JPH0624668A - エレベータ制御用テールコードの振止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 最小限の昇降路スペースでエレベータの制御
用テールコードの振れの抑止が可能なエレベータ制御用
テールコードの振止装置を提供することにある。 【構成】 乗りかご１のガイドレール９でテールコード
振れ止め装置１０をガイドし、第１ワイヤーロープ１１
で振れ止め装置１０を吊り下げる構成である。更に、第
２ワイヤーロープ１４でテールコード振れ止め装置１０
とつり合いおもり２を連結することにより、下降時の安
定した動作を得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、昇降路内のスペースを
有効活用したエレベータ制御用テールコードの振止装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】エレベータ機械室の制御装置から乗りか
ごに電力、信号等を伝送するテールコードは乗りかごの
昇降動作に応じて昇降路内を上下に移動する。このた
め、乗りかごの振動、風圧、加減速特性、テールコード
自体のねじれ、材質などの諸要因により、Ｕ字状のテー
ルコード下端の屈曲部が振れてテールコードダクトから
飛び出し、昇降路内の諸機器、突出部との接触や引掛り
による断線が考えられる。このためテールコードの揺れ
を抑制するテールコードの案内機を、テールコードの揺
れの最も大きいテールコード屈曲部の近傍に設けた特公
開平３−１３４７８号公報に記載のエレベータ制御用ケ
ーブルの振止装置が開発されている。この案内機は、テ
ールコードダクトの両脇に設けたガイドレールによって
ガイドされて昇降し、ガイドレールを有するテールコー
ドダクトは乗りかごの昇降に支障を来さないように乗り
かごのガイドレールに隣接して設置している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の案内機
は、テールコードダクトの両脇にガイドレールを設けて
いるため、そのガイドレールのスペースを昇降路内に確
保しなければならず昇降路を大きくする必要がある。

【０００４】さらに、テールコードダクトの位置のため
昇降路壁に近接している案内機の昇降動作に必要なスペ
ースを確保しなければならず、狭い昇降路内への設置が
困難となってくる。

【０００５】そして、テールコードが昇降路壁に近接し
ている案内機によりガイドされるからテールコードの乗
りかごとの固定点は重心を外れ偏荷重が加わり傾斜と揺
れの原因となる。

【０００６】本発明の目的は、最小限の昇降路スペース
でエレベータの制御用テールコードの振れの抑止が可能
なエレベータ制御用テールコードの振止装置を提供する
ことにある。

【０００７】また、エレベータの制御用テールコードに
よる乗りかごの傾きと揺れを抑制することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的は、昇降路壁の
少なくとも中心部より上に一端が固定され、他端が乗り
かごに固定されたワイヤロープによって懸垂され、両端
が乗りかごのガイドレールによってガイドされ、乗りか
ごと制御盤を接続するエレベータ制御用テールコードの
屈曲部をガイドするテールコードガイド手段を備えたこ
とにより達成される。

【０００９】上記目的は、昇降路壁の少なくとも中心部
より上に一端が固定され、他端が乗りかごに固定された
ワイヤロープによって懸垂され、両端が乗りかごのガイ
ドレールによってガイドされ、乗りかごのほぼ中心部と
制御盤を接続するエレベータ制御用テールコードの屈曲
部をガイドするテールコードガイド手段を備えたことに
より達成される。

【００１０】上記目的は、エレベータ制御用テールコー
ドをガイドする第１の溝付プーリを前記テールコードガ
イド手段に設けたことにより達成される。

【００１１】上記目的は、テールコードガイド手段の下
部に配置した第２の溝付プーリと、昇降路床に配置した
第３の溝付プーリと、乗りかごの釣合い重りの下方の昇
降路床に配置した第４の溝付プーリと、昇降路床に一端
を固定し他端を前記第２の溝付プーリ、前記第３の溝付
プーリ及び前記第４の溝付プーリを介して前記乗りかご
の釣合い重りの下端に固定した第２のワイヤーロープと
を設けたことにより達成される。

【００１２】上記目的は、第２のワイヤーロープの何れ
かの固定部における張力を検出するセンサと、該センサ
が検出した張力異常の程度により警報、エレベータ停止
指令を出力する制御手段を設けたことにより達成され
る。

【００１３】上記目的は、第３の溝付プーリを上下動可
能に支持する手段と、該上下動を検出するセンサと、該
センサが検出した上下動異常の程度により警報、エレベ
ータ停止指令を出力する制御手段を設けたことにより達
成される。

【００１４】

【作用】上記構成によれば、テールコードガイド手段は
乗りかごのガイドレールによってガイドされるから新た
にガイドレールのスペースを昇降路内に設ける必要が無
く、テールコードガイド手段は昇降路の中心部を昇降し
その大きさは少なくとも乗りかごより小さいから従来と
同じスペースの昇降路に設置が可能となる。

【００１５】そして、テールコードガイド手段はテール
コードを中心部でガイドし、テールコードと乗りかごの
接続部を乗りかごの中心部に設けることにより、偏荷重
が加わらず乗りかごの傾斜と揺れが抑制される。

【００１６】さらに、テールコードガイド手段の下降時
の動作を確実にするため、第２のワイヤーロープで振れ
止め装置と乗りかごのつり合いおもりを連結し、上昇す
るつり合いおもりの動作により第２のワイヤーロープを
介してテールコードガイド手段に下方向の力を加えテー
ルコードガイド手段の固渋、ひっかかりを防止すること
が出来る。

【００１７】テールコードの屈曲部に巻きつけた第２の
溝付プーリをテールコードガイド手段に設けたことによ
り、引張り強度が大きい故に曲げ半径も大きくなるテー
ルコードでも下方向に張力を加えて所定の屈曲部半径内
にガイド出来る。

【００１８】センサが第２のワイヤーロープの固定部に
おける異常に高い張力を検出した時、制御手段は第２の
ワイヤーロープの切断を防止するために警報を出力し、
また張力が全く検出されない時、第２のワイヤーロープ
の切断とみなし拡大事故を防止するためにエレベータ停
止指令を出力する。

【００１９】センサが第３の溝付プーリの異常に高い位
置を検出した時、制御手段は第２のワイヤーロープの切
断を防止するために警報を出力し、また位置が下限であ
ると検出された時、第２のワイヤーロープの切断とみな
し拡大事故を防止するためにエレベータ停止指令を出力
する。

【００２０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図を用いて説明す
る。

【００２１】図１は本発明の第１実施例の全体構成を示
す側面図である。

【００２２】図２は図１のＡ−Ａ断面から見た平面図で
ある。

【００２３】第１実施例 先ず本実施例の構成を説明する。

【００２４】本図において、１は乗りかご、２は乗りか
ご１のつり合いおもり、３は乗りかご１とつり合いおも
り２を連結した主ロープ、４は主ロープ３を巻きつけた
巻上機、５は反らせ車、６は制御盤、７は制御盤６と乗
りかご１間の電力、信号等を伝達するためのテールコー
ド、このテールコード７の一端は乗りかご１に、他端は
昇降路中間の高さ位置８で支持（又はテールコードの接
続箱）し、制御盤６に連結される。７ＡはＵ字状のテー
ルコード７の屈曲部で、乗りかご１の昇降動作に応じて
上下に移動する。９は乗りかご１用のガイドレールで、
乗りかご１はガイドローラ１Ａ（又はガイドシュ）を介
してこのガイドレール９に沿って昇降する。１０はガイ
ドレール９に沿って昇降するテールコード振れ止め装置
で、ローラ１０Ａ（又はガイドシュ）によりガイドされ
る。１１は一端を昇降路壁側の固定点１１Ａで固定し、
他端はテールコード振れ止め装置１０に設けた第１溝付
プーリ１２を介して乗りかご１に固定点１１Ｂで固定し
た第１ワイヤーロープである。テールコード振れ止め装
置１０は、乗りかご１の下部に位置し、テールコード７
の屈曲部７Ａの上部に位置し、第１ワイヤーロープ１１
で吊り下げる。また、テールコード７の振れが最も多い
屈曲部７Ａの近傍で振れを抑制するために、振れ抑制板
１３をテールコード振れ止め装置１０に設けている。

【００２５】次に本実施例の動作を説明する。

【００２６】乗りかご１の昇降につれて、一方を固定し
他方が上下移動するロープに吊り下げられた滑車の原理
により、テールコード振れ止め装置１０は乗りかご１の
昇降速度の１／２の速度で昇降し、テールコード７の屈
曲部７Ａと同一速度で昇降して振れ抑制板１３にてガイ
ドし振れを抑制する。テールコード振れ止め装置１０と
テールコード７の屈曲部７Ａの距離は、乗りかご１の位
置に関係なく常に一定に保たれ、かつ乗りかご１とテー
ルコード振れ止め装置１０が接触することもない。

【００２７】テールコード振れ止め装置１０の上昇時
は、第１ワイヤーロープ１１の許容張力内の荷重（固渋
などを含み）は引き上げ可能であるが、下降時の場合、
テールコード振れ止め装置１０がなんらかの状態で、ガ
イドレール９に固渋すると乗りかご１とテールコード振
れ止め装置１０が接触することも考えられる。このよう
な、下降時の不安定動作を無くするため、第１ワイヤー
ロープ１１の反対側に第２ワイヤーロープ１４を設け、
その一端を昇降路床に固定点１４Ａで固定し、他端は振
れ止め装置１０に設けた第２溝付プーリ１５と昇降路床
に設けた第３溝付プーリ１６、第４溝付プーリ１７（設
置条件によっては１個又は複数個の設置も考えられる）
を介して、乗りかご１のつり合いおもり２に固定点１４
Ｂで固定する。この構成により、乗りかご１が下降する
とつり合いおもり２が上昇し、第２ワイヤーロープ１４
が引張られ、テールコード振れ止め装置１０が下側に引
張られて下降する。このため、テールコード振れ止め装
置１０に多少な固渋が発生しても第２のワイヤーロープ
１４の許容張力内で下降が可能となる。

【００２８】さらに第２ワイヤーロープ１４の切断によ
る事故防止のため、第２ワイヤーロープ１４の固定点１
４Ａに第２ワイヤーロープ１４に加わる異常な張力を検
出する図示せざる張力センサを設け、又は第４溝付プー
リ１７部に異常な上下動を検出する上下動センサ１８を
設け、それぞれのセンサの異常検出によって警報、エレ
ベータの停止を行なう制御装置を設けた構成である。本
実施例の説明で第１溝付プーリ１２は２個で記載した
が、１個又は複数個の溝付プーリと１本又は複数本の第
１ワイヤーロープ１１でテールコード振れ止め装置１０
を構成しても同等の効果は得られる。

【００２９】第２実施例 図３は本発明の第２実施例の全体構成を示す側面図であ
る。

【００３０】図３において符号１から１０は第１実施例
の構成部分と同一または相当する構成部分である。本図
において、テールコード７の引張り強度が大きい場合、
例えば内部に鋼線又はばね板等の強力な張力を有する材
料を内蔵させたテールコード７においては、テールコー
ド振れ止め装置１０の一部にプーリ１９を設け、このプ
ーリ１９にテールコード７を巻き付け、テールコード７
に振れ止め装置１０の重量を加え、張力を与えることに
より、テールコード７の振れを防止する。なお、本構成
に対し第１実施例で説明した第２ワイヤーロープ１４を
用い振れ止め装置１０とつり合いおもり２を連結させ、
安全性を向上させることも可能である。

【００３１】以上述べたように各実施例によれば、テー
ルコード振れ止め装置のガイドを乗りかごのガイドレー
ルと共用するため、振れ止め装置のためのガイドレール
を新たに設置する必要が無く、昇降路内スペースの有効
利用化とコスト低減が図られる。

【００３２】さらにテールコード及び振れ止め装置の自
重が、乗りかごの吊り芯に偏心荷重を加えないため、乗
りかごが傾いて動作することもない。

【００３３】また、振れ止め装置とつり合いおもりをワ
イヤーロープで連結することにより、振れ止め装置の動
作が円滑化すると共に安全性が向上する。

【００３４】

【発明の効果】本発明によれば、テールコードガイド手
段は乗りかごのガイドレールによってガイドされるから
新たにガイドレールを設ける必要が無く、最小限の昇降
路スペースでエレベータ制御用テールコードの振れ抑止
が可能となる効果が得られる。

【００３５】そして、テールコードガイド手段はテール
コードを中心部でガイドし、テールコード接続部を乗り
かごの中心部に設けることにより、乗りかごの傾きと揺
れを抑制する効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の全体構成を示す側面図で
ある。

【図２】図１のＡ−Ａ断面から見た平面図である。

【図３】本発明の第２実施例の全体構成を示す側面図で
ある。

【符号の説明】

１ 乗りかご ２ つり合いおもり ７ テールコード ７Ａ テールコードの屈曲部 ９ ガイドレール １０Ａ ローラ １０ テールコード振れ止め装置 １１ 第１ワイヤーロープ １２ 第１溝付プーリ １３ 振れ抑制板 １４ 第２ワイヤーロープ １８ 上下動センサ １９ プーリ

フロントページの続き (72)発明者 目黒 都志雄 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内 (72)発明者 吉岡 勉 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内 (72)発明者 佐々木 輝男 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内 (72)発明者 稲葉 博美 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 安藤 武喜 東京都千代田区神田錦町一丁目６番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 大西 友治 東京都千代田区神田錦町一丁目６番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 昇降路壁の少なくとも中心部より上に一
   端が固定され、他端が乗りかごに固定されたワイヤロー
   プによって懸垂され、両端が乗りかごのガイドレールに
   よってガイドされ、乗りかごと制御盤を接続するエレベ
   ータ制御用テールコードの屈曲部をガイドするテールコ
   ードガイド手段を備えたことを特徴とするエレベータ制
   御用テールコードの振止装置。
2. 【請求項２】 昇降路壁の少なくとも中心部より上に一
   端が固定され、他端が乗りかごに固定されたワイヤロー
   プによって懸垂され、両端が乗りかごのガイドレールに
   よってガイドされ、乗りかごのほぼ中心部と制御盤を接
   続するエレベータ制御用テールコードの屈曲部をガイド
   するテールコードガイド手段を備えたことを特徴とする
   エレベータ制御用テールコードの振止装置。
3. 【請求項３】 前記エレベータ制御用テールコードをガ
   イドする第１の溝付プーリを前記テールコードガイド手
   段に設けたことを特徴とする請求項１または請求項２に
   記載のエレベータ制御用テールコードの振止装置。
4. 【請求項４】 前記テールコードガイド手段の下部に配
   置した第２の溝付プーリと、昇降路床に配置した第３の
   溝付プーリと、乗りかごの釣合い重りの下方の昇降路床
   に配置した第４の溝付プーリと、昇降路床に一端を固定
   し他端を前記第２の溝付プーリ、前記第３の溝付プーリ
   及び前記第４の溝付プーリを介して前記乗りかごの釣合
   い重りの下端に固定した第２のワイヤーロープとを設け
   たことを特徴とする請求項１から請求項４のうち何れか
   の請求項に記載のエレベータ制御用テールコードの振止
   装置。
5. 【請求項５】 前記第２のワイヤーロープの何れかの固
   定部における張力を検出するセンサと、該センサが検出
   した張力異常の程度により警報、エレベータ停止指令を
   出力する制御手段を設けたことを特徴とする請求項４に
   記載のエレベータ制御用テールコードの振止装置。
6. 【請求項６】 前記第３の溝付プーリを上下動可能に支
   持する手段と、該上下動を検出するセンサと、該センサ
   が検出した上下動異常の程度により警報、エレベータ停
   止指令を出力する制御手段を設けたことを特徴とする請
   求項４に記載のエレベータ制御用テールコードの振止装
   置。