JPH06279345A - ヒドロキシブチルアルデヒドの製法 - Google Patents

ヒドロキシブチルアルデヒドの製法

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JPH06279345A
JPH06279345A JP6984593A JP6984593A JPH06279345A JP H06279345 A JPH06279345 A JP H06279345A JP 6984593 A JP6984593 A JP 6984593A JP 6984593 A JP6984593 A JP 6984593A JP H06279345 A JPH06279345 A JP H06279345A
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JP6984593A
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Toshiki Noda
俊樹 野田
Motohiro Oguri
元宏 小栗
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/49Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide

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Abstract

(57)【要約】 【目的】アリルアルコ−ルをヒドロホルミル化する反応
において、高価な光学活性を有する有機ジホスフィン化
合物の使用量を低減し、高選択的にヒドロキシブチルア
ルデヒドを得る方法を提供する。 【構成】ロジウム錯体触媒の存在下にアリルアルコ−ル
をヒドロホルミル化する反応において、配位子としてビ
ス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、トランス−4,
5−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−2,2−ジ
メチル−1,3−ジオキソラン、及びトリフェニルホス
フィンを反応系に添加して、ヒドロキシブチルアルデヒ
ドを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒドロキシブチルアル
デヒドを製造する方法に関する。本発明で得られるヒド
ロキシブチルアルデヒドは、公知の方法で水素化するこ
とにより容易にブタンジオ−ルに転化することができ
る。このブタンジオ−ルのうち、1,4−ブタンジオ−
ルはテトラヒドロフランに誘導されたり、ポリエステ
ル、及びポリウレタンの原料として極めて有用な化合物
である。
【0002】
【従来の技術】アリルアルコール(以下、AOHと略称
する)をヒドロホルミル化する反応において、有機ホス
フィン化合物を配位子とするロジウム錯体触媒を用い、
ヒドロキシブチルアルデヒドを製造することは公知であ
る。例えば、この技術は特公昭53−19563号公
報、特公昭56−5372号公報、特公昭62−547
81号公報及び東洋曹達研究報告、25(1)、3(1
981)等に開示されている。
【0003】しかし、AOHのヒドロホルミル化反応に
おいて、有機ホスフィン化合物を配位子とするロジウム
錯体触媒系では、目的の生成物であるヒドロキシブチル
アルデヒド、特に4−ヒドロキシブチルアルデヒド(以
下、HBAと略称する)の他に副生成物、即ち、HBA
の異性体である2−メチル−3−ヒドロキシプロピオン
アルデヒド(以下、MHPと略称する)、AOHの水素
化物であるn−プロピルアルコール(以下、PrOHと
略称する)及びAOHの異性化物であるプロピオンアル
デヒド(以下、Paldと略称する)の生成が避けられ
ない。
【0004】例えば、前記した東洋曹達研究報告には、
AOHのヒドロホルミル化反応において、HBA選択率
に対する反応圧力、水素と一酸化炭素の比、反応温度及
びRhホスフィン錯体触媒のホスフィン濃度や種類の影
響が開示されている。これによれば、水素分圧が高いほ
ど、また反応温度が高いほど、Pald及びPrOHが
増加し、HBAの選択率は低下する。一方、逆に一酸化
炭素分圧を高くするとMHPが増加するので目的とする
HBA選択率は最適化された条件においても高々79%
にすぎない。
【0005】それ故、AOHのヒドロホルミル化反応に
おいて、HBAを選択的に得ようとするいくつかの試み
がなされている。米国特許4,064,145号ではヘ
キサロジウムヘキサデカカルボニルとトリフェニルホス
フィンとの組み合わせからなる触媒系が開示され、HB
Aを選択率87%で得ている。しかし、該方法では、ロ
ジウム錯体自体が分解するなど不安定であり、またその
使用量は通常、工業的に使用されている量の50倍(ロ
ジウム金属として)と多く、経済性の点からも問題とな
る。
【0006】また、ロジウム錯体触媒の配位子として特
殊な有機ジホスフィン化合物を用いる方法が開示されて
いる。例えば、チャ−ルズ・ユ・ピットマン・ジュニア
らは1,1´−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセ
ンを用いてHBAを選択率87%で得ている[Jour
nal of Organic Chemistry、
45、2132(1980)]。しかしながら、これら
の方法は単座配位子に比べ反応速度が遅く、絶対圧22
kg/cm2以上の高い圧力を必要とする。
【0007】さらに、特開平4−169579号では、
トランス−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノメチ
ル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソランを用い
て、低圧でHBAを選択率87%で得る例が開示されて
いる。しかし、この方法はHBAを高選択率で得るに
は、この特殊な光学活性を有する有機ジホスフィン化合
物をロジウム1グラム原子当たり少なくとも1.5当量
以上必要とする。さらに、通常、これらの配位子は原料
ガス中に含まれる微量酸素や加熱などにより徐々に劣化
することから、過剰量の配位子を反応系に共存させる
か、または必要に応じて配位子を添加していく必要があ
る。それ故、高価な配位子を多量に必要とすることか
ら、必ずしも経済性が優れているとは言い難い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、水素と一酸化
炭素の存在下にAOHをヒドロホルミル化する反応にお
いて、高価な光学活性を有する有機ジホスフィン化合物
の使用量を低減し、かつMHP、PrOH及びPald
の副生を抑制し、高選択的にHBAを得る方法の開発が
期待されていた。即ち本発明の目的は、高価な光学活性
を有する有機ジホスフィン化合物の使用量を低減し、か
つ高選択的なHBAの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような現状に鑑み、
本発明者らは、AOHのヒドロホルミル化反応について
鋭意検討した。その結果、ロジウム錯体触媒の存在下に
アリルアルコ−ルをヒドロホルミル化する反応におい
て、配位子として光学活性を有する有機ジホスフィン化
合物、及び特定の有機ジホスフィン化合物を用いると、
高価な光学活性を有する有機ジホスフィン化合物の使用
量を低減することができ、かつHBAを高選択的に得る
ことができることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】即ち本発明は、ロジウム錯体触媒の存在下
にアリルアルコ−ルをヒドロホルミル化する反応におい
て、触媒の配位子として下記一般式(1)
【0011】
【化1】
【0012】(式中、
【0013】
【化2】
【0014】は環を形成している元素が炭素または炭素
と酸素からなる置換または非置換の元素数3〜5の環構
造を表し、R1、R2、R3及びR4は各々同一または異な
るアリ−ル基またはアルキル基を表す)または下記一般
式(2)
【0015】
【化3】
【0016】(式中、
【0017】
【化4】
【0018】は環を形成している元素が炭素と窒素から
なる置換または非置換の五員環構造を表し、R5、R6
7及びR8は各々同一または異なるアリ−ル基またはア
ルキル基を表す)で示される光学活性を有する有機ジホ
スフィン化合物、及び下記一般式(3) R910P(CH2nPR1112 (3) (式中、nは4〜10の整数であり、R9、R10、R11
及びR12は各々同一または異なるアリ−ル基またはアル
キル基を表す)で示される有機ジホスフィン化合物を反
応系に添加することを特徴とするヒドロキシブチルアル
デヒドの製法である。以下、本発明について更に詳しく
説明する。
【0019】本発明によれば、ロジウム錯体触媒の存在
下にアリルアルコ−ルをヒドロホルミル化する反応にお
いて、配位子として一般式(1)または一般式(2)で
示される光学活性を有する有機ジホスフィン化合物、及
び一般式(3)で示される有機ジホスフィン化合物が反
応系に添加される。
【0020】一般式(1)または(2)で示される光学
活性を有する有機ジホスフィン化合物の具体例として、
トランス−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノメチ
ル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、トラ
ンス−4,5−ビス(ジブチルホスフィノメチル)−
2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、シス−N−
t−ブトキシカルボニル−2−(ジフェニルホスフィノ
メチル)−4−(ジフェニルホスフィノ)ピロリジン、
シス−N−t−ブトキシカルボニル−2−(ジフェニル
ホスフィノメチル)−4−(ジシクロヘキシルホスフィ
ノ)ピロリジン、シス−2−(ジフェニルホスフィノメ
チル)−4−(ジフェニルホスフィノ)ピロリジン、ト
ランス−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)
シクロプロパン、トランス−1,2−ビス(ジフェニル
ホスフィノメチル)シクロブタン、トランス−1,2−
ビス(ジフェニルホスフィノメチル)シクロペンタン、
もしくはトランス−2,3−ビス(ジフェニルホスフィ
ノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等が挙げ
られる。
【0021】これらのうち、入手の容易さ、化学的安定
性などの点から、トランス−4,5−ビス(ジフェニル
ホスフィノメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオ
キソランがより好ましい。
【0022】また、具体的に使用できる一般式(3)の
有機ジホスフィン化合物の例として、ビス(ジフェニル
ホスフィノ)ブタン、ビス(ジブチルホスフィノ)ブタ
ン、ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン、ビス
(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、ビス(ジブチルホ
スフィノ)ペンタン、ビス(ジシクロヘキシルホスフィ
ノ)ペンタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘキサ
ン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ヘプタン、ビス(ジ
フェニルホスフィノ)オクタン、ビス(ジフェニルホス
フィノ)ノナン、ビス(ジフェニルホスフィノ)デカン
などが挙げられる。これらのうちビス(ジフェニルホス
フィノ)ブタン、及びビス(ジフェニルホスフィノ)ペ
ンタンがより好ましい。
【0023】一般式(1)または(2)で示される光学
活性を有する有機ジホスフィン化合物の使用量は、ロジ
ウム1グラム原子に対して0.2〜50当量の範囲、好
ましくは0.3〜10当量の範囲、より好ましくは0.
4〜1.2当量の範囲である。光学活性を有する有機ジ
ホスフィン化合物の添加量がロジウム錯体触媒中のロジ
ウム1グラム原子に対して0.2当量未満の場合は該有
機ジホスフィン化合物の添加効果が実質的に現れない。
一方、光学活性を有する有機ジホスフィン化合物の添加
量が、ロジウム1グラム原子に対して50当量を越える
場合には触媒活性が低下したり、また高価な光学活性を
有する有機ジホスフィン化合物を不必要に多量用いるこ
とにより、経済的に不利になることがある。
【0024】ところで、通常、光学活性を有する有機ジ
ホスフィン化合物は、原料ガス中に含まれる微量酸素や
加熱などにより徐々に劣化する。また、ヒドロホルミル
化生成物の分離方法として、ヒドロキシブチルアルデヒ
ド類を水で抽出し、抽出残液を触媒溶液としてヒドロホ
ルミル化反応系に循環させる方法においては、光学活性
を有する有機ジホスフィン化合物が抽出水層中へ少量溶
出する。これらの場合、反応系中の光学活性を有する有
機ジホスフィン化合物の濃度がほぼ一定になるように、
該有機ジホスフィン化合物の損失分を連続的にまたは逐
次的に補給しながら反応を行なうのが好ましい。
【0025】一般式(3)の有機ジホスフィン化合物の
使用量は、ロジウム1グラム原子に対して0.5〜10
0当量の範囲、好ましくは1.0〜50当量の範囲であ
る。前記の有機ジホスフィン化合物はそれぞれ単独で使
用し得るのみならず、二種以上を混合して使用すること
も可能である。
【0026】本発明においては、配位子として一般式
(1)または(2)の光学活性を有する有機ジホスフィ
ン化合物、及び一般式(3)の有機ジホスフィン化合物
に加えて、有機リン化合物及び/または有機砒素化合物
を反応系に添加してもよい。
【0027】添加される具体的な有機リン化合物とし
て、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、
トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリ
フェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリス
(メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(クロロフェ
ニル)ホスフィン、トリス(フルオロフェニル)ホスフ
ィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリナフチルホ
スフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジフェニルエ
チルホスフィン、ジフェニルプロピルホスフィン、ジフ
ェニルブチルホスフィン、フェニルジメチルホスフィ
ン、フェニルジエチルホスフィン、フェニルジプロピル
ホスフィン、フェニルジブチルホスフィン等のホスフィ
ン、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイ
ト、トリトリルホスファイト等のホスファイト等を挙げ
ることができる。また、有機砒素化合物としてトリエチ
ルアルシン、トリブチルアルシン、トリフェニルアルシ
ン等を挙げることができる。
【0028】これらのうち入手の容易さ、化学的安定性
等の点からトリフェニルホスフィン、ジフェニルメチル
ホスフィンがより好ましい。
【0029】有機リン化合物及び/または有機砒素化合
物の使用量は、ロジウム1グラム原子に対して1〜10
00当量の範囲、好ましくは3〜300当量の範囲であ
る。
【0030】本発明において使用できるロジウム錯体触
媒は、例えば、Rh(CO)2(acac)、Rh(a
cac)3、[Rh(OAc)(CO)22、Rh(O
Ac)3、Rh2(OAc)2(1,5−COD)2、Rh
(CO)(acac)(PPh3)、HRh(CO)
(PPh33、Rh4(CO)12、Rh6 (CO)
16(ここでacacはアセチルアセトナ−トを、Acは
アセチル基を、CODは1,5−シクロオクタジエン
を、またPhはフェニル基を表す)等のロジウム錯体で
あり、これらのうち好ましくはRh(CO)2(aca
c)またはHRh(CO)(PPh33が用いられる。
これらのロジウム錯体は、硝酸ロジウム、硫酸ロジウ
ム、三塩化ロジウム、酸化ロジウム等のロジウム無機化
合物、酢酸ロジウム等のロジウム有機酸塩、ロジウムの
各種塩やカルボニル化合物より公知の方法により合成で
きる。
【0031】本発明によれば、ロジウム錯体触媒の使用
量は特に制限されないが、通常、ヒドロホルミル化反応
液1リットルあたり、0.01〜100ミリモル、好ま
しくは0.1〜50ミリモルの濃度で使用される。これ
より小さい触媒濃度では十分なヒドロホルミル化活性が
得られず、逆にこれより大きい触媒濃度では、反応活性
が増加せず経済的でない。
【0032】本発明において、必要ならば溶媒を用いる
ことができる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n
−ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素、ジエチ
ルエーテル、ジプロピルエーテル等のエーテル類、メタ
ノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類、ジ
エチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレング
リコールモノメチルエーテル等の多価アルコールのエー
テルまたはエーテルグリコール類、安息香酸エチル、フ
タル酸ジオクチル等のエステル類等を挙げることがで
き、好ましくは、トルエン、キシレン、フタル酸ジオク
チルである。
【0033】本発明のヒドロホルミル化の反応温度は、
0〜150℃であるが、好ましくは10〜100℃、よ
り好ましくは30〜80℃である。反応温度が低いと、
反応速度が遅くなり、一方、反応温度が150℃を超え
ると副反応が増大し、HBA選択率が低下する。
【0034】反応圧力は、絶対圧で0〜50kg/cm
2であり、好ましくは0.1〜15kg/cm2である。
このときのオキソガスの組成、即ち、一酸化炭素に対す
る水素のモル比は0.1〜30の範囲であり、好ましく
は0.5〜20の範囲、より好ましくは0.8〜10の
範囲である。尚、オキソガスには、反応に不活性なガ
ス、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム等が含まれても
何ら差し支えない。
【0035】本反応は、回分式、半連続式、連続式のい
ずれでも実施できる。反応により得られたHBAは公知
の水による抽出、あるいは蒸留などの方法により反応液
より分離され、さらに公知の水素添加方法により1,4
−ブタンジオ−ルとなしうる。
【0036】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて更に詳細に
説明するが、これらの実施例は本発明の概要を示すもの
で、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0037】実施例1 温度計、撹拌装置、及びガス吹き込み口を備えた内容積
300mlのステンレス製耐圧反応容器に、触媒として
ロジウム−ヒドリド(カルボニル)トリ(トリフェニル
ホスフィン)[HRh(CO)(PPh33]82.6
mg(0.090mmol)を、配位子としてトランス
−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−2,
2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(以下、DIOP
と略称する)44.9mg(0.090mmol)、及
びビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン99.0mg
(0.225mmol)を、また溶媒としてトルエン1
20mlを加えた。
【0038】反応容器内を窒素ガスで、次いで水素/一
酸化炭素=4.0(モル比)の混合ガスで充分置換した
後、反応容器内の絶対圧力を3kg/cm2、入りガス
流速が75.0NL/hrとなるように調節し、撹拌速
度1000rpm、温度65℃に保った。該混合ガス気
流下で充分撹拌を行いながら、AOH141mmolを
48分間かけて連続的に加えて反応を行なった。AOH
添加終了後、さらに24分間反応条件を保ち反応を完結
させた。一方、出ガスをドライアイス/エタノ−ルバス
中のトラップに導き、同伴するAOH、Pald及びP
rOHをそのトラップに補集した。反応液中及び未反応
ガスに同伴された未反応AOH及び生成物をガスクロマ
トグラフィーにより分析した。原料のAOHの転化率は
96.3mol%であり、HBAが83.9mol%、
MHPが14.6mol%、Paldが0.6mol
%、及びPrOHが0.1mol%生成していた。
【0039】実施例2 ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタンの代わりにビス
(ジフェニルホスフィノ)ブタンを95.9mg(0.
225mmol)用いたこと以外、実施例1と同様にし
て反応を行なった。結果を表1に示す。
【0040】実施例3 配位子としてDIOPを22.5mg(0.045mm
ol)、及びビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンを9
5.9mg(0.225mmol)用いたこと以外、実
施例1と同様にして反応を行なった。結果を表1に示
す。
【0041】
【表1】
【0042】実施例4 配位子としてDIOPを44.9mg(0.090mm
ol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタンを9
9.0mg(0.225mmol)、及びトリフェニル
ホスフィンを0.47g(1.80mmol)用いたこ
と以外、実施例1と同様にして反応を行なった。結果を
表2に示す。
【0043】実施例5 配位子としてDIOPを44.9mg(0.090mm
ol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンを95.
9mg(0.225mmol)、及びトリフェニルホス
フィンを0.47g(1.80mmol)用いたこと以
外、実施例1と同様にして反応を行なった。結果を表2
に示す。
【0044】実施例6 配位子としてDIOPを44.9mg(0.090mm
ol)、ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタンを9
9.0mg(0.225mmol)、ジフェニルメチル
ホスフィンを0.18g(0.90mmol)用いたこ
と以外、実施例1と同様にして反応を行なった。結果を
表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】比較例1 配位子としてDIOPのみを44.9mg(0.090
mmol)用いたこと以外、実施例1と同様にして反応
を行なった。結果を表3に示す。
【0047】比較例2 配位子としてDIOPのみを22.5mg(0.045
mmol)用いたこと以外、実施例1と同様にして反応
を行なった。結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】尚、各表中dpppeはPh2P(CH2
5PPh2を、dppbはPh2P(CH24PPh2を表
す。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、AOHのヒドロホルミ
ル化反応において、高価な光学活性を有する有機ジホス
フィン化合物の使用量を低減し、かつMHP、Pald
及びPrOHの副生を抑え、高選択的にHBAを得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 9/655 9155−4H // C07B 61/00 300

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロジウム錯体触媒の存在下にアリルアルコ
    −ルをヒドロホルミル化する反応において、触媒の配位
    子として下記一般式(1) 【化1】 (式中、 【化2】 は環を形成している元素が炭素または炭素と酸素からな
    る置換または非置換の元素数3〜5の環構造を表し、R
    1、R2、R3及びR4は各々同一または異なるアリ−ル基
    またはアルキル基を表す)または下記一般式(2) 【化3】 (式中、 【化4】 は環を形成している元素が炭素と窒素からなる置換また
    は非置換の五員環構造を表し、R5、R6、R7及びR8
    各々同一または異なるアリ−ル基またはアルキル基を表
    す)で示される光学活性を有する有機ジホスフィン化合
    物、及び下記一般式(3) R910P(CH2nPR1112 (3) (式中、nは4〜10の整数であり、R9、R10、R11
    及びR12は各々同一または異なるアリ−ル基またはアル
    キル基を表す)で示される有機ジホスフィン化合物を反
    応系に添加することを特徴とするヒドロキシブチルアル
    デヒドの製法。
  2. 【請求項2】触媒の配位子として、さらに有機リン化合
    物及び/または有機砒素化合物を反応系に添加すること
    を特徴とする、請求項1に記載のヒドロキシブチルアル
    デヒドの製法。
JP6984593A 1993-03-29 1993-03-29 ヒドロキシブチルアルデヒドの製法 Pending JPH06279345A (ja)

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