JPH0629006Y2 - コンバインの穀粒排出オ−ガ−旋回装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は刈取脱穀した穀粒を穀粒タンクに充填しながら
作業を行なうコンバインの穀粒排出オーガー旋回装置に
関する。

（ロ）従来技術 従来、脱穀装置の揚穀筒で穀粒タンクに投入した穀粒を
上部が旋回する排出オーガーで揚送排出するようにした
コンバインは既に知られている。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 前記既知のコンバインの穀粒排出オーガー旋回装置にお
いて、作業能率を向上すべく、旋回部の旋回速度を高速
にすると、上記旋回部は自重が大で慣性力も大きくなる
ので、規制ストッパーが旋回終端部で激しく衝突して破
損するので、旋回速度は前記破損を生じない程度に自ら
制限され、作業能率を充分向上することができなかっ
た。

（ニ）問題点を解決するための手段 本考案は、穀粒タンクに付設した揚送筒の上部に、旋回
筒を水平回動可能に装着すると共に所定の範囲内でのみ
旋回駆動するようになし、該旋回筒に排出筒を起伏可能
に連結したものにおいて、前記旋回筒の外周に突起を設
け、前記揚送筒の上部と一体な部材に前記突起を旋回筒
の旋回範囲の端部で受け止めるストッパーを設け、該ス
トッパーの旋回方向手前側に、旋回速度を順次低下させ
る連続減速制御装置を設けることにより前述の問題点を
解決した。

（ホ）作用 穀粒タンクが満杯になって穀粒を運搬車に積込むべく、
排出オーガーの旋回筒をその吐出口が運搬車の荷台上に
臨むように旋回させて穀粒揚送排出を行う。その際、排
出筒を旋回端部まで旋回させた後、位置合わせすべく少
し戻すような場合、旋回端部では、連続減速制御装置が
作動して旋回部の旋回速度が順次低下し、弱い衝撃でス
トッパーにより一定位置に正確に受け止められる。

また、穀粒揚送排出を終って旋回部を待機姿勢に収納す
べく戻し旋回させて停止する時、旋回範囲の終端で連続
減速制御装置が作動して旋回筒の旋回速度が順次低下
し、ストッパーに対する衝撃力が小さくなると共に一定
位置に停止する。

（ヘ）実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、１は走行
装置を有する機台上に搭載した脱穀装置であって、他側
には前方から順に操作盤、運転席４、穀粒タンク５及び
エンジンルーム等を設け、穀粒タンク５の底部に設けた
排出螺旋はエンジンルームの底部を経て後方へ突出して
おり、この突出部に立設されていてオーガー9aが内装さ
れた揚送筒７の上部には旋回筒９を装着し、オーガーを
内装している排出筒８は上記旋回筒９に枢支されていて
電磁弁で伸縮作動する油圧シリンダー10により起伏し、
前記旋回筒９は揚送筒７の上端のフランジ7aに螺着した
受筒12と一体な受板13上の直流モーター11により水平旋
回する。

また、前記旋回筒９の下部外周に４本のピン14・・を放
射状に突設し、これらのピン14・・と駆動スプロケット
15とにチエン16を張設し、上記駆動スプロケット15の軸
に取付けたギヤ17は直流モーター11により伝動ケース18
及び小径ギヤ19を介して駆動される。

更に、前記受板13の前記駆動スプロケット15側には基部
が支点ピンで枢支され、先端部が引張りスプリング20で
連結された一対のく字状スプリング杆21,21を設けてチ
エン16を緊張してある。

前記受板13の駆動スプロット15と反対側上面にはボルト
23,23で取付枠25を装着し、この取付枠25の回転方向の
両端に、受面が旋回筒９の半径方向のなっている一対の
取付板26,26を一体的に立設し、それらの取付板26,26の
受面にゴム板等の弾性材からなるストッパー27,27を螺
着し、内側の起立部29,29には規制スイッチ28,28を螺着
してあり、旋回筒９の下部外周には接触面が略同一平面
となっている上下一対の突起30,31を設け、前記規制ス
イッチ28,28の感知体28a,28aは非感知状態では第５図に
示すように上方の突起30により押込まれても破損しない
程度にストッパー27よりだけ突出している。

而して、前記旋回筒９の外周には旋回範囲の端部と対応
する部位（ストッパー27,27の直前部と対応する部位）
に、第１図に示す如くゆるやかな傾斜部40,40を有する
カム41を付設してあり、前記取付枠25には先端のローラ
43が上記カム41に摺接するポテンショメータ42を取付
け、このポテンショメータ42は第２図（ａ）に示す直流
モーター11の回路に挿入してあり、前記カム41とポテン
ショメータ42は連続減速制御装置を構成している。

前述のコンバインにおいて、刈取装置と穀稈搬送装置と
からなる前処理装置32により刈取搬送された穀稈は脱穀
装置１により脱穀処理され、選別された穀粒は揚穀筒に
より穀粒タンク５に充填され、穀粒タンク５が満杯にな
ったならばコンバインを道路上に駐車させてある運搬車
に横付けし、旋回筒９を油圧シリンダー10により上昇傾
動させ、次いで直流モーター11を手動スイッチＳを操作
して起動すると、旋回筒９は水平旋回し、それにともな
ってカム41が回転してポテンショメータ42のローラ43を
傾斜部40により徐々に押出すので、ａの範囲で電圧が順
次上がり、それにより旋回筒９は旋回速度を徐々に上げ
傾斜部40の頂部に達すると所定の旋回速度になって旋回
し、旋回筒９の吐出口が荷台上に臨んだならば手動スイ
ッチＳを切って止める。

その時、旋回筒９を旋回範囲ｂ一ぱいにした場合はポテ
ンショメータ42のローラがカム41の他側の傾斜部に沿っ
て下降するので旋回速度が徐々に低下し、突起30が規制
スイッチ28に当接してそれがOFFになると共に突起31が
ストッパー27に当接して停止する。

このようにして旋回筒９が排出姿勢になったならば排出
クラッチを入れ、穀粒タンク５の底部のシャッターを開
くと、移送螺旋及びオーガーが回動して穀粒タンク５内
の穀粒は旋回筒９から荷台に投入される。

そして、穀粒排出が終ったならば手動スイッチＳを戻り
側へ入れると、前記旋回筒９が戻り回動し、穀粒タンク
５の前部の脱穀装置１寄りに設けた受材35に達する直前
にポテンショメータ42もローラがカム41の傾斜部に沿っ
て突出して電圧が徐々に降下し、旋回筒９は旋回速度を
低下させながら旋回して突起30が規制スイッチ28に当接
し、直流モータ11が停止しストッパー27が一定位置で受
止め、その状態で旋回筒９を下降させると受材35に正確
に乗る。

更に、規制スイッチ28の感知体28aの突出量を設定す
る場合はボルト36,36を弛めて規制スイッチ28を進退さ
せて調節し、この状態で該規制スイッチ28及びストッパ
ー27の位置を設定する場合はボルト23,23を弛め、受板1
3の突出部13aに立設されている支柱37に頭部が当接する
位置決めボルト38,38を操作して接地位置を調節する
と、規制スイッチ28,28とストッパー27,27は一定の位置
関係を保持したまゝ所定位置へ回動する。

次ぎに、旋回筒９の駆動装置における安全装置について
説明すると、前記チエン16は過負荷がかかった時、ピン
14・・を飛ぶようにしてあり、この飛び作用を敏感にす
るためにはピン14・・の数を４本程度にすることが望ま
しい。

第７〜９図は停止時の旋回速度を低下させる傾斜制御装
置の他の例を示すものであって、50は旋回筒９に遊嵌し
たコイルスプリングであって、その一端を取付枠25に螺
着した規制板49の長孔49aに嵌合され、他端は旋回筒９
に固定した受金51に係止してあり、穀粒を排出すべく旋
回筒９を運搬車の荷台上に向けて旋回させる時、巻き締
められている前記コイルスプリング50が戻りながら旋回
を付勢するので、スムーズに起動し、中途部ではコイル
スプリング50の一端が長孔49a内を移動するだけである
ので、旋回の抵抗になることがなく、停止する時はコイ
ルスプリング50の一端が長孔49aの端部に受け止められ
て巻き締め強さを順次大きくしながら制動するので旋回
筒９の旋回速度が順次低下し、規制スイッチ28が作動し
て小さな衝撃でストッパー27により受止められて停止す
る。

（ト）考案の効果 本考案は、前述のように穀粒タンク５に付設した揚送筒
７の上部に、旋回筒９を水平回動可能に装着すると共に
所定の範囲内でのみ旋回駆動するようになし、該旋回筒
９に排出筒８を起伏可能に連結したコンバインにおい
て、前記旋回筒９の外周に突起31を設け、前記揚送筒７
の上部と一体な部材に前記突起３１を旋回筒９の旋回範
囲の端部で受け止めるストッパーを設け、該ストッパー
の旋回方向手前側に、旋回速度を順次低下させる連続減
速制御装置を設けたので、排出オーガーの旋回筒９の旋
回端部まで旋回させて停止させる時、停止直前に連続減
速制御装置が作動して旋回筒９の旋回速度が高速から徐
々に低下することとなり、排出筒８は長くかつ重量がき
わめて重く慣性が大であるにも拘らず、旋回速度を一段
階低下させ、その速度状態から旋回端部で一挙に駆動を
断つもののように２段階の強い衝撃が発生することがな
く、旋回駆動装置を破損させることがない。

しかも、旋回範囲の端部で排出筒８を停止させる直前
に、旋回速度を充分に低速になし得ることとストッパー
27により旋回筒９と一体な突起31を受け止めることとが
相俟って一定位置に正確に停止させることができ、それ
により穀粒排出完了後にコンバイン上に戻し旋回させ、
これを下降させると、受材35を破損することなく正確に
嵌合させることができる。また、前記ストッパー27を破
損させることもない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
要部の平面図、第２図(a)は制御回路図、(b)は旋回速度
図、第３図はコンバインの概略を示す平面図、第４図は
排出オーガーの接続部の平面図、第５図は駆動部の平断
面図、第６図は同上縦断面図、第７図(a)はストッパー
破損防止装置の他例を示す平断面図、(b)は規制部の側
面図、第８図は縦断面図、第９図は旋回速度図である。 １……脱穀装置、５……穀粒タンク、７……揚送筒、９
……旋回筒、11……直流モーター、27……ストッパー、
28……規制スイッチ、41……カム、42……ポテンショメ
ータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】穀粒タンク５に付設した揚送筒７の上部
   に、旋回筒９を水平回動可能に装着すると共に所定の範
   囲内でのみ旋回駆動するようになし、該旋回筒９に排出
   筒８を起伏可能に連結したコンバインにおいて、前記旋
   回筒９の外周に突起３１を設け、前記揚送筒７の上部と
   一体な部材に前記突起３１を旋回筒９の旋回範囲の端部
   で受け止めるストッパー27を設け、該ストッパー27の旋
   回方向手前側に、旋回速度を順次低下させる連続減速制
   御装置を設けたことを特徴とするコンバインの穀粒排出
   オーガー旋回装置。