JPH0627097U

JPH0627097U - ウエブロール製造機におけるミシン目加工装置

Info

Publication number: JPH0627097U
Application number: JP6242692U
Authority: JP
Inventors: 輝夫高橋
Original assignee: 株式会社石津製作所
Priority date: 1992-09-04
Filing date: 1992-09-04
Publication date: 1994-04-12

Abstract

(57)【要約】【目的】ウエブロール製造機におけるミシン目加工装
置において、形成すべきミシン目に応じてミシン目刃ナ
イフの交換を簡単に行えるようにする。【構成】ミシン目加工装置２は、回転ロール２１の外
周面に刃先が連続する連続刃ナイフ２２を取付けてなる
回転刃ユニット２０と、刃先に所定小間隔をもって有刃
部３３と無刃部３４を順次交互に設けた複数個のミシン
目刃ナイフ３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃを単一の固定台３１
に取付けてなる固定刃ユニット３０とを有し、固定刃ユ
ニット３０の各ミシン目刃ナイフ３２Ａ，３２Ｂ，３２
Ｃは、有刃部３３と無刃部３４のうちの少なくとも一方
の長さが相互に異なる複数種類のものを使用するととも
に、各ミシン目刃ナイフ３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃを連続
刃ナイフ２２の刃先走行軌跡面に対して選択的に対応せ
しめ得る位置に固定台３１を変位させることができる固
定台位置調整装置５を備えた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、トイレットペーパーやタオルペーパーなどのミシン目つきウエブロールを製造するためのウエブロール製造機に関し、さらに詳しくはそのようなウエブロール製造機におけるミシン目加工装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種のウエブロール製造機は、原反ロールから繰出される帯状ウエブに、ミシン目加工装置によりウエブ走行方向の一定間隔ごとにミシン目を加工した後、該ミシン目つき帯状ウエブをウエブ巻取装置によってロール状に巻回させてミシン目つきウエブロールを製造するようになっている。尚、ミシン目は使用時にウエブを一単位の長さづつ引きちぎり易くするためのものである。

【０００３】又、この種のウエブロール製造機におけるミシン目加工装置は、固定台に取付けた固定刃（ミシン目刃ナイフ又は連続刃ナイフ）に、回転ロールの外周面に取付けた回転刃（連続刃ナイフ又はミシン目刃ナイフ）が出合ったときに、両刃間を走行する帯状ウエブにミシン目を加工し得るようになっている。

【０００４】ところで、この種のミシン目つきウエブロールにおいては、その種類（例えばトイレットペーパー、タオルペーパー、ナイロン繊維入りペーパー等）や紙質によって、使用時の引きちぎりに適したミシン目間隔があり、従来では製造すべきウエブロールの種類に応じてミシン目間隔を調整していた。例えば図５に示すトイレット用ロールペーパーＲ₁では、紙厚さが薄く且つ切断し易い紙質であるので、ミシン目Ｍ₁における単一切断部の長さＷ₁は比較的短く形成される。他方、図６に示すタオル用ロールペーパーＲ₂では、紙厚さが比較的厚いので、ミシン目Ｍ₂における単一切断部の長さＷ₂は比較的長く形成される。尚、各ロールペーパーのミシン目Ｍ₁，Ｍ₂における非切断部（連続部）の長さＸ₁，Ｘ₂も製品の種類あるいは紙質に応じて適宜に設定される。

【０００５】このミシン目間隔の調整は、従来では、所望のミシン目間隔をもつミシン目刃ナイフを回転ロールあるいは固定台に付け替えることによって行っていた。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来では、ミシン目刃ナイフは、回転ロールあるいは固定台に対して多数本のボルトで締め付けて固定しており、該ミシン目刃ナイフを交換するのに全部の固定ボルトを螺解及び再螺合させなければならず、ミシン目刃ナイフの交換作業が面倒でしかもその作業に長時間を要するという問題があった。

【０００７】本考案は、上記した従来の問題点に鑑み、形成すべきミシン目間隔を変更する際において、ミシン目刃ナイフの交換作業を簡単に行えるようにしたミシン目加工装置を提案することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、原反ロールから繰出される帯状ウエブに、ミシン目加工装置によりウエブ走行方向の一定間隔ごとにミシン目を加工した後、該ミシン目つき帯状ウエブをウエブ巻取装置によってロール状に巻回させてミシン目つきウエブロールを製造するようにしたウエブロール製造機におけるミシン目加工装置おいて、該ミシン目加工装置は、回転ロールの外周面に刃先が連続する連続刃ナイフを取付けてなる回転刃ユニットと、刃先に所定小間隔をもって有刃部と無刃部を順次交互に設けた複数個のミシン目刃ナイフを単一の固定台に取付けてなる固定刃ユニットとを有し、各ミシン目刃ナイフは、有刃部と無刃部のうちの少なくとも一方の長さが相互に異なる複数種類のものを使用するとともに、各ミシン目刃ナイフを連続刃ナイフの刃先走行軌跡面に対して選択的に対応せしめ得る位置に固定台を変位させることがてきる固定台位置調整装置を備えたことを特徴としている。

【０００９】

【作用】

本考案のミシン目加工装置では、固定刃ユニットの固定台に複数個のミシン目刃ナイフを取付け、且つ固定台位置調整装置により固定台を変位させて該各ミシン目刃ナイフを回転刃ユニット側の連続刃ナイフの刃先走行軌跡面に対して選択的に対応せしめ得るようにしているので、ミシン目刃ナイフを固定台に対して離脱・再装着させることなく固定台の位置を調整するだけで所望のミシン目刃ナイフを連続刃ナイフの刃先走行軌跡面に対応させることができる。又、各ミシン目刃ナイフは、ミシン目刃の間隔が相互に異なる複数個のものを使用しており、該ミシン目刃ナイフを選択して使用することにより、ウエブに所望の間隔のミシン目を加工することができる。

【００１０】

【考案の効果】

このように、本考案のミシン目加工装置によれば、固定刃ユニット側の固定台にミシン目刃の間隔を異にした複数個のミシン目刃ナイフを取付け、さらに固定台位置調整装置によって固定台を位置調整することにより、該固定台に取付けている複数個のミシン目刃ナイフのうちから所望のミシン目刃ナイフを選択して回転刃ユニット側の連続刃ナイフに対応させることができ、ミシン目刃の間隔の異なるミシン目刃ナイフに交換する場合の交換作業が簡単に行え、しかもその交換作業を短時間で行えるという効果がある。

【００１１】

【実施例】

図１〜図６を参照して本考案の実施例を説明すると、図１には、例えばトイレットペーパーやタオルペーパー等のミシン目つきウエブロールを製造するためのウエブロール製造機が示されている。

【００１２】図１に示す実施例のウエブロール製造機は、ウエブ繰出装置１により原反ロールＰから帯状ウエブＱを連続して繰り出させ、該帯状ウエブＱにミシン目加工装置２によりウエブ走行方向の一定間隔ごとにミシン目（図５のＭ₁又は図６のＭ₂ 等）を加工した後、そのミシン目つき帯状ウエブをウエブ巻取装置４によってロール状に巻回してミシン目つきウエブロールを製造し得るようになっている。尚、この実施例のウエブロール製造機では、例えば１００〜１２０cm程度の長尺ウエブロールを製造するようになっており、後工程においてその長尺ウエブロールを製品寸法づつ切断して、製品ウエブロールを製作する。

【００１３】図２及び図３には、図１のウエブロール製造機で使用されているミシン目加工装置２が示されている。このミシン目加工装置２は、回転ロール２１の外周面に連続刃ナイフ２２を取付けた回転刃ユニット２０と、固定台３１にミシン目刃ナイフ３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃを取付けた固定刃ユニット３０とを備えている。

【００１４】回転刃ユニット２０は、運転中は連続回転せしめられる。又、この実施例では、かなりの長さ（１００〜１２０cm)を有する回転ロール２１の外周面に等角度間隔をもって合計３個の連続刃ナイフ２２，２２，２２を取付けている。各連続刃ナイフ２２は、それぞれ回転ロール２１のほぼ全長に亘る長さを有し、且つ刃先を直線状に連続させて形成している。

【００１５】固定刃ユニット３０は、この実施例では、ロール状の固定台３１の外周面に等角度間隔をもって合計３個のミシン目刃ナイフ３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃをそれぞれボルト締めで取付けて形成している。そして、この固定刃ユニット３０は、機体の左右両フレーム１１，１１間に左右各支持アーム１２，１２を介して設置されている。即ち、図３に示すように、各支持アーム１２，１２は、その一端部をそれぞれ取付軸１３，１３でフレーム１１，１１に枢着して取付けられており、固定刃ユニット３０は、該各支持アーム１２，１２のほぼ中央部に固定台３１の左右両端部を枢着して取付けている。各支持アーム１２，１２は、その取付軸１３，１３に対して枢動自在となっており、又固定台３１は各支持アーム１２，１２に対して回転自在となっている。

【００１６】各支持アーム１２，１２は、図２に示すようにシリンダ（エアシリンダ）１４によって取付軸１３を中心にして、回転刃ユニット２０に対して近接・離間方向に揺動せしめ得るようになっている。又、各支持アーム１２，１２の先端部にはジャッキボルト１５，１５が設けられており、該ジャッキボルト１５，１５によって両支持アーム１２，１２間に支持されている固定刃ユニット３０の回転刃ユニット２０に対する近接度合を微調整し得るようになっている。尚、シリンダ１４は運転中には伸長しているが、回転刃ユニット２０と固定刃ユニット３０間にウエブを通す際には、該シリンダ１４を縮小せしめて固定刃ユニット３０を回転刃ユニット２０から大きく離間させて行えるようになっている。

【００１７】固定刃ユニット３０の固定台３１は、締付バンド式のロック手段１６により、支持アーム１２に対して回動不能にロックし得るようになっている。尚、ロック手段１６の締付けを緩めると、固定台３１が回動自由になってミシン目刃ナイフ（３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃ）を固定台周方向に位置調整することができる。

【００１８】各ミシン目刃ナイフ３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃは、この実施例では、図４に示すようにそれぞれ細長の板状体で形成されており、合計４つのエッジ部がそれぞれ刃先として利用し得るようになっている。この各ミシン目刃ナイフ３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃには、それぞれ各エッジ部（刃先）に所定小間隔をもって有刃部３３と無刃部３４とを順次交互に設けたミシン目刃Ａ，Ｂ，Ｃを形成している。

【００１９】各ミシン目刃ナイフ３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃのミシン目刃Ａ，Ｂ，Ｃは、有刃部３３と無刃部３４のうちの少なくとも一方の長さを相互に異ならしめている。即ち、例えば図４に示すように、符号３２Ａのミシン目刃ナイフでは、各有刃部３３の長さＤ₁と各無刃部３４の長さＥ₁とを例えば３mm程度の同長さとしており、又符号３２Ｂのミシン目刃ナイフでは、各有刃部３３の長さＤ₂を例えば５mm 程度のかなり大長さとする一方で各無刃部３４の長さＥ₂を例えば２mm程度の小長さとしており、さらに符号３２Ｃのミシン目刃ナイフでは、各有刃部３３の長さＤ₃を例えば３mm程度とする一方で各無刃部３４の長さＥ₃を１mm程度のごく小長さとしている。尚、上記した各ミシン目刃ナイフにおける有刃部３３と無刃部３４の各長さ（Ｄ₁〜Ｄ₃、Ｅ₁〜Ｅ₃）の数値は単なる例示であって、該有刃部３３と無刃部３４の各長さは、実際に加工すべきミシン目の形状・間隔に合わせて適宜に形成される。

【００２０】このようにミシン目刃形状を相互に異ならしめた３個のミシン目刃ナイフ３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃは、それぞれ固定台３１の外周部に角度１２０°間隔をもって形成された各取付部にボルト締めされている。又、各ミシン目刃ナイフの取付状態では、各ミシン目刃ナイフ３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃにおける外端に位置する各刃先が、それぞれ固定台（ロール）３１の回転中心から半径方向に等距離の位置に位置している。このようにすると、使用するミシン目刃ナイフを変更するときに固定台３１を所定角度だけ回転させるだけで当該使用するミシン目刃ナイフを所定の対応位置に位置決めすることができる。

【００２１】このミシン目加工装置２には、固定刃ユニット３０の各ミシン目刃ナイフ３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃを連続刃ナイフ２２の刃先走行軌跡面に対して選択的に対応せしめるために、固定台３１を変位させることができるようにした固定台位置調整装置５が設けられている。

【００２２】この実施例の固定台位置調整装置５は、一方の支持アーム１２に設けられていて固定台３１を回転方向に変位させるための固定台回動手段５１と、両支持アーム１２，１２の各端部に設けられていて固定台３１を回転刃ユニット２０に対して近接・離間方向に微調整するための前記ジャッキボルト１５，１５とで構成されている。

【００２３】固定台回動手段５１は、固定台３１の一端部にウォームホイール５２を取付け、該ウォームホイール５２に噛み合うウォーム５３をハンドル５４で回転させることによって、固定台３１を回動させることができるようになっている。即ち、ウォーム５３は、支持アーム１２に対して定位置で回動可能となっており、該ウォーム５３をハンドル５４で回転させることにより、ウォームホイール５２を介して固定台３１を回動させることができるようになっている。尚、図２において符号５５はロックボルトで、該ロックボルト５５を締め込むことによってハンドル５４を回動不能にロックし得るようになっている。

【００２４】そして、ミシン目刃ナイフを位置変更させる際には、ハンドル５４を回転させて使用すべきミシン目刃ナイフ（３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃ）が回転刃ユニット２０側の連続刃ナイフ２２の刃先走行軌跡面に対応する位置まで固定台３１を回動させ、続いて必要に応じてジャッキボルト１５，１５で当該ミシン目刃ナイフの刃先が連続刃ナイフ２２の刃先走行軌跡面に僅かに接触するように固定台３１の位置を微調整すればよい。

【００２５】このように、図示実施例のミシン目加工装置２では、単一の固定台３１にミシン目刃形状の異なる合計３個のミシン目刃ナイフ３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃを取付け、固定台位置調整装置５により該各ミシン目刃ナイフを選択的に回転刃ユニット２０側の連続刃ナイフ２２に対応させることができるようになっているので、ミシン目刃ナイフ３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃの交換作業が簡単となるとともに、その交換作業を短時間で行える。

【００２６】尚、他の実施例では、固定台３１に取付けるミシン目刃ナイフの個数は２個又は４個以上の適数個でもよく、さらに単一の固定台３１に取付けられるミシン目刃ナイフは、少なくともミシン目刃の形状・間隔の異なる２種類のものがあればよい。換言すれば、単一の固定台に３個以上のミシン目刃ナイフを取付ける場合には、ミシン目刃の異なる２種類以上あればミシン目刃の同種類のものが重複してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例にかかるミシン目加工装置を使
用したウエブロール製造機の概略図である。

【図２】図１のミシン目加工装置の拡大図である。

【図３】図２のIIIーIII矢視図である。

【図４】図２のミシン目加工装置で使用される各ミシン
目刃ナイフの斜視図である。

【図５】ミシン目つきトイレット用ロールペーパーの斜
視図である。

【図６】ミシン目つきタオル用ロールペーパーの斜視図
である。

【符号の説明】

２はミシン目加工装置、４はウエブ巻取装置、５は固定
台位置調整装置、２０は回転刃ユニット、２１は回転ロ
ール、２２は連続刃ナイフ、３０は固定刃ユニット、３
１は固定台、３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃはミシン目刃ナイ
フ、３３は有刃部、３４は無刃部、Ｐは原反ロール、Ｑ
は帯状ウエブである。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】原反ロール（Ｐ）から繰出される帯状ウ
エブ（Ｑ）に、ミシン目加工装置（２）によりウエブ走
行方向の一定間隔ごとにミシン目を加工した後、該ミシ
ン目つき帯状ウエブをウエブ巻取装置（４）によってロ
ール状に巻回させてミシン目つきウエブロールを製造す
るようにしたウエブロール製造機において、前記ミシン目加工装置（２）は、回転ロール（２１）の
外周面に刃先が連続する連続刃ナイフ（２２）を取付け
てなる回転刃ユニット（２０）と、刃先に所定小間隔を
もって有刃部（３３）と無刃部（３４）を順次交互に設
けた複数個のミシン目刃ナイフ（３２Ａ，３２Ｂ，３２
Ｃ）を単一の固定台（３１）に取付けてなる固定刃ユニ
ット（３０）とを有し、前記各ミシン目刃ナイフ（３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃ）
は、前記有刃部（３３）と無刃部（３４）のうちの少な
くとも一方の長さが相互に異なる複数種類のものを使用
するとともに、前記各ミシン目刃ナイフ（３２Ａ，３２Ｂ，３２Ｃ）を
前記連続刃ナイフ（２２）の刃先走行軌跡面に対して選
択的に対応せしめ得る位置に前記固定台（３１）を変位
させることができる固定台位置調整装置（５）を備え
た、ことを特徴とするウエブロール製造機におけるミシン目
加工装置。