JPH06272007A - 溶融亜鉛メッキ槽 - Google Patents

溶融亜鉛メッキ槽

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JPH06272007A
JPH06272007A JP6425693A JP6425693A JPH06272007A JP H06272007 A JPH06272007 A JP H06272007A JP 6425693 A JP6425693 A JP 6425693A JP 6425693 A JP6425693 A JP 6425693A JP H06272007 A JPH06272007 A JP H06272007A
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JP
Japan
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steel
diffusion
zinc
thickness
powder
Prior art date
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Pending
Application number
JP6425693A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Umeno
野 堅 司 梅
Tatsuya Ooishi
石 多津也 大
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHINTOU KOGYO KK
Sintokogio Ltd
Original Assignee
SHINTOU KOGYO KK
Sintokogio Ltd
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Publication date
Application filed by SHINTOU KOGYO KK, Sintokogio Ltd filed Critical SHINTOU KOGYO KK
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  • Coating With Molten Metal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐亜鉛侵食性に秀れ、ドロス発生が少く、寿
命の長い溶融亜鉛メッキ槽を提供することを目的とす
る。 【構成】 少なくとも溶湯に接する面がAl拡散被覆鋼
にて成ることを特徴とする溶融亜鉛メッキ槽。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融亜鉛メッキに用いら
れる、耐亜鉛侵食性の秀れた亜鉛メッキ槽に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術と解決しようとする課題】従来、各種鉄鋼
材料又は製品の表面の耐蝕性向上を図るために亜鉛メッ
キが行なわれている。この亜鉛メッキは通常溶融亜鉛メ
ッキで行なわれ、これをバッチ式で行なう場合鉄鋼材料
でつくられたメッキ槽内で高温(約450〜480℃)
で溶融状態に保持されている亜鉛の浴中にバスケットな
どに収容された小型部品などの被メッキ材料を一定時間
浸漬して行なわれる。一方連続式で行なう場合はメッキ
されるべき鋼板又は鋼線を連続的に前記メッキ槽内の溶
融亜鉛メッキ浴中に通過せしめて亜鉛メッキを施してい
る。
【0003】バッチ式の場合、連続式の場合ともに溶融
亜鉛メッキ槽中の亜鉛(Alを含むこともある)は一旦
溶解した後は補給を繰返しながら1年又は2年の長期間
に亘り加熱し続け溶湯状態を維持しながら亜鉛メッキ作
業を行なうのが一般的である。短期間、例えば一週毎に
加熱を一旦止め溶融した亜鉛を凝固せしめ、再加熱溶解
を繰返すことはエネルギーコストを著るしく高騰せし
め、甚だ不経済である為メッキ槽の寿命の許す限り連続
操業を行なうことが望ましい。しかしながら一方で常時
高温(450〜480℃)の溶湯亜鉛と接触しているメ
ッキ槽は徐々に侵食され鋼板は薄肉化して行く。尚通常
メッキ槽の底には亜鉛より比重が大きく融点が低く侵食
性の少ない鉛を入れ溶解しその上に亜鉛浴が存在した状
態でメッキ作業が行なわれるので、底板の侵食は差程問
題とならず、側板の侵食薄肉化が直接寿命に影響を与え
る。
【0004】溶融亜鉛の鋼板に対する侵食性は鋼中のC
及びSiが多い程顕著となるので現在では、C、Si含
有量の少ない亜鉛釜鋼板(例えば化学成分はC 0.0
9%以下、Si 微量、Mn 0.20〜0.40%、
P 0.03%以下、S 0.030%以下)が用いら
れているが厚さが50mmの鋼板の場合寿命は凡そ4年間
程度である。この時の残存肉厚は約25mmであり、年間
約6〜7mmづつ侵食減肉してゆく。
【0005】溶融亜鉛メッキ槽の形状は様々であるが大
きいものでは重量が30〜40トンに達し寿命に至った
メッキ槽の交換の為には新規メッキ槽の製作、多い場合
には200トンを超える溶融亜鉛の汲出し作業、メッキ
槽の解体撤去、新規据付作業、その後の亜鉛溶解作業等
に多大の費用を要すること、又寿命に至るまでにも安全
をみて溶融亜鉛が満された部分の侵食程度を確認する為
に1年又は少なくとも2年に1度は槽を空にし、側壁
や、鋼板の溶接部の減肉状況を丹念に調査し、次回の検
査計画を立てることが必要で、これも又多大のエネルギ
ーコストと作業手間を要することから、メッキ槽の寿命
延長はメッキコスト低減の重要な課題となっている。
【0006】更には、メッキ槽の侵食に依って亜鉛浴中
にFe−Zn合金が生成し、ドロスとなって槽の底に沈
殿し、亜鉛消費量を増加させると共にメッキ作業に悪影
響を与えるので、底に溜ったドロスの定期的な汲上作業
が必要でコスト上昇の一因となっている。
【0007】本発明はかかる問題点を解消して、耐亜鉛
侵食性に秀れ、ドロスの発生が少なく、寿命の長い溶融
亜鉛メッキ槽を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に依れば鋼板製溶
融亜鉛メッキ槽の少なくとも溶湯の接する面がAl拡散
被覆層にて成ることにより上記目的を達し得ることが見
出されたのである。
【0009】従来より鉄鋼材料の高温耐酸化性を改善す
る方法としてその表面にAlを拡散被覆する処理法が実
施されており、Al拡散被覆処理されたその処理鋼を高
温酸化性雰囲気に曝せば表面に形成されたAl濃度が1
0〜40重量パーセントのFe−Al合金層の更に外表
面に薄いが緻密なAl被膜が生成し酸素原子の侵
入を阻止して鉄鋼の酸化を防止するというものである。
本発明者等は基礎実験の結果このAl拡散被覆処理を施
こした鉄鋼材料(Al拡散被覆鋼と称する。)が溶融亜
鉛に対して極めて耐食性の秀れた材料であることを知見
したのである。即ちAl拡散被覆処理後高温酸化性雰囲
気に曝して形成された上記Al被覆は溶融点が2
050℃と非常に高く、且つ溶湯とのなじみ性(濡れ
性)が極めて悪い為、溶湯に接しても溶着することが無
く、その侵食作用から鉄鋼素地を効果的に保護する作用
を果すことが見出されたのである。
【0010】本発明にて実施するAl拡散被覆処理とは
通常Fe−Al合金粉又はAl粉とアルミナ粉、塩化ア
ンモニウム粉を混合してなるAl滲透剤と処理されるべ
き鉄鋼材料を半密閉性容器へ充填し、800〜1100
℃の温度で5〜20時間加熱して行なう。この処理に依
って鉄鋼の場合表面のAl濃度が10〜40重量パーセ
ント、厚さ200〜800μmのAl拡散被覆層を得る
ことが出来る。処理鋼の高温耐酸化性は被覆層のAl濃
度が高い程秀れており、10重量%以下特に7重量パー
セント以下のAl濃度では耐酸化性の改善効果は殆んど
期待出来ない。又層の厚さは大なる程、層中の総Al量
が多くなるので高温耐酸化性の効果がより長期間持続さ
れる。
【0011】Al拡散被覆処理後、高温耐酸化性雰囲気
に曝すにはあらためてかかる工程をとることは必ずしも
必要とせず、得られたAl拡散被覆鋼を溶融亜鉛中へ浸
漬すればよい。さすれば界面に存在する空気中の酸素と
被覆層中のAlが結合し強固なAl被覆を形成し
以後秀れた耐食性を維持するのである。しかし、勿論、
Al拡散被覆鋼を空気中で500〜900℃で加熱しそ
の表面にAl被膜を形成させてもよくその形成後
は耐亜鉛侵食材料として使用することができる。ここで
Fe−Al合金層の表面部が酸化されて形成されるAl
被覆の厚さは約5〜25μmの範囲が好ましい。
【0012】この様な好ましい性質を持つAl
膜とFe−Al合金層及びFe−Al合金層と鉄鋼素地
との強固な金属学的固着は流動する溶湯の侵食、摩耗作
用に対して抵抗となる他、溶湯との接触時の熱衝撃及び
各層の熱膨張の差に依る自壊作用が生じる恐れが無く、
保護被膜として有効に作用するのである。
【0013】尚本発明に於てはメッキ槽の表面に直接A
l拡散被覆層を形成させる場合のみならず、例えば厚さ
4.5〜9mmのAl拡散被覆鋼板を槽に内張りしても同
様な耐食効果を得ることが出来るので、状況に応じて適
宜選択する事が可能である。
【0014】
【実施例】
<実施例1>本発明による耐食性の向上を確認する為亜
鉛浴への浸漬テストを行なった。本発明のAl拡散被覆
鋼板は材質SS400(軟鋼)で厚さ6mm、幅100m
m、長さ300mmの鋼板にAl拡散被覆処理を施したも
のを用いた。即ち未処理の鋼板をFe−Al合金粉(A
lを45重量パーセント含む)80重量パーセント、ア
ルミナ粉15重量パーセント、塩化アンモニウム粉5重
量パーセントから成るAl滲透剤と共に鋼板製半密閉容
器に充填し1000℃で10時間加熱して表面のAl濃
度33重量パーセントで厚さ350μmのFe−Al合
金層、即ちAl拡散被覆層を形成せしめた。このAl拡
散被覆層の表面からの距離によるAl濃度の変化をしら
べたEPMA分析結果を図1に示す。同様にしてZnも
分析したが検出されなかった。
【0015】耐食テストは比較材として同寸法で未処理
のSS400鋼板を用いて、溶融亜鉛メッキ槽の中で4
50〜470℃に維持された亜鉛浴中(Al=0.2%
含有)へ90日間浸漬して行った。90日経過後取り出
した鋼板の状態は、本発明品の表面には亜鉛は殆んど付
着しておらず、部分的に付着しているものも容易に剥離
し、外観上からも亜鉛に依って侵食されていないことが
判断出来た。更に、この鋼板を切断し断面を検鏡した結
果は、図2に示すとおりであり、鋼板素地1の表面に形
成されたFe−Al合金層2の外表面に約20μmの緻
密なAl被覆3の生成が確認できた。又、この断
面のAlとZnのEPMA分析を行ったが、Znは検出
されなかった。Al濃度の分析結果を図3に示すが、A
l濃度、Al拡散層の厚さいずれも図1と殆んど変ら
ず、健全な状態が維持されており、本発明品が全く亜鉛
に依り侵食されていない事が確認出来た。
【0016】一方比較材のSS400は表面全体に亜鉛
が溶着しており、切断面を検鏡した結果を図4に示す。
4が鋼板素地、5がFe−Zn合金層、6がZn層を示
す。これから判る様にFe−Zn合金層が表面から2〜
3mmに及んでおり鋼板素地の残存厚みは1〜2mmであ
り、Zn層の厚みは0.5〜1.0mmであった。 <実施例2>本発明の効果を確認する為に実際に内寸が
幅750mm、長さ2000mm、深さ900mm、厚さ40
mmの溶融亜鉛メッキ槽にAl拡散被覆鋼板を用いてテス
トした。即ち上記メッキ槽の側板(幅900mm、長さ2
080mm、厚さ40mm)の内1枚について材質SS40
0の鋼板に実施例1と同条件にてAl拡散被覆処理を施
こしたものを用いた。使用後の断面を検鏡した結果はほ
ぼ図2のとおりであった。他の部分は溶融亜鉛メッキ槽
用に開発された前述の亜鉛釜鋼板を用いた。溶湯はAl
を0.3%含んでおり温度は450〜470℃である。
効果の判定は板厚の減少の多少で行なうこととし、6ケ
月毎に溶湯亜鉛を汲み出し板厚を測定した。
【0017】この測定結果を表1に示す。
【0018】 表 1 本 発 明 品 従 来 品 6ケ月後 減肉無し(侵食なし) 板厚1〜3mm減 12 〃 〃 ( 〃 ) 〃 3〜6 〃 18 〃 〃 ( 〃 ) 〃 5〜9 〃 表1から明らかな様に従来品は徐々に侵食が進行してお
り通常肉厚が使用前の約1/2(残存肉厚20mm)まで
減じた時点で寿命となるので、耐用年数は凡そ4年程度
と判断出来る。
【0019】一方本発明品は18ケ月後も全く侵食され
ておらず更にテストは続行中であり、寿命の把握は出来
ていないが、少なく共18ケ月以上の寿命延長は間違い
ないところであり、秀れた耐食性を有していることが確
認出来た。
【0020】
【発明の効果】以上の様に本発明の溶融亜鉛メッキ槽は
溶湯に依る侵食が無く、従って侵食に基因するドロスの
発生も無く、寿命を著しく延長させることが出来るので
経済的効果は甚だ顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に用いた本発明のAl拡散被覆鋼のテ
スト前後のAlのEPMA分析値を示すグラフ。
【図2】同上の鋼のテスト後の断面検鏡図。
【図3】実施例2に用いた本発明のテスト前後のAlの
EPMA図。
【図4】実施例1に用いた比較材のテスト後の断面を示
す検鏡図である。
【符号の説明】
1,4 鉄鋼素地 2 Fe−Al合金層 3 Al被覆 5 Fe−Zn合金層 6 Zn層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも溶湯に接する面がAl拡散被覆
    鋼にて成ることを特徴とする溶融亜鉛メッキ槽。
JP6425693A 1993-03-23 1993-03-23 溶融亜鉛メッキ槽 Pending JPH06272007A (ja)

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JP6425693A JPH06272007A (ja) 1993-03-23 1993-03-23 溶融亜鉛メッキ槽

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JP6425693A JPH06272007A (ja) 1993-03-23 1993-03-23 溶融亜鉛メッキ槽

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JPH06272007A true JPH06272007A (ja) 1994-09-27

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ID=13252923

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JP6425693A Pending JPH06272007A (ja) 1993-03-23 1993-03-23 溶融亜鉛メッキ槽

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JP (1) JPH06272007A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0754127A (ja) * 1993-08-09 1995-02-28 Shinto Kogyo Kk 溶融亜鉛めっき装置材料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0754127A (ja) * 1993-08-09 1995-02-28 Shinto Kogyo Kk 溶融亜鉛めっき装置材料

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