JPH0628177Y2 - 蛇腹式積層型の▲ろ▼過エレメント - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は上下の材を蛇腹式に接合して積層するタイ
プの流体フイルタの過エレメントの改良に関する。

（従来の技術） 現在用いられている合成樹脂製の流体フイルタで、サブ
ミクロンオーダの過精度を持つようにした積層型の
過エレメントを示せば第４図イ、ロのとおりであり、全
体が弗素系樹脂やポリプロピレンのように耐薬品性と耐
熱性を有する合成樹脂で作られ、ロ図のように円形デス
ク１の上下面に、中央の若干高さの高い環状のボス部１
ａから外周部１ｂに向つて蛇行する山形突条２が放射み
ぞ２ａによつて区分されて複数列形成され、そして、蛇
行する上面の突条２と下面の突条２とは円周方向に形成
位置がずらされ、各放射みぞ２ａは中央ボス部１ａの内
側に切欠１ｃを介して連通していて、円形デスク１の上
下には多孔質環状の薄膜材３が配設され、その外周縁
をデスク１の外周部１ｂに融着してデスク素子ｅとなし
ている。

そして、このデスク素子ｅをイ図のように多数積層し、
その上、下端には端板４ａ，４ｂをそれぞれ配設し、最
上段のデスク素子上側の材３の内周縁および最下段の
デスク素子下側の材３の内周縁は端板４ａ，４ｂの中
央部にそれぞれ融着する一方、その他の中間部分では上
段デスク１の下側材３の内周縁と下段デスク１の上側
材３の内周縁とを互いに融着して全体を蛇腹条に連結
して過エレメントとなし、その後、上端板４ａの中央
部上面にカバー６の出口パイプ６ａの下端を融着し、そ
の状態で過エレメントを容器５中に収容し、容器５と
カバー６との接合部周縁を融着して密封してフィルタを
形成し、使用時には入口パイプ５ａから処理流体を容器
５中に取入れ、外周部から各デスク素子ｅの薄膜材３
を通過させてデスクボス部１ａ内に導くようにしてい
る。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、上記従来の過エレメントでは、上下の薄膜
材３の内周縁同志は融着結合するが、デスクのボス部
１ａには結合せず、また、ボス部１ａ相互も結合しない
ので、ボス部１ａをそれ程高くしないですみ、それだけ
デスク素子ｅを多く積層することができ、過面積を大
きくすることができる利点を持つているが、上下のデス
ク素子ｅを全く連結しないとすると、過エレメントが
不安定で取扱い難くかつ材３またはデスク１同志がく
つつく恐れがあるところから、円形デスク１の外周部１
ｂにボス部１ａの高さに見合つた複数（通常４個）のリ
ブ７を間隔をおいて設け、これらのリブ７相互を結合し
て取扱い易くすると共に材やデスク同志が密着するの
を防ぐようにしている。

しかし、デスク外周部にリブを設けただけでは、デスク
成形時の変形や使用時の熱の影響による変形があつた場
合、往々にして第４図ハの点線のようにリブとリブの間
の部分で、デスクの周囲部同志が接触して、流体通路を
閉じてしまうという難点があつた。

（問題点を解決するための手段） そこで、この考案は上記の不具合を解消すべく工夫され
たもので、合成樹脂からなり、中央部に環状のボス部を
備えると共に上下面に突条を有するデスクの上下に多孔
質環状の薄膜材を配設し、その外周縁をそれぞれデス
クの外周部に融着してデスク素子となし、該デスク素子
を多数積層してその上下に端板を施し、上下段のデスク
素子の材の内周縁同志を融着すると共に各デスクの外
周部に間隔をおいて設けた複数のリブを介して結合する
ようにした蛇腹式積層型の過エレメントとして、上記
各デスクの外周部の上側周縁に隣り合うリブの間に波状
の突起を設けたことを特徴としている。

（実施例） 第１図，第２図はこの考案に係る過エレメントの一例
を示すものであつて、全体が弗素系の樹脂やポリプロピ
レンなどの耐薬品性と耐熱性を有する合成樹脂で作ら
れ、円形デスク１１とその上，下に配設された薄膜材
１３からなるデスク素子ｅが多数積層され、その上側に
は環状の上端板１４ａが、下側には円板状の下端板１４
ｂが重ねられ、円形デスク１１の上下面には外周部１１
ｂからこれより若干背の高い中央ボス部１１ａに向つて
蛇行する山形突条１２が幾つかの放射みぞ１２ａにより
区分されて複数列形成され、上下面の蛇行突条１２は位
置が互いにそごするようになされ、各放射みぞ１２ａは
切欠１１ｃを介してボス部１１ａの内側に連通されてお
り、そして、各デスク１１の上下に配設された材１３
の外周縁はデスク１１の外周部１１ｂにそれぞれ融着さ
れ、かつ上段デスク下側の材１３と下段デスク上側の
材１３の内周縁が順次に融着され、最上段のデスク上
面の材１３の内周縁および最下段のデスク下面の材
１３の内周縁はそれぞれ上，下端板１４ａ，１４ｂの中
央部に融着されて全材１３が蛇腹式に連結されてお
り、また、各段のデスク１１の外周部１１ｂにはボス部
１１ａに相当する高さのリブ１７が複数間隔をおいて設
けられ、上，下端板１４ａ，１４ｂの外周部にもデスク
１１のリブ１７に対応してリブ１８が設けられ、これら
のリブ１７，１８を介して各デスク素子ｅおよび端板１
４ａ，１４ｂが結合するようになされている。

そして、この考案では第２図に示すように、各デスク素
子ｅの外周部１１ｂの上側周縁には、隣り合うリブ１７
の間の位置にリブ１７の上面より僅かに突出する高さの
波状の連続突起１９が一体に形成されており、デスク素
子ｅを第１図のように積層した際には、下段のデスク外
周部の波状突起１９の先端が上段のデスク外周部１１ｂ
の下面に当接して上段デスクとの間に隙間を作りつつこ
れを支持する状態になり、上下のデスク素子ｅ間の流体
通路を確保している。

そこで、上記過エレメントを第４図イのように容器に
収容し、処理流体を容器中に取入れれば、処理流体は素
子の周囲部から上下のデスク素子ｅの間に突起１９によ
つて形成されている隙間を通つて素子内に入り、材１
３を横切つて過されながらデスク板面のみぞに沿つて
流れ、中央ボス部１１ａの内側に出ていく。

なお、上述の例では波状の突起１９を各デスク素子ｅの
外周部１１ｂに一体に設けるようにしたものを示した
が、これは第３図のようにデスク素子ｅのリブ１７に嵌
合する縦向き凹所１７ａと波状突起１９とを一連に備え
た環状のものとなし、その各凹所１７ａをリブ１７に嵌
め込んで、波状突起１９をデスク外周部１１ｂ上に設け
るようにしてもよい。

この場合には、材１３の周縁部を上記環状部材によつ
て挾持することになる。

（考案の効果） 以上のようにこの考案では、上述のような蛇腹式積層型
の過エレメントとして、各デスクの外周部の上側周縁
に隣り合うリブの間に波状の突起を設けたので、積層さ
れる上，下段のデスク素子の間に一定の間隔が確実に形
成され、成形時の変形の影響や使用時の熱の影響を受け
たにしても、デスク素子間の流体通路を確保することが
でき、また、上段のデスクの下面に設けられる薄膜材
に芯ずれがあって、外周縁の融着部に下曲がりのまくれ
が生じても、これを下段デスクの波状突起により上段デ
スク下面との間に挟みつけて流体通路を塞ぐようなこと
がない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の斜視図。 第２図はそのデスク素子の一部の斜視図。 第３図は波状突起の変更例とデスク素子との関係を示す
一部の斜視図。 第４図イは従来のデスク素子を用いたフイルタの断面
図。 同図ロは従来のデスク素子の一部の斜視図。 同図ハはデスクの密着の状態を示す側面図。 図中、 １，１１……デスク、1a,11a……ボス部 1b,11b……外周部、２，12……突条 2a,12a……放射みぞ、３，13……薄膜材 4a,14a……上端板、4b,14b……下端板 ７，１７……リブ、１９……波状突起

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】合成樹脂からなり、中央部に環状のボス部
   を備えると共に上下面に突条を有するデスクの上下に多
   孔質環状の薄膜材を配設し、その外周縁をそれぞれデ
   スクの外周部に融着してデスク素子となし、該デスク素
   子を多数積層してその上下に端板を施し、上下段のデス
   ク素子の材の内周縁同志を融着すると共に各デスクの
   外周部に間隔をおいて設けた複数のリブを介して結合す
   るようにした蛇腹式積層型の過エレメントにおいて、
   上記各デスクの外周部の上側周縁に隣り合うリブの間に
   波状の突起を設けてなる蛇腹式積層型の過エレメン
   ト。