JPH062656Y2 - 患者監視装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は手術時にも使用できる様にした患者監視装置に
関する。

〔考案の概要〕

本考案は手術時にも使用できる様にした患者監視装置に
関し、心電図用電極よりの測定信号を心電図増幅回路を
有する監視装置本体に供給して心電図波形を監視できる
様にすると共にこの心電図用電極にこの監視装置本体に
設けた高周波発振器よりの高周波信号を供給し、上記監
視装置に設けたインピーダンス法による検出回路により
呼吸状態を知る様にした患者監視装置に於いて、この心
電図用電極を高周波除去フィルタを有するアダプタコー
ドを介してこの監視装置本体に接続する様にすると共に
この高周波除去フィルタとこの高周波発振器との間にサ
ーミスタを接続する様にし、手術時でも電気メスの影響
なく心電図波形及び呼吸状態を監視できるようにしたも
のである。

〔従来の技術〕

従来第３図に示す如く患者監視装置として心電図用電極
を用いて患者の心電図波形を監視すると共にこの心電図
用電極を用いてインピーダンス法でその患者の呼吸運動
を検出する様にしたものが提案されている。即ち第３図
に於いてＲ，Ｎ，Ｌは夫々人体の胸部の所定位置に被着
する心電図用電極を示し、之等心電図用電極Ｒ，Ｎ及び
Ｌを電線のみよりなるアダプタコード(1)を介して監視
装置本体(2)の接続端子(2R),(2N)及び(2L)に夫々接続す
る。この監視装置本体(2)に於いてはこの接続端子(2R),
(2N),(2L)に得られる測定信号を心電図増幅回路(2a)に
供給し、この心電図増幅回路(2a)の出力端子(3)に得ら
れる心電図信号をモニター（図示せず）に供給し、この
モニターで心電図波形を監視できる如くなされている。

また(4)はこの監視装置本体(2)に設けた50kHz〜100kHz
の正弦波信号を発生する高周波発振器を示し、この高周
波発振器(4)よりアダプタコード(1)を介して心電図用電
極Ｎ及びＬ間の人体の胸部に50kHz〜100kHzの微少正弦
波電流例えば100μＡ程度を流し、この高周波発振器(4)
よりの高周波信号の伝送線間に設けたインピーダンス法
による検出回路(5)により呼吸運動に伴う胸郭の変動を
電気的インピーダンス変化として取り出し、この検出回
路(5)の出力端子(5a)に得られる検出信号をモニターに
供給して呼吸状態を監視する如くしている。この場合肺
容量の変動と肺のインピーダンス変化の間には比較的良
好な相関関係があり、呼吸数の測定以外に呼吸曲線の測
定もできる。

従って第３図に示す如き患者監視装置に於いては心電図
用電極Ｒ，Ｎ，Ｌ及びアダプタコード(1)を兼用して心
電図波形と同時に呼吸状態を監視することができる。

〔考案が解決しようとする課題〕

斯る第３図に示す如き患者監視装置を手術場で使用する
ときには手術の際に電気メスに依る数10kH〜数10MH程度
の雑音が生じるので使用できない不都合があった。そこ
でこの心電図用電極Ｒ，Ｎ，Ｌを第４図に示す如く高周
波除去フィルタ(6a)を有するアダプタコード(6)を介し
て監視装置本体(2)の接続端子(2R),(2N)及び(2L)に接続
し、この高周波除去フィルタ(6a)により手術の際の電気
メスの高周波雑音を除去し、心電図波形を監視してい
た。

然しながらこの高周波除去フィルタ(6a)を有するアダプ
タコード(6)を使用したときには呼吸状態を監視する高
周波発振器(4)より高周波信号に依る呼吸検出用の高周
波信号もこの高周波除去フィルタ(6a)により除去されて
しまい手術時に特に必要とする呼吸状態を監視できない
不都合があった。

本考案は斯る点に鑑み手術時にも心電図波形及び呼吸状
態を同時に監視できる患者監視装置を得ることを目的と
する。

〔課題を解決するための手段〕

本考案患者監視装置は例えば第１図に示す如く心電図用
電極Ｒ，Ｎ，Ｌよりの測定信号を心電図増幅回路(2a)を
有する監視装置本体(2)に供給して心電図波形を監視で
きる様にすると共にこの心電図用電極Ｒ，Ｎ，Ｌに監視
装置本体(2)に設けた高周波発振器(4)よりの高周波信号
を供給し、この監視装置本体(2)に設けたインピーダン
ス法による検出回路(5)により呼吸状態を知る様にした
患者監視装置に於いて、この心電図用電極Ｒ，Ｎ，Ｌを
高周波除去フィルタ(6a)を有するアダプタコード(6)を
介してこの監視装置本体(2)に接続する様にすると共に
この高周波除去フィルタ(6a)とこの高周波発振器(4)と
の間にサーミスタ(7)を接続する様にし、手術時にも心
電図波形及び呼吸状態を監視できる様にしたものであ
る。

〔作用〕

本発明に依れば手術場に於いて心電図用電極Ｒ，Ｎ，Ｌ
を高周波除去フィルタ(6a)を有するアダプタコード(6)
を介して監視装置本体(2)に接続しているので電気メス
による高周波雑音の影響なく心電図波形を監視できると
共に高周波除去フィルタ(6a)と高周波発振器(4)との間
のサーミスタ(7)をこの患者の鼻部や呼吸マスクに取付
け、このサーミスタ(7)に高周波発振器(4)からの高周波
信号を供給したときはこのサーミスタ(7)のインピーダ
ンスは呼吸気流による温度変化により変化するので、こ
の患者の呼吸状態をインピーダンス法による検出回路
(5)により検出することができる。

〔実施例〕

以下第１図を参照しながら本考案患者監視装置の一実施
例につき説明しよう。

この第１図に於いて第３図，第４図に対応する部分には
同一符号を付し、その詳細説明は省略する。

本例に於いてもこの監視装置本体(2)は第３図，第４図
例と同様にこの接続端子(2R),(2N),(2L)に得られる測定
信号を心電図増幅回路(2a)に供給し、この心電図増幅回
路(2a)の出力端子(3)に得られる心電図信号をモニター
（図示せず）に供給し、このモニターで心電図波形を監
視できる如くなされている。

またこの監視装置本体(2)に50kHz〜100kHzの正弦波信号
を発生する高周波発振器(4)を設け、この高周波発振器
(4)より直流阻止用のコンデンサを介して接続端子(2N)
及び(2L)間にこの高周波信号を供給する如くなす。この
場合電線より成るアダプタコード(1)を心電図用電極
Ｒ，Ｎ，Ｌと接続端子(2R),(2N),(2L)間に配したときは
心電図用電極Ｎ及びＬ間の人体の胸部に50kHz〜100kHz
の微少正弦波電流例えば100μＡ程度の電流が流れる如
くする。またこの監視装置本体(2)の高周波発振器(4)よ
りの高周波信号の伝送線間にインピーダンス法による検
出回路(5)を設ける。このインピーダンス法による検出
回路(5)は人間の呼吸運動に伴う胸郭の変動を電気的イ
ンピーダンス変化として取り出し、この検出回路(5)の
出力端子(5a)に得られる検出信号をモニターに供給し
て、呼吸状態を監視することができる如くなされたもの
である。

本例に於いてはこの監視装置本体(2)の入力端子(2N)及
び(2L)に並列に直流阻止用のコンデンサを介してサーミ
スタ(7)の接続用の接続端子(8a)及び(8b)を設ける。こ
の監視装置本体(2)のその他は従来と同様に構成する。

本例に於いては手術場以外の病室で使用するときは患者
の胸部の所定位置に被着した心電図用電極Ｒ，Ｎ及びＬ
と監視装置本体(2)の接続端子(2R),(2N)及び(2L)とを接
続するのに第３図に示す如く電線のみより成るアダプタ
コード(1)を用いる。このときは心電図用電極Ｒ，Ｎ，
Ｌよりの測定信号が心電図増幅回路(2a)に供給され、こ
の心電図増幅回路(2a)の出力端子(3)に得られる心電図
信号により心電図波形を監視できると共に高周波発振器
(4)よりの高周波微少電流が患者の胸部の心電図用電極
Ｎ及びＬ間に供給され、この患者の呼吸運動に伴う胸郭
の変動をインピーダンス法による検出回路(5)により電
気的インピーダンスの変化として取り出し、呼吸状態を
監視することができる。この場合肺容量の変動と肺のイ
ンピーダンス変化の間には比較的良好な相関関係があ
り、呼吸数の測定及び呼吸曲線の測定ができる。従って
このときは心電図用電極Ｒ，Ｎ，Ｌ及びアダプタコード
(1)を兼用して心電図波形と同時に呼吸状態を監視する
ことができる。

また本例に於いて手術場で使用するときは第１図に示す
如く患者の胸部の所定位置に被着した心電図用電極Ｒ，
Ｎ及びＬと監視装置本体(2)の接続端子(2R),(2N)及び(2
L)とを高周波除去フィルタ(6a)を有するアダプタコード
(6)を介して接続すると共にこの患者の鼻部又は呼吸マ
スクにサーミスタ(7)を取付け、このサーミスタ(7)の一
端及び他端を夫々リード線を介して監視装置本体(2)の
接続端子(8a)及び(8b)に接続する。

このときは心電図用電極Ｒ，Ｎ，Ｌよりの測定信号は高
周波除去フィルタ(6a)を介して心電図増幅回路(2a)に供
給されるので電気メスによる高周波雑音の影響のない心
電図波形を監視できると共にこのサーミスタ(7)に高周
波発振器(4)からの高周波信号が供給され、このサーミ
スタ(7)は呼吸気流による温度変化によりインピーダン
スが変化し、この患者の呼吸状態をインピーダンス法に
よる検出回路(5)により検出することができ、これをモ
ニターすることにより監視することができる。この場合
高周波発振器(4)及びインピーダンス法による検出回路
(5)は何等変更することなくそのまま使用できる。

従って本例に依れば手術場に於いても電気メスの高周波
雑音の影響なく心電図波形及び呼吸状態を監視できる利
益がある。また上述例に於いて、電線より成るアダプタ
コード(1)と高周波除去フィルタ(6a)を有するアダプタ
コード(6)とを必要に応じ任意に使用することができる
ので、最良の監視ができる利益がある。

また第２図は本考案の他の実施例を示し、この第２図例
に於いては予め高周波除去フィルタ(6a)を有するアダプ
タコード(6)にサーミスタ(7)を設ける様にしたもので、
この第２図例に於いてはこの高周波除去フィルタ(6a)の
出力側の監視装置本体(2)の接続端子(2N)及び(2L)に接
続する電線間に直流阻止用のコンデンサを介してサーミ
スタ(7)を接続する様にしたものである。その他は第３
図，第４図と同様に構成したものである。

斯る第２図例に於いても心電図用電極Ｒ，Ｎ，Ｌよりの
測定信号は高周波除去フィルタ(6a)を介して心電図増幅
回路(2a)に供給されると共に高周波発振器(4)からの高
周波信号がサーミスタ(7)に供給されるので、第１図例
と同様の作用効果が得られることは容易に理解できよ
う。

またこの第２図例に於いて、この高周波除去フィルタ(6
a)を有するアダプタコード(6)と切換えて電線より成る
アダプタコード(1)を使用して心電図波形及び呼吸状態
を監視できることは勿論である。

尚本考案は上述実施例に限ることなく本考案の要旨を逸
脱することなくその他種々の構成が取り得ることは勿論
である。

〔考案の効果〕

本考案に依れば手術場で電気メスによる高周波雑音の影
響なく良好に心電図波形及び呼吸状態を監視できる利益
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案患者監視装置の一実施例を示す構成図、
第２図は本考案の他の実施例を示す構成図、第３図及び
第４図は従来の患者監視装置の例を示す構成図である。 (2)は監視装置本体、(2a)は心電図増幅回路、(3)は出力
端子、(4)は高周波発振器、(5)はインピーダンス法によ
る検出回路、(6)はアダプタコード、(6a)は高周波除去
フィルタ、(7)はサーミスタ、Ｒ，Ｎ及びＬは夫々心電
図用電極である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】心電図用電極よりの測定信号を心電図増幅
   回路を有する監視装置本体に供給して心電図波形を監視
   できる様にすると共に上記心電図用電極に上記監視装置
   本体に設けた高周波発振器よりの高周波信号を供給し、
   上記監視装置本体に設けたインピーダンス法による検出
   回路により呼吸状態を知る様にした患者監視装置に於い
   て、 上記心電図用電極を高周波除去フィルタを有するアダプ
   タコードを介して上記監視装置本体に接続する様にする
   と共に上記高周波除去フィルタと上記高周波発振器との
   間にサーミスタを接続する様にし、手術時にも心電図波
   形及び呼吸状態を監視できる様にしたことを特徴とする
   患者監視装置。