JPH06249945A - レーダ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フェーズド・アレー・アンテナの開口素子を
円錐状に配列し、機械的な回転動作無しに、全周をビー
ム走査するとともに、送受信機を複数備えることで同時
に複数のビーム走査を実現することを目的とする。 【構成】 移相器を備えた円錐型フェーズド・アレー・
アンテナと、送受切換器、送信機、受信機、信号処理
器、移相器に位相を設定するビーム走査器及びビーム指
向角とビーム指向角に応じた周波数を設定するビーム制
御器を備えたレーダ装置。 【効果】 機械的な回転なしに全周をビーム走査できる
のみならず、周波数の異る送信機を複数備え、ビーム走
査制御機能を付加することにより、同時に複数のビーム
走査できる効果がある。また、複数のビーム走査を同時
に実現することにより、ビーム走査周期を短縮する効果
がある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はフェーズド・アレー・
アンテナを用いて、一定区間のビーム走査を行うレーダ
装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図６は従来の代表的なフェーズド・アレ
ー・アンテナを備えたレーダ装置の機能ブロック図を示
すものであり、図において１は空間にビームを放射し、
受信するフェーズド・アレー・アンテナ、２は送受切換
器、３は送信信号を発生する送信機、４は上記フェーズ
ド・アレー・アンテナの受信信号をビデオ信号に変換す
る受信機、５はビデオ信号から所望の信号を抽出する信
号処理器、６はアンテナ面座標をアレー・アンテナに内
蔵する移相器の位相データに変換するビーム走査処理器
である。

【０００３】次に動作について説明する。従来のフェー
ズド・アレー・アンテナを備えたレーダ装置は上記のよ
うに構成され、送信機３で発生した送信信号を送受切換
器２を通してフェーズド・アレー・アンテナ１に供給す
る。フェーズド・アレー・アンテナ１はこの送信信号を
送受信タイミング発生回路６で発生する送信トリガ信号
により空間に放射するとともに、目標からの反射信号を
受信し、送受切換器２を通して受信機４に入力する。受
信機４は受信信号をビデオ信号に変換し、信号処理器５
に供給する。信号処理器５はビデオ信号から所要の目標
信号を抽出する。一方ビーム走査処理器６はビーム指向
角を設定し、そのビーム指向角を空間の相対座標系から
アンテナ面座標系データに変換し、アンテナ面座標系デ
ータをフェーズド・アレー・アンテナ１に内蔵する移相
器の位相データに変換してフェーズド・アレー・アンテ
ナ１に供給し、位相データを設定することにより送受信
信号のビーム指向角を制御する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のレーダ装置では
フェーズド・アレー・アンテナの面が平面であるため、
覆域が全周である場合には、機械的に回転させる必要が
あった。また、電波の放射源が、単一のため複数のビー
ムを放射することが困難という問題点があった。

【０００５】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたものであり、フェーズド・アレー・アン
テナの開口素子を円錐状に配置することで、全周にビー
ムを走査できるとともに、複数の送受信機を備えること
で、同時に複数のビーム走査を可能とする装置を得るこ
とを目的とする。

【０００６】また、複数の送信機を備えることで、同時
に複数のビーム走査を可能とする装置を得ることを目的
とする。

【０００７】また、複数の受信機を備えることで、同時
に複数のビーム走査を可能とする装置を得ることを目的
とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明におけるレーダ
装置は、フェーズド・アレー・アンテナの開口素子を円
錐状に配置することで、機械的な回転を必要とせずに全
周にビームを走査できるようにするとともに、周波数の
異なる送受信機を複数備え、開口素子群ごとに割当てる
ことで、同時に複数のビームを放射する機能を有するよ
うにしたものである。

【０００９】また、周波数の異なる送信機を複数備え、
開口素子群ごとに割当てることで、同時に複数のビーム
を放射する機能を有するようにしたものである。

【００１０】また、周波数の異なる送信機を複数備え、
開口素子群ごとに割当てることで、同時に複数のビーム
を受信する機能を有するようにしたものである。

【００１１】

【作用】この発明に係わるレーダ装置は、ビーム走査位
置に応じた開口素子を選択することにより、全周に対し
て瞬時にビームを放射することが可能となるとともに、
周波数の異なる送受信機を複数備えることにより、電波
干渉を回避して同時に複数のビームを放射することがで
きる。

【００１２】また、周波数の異なる送信機を複数備える
ことにより、受信側の電波干渉を回避して、同一ビーム
内の複数の受信源に対して電波を同時に送信することが
できる。

【００１３】また、周波数の異なる受信機を複数備える
ことにより、電波干渉を回避して同一ビーム内の複数の
電波を同時に受信することができる。

【００１４】

【実施例】

実施例１ 以下、この発明の一実施例を図について説明する。図１
において１〜６は上記従来のレーダ装置と全く同一のも
のであり、７はビーム制御器であり、ビーム指向角デー
タより、その指向角における電波干渉のない最適周波数
割当てを計算し、アンテナ面座標データに変換してビー
ム走査処理器に入力する。

【００１５】次に動作について説明する。上記のように
構成されたレーダ装置を用いて半球空間をビーム走査す
る場合、相対座標での指向角を法線とした平面を想定
し、この平面から円錐状のフェーズド・アレー・アンテ
ナに対して投影される開口素子を放射素子として割当て
ることで、全周に対するビーム走査を実現する。また相
対座標で指向角が近い順に周波数を離し、指向角が遠い
順に周波数を近づけることで、電波干渉の小さいビーム
走査が可能となる。

【００１６】この様子を円錐状のフェーズド・アレー・
アンテナを平面に見立てて垂直面に２次元的にビーム走
査する場合を例にとり、簡単のため、フェーズド・アレ
ー・アンテナ数を３とした時のビーム走査図を図２に示
す。図２において１はフェーズド・アレー・アンテナ、
ｘは水平軸、ｙは垂直軸、θはビーム指向角、ｆは周波
数である。またθ、ｆのサフィックスは各フェーズド・
アレー・アンテナの番号を示している。図２に示すよう
に周波数に応じてビーム指向角を制御することにより、
電波干渉を避けることが可能となる。また図２は円錐状
のフェーズド・アレー・アンテナを垂直面にビーム走査
する場合を例にして、垂直面全体にビーム走査すること
を可能とするのみならず、同時に複数のビーム走査を可
能とすることで、ビーム走査周期を短縮する様子も同時
に説明するものである。

【００１７】実施例２ 図３はこの発明の実施例を３次元的に説明するものであ
り、フェーズド・アレー・アンテナ数を３とした時の半
球空間の覆域に対するビーム走査の様子を示している。
図３において１はフェーズド・アレー・アンテナであ
り、ｘ、ｙ、ｚは各座標軸、θはｚ軸からｘｙ平面に対
するビーム指向角、ψはｙ軸からｘ軸に対するビーム指
向角、ｆは周波数である。またθ、ψ、ｆのサフィック
スは各フェーズド・アレー・アンテナの番号を示してい
る。ここで、各ビームをベクトルで表現すると次式のよ
うになる。

【００１８】

【数１】

【００１９】

【数２】

【００２０】

【数３】

【００２１】したがって各ビームのベクトル積をとるこ
とで、各ビームの指向角の角度間隔を算出できるため、
周波数の最適割付が可能となる。

【００２２】実施例３ また、上記の実施例では複数の送受信機を備えたものを
示したが、複数の異なる周波数の送信機を備えることに
より、同一ビーム内を含む半球空間上の複数の周波数の
異なる受信源に対して電波を送信することができる。こ
の場合の構成例を図４に示す。図４において１，３，５
〜７は上記実施例のレーダ装置と全く同一のものであ
り、受信源ごとの周波数と相対座標に応じたビーム指向
角データにより、同時に複数のビームを走査することが
可能となる。

【００２３】実施例４ また、上記の実施例では複数の送受信機を備えたものを
示したが、複数の異なる周波数の受信機を備えることに
より、同一ビーム内を含む半球空間上の複数の周波数の
異なる受信源からの電波を受信することができる。この
場合の構成例を図５に示す。図５において１，４〜７は
上記実施例のレーダ装置と全く同一のものであり、同時
に複数のビームを走査することにより、複数の周波数の
異なる送信源からの電波を同時に受信することが可能と
なる。

【００２４】

【発明の効果】この発明は以上説明したように、フェー
ズド・アレー・アンテナの開口素子を円錐状に配列する
ことにより、機械的な回転なしに全周を任意のビーム走
査周期で、ビーム走査できるのみならず、周波数の異る
送受信機を複数備え、ビーム走査制御機能を付加するこ
とにより、同時に複数のビーム走査ができる効果があ
る。さらに、複数のビーム走査を同時に実現することに
より、ビーム走査周期を短縮する効果がある。さらに、
円錐状にフェーズド・アレー・アンテナの開口素子を配
置することにより、アレー面に傾斜を持たせることがで
きるため、高仰角までのビーム走査が可能となる効果が
ある。なお、この発明の方式を応用して周波数の異る送
受信機を多数に拡張することで、さらに同時多数のビー
ムを制御しうる効果が期待できる。

【００２５】また、実施例３で示したように、複数の異
なる周波数の送信機を備えることにより、複数の受信源
に対して電波を送信できるのみならず、この装置または
受信源が移動してこの装置と相対的に同一ビーム内に重
なった場合にも、受信源の電波干渉を回避して、複数の
受信源に対する電波の送信ができる効果がある。

【００２６】また、実施例４で示したように、複数の異
なる周波数の受信機を備えることにより、複数の送信源
からの電波を受信できるのみならず、フェーズド・アレ
ー・アンテナによるペンシルビーム走査のため、受信ビ
ーム幅の分解能で送信源の方位を特定できる効果があ
る。さらに、フェーズド・アレー・アンテナによるビー
ム走査のため、任意のビーム走査周期で送信源の電波を
受信できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例によるレーダ装置の機能ブ
ロック図である。

【図２】この発明の効果を説明する２次元ビーム走査図
である。

【図３】この発明の原理を説明する３次元ビーム走査図
である。

【図４】この発明の別の実施例によるレーダ装置の機能
ブロック図である。

【図５】この発明の別の実施例によるレーダ装置の機能
ブロック図である。

【図６】従来のレーダ装置の機能ブロック図である。

【符号の説明】

１ フェーズド・アレー・アンテナ ２ 送受切換器 ３ 送信機 ４ 受信機 ５ 信号処理器 ６ ビーム走査処理器 ７ ビーム制御器

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電波を放射及び受信し、かつ電子的にビ
   ーム放射方向を可変とする移相器を持つ複数の円錐型フ
   ェーズド・アレー・アンテナと、ビーム指向角を設定し
   てそのビーム指向角を空間の相対座標系からアンテナ面
   座標系に変換し、さらに移相器の位相情報に変換してア
   ンテナ内の移相器に設定する複数のビーム走査処理器
   と、干渉のない周波数の組合せを選択し、各フェーズド
   ・アレー・アンテナのビーム指向角を設定してビーム走
   査シーケンスを制御するビーム制御器と、周波数の異な
   る複数の送信機と、送信機の周波数に対応した複数の受
   信機を備えたことを特徴とするレーダ装置。
2. 【請求項２】 電波を放射または受信し、かつ電子的に
   ビーム放射方向を可変とする移相器を持つ複数の円錐型
   フェーズド・アレー・アンテナと、ビーム指向角を設定
   してそのビーム指向角を空間の相対座標系からアンテナ
   面座標系に変換し、さらに移相器の位相情報に変換して
   アンテナ内の移相器に設定する複数のビーム走査処理器
   と、各フェーズド・アレー・アンテナのビーム指向角を
   設定してビーム走査シーケンスを制御するビーム制御器
   と、周波数の異なる複数の送信機を備えたことを特徴と
   するレーダ装置。