JPH062727Y2 - ミスト回収装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は水や油等のミストを含有する排気からミストを
回収する装置に関するものであり、例えば金属板材圧延
設備から排出される排気中のミスト分の分離回収装置に
関するものである。

［従来の技術］ 圧延設備からのヒュームミスト（水とオイルのエマルジ
ョン）は大気中に放出されると白煙として拡散し、か
つ、臭いもあって、大気汚染の原因となるのでこのミス
トを除去することが行われている。

このミストの除去装置として、フィルターを用いた濾過
装置が用いられているが、短期間で目詰まり状態になっ
てしまうので装置の維持費が大きく、採用されないこと
も多かった。

そこで、本出願人はさきに実願平１-71230号によって、
フィルターを用いることなく、内部にねじり板を設けた
多数の排気通路管を利用したミスト回収装置を提案し
た。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案は、白煙防止がより効果的で排気中のミスト分の
分離回収及び飽和蒸気の冷却、液化回収ができ、かつ、
維持費が安い装置を提供しようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するための本考案の構成は、ケーシング
の上下の管板間に、内部にねじり板を設けた多数の排気
通路管を設け、該通路管と直交する方向に冷却空気流が
通流できるようにケーシングの側部に開口部を設け、ケ
ーシング上方にはヒューム送給ダクトを接続し、ケーシ
ングの下方と一方の側部には通路管からの排気流による
冷却空気流の吸引混合機構を有する排気ダクトを設け、
該排気ダクトに直立状のチャンバを連設してなることを
特徴とするミスト回収装置である。

［実施例］ 実施例を図面を参照して具体的に説明すると、第１図は
本考案の装置の一例の斜視図である。ケーシング10の中
の上下の管板９の間に銅又は銅合金管をもって形成され
る多数の排気通路管６が設けてあり、その排気通路管６
の中は第２図に示したようにステンレス鋼、アルミニウ
ム合金等の金属製で、排気通路管６の内径に近い外径を
有するねじり板７が設けてある。多数の排気通路管６の
端は上下の管板９を貫通して開口しており、この排気通
路管６の内部をミストを含んだ排気が通過するようにな
っている。またこの排気通路管６は列をつくって並んで
おり、その間を冷却空気が流通し排気通路管６を外部か
ら冷却するようになっている。ケーシング10の下側から
片側にかけて上方にチャンバ４をそなえた排気ダクト11
が設けてある。排気ダクト内にはヒューム排気口８から
排気ダクトの上方に向けて延びるガイドベーン５が配設
されており、冷却空気流はガイドベーンに沿って流れる
排気流にて吸引されて排気流と混合し、更にチャンバ４
にて排気流と充分に混合され、混合排気流として大気中
へ放出される。チャンバ４は上下にベルマウス４′，
４′を有する形状をしている。

この第１図によって、ミストを含んだ排気と冷却空気の
流れを説明すると、ミストを含んだ排気はケーシング10
の上部に接続されたダクトを通って送給され、ヒューム
排気入口１からケーシングの中に入る。つづいて上部の
管板９に開口している排気通路管６の中に入り、管の内
壁または内部のねじり板７に接触して冷却され、ミスト
を管の内壁あるいはねじり板上に分離した後、下の管板
９に開口した排気通路管６から流出し、ダクトの下側の
ヒューム排気出口８からケーシングの側方に沿って上方
へ流出する。続いてガイドベーン５の存在によって流速
が大になり、ガイドベーン５の末端部で、冷却空気を吸
引して冷却空気流と混合した後、チャンバ４を経て流出
する。

ケーシングの側方を流れる排気流により冷却空気は開放
されているケーシング10の側部すなわち、冷却空気入側
３からケーシング内に吸入され、排気通路管６の列の間
を通過しながら、この排気通路管６を外から冷却した
後、反対側すなわち、冷却空気出側２から流出し、ガイ
ドベーン５の末端部でヒューム排気出口８から流出して
くる排気と混合された後、チャンバ４から流出する。

第３図は本考案の装置を備えた系統図である。圧延設備
（ミル）で発生し、上方に浮游するヒュームミストはブ
ロワＢでフードを介して吸引され本考案のミスト回収装
置へ送られ、そこでミストを分離した後、冷却空気流を
吸引して混合するエジェクタによって冷却空気流と混合
され、チャンバで冷却空気流と更に充分に混合されて大
気中に混合排気流として放出される。そしてミストはオ
イルセラーに戻され再利用される。

排気は、排気と熱交換されて昇温した流出空気と混合さ
れて、水蒸気未飽和の排気になるのでチャンバ４から流
出する排気による白煙が大幅に減少する。

なお、チャンバ４の形状としては他に第４図（イ）
（ロ）（ハ）に示すような変形が考えられるが、適正寸
法における第１図のチャンバ４が最も効果的である。こ
れはチャンバの入口で混合排気流はチャンバの中心に向
けて流れるので充分に混合されることと、チャンバの出
口では逆に拡散するので混合排気流が四散することによ
る。

［考案の効果］ 以上説明した本考案のミスト回収装置を採用することに
よって、下記効果が得られる。

１）排気の臭い、白煙；ミスト飛散を防止することがで
きる。

２）大きさが10μｍ以上のミストを充分に回収すること
ができる。

３）ミストの粒径分布が150μｍ以下の場合、95％以上
の回収効率が実現できる。

４）回収した圧延油の回収、最利用ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のミスト回収装置の一部裁断斜視図、 第２図は第１図の装置における排気通路管の○印部分の
拡大断面図、第３図は本考案のミスト回収装置を備えた
排気系統図、第４図（イ）（ロ）（ハ）はチャンバの変
形例である。 １…ヒューム排気入口、２…冷却空気出側、 ３…冷却空気入側、４…チャンバ、 ４′…ベルマウス、５…ガイドベーン、 ６…排気通路管、７…ねじり板、 ８…ヒューム排気出口、９…管板、 10…ケーシング、11…排気ダクト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケーシングの上下の管板間に、内部にねじ
   り板を設けた多数の排気通路管を設け、該通路管と直交
   する方向に冷却空気流が通流できるようにケーシングの
   側部に開口部を設け、ケーシング上方にはヒューム送給
   ダクトを接続し、ケーシングの下方と一方の側部には通
   路管からの排気流による冷却空気流の吸引混合機構を備
   えた排気ダクトを設け、該排気ダクトに直立状のチャン
   バを連設してなることを特徴とするミスト回収装置。