JPH06288339A - 可変容量ピストンポンプ - Google Patents

可変容量ピストンポンプ

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Publication number
JPH06288339A
JPH06288339A JP5081958A JP8195893A JPH06288339A JP H06288339 A JPH06288339 A JP H06288339A JP 5081958 A JP5081958 A JP 5081958A JP 8195893 A JP8195893 A JP 8195893A JP H06288339 A JPH06288339 A JP H06288339A
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JP
Japan
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pressure
swash plate
pressure oil
control piston
pump
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Pending
Application number
JP5081958A
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English (en)
Inventor
Shigeru Suzuki
鈴木  茂
Nobuaki Hoshino
伸明 星野
Hideoki Katsuta
秀興 勝田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority to JP5081958A priority Critical patent/JPH06288339A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】非荷役時の動力損失を大きくすることなく、荷
役スイッチのONにより迅速かつ確実に最大容量へ容量
変化可能であるとともに、最大容量で荷役スイッチをO
FFすれば、確実に最小容量へ容量変化可能とする。 【構成】斜板30の傾角αを常に減少させる向きに付勢
する制御ばね40と、吐出油圧力Pcにより斜板30の
傾角αを増大させる向きに付勢する制御シリンダ50と
が配設された可変容量ピストンポンプにおいて、制御シ
リンダ50は、斜板30の傾角αが小さい領域における
有効受圧面積が大きい領域におけるそれよりも拡大すべ
く構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、諸機械の油圧作動系に
用いられる可変容量ピストンポンプに関し、詳しくは最
小容量起動型ポンプの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、立上りトルクを低減し、省動力化
に寄与する最小容量起動型可変容量ピストンポンプが知
られている(特開平4−54978号公報)。この種の
ポンプは、ケーシング及びその開放端を閉止するエンド
カバーによって密封状の動作空間が形成され、この動作
空間内に挿入された駆動軸は、これらケーシング及びエ
ンドカバーに軸受を介して支承されている。駆動軸に結
合され、動作空間内において駆動軸と一体的に回転する
シリンダブロックには、その軸心の周りに軸心とほぼ平
行な複数のボアが形成され、同ボア内にはシューを介し
て斜板に係留されたピストンが往復動可能に嵌挿されて
いる。また、エンドカバーに固定されて各ボアの開口端
面を封止する弁板には、ボア開口の回転軌跡と符合して
対向円弧状をなす吸入ポート及び吐出ポートが穿設さ
れ、同吸入及び吐出ポートはこれと同一形状に形成され
たエンドカバーの吸入及び吐出口の端縁と整合すべく構
成されている。さらに、特徴的な構成として、支軸に枢
支された斜板が付勢手段としての制御ばねにより常に傾
角を縮小する向きに付勢されており、吐出油圧力により
斜板傾角を増大させる向きに付勢する制御シリンダが配
設されている。
【0003】この種のポンプでは、駆動軸と共動するシ
リンダブロックの回転に伴い、斜板に係留されて直動す
るピストンがボアの密閉空間容積を拡大する傾向にある
とき、同ボアは吸入ポートと対応して作動油を吸入し、
逆にピストンがボアの密閉空間容積を縮小する傾向にあ
るとき、同ボアは吐出ポートと対応して作動油を吐出す
る。また、吐出油圧力により、制御シリンダの制御ピス
トンをバレルに沿って制御ばねの付勢力に抗して進退動
せしめれば、斜板傾角つまりポンプ1回転当たりの理論
吐出量が変更調節可能となる。
【0004】そして、この種のポンプでは、図13に時
間t(微小間隔で検討。以下、同様。)と斜板傾角αと
の関係(斜板傾角αは駆動軸の回転数が一定のときには
吐出容量Qと比例関係にある。以下、同様。)及び時間
tと制御シリンダに導入される油圧力Pcとの関係(制
御ピストンには油圧力Pcと有効受圧面積Sとの積から
なる力Fが作用している。)を示すように、最も特徴的
な作用として、運転始動時には、まず斜板が最小つまり
微小傾角αminに基づく最小容量Qminで起動さ
れ、 Pc=P0 となる。このとき、制御ピストンには、 F=P0 ×S=Fmin が作用している。このときには、起動油圧力P0 が起動
設定圧力P1 を下回っているため、起動力Fminは起
動設定力F1 を下回り、制御ピストンは制御ばねの付勢
力に屈して突出しない。
【0005】ここで、吐出管路に接続されている荷役回
路のスイッチをONすれば、最小容量Qminの下で油
圧力Pcが上昇し始め、力Fも上昇し始める。そして、
A時点において、 Pc=P1 F=P1 ×S=F1 になれば、制御ピストンが進動可能状態になる。すなわ
ち、これより油圧力Pcが上昇すれば、制御ピストンは
制御ばねの付勢力に抗して進動を開始する。このため、
斜板傾角αが微小傾角αminから最大αmax側に移
行し、吐出容量が最小容量Qminから最大容量Qma
x側に容量変化する。そして、B時点において、 Pc=P2 (最大傾角保持設定圧力) F=P2 ×S=F2 (最大傾角保持設定力) に達すれば、制御ピストンが終端位置になる。このた
め、斜板傾角αは最大αmaxになり、吐出容量が最大
容量Qmaxになる。この後、荷役の負荷に応じ、油圧
力Pc(力F)は変動する。
【0006】最大容量Qmaxの状態で荷役スイッチを
OFFすれば、油圧力Pcが低下し始め、力Fも低下し
始める。そして、二点鎖線上、C1 時点において、 Pc=P2 F=F2 に達すれば、制御ピストンが終端位置から始端位置に向
けて移行する。すなわち、制御ピストンは制御ばねの付
勢力に屈して退動を開始する。このため、斜板傾角αが
最大αmaxから微小傾角αmin側に移行し、吐出容
量が最大容量Qmaxから最小容量Qmin側に容量変
化する。そして、D時点において、 Pc=P1 F=P1 ×S=F1 に達すれば、制御ピストンが進動可能状態に戻る。この
ため、斜板傾角αが最小αminになり、吐出容量が最
小容量Qminになる。そして、E時点において、 Pc=P0 F=P0 ×S=F0 =Fmin になれば、運転始動時に戻る。なお、図13は、静的に
考察したものであり、実機による運転では、傾角α(容
量Q)の変化は油圧力Pc(力F)の変化とは多少のず
れを生じる(以下、同様。)。
【0007】こうして、この種のポンプでは、エンジン
による立上りトルクがきわめて小さく、省動力化に寄与
できるという利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のポ
ンプでは、制御シリンダが一定の有効受圧面積Sで吐出
油圧力Pcを受けているにすぎない。このため、このポ
ンプでは、運転始動時には、小さな起動油圧力P0 かつ
最小容量Qminの下で油圧力Pcの上昇を行ない、な
かなか上昇しない油圧力Pcで一定の有効受圧面積Sを
押圧することになる。
【0009】ここで、かかる有効受圧面積Sが比較的小
さければ、なかなか起動設定力F1を上回る力Fが制御
ピストンに作用しないため、荷役スイッチのON時から
制御ピストンが進動可能状態(図13ではA時点)にな
るまでに未だ長時間を要するか、又は負荷の程度によっ
ては制御ピストンが進動を開始しないことがある。ま
た、この場合、制御ピストンの進動可能状態から終端位
置(図13ではB時点)への移行までも未だ長時間を要
する。有効受圧面積Sを小さくする代わりに、制御ばね
のばね定数を大きくする場合も同様である。こうして、
ポンプは、荷役スイッチのON時から最大容量Qmax
になるまでに未だ長時間を要し、荷役作業の迅速化の支
障となりうる。
【0010】これを解決すべく、有効受圧面積Sを比較
的大きく設定すれば、確かに運転始動時の荷役スイッチ
のONにより、より大きな傾きの下で油圧力Pc(力
F)が上昇することから、比較的迅速に最大容量Qma
xへの容量変化が得られる。有効受圧面積Sを大きくす
る代わりに、制御ばねのばね定数を小さくする場合も同
様である。
【0011】しかしながら、こうして有効受圧面積Sを
比較的大きく設定すれば、最大容量Qmaxで荷役スイ
ッチをOFFした場合、大きな流量に起因して配管抵抗
が大きいため、なかなか低下しない油圧力Pcで大きな
有効受圧面積Sを押圧することとなり、制御ピストンに
は依然として大きな力Fが作用しやすい。吐出管路や荷
役回路の配管抵抗が大きくなれば、なおさらこの傾向が
大きい。よって、図13の実線上、C2 時点のように、
油圧力Pc(力F)が起動設定圧力P1 (起動設定力F
1 )未満に低下しにくく、斜板が最大αmax近傍を維
持して最小容量Qminへの容量変化が得られないこと
があり、非荷役時に動力損失を生じることとなる。
【0012】また、荷役スイッチのON時から制御ピス
トンが進動可能状態になるまでを迅速に行なうべく、斜
板の最小傾角αminをやや大きく設定し直すことによ
り起動油圧力P0 を大きくすれば、非荷役時における最
小容量Qminが上昇することから、動力損失が大きく
なってしまう。本発明は、非荷役時の動力損失を大きく
することなく、荷役スイッチのONにより迅速かつ確実
に最大容量へ容量変化可能であるとともに、最大容量で
荷役スイッチをOFFすれば、確実に最小容量へ容量変
化可能とすることを解決すべき課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1の可変容量ピストンポンプは、上記課題
を解決するため、斜板傾角を常に縮小させる向きに付勢
する付勢手段と、吐出油圧力により該斜板傾角を増大さ
せる向きに付勢する制御シリンダとを備えた可変容量ピ
ストンポンプにおいて、前記制御シリンダは、前記斜板
傾角が小さい領域における有効受圧面積が大きい領域に
おけるそれよりも拡大すべく構成されているという新規
な構成を採用している。 (2)請求項2の可変容量ピストンポンプでは、請求項
1のものにおいて、制御シリンダの制御ピストンは、進
退動方向に交差する第1端面と、該第1端面より有効受
圧面積が拡大され、該進退動方向に交差する第2端面と
をもち、該制御ピストンを案内する該制御シリンダのバ
レルは、該第1端面を含む第1圧力油導入室と、該第2
端面を含む第2圧力油導入室とをもち、該第1圧力油導
入室には吐出圧力油が導入され、該第2圧力油導入室
は、斜板傾角が最小から中間までの間には該第1圧力油
導入室と連通し、該斜板傾角が中間から最大までの間に
は該第1圧力油導入室と遮断されてドレンに連通される
べく構成されていることができる。 (3)請求項3の可変容量ピストンポンプでは、請求項
1又は2のものにおいて、制御シリンダの圧力油導入側
には、起動設定圧力で開弁し、閉弁時に該圧力油導入側
をドレンと連通させる開閉弁が介在されていることがで
きる。 (4)請求項4の可変容量ピストンポンプでは、請求項
1、2又は3のものにおいて、制御シリンダの圧力油導
入側には逆止弁が介在され、該圧力油導入側と該逆止弁
との間はオリフィスを介してドレンに連通されているこ
とができる。
【0014】
【作用】
(1)請求項1の可変容量ピストンポンプにおいても、
運転始動時にはやはり最小容量の下つまり斜板の最小傾
角に基づく小さな油圧力から油圧力の上昇を行なう。し
かし、このポンプでは、斜板傾角が小さい領域における
有効受圧面積が大きい領域におけるそれよりも拡大すべ
く構成されているため、荷役スイッチをONすれば、た
とえ小さな油圧力からの立ち上がりであっても、制御ピ
ストンには起動設定力を上回る大きな力が作用しやす
い。このため、制御ピストンは、迅速かつ確実に進動可
能状態(斜板傾角は未だ最小、ポンプの吐出容量は未だ
最小容量)になり、進動可能状態から終端位置(斜板傾
角は最大、ポンプの吐出容量は最大容量)へも迅速に移
行する。よって、斜板傾角が迅速かつ確実に最小から最
大に移行し、吐出容量が迅速に最小容量から最大容量に
容量変化する。
【0015】また、このポンプでは、斜板傾角が大きい
領域における有効受圧面積が小さい領域におけるそれよ
りも縮小すべく構成されるため、最大容量で荷役スイッ
チをOFFすれば、流量が大きいことにより配管抵抗が
大きくなっていても、油圧力が大きいにもかからず制御
ピストンには比較的小さな力しか作用しない。よって、
斜板傾角が確実に最大から最小に移行し、吐出容量が最
大容量から最小容量に容量変化する。
【0016】このとき、このポンプでは、斜板の最小傾
角を大きく設定し直すことはないため、非荷役時におけ
る最小容量は上昇せず、僅かな動力損失を生じるに過ぎ
ない。 (2)請求項2の可変容量ピストンポンプでは、運転始
動時に荷役スイッチをONすれば、斜板傾角が最小から
中間までの間、油圧力は、第1圧力油導入室及び第2圧
力油導入室に導入され、制御ピストンにおける第1端面
を押圧すると同時に第2端面をも押圧する。よって、油
圧力は第1端面と第2端面との合計の有効受圧面積に作
用するため、油圧力がたとえ小さくても、制御ピストン
には起動設定力を上回る大きな力が作用しやすい。この
ため、制御ピストンは迅速かつ確実に進動可能状態にな
り、中間位置(斜板傾角は中間、ポンプの吐出容量は拡
大途上)まで進動する。
【0017】斜板傾角が中間になれば、油圧力は、第2
圧力油導入室には導入されず、第1圧力油導入室のみに
導入され、制御ピストンにおける第1端面のみを押圧す
る。よって、油圧力は第1端面の有効受圧面積にしか作
用しないが、このときには既に斜板が中間傾角で回転し
ており、比較的大きな流量で圧力油を吐出していること
から、油圧力がある程度大きく、制御ピストンに作用す
る力はさほど低下しない。このため、制御ピストンは中
間位置から終端位置まで進動を継続する。このため、斜
板傾角が迅速かつ確実に最小から最大に移行し、吐出容
量が最小容量から最大容量に容量変化する。
【0018】このとき、第2圧力油導入室はドレンに連
通されているため、制御ピストンの進動の際に第2圧力
油導入室の負圧を生じず、制御ピストンの進動は阻止さ
れない。斜板傾角が最大の時、つまり最大容量で荷役ス
イッチをOFFすれば、油圧力は第1端面の有効受圧面
積にしか作用していないため、たとえ大きな配管抵抗が
あったとしても、油圧力が大きいにもかからず制御ピス
トンには比較的小さな力しか作用しない。そして、油圧
力の低下により、制御ピストンに作用する力は制御ピス
トンが中間位置になるまでは低下する。
【0019】このとき、第2圧力油導入室はドレンに連
通されているため、制御ピストンの退動の際にかかる第
2圧力油導入室の高圧化を生じず、制御ピストンの退動
は阻止されない。制御ピストンが中間位置まで退動すれ
ば、再び油圧力は、第1圧力油導入室及び第2圧力油導
入室に導入され、制御ピストンにおける第1端面を押圧
すると同時に、第2端面をも押圧する。このため、油圧
力は再び第1端面と第2端面との合計の有効受圧面積に
作用するが、このときには既に斜板が中間傾角で回転し
ており、比較的小さな流量で圧力油を吐出しているに過
ぎないことから、油圧力がある程度小さく、制御ピスト
ンに作用する力はさほど大きくない。このため、制御ピ
ストンは中間位置から始端位置まで退動を継続する。よ
って、斜板傾角が確実に最大から最小に移行し、吐出容
量が最大容量から最小容量に容量変化する。
【0020】したがって、このポンプでは、制御ピスト
ンの進退動の際に第2圧力油導入室の負圧又は高圧化を
生じず、制御ピストンの進退動が阻止されないことか
ら、容量変化を確実に行なうことができる。 (3)請求項3の可変容量ピストンポンプでは、運転始
動時に荷役スイッチをONし、油圧力が起動設定圧力を
上回れば、開閉弁が開弁する。これにより、制御シリン
ダには起動設定圧力を上回った油圧力が始めて導入さ
れ、請求項1又は2のポンプと同様に、吐出容量が迅速
かつ確実に最小容量から最大容量に容量変化する。
【0021】最大容量で荷役スイッチをOFFすれば、
回路圧が低下した時点で斜板傾角が減少し、それによっ
て油圧力が起動設定圧力を下回った時点で開閉弁が閉じ
る。これにより、制御シリンダの圧力油導入側はドレン
と連通されるため、制御ピストンに作用する油圧力は、
吐出管路によるものからドレン圧に変更され、一気に低
下する。このため、斜板は迅速かつ確実に最小容量へと
容量変化する。
【0022】したがって、このポンプでは、請求項1又
は2のポンプと比較して、最小容量への容量変化を一層
迅速に行なうことができる。また、このポンプでは、斜
板傾角を常に縮小させる向きに付勢する付勢手段を容易
に選定できる。すなわち、請求項1又は2のポンプで
は、付勢手段は、起動設定圧力(制御ピストンが進動可
能状態から進動を開始する油圧力)に対応した起動設定
力と、最大傾角保持設定圧力(制御ピストンが終端位置
を維持する油圧力)に対応した最大傾角保持設定力との
両者を摩擦力とともに満足する必要があり、選定が比較
的困難である。これに対し、このポンプでは、開閉弁に
おいて起動設定力を満足させ、付勢手段は最大傾角保持
設定力を満足すれば足りる。 (4)請求項4の可変容量ピストンポンプでは、運転始
動時に荷役スイッチをONすれば、請求項1、2又は3
のポンプと同様に、吐出容量が迅速かつ確実に最小容量
から最大容量に容量変化する。
【0023】最大容量時、一時的に荷役回路の負荷が小
さくなり、回路力が低下しても、制御シリンダ内の圧力
油は逆止弁により逆流が阻止され、オリフィスを介して
ドレンへ導出される。このため、制御ピストンに作用す
る油圧力は徐々に低下し、斜板はほとんど傾角を縮小さ
せることがない。よって、荷役回路の負荷が再び大きく
なれば、迅速に最大容量に復帰する。
【0024】最大容量で荷役スイッチをOFFすれば、
請求項1、2又は3のポンプと同様に、吐出容量が確実
に最大容量から最小容量に容量変化する。したがって、
このポンプでは、一時的に荷役回路の負荷が小さくなっ
た場合にも、迅速に対処可能である。
【0025】
【実施例】以下、本発明の可変容量ピストンポンプをク
レイドル型ポンプに具体化した実施例1〜4を図面を参
照しつつ説明する。 (実施例1)実施例1のポンプは、請求項1及び2の発
明を具体化したものである。
【0026】このポンプでは、図1に示すように、フロ
ントケーシング21、センターケーシング22及びエン
ドカバー23によって密閉空間24が形成されており、
この密閉空間24内にはフロントケーシング21及びエ
ンドカバー23との間に軸受25、26を介して駆動軸
27が支承されている。駆動軸27のスプライン27a
には軸心とほぼ平行に複数のボア28を有するシリンダ
ブロック29が軸心に沿って変位可能に嵌合されてい
る。また、フロントケーシング21にはクレイドルガイ
ド21aが形成され、このクレイドルガイド21aには
クレイドル突起30aをもつ斜板30が枢支されてお
り、この斜板30には回転摺動可能にシュー31が係留
されている。シュー31にはピストン32が係留されて
おり、このピストン32はシリンダブロック29の各ボ
ア28内を往復動可能に収納されている。
【0027】シリンダブロック29とエンドカバー23
との間にはボア28の開口端面を封止する弁板33がエ
ンドカバー23に固着されており、この弁板33には、
ボア開口28aの回転軌跡と符合して対向円弧状をなす
吸入ポ−ト33a及び吐出ポ−ト33bが穿設され、同
ポ−ト33a、33bはこれと同一形状に形成されたエ
ンドカバ−23の吸入及び吐出口23a、23bの端縁
と整合すべく構成されている。
【0028】駆動軸27とシリンダブロック29との間
の環状空間内には前後のスペーサ34等を介して圧縮ば
ね35が配設されている。フロントスペーサ34は圧縮
ばね35の付勢力によりピン36を介してピボット37
を軸心に沿って押圧し、ピボット37はシュー31を径
方向に摺動可能に係留するシューリテーナ38と揺動可
能に係留されている。リアスペーサ34は同圧縮ばね3
5の付勢力によりサークリップを介してシリンダブロッ
ク29をピボット37とは逆方向へ押圧している。
【0029】フロントケーシング21における下死点側
には斜板30の一端と当接する付勢ロッド39が付勢手
段としての制御ばね40を介して装備され、斜板30は
同制御ばね40により常にそ傾角が縮小する向きに付勢
されている。他方、この付勢ロッド39等と斜板30に
対して対称なエンドカバー23における下死点側には制
御シリンダ50が配設され、制御シリンダ50のバレル
1内を進退動可能な制御ピストン2はボール42を介し
て斜板30に当接されている。このポンプの最も特徴的
な構成はかかる制御シリンダ50にある。
【0030】制御ピストン2は、図2(A)に示すよう
に、進動方向に延在された長さL(図4参照)の柱状の
小外径部3と、この小外径部3と一体に進動方向に延在
された柱状の連結部4と、この連結部4と一体に進動方
向に延在された柱状の大外径部5とからなる。退動端に
位置する小外径部3の第1端面3aは、図2(B)に示
すように、有効受圧面積S1 で進動方向と直交する方向
に形成され、図2(A)にも示すように、中央にバレル
1の奥端壁との間に第1圧力油導入室15を確保する凸
部3bが形成されている。連結部4の外径は小外径部3
より小さく形成されている。また、大外径部5の外径は
小外径部3より大きく形成されており、連結部4との間
には第1端面3aと同様に進動方向と直交する第2端面
5aが図2(B)に示すように有効受圧面積S2 で形成
されている。この大外径部5には、図2(A)に示すよ
うに、第2端面5aに開口し、制御ピストン2が中間位
置(図3参照)に達すればバレル1の第2間隙8bに連
通するドレン通路5bが形成されている。
【0031】バレル1は、退動方向側の円筒状の小内周
面6と、この小内周面6と進動方向で連続して形成され
進動方向と直交する環状面7と、この環状面7と進動方
向で連続して形成された円筒状の大内周面8とをもつ。
小内周面6には、環状面7側において、進動方向で長さ
L(図4参照)分だけ、制御ピストン2の小外径部3と
ほぼ同径の第1シール帯6aが形成されており、他の部
分では小外径部3との間に第1間隙6bが確保されてい
る。また、大内周面8には、小外径部3が第1シール域
6aに差しかかった時点(中間位置(図3参照))でド
レン通路5bの封止を解除する第2シール帯8aが形成
されており、第2シール帯8aより進動側には大外径部
5との間に第2間隙8bが確保されている。この第2間
隙8bはドレン通路8dによりドレンに連通されてい
る。また、第2シール帯8a、環状面7、連結部4の外
周面は、制御ピストン2の第2端面5aとともに第2圧
力油導入室16を形成している。
【0032】このバレル1の奥端壁には、第1圧力油導
入室15と連通する圧力油導入口1aが貫設されてお
り、この圧力油導入口1aは、図1に示すように、エン
ドカバー23に貫設された制御孔23cと連通されてい
る。エンドカバー23の制御孔23cは、荷役回路(図
示せず)と連通する吐出管路と外部管路により接続され
ており、吐出管路の圧力が油圧力Pcとして制御孔23
c、圧力油導入口1aを経て第1圧力油導入室15に導
入されるようになっている。
【0033】上記のように構成されたこのポンプは、ト
ラック等の特装車両において、駆動軸27がエンジンに
より駆動される。運転始動時、荷役回路の圧力油は外部
管路、エンドカバー23の制御孔23cを経て、図2
(A)に示すように、圧力油導入口1aまで導入され
る。このとき、制御ピストン2は始端位置にある。ま
た、ポンプは、図5に示すように、斜板傾角αが最小つ
まり微小傾角αminに基づく最小容量Qminで起動
され、制御シリンダ50には設定された起動油圧力P0
の油圧力Pcが導入されている。この起動油圧力P
0 は、図2(B)に示すように、第1圧力油導入室15
において、制御ピストン2における小外径部3の第1端
面3aを押圧すると同時に、第1間隙6bを介して第2
端面5aをも押圧し、第1端面3aと第2端面5aとの
合計の有効受圧面積S(=S1 +S2 )に作用してい
る。つまり、 Pc=P0 であり、制御ピストン2には、 F=P0 ×(S1 +S2 )=Fmin が作用している。このときには、起動油圧力P0 が起動
設定圧力P1 を下回っているため、起動力Fminは起
動設定力F1 を下回り、制御ピストン2は制御ばね40
の付勢力に屈して突出しない。
【0034】ここで、吐出管路に接続されている荷役回
路のスイッチをONすれば、回路圧が上昇し、図5に示
すように、油圧力Pcは起動油圧力P0 から起動設定圧
力P 1 まで徐々に上昇する。そして、A時点において、 Pc=P1 F=P1 ×(S1 +S2 )=F1 に達すれば、制御ピストン2が制御ばね40の付勢力に
抗して進動可能状態(斜板傾角αは未だ最小αmin、
ポンプの吐出容量は未だ最小容量Qmin)になる。つ
まり、制御ピストン2の小外径部3がバレル1の小内周
面6を第1間隙6aを有しつつ摺動可能状態になると同
時に、制御ピストン2の大外径部5がバレル1の第2シ
ール帯8aにより封止されつつ摺動可能状態になる。こ
のため、油圧力Pcがたとえ小さな起動油圧力P0 から
の立ち上がりであっても、制御ピストン2には起動設定
力F1 を上回る大きな力が作用しやすい。よって、制御
ピストン2は迅速かつ確実に進動を開始する。次いで、
B時点において、 Pc=P3 (中間設定圧力) F=P3 ×(S1 +S2 )=F3 (中間設定力) に達すれば、制御ピストン2は、図3に示すように、中
間位置(斜板傾角αは中間傾角αmid、ポンプの吐出
容量は拡大途上Qmid)になる。制御ピストン2が中
間位置まで進動すれば、制御ピストン2の小外径部3は
バレル1における小内周面6の第1シール帯6aにより
封止され始め、制御ピストン2の第2端面5aはドレン
通路5bにより第2間隙8bに連通し始める。このた
め、油圧力Pcは、制御ピストン2の第1端面3aを押
圧するが、第2端面5aを押圧しなくなる。よって、制
御ピストン2が長さLだけ進動する間、図4(B)に示
すように、油圧力Pcは第1端面3aの有効受圧面積S
1 にしか作用せず、 F=P3 ×S1 となる。しかし、このときには既に斜板30が中間傾角
αmidで回転しており、比較的大きな流量で圧力油を
吐出していることから、油圧力Pcがある程度大きな中
間設定圧力P3 であり、制御ピストン2に作用する力F
はさほど低下しない。このため、制御ピストン2は中間
位置から進動を継続し、制御ピストン2の小外径部3は
バレル1の第1シール帯6aにより封止された状態で摺
動し、制御ピストン2の大外径部5はバレル1の大内周
面8を第2間隙8bを有しつつ摺動する。
【0035】このとき、制御ピストン2の第2端面5a
はドレン通路5bにより第2間隙8bに連通し、第2間
隙8bがドレン通路8dによりドレンに連通しているた
め、第2圧力油導入室16はドレンに連通される。この
ため、制御ピストン2の進動の際にかかる第2圧力油導
入室16の負圧を生じず、制御ピストン2の進動は阻止
されない。そして、C時点において、 Pc=P2 (最大傾角保持設定圧力) F=P2 ×S1 =F2 (最大傾角保持設定力) に達すれば、図4(A)に示すように、制御ピストン2
は終端位置(斜板傾角αは最大αmax、ポンプの吐出
容量は最大容量Qmax)になる。この後、荷役の負荷
に応じ、油圧力Pc(力F)は変動する。
【0036】よって、斜板傾角αが迅速かつ確実に微小
傾角αminから最大αmaxに移行し、吐出容量が最
小容量Qminから最大容量Qmaxに容量変化する。
制御ピストン2が図4(A)に示す終端位置にあると
き、つまり斜板傾角αが最大αmax、ポンプの吐出容
量が最大容量Qmaxのとき、荷役スイッチをOFFす
れば、図5に示すように、油圧力Pcは徐々に低下す
る。このとき、油圧力Pcは第1端面3aの有効受圧面
積S1 にしか作用していないため、たとえ大きな配管抵
抗があったとしても、油圧力Pcが大きいにもかから
ず、制御ピストン2には比較的小さな力Fしか作用しな
い。そして、D時点において、 Pc=P2 F=F2 に達すれば、制御ピストン2が制御ばね40の付勢力に
屈して退動を開始する。このため、斜板傾角αが最大α
maxから微小傾角αmin側に移行し、吐出容量が最
大容量Qmaxから最小容量Qmin側に容量変化す
る。そして、E時点において、 Pc=P3 F=P3 ×S1 =F3 に達するまで、中間位置になるまで制御ピストン2は退
動する。
【0037】このとき、制御ピストン2の第2端面5a
はドレン通路5bにより第2間隙8bに連通し、第2間
隙8bがドレン通路8dによりドレンに連通しているた
め、第2圧力油導入室16はドレンに連通される。この
ため、制御ピストン2の退動の際にかかる第2圧力油導
入室16の高圧化を生じず、制御ピストン2の退動は阻
止されない。
【0038】制御ピストン2が中間位置まで退動すれ
ば、制御ピストン2の小外径部3は再びバレル1におけ
る小内周面6の第1間隙6aを有しつつ摺動し始めると
同時に、制御ピストン2の大外径部5がバレル1の第2
シール帯8aにより封止されつつ摺動する。このとき、
油圧力Pcは再び第1端面3aと第2端面5aとの合計
の有効受圧面積S(S1 +S2 )に作用し、 F=P3 ×(S1 +S2 ) となるが、このときには図5に示すように、既に斜板3
0が中間傾角αmidで回転しており、最大流量に比較
して小さな流量で圧力油を吐出しているに過ぎないこと
から、油圧力Pcがある程度小さな中間設定圧力P3
あり、制御ピストン2に作用する力Fはさほど大きくな
い。このため、制御ピストン2は中間位置から進動可能
状態まで退動を継続する。そして、F時点において、 Pc=P1 F=P1 ×(S1 +S2 )=F1 に達すれば、制御ピストン2は進動可能状態に戻る。つ
まり、斜板傾角αは最小αminに移行し、吐出容量が
最小容量Qminに容量変化する。よって、このポンプ
では、斜板傾角αが確実に最大αmaxから最小αmi
nに移行し、吐出容量が最大容量Qmaxから最小容量
Qminに容量変化する。そして、G時点において、 Pc=P0 F=P0 ×(S1 +S2 )=Fmin になれば、運転始動時に戻る。
【0039】また、このポンプでは、こうした優れた作
用を発揮しつつ、起動油圧力P0 を高い値で設定し直す
ことはしていないため、斜板30は非荷役時に低い起動
油圧力P0 の油圧力を生じるべく回転することとなり、
僅かな動力損失を生じるに過ぎない。したがって、この
ポンプでは、非荷役時の動力損失を大きくすることな
く、荷役スイッチのONにより迅速かつ確実に最大容量
Qmaxへ容量変化可能であるとともに、最大容量Qm
axで荷役スイッチをOFFすれば、確実に最小容量Q
minへ容量変化可能である。
【0040】また、このポンプでは、従来のポンプと比
較して、油圧力Pcが高い領域では制御ピストン2に作
用する力Fが軽減されることから、制御ピストン2と斜
板30との摩耗を抑制し、耐久性を向上させることがで
きる。 (実施例2)実施例2のポンプは、請求項1、2及び4
の発明を具体化したものであり、図6に示すように、制
御シリンダ50として実施例1と同一のものを採用し、
圧力油導入口1aとエンドカバー23の制御孔23cと
の間に逆止弁9を設け、圧力油導入口1aと逆止弁9と
の間にオリフィスをもつドレン通路を設けたものであ
る。他の構成は実施例1と同一であるため、同一の構成
については同一符合を付し、同一の構成及び作用につい
ての詳説は省略する。
【0041】このポンプでは、運転始動時に荷役スイッ
チをOFFすれば、実施例1のポンプと同様に、吐出容
量が迅速かつ確実に最小容量Qminから最大容量Qm
axに容量変化する。最大容量Qmax時、図7に示す
ように、A時点において、一時的に荷役回路の負荷が小
さくなり、回路圧が例えば中間設定圧力P3 以下に低下
しても、制御シリンダ50の第1圧力油導入室15内の
圧力油は逆止弁9により逆流が阻止され、オリフィスを
介してドレンへ導出されるため、制御ピストン2に作用
する油圧力Pcは徐々に僅かだけ低下し、力Fもほとん
ど低下しない。このため、斜板30はほとんど傾角αを
縮小させることがなく、荷役回路の負荷が再び大きくな
れば、迅速に最大容量Qmaxに復帰する。
【0042】最大容量Qmaxで荷役スイッチをOFF
すれば、B〜E時点を経て、実施例1のポンプよりは緩
やかであるが、吐出容量が確実に最大容量Qmaxから
最小容量Qminに容量変化する。なお、C時点からの
Δt間において、有効受圧面積SがS1 から(S1 +S
2)へ除々に変化しているのは、この間、第1圧力油導
入室15では圧力が低下し続け、第2圧力油導入室16
では第1圧力油導入室15からの圧力供給により僅かづ
つ圧力が上昇し、制御ピストン2を押す力Fが一定に保
たれることから、制御ピストン2が停止しているためで
ある。そして、Δt経過後、有効受圧面積Sが(S1
2 )となっても、制御ピストン2を押す力Fは制御ば
ね40の付勢力に負け、傾角αが減少していく。
【0043】したがって、このポンプでは、実施例1と
同様の効果を奏しつつ、一時的に荷役回路の負荷が小さ
くなった場合にも迅速に対処可能である。 (実施例3)実施例3のポンプは、請求項1、2及び3
の発明を具体化したものであり、図8及び図9に示すよ
うに、制御シリンダ50として実施例1と同一のものを
採用し、圧力油導入口1aとエンドカバー23の制御孔
23cとの間に開閉弁10を設けたものである。
【0044】この開閉弁10は、切欠けをもつスプール
10aを制御孔23cの油圧力Pcとばね10bの付勢
力とにより対抗させたものである。スプール10aは、
油圧力Pcが起動設定圧力P1 以上になれば、ばね10
bの付勢力に抗し始めて切欠けと圧力油導入口1aとの
連通を開始し、油圧力Pcが最大傾角保持設定圧力P 2
以上になれば、ばね10bの付勢力に完全に抗して切欠
けと圧力油導入口1aとを完全に連通させる。逆に言え
ば、スプール10aは、油圧力Pcが最大傾角保持設定
圧力P2 未満になれば、ばね10bの付勢力に負け始め
て切欠けと圧力油導入口1aとの連通を閉じ始め、油圧
力Pcが起動設定圧力P1 未満になれば、ばね10bの
付勢力に完全に屈して切欠けと圧力油導入口1aとの連
通を遮断する。また、閉弁時には圧力油導入口1aをド
レンと連通させる。
【0045】他の構成は実施例1と同一であるため、同
一の構成については同一符合を付し、同一の構成及び作
用についての詳説は省略する。このポンプでは、運転始
動時に荷役スイッチをONし、図10に示すように、A
時点において、油圧力Pcが起動設定圧力P1 以上とな
れば、スプール10aは、図9に示すように、バレル1
の圧力油導入口1aに起動設定圧力P1 を上回った油圧
力Pcを始めて導入する。そして、実施例1のポンプと
ほぼ同様に、切欠けと圧力油導入口1aとの連通面積が
徐々に拡大され、B、C時点を経て、吐出容量が迅速か
つ確実に最小容量Qminから最大容量Qmaxに容量
変化する。
【0046】最大容量Qmaxで荷役スイッチをOFF
し、D時点において、油圧力Pcが最大傾角保持設定圧
力P2 未満となれば、スプール10aは圧力油導入口1
aをドレンに連通し始める。このため、E時点を経て、
切欠けと圧力油導入口1aとの連通面積が徐々に縮小さ
れ、制御ピストン2に作用する油圧力Pcは吐出管路に
よるものからドレン圧に変更される。よって、斜板傾角
αは最大αmaxから最小αmin側に移行し、吐出容
量は最大容量Qmaxから最小容量Qmin側に容量変
化する。制御ピストン2は、F時点において、油圧力P
cが起動設定圧力P1 未満となればバレル1の圧力油導
入口1aへの油圧力Pcの導入を停止し、図8に示す状
態まで迅速に退動する。よって、斜板傾角αは迅速かつ
確実に最小αminに移行し、吐出容量は最小容量Qm
inに容量変化する。
【0047】したがって、このポンプでは、実施例1と
同様の効果を奏しつつ、最小容量Qminへの容量変化
を一層迅速に行なうことができる。また、このポンプで
は、実施例1、2のポンプでは制御ばね40が起動設定
力F1 及び最大傾角保持設定力F2 との両者を摩擦力と
ともに満足する必要があるのに対し、開閉弁10のばね
10bが起動設定力F1 を満足しているため、制御ばね
40が最大傾角保持設定圧力F2 を満足すれば足りる。
このため、制御ばね40の選定幅が広がり、選定が容易
になる。 (実施例4)実施例4のポンプは、請求項1、2、3及
び4の発明を具体化したものであり、図11に示すよう
に、制御シリンダ1として実施例1と同一のものを採用
し、圧力油導入口1aとエンドカバー23の制御孔23
cとの間に逆止弁9を設け、圧力油導入口1aと逆止弁
9との間にオリフィスをもつドレン通路を設け、さらに
逆止弁9と制御孔23cとの間に開閉弁10を設けたも
のである。他の構成は実施例1、2及び3と同一である
ため、同一の構成については同一符合を付し、同一の構
成及び作用についての詳説は省略する。
【0048】このポンプでは、運転始動時に荷役スイッ
チをOFFすれば、実施例1、2のポンプと同様に、吐
出容量が迅速かつ確実に最小容量Qminから最大容量
Qmaxに容量変化する。最大容量Qmax時、図12
に示すように、A時点において、一時的に荷役回路の負
荷が小さくなり、回路圧が例えば中間設定圧力P3 以下
に低下しても、実施例2のポンプと同様に、斜板30は
ほとんど傾角αを縮小させることがない。よって、荷役
回路の負荷が再び大きくなれば、迅速に最大容量Qma
xに復帰する。
【0049】最大容量Qmaxで荷役スイッチをOFF
すれば、実施例3のポンプとほぼ同様に、B時点におい
て油圧力Pcが最大傾角保持設定圧力P2 未満となるこ
とにより、バレル1の圧力油導入口1aがドレンと連通
し、C時点を経て、D時点において油圧力Pcが起動設
定圧力P1 未満となることにより、バレル1の圧力油導
入口1aへの油圧力Pcの導入を停止する。このため、
斜板30は確実に最小容量Qminへと容量変化する。
【0050】したがって、このポンプでは、実施例1と
同様の効果を奏しつつ、一時的に荷役回路の負荷が小さ
くなった場合にも迅速に対処可能であるとともに、最小
容量Qminへの容量変化を一層迅速に行なうことがで
きる。また、このポンプにおいても、実施例3と同様
に、制御ばね40の選定が容易になるという効果も奏す
ることができる。
【0051】なお、上記実施例1〜4において、制御ば
ね40に代えて斜板30の傾角軸芯を駆動軸27の軸芯
に対して下死点側へ偏心させることにより、圧縮ばね3
5の力及びピストン32の反力によって生じる斜板傾角
αを小さくする方向に作用するモーメントを利用するこ
ともできる。また、上記実施例1〜4ではクレイドル型
ポンプに本発明を具体化したが、本発明は他の型式のポ
ンプにも本発明を適用できることはいうまでもない。
【0052】
【発明の効果】
(1)以上詳述したように、請求項1記載の可変容量ピ
ストンポンプでは、請求項1記載の構成を採用している
ため、非荷役時の動力損失を大きくすることなく、荷役
スイッチのONにより迅速かつ確実に最大容量へ容量変
化可能であるとともに、最大容量で荷役スイッチをOF
Fすれば、確実に最小容量へ容量変化可能とすることが
できる。
【0053】したがって、このポンプでは、容量上昇の
応答性が迅速かつ確実になることから、荷役作業の迅速
化を実現することができる。また、このポンプでは、長
期の使用等により配管抵抗が大きくなっても、容量下降
の応答性が確実であることから、非荷役時に動力損失を
生じにくい。さらに、このポンプでは、油圧力が高い領
域では制御ピストンに作用する力が軽減されることか
ら、制御ピストンと斜板との摩耗を抑制し、耐久性を向
上させることができる。 (2)請求項2の可変容量ピストンポンプでは、請求項
2記載の構成を採用しているため、制御ピストンの進退
動の際に第2圧力油導入室の負圧又は高圧化を生じず、
制御ピストンの進退動が阻止されないことから、容量変
化を確実に行なうことができる。 (3)請求項3の可変容量ピストンポンプでは、請求項
3記載の構成を採用しているため、最小容量への容量変
化を一層迅速に行なうことができるとともに、斜板傾角
を常に縮小させる向きに付勢する付勢手段を容易に選定
できる。 (4)請求項4の可変容量ピストンポンプでは、請求項
4記載の構成を採用しているため、一時的に荷役回路の
負荷が小さくなった場合にも、迅速に対処可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のポンプの縦断面図である。
【図2】実施例1のポンプに係り、(A)は進動可能状
態における制御シリンダの断面図であり、(B)は進動
可能状態における制御ピストンの有効受圧面積を示す平
面図である。
【図3】実施例1のポンプに係り、中間位置における制
御シリンダの断面図である。
【図4】実施例1のポンプに係り、(A)は終端位置に
おける制御シリンダの断面図であり、(B)は終端位置
における制御ピストンの有効受圧面積を示す平面図であ
る。
【図5】実施例1のポンプに係り、斜板の角度(ポンプ
の吐出容量)、制御ピストンに作用する力及び制御シリ
ンダに作用する油圧力と時間との関係を示すグラフであ
る。
【図6】実施例2のポンプに係り、進動可能状態におけ
る制御シリンダ等の断面図である。
【図7】実施例2のポンプに係り、斜板の角度(ポンプ
の吐出容量)、制御ピストンに作用する力及び制御シリ
ンダに作用する油圧力と時間との関係を示すグラフであ
る。
【図8】実施例3のポンプに係り、進動可能状態におけ
る制御シリンダ等の断面図である。
【図9】実施例3のポンプに係り、中間位置における制
御シリンダ等の断面図である。
【図10】実施例3のポンプに係り、斜板の角度(ポン
プの吐出容量)、制御ピストンに作用する力及び制御シ
リンダに作用する油圧力と時間との関係を示すグラフで
ある。
【図11】実施例4のポンプに係り、進動可能状態にお
ける制御シリンダ等の断面図である。
【図12】実施例4のポンプに係り、斜板の角度(ポン
プの吐出容量)、制御ピストンに作用する力及び制御シ
リンダに作用する油圧力と時間との関係を示すグラフで
ある。
【図13】従来のポンプに係り、斜板の角度(ポンプの
吐出容量)及び制御シリンダに作用する油圧力(制御ピ
ストンに作用する力)と時間との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
30…斜板 40…付勢手段 50…
制御シリンダ 2…制御ピストン 1…バレル α…傾
角 αmin…最小傾角 αmax…最大傾角 Pc…
油圧力 P0 …起動油圧力 P1 …起動設定圧力 P2
最大傾角保持設定圧力 P3 …中間設定圧力 F…力 Fmi
n…起動力 F1 …起動設定力 F2 …最大傾角保
持設定力 F3 …中間設定力 S(S1 、S2
…有効受圧面積 15…第1圧力油導入室 16…第2圧力油導入室 3
a…第1端面 5a…第2端面 5b、8d…ドレ
ン通路 10…開閉弁 9…逆止弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】斜板傾角を常に縮小させる向きに付勢する
    付勢手段と、吐出油圧力により該斜板傾角を増大させる
    向きに付勢する制御シリンダとを備えた可変容量ピスト
    ンポンプにおいて、 前記制御シリンダは、前記斜板傾角が小さい領域におけ
    る有効受圧面積が大きい領域におけるそれよりも拡大す
    べく構成されていることを特徴とする可変容量ピストン
    ポンプ。
  2. 【請求項2】制御シリンダの制御ピストンは、進退動方
    向に交差する第1端面と、該第1端面より有効受圧面積
    が拡大され、該進退動方向に交差する第2端面とをも
    ち、 該制御ピストンを案内する該制御シリンダのバレルは、
    該第1端面を含む第1圧力油導入室と、該第2端面を含
    む第2圧力油導入室とをもち、 該第1圧力油導入室には吐出圧力油が導入され、該第2
    圧力油導入室は、斜板傾角が最小から中間までの間には
    該第1圧力油導入室と連通し、該斜板傾角が中間から最
    大までの間には該第1圧力油導入室と遮断されてドレン
    に連通されるべく構成されていることを特徴とする請求
    項1記載の可変容量ピストンポンプ。
  3. 【請求項3】制御シリンダの圧力油導入側には、起動設
    定圧力で開弁し、閉弁時に該圧力油導入側をドレンと連
    通させる開閉弁が介在されていることを特徴とする請求
    項1又は2記載の可変容量ピストンポンプ。
  4. 【請求項4】制御シリンダの圧力油導入側には逆止弁が
    介在され、該圧力油導入側と該逆止弁との間はオリフィ
    スを介してドレンに連通されていることを特徴とする請
    求項1、2又は3記載の可変容量ピストンポンプ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015117658A (ja) * 2013-12-19 2015-06-25 株式会社豊田自動織機 可変容量型ピストンポンプ
US10954927B2 (en) 2015-11-15 2021-03-23 Eaton Intelligent Power Limited Hydraulic pump control system
US11228035B2 (en) 2020-03-17 2022-01-18 Sumitomo Osaka Cement Co., Ltd. Positive electrode material for lithium ion secondary battery, positive electrode for lithium ion secondary battery, and lithium ion secondary battery

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