JPH0625400B2 - 一方向組織材の焼鈍法 - Google Patents

一方向組織材の焼鈍法

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JPH0625400B2
JPH0625400B2 JP7818385A JP7818385A JPH0625400B2 JP H0625400 B2 JPH0625400 B2 JP H0625400B2 JP 7818385 A JP7818385 A JP 7818385A JP 7818385 A JP7818385 A JP 7818385A JP H0625400 B2 JPH0625400 B2 JP H0625400B2
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耕作 中野
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一方向組織材の焼鈍法に関し、特に加工材の歪
取り等を目的とした焼鈍において、再結晶により多結晶
無方向組織材となるのを防止し、再結晶粒を一方向に整
列させることにより材料の特性劣化を防止したものであ
る。
従来の技術 一方向凝固を行ない、複数の結晶が鋳造方向に整列して
成長した多結晶体又は単結晶体の一方向凝固組織は、鋳
塊の状態における繰返し曲げ性に優れており、更に冷間
での圧延及び伸線等の加工性が優れている。またこれを
結晶の整列成長方向に加工した一方向組織材は加工状態
で可撓性が優れ、結晶が長手方向に伸びているため音響
特性等の諸特性に優れていることが最近知られてきた。
このように一方向組織材の優位性が認められてきたの
は、従来長尺の一方向凝固組織鋳塊の製造ができなかつ
たが、最近加熱鋳型を用いた連続鋳造法の普及により一
方向凝固組織鋳塊の製造が可能となつたために明らかに
されたものである。
一般に金属に圧延や引抜き等の冷間加工を加えると硬く
なる。これは加工によつて転位や空孔のような格子欠陥
が多数形成され、これによつて結晶格子が歪み、次第に
転位が動きにくくなるためである。このように加工によ
つて形成された多くの格子欠陥を含んだ状態は熱力学的
に不安定であり、これを加熱して原子の移動及び拡散を
容易にしてやると、欠陥は消滅したり、配列を変えて金
属内部に蓄えられた歪は次第に減少し、それに伴つて機
械的性質は加工前の状態に近づく。この歪の解放される
過程を回復と呼び、完全に解放された状態を再結晶と呼
ぶ。即ち冷間加工時における歪は主として結晶粒界に集
積し、鈍鈍時においては結晶粒界の歪集積部より再結晶
粒の核発生及び成長が起る。この再結晶粒の粒径及び再
結晶温度は加工前の結晶粒径、加工率、加熱温度及び加
熱時間に依存し、加工前の結晶粒が細かいほどまた加工
率が大きいほど再結晶粒径は細かくなり、再結晶温度も
低くなる。また加熱温度が高いほどまた加熱時間が長い
ほど再結晶粒は粗大化(2次再結晶)する。
このように一般的に金属はその加工限界に至る前又はユ
ーザーから要求される材料特性に合わせるため、焼鈍工
程を入れ歪を解放している。この場合の焼鈍材は再結晶
組織となり、微細な結晶粒径のものとなる。一般的に塑
性加工において粗大結晶材と微細結晶材では、粗大結晶
材の方が粒界が少ないため転位の集積が局部的に大きく
粒界破断を起し易く、更に変形の程度が一様とならない
ため微細結晶材の方がよいとされている。
しかしこのような経験的理論は多結晶無方向材について
であり、結晶方位に整つた一方向組織材には適用され
ず、一方向組織材では加工方向に垂直に分布する結晶粒
界が存在しないため、加工性が大変良い。例えば難加工
材として知られている7%リン青銅材について多結晶無
方向組織材と一方向凝固組織材を焼鈍することなく鋳塊
から伸線加工すると、多結晶無方向組織材では約65%
の減面率でクラツクが発生するが、多結晶一方向凝固組
織材では約93%の減面率まで加工が可能であり、更に
単結晶材では約99%の減面率まで加工が可能である。
発明が解決しようとする問題点 しかるに一方向凝固組織材においても減面率5%の加工
を加えた後焼鈍を行なうと、その後の加工で約70%の
減面率でクラツクが発生する。これは焼鈍により他結晶
無方向再結晶組織となり、結晶粒界が圧延方向に垂直な
状態が存在するようになるためである。また一方向組織
材は音響特性が優れていることが最近知られてきた。し
かるに一方向凝固組織材を結晶の整列成長方向に加工
し、その加工が限界に達した場合には焼鈍することが不
可欠となるが、従来の焼鈍法では再結晶粒が無方向に発
生するため、焼鈍工程を必要とするものは一方向組織材
としてはメリツトが失なわれる。
問題点を解決するための手段 本発明はこれに鑑み種々検討の結果、加工材の歪取り等
を目的とした焼鈍において、再結晶により多結晶無方向
組織材となるのを防止し、再結晶粒を一方向に整列させ
て材料の特性劣化を防止することができる一方向組織材
の焼鈍法を開発したもので、一方向凝固組織の鋳塊を結
晶の整列成長方向に加工した一方向組織材の焼鈍におい
て、該組織材を加工方向に走行させ、入口より昇温する
温度勾配を設けて再結晶温度以上に昇温した加熱帯を通
過させることにより再結晶粒を一方向に整列成長させる
ことを特徴とするものである。
以下実施例に基づき、本発明とその作用を詳細に説明す
る。
実施例 純度99.99%の純銅からなる直径15mmの単結晶棒状鋳塊
を直径10mm迄減面率約65%の伸線加工し、これにつ
いて結晶組織形態を調べたところ第1図(イ)に示すよう
に上り線が伸線方向と平行に約1mmの間隔で生じてい
た。この加工材をコイル材に束ねてバツチ式処理炉によ
り300℃の温度に0.5時間焼鈍して結晶組織形態を調
べたところ、第1図(ロ)に示すように再結晶粒径約1mm
の多結晶無方向組織材となつた。このように単結晶材を
加工すると辷り線を発生し、これを焼鈍すると辷り線に
沿つて核を発生し、焼鈍によつて一方向組織材が多結晶
無方向組織材となることが判る。
このような現象から焼鈍後も一方向組織材とするために
は、一方向組織材の加工材では加工方向に平行に辷り線
が整列するところから、焼鈍により一度辷り線部で核発
生した再結晶粒をスベリ線に沿って成長させ、スベリ線
もしくは粒界部での新たな核発生・成長を阻止すれば再
結晶粒は長手方向に連続して成長することになる。
そこで第2図に示すように外径50mm、内径40mm、長
さ2000mmの石英管(1)の周囲にニクロモム線(3)を用
いた長さ200mmの発熱装置(2)を10個連設し、それ
ぞれ電源の出力を変化させて石英管(1)内の入口側から
出口側に昇温する温度勾配が生ずるようにした筒状焼鈍
炉を用い、石英管(1)の軸中心部に上記単結晶棒状鋳塊
を伸線加工した直径10mmの銅線を1,2,5,10,
20,40cm/mmの速度で連続的に通過させ、そのとき
の長手方向の温度勾配を1,2,4,6,8,10℃/
cmとなるように炉内温度を制御した。また通過させる銅
線の長手方向の温度勾配は銅線に直径0.5mm、深さ5
mmの穴を長手方向に1cm間隔に設け、該穴アルメル、ク
ロメル熱電対を埋め込んで測定し、銅線の温度勾配が上
記の条件となる炉内温度条件を把握した。その結果を第
1表に示す。
第1表から判るように、例えば銅線を5cm/minの速度
で焼鈍炉内に挿通した場合、銅線の長手方向の温度勾配
を6℃/cmとするには、炉内温度勾配を13.5/cmとすれ
ばよい。
試験に供した銅線の再結晶温度は180℃であり、焼鈍
炉の最高温度を500℃として、前条件において銅線が
炉内を通過する間に再結晶温度以上に到達するようにし
た。即ち雰囲気温度勾配が3℃/cmより大きい条件の場
合は500℃の均熱ゾーンが長くなる。その一例を第3
図に示す。図中F(20)は線速20cm/min、雰囲気
温度勾配35.5℃/cm、銅線温度勾配8℃/cmの条件にお
ける炉内の温度分布状態、C(20)は同条件における
銅線の温度分布を示し、F(5)は線速5cm/min、雰囲気
温度勾配4.5℃/cm、銅線温度勾配2℃/cmの条件にお
ける炉内の温度分布状態、C(5)は同条件における銅線
の温度分布を示す。
上記条件Fで焼鈍した銅線の長手断面について、再結晶
粒の平均長さ(lmm)を測定した。その結果を従来のバ
ツチ式焼鈍の場合と比較して第2表に示す。尚再結晶の
平均長さ(lmm)はスベリ線の間隔(λmm)と銅線の直
径(Rmm)との関係で示し、表中○印は10R≦l、△
印は2R≦l<10R、×印はR≦l<2Rを示す。
第2表の結果をグラフで示すと第4図のようになり、従
来のバツチ式焼鈍で得られた銅線の再結晶粒の長さは、
ほぼスベリ線の間隔とほぼ同じであり、温度勾配を与え
て連続焼鈍した銅線の再結晶粒の長さは量手方向に大変
長くなつていることが判る。尚図面A線は良好な再結晶
一方向組織材が得られる範囲の下限を示し、また数字は
焼鈍炉内で移動中の銅線の温度上昇度(℃/mm)を示
す。この温度上昇度で再結晶粒の平均長さを分類する
と、銅線の温度上昇度=銅線の温度勾配×移動速度の関
係から第3表に示すようになる。
このように温度勾配をを持たせた炉内に、一方向凝縮組
織材の加工材を連続的に導入して通過させれば一方向再
結晶材が得られることが判る。
同様にして7%リン青銅、純アルミ、アルミ−ケイ素合
金、純鉄について調査した結果、一方向再結晶材が得ら
れることが認められた。またこれ等一方向再結晶材はそ
の後加工性が大変優れており、例えば7%リン青銅の一
方向再結晶材では加工率90%以上の加工が可能であつ
た。
以上円筒状焼鈍炉を用いた例について説明したが、本発
明焼鈍法により工業的規模で一方向再結晶材を得るに
は、、加工した一方向組織材の移送速度が通常の焼鈍法
に比べて遅く、生産性が劣るため、第5図に示すように
箱状焼鈍炉(4)を用い、加工した一方向組織材(5)を同時
に多数本炉内に供給するようにするとよい。このように
すれば線材は勿論条材の一方向再結晶材を能率よく得る
ことができる。更にこれら焼鈍炉の最高温度をより高く
し、その区間を長くすれば一次再結晶の一方向組織が同
様の理由に従つて二次再結晶の一方向組織となり、この
二次再結晶の一方向組織材は一次再結晶の一方向組織材
の結晶粒径より大きく、特性上望ましいものとなる。
発明の効果 このように本発明によれば、従来製造が不可能であつた
一方向再結晶組織材を、一方向凝固材の加工材を用いて
容易に得ることが可能となり、線材や上材の加工性及び
特性を大幅に向上することができるなど、工業上顕著な
効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)(ロ)は単結晶棒状鋳塊の加工材の結晶組織形態
を示すもので、(イ)は加工状態、(ロ)は焼鈍後の再結晶状
態の説明図、第2図は本発明に用いた円筒状焼鈍炉の側
断面図、第3図は炉内温度勾配と銅線温度勾配の関係を
示す説明図、第4図は本発明焼鈍法により得られる再結
晶粒の長さと焼鈍条件の関係を示す説明図、第5図は本
発明焼鈍法を工業的に実施するための箱状焼鈍炉の一例
を示す斜視図である。 1……石英管、2……発熱装置 3……ニクロム線、4……箱状焼鈍炉 5……加工した一方向組織材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一方向凝固組織の鋳塊を結晶の整列成長方
    向に加工した一方向組織材の焼鈍において、該組織材を
    加工方向に走行させ、入口より昇温する温度勾配を設け
    て再結晶温度以上に昇温した加熱帯を通過させることに
    より、再結晶粒を一方向に整列成長させることを特徴と
    する一方向組織材の焼鈍法。
JP7818385A 1985-04-12 1985-04-12 一方向組織材の焼鈍法 Expired - Lifetime JPH0625400B2 (ja)

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