JPH06292485A - 遺伝子導入糖尿病モデル動物 - Google Patents

遺伝子導入糖尿病モデル動物

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JPH06292485A
JPH06292485A JP5079221A JP7922193A JPH06292485A JP H06292485 A JPH06292485 A JP H06292485A JP 5079221 A JP5079221 A JP 5079221A JP 7922193 A JP7922193 A JP 7922193A JP H06292485 A JPH06292485 A JP H06292485A
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JP
Japan
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glucokinase
cells
blood glucose
antisense
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Junichi Miyazaki
純一 宮崎
Hochi Oka
芳知 岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】遺伝的に高血糖あるいは糖尿病を呈する疾患モ
デル動物を提供する。 【構成】アンチセンス・グルコキナーゼ遺伝子を染色体
に安定に取り込んだ糖尿病モデルマウス。 【効果】血糖値維持機構の解析や抗糖尿病薬の開発に有
用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、糖尿病の遺伝形質を
有するヒト疾患モデル動物に関するものである。さらに
詳しくは、この発明は、血糖上昇に関与する遺伝子、例
えばアンチセンス・グルコキナーゼ遺伝子を哺乳動物の
分化全能性を有する細胞内、例えば受精卵に導入してな
る、糖尿病発症機構の研究、糖尿病の治療法、治療薬の
開発に有用な、ヒト疾患モデル動物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決すべき課題】ヒト疾患の
原因解明、診断ならびに予防、治療技術の開発にあたっ
ては、実験動物を用いた実験系が重要な役割を果たして
いる。このため、ヒト疾患に類似した特定の異常を先天
的、遺伝的に有し、高率でその症状を発生する疾患モデ
ル動物の開発が医学研究分野における重要課題となって
いる。従来、このような疾患モデル動物は、飼育中に偶
然に得られるか、人工的に突然変異を誘発することによ
り得られるかしたものである。しかしながら、このよう
な方法では、望ましい形質をもつ疾患モデル動物は非常
に低い確率でしか得ることはできない。一方、近年の分
子生物学、遺伝子工学技術の発達により、人為的に生物
の遺伝子の発現を制御することが可能になってきた。今
日では高等生物に対しても、形質の改変が可能になって
きている。たとえば、外来性遺伝子DNAを染色体の一
部に安定に組み込んだ遺伝子導入(トランスジェニッ
ク)動物がガードンらにより報告〔プロシージングス・
オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA)77巻、7380頁、1980年〕されて
以来、種々の遺伝子導入動物が報告されている。これら
の遺伝子導入動物は、動物の全能性細胞(受精卵、初期
胚、胚幹細胞)に外来遺伝子DNAを導入し、それを仮
親の卵管または子宮に戻し、発生を継続させることによ
り産出されたものである。このようにして得られた遺伝
子導入動物は、外来遺伝子を子孫にも伝達するので、形
質改良動物としても有用である。この場合、外来遺伝子
は付加的に発現することになるが、外来遺伝子が内在性
遺伝子の作るRNAに相補的なアンチセンスRNAを発
現するようにさせることにより、内在性遺伝子の働きを
抑制することも可能である〔Katsuki et al.,サイエン
ス(Science) 241巻,593頁,1988年〕。
【0003】今日、食生活や生活環境の変化に伴い、日
本においても糖尿病患者は増加傾向にあり、糖尿病の病
態の解明、治療法の改良は医学において更に重要なテー
マとなってきている。糖尿病は、インスリン依存型(I
DDM,I型)とインスリン非依存型(NIDDM,II
型)に分けられる。IDDMは、ウィルス感染などが引
き金となって膵β細胞が自己免疫反応によって破壊され
ることにより発症する。しかし、糖尿病の大多数を占め
るものはNIDDMで、末梢におけるインスリン抵抗性
とβ細胞からのインスリン分泌不全がその発症に関与す
ると考えられている。膵島β細胞は、血糖調節におい
て、唯一の血糖低下ホルモンであるインスリンを分泌す
るが、その生理機能がいかなる環境のもとに支配・調節
されているのか、まだ十分解明されていない。そこで血
糖を上昇させる因子をコードする遺伝子を組み込んだ遺
伝子導入動物が、糖尿病の遺伝形質を有するヒト疾患モ
デル動物として有用であると考えられる。この血糖を上
昇させる因子としては、インスリン分泌を抑制するソマ
トスタチン、ガラニン、インターロイキン−1(IL−
1)などのペプチドホルモンやサイトカインをコードす
る遺伝子が挙げられる。また膵β細胞内でインスリン分
泌刺激シグナルの伝達に関与する蛋白性因子をコードす
る遺伝子の活性を抑制するアンチセンス遺伝子なども挙
げられる。さらに、インスリン作用を抑制するアンチセ
ンス・インスリンレセプター遺伝子や、異常インスリン
レセプターをコードする遺伝子なども挙げられる。
【0004】この血糖値の調節因子については、種々研
究がなされているが、最近、膵島β細胞に特異的なグル
コキナーゼが発現しており、それが血糖値の感知に重要
な役割を果たしていることが示唆されている。したがっ
て、β細胞のグルコキナーゼの発現制御は生体の恒常性
維持に重要であるだけでなく、II型糖尿病の成因とも深
く関係していると考えられている。実際、若年発症イン
スリン非依存型糖尿病(MODY)の家系で、発症とグル
コキナーゼ遺伝子に見出される変異が相関することが示
された。さらに本発明者らは、日本人の成人発症インス
リン非依存型糖尿病の多発家系にグルコキナーゼ遺伝子
変異を見出した〔ランセット(Lancet)340巻,1316
頁,1992年〕。報告されている患者はすべて、遺伝子の
片方に変異をもつヘテロの状態であることから、グルコ
キナーゼの活性が膵β細胞で半減することにより、血糖
が上昇することを示唆している。さらに重要なことは、
グルコキナーゼ遺伝子異常の患者では、糖負荷試験での
インスリン初期分泌反応が障害を受けていることであ
り、このインスリン初期分泌反応の低下は日本のインス
リン非依存型糖尿病患者のほぼすべてに見出される。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の糖尿病に関するこ
れまでの研究の結果、動物においてグルコキナーゼの活
性が低下することにより、日本のインスリン非依存型糖
尿病患者の大多数と同様のインスリン分泌障害をきたす
と考えられる。しかしながら、これまでグルコキナーゼ
活性の低下を示した実験動物モデルは得られておらず、
グルコキナーゼ活性と糖尿病発症の関係は明らかではな
かった。そこで、本発明者らは血糖上昇に関与する遺伝
子を導入することにより、例えば膵β細胞におけるグル
コキナーゼ活性を特異的に抑制する遺伝子を導入するこ
とにより、糖尿病発症モデル動物、例えばマウスを作製
することを考え、そのために、グルコキナーゼのアンチ
センスRNAを膵β細胞で発現する遺伝子導入動物を作
製することによってその目的を達成したものである。す
なわち本発明は(1)遺伝子産物(RNAを含む)が血
糖上昇に関与する遺伝子を、分化全能性を有する細胞内
に導入してなる遺伝子導入哺乳動物,(2)血糖上昇に
関与する遺伝子が、グルコキナーゼ活性を抑制する遺伝
子である上記(1)記載の遺伝子導入哺乳動物,(3)
グルコキナーゼが膵β細胞に特異的なものである、上記
(2)記載の遺伝子導入哺乳動物,(4)グルコキナー
ゼを抑制する遺伝子がアンチセンス・グルコキナーゼ遺
伝子である上記(2)または(3)記載の遺伝子導入哺
乳動物,(5)アンチセンス・グルコキナーゼ遺伝子
が、内在性グルコキナーゼ遺伝子の発現している組織ま
たは細胞で特異的にあるいは非特異的に働くプロモータ
ーまたはエンハンサー/プロモーターを有している上記
(4)記載の遺伝子導入哺乳動物,および(6)膵β細
胞で特異的にあるいは非特異的に働くプロモーターまた
はエンハンサー/プロモーターを有している遺伝子がア
ンチセンス・グルコキナーゼ遺伝子である上記(5)記
載の遺伝子導入哺乳動物に関するものである。
【0006】ここで分化全能性を有する細胞とは、どの
ような組織にも分化し得る能力を有する細胞のことで、
これらの具体例としては前述のように受精卵、初期胚、
胚幹細胞等が挙げられる。血糖上昇に関与する遺伝子と
しては、血糖値を上昇させる因子をコードする遺伝子の
他、血糖値を下げる因子の活性を低下させる遺伝子を挙
げることができ、血糖値を下げる因子としては先に挙げ
た膵島β細胞に特異的なグルコキナーゼ等が挙げられ
る。このグルコキナーゼ活性を抑制する遺伝子として、
アンチセンス・グルコキナーゼ遺伝子が挙げられる。そ
の他、血糖上昇に関与する遺伝子としては、インスリン
分泌を抑制するソマトスタチン、ガラニン、インターロ
イキン−1(IL−1)などのペプチドホルモンやサイ
トカインをコードする遺伝子が挙げられる。また膵β細
胞内でインスリン分泌刺激シグナルの伝達に関与する蛋
白性因子をコードする遺伝子の活性を抑制するアンチセ
ンス遺伝子なども挙げられる。さらに、インスリン作用
を抑制するアンチセンス・インスリンレセプター遺伝子
や、異常インスリンレセプターをコードする遺伝子など
も挙げられる。アンチセンス、グルコキナーゼ遺伝子は
内在性グルコキナーゼ遺伝子の作るRNAに相補的なア
ンチセンスRNAを発現するような遺伝子をいい、グル
コキナーゼcDNA或いはその断片をプロモーターの下
流に逆向きに組み込むことでその目的は達成される。グ
ルコキナーゼcDNAとしてはマウス、ラット、モルモ
ット、ヒト等から得られるcDNAライブラリーから分
離されたものや、PCR法で増幅して得られたものや、
合成あるいは半合成のものが用いられ、例えばマウスβ
細胞由来グルコキナーゼcDNAがその例として挙げら
れる。該cDNA断片は、グルコキナーゼの一部に相補
的なRNAを発現し、その活性を減少させ得る長さであ
ればどの部分の断片であってもよい。
【0007】本発明の遺伝子産物が血糖上昇に関与する
遺伝子は、必要な調節配列、プロモーター、エンハンサ
ーを備えていることが必要で、遺伝子を転写し、その結
果RNAが産生されるものを指す。これら遺伝子のプロ
モーター、エンハンサーとしてはグルコキナーゼ遺伝子
が本来もつプロモーター、エンハンサーでもよいし、通
常は別の遺伝子の発現を操作する異種プロモーター、異
種エンハンサーを用いることもできる。これらの具体例
としてはインスリンプロモーター/エンハンサー、アミ
リンプロモーター/エンハンサー、β−アクチンプロモ
ーター/エンハンサーなどが挙げられる。内在性遺伝子
の発現している組織または細胞、例えば膵島β細胞内
で、同所的に働くプロモーター、あるいは必要に応じて
さらにエンハンサーを有することが好ましく、インスリ
ンプロモーターがその例としてあげられる。
【0008】本発明の遺伝子を導入する哺乳動物として
はマウス、ラット、モルモット、ウサギ、ヤギ等が挙げ
られるが、その育成、取扱い上の容易性、経済性、効率
等からマウスが好ましく用いられる。遺伝子の導入法と
しては、電気穿孔法、リポソーム法、リン酸カルシウム
法等が利用できるが、受精卵へのDNAのマイクロイン
ジェクション法等による物理的注入が好ましい。DNA
注入細胞は仮親の卵管に移植し、個体まで発生した動物
の尾部先端を切断し、体細胞中のDNAを抽出してサザ
ンブロット分析により導入遺伝子の存在を確認する。目
的遺伝子の組込が確認された個体は交配によって該遺伝
子を子孫に伝えることができる。これらの哺乳動物の随
時血糖値は正常値160〜200mg/dlに比して2
0mg/dl以上高値を示すものが有効とみなされる。
そのうち、30〜100mg/dlの範囲で上昇したも
のが好ましい。
【0009】本発明明細書および図面において、塩基を
略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commision o
n Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該
分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下
記する。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA:相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA:メッセンジャーリボ核酸 なお、本発明のアンチセンス・グルコキナーゼ遺伝子に
おいては、それによって得られるアンチセンスRNAが
内在性グルコキナーゼ遺伝子により作られるRNAと会
合し得る範囲内で塩基配列の一部が修飾(付加、除去、
その他の塩基への置換など)されていてもよい。
【0010】
【実施例】以下の実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
後述の実施例で得られた形質転換体エシェリキア・コリ
(Escherichia coli)HB101 IGA−3 株は平
成5年3月25日に通商産業省工業技術院生命工学工業
技術研究所(FRI)に受託番号FERM P−135
53として寄託されている。 実施例1 導入遺伝子の調製 約1.9kbのBamHI-NcoI・ヒトインスリンプロモーター〔S
arvetnick et al., セル(Cell), 52巻,773頁,1988
年〕の末端をリンカーを用いて、各々SphI,BamHIとし
たものをcDNA発現用ベクターpKCR3〔Landais et a
l., ジャーナル・オブ・イムノロジー(J.Immunol.) 1
37巻,3002頁,1986年)のSphI-BamHI領域と置き換え
た。マウスグルコキナーゼcDNA断片は、マウスβ細
胞株MIN6(Miyazaki et al., エンドクリノロジー
(Endocrinology) 127巻、126頁、1990年)から作製し
たcDNAライブラリーからPCR法(Polymerase Chai
n Reaction)で第405塩基から第687塩基までの283bpを増
幅して得られた。用いたオリゴヌクレオチドプライマー
は、その中にEcoRI 認識配列を形成するように修飾した
以下のものを用いた。 5'TGGGCGAATTCTACTTTGGA3', 5'TCTGAGAATTCTGGGGTGGA
3' 得られたPCR産物をEcoRI で消化後、上述の発現ベク
ターのインスリンプロモーター下流のウサギβグロビン
遺伝子配列のEcoRI サイトに逆向きに導入した。なお、
組み込まれたグルコキナーゼcDNAの塩基配列は既に
発表されているものと一致していた〔Hughes et al.,
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.
Biol.Chem.) 266巻,4521頁,1991年〕。この配列に
は、翻訳開始のATG配列が含まれる。該プラスミドを
大腸菌(E. coli) HB101株に導入して、形質転換
体E. coli HB101 IGA−3(FERM
P−13553)を得た。マウスの受精卵に導入するア
ンチセンス・グルコキナーゼ遺伝子には、このプラスミ
ドをSphI とXhoI で切り出した約3.3kbの直鎖状DNA
断片を用いた。この導入遺伝子(トランスジーン)は、
図1に示すように、ヒトインスリンプロモーターの3’
端にウサギβグロビン遺伝子の第2エクソン・イントロ
ン、第3エクソンの一部を含むBamHI -EcoRI 断片(640
bp)、マウスβ細胞由来グルコキナーゼcDNAの5'側
約270塩基対(逆向き)、ウサギβグロビン遺伝子のポ
リAシグナルを含むEcoRI -BglII 断片(523bp)を結合
したものである。
【0011】実施例2:遺伝子導入動物の作製 実施例1で得たアンチセンス・グルコキナーゼ遺伝子を
導入したトランスジェニックマウスを以下のようにして
作製した。交尾翌日の受精卵を雌マウスの卵管より採取
し、細いガラスピペットを用いて上記DNA溶液(5μg
/ml)を受精卵の雄性前核に注入した。これらの受精卵を
偽妊娠雌マウスの卵管に15〜30個移植し、約20日
後に自然分娩または帝王切開により出生させた。生まれ
た40匹のマウスを飼育し、4週齢で尾部の一部からD
NAを抽出し、サザーンブロット法により、導入遺伝子
DNAの存在を検索した。その結果、14匹がトランス
ジェニックマウスであることが確認された。
【0012】実施例3:トランスジェニックマウスの血
糖値の解析 これら初代トランスジェニックマウスを飼育し、5週齢
以後、1週おきに随時血糖を尾部から採血して、血糖測
定器(アントセンス:マイルス三共)を用いて測定し
た。その結果、導入DNAのコピー数の多いマウスで
は、導入遺伝子をもたないマウスに比べ、有意に血糖が
高いことが示された。高い血糖値を示したトランスジェ
ニックマウスのうち、2系統(#15と#38)を繁殖させ
て、第2世代(F1)マウスを得た。このうち、雄のト
ランスジェニックマウス〔●(9匹),■(5匹)〕、
トランスジーンをもたないコントロール雄マウス〔○
(9匹),□(5匹)〕の血糖値を調べた。その結果、
餌を与えたとき、2時間あるいは4時間餌を与えないで
おいたときの各々で、トランスジェニックマウスの方が
20〜30 mg/dl,30〜50 mg/dl,60 mg/dl高い血糖値を示
した(図2)。この結果は、アンチセンス・グルコキナ
ーゼ遺伝子導入トランスジェニックマウスは遺伝的に血
糖が高くセットされていることを示している。
【0013】
【発明の効果】本発明により、血糖上昇に関与する遺伝
子を分化全能性を有する細胞に導入して遺伝子導入哺乳
動物が作製され、特にアンチセンス・グルコキナーゼ遺
伝子を染色体に安定に取り込み、遺伝的に高血糖あるい
は糖尿病を呈する疾患モデル動物が提供される。この糖
尿病発症モデルマウスは、日本のインスリン非依存型糖
尿病患者の大多数と同様のインスリン初期分泌障害特性
を有すると考えられる点でも、きわめて優れた疾患モデ
ル動物である。したがって、このマウスは、血糖値維持
機構の解析や抗糖尿病薬の開発に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】トランスジェニックマウス作製に用いたアンチ
センス・グルコキナーゼ遺伝子の構造を示す。
【図2】アンチセンス・グルコキナーゼ遺伝子を導入し
た2系統(#15と#38)のトランスジェニックマウスの第2
世代(F1)の雄のトランスジェニックマウス(T
G)、トランスジーンをもたないコントロール雄マウス
(LM)の血糖を調べたものである。餌を与えたとき、
2時間あるいは4時間餌を与えないでおいたときの各々
で、血糖をアントセンス(マイルス三共)を用いて測定
した。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血糖上昇に関与する遺伝子を、分化全能性
    を有する細胞内に導入してなる遺伝子導入哺乳動物。
  2. 【請求項2】血糖上昇に関与する遺伝子が、グルコキナ
    ーゼ活性を抑制する遺伝子である請求項1記載の遺伝子
    導入哺乳動物。
  3. 【請求項3】グルコキナーゼが膵β細胞に特異的なもの
    である、請求項2記載の遺伝子導入哺乳動物。
  4. 【請求項4】遺伝子がアンチセンス・グルコキナーゼ遺
    伝子である請求項2または3記載の遺伝子導入哺乳動
    物。
  5. 【請求項5】アンチセンス・グルコキナーゼ遺伝子が、
    内在性グルコキナーゼ遺伝子の発現している組織または
    細胞で働くプロモーターまたはエンハンサー/プロモー
    ターを有している請求項4記載の遺伝子導入哺乳動物。
  6. 【請求項6】膵β細胞で働くプロモーターまたはエンハ
    ンサー/プロモーターを有している請求項5記載の遺伝
    子導入哺乳動物。
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