JPH06279051A - 融着ガラス及びこれを用いた磁気ヘッド - Google Patents

融着ガラス及びこれを用いた磁気ヘッド

Info

Publication number
JPH06279051A
JPH06279051A JP6511693A JP6511693A JPH06279051A JP H06279051 A JPH06279051 A JP H06279051A JP 6511693 A JP6511693 A JP 6511693A JP 6511693 A JP6511693 A JP 6511693A JP H06279051 A JPH06279051 A JP H06279051A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
raw material
fused glass
transmittance
magnetic head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6511693A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Terajima
英樹 寺嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP6511693A priority Critical patent/JPH06279051A/ja
Publication of JPH06279051A publication Critical patent/JPH06279051A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光の透過率を向上させた融着ガラスを提供
し、さらにはこの融着ガラスを用いることにより、デプ
スの測長を正確に行うことが可能な磁気ヘッドを提供す
る。 【構成】 本発明の融着ガラスは、Feイオンを含有
し、粘度が100 〜100. 5 Pa・sとなる温度で原料溶
解されたものであり、本発明の磁気ヘッドは、磁気コア
半体2,3同士が上記融着ガラス6によって接合一体化
されたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光の透過率を向上させ
た融着ガラスに関するものであり、さらにはこの融着ガ
ラスを用いた磁気ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、多くの磁気ヘッドにおいて、
磁気コア半体同士を接合一体化させるために融着ガラス
が用いられている。例えば、図1に示すように、一般的
な磁気ヘッド1は、酸化物磁性材料からなる一対の磁気
コア半体2,3が非磁性のギャップ材(図示せず。)を
介して突き合わせれることにより磁気ギャップgが形成
されてなる。そして、磁気記録媒体摺動面4において、
トラック幅規制溝5によってトラック幅Twが規制され
るとともに、当たりを確保するためにこのトラック幅規
制溝5内に融着ガラス6が充填されている。
【0003】また、上記磁気ヘッド1には、コイルを巻
回するための巻線溝7が設けられており、これによって
磁気ギャップgのデプスが規制されている。上記デプス
はヘッドの特性を大きく左右するものであるため、この
測長が融着ガラス6を介して正確に行えることが好まし
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常の
融着ガラスは、融着時にコア材(金属やフェライト等)
との界面において反応し、結晶化して曇りを生ずること
が多く、デプスの測長に支障を来している。そこで、こ
れを解決するために、例えば特公平1−28248号、
特公平1−203241号、特公昭54−27132号
公報等に開示されるように、融着ガラスにFe2 3
多量に含有させ、上記界面での反応を防止することが考
えられている。
【0005】ところが、上述のように融着ガラスにFe
イオンが含有されていると、ガラス自体が着色されてし
まい、著しく光の透過率を低下させてしまう。すなわ
ち、Feイオンが含有されている融着ガラスを用いれ
ば、反応によるガラスの曇りは抑制できるものの、ガラ
ス自体の色が濃いので、結局デプスの測長が困難なもの
となり、確実な磁気ヘッドの品質管理は難しい。
【0006】そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであって、反応による結晶化により曇
りを生ずることがなく、しかも光の透過率を向上させた
融着ガラスを提供することを目的とし、これによりデプ
スの測長を正確に行うことが可能な磁気ヘッドを提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の融着ガラスは、Feイオンを含有し、粘
度が100 〜100.5 Pa・sとなる温度で原料溶解され
ていることを特徴とするものである。また、本発明の磁
気ヘッドは、磁気コア半体同士が前記融着ガラスによっ
て接合一体化されていることを特徴とするものである。
【0008】Feを含有する融着ガラスを作成するに際
して、原料溶解温度が低すぎて、粘度が上記範囲より大
きくなってしまうと、完全な溶解・撹拌を行うことがで
きなくなり、結晶質を含んだ不完全なガラスになる。一
方、原料溶解温度が高すぎると、作成されたガラスの透
過率が低下する。したがって、光の透過率を向上させた
融着ガラスを作成するには、粘度が100 〜100.5 Pa
・sとなる温度において原料溶解を行うことが好まし
い。
【0009】
【作用】100 〜100.5 Pa・sなる粘度は、一般にガ
ラス原料を完全に溶解・撹拌するための上限粘度である
ため、この粘度となる温度で原料溶解をするということ
は、ガラス原料を完全に溶解・撹拌するための下限の温
度で原料溶解を行うということである。低い温度で原料
溶解を行うほど、作成されたガラスの透過率は高いた
め、上記粘度範囲となる温度において原料溶解を行うこ
とにより、光の透過率が比較的高いガラスとすることが
できる。
【0010】すなわち、Fe2 3 を多量に含有させた
融着ガラスは、融着時に反応を起こして結晶化してしま
うことがないが、上記Fe2 3 が含有されることによ
ってガラス自体が黄褐色に着色されてしまう。しかし、
ガラス中のFeイオンは、その原子価の違いによって色
が異なり、透過率も異なるため、ガラス中のFeイオン
のFe2+/Fe3+比を制御することによって、ガラスの
透過率を向上させることができる。本発明においては、
ガラスの原料溶解温度を規定することによって上記Fe
2+/Fe3+を制御し、ガラスの透過率を向上させてい
る。
【0011】前述のようにFe2+/Fe3+を制御した融
着ガラスは、結晶化による曇りが生ずることがないばか
りか、光の透過率にも優れ、これを磁気ヘッドのガラス
融着に用いることにより、デプスの正確な測長が行われ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体的な実験結果に基づいて
詳細に説明する。
【0013】実験に際しては、下記の組成を有する2種
類のガラス原料を用意した。原料A SiO2 15.1重量% PbO 59.6重量% Na2 O 0.9重量% B2 3 9.2重量% Bi2 3 9.2重量% Fe2 3 3.3重量% ZnO 2.7重量%
【0014】原料B SiO2 36.7重量% PbO 16.5重量% Na2 O 11.6重量% B2 3 17.0重量% Al2 3 7.1重量% MnO 1.0重量% Fe2 3 5.6重量% ZnO 4.4重量% CaF2 0.1重量%
【0015】先ず、原料Aを採取し、白金るつぼ内で約
1時間溶解混合した。このとき、原料溶解温度を850
℃,900℃,1000℃,1100℃,1200℃,
1300℃に設定し、それぞれの溶解温度で作成された
試料を順に、ガラス試料a,b,c,d,e,fとし
た。
【0016】上記各ガラス試料a,b,c,d,e,f
について、波長と透過率の関係を調べたので、その結果
を図2に示す。また、図3に波長640nmにおけるそれ
ぞれの試料の透過率を示す。これら図2及び図3を見る
と明らかなように、低い原料溶解温度で作成したガラス
試料ほど、光の透過率が向上している。
【0017】さらに、原料Aより作成したガラスの粘性
カーブ(温度と粘性率の関係を示す特性図)を図4に示
す。粘度が100 〜100.5 Pa・sとなる温度が一般に
ガラスを攪拌しながら溶解できる最低の温度である。本
実験で使用したガラス試料の中では、原料溶解温度85
0℃のガラス試料aがこの範囲に入り、実際、光の透過
率は最も高くなっている。
【0018】次に、原料Bについても同様の溶解テスト
を行った。すなわち、原料Bを採取し、白金るつぼ内で
約1時間溶解混合した。このとき、溶解温度を1150
℃,1250℃,1350℃に設定し、それぞれの溶解
温度で作成された試料を順にガラス試料g,h,iとし
た。
【0019】そして、上記ガラス試料g,h,iについ
ても、同様に波長と透過率の関係、及び波長640nmに
おけるそれぞれの試料の透過率を調べた。図5に波長と
透過率の関係を示し、図6に波長640nmにおけるそれ
ぞれの試料の透過率を示す。この結果、やはり、低い原
料溶解温度で作成した試料ほど、透過率が高いことがわ
かる。
【0020】また、原料Bより作成したガラスの粘性カ
ーブも図7に示しておく。この原料Bにおいては、11
50℃で原料溶解したガラス試料gが粘度が100 〜1
0. 5 Pa・sとなる温度で原料溶解したガラスに相当
し、光の透過率が最も高くなっている。
【0021】なお、以上の実験において、透過率の測定
には、日本電色工業社製,商品名Σ90 COLOR MEASURIN
G SYSTEMを用い、測定試料にはロッド状にしたガラス
(原料Aより作成したガラス試料については0.3mm
径、原料Bより作成されたガラス試料については0.6
mm径のもの)を使用した。そして、ロッド状のガラスの
直径方向に光を透過することにより透過率を測定した。
このように、ガラス試料をロッド状としたため、光を透
過する際の反射、屈折の関係上、同色の板状のものとは
透過率が異なる。
【0022】上述のようにして作成されたガラス試料a
〜iを、次のようにして磁気ヘッド用の融着ガラスとし
て用いた。
【0023】上記ガラス試料a〜iが適用される磁気ヘ
ッド1は、例えば図1に示されるように、酸化磁性材料
からなる一対の磁気コア半体2,3を非磁性のギャップ
材(図示せず。)を介して突き合わせることにより磁気
ギャップgが形成されてなるものである。そして、融着
ガラス6は、磁気記録媒体摺動面4においてトラック幅
Twを規制するとともに、上記磁気コア半体2,3同士
を接合するために、この突合せ面の端部(トラック幅規
制溝5内)に充填される。
【0024】上記磁気ヘッド1にはコイルを巻線するた
めの巻線溝7が設けられ、これによって磁気ギャップg
のデプスが規制されているのであるが、このデプス長は
融着ガラス6を通して明確に測定できることが好まし
い。このため、上記融着ガラス6としては、光の透過率
が高いものを用いる必要がある。
【0025】一般に融着ガラス6は、融着時にコア材料
との界面で反応を起こすことにより透過率が低下するこ
とがあるが、本実施例で使用されたガラス試料a〜iに
はFeイオンが含有されているため上記界面での反応は
防止されている。また、Feイオンの含有によりガラス
試料a〜i自体が着色されるが、ガラス作成条件を規定
することによって光の透過率を向上させたガラスを作成
して用いればよい。
【0026】上記ガラス作成条件とは原料溶解温度であ
り、低い原料溶解温度で作成したガラスほど透過率が向
上していることは前述したとおりである。したがって、
溶解・撹拌が可能な最低温度、すなわち粘度が100
100.5Pa・sとなる温度で溶解したガラスが、融着ガ
ラス6として最も適している。すなわち、原料Aから作
成された試料ガラスa〜fのなかでは850℃で溶解さ
れた試料ガラスaを、原料Bから作成された試料ガラス
g〜iのなかでは1150℃で溶解された試料ガラスg
を選択してやればよい。
【0027】そして、このように光の透過率を向上させ
た試料ガラスa又はgを融着ガラス6として用たとこ
ろ、従来読み取ることが困難なことのあったデプス長
が、ガラスを通して明確に読み取ることができた。
【0028】なお、本発明に用いられる融着ガラスの組
成は上述したものに限られない。Feイオンが含有され
ており、且つ、原料溶解温度を上記範囲内として作成さ
れたものであるならば、従来公知の融着ガラスがいずれ
も使用可能であり、材料や比率も変更可能である。ま
た、磁気ヘッドの構成も上述したものに限られず、磁気
コア半体2,3同士の突合せ面に金属磁性膜が形成され
たいわゆるメタル・イン・ギャップ型の磁気ヘッドであ
ってもよく、磁気ギャップgにアジマスを与えたり、巻
線溝7を変形したりと、種々の変形、変更が可能であ
る。
【0029】
【発明の効果】以上の説明からも明かなように、原料溶
解を低い温度で行うほど、作成されたガラスの透過率が
向上するので、ガラスの粘度が100 〜100.5 Pa・s
となる温度(完全な溶解がなされるための最低温度)に
おいて原料溶解を行うことにより、光の透過率を向上さ
せたガラスとすることができる。
【0030】そして、上記ガラスを磁気コア半体同士の
融着に用いると、この融着ガラスを介してデプス長が測
定可能な磁気ヘッドとなる。したがって、品質管理が確
実になされた磁気ヘッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】融着ガラスが用いられた磁気ヘッドの一構成例
を示す斜視図である。
【図2】原料Aの原料溶解温度の違いによる透過率曲線
の相違を示す特性図である。
【図3】原料Aにおける原料溶解温度と透過率(波長6
40nm)の関係を示す特性図である。
【図4】原料Aにおける温度と粘性率の関係を示す特性
図である。
【図5】原料Bの原料溶解温度の違いによる透過率曲線
の相違を示す特性図である。
【図6】原料Bにおける原料溶解温度と透過率(波長6
40nm)の関係を示す特性図である。
【図7】原料Bにおける温度と粘性率の関係を示す特性
図である。
【符号の説明】
1・・・磁気ヘッド 2,3・・・磁気コア半体 4・・・磁気記録媒体摺接面 5・・・トラック幅規制溝 6・・・融着ガラス 7・・・巻線溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Feイオンを含有し、粘度が100 〜1
    0.5 Pa・sとなる温度で原料溶解されてなる融着ガラ
    ス。
  2. 【請求項2】 磁気コア半体同士が請求項1記載の融着
    ガラスによって接合一体化されていることを特徴とする
    磁気ヘッド。
JP6511693A 1993-03-24 1993-03-24 融着ガラス及びこれを用いた磁気ヘッド Pending JPH06279051A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6511693A JPH06279051A (ja) 1993-03-24 1993-03-24 融着ガラス及びこれを用いた磁気ヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6511693A JPH06279051A (ja) 1993-03-24 1993-03-24 融着ガラス及びこれを用いた磁気ヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06279051A true JPH06279051A (ja) 1994-10-04

Family

ID=13277601

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6511693A Pending JPH06279051A (ja) 1993-03-24 1993-03-24 融着ガラス及びこれを用いた磁気ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06279051A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9815734B2 (en) 2014-12-12 2017-11-14 Schott Ag Solarization-stable UV band-pass filter

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9815734B2 (en) 2014-12-12 2017-11-14 Schott Ag Solarization-stable UV band-pass filter

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001159702A (ja) 屈折率分布型レンズ
US4439794A (en) Magnetic head
JPH06279051A (ja) 融着ガラス及びこれを用いた磁気ヘッド
US4855261A (en) Sealing glass
US5245492A (en) Magnetic head
EP1178019A1 (en) Optical glass
JP2007008777A (ja) リン酸塩系ガラス、前記リン酸塩系ガラスを用いた接合材、前記接合材を用いた磁気ヘッド、及びプラズマディスプレイパネル
JP4016146B2 (ja) ガラス組成物及びガラス組成物を用いた磁気ヘッド
US4621065A (en) Chrysoberyl cat's-eye synthetic single crystal
JP2570791B2 (ja) ボンディングガラス及び磁気ヘッド
JP3296679B2 (ja) 接着用ガラス
JPS615406A (ja) 複合型磁気ヘツド
JP2623694B2 (ja) ボンディングガラス及び磁気ヘッド
JPH03109235A (ja) ガラスおよび磁気ヘッド
US6631050B1 (en) Sealing glass for magnetic head and magnetic head using the same
JPH11106236A (ja) 磁気ヘッド用低融点ガラス
JPH03199134A (ja) 低温融着性ガラス組成物
JPH027209A (ja) 磁気ヘッド
JPH01252547A (ja) 磁気ヘッド用低融着性ガラス組成物
JPH04275940A (ja) 低温融着性ガラス組成物
KR100282214B1 (ko) 자기 헤드 및 그 제조방법
JPS62200509A (ja) 磁気ヘツドの製造方法
JP3362805B2 (ja) 光磁気ヘッドの製造方法
JPH02258649A (ja) 低融着性ガラス組成物
JP2729703B2 (ja) 磁気ヘッド封着用ガラス組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20021022