JPH0624663Y2 - 石油燃焼器の燃料供給装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は石油燃焼器のバーナへの燃料供給路の改良に
関するものである。

〔従来の技術〕

燃料ポンプでくみあげた燃料をバーナへ供給して燃焼を
行うものは、消火操作によって燃料ポンプを停止しても
給油管内に燃料が残っており、この燃料が少しづつバー
ナへ流れたり、給油管が余熱で高温度になって管内で燃
料が気化してバーナへ送られることがあり、消火時間が
長くなると共に、消火直後に燃料や気化ガスがバーナに
送られると悪臭を発生させるものであった。

この為出願人は実願昭６０−５４２１５号で燃焼空気を
供給するファンの風圧がかかっている風路と連通する空
気パイプを給油管に接続し、バーナの燃焼中に空気パイ
プに流入しようとする燃料と、空気パイプに供給する風
圧とをバランスさせておく構造を提供した。そして消火
操作によって燃焼空気供給ファンが停止した時空気パイ
プ内が大気圧になってバーナに向う給油管中の燃料の一
部は空気パイプに流入し、消火操作後は給油管の端に燃
料がなく、バーナに燃料や気化ガスが流れないようにし
ていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで給油管に空気パイプを接続すれば、もし給油管
のバーナ側の先端がタールなどによってつまった時に
は、燃料が空気パイプに送られ、バーナ以外のところへ
流出する恐れがあり、この燃料が器具を汚すばかりでな
く、高温部に触れた時には火災を引起すこともあり、非
常に危険であった。

〔問題点を解決する為の手段〕

この考案は上記の問題点を解決したもので、１は油タン
ク、２は油タンク１に取付けた燃料ポンプ、３はバー
ナ、４は燃料ポンプ２とバーナ３とを接続する給油管で
ある。５は燃焼空気供給ファン、６は燃焼空気供給ファ
ン５の空気をバーナ３へ供給する風路であり、該バーナ
３は給油管４から燃料を供給し、風路６から空気を供給
し、点火ヒータ10によって着火してバーナー３上部の燃
焼室11で燃焼を完了する。

７は燃焼空気供給ファン５の吐出側の風路６と給油管４
とを接続した空気パイプ、８は給油管４と空気パイプ７
との接続部付近の空気パイプ７に取付けた貯油室、９は
貯油室８内に挿入したボール弁であり、該ボール弁９は
石油よりも軽い素材で形成し、かつ直径は空気パイプ７
の内径よりも大としている。第２図は貯油室８の構造の
実施例を示したもので、空気パイプ７は給油管４との接
続部を金属空気パイプ７′で形成し、該金属空気パイプ
７′の端部は径大部を構成し、該径大部が貯油室８とな
っている。一方風路６と接続する空気パイプ７はゴム管
で形成し、該ゴム製空気パイプ７″の端にも径大部を設
け、ゴム製空気パイプ７″と金属空気パイプ７′の径大
部同志嵌合することによって、貯油室８内にボール弁９
が挿入できる。

〔作用の説明〕

燃料ポンプ２に通電して給油管４を介して燃料をバーナ
３に送り、一方燃焼空気供給ファン５に通電して燃焼空
気を風路６を介して空気をバーナ３に送り、点火ヒータ
10によって着火燃焼を開始する。

ところで燃焼空気供給ファン５の風圧は空気パイプ７に
よって貯油室８にかかっており、燃料ポンプ２による燃
料圧も貯油室８にかかっており、貯油室８の低位ないし
金属空気パイプ７′内で燃料と空気の圧力バランスを保
っている。従って消火操作と共に燃料ポンプ２と燃焼空
気供給ファン５とを停止すると、給油管４と空気パイプ
７との接続部がバーナ３の先端よりも低位であるから、
給油管４内の燃料は落着圧で貯油室８内に流入し、貯油
室８は高位油面でバランスする。

上記の構成によると消火操作後はバーナ３に向う給油管
４に燃料が存在しないから、バーナ３の瞬間消火が可能
となるが、もしバーナ３の燃焼中に於て給油管４の先端
が封鎖するなどのトラブルが発生した時には、燃焼中で
あっても燃料は貯油室８内に流入する。この考案は貯油
室８内に石油に浮くボール弁９を挿入し、かつボール弁
９の直径よりも空気パイプ７の内径を小さくしたから、
貯油室８内の油面が上昇すればボール弁９も上昇し、や
がて空気パイプ７をボール弁９が閉路とするものであ
る。この為燃料ポンプ２の吐出圧が給油管４にかかるよ
うになり、給油管４の先端にタールが付着してつまらせ
た時には、付着の程度が軽ければ燃料ポンプ２の吐出圧
でタールを吹き飛ばすことができるようになった。

〔効果の説明〕

以上のように普通給油管４の先端の直径が小さくしてあ
っても、噴霧ノズルのように微細径とはなっておらず、
ゴミ等の混合による給油管４つまりのトラブルはほとん
どなく、給油管４封鎖の主原因は給油管４の先端で少し
づつタールが蓄積して成長し、やがて給油管４の先端を
封鎖するトラブルがほとんどである。そして給油管４封
鎖に至るまでは多少流れが悪い程度で問題なく使用でき
たものであるから、給油管４が封鎖しても強固にタール
が付着していない。

この考案は空気パイプ７に貯油室８を設けたから、消火
操作時には給油管４内の燃料が貯油室８内に流入し、バ
ーナ３の瞬間消火と消火後の悪臭の発生を防止できたも
のである。

また貯油室８内にはボール弁９を設けたから、給油管４
がタールで封鎖した時は燃料ポンプ２の吐出圧が直接給
油管４にかかるようになり、封鎖したタールを吹き飛ば
すことが可能となった。この為給油管４封鎖のトラブル
発生時にバーナ３をオーバーホールして故障部分を修復
する手間は不要となり、タールによるトラブル時はセル
フクリーニングが可能となったもので、取扱性が格段に
向上したものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案品の断面図、第２図は同要部断面図で
ある。 １……油タンク、２……燃料ポンプ、３……バーナ、４
……給油管、５……燃焼空気供給ファン、６……風路、
７……空気パイプ、８……貯油室、９……ボール弁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】油タンク１の燃料をくみあげる燃料ポンプ
   ２と、燃料ポンプ２とバーナ３とを接続する給油管４
   と、バーナ３に空気を供給する燃焼空気供給ファン５
   と、燃焼空気供給ファン５の吐出側の風路６と給油管４
   とを接続する空気パイプ７とを有する石油燃焼器に於
   て、給油管４と空気パイプ７との接続部の付近の空気パ
   イプ７に貯油室８を形成し、該貯油室８内に石油より軽
   くかつ風路６に接続する空気パイプ７の内径より大きな
   ボール弁９を挿入したことを特徴とする石油燃焼器の燃
   料供給装置。