JPH06290895A - 表面から電荷を除去する装置 - Google Patents

表面から電荷を除去する装置

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JPH06290895A
JPH06290895A JP2144494A JP2144494A JPH06290895A JP H06290895 A JPH06290895 A JP H06290895A JP 2144494 A JP2144494 A JP 2144494A JP 2144494 A JP2144494 A JP 2144494A JP H06290895 A JPH06290895 A JP H06290895A
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fibers
pultruded
brush
contact
conductive fibers
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JP2144494A
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English (en)
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Joseph A Swift
エイ.スウィフト ジョゼフ
Thomas E Orlowski
イー.オルラウスキ トーマス
Stanley J Wallace
ジェイ.ウォレス スタンレー
Wilbur M Peck
エム.ペック ウィルバー
John E Courtney
イー.コートニイ ジョン
David E Rollins
イー.ロリンズ デイヴィッド
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Xerox Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】コピー用紙等の支持体表面から電荷を除去する
装置を提供する。 【構成】表面から電荷を除去する装置は、ポリマーマト
リックス内に提供された複数の導電繊維を含む非金属性
の引抜き成形複合部材を含み、複数の導電繊維はポリマ
ーマトリックス内に引抜き成形複合部材の長手方向に配
向され且つポリマーマトリックスを通って連続的に延
び、前記引抜き成形複合部材は少なくとも一つの小繊維
化された端部を有し、該端部は前記表面との接触用の複
数の導電繊維の露出長により形成される密に配置される
フィラメント接点のブラシ状構造を含む。さらに引抜き
成形複合部材を保持し、複数の導電繊維と電気的に接続
し、そこから電荷を通過させる手段を含むベース部材と
を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、概して、電流を導通す
るコネクター、スイッチ及びセンサー等の電子部品に関
する。また、本発明は概して表面に蓄積された静電荷を
中和、除去するための装置に関する。
【0002】特に、本発明は、上記電子部品及び静電気
除去装置を適正な動作のために必要とする種々のタイプ
の機器及び他の用途に有用である電子部品及び静電気除
去装置に関する。具体的には、本発明の電子部品及び静
電気除去装置は各々、ポリマーマトリックス内に概して
円形の小さな断面の導電繊維を複数有する引抜き成形複
合部材を具備し、これらの繊維はこのポリマーマトリッ
クス内で、該部材の軸方向に平行に配向され、かつ、複
合部材の一端から他端に連続しており、該部材の一端が
小繊維にばらけたブラシ状の構造をしている。ここで記
述する電子部品はとりわけ、現在のデジタル及びアナロ
グ信号処理の実践により代表される低エネルギーの電子
的/ミクロ電子的信号レベル回路に適するものであり、
一方以下に述べる静電気除去装置はコピー用紙等の誘電
体物質から蓄積された静電荷を除去又は中和するよう理
想的に設計される。このような電子部品及び装置を用い
る典型的な装置の種類としては静電写真印刷装置があ
る。
【0003】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】現在、一
般に使用される静電写真印刷装置では、通常、感光性絶
縁部材は一様の電圧に帯電され、その後、複写すべき原
稿文書の光画像に露光される。この露光により、露光領
域又は背景領域で感光性絶縁表面を放電させ、原稿文書
内に含まれる画像に対応する静電潜像を該部材上に形成
する。或るいは、光ビームを変調し、これを用いて帯電
された感光面領域を選択的に放電させ、感光体上に所望
の情報を記録してもよい。一般的に、このようなシステ
ムはレーザービームを使用する。次いで、感光性絶縁表
面上の静電潜像はこの技術分野ではトナーと呼ばれる現
像粉により画像を現像することにより可視化される。大
抵の現像システムは荷電されたキャリア粒子と摩擦電気
により該キャリア粒子に付着している荷電されたトナー
粒子の両者を含む現像剤を使用する。現像に際して、感
光体絶縁領域の画像領域の荷電パターンがキャリア粒子
からトナー粒子を引き寄せ、感光体領域上に粒子画像を
形成する。次いでこのトナー画像はコピー用紙等の静電
写真印刷装置内で搬送される担持体表面に転写される。
このトナー画像は加熱または加圧によりコピー用紙に恒
久的に固定される。
【0004】このような静電写真印刷装置の商業的使用
では感光体は原稿からの高速複数コピーを可能にするた
めに、一般に高速で移動するベルトまたはドラムにより
構成される。このような状況下では移動する感光体はゼ
ログラフィックプロセスで生じるスプリアスな電流の全
てを接地する経路を提供するように電気的に接地されな
ければならない。これは通常、導電繊維からなる接地ブ
ラシに接触する感光体ベルト又はドラムの一側における
接地ストリップとして形成される。このようなブラシの
内あるものは繊維径が細く、かつ脆く、そのためブラシ
が脱落し易いという欠陥があり、これが、自動複写装置
における高電圧帯電装置について特に、脱落した導電繊
維がこの帯電ワイヤーに接触するとこれがアーク放電を
起こしワイヤー上にホットスポットを生じさせ、その結
果ワイヤーが融け、コロトロンを破壊するという問題を
引き起こし兼ねない。これは破壊的かつ致命的な損害で
あり、予定外の、訓練されたオペレターによる装置の修
理を必要とする。また繊維が装置を汚染し、コロナ帯電
の均一性の障害となる。
【0005】更にこのような静電写真印刷装置の商業的
利用では、装置内の各所に電源及び/又は論理信号を分
配する必要がある。従来の方法によれば、これは慣用の
ワイヤーを使用し、各機内においてハーネスを接続する
ことにより自動化された装置における様々な機能要素に
電源及び論理信号を配給する形態を採っていた。このよ
うな配給システムではワイヤーと各部に電気的コネクタ
ーを装備する必要がある。更に、例えば、コピー用紙や
原稿等の位置を感知するセンサーやスイッチを装備する
必要がある。同様に、機能起動及び停止をするためにイ
ンターロック等のその他の電気デバイスが与えられる。
【0006】これらの機能を果たすごく一般的なデバイ
スは従来より金属間接点を用い関連電子回路を完成させ
ていた。この長期にわたる従来方法は多くの応用では非
常に有効であったが、幾つかの困難を伴っていた。例え
ば、金属の酸化による絶縁膜の形成により、金属接点の
一方又は両方が時間と共に劣化する。この膜は機械的な
接触力または回路内に存在する低いエネルギー電力(5
v、10mA)では突き破ることが出来ない。このこと
は、ホルム(Holm)の「電気接点」第4版1ページ(19
67年Springer-Verlag 刊行)に記載事項により更に複
雑化される。即ち、接点が非常に硬い場合には如何なる
力を以てしても極少数の局所的なスポット以外で接触を
生じさせることは出来ない。更に、腐食接点は電波周波
数干渉(ノイズ)の原因となり、微妙な回路に障害を与
える可能もある。更に、従来の金属間接点は塵その他の
機内環境における残骸による汚染に影響を受け易い。例
えば、静電写真印刷装置では、トナー粒子が空気により
機内に撒き散らされ、集合し、このような接点に沈着し
得る。印刷装置に共通の汚染として、定着解離剤として
通常使用されるシリコーンオイルがある。この汚染も必
要な金属間接触を禁ずるのに十分である。従って、直接
的な金属間接点は低エネルギー回路では特に信頼性が低
い。このような接点の信頼性を、特に低エネルギー用途
のために、向上させるために、接点を予め、金、パラジ
ウム、銀、ロジウム等の貴金属、または、パラジウム・
ニッケル等の特殊開発合金から作るか、或るいは他の応
用では接点を真空中に設けたり、または密閉したりして
いた。更に、金属接点は自己破壊したり、焼き切れたり
することもある。というのも大抵の金属は熱伝導率が正
の係数を有し、電流密度の増加により接触スポットが熱
をもち、さらに抵抗が増し、それにより増加した電流に
より更に熱せられ、ついには焼け切れ、或るいは融けて
しまう。電流が殺到する現象が電流の導通を支配する
と、最終破壊となる。汚染に対して敏感であるために信
頼性に欠けるのに加えて、従来の金属接点、特にスライ
ド接点は、大きな垂直力により、長期の使用により摩耗
し易い。
【0007】先に述べたように、コピー用紙または同等
な支持体表面はトナー画像が感光性絶縁部材から転写さ
れるに先立ち、静電写真印刷装置内で適所に搬送される
必要がある。トナー画像が転写されると、コピー用紙は
次の静電写真動作またはコピー用紙の排紙のために静電
写真印刷装置内で搬送される。コピー用紙の搬送プロセ
スに用いられるガイド部材及び搬送機構がコピー用紙に
対し摩擦接触し、これにより、摩擦電荷が発生すること
になる。更に、静電写真印刷装置内で意図的に生成され
る電荷もまたコピー用紙上に誘導される。これらの電荷
は正または負のいずれかの極性を有する。その誘電特性
によりコピー用紙又は同等な支持体表面はこれらの電荷
を受け保持する。
【0008】これらの電荷の蓄積はコピー用紙の扱い及
び搬送に対し非常に害を及ぼす。コピー用紙は薄くかつ
柔らかい為、静電荷によりコピー用紙は静電写真印刷装
置内の或る位置又は部材から反発力をうけ、また別な位
置では引き付けられることになる。更に静電荷により複
数のコピー用紙がくっつき易くなり、動作の際に静電写
真印刷装置において潜在的に紙詰まりを引き起こしやす
い。複数のコピー用紙における蓄積静電荷は静電写真印
刷装置の使用者に対する放電による電気ショックを引き
起こすという欠点もある。最後に、コピー用紙上に蓄積
される静電荷は画質に害を与えることが知られている。
即ち、静電写真印刷装置内に存在するトナー粒子及びそ
の他の汚物が帯電したコピー用紙にくっつき背景品質を
劣化させることになる。
【0009】コピー用紙上の蓄積静電荷を除去又は中和
するために幾つかの方法及び装置が提案されている。初
期の概念はコピー用紙のまわりの空気をイオン化し接地
経路を生じさせる独立して電力供給する装置であった。
しかし、この装置は製造及び動作が高価であり、その
上、オゾンを発生する。最近の概念はコピー用紙がコピ
ー機から排紙される際にコピー用紙の表面にわたり引き
ずるように配置された接地光沢金属を使用している。こ
の「光沢金属」装置はシートの除電において完全なもの
では無いので、静電写真印刷装置内での帯電したコピー
用紙の扱いにおける困難を完全に削減することは出来な
かった。更に、この光沢金属はコピー用紙表面の作られ
たばかりの画像を引っ掻いてしまうことがあった。
【0010】最近、コピー用紙上に蓄積された静電荷の
除去を促すために静電写真印刷装置内では様々な態様の
ブラシが使用される。一般に、これらの静電気除去ブラ
シは静電写真印刷装置内の必要箇所に配置され、コピー
用紙が搬送機構により処理される前に静電気除去ブラシ
の接地繊維に接触して通過するようになっている。ブラ
シ形式の静電気除去機は電荷を除去するのに有効である
ことを証明してきたが、使用される材料及び構成により
幾つかの欠点が認識されている。
【0011】例えば、金属ブラシを用いる静電気除去装
置は連続動作後、限られた有効寿命があることが知られ
ている。或るいは、静電気除去ブラシはブラシ繊維の柔
軟性を確保するために比較的長い、即ち、15乃至25mmの
長さの導電性炭素繊維を用いて開発されてきた。しか
し、これらの比較的長さが長い導電性炭素繊維は細い炭
素繊維固有の脆さにより、ブラシから脱落しやす。上述
した感光体接点ブラシに関して、これらの比較的長い導
電性炭素繊維が静電写真印刷装置に一般的な複数の高電
圧帯電装置の一つの帯電ワイヤーに接触し、電橋する
と、アーク放電を起こし帯電ワイヤーを破損する傾向に
ある。このワイヤーの破損は破壊的で、修復不能であ
り、帯電装置の均一性を損ない、その結果、予定外の装
置の修理が必要となる。高電気抵抗率の炭素繊維が開発
され、静電写真印刷装置内でのアーク放電を最小にする
ために使用されているが、多くの理由で、高抵抗率低導
電性の静電気除去ブラシは常に望ましいというわけでは
ない。
【0012】Franks等に付与された米国特許4,553,191
号は約21×103ohm-cm 乃至1 ×106ohm-cmの抵抗率を有
する弾力的、柔軟な細い繊維を複数有する静電気除去装
置を開示する。この繊維は局部的に炭化されたポリアク
リロニトリル繊維で構成されることが好ましい。
【0013】Springer-Verlay 発行のRagnar Holm の
「電気接触」(第4版、1967年)の1−53、118−
134、228、259ページは電気接触、特に金属接
触の理論の包括的記述である。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明はポリマーマトリ
ックスにおいてポリマーマトリックス内に概して円形の
小さな断面の導電繊維を複数有する非金属の引抜き成形
複合部材を具備する、別の部材と電気接触させるための
電気部材に関し、その繊維はポリマーマトリックス内
で、該部材の軸方向にほぼ平行に配向され、かつ、これ
らの繊維は該部材の一端から他端に連続して該部材の各
端部で複数の電気接点を提供し、該複合部材の一端が密
に分配されたフィラメント接触を提供する複数の繊維か
らなる小繊維化されたブラシ状の構造を有し、そのブラ
シ状構造の繊維の端部が電気的な接触面を構成してい
る。例えば、この電子要素はスイッチ、センサー又はコ
ネクター等の電子デバイスで使用される。
【0015】本発明の別の態様において、この電気部品
は、静電写真印刷装置の移動する感光性部材用の導電性
の接地ブラシを提供するのに使用される。
【0016】本発明はコピー用紙等の支持体表面から電
荷を除去するための静電気除去装置及び方法にも向けら
れる。本発明の静電気除去装置はポリマーマトリックス
内に複数の導電繊維を具備する非金属の引抜き成形複合
部材を含む。複数の導電繊維はポリマーマトリックス内
で該引抜き成形複合部材の長手方向に配向され、該部材
内で連続的に延びている。この引抜き成形複合部材は支
持体表面に接触するための複数の導導電繊維の露出した
長手部分から形成されたブラシ状構造を含む小繊維化さ
れた端部を少なくとも一つ有する。
【0017】静電気除去装置は更に引抜き成形複合部材
または複数の引抜き成形複合部材を保持する為のベース
部材を具備し、このベース部材は複数の導電繊維から電
荷が移動できるように導電繊維と接続している。或るい
は、本発明の静電気除去装置の引抜き成形複合部材は概
して、平坦な形状をしており、かつ引抜き成形複合部材
のベース端部は複数の導電繊維から電荷が移動できるよ
うに導電繊維と電気的に接続する手段を具備する。この
ため、本発明の静電気除去装置は基本的には単独装置と
して一体的に構成される。静電気除去装置は、典型的に
は、静電写真印刷装置内を搬送されるコピー用紙の蓄積
電荷を除去する為に静電写真印刷装置に組み込まれる。
【0018】
【実施例】本発明は以下の代表的な図面に基づいて記述
するが、これらの図面においては各部の寸法は必ずしも
正確なものではなく、むしろ解説、記述を明瞭にするた
めに誇張、または歪んでいることもある。
【0019】本発明によれば電子部品が提供され、信頼
性が高く、低価格でかつ簡単に製造出来、さらに低エネ
ルギー回路にて確実に動作可能なスイッチ、センサー、
コネクター、インターロック等の電流を導通するための
様々な電子デバイスを提供する。一般にはこれらのデバ
イスは数ミリボルト乃至数百ボルトの範囲の低電圧及
び、例えば数十乃至数百アンペアの電力印加に対するも
のではなく、数マイクロアンペア乃至数百ミリアンペア
の範囲の低電流を使用する低エネルギーデバイスであ
る。本発明は所定の用途においては一桁のアンペア領域
で使用することも可能であるが、電力損失を許容し得る
高抵抗回路で最良の結果が得られる。なお、これらのデ
バイスは過剰の熱発生がなければ、一定の使用において
は、例えば1万ボルト以上の高電圧領域でも用いること
が可能である。これらのデバイスは、先に述べたように
固有の電力損失が許容される場合に一定の低電力用途で
使用可能であるが、一般的な電気デバイスの分野におい
てその性質上電子的であり、つまり、基本的には信号レ
ベルの回路で利用されることを意味する。更に、これら
の電子デバイスは電気的機能を果たすのに加えて、機械
的または機構的機能を果たすことが可能である。上述の
長所は一般に引抜き成形として知られる製造方法及び引
抜き成形の少なくとも一端を小繊維化することにより実
現される。
【0020】本発明によれば一端に小繊維化されたブラ
シ状構造を有する引抜き成形複合部材から電子部品が構
成され、このブラシ状構造の一端が他の部品に対し密に
配置されたフィラメント接触を提供する。密に配置され
たフィラメント接触という用語により、もう一つの接触
面との電気的接触を保証するとりわけ高度に豊富な接触
であることを意図し、この際、接触部品は1mm2 当り1
000本超の独立した導電繊維を有する。好適な実施例
では、レーザーの使用により、引抜き成形部材は単独工
程で独立したセグメントに切断され、小繊維化すること
が可能である。このレーザーによる小繊維化工程が、迅
速かつクリーンなプログラム可能な方法を提供する。即
ち、この方法により、電気接点は低コスト、長寿命、低
電気ノイズで、脱落せず、かつ固体材料のように機械加
工可能で、さらに耐久性を有し、簡単に交換可能な、汚
染を起こさない導電性接触を提供するよう形成される。
一方、ブラシ状構造は個々の繊維の直径より数倍大きな
長さを有し、これにより変形の際には塊として弾力的に
挙動する柔らかい弾性を有する柔軟なブラシを提供し、
その結果電子接触で所望なレベルの豊富な接触を提供す
る電子接点を形成することが可能となる。更には、ブラ
シ状繊維の長さが繊維の直径の5倍より短かく、端末部
が比較的剛性を有する接触面を提供するミクロな構造を
提供するという長所をも有する。
【0021】引抜き成形プロセスは一般に、樹脂槽また
は含浸器を介して繊維を連続長に引伸し、予備形成フィ
クスチャーに入れ、そこでセクションを部分的に成形
し、過剰な樹脂及び/又は空気を取り除き、更に加熱し
たダイに入れ、そこでセクションを連続的に硬化させ
る。このプロセスは通常、ガラス繊維強化プラスチック
の引抜き成形形状を作るのに用いられる。引抜き成形技
法の更なる詳細については「引抜き成形技法のハンドブ
ック」(Raymond W. Meyer 、1985年初版、Chap
man and Hall,New York)を参照のこと。本発明の実施
において、導電性炭素繊維をポリマー槽内に浸漬させ、
所望の形をしたダイ開口部を介して高温で引出し、ダイ
の寸法及び形を有し、切削、成形及び機械加工可能な固
体片を形成する。その結果何千もの導電繊維要素がポリ
マーマトリックス内に包含され、これらの繊維の端部を
電気接点となるように表面に露出する。この電子接点が
極めて豊富であること及び有用性によりこれらのデバイ
スの信頼性を実質的に向上させることが可能になる。こ
れらの複数の小径の導電繊維をポリマー槽及び加熱され
たダイを介して連続長として引出すので、成形される部
材はその部材の一端から他端に連続する繊維により形成
され、樹脂マトリックス内で該部材の軸方向に実質的に
平行に配向される。用語「軸方向」は、引抜き成形プロ
セスの際の構成の主軸に沿う長さ方向、即ち長手方向を
定義するものである。従って、引抜き成形複合体は引抜
き成形プロセスに際しての構成の連続長で形成でき、か
つ各端部で非常に多くの電子接点を提供するように、所
望の長さに切断することが可能である。これらの引抜き
成形複合部材はその後一方又は両方の端部を小繊維化さ
せることが可能である。
【0022】本発明の実施にあたり任意の好適な繊維も
使用することが可能である。一般には、抵抗損失及び過
剰RFI を最小に抑えるために、導電繊維は非金属で、約
1×10-5乃至約1×1010ohm-cmの直流体積抵抗率を
有し約1×10-4乃至約10ohm-cmの直流体積抵抗率を
有することが好ましい。1×1010ohm-cmまでの抵抗率
の上方域は、例えば、個々の繊維が個々の並列抵抗のよ
うに作用し、これにより電流導通を可能にする引抜き成
形部材の全抵抗低下させるような極端に高い繊維密度を
含む特殊利用でも使用され得る。しかしながら大多数の
応用では、電流を導通するのに上述した好適な範囲内の
抵抗率を有する繊維を必要とする。用語「非金属」は、
1×10-6ohm-cmオーダーの抵抗率を有する金属導電率
を示す慣用の金属繊維から区別し、かつ非金属ではある
が金属的な物性に近い、またはこれを提供するよう扱う
ことが可能な繊維の一つのクラスを定義するために使用
する。関連する電子回路が十分に高いインピーダンスを
有する場合には更に抵抗率が高い材料を使用することも
可能である。更に個々の導電繊維は概して断面が円形で
あり一般に約4乃至約50ミクロンのオーダーの直径を
有し、これにより非常に小さな断面積で非常に多くの接
点を提供することが出来る。繊維は一般に柔軟で、かつ
ポリマー系と適合性を示す。典型的な繊維としては炭素
繊維及び炭素/グラファイト繊維等がある。
【0023】使用可能な特に好適な繊維としてはポリア
クリロニトリル(PAN)前駆体繊維の完全若しくは部
分的に炭化を生じさせる制御された熱処理により得られ
る繊維がある。このような繊維は炭化温度を一定の範囲
内に注意深く制御することにより炭化された炭素繊維の
電気抵抗率を正確に得ることが可能であることが見いだ
されている。ポリアクリロニトリル前駆体繊維からの炭
素繊維はStackpole 社、Celion Carbon Fibers社(BA
SF事業部)等により1000乃至160000本のフィラメント
の繊維束で商業的に生産されている。この繊維束を二段
階のプロセスで炭化される。即ち、PAN 繊維を酸素雰囲
気下で300度程度の温度で安定化させ、予備酸化安定
PAN 繊維を生成し、次いで高温、不活性(窒素)雰囲気
下で炭化する。結果として得られる繊維の直流電気抵抗
率は炭化温度の選択により制御される。例えば、炭化温
度を約500℃乃至750℃の範囲に制御すれば約10
2乃至約106 ohm-cmの電気抵抗率の炭素繊維が得ら
れ、一方1800℃乃至2000℃の処理温度では10
-2乃至約10-6ohm-cmの直流抵抗率の炭素繊維が得られ
る。これらの炭化繊維を生成するために採用することが
可能な処理についてはU.S.特許4,761,709 (Ewing 等)
及びその第8欄に引用されている文献を参照することと
する。一般にこれらの炭素繊維は殆どの鋼鉄より高い引
張応力である約3000万乃至6000万psi 即ち20
5乃至411GPaを有し、これにより非常に強い引抜
き成形複合部材を得ることが出来る。ポリアクリロニト
リル繊維の高温転化は不活性かつ耐酸化力を有する約9
9.99 %の元素炭素の繊維を生み出す。
【0024】導電性炭素繊維を使用することによる長所
の一つはこれらが負の熱導電係数を有し、そのため、例
えばスプリアスな高電流サージの流れに際して、個々の
繊維が熱くなるに連れてこれらの繊維の導電性は増加す
ることである。これが金属接点に対して有利な点であ
る。なぜならば金属はこの反対の挙動を示めし、このた
めに金属接点は焼け切れたり、自己破壊したりする傾向
にあるからである。炭素繊維の更なる長所としてはこれ
らの表面が元来粗くかつ多孔性であり、これによりポリ
マーマトリックスによく付着する点である。更に炭素材
料が不活性であるのでメッキ金属の汚染に対して比較的
耐える。
【0025】本発明の実施に際して任意の好適なポリマ
ーマトリックスを使用することが可能である。ポリマー
は絶縁性のものでも導電性のものでもよい。引抜き成形
のエッジ部に沿って対角線方向の導電性が必要とされる
場合には導電性ポリマーを使用すればよい。反対に引抜
き成形のエッジ部に沿って絶縁性が必要とされる場合に
は絶縁性ポリマーの厚膜を使用するか、引抜き成形構造
の外周に絶縁繊維を使用し、導電繊維をエッジ部から隔
離するように構成することが可能である。
【0026】一般にポリマーは構造用熱可塑性又は熱硬
化性樹脂の群から選ばれる。ポリエステル、エポキシ、
ビニルエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエ
ーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン及びポリアミドが一般に適した材料
であり、ポリエステル及びビニルエステルが硬化時間が
短く、相対的に化学的に不活性であり、レーザー処理に
適するので、好ましい。しかし、熱可塑性ポリアミド、
ポリエチレン、及びポリプロピレンは融点が低く、コス
トが安く、レーザー処理に適するので、これらもまた好
ましい。エラストマーマトリックスが望ましい場合に
は、シリコーン、フルオロシリコーンまたはポリウレタ
ンエラストマーがポリマーマトリックスを供給すること
が可能である。典型的な具体的材料としては、Hetron 6
13、Hetron 7030 、Arpol 7030、7362(Oshland Oil 社
から入手可能)、Dion Iso 6315 (Koppers 社から入手
可能)及びSilmar S-7956(Vestron 社から入手可能)が
ある。使用可能な樹脂についての更なる情報については
上述のMeyer の「引抜き成形技術ハンドブック」の4章
を参照すること。耐腐食性、耐炎性等の物性が必要な場
合にはさらにこの他の材料をポリマー槽に添加してもよ
い。更に、ポリマー槽は炭化カルシウム、アルミナ、シ
リカ等の充填剤、または一定の色を付けるために顔料、
例えば、摺動接触における摩擦を減らす潤滑剤を含むこ
とも可能である。更に、粘性、表面張力を変えるため、
または架橋または引抜き成形の結合を促進するために、
この他の材料以外にも添加剤を加えてもよい。当然、繊
維が接着糊を含む場合には、相溶性ポリマーを選ぶ。例
えばエポキシ樹脂を使用する場合にはエポキシ糊を繊維
に加え、樹脂と繊維の間の接着を促進することが好まし
い。
【0027】ポリマーマトリックスへの繊維充填は所望
の導電率及び最終構造の断面積やその他の機械的性質に
より決まる。一般に樹脂は約1.1 乃至約1.5 の比重を有
し、一方繊維は約1.7 乃至約2.2 の比重を有する。上記
の導電性レベルを電子部品に付与するには繊維は引抜き
成形部材の5重量%程度あれはよいが、所望の数の繊維
接点を付与するには、一般には50重量%以上、好まし
くは70重量%、また更には90重量%の繊維が引抜き
成形部材に含まれることが好ましく、繊維充填量が多い
ほど、体抵抗率が低い接触に供する繊維が多くなり、ま
た硬く強い部材を提供する。一般にマトリックスの導電
性を増加するために更に導電繊維を添加してもよい。
【0028】引抜き成形複合部材は上述した引抜き成形
技術、例えば、Meyer の「引抜き成形技術ハンドブッ
ク」により製造できる。一般にこれは、以下の工程を含
む。即ち、予備洗い槽で導電性炭素繊維の連続したマル
チフィラメント素線を予備的に洗い、次いで、溶融した
または液体のポリマーを介してその連続素線を引っ張
り、さらに樹脂の硬化温度に合わせて熱せられたダイを
介してそれを引っ張り、切断または巻き取り位置におい
て必要であれば、オーブン乾燥機に導入する。更なるこ
のプロセスについての詳細はMeyer を参照することとす
る。引抜き成形複合部材の所望の最終形状はダイにより
形成される。一般には引抜き成形の断面は円形、楕円
形、正方形、長方形、三角形等である。ある応用では断
面は不規則のこともあり、また上記の形状の空洞をもっ
た管状または環状の断面であってもよい。導電性及び非
導電性の繊維の混合領域を許容するその他の構造も可能
である。一般に、孔、スロット、稜、グルーブ、凹また
は凸状の接触領域、またはネジ部が従来の機械加工技術
により引抜き成形複合部材で形成可能である。或るい
は、ダイから引抜き成形を最初に取り出す際に引抜き成
形が柔軟性をもち、折り曲げ可能であるようにし、さも
なくば、硬化の際に剛性構造部材になる形に成形するこ
とができるように引抜き成形プロセスを改良することも
可能である。或るいは、引抜き成形樹脂が熱可塑性のも
のである場合には一部をダイから高温のまま取り出し、
成形し、その後、硬化させるために冷却するようにプロ
セスを整備することも可能である。
【0029】一般に繊維は連続的なフィラメント素線、
例えば、各素線が1千、3千、6千、1万2千または1
6万本までのフィラメントからなる連続的なフィラメン
ト素線として供給される。一般にこれらの繊維は1cm2
あたり約1×105 (公称直径4ミクロンの繊維を引抜
き成形に重量で50%添加)乃至約1×107 (公称直
径4ミクロンの繊維を引抜き成形に重量で90%添加)
の接点を持つように引抜き成形部材を形成する。
【0030】個々の小繊維化された繊維が密に存在する
電気接触面を有する電子部品は適度な断面を有する引抜
き成形部材から適切な技術により製造可能である。引抜
き成形部材を小繊維化する典型的な技法としては、引抜
き成形部材の端部におけるポリマーマトリックスの溶解
及び熱除去がある。好適な実施例では、小繊維化はレー
ザー光への露光により行われる。熱除去プロセスでポリ
マーマトリックスは繊維よりかなり低い融点または分解
点を持つ。同様に溶媒除去プロセスでは溶媒がポリマー
マトリックスのみを除去し、繊維に対しては溶媒とはな
らない。いづれの場合でも残留物を実質上殆ど除去する
ことなくこのプロセスを終える。一般に引抜き成形部材
は連続長で供給され、ずっと小さい寸法の小繊維化接点
に形成され、レーザーは長ものから個々の部品への切断
するとともに同時に下流に進行した引抜き成形部材の高
度に重複する繊維接点及び第二の引抜き成形部材の上流
の高度に重複する繊維接点となる両方の端部を小繊維化
する。使用されるレーザーは、通常、ポリマーマトリッ
クスが吸収し、これにより揮発するものを使用する。ま
たこれらは安全であり、高速切断のため高出力であり、
連続またはパルス出力をもち、比較的簡単に作動するも
のである。具体的なレーザーとしては二酸化炭素レーザ
ー、一酸化炭素レーザー、YAGレーザーまたアルゴン
イオンレーザーがあり、このうち、信頼性が高く、ポリ
マーマトリックスの吸収及び製造環境に最も適し、かつ
最も経済的であるので、二酸化炭素レーザーが好まし
い。以下の例により本発明を説明する。
【0031】直径約8乃至10ミクロンで0.001 乃至0.
1ohm-cm の抵抗を有する炭素繊維をビニルエステル樹脂
マトリックスに1mm2あたり繊維が10000 本以上あるよう
に作られた直径2.5mm のロッド状の引抜き成形を0.5mm
のスポットに結像した6 ワットの連続波レーザー(Adki
n Model LPS-50)にロッドを毎秒約1回転でゆっくりロ
ッド軸について回転させながら露光した。一工程約10
0秒の露出後、レーザーにより引抜き成形物が完全に切
断され、また両部材のフィラメント端部から数ミリまで
ビニルエステル接着樹脂を均一に蒸発させることによ
り、図1に示すような剛体の導電性引抜き成形に接続さ
れた「絵筆状」の先端が残った。
【0032】300ワットの連続波で約7.5cm/minで走
査する大型のCO2 レーザー(Coherent General model E
verlase 548 )を使用し、同じ材料から作られた直径1m
m の引抜き成形物は一秒未満で切断、小繊維化された。
【0033】図1A及び2Aを参照する。これらは本発
明の電子部品の好適な実施例を描いたものであり、引抜
き成形複合部材の一端においてレーザーで小繊維化され
たブラシ状構造をもち、電気的接触面に対し高密度に分
配されるフィラメント接触を提供する。上記連続引抜き
成形では電子部品のブラシ状構造は少なくとも1000本/m
m2の繊維密度を有し、実際、15000 本/mm2超の繊維密度
をもち高いレベルの豊富な電子接触を構成することが可
能であることが理解できよう。当然ではあるがこのよう
なレベルの繊維密度は図1A、図1B、図2A及び図2
Bでは正確に表現することは出来ないが、図1及び図2
はブラシ状構造の繊維が実質上均一な自由繊維長を有
し、引抜き成形部とブラシ状の部分の間の境界部をレー
ザーの精密制御により形成したことを示すものである。
【0034】図1、図1A及び図1Bはブラシ状構造の
繊維が繊維径の5倍以上の長さをもち、故に変形される
と弾性的に振舞い、概して弾力的な柔軟な電子部品を示
すものである。この種の電子部品は例えば、上述した感
光体接地ブラシ等の摺動接触におけるような弾力的柔軟
な繊維の接触を有することが望ましい応用にて用途を見
いだすことであろう。このような接点では個々の繊維は
非常に繊細かつ弾性的であるのでこれらの繊維は別の接
触面に対し接触したまま留まり、従来の金属接触でよく
起こった跳ね、***等が起こることがない。従って、こ
れらは、物理的な環境での細かな***はあっても機能し
続ける。この種のマクロな小繊維化は図2、図2A及び
図2Bに示されるよりミクロな小繊維化と一線を画す。
図2、図2A及び図2Bではブラシ状構造の繊維が繊維
径の約5倍より短く、端末部が比較的硬く、変形不能な
接触面を構成する場合を示す。この部品では、個々の要
素は最小限に偏向し、このため、スイッチ及びマイクロ
スイッチ等の静止即ち、非摺動接触を必要とする応用で
の用途を見いだす。しかし、これらは個々の繊維が高度
に密集し接触面を構成する。このミクロな実施例では、
引抜き形成複合材部とブラシ状構造部の間の境界領域を
的確に保ち、別の対向面に対し、均一な接触対向面を与
えることが特に重要である。これらの二つの領域の間の
境界が的確でなく、かつ実質上均一な自由繊維長が形成
されないと、接触面で接触圧が異なり、このため別の対
向面に対して非均一な面を呈することになる。
【0035】用語「境界領域」は分解されたポリマーと
小繊維化された繊維のグラデーションが存在する小繊維
化されたブラシ状構造と引抜き成形部の間の熱影響領域
部を定義することを意図する。この熱影響部ではレーザ
ーにより発生する光誘導熱との接触にともない引抜き成
形の小体積部の温度がかなり上昇する。この熱は材料の
熱伝導、レーザースポットの出力及び露出時間に依存し
て材料の高温接触領域から低温バルク部に広がる。加熱
中に発生する引抜き成形の長さ方向の温度勾配は境界領
域の分解ポリマーのグラデーションをもたらす。
【0036】小繊維化された引抜き成形体の自由繊維の
長さは1インチまたはそれ以上でも使用することが可能
である。しかし自由繊維が約5mm より長いとポリマーマ
トリックスの除去及び消費のために従来のブラシ状構造
を構成する技法と比べコストが高くなるので実用的でな
い。静電気のまたはその他の電気的な又は電子的な応用
では約0.1 乃至約0.3mm の自由繊維長が好適である。ミ
クロな具体例では小繊維化された端部は繊維がとても短
く、触った場合、繊維とは認識されず、固体のような感
触がする。しかし、マクロな具体例では毛羽立ったビロ
ードまたは絵筆のような感触である。
【0037】好適な実施例による電子部品を作成する
際、引抜き成形片に対してレーザービームを移動させ
る。これはレーザービーム又は引抜き成形片を静止さ
せ、他方を静止部材に対して移動させるか、或るいは、
レーザー及び加工片の両方を同時に制御してプログラム
により簡単に実行可能である。
【0038】図3を参照するに、図3は中心軸43即ち
モーター格納箱44のモーター軸(図示せず)を中心に
回転可能に設置されたテーブル42に引抜き成形片40
を固定する方法の概要を示すものである。更にこのテー
ブルはモーター格納箱44の別のモータ(図示せず)に
よりウォームギア46の動きによりXY平面で移動可能
である。レーザー走査キャリッジ48はレーザーポート
52を具備し、ウォームギア56及びモーター58によ
り鉛直方向に移動可能であり、またウォームギア60及
びモーター62により水平方向に移動可能である。テー
ブル42及び走査キャリッジ48の動きはプログラム可
能な制御装置64により制御される。
【0039】レーザーにより小繊維化された引抜き成形
部材はデバイス内の電流を導通する接触部品の少なくと
も一つを構成するために使用され、また残りの接触部品
は慣用の導体及び絶縁体から選択される。これらに加え
て、或るいは、これらの代用として、両方の接点を引抜
き成形され小繊維化された同一又は異なる引抜き成形複
合部材により構成してもよい。或るいは、一方の接点を
引抜き成形されかつ小繊維化されてないものとしてもよ
い。一方の接点をマクロに小繊維化されたもの、他方を
ミクロに小繊維化されたものとしてもよい。更に、一方
又は両方の接点が、機械的または構造的機能を果たすこ
とも可能である。例えば、コネクターの電流導体として
の役割を果たすのに加え、小繊維化された引抜き成形部
材の固体部分をブラケットまたはその他の構造支持体等
の機械的部材として機能させたり、または金属コネクタ
ー上のクリンプに対する機械的固定具として機能させて
もよい。小繊維化された引抜き成形部材の一部をガイド
レール又はピン、または止め具として、又は走査押出し
ヘッドを載せる為のレールとしての機械的構成を付与す
ることも可能であり、更に接地帰還経路とすることも可
能である。従って複数の機能を合体させることが出来、
部品を減らすことが可能となる。実際、一つの部材で、
電子接点、その支持部及び電気接続として機能させるこ
とが可能である。
【0040】図4は本発明の接地ブラシ29を具備する
感光体表面を有するベルト10を用いる電子写真印刷装
置または複写機を示す。ベルト10は矢印12の方向に
動き、感光体表面部をコロナ発生装置14を具備する帯
電ステーションを起点として様々なプロセスステーショ
ンを介して連続的に進行する。このコロナ発生装置は比
較的高電圧でかつほぼ一様に感光体表面を帯電する。
【0041】次に感光体表面の帯電した部分は画像形成
ステーションを通過進行する。画像形成ステーションで
は文書取り扱い装置15は原稿文書16を露光システム
17上に原稿面を下向きにして位置決めする。この露光
システム17は透明なプラテン18上に位置決めされた
文書16を照射するランプ20を具備する。文書16か
ら反射された光線はレンズ22を透過し、このレンズ2
2は原稿文書16の光画像をベルト10の感光体表面の
帯電部に結像させ、選択的に電荷を散逸させる。これに
より、原稿文書に含まれる情報領域に対応する感光体表
面上に静電潜像を記録する。
【0042】複写する原稿文書の拡大率を調整できるよ
うプラテン18は移動可能に載置され、矢印24の方向
に移動するように配置される。レンズ22はこれと同期
して移動し原稿文書16の光画像をベルト10の感光体
表面の帯電部上に結像する。
【0043】文書取り扱い装置15は保持トレイから文
書を次々とプラテン18に送る。この文書取り扱い装置
はトレイに保持されたスタックに文書を戻す。その後、
ベルト10は感光体表面に記録された静電潜像を現像ス
テーションに進める。
【0044】現像ステーションでは一対の磁気ブラシ現
像ローラー26及び28が静電潜像に対して現像剤を接
触させる。潜像は現像剤のキャリア粒子からトナー粒子
を引き付けベルト10の感光体表面上にトナー粒子画像
を形成する。
【0045】ベルト10の感光体表面に記録された静電
潜像が現像されると、ベルト10はトナー粒子画像を転
写ステーションに進める。転写ステーションではコピー
用紙がトナー粒子画像に接触移動される。この転写ステ
ーションはコロナ発生装置30を具備し、これはコピー
用紙の裏面にイオンをスプレーする。これによりベルト
10の感光体表面からトナー粒子画像がシートに引き付
けられる。
【0046】コピー用紙はトレイ34、36のうちの選
択された一つから転写ステーションに搬送される。転写
後、コンベア32がシートを定着ステーションに進め
る。定着ステーションは転写されたトナー画像を恒久的
にコピー用紙に付着させる定着アセンブリを具備する。
定着アセンブリ40は好適には加熱定着ローラー42及
びバックアップローラー44を具備し、粒子画像は定着
ローラー42に接する。
【0047】定着後、コンベア46は反転部として機能
するゲート48にシートを搬送する。ゲート48の位置
により、コピー用紙をシート反転器50即ちバイパスシ
ート反転器50に偏向挿入し、または直接第二ゲート5
2に搬送する。判定ゲート52は出力トレイ54に直接
シートを偏向し、またはシートを第三のゲート56に反
転せずにシートを搬送する搬送路にシートを向ける。ゲ
ート56はシートを反転せずに直接複写機の出力路にシ
ートを搬送するか、若しくは両面コピー用反転ロール搬
送58へシートを偏向する。反転搬送58は両面コピー
用トレイ60に両面コピーするシートをスタックする。
両面コピー用トレイ60は一方の面が印刷されたシート
の反対面を印刷するために中間的な一時保持の為のもの
である。
【0048】図5において、文書16の移送経路内に文
書センサー66が示される。文書センサー66は一般に
一対の対向配置される導体接点を具備する。この一対は
上側支持体70に支持されたレーザー小繊維化ブラシ6
8とこれと電気接触し且つ下側導体支持体74に支持さ
れた引抜き成形複合部材72として描かれている。引抜
き成形複合部材は表面73を有するポリマーマトリック
ス75内の複数の導電繊維71よりなり、繊維の一端部
はレーザーで小繊維化されたブラシ68の繊維と接触す
るようになっている。このブラシ68はシート経路に対
して直角方向に配置されていて、接点間の文書の通過に
よりたわむ。文書が無いときはレーザー小繊維化繊維は
引抜き成形部材72の表面73と閉回路を形成する。
【0049】図6を参照するに、感光体接地ブラシの側
面模式図が矢印で示される方向に移行する感光体ととも
に描かれている。ノッチ、即ち「V」が接地ブラシの引
抜き成形部分に形成されている。これは移動する感光体
ベルトがベルトの横方向に継目を持つため、もし、この
ノッチが無いと接地動作を潜在的に混乱させ兼ねないの
で付与されている。この幾何配置により、ノッチ、即ち
「V」空間により隔離された二つの小繊維化されたブラ
シ状構造が与えられる。
【0050】図6に側面から示した引抜き成形体は長さ
17mm、幅25mm、厚さ0.8mm であり、この引抜き成形をXe
rox 5090複写機で感光体接地ブラシとしてテストした。
この引抜き成形体は、エポキシで固められ且つビニルエ
ステルバインダー樹脂に引抜き成形されたCelion Carbo
n Fiber G30-500 (Celion Carbon Fiber s DIV.,BASF
Structural Material Inc., Charlotte, N.C.)の6000本
のフィラメントからなる素線50本から作られた。引抜き
成形部材はCO2 レーザーで17mm間隔に切断され、切断部
の両方のエッジを同時に小繊維化した。図6に示す
「V」を形成するためにノッチ形成器を使用した。この
ように作成された二つのブラシ状構造をXerox 5090複写
機に搭載し、これらのブラシを感光体のエッジ部に接地
接触させた。引抜き成形体の他端は装置の接地にワイヤ
ーで結合した。二つの装置で1千500万枚以上のコピ
ーをしたが、テスト中断時において繊維の消耗が他の部
品を短くしたが、コピーは失敗無くすることが出来き
た。
【0051】このように本発明によれば、接点において
従来の金属間接点より非常に高度に重複する密に分配さ
れたフィラメント接触電子部品が提供される。更に、信
頼性が高く、コストが安く、耐久性を有する部品で、か
つ抵抗が制御され、汚染に対し免疫性を有し、毒性が無
く、環境的に安定になるように設計可能な部品が提供さ
れる。これは低い出力構造において非常に長期にわたり
機能する。また好適な実施例においては引抜き成形部材
を個々の接点に切削し、同時に小繊維化し、自由繊維長
を厳密に制御し、かつ引抜き成形部分とその自由繊維の
間の境界領域を的確に構成した最終接点を提供する。こ
れはレーザーがプログラム形式により精密に制御結像出
来るからである。更に、単独一工程自動製造ができるこ
とに加え、本要素は電気機能と機械的若しくは構造的機
能を同時に果たすことが出来る。
【0052】本発明はコピー用紙等の支持体から蓄積電
荷を除去するための静電気除去装置にも向けられる。一
般に本発明の静電気除去装置は、柔軟な複合部材の一端
に形成され且つ露出された導電繊維の小繊維化ブラシ状
構造を具備する。電気的に帯電した支持体面が静電気除
去装置を交差して搬送されると、複合部材が湾曲して通
過させる一方、ブラシ状構造は支持体表面に接触し、電
荷を受け放電する。このようにして、導電繊維の脱落が
ブラシ状構造の繊維の露出長に制限され、静電気除去装
置の耐久性が増強される。尚、静電気除去装置を、支持
体表面の代わりにまたは支持体表面の搬送に加えて動か
すことも可能であることは理解されるであろう。
【0053】故に、本発明によれば、静電気除去装置は
ポリマーマトリックス内に複数の導導電繊維を具備する
非金属の引抜き成形複合部材から構成される。ここに、
複数の導電繊維はポリマーマトリックス内において引抜
き成形複合部材の長手方向に配向されている。非金属の
引抜き成形複合部材を製造する引抜き成形プロセス及び
引抜き成形複合部材の一般な特徴は本発明の電子部品に
関する上記の詳細説明に説明されている。
【0054】しかしながら、静電気除去装置の構造及び
物理的特性に関する仕様は上述の部品とは異なっている
ことに注意することが重要である。これらの構造及び物
理的特性における違いが静電気除去装置の動作条件を独
特なものにする。例えば、多くの支持体表面が静電気除
去装置を連続的に通過搬送される際に引抜き成形複合部
材が繰り返したわむ柔軟性を維持することが望ましい。
このため、以下に述べるようにポリマーマトリックスが
レーザーにより揮発することが可能なエネルギー吸収物
質であるだけでなく、とりわけ、ここで具現化される静
電気除去装置のエネルギー吸収物質は熱可塑性樹脂とす
る。
【0055】上述したように、ポリマーマトリックス、
特に熱可塑性樹脂は絶縁体でも導体でもよい。熱可塑性
樹脂としてはポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、液晶ポリマー及び熱可塑性エラストマーがある。し
かし、熱可塑性樹脂はポリアミド、ポリエチレン及びポ
リプロピレンからなる群から選択されるのが好ましい。
適用可能な樹脂についての更なる情報については上述の
Meyer の引抜き成形技術ハンドブックの4章を参照する
こと。
【0056】静電気除去装置の更なる特徴は上述した電
気部品の典型例より低い電気抵抗率が必要であることで
ある。この電気抵抗率が低いことにより誘電支持体から
蓄積電荷の不規則なパルス放電が許容される。このよう
に、ここで具現化される静電気除去装置の複数の導電繊
維の直流抵抗率は約1×10-5ohm-cm乃至約1×105ohm-c
m である。しかし、導電繊維の直流抵抗率は約1×10-4
ohm-cm乃至約10ohm-cmであることが好ましい。
【0057】事実上、適当な導電繊維であれば如何なる
ものでも使用可能であるが、ここで具現化する静電気除
去装置は炭素及び炭素/グラファイト繊維等の非金属繊
維を連続長で加工製造する。好適な実施例では炭素ポリ
アクリロニトリル繊維を用いるのが、上述したようにそ
の電気的特性及び耐久性により好ましい。更にここで具
体化するように、導電繊維は一般に円形の断面を持つ。
各導電繊維の直径は約4ミクロン乃至約50ミクロンの
範囲にあり、好ましくは直径が約7ミクロン乃至約10
ミクロンの間の導電繊維を使用することが好ましく、さ
らには、直径が約7ミクロン乃至約8.5 ミクロンの導電
繊維を使用することが更に好ましい。
【0058】先に詳説した引抜き成形プロセスを用い、
本発明の静電気除去装置を1mm 四方あたり少なくとも約
100本の繊維密度で構成することが可能である。低抵
抗率及び高導電率が望まれるので、ここで具体化する静
電気除去装置は1mm 四方あたり少なくとも約400本の
繊維密度をもち、1mm 四方あたり約400本乃至約12
00本の繊維密度であることが好ましい。このように複
数の導電繊維が少なくとも引抜き成形複合部材の約5%
の重量で含まれ、好適な静電気除去装置の実施例として
は約30%重量、更には40%重量以上約80%重量以
下の繊維を含む。
【0059】本発明によれば、静電気除去装置の引抜き
成形複合部材は少なくとも一つの小繊維化された端部を
有し、この端部は支持体表面に対して接触する複数の導
電繊維の露出長から形成される高密度に配分されたフィ
ラメント接点のブラシ状構造を有する。要するに、この
ブラシ状構造は支持体表面から蓄積電荷を放電するため
に密に存在する接点を提供する。ここで具体化されるよ
うに、複数の導電繊維の露出長は約0.1mm 乃至約15mmの
範囲であり、約0.1mm 乃至約8mm に制限された露出長の
方が好ましい。このように、不慮にブラシ状構造から破
壊、脱落する個々の繊維の長さはこの露出長で制限され
る。ブラシ状構造の露出繊維をコロナ発生装置等の高電
圧帯電装置におけるアーク放電おこす臨界距離より短く
制限することにより、従来の静電気除去装置のブラシに
よく起こりがちである機械的破損を防ぐことが可能にな
る。
【0060】本発明の電子部品に関し、上述したよう
に、ブラシ状構造の形成は引抜き成形複合部材の少なく
とも一端でのレーザーによる小繊維化により行われる。
即ち、上述したCO2 またはYAG レーザー等のレーザーの
使用により、ポリマーマトリックスは揮発により除去さ
れ複数の導電繊維が所定の長さだけ露出される。このよ
うにして引抜き成形複合部材と導電繊維の露出長の間に
適度な境界部が構成される。尚、ポリマーマトリックス
はエネルギー吸収物質である。上述したように、レーザ
ーは長ものの引抜き成形ストック部材から個々の長さの
引抜き成形複合部材を切るのにも使用することが出来
る。
【0061】本発明の一具体例によれば、静電気除去装
置は引抜き成形複合部材を保持するベース部材を具備
し、このベース部材は複数の導電繊維と電気的に接続
し、電荷を繊維から移動させる手段を具備する。複数の
導電繊維との電気接続は様々な方法で実行可能である。
例えば、ベース部材が導電性物質により構成され、接地
電位と接続される場合、ベース部材近傍の引抜き成形複
合部材のベース端部を小繊維化し、ベース部材に対し直
接複数の導電繊維を露出するか、またはポリマーマトリ
ックスを導電性樹脂で構成し、ベース部材に対して直接
接触させてもよい。或るいは、Acheson Colloids社、Po
rt Huron, Michiganから入手可能Electrodag213又はEle
ctrodag 199等の導電性エポキシを使用し、引抜き成形
複合部材のベース端部を囲み、接触させることも可能で
ある。この際、導電性エポキシはベース部材を介して、
又は直接接地電位に接地される。尚、引抜き成形は十分
に導電性があり、例えば、螺子止めにより接地可能であ
ることは理解されよう。
【0062】本発明の電子部品に関して上述したよう
に、引抜き成形複合部材は引抜き成形プロセスの主軸に
より規定される軸又は長手方向をもつ様々な形状で形成
することが出来る。細長形状にすることにより、引抜き
成形複合部材は移動する支持体にかかる横方向に誘起さ
れた力に応答して湾曲しうる。ここで具現化されるよう
に引抜き成形複合部材は約6mm 乃至約50mmの全長を有
し、更には約10mm乃至約25mmの全長が好ましい。
【0063】先ず、図7に参照するに、図7は符号100
により示される静電気除去装置の一具体例を示す。図7
の静電気除去装置100 は、ベース部材130 から互いにほ
ぼ平行に延びる複数の引抜き成形複合部材110 を具備す
る。各引抜き成形複合部材110 は細長い棒状に成形され
ていて、複数の導電繊維120 が引抜き成形複合部材110
の長手方向に配向され、その中を連続的に延びている。
各棒状引抜き成形複合部材の断面は所望であれば、多角
形、楕円形、平面等でもよいが、ここでの実施例の静電
気除去装置は円形断面の棒状引抜き成形複合部材を用い
る。各棒状引抜き成形複合部材の主寸法、即ち直径は約
0.1mm 乃至約4mm の範囲にあり、約0.1mm 乃至約2mm の
主寸法がより好ましい。一般に各引抜き成形複合部材の
断面積は約0.01mm2 乃至約10mm2 の範囲にあり、更には
約0.1mm2乃至約1mm2が好ましい。
【0064】図8乃至10は図7の静電気除去装置のブ
ラシ状構造125 の二つの異なる構成を示すものである。
図8に見られるように複数の導電繊維120 の各々の露出
長は均一であり、ブラシ状構造125 の自由端部が引抜き
成形複合部材と導電繊維の露出長との間の境界115 の領
域に平行でほぼ平坦である。或るいは、ブラシ状構造12
5'の自由端部は図9に示されるように境界115'の領域に
対して傾斜してもよい。電子部品の製造方法について上
述した切断小繊維化プロセスを用いることにより、様々
な形態のブラシ状構成125 を形成することが可能であ
る。例えば、図7の棒状引抜き成形複合部材110 の各々
のブラシ状構造125 の自由端部を図10に見られるよう
にレーザー切断及び小繊維化の際各棒状部材110 を回転
させることにより円錐形状にすることも可能である。
尚、これらの引抜き成形複合部材の繊維密度は1mm 四方
あたり少なくとも約100本であり、実際には1mm 四方
あたり約1000本を越える繊維があるが、図8乃至1
0の概略図においてはこれらの繊維密度を記載できない
ことを再び述べておく。
【0065】図11は符号200 で示される静電気除去装
置の別の具体例を示すものであり、平坦な形状の単独の
引抜き成形複合部材を使用したものである。複数の導電
繊維220 が引抜き成形複合部材210 の長手方向に配向さ
れて、その間連続的に延び、平面部材210 の全幅、即ち
横方向に渡り密に配されている。ここでの実施例の平面
形状の引抜き成形複合部材210 の幅は約2mm 乃至約1000
mmの範囲が可能であり、約2mm 乃至約300mm の間がより
好ましい。一方、平面部材の厚さは約0.1mm 乃至約3mm
の範囲が可能であり、0.2mm 乃至約1mm の間が好まし
い。更に平面形状部材210 の小繊維化端部に形成される
ブラシ状構造225 は直線エッジで構成してもよく、また
図11に示されるように鋸刃形状等の形状加工エッジで
構成してもよい。
【0066】図12は基本的に一体的な静電気除去装置
の実施例を示すものであり、これを符号300 で示す。こ
こで、平面状の単一の引抜き成形複合部材310 が使用さ
れる。そのため、独立したベース部材の代わりに、引抜
き成形複合部材310 のベース端部316 は複数の導電繊維
320 に電気的に接続され、そこから電荷の流れを可能に
する手段を具備する。例えば、上述した導電エポキシの
一つを用い、引抜き成形複合部材310 のベース端部316
を被覆し、複数の導電繊維320 と接触し、導電エポキシ
を直接、接地電位に接地している。
【0067】図11の実施例において、図12の複数の
導電繊維320 を引抜き成形複合部材310 の長手方向にそ
の間連続的に配向し、平面部材310 の全幅即ち横方向に
わたり密に配する。ここでの実施例の平面形状引抜き成
形複合部材310 の幅は約2mm乃至約1000mmの範囲が可能
であり、約2mm 乃至約300mm の間が好ましい。一方平面
部材310 の厚さは約0.1mm 乃至約3mm の範囲が可能であ
り、約0.2mm と約1mmの間が好ましい。平面形状部材310
の小繊維化端部に形成されるブラシ状構造325 は直線
エッジ形状又は形状加工エッジ形状のいずれでもよい。
更に例えば図13に見られるように静電気除去装置の柔
軟性を増加させるためにグルーブ318 を平面形状引抜き
成形複合部材310 に形成してもよい。
【0068】図7及び図11乃至13の実施例において
静電気除去装置の幅、即ち横方向は搬送される支持体の
幅に対応し、幅方向に渡り延びている。コピー用紙等の
支持体表面は一般に誘電体であり電荷を導電しない。こ
のため、支持体表面の電荷を単独接点では十分に放電す
ることが出来ない。接点の配置は支持体表面の移動方向
に対して垂直であることが必要であり、これにより支持
体表面のほぼ全表面積がこの静電気除去装置に確実に接
触し、放電される。このようにして蓄積電荷は支持体表
面の8.5 ×11のシートあたり、約20ナノクーロン未満に
下げることが可能である。
【0069】図14を参照するに、図14は本発明の電
子部品の使用に関して既に述べた自動静電写真印刷装置
を示すものであり、更に本発明の静電気除去装置を具備
する。一般に上述した説明から理解されるように自動静
電写真印刷装置は静電写真プロセスにより支持体表面に
トナー画像を形成する手段と、トナー画像形成手段によ
る支持体表面の静電写真処理をするために装置内におい
て支持体面を搬送する手段とを具備する。即ち、トナー
画像形成手段は上述したように帯電ステーション、画像
形成ステーション、現像ステーション、転写ステーショ
ン及び定着ステーションを具備する。搬送手段は複数の
トレイ、コンベア、判断ゲート等を装置内の各所に具備
する。
【0070】図14から明らかなように、支持体、即
ち、コピー用紙の各シートは転写ステーション及び定着
ステーションを介して、及びコンベア64、66、32
及び46で搬送された後、一般にかなりの量の電荷に曝
される。この蓄積電荷は続く判断ゲート48、52、5
6によるコピーシートの扱い及び方向付け処理を非常に
害する。更に、蓄積電荷はコピー用紙が排紙口A又はB
から排紙された後、又は両面コピー用トレイ60に保持
される際に、使用者に静電気ショックを与える危険があ
る。
【0071】これらの電荷関連の問題は支持体表面の8.
5 ×11の大きさのシートあたり約20ナノクーロン未満
に蓄積電荷を削減することにより解決または最小限に抑
えることが出来る。各シートに蓄積される電荷を減らす
ために本発明の静電気除去装置Sは対象となる必要位置
の直ぐ上流に配置される。例えば、図14に見られるよ
うに、静電気除去装置Sは判断ゲート48、52及び5
6、排紙口A及びB、及び両面コピー用トレイ60の直
ぐ手前に設けられる。
【0072】開示した実施例のいずれも、また本発明の
静電気除去装置の明白な実施例のいづれもが図14の自
動静電写真印刷装置に使用することが可能であることは
明らかである。また、本発明の静電気除去装置の使用に
より、コロナ発生装置14及び30等の高電圧帯電装置
におけるアーク放電及び機械的破損の危険性を大きく削
減することも明らかである。即ち、静電気除去装置Sか
ら不慮に破壊又は脱落する個々の導電繊維の長さが既に
述べたようにコロナ発生装置14及び30の臨界長さ未
満に制限されている。
【0073】このように、本発明によれば、密に配置さ
れるフィラメント接点のブラシ構造を有する静電気除去
装置は支持体から蓄積静電荷を除去するために使用され
る。本静電気除去装置は信頼性が高く、安価で、低出力
構成で、外部電源を使用せず、長期に渡り機能すること
が可能である。更には、本発明の静電気除去装置は抵抗
を制御が可能であり、また汚染に対し免疫性を有し、毒
性がなく、環境的に安定に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ポリマーマトリックスを有する成形複
合部材の側面図であり、ポリマーマトリックスが該部材
の一端から繊維径に比べ比較的長い個々の繊維を露出す
るように除去されており、該部材は変形されると固まり
のようなブラシとして振舞い、図1Aは図1の小繊維化
された部材の断面図であり、図1Bは図1Aの断面図の
一部を更に拡大した図である。
【図2】図2は引抜き成形複合部材の別の実施例であ
り、小繊維化された一端部の長さは繊維径に比べかなり
短く、端末部は比較的堅い接触面を有し、図2Aは図2
の小繊維にばらけた部材の断面図であり、図2Bは図2
Aの断面図の一部を更に拡大した図である。
【図3】図3は引抜き成形部材の一部をレーザーにより
小繊維化するために引抜き成形部材を載置するためのプ
ログラム可能なベッドの概略説明図である。
【図4】図4は感光体接地ブラシとしての本発明を装備
する自動静電写真印刷装置の断面図である。
【図5】図5はレーザにより繊維化された引抜き成形さ
れた接点を有するセンサ及び引抜き成形された接点を示
すものである。
【図6】図6は移動する感光体面に接触する感光体接地
ブラシの側面から見た拡大図である。
【図7】図7は本発明の静電気除去装置の一実施例の概
略表示の側面図である。
【図8】図8は図7に示す静電気除去装置の引抜き成形
複合部材の一つの拡大図である。
【図9】図9は図7の静電気除去装置において使用され
る引抜き成形複合部材の代替実施例の拡大図である。
【図10】図10は図7の静電気除去装置において使用
される引抜き成形複合部材の別の代替実施例の拡大図で
ある。
【図11】図11は本発明の静電気除去装置の別の実施
例の概略図である。
【図12】図12は本発明の静電気除去装置の一体実施
例の概略図である。
【図13】図13は本発明の静電気除去装置の別の一体
実施例の概略図である。
【図14】図14は本発明の静電気除去装置を更に具備
する図4の自動静電写真印刷装置の断面を示すものであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 トーマス イー.オルラウスキ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14450 フェアポート モーニング ビュー ド ライヴ 1 (72)発明者 スタンレー ジェイ.ウォレス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14564 ヴィクター トリリアム トレイル 7424 (72)発明者 ウィルバー エム.ペック アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14616 ロチェスター リップルウッド ドライ ヴ 227 (72)発明者 ジョン イー.コートニイ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14502 マセダン パネル ロード 128 (72)発明者 デイヴィッド イー.ロリンズ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14489 −1258 レイトン ストリート 59

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面から電荷を除去する装置であって、 ポリマーマトリックス内に提供された複数の導電繊維を
    含む非金属性の引抜き成形複合部材と、ここに前記複数
    の導電繊維はポリマーマトリックス内に引抜き成形複合
    部材の長手方向に配向され且つポリマーマトリックスを
    通って連続的に延び、前記引抜き成形複合部材は少なく
    とも一つの小繊維化された端部を有し、該端部は前記表
    面との接触用の複数の導電繊維の露出長により形成され
    る密に配置されるフィラメント接点のブラシ状構造を含
    み、 引抜き成形複合部材を保持するベース部材であって、複
    数の導電繊維と電気的に接続し、そこから電荷を通過さ
    せる手段を含む上記ベース部材とを含む上記表面から電
    荷を除去する装置。
  2. 【請求項2】 前記ポリマーマトリックスが、レーザー
    により揮発されて、少なくとも前記小繊維化された端部
    における複数の導電繊維の露出長を露出し、これにより
    ブラシ状構造を形成することことができるエネルギー吸
    収物質であることを特徴とする請求項1の装置。
  3. 【請求項3】 前記エネルギー吸収物質が、熱可塑性樹
    脂であることを特徴とする請求項2の装置。
JP2144494A 1993-02-24 1994-02-18 表面から電荷を除去する装置 Pending JPH06290895A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/021,445 US5354607A (en) 1990-04-16 1993-02-24 Fibrillated pultruded electronic components and static eliminator devices
US021445 1993-02-24

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06290895A true JPH06290895A (ja) 1994-10-18

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JP2144494A Pending JPH06290895A (ja) 1993-02-24 1994-02-18 表面から電荷を除去する装置

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009128692A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Fuji Xerox Co Ltd 除電手段、及びこれを備えた画像形成装置
JP2010267409A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Toshiba Corp 樹脂フィルムの除電装置、およびこの除電装置を備えた印刷装置
CN116608776A (zh) * 2022-09-14 2023-08-18 北京航空航天大学 一种高温多尺度散斑自动点涂装置及点涂方法

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