JPH06281563A - 摩擦試験機のテストピース温度測定装置およびテストピース温度測定方法 - Google Patents

摩擦試験機のテストピース温度測定装置およびテストピース温度測定方法

Info

Publication number
JPH06281563A
JPH06281563A JP9210193A JP9210193A JPH06281563A JP H06281563 A JPH06281563 A JP H06281563A JP 9210193 A JP9210193 A JP 9210193A JP 9210193 A JP9210193 A JP 9210193A JP H06281563 A JPH06281563 A JP H06281563A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
test piece
temperature
test
outer peripheral
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9210193A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsushi Nishi
克司 西
Natsuhito Soga
夏人 曽我
Toshio Kunugi
俊夫 功刀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by COSMO SOGO KENKYUSHO KK, Cosmo Oil Co Ltd filed Critical COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Priority to JP9210193A priority Critical patent/JPH06281563A/ja
Publication of JPH06281563A publication Critical patent/JPH06281563A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 テストピースの外周面温度をより正確に予測
できるようにした円筒式摩擦試験機のテストピース温度
測定装置およびテストピース温度測定装置を提供する。 【構成】 不動部材31bを支持部材に支持し、テスト
ピース側部材31aを被検査用テストピース2に同心固
定したスリップリング機構31のテストピース側部材3
1aに複数の熱伝対33を接続すると共に、外周面2f
からの距離を異ならせてテストピース2の正面2aに穿
設した各埋設孔に上記各熱電対33を挿入して埋設する
ことにより、被検査用テストピース2の内部温度をその
外周面2fからの距離が異なる複数の測定点にて同時測
定して被検査用テストピース2の外周面温度を予測可能
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摩擦試験機のテストピ
ース温度測定装置およびテストピース温度測定方法に関
し、特に円筒式摩擦試験機において、ギヤ油,自動変速
機油(ATF),トラクター油,トラクション油,内燃
機油,油圧油,軸受油等の耐ピッチング性能,耐摩耗性
能,耐焼き付き性能等の評価あるいは摩擦係数の測定を
行う場合に、該評価や測定に使用されるテストピースの
表面温度を高精度に測定できる上記測定装置および測定
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】様々な用途に使用される潤滑油は、一般
に耐ピッチング性能,耐摩耗性能,耐焼き付き性能が要
求される。例えば、耐ピッチング性能は、動力伝達面で
ある歯面が繰り返し作用する接線力によってコロガリ疲
労等を起こし、歯面に小さなホール(たとえば、1μm
程度)が発生するというピッチング現象をどの程度抑制
できるかという性能であり、潤滑油のベースオイルの成
分、添加剤の種類や混入比などによりその性能が相違す
る。また、トラクション油では、転がり摩擦係数である
トラクション係数が、その装置の動力伝達能力の尺度で
あり、該トラクション油には、より優れたトラクション
係数が要求される。
【0003】ここで、前述した潤滑油の諸性能を簡易的
に比較評価する装置として、従来、円筒式摩擦試験機が
使用されている。この円筒式摩擦試験機は、潤滑油膜を
介して外周面が所定の負荷にて相互に接触する円板状の
テストピースを備え、その接触面である外周面に性能評
価の対象となる潤滑油を供給しつつ各テストピースを所
定の相対周速度を生じるようにそれぞれ回転駆動し、テ
ストピースにピッチング現象や摩耗,焼き付きが発生す
るまでの積算回転数や時間を測定したり、接触面に生じ
る転がり摩擦係数を測定するものである。なお、摩擦試
験機として、測定結果が早く得られる、測定精度が高い
などの理由から、被検査用テストピースを中心に、3つ
の検査用テストピースを正三角形状に配置した4円筒式
のものが広く使用されている。
【0004】ここで、円筒式摩擦試験機を使用した前述
の潤滑油の諸性能の比較評価においては、テストピース
の直径,テストピースの表面粗さ,回転数,圧力,すべ
り率、あるいは潤滑油の単位時間当りの供給量などの情
報を正確に得ることが必要である。これらの情報は、潤
滑油の性能評価に大きな影響を与える要因の1つであ
る。しかし、上記情報のうちテストピースの外周面温度
に関しては、これを正確に測定することが難しいため、
従来はテストピースの外周面温度を加味して潤滑油の耐
ピッチング性能等の評価を行うようにしている。ここ
で、テストピースの外周面温度の測定方法には、(1)
テストピースに供給される潤滑油、あるいは供給された
後に飛散した潤滑油の油温を熱電対にて測定することに
より間接的に予測しようとするもの、(2)テストピー
スの外周面に熱電対を接触させて直接的に測定しようと
するもの、(3)赤外線センサにより直接的に測定しよ
うとするものなどが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の測定
方法のうち、(1)の飛散潤滑油の油温を測定する方法
では、潤滑油の油温よりはテストピースの外周面温度の
方が高いという程度の相関関係しか得られず、結局のと
ころテストピースの外周面温度を測定することはできな
いといった問題がある。また、上記(2)のテストピー
スの外周面に熱電対を接触させる方法では、熱電対とテ
ストピースとの摩擦熱の影響を排除することができず、
結局のところテストピースの外周面温度を直接測定する
ことができないし、さらに上記(3)の赤外線センサに
よる方法では、潤滑油供給量が多いため潤滑油自体の温
度を測定することはできても、テストピース自体の温度
を測定できないといった問題がある。
【0006】本発明は、上記のような問題を解決するた
めに提案されたものであって、テストピース自体の温度
を直接測定し、あるいは外周面温度をより正確に予測で
きるようにした、摩擦試験機のテストピース温度測定装
置およびテストピース温度測定方法を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のテストピース温度測定装置は、円板または
円柱からなる複数のテストピースを、潤滑油を介して接
触させつつ相対回動させるものであり、少なくとも一つ
の温度センサが、所定のテストピース内の、該外周面か
ら所定距離隔てた位置に埋設され、該温度センサからの
測定信号が、該テストピースに一体に取り付けられた回
転接触子、および前記テストピースとは別体の不動部材
に取り付けられた、前記回転接触子と電気的接続をなす
固定接触子を介して取り出されることを特徴とする。
【0008】また、本発明による摩擦試験機のテストピ
ース温度測定方法は、円板または円柱からなる複数のテ
ストピースを、潤滑油を介して接触させつつ相対回動さ
せるものであり、複数の温度センサをテストピースの該
外周面からの距離が異なる複数の位置に埋設し、各位置
における温度測定結果から、テストピースの表面温度を
予測測定することを特徴とする。なお、テストピースに
は中心に穴が開けられ、該穴に駆動シャフトを挿着して
テストピースを回転させる場合が多い。このように、中
心に穴が開けられたテストピースは円筒形と見ることが
できるため、本発明が適用される摩擦試験機は、通常、
円筒式摩擦試験機と呼ばれている。本発明において用い
られるテストピースは、駆動シャフトとの取り付け態様
によっては、必ずしも中心に穴が開けられたものには限
られないが、以下説明の便宜上、中心に穴が開けられて
いないテストピースを用いた摩擦試験機をも含めて、
「円筒式摩擦試験機」と総称する。
【0009】テストピース外周面からの測定点(温度セ
ンサの埋設位置)までの距離については、特に制限はな
い。温度センサを、あまりテストピースの周面に近い位
置に設けるとテストピースの外周面の強度が低下する
し、あまりテストピースの中心寄りに設けると本来の測
定したい部位(すなわちテストピースの表面)の温度を
予想することができなくなる。テストピースの外周面温
度をより正確に予測するには、複数の温度センサが使用
される。この場合、テストピースの外周面近傍に該外周
面からの距離に一定の差を持たせることが好ましく、例
えば外周面から2.0mm,4.0mm,6.0mmの
距離に設定する。さらに、テストピースの厚さ方向に関
する各測定点の位置は、特に限定されないが、通常はテ
ストピースの厚さ方向中央部に設定する。
【0010】なお、上記回転接触子と固定接触子との電
気的接続はスリップリングにより行うことができ、また
上記温度センサとして熱電対を使用することができる。
【0011】また、上記温度センサは、通常、テストピ
ースの側面に穿設した孔やスリット溝に挿入してテスト
ピース内に埋設する。
【0012】
【作用】本発明による円筒式摩擦試験機のテストピース
温度測定装置では、テストピースの回転に伴い、温度セ
ンサも該テストピースと共に回転し、この温度センサか
らの測定信号は回転接触子および固定接触子を介して取
り出される。本発明では、温度センサはテストピースに
埋設されているので、テストピース内の温度を直接に知
ることができる。なお、この埋設により、温度センサが
遠心力により離脱することはない。ここで、温度センサ
を複数設ける場合、各温度センサは通常テストピースの
外周面からの距離が相互に異なった各測定点に設置され
る。これにより、テストピースの内部温度がその外周面
からの距離が異なる複数の測定点にて同時測定される。
【0013】本発明によるテストピース温度測定方法で
は、複数の温度センサによりテストピースの内部温度が
その外周面からの距離が異なる複数の測定点にて同時に
測定されるので、テストピースの外周面からの距離に応
じた内部温度の温度勾配が得られ、この温度勾配に基づ
きテストピースの外周面温度がより正確に予測される。
そして温度測定点の設定数や位置を適宜変更すること
で、テストピースへの熱伝導、温度分布などの正確な情
報が得られ、例えば耐ピッチング性能に優れた潤滑油の
処方設計などに新たな方向からのアプローチが可能とな
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付の図面を参照し
て具体的に説明する。図2は、本発明測定装置あるいは
本発明測定方法が適用される4円筒式摩擦試験機を示し
ている。この4円筒式摩擦試験機1は、中心部に配置さ
れた被検査用テストピース2とその周囲に同心状に放射
配置されて接触する3個の検査用テストピース3とを備
えている。
【0015】前記被検査用テストピース2は、電気電力
計形電動機4からトルクメータピックアップ5を介して
延びる駆動シャフト6の先端部に着脱自在に固定されて
電気電力計形電動機4により直接回転駆動されるように
なっている。また上記駆動シャフト6の基端部にはタイ
ミングギヤ7が固定され、このタイミングギヤ7にタイ
ミングベルト8を介して積算回転計9が伝動構成される
ことで、駆動シャフト6の積算回転数、即ち被検査用テ
ストピース2の積算回転数が計測されるようになってい
る。また、駆動シャフト6には図示省略した回転数検出
ギヤが固定されており、電磁ピックアップ等により歯部
の回転数をカウントすることにより被検査用のテストピ
ース2の回転数を測定する。
【0016】一方、前記各検査用テストピース3は、図
示省略した支持部材にベアリング10を介してそれぞれ
回転自在に支持された駆動シャフト11の先端部に着脱
自在に固定されている。なお、これらの駆動シャフト1
1のうち上部駆動シャフトはユニバーサルジョイント1
2を介して連結されており、またそのうちの1本には、
回転数検出ギヤ13が固定されている。なお、必要に応
じて本試験機は積算回転数の指定によりタイマー運転を
行うことができる。
【0017】前記各駆動シャフト11の基端部にはそれ
ぞれピニオンギヤ14が固定され、各ピニオンギヤ14
は、図示省略した支持部材にベアリング15を介して前
記駆動シャフト6と同心状に回転自在に支持されたリン
グギヤ16に噛み合っている。そしてこのリングギヤ1
6には、これより小径の減速ギヤ17が一体結合されて
いる。
【0018】前記減速ギヤ17は、図示省略した支持部
材に回転自在に支持された伝動シャフト18の先端のピ
ニオンギヤ19にタイミングベルト20を介して伝動構
成されることで減速駆動されるようになっている。そし
て上記伝動シャフト18の基端の減速ギヤ21が変速モ
ータ22の回転軸に固定されたピニオンギヤ23にタイ
ミングベルト24を介して伝動構成されている。こうし
て変速モータ22から2段階に減速されて回転するリン
グギヤ16により各ピニオンギヤ14が同期して同方向
に増速回転駆動される。なお、各検査用テストピース3
は前記被検査用テストピース2より速い周速度で回転駆
動され、その回転差により各検査用テストピース3と被
検査用テストピース2の3つの接触面に接線方向のトル
クが発生する。
【0019】なお、図示省略したが、前記被検査用テス
トピース2と検査用テストピース3との接触面であるこ
れらの外周面には、性能評価の対象となるギヤ油やAT
Fなどの潤滑油がポンプにより強制給油されてノズルか
ら噴射されるようになっている。またこの潤滑油が飛散
して周囲を汚損するのを防止するため、少なくとも被検
査用テストピース2および検査用テストピース3の周囲
はガラス,アクリル樹脂等からなる透明な遮蔽板により
覆われている。また、前記被検査用テストピース2と検
査用テストピース3には、図示省略したてこ式負荷機構
により上部から負荷が加えられる。
【0020】図1は、本発明のテストピース温度測定装
置を示している。このテストピース温度測定装置30
は、テストピース側部材31aと不動部材31bとが相
対回動自在に構成されたスリップリング機構31と、被
検査用テストピース2の正面2a側からその内部に埋設
される熱電対33とを基本要素として構成されている。
上記テストピース側部材31aは、図示省略された本体
駆動シャフト先端にある被検査用テストピース2の取り
付けボルト部に、カップリング(ここでは、ナット)3
2を介して同心に接続固定され、不動部材31bが図示
省略した支持部材に固定されている。熱電対33(同図
では、1つしか図には表されていないが本実施例では3
つ使用されている)は、上記被検査用テストピース2の
正面2a側からその内部に埋設されており、そのリード
線33aはテストピース側部材31a接続されている。
また、不動部材31bから導出された出力ケーブル31
cは図示省略した記録計に接続されることで、各熱電対
33が測定した温度が連続的に記録される。
【0021】前記スリップリング機構31は、相対回転
自在なテストピース側部材31aと不動部材31bとの
間が特殊金合金製のリングと特殊銀合金製のブラシとを
介して常時導通されたもので、その許容回転数は6,0
00rpm、使用可能環境温度は−35〜+120℃で
ある。
【0022】また前記各熱電対33は、図3(a),
(b)に示すように、被検査用テストピース2の正面2
a側からその厚さ方向に沿って穿設された各埋設孔2
c,2d,2eの奥部の各測定点A,B,Cに埋設され
ている。ここで、被検査用テストピース2の直径を40
mm、厚さを10mmとした場合、前記各埋設孔2c,
2d,2eは外周面2fから径方向内側への距離Dがそ
れぞれ2.0mm,4.0mm,6.0mmの位置に穿
設され、その深さは被検査用テストピース2の正面2a
から5mmに設定されている。
【0023】次に、前述のように構成された一実施例の
テストピース温度測定装置30を使用した本発明のテス
トピース温度測定方法につき、4円筒式摩擦試験機1に
よる潤滑油の性能評価の実験例1,2および比較例1,
2により説明する。
【0024】実験例1,2においては、4円筒式摩擦試
験機1の運転により被検査用テストピース2および各検
査用テストピース3を回転駆動し、両者の接合面に供試
用潤滑油をポンプによるジェット給油方式でノズルから
噴射しつつ、テストピース温度測定装置30の各熱電対
33により被検査用テストピース2の各測定点A(D=
2.0mm),B(D=4.0mm),C(D=6.0
mm)の温度を30分間にわたり同時に連続測定する。
【0025】一方、比較例1ではノズルから強制給油さ
れる直前の供試用潤滑油の油温を熱電対により測定し、
比較例2では被検査用テストピース2および検査用テス
トピース3から飛散した直後の供試用潤滑油の油温を熱
電対により測定する。
【0026】ここで、実験例1および比較例1,2にお
ける試験条件は以下のとおりである。なお、被検査用テ
ストピース2の初期温度は略室温とする。 被検査用テストピース2と各検査用テストピース3との
接触圧P P=0.64GPa(115kgf/cm) 各検査用テストピース3の回転数N,周速V=1,000rpm,V=2.10m/s) 被検査用テストピース2の回転数N,周速V=947rpm,V=1.98m/s 被検査用テストピース2と検査用テストピース3との間
のすべり率S S=5.3% 性能評価の対象とされる供試用潤滑油の油温T T=40℃(目的油温になった後、1時間温度調整した
まま放置) 被検査用テストピース2および検査用テストピース3の
表面粗さR Rmax=3μm
【0027】また、実験例2における試験条件は、上記
実験例1の試験条件のうちの各検査用テストピース3の
回転数N,周速V,被検査用テストピース2の回転
数N,周速Vを、 N=500rpm,V=1.05m/s N=474rpm,V=0.994m/s に変更したものである。
【0028】実験例1,2および比較例1,2において
使用する供試用潤滑油は、以下の特性を有するパラフィ
ン系鉱物油である。 密度(15℃) =0.8595(g/cm) 流動点 =−15.0(℃) 引火点 =220(℃) 動粘度 =31.09(40℃) cst =5.446(100℃) 粘度指数 =111 アニリン点 =111.6(℃) 硫黄分 =0.01(%)以下
【0029】前記実験例1,2において得られた各測定
点A,B,Cの温度、および比較例1,2において得ら
れた供試用潤滑油の油温Tは、次頁の表1および図4に
示す通りであった。
【0030】
【表1】
【0031】この温度測定結果によれば、被検査用テス
トピース2に供給される供試用潤滑油の油温Tは40℃
でほぼ一定しており(比較例1)、これに対し被検査用
テストピース2から飛散する供試用潤滑油の油温Tは約
41℃となっている(比較例2)。
【0032】一方、実験例1,2では各測定点A,B,
Cの温度は経過時間2分間の間に急激に上昇し、その後
徐々に上昇してゆく傾向を示している。そして経過時間
30分において、実験例1では測定点A(D=2.0m
m)で43.8℃、測定点B(D=4.0mm)で4
3.9℃、測定点C(D=6.0mm)で43.2℃を
示しており、また、実験例2では測定点A(D=2.0
mm)で40.1℃、測定点B(D=4.0mm)で4
0.1℃、測定点C(D=6.0mm)で39.6℃を
示しており、各検査用テストピース3の回転数N,周
速Vが大きいほど温度が高くなる傾向が見られる。
【0033】このように実験例1の場合と比較例1,2
とでは温度測定の結果が大きく相違し、比較例1,2で
は被検査用テストピース2の表面温度を予測し得ないこ
とが分かる。
【0034】また実験例1,2においては、測定点A
(D=2.0mm)の温度が測定点B(D=4.0m
m)の温度より若干(0〜略0.1℃の範囲)低くなっ
ている。これは、潤滑油が被検査用テストピース2の熱
を奪うからであると推測される。以上の考察により、被
検査用テストピース2の外周面温度は測定点A(D=
2.0mm)の温度よりも若干低いものとしてかなり正
確に予測することができる。
【0035】なお、上記実施例では4円筒式摩擦試験機
について説明したが、本発明は2円筒式等の各種の円筒
式摩擦試験機に使用できることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば以下
の効果を得ることができる。 (1)テストピース自体の温度を直接測定することがで
きる。 (2)しかも、複数の温度センサを用いることにより、
テストピースの外周面からの距離に応じた内部温度の温
度勾配が得られ、この温度勾配に基づきテストピースの
外周面温度をより正確に予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるテストピース温度測定装置の一実
施例を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施例が適用される4円筒式摩擦試
験機の概略構造を示す斜視図である。
【図3】本発明のテストピース温度測定装置に使用され
る温度センサのテストピースへの埋設の様子を示す図で
あり、(a)はその正面図、(b)はその側面図であ
る。
【図4】本発明によるテストピース温度測定方法によっ
て得られたテストピースの温度を示すグラフである。
【符号の説明】
2 被検査用テストピース 2a テストピースの正面 2f テストピースの外周面 3 検査用テストピース 30 テストピース温度測定装置 31 スリップリング機構 31a テストピース側部材 31b 不動部材 31c 出力ケーブル 32 カップリング 33 熱電対 33a リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 功刀 俊夫 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板または円柱からなる複数のテストピ
    ースを、潤滑油を介して接触させつつ相対回動させる摩
    擦試験機のテストピース温度測定装置であって、 少なくとも一つの温度センサが、所定のテストピース内
    の、該外周面から所定距離隔てた位置に埋設され、該温
    度センサからの測定信号が、該テストピースに一体に取
    り付けられた回転接触子、および前記テストピースとは
    別体の不動部材に取り付けられた、前記回転接触子と電
    気的接続をなす固定接触子を介して取り出されることを
    特徴とする摩擦試験機のテストピース温度測定装置。
  2. 【請求項2】 上記回転接触子と固定接触子との電気的
    接続をスリップリングにより行い、上記温度センサを熱
    電対としたことを特徴とする摩擦試験機のテストピース
    温度測定装置。
  3. 【請求項3】 円板または円柱からなる複数のテストピ
    ースを、潤滑油を介して接触させつつ相対回動させる摩
    擦試験機のテストピース温度測定方法において、 複数の温度センサを所定のテストピース内の、該外周面
    からの距離が異なる複数の位置に埋設し、各位置におけ
    る温度測定結果からテストピースの表面温度を予測測定
    することを特徴とする摩擦試験機のテストピース温度測
    定方法。
JP9210193A 1993-03-25 1993-03-25 摩擦試験機のテストピース温度測定装置およびテストピース温度測定方法 Pending JPH06281563A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9210193A JPH06281563A (ja) 1993-03-25 1993-03-25 摩擦試験機のテストピース温度測定装置およびテストピース温度測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9210193A JPH06281563A (ja) 1993-03-25 1993-03-25 摩擦試験機のテストピース温度測定装置およびテストピース温度測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06281563A true JPH06281563A (ja) 1994-10-07

Family

ID=14045061

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9210193A Pending JPH06281563A (ja) 1993-03-25 1993-03-25 摩擦試験機のテストピース温度測定装置およびテストピース温度測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06281563A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001025752A1 (fr) * 1999-10-06 2001-04-12 S.A.R.L. Tribolinks Tribometre a disque avec chauffage par induction
JP2007520705A (ja) * 2004-02-03 2007-07-26 セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク 摩擦計
CN108253108A (zh) * 2018-03-15 2018-07-06 太原工业学院 用于棒状材料涂层均匀化凝固的自动旋转装置
CN113739947A (zh) * 2021-10-12 2021-12-03 天津工业大学 一种基于Seebeck效应的齿轮齿面接触温度直接测量试验台

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001025752A1 (fr) * 1999-10-06 2001-04-12 S.A.R.L. Tribolinks Tribometre a disque avec chauffage par induction
FR2799547A1 (fr) * 1999-10-06 2001-04-13 Gradient Ass Tribometre a disque pour la mesure des phenomenes tribologiques
US6783272B2 (en) 1999-10-06 2004-08-31 S.A.R.L. Tribolinks Induction-heated disc tribometer
JP2007520705A (ja) * 2004-02-03 2007-07-26 セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク 摩擦計
CN108253108A (zh) * 2018-03-15 2018-07-06 太原工业学院 用于棒状材料涂层均匀化凝固的自动旋转装置
CN108253108B (zh) * 2018-03-15 2023-09-26 太原工业学院 用于棒状材料涂层均匀化凝固的自动旋转装置
CN113739947A (zh) * 2021-10-12 2021-12-03 天津工业大学 一种基于Seebeck效应的齿轮齿面接触温度直接测量试验台
CN113739947B (zh) * 2021-10-12 2023-09-22 天津工业大学 一种基于Seebeck效应的齿轮齿面接触温度直接测量试验台

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Heyer et al. Correlation between friction and flow of lubricating greases in a new tribometer device
WO2007006210A1 (fr) Testeur de fatigue à contact roulant pour inspecter l'état simulé de travail
US20080202204A1 (en) Chuck for friction test apparatus
CN109154547B (zh) 橡胶的耐磨耗性评价方法
CN201607302U (zh) 无级变速器轴向力测试装置
US4253326A (en) Apparatus for determining the properties of a lubricant
CN101339113A (zh) 机床主轴轴颈轴瓦摩擦学性能试验机
US1490603A (en) Method and apparatus for testing friction between surfaces
BR102019018444A2 (pt) Conjunto de tribômetro de disco duplo, e, método para operar um tribômetro
Jefferis et al. First paper: sliding friction between lubricated rollers
JP2001502807A (ja) 潤滑油の機能有効性を検出する方法
JPH06281563A (ja) 摩擦試験機のテストピース温度測定装置およびテストピース温度測定方法
EP0497263A1 (en) Abrasion testing method
Dowson et al. Second Paper: Effect of Surface Quality upon the Traction Characteristics of Lubricated Cylindrical Contacts
GB2183347A (en) Lubricant testing apparatus
Garnell et al. Paper 16: The Mechanics of Roller Bearings
Guangteng et al. Contact resistance measurements in mixed lubrication
EP3936848B1 (fr) Dispositif de test de paramètres relatifs à au moins un roulement, et procédé de test associé
US3053073A (en) Bearing materials tester
Clark et al. Lubrication at extreme pressures with mineral oil films
JPH01232236A (ja) 軸受走行試験機
SU641328A1 (ru) Устройство дл определени сил трени
JP2004233232A (ja) 動圧軸受の検査方法
JPH0370785B2 (ja)
JPH0648231B2 (ja) 摩擦試験方法