネジ等の連結
構造により結合されるようになっている。水道水は入水
管２を通り、第１のカートリッジ５から第３のカートリ
ッジ７まで通過して浄化された後、出水管４へ至る。前
記第１のカートリッジ５には濾過材として粗い粒状活性
炭が、第２のカートリッジ６は細かい粒状活性炭が、ま
た第３のカートリッジ７には中空糸膜が内蔵されてい
る。

【０００９】どのような濾過材が内蔵されているカート
リッジをどのような順序に収納するかは、個々の水道水
の状態の違い及び使用者の好みの違い等により適宜に選
択することができるが、一般的には第１のカートリッジ
５から第３のカートリッジ７へ向かって粗から密の方向
に濾過材を選択すれば良く、異物や異臭除去を目的とし
た場合には前記のような組合せを選択できる。

【００１０】ちなみに、個々の水道水の状態の違いは、
原水が河川か、湖沼か、地下水か、浄水処理法が沈
澱処理法か、薬品法か、蛇口までの経路にマンション
等の高置水槽が介在しているか、その経路の水道管の材
質は何か、この水道管が径時変化しているか、等により
生じるものである。そして、カートリッジとしては、不
織布等を内蔵した開口率の高いプレフィルターから、微
細孔中空糸膜を内蔵したものまで考えられ、活性炭を内
蔵したものでは、粒径の大小から繊維状活性炭まで選択
幅を持たせることが考えられる。

【００１１】このようなカートリッジの使用形態として
は次のようなことも考えられる。水道管中の赤サビや高
置水槽よりの藻類の混入が見られる状況下では、前記プ
レフィルターを入水側の第１のカートリッジとして配設
することにより、第２、第３のカートリッジの濾過材の
早期能力変化を防止でき、この第１のカートリッジのみ
を早いサイクルで交換すれば、他のカートリッジの濾過
材の能力を充分に発揮させられる。また、カルキ臭やカ
ビ臭の強い状況下では、第１のカートリッジから第３の
カートリッジまで全て、粒径又は形状（密度）の異なる
活性炭の内蔵されたものを用いることにより、充分な脱
臭能力を発揮させられる。

【００１２】上記実施例では、全てのカートリッジに濾
過材を内蔵させたものついて説明したが、濾過材の内蔵
されていないダミーのカートリッジをも用意し、水道水
の汚染が少ない場合には、処理装置本体に収納される複
数のカートリッジの内、幾つかをダミーのカートリッジ
にしてもよい。また、不織布を用いたプレフィルター
や、中空糸膜フィルターを内蔵したカートリッジは、ケ
ースを透明にすることで交換時期の目安を把握し易くす
ることもできる。その他、この浄水処理装置では、将来
新たな濾過材が実用化されたときの、この濾過材の使用
にも対応できる。

【００１３】

【発明の効果】上記のように構成した浄水処理装置は、
使用者の目的や供給水の状態に合せた浄水能力の設定が
容易かつ安価にでき、異種濾材のそれぞれの性能を充分
に活用した使用が可能になり、濾過能力が劣化していな
い濾過材を交換してしまうというような無駄を生ずるこ
とが少なくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す概略断面図である。

【符号の説明】

１ 本体ケース ２ 入水管 ３ 上部ケース ４ 出水管 ５，６，７ カートリッジ ８ 入水口 ９ 出水口 １０ 入水路 １１ パッキン

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 活性炭または中空糸膜等の濾過材を内蔵
   したカートリッジを用い、水道水を濾過するようにした
   浄水処理装置において、 この浄水処理装置の処理装置本体は、複数の所定数の、
   実質的に同一形状のカートリッジが着脱可能に収納され
   得る構造になっていて、 収納された所定数のカートリッジは、供給された水道水
   が直列に流れるように、互いに結合されるように構成し
   たことを特徴とする浄水処理装置。
2. 【請求項２】 前記同一形状のカートリッジは個々に入
   水口及び出水口を有し、入水口側には前記処理装置本体
   の入水路または他のカートリッジの出水口との連結構造
   を、また出水口側には処理装置本体の出水路または他の
   カートリッジの入水口との連結構造を備えたことを特徴
   とする請求項１記載の浄水処理装置。