JPH06246159A - ガスエンジン排ガス浄化用三元触媒及びガスエンジン排ガスの浄化方法 - Google Patents

ガスエンジン排ガス浄化用三元触媒及びガスエンジン排ガスの浄化方法

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JPH06246159A
JPH06246159A JP5062605A JP6260593A JPH06246159A JP H06246159 A JPH06246159 A JP H06246159A JP 5062605 A JP5062605 A JP 5062605A JP 6260593 A JP6260593 A JP 6260593A JP H06246159 A JPH06246159 A JP H06246159A
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gas
exhaust gas
catalyst
layer
air
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Takeshi Tabata
健 田畑
Kenji Baba
健治 馬場
Toshikazu Tanaka
十四一 田仲
Osamu Okada
治 岡田
Ryoji Okada
良治 岡田
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然ガスなどのメタンを主成分とするガス
(メタン主成分ガス)を燃料として用いるガスエンジン
の排ガス浄化に用いられる三元触媒及びそれを用いた排
ガスの浄化方法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の触媒は、ハニカム担体上にコーティ
ングされたウォシュコート層中にPt、Rh、Pd及び
Ceを少なくとも含むガスエンジン排ガス浄化用三元触
媒であって、少なくとも、ハニカム担体上のウォシュコ
ート層がPt、Rh及びCeを少なくとも含む層と、P
dを少なくとも含む層とからなり、ハニカム担体の見か
けの体積に対して、Pt、Rh、Pd及びCeを特定の
割合で含有することからなる。本発明によれば、理論空
燃比付近のメタンの転化活性が高活性に保たれ、ウイン
ドウが長期間理論空燃比からずれることがなく、NO、
CO、メタンを長期間安定的に浄化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメタン主成分ガスを燃料
とするガスエンジンの燃焼排ガスの浄化用触媒並びに浄
化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、天然ガス(都市ガス)などのメタ
ン主成分ガスを燃料としたエンジンにより、冷暖房を行
うヒートポンプシステムが、その優れた省エネルギー
性、経済性により、急速に普及しつつある。また、代替
燃料自動車として、天然ガス燃料の自動車が注目を集め
ている。しかし、前者の場合、それらが設置される地域
の大部分は大都市の密集地であるため、ガスエンジンか
らの窒素酸化物の排出が問題となり、後者では、それに
加えてCO、THCの排出規則を満足する必要がある。
現在、エンジンからの排ガス浄化方法としては、ガソリ
ン自動車で広く使われている三元触媒法がある。これ
は、理論空燃比で燃料を燃焼させ、排ガス中のCO、H
C(炭化水素)、H2等の還元性のガスとNO、O2等の
酸化性のガスを三元触媒上で当量反応させ、CO、H
C、NO等の有害成分を、同時に、CO2、H2O、N2
等に無害化するものである。この時、CO、HC、NO
を同時に除去できる空燃比の範囲をウインドウと呼ぶ
が、空燃比がこのウインドウから少しでもずれると、還
元性のガスあるいは酸化性のガスが過剰となり、過剰な
有害成分が素通りしてしまうため、ジルコニアのλセン
サーを用いた厳密な空燃比コントロールシステムが採用
されている。
【0003】即ち、例えば、図1に示されるように、天
然ガスなどのメタン主成分ガスからなる燃料2は、エア
フィルター3で濾過された空気1とミキサー4で混合さ
れ、エンジン負荷に応じてスロットルバルブ5で流量調
整されてエンジン燃焼室6で燃焼され、燃焼排ガスは三
元触媒7を通り排気11となって排出される。この時、
空燃比が三元触媒の働くウインドウに入るように、三元
触媒の前流側でジルコニア式のλセンサー8で空燃比を
検知し、同時に圧力センサー10でエンジン負荷を検知
しながら、空燃比コントローラー9で空燃比制御用空気
バイパス弁12の開度をフィードバック制御している。
なお、メタン主成分ガスとは、メタンが65%程度以上
のものをいう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来、天然ガ
スなどのメタン主成分ガスを燃料とするガスエンジン
(以下、便宜上、ガスエンジンと称する)の排ガス処理
に、ガソリン自動車用の三元触媒がそのまま流用されて
いたため、長時間安定して、有害成分を浄化することが
できなかった。エンジン排ガス中の未燃炭化水素が、ガ
ソリンの場合には、比較的反応性の高い高級炭化水素が
主成分であるのに対し、天然ガス燃料の場合、90%以
上は炭化水素の中で最も化学的に不活性なメタンであ
り、従来のガソリン自動車用三元触媒では、メタンの酸
化活性が充分でないため、メタンが還元剤として利用で
きず、触媒のウインドウがやや燃料リッチ側に偏る。一
方、空燃比検知用に使われているジルコニア式λセンサ
ーは、理論空燃比で電圧が急激に変化し、理論空燃比を
検知する上では極めて鋭敏なセンサーとなるが、そこか
らずれると急激に感度が低下してしまう。従って、従来
のガソリン自動車用三元触媒をガスエンジン排ガス処理
システムに用いたとき、λセンサーの感度の悪い空燃比
でコントロールしなければならず、長期間、安定に排ガ
スを浄化することができなかった。更に、負荷変動の激
しい自動車などでは、空燃比が大きく変化することがあ
り、その時にメタンが大量にスリップするという問題が
あった。従って、ガソリンエンジン排ガス処理に比べ
て、天然ガスエンジン排ガスの処理には、空燃比の広い
領域にわたって、より高いメタン転化活性を有する触媒
を使うことが必要となる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のごと
き問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、活性触媒金属
としてPtとRhを含有し、さらに補助触媒としてCe
を含有する三元触媒に、さらに、Pdを含有する触媒を
層を共存させることにより、理論空燃比から離れたリッ
チ側及びリーン側でのメタン転化率を確保でき、負荷変
動などにより、空燃比が大きく変わる天然ガス自動車や
ヒートポンプのガスエンジンの排ガス浄化を長期間継続
的に確実に行えることを見出して完成させたもので、本
発明の三元触媒は、ハニカム担体上に少なくとも2種類
のコーティング層を積層し、該コーティング層のうち、
1種類は、Pt、Rh及びCeを少なくとも含み、もう
1種類は、Pdを少なくとも含むようにウォシュコート
した触媒であることを特徴とする。また、本発明の排ガ
スの浄化方法は、上記の三元触媒を用いるガスエンジン
排ガスの浄化方法である。
【0006】本発明の触媒が、長期間継続的に高活性が
維持されるのは、ウォシュコート層を排ガスの流れと垂
直方向に少なくとも2層に分け、Pt−Rh−Ce触媒
層以外に、熱的なシンタリングに強いPd触媒層を共存
させることにより、熱劣化後も、Pdによるリーン雰囲
気でのメタンの酸化及びリッチ雰囲気でのメタンのリフ
ォーミング活性が長期間大きく保たれ、広い空燃比にわ
たってメタンを効率的に活性化し、酸化に導くからであ
る。Pdは、ハニカム担体の見かけの体積に対して、通
常2g/l以上含まれていないと、熱劣化後の活性が足
りなくなる。しかし、この量のPdをPt−Rh−Ce
層に含有せしめた場合、Ptと合金を作ってシンタリン
グしやすくなり、熱劣化後のメタン転化活性は低下して
しまうため、Ptを多く含む層とは分ける必要がある。
【0007】Pt−Rh−Ce層は、理論空燃比付近で
のメタンの酸化、NOの還元に必須である。必要なPt
量は、要求される浄化性能、耐久時間により異なるが、
ハニカム担体の見かけの体積に対して、1g/l以上含
まれていればよい。また、必要なRh量は、要求される
浄化性能、耐久時間により異なるが、ハニカム担体の見
かけの体積に対して、0.2g/l以上含まれていれば
よい。また、Ceは、CeO2として触媒中に存在する
が、空燃比1.0付近で、触媒貴金属とともに酸素を吸
蔵放出する酸素のバッファー能力を有しており、Pt−
Rh上でのメタンの酸化、NOの還元が行われやすいよ
うな状態に酸化状態を保つのに不可欠であるため、Pt
−Rhと同じ層内に共存させる必要がある。必要なCe
量は、要求される浄化性能、耐久時間により異なるが、
ハニカム担体の見かけの体積に対して、5g/l以上含
まれていればよい。
【0008】本発明に使用されるハニカム担体は、耐火
性セラミックス製の一体成形された構造を有する、コー
ジェライト、α−アルミナ、ジルコニアなどのいわゆる
セラミックハニカム担体であればよく、特にコージェラ
イトが好ましい。又、ステンレスなど高温でも耐酸化性
を有する金属ハニカムも使用しうる。又、ハニカムのセ
ルの形状は4角形、6角形等いずれであってもよいが、
セルの密度としては100〜400セル/平方インチが
好ましく、より好ましくは150〜250セル/平方イ
ンチとすればよい。又、同じセル数であれば、触媒とし
て完成したときの開口率(触媒体の外形寸法から計算さ
れる体積に対するハニカムのセルの空間容積の和の割
合)は、触媒体として十分な強度を有する限り、大きく
とれるような担体であることが好ましい。
【0009】本発明に用いられるウォシュコート層を形
成する主体となる化合物としては、アルミナ、チタニ
ア、ジルコニア、シリカ−アルミナ等、一般に、高表面
積を有する触媒担体として用いられる無機酸化物から選
べばよいが、アルミナ、特に活性アルミナが好ましい。
この活性アルミナには、担体の耐熱性を上げるといわれ
ている、ランタンやセリウム等の希土類元素やバリウム
等のアルカリ土類元素を含んでいてもよい。使用する活
性アルミナ等の化合物のBET比表面積は50〜250
2/gであることが望ましい。
【0010】本発明に用いられるPt源、Rh源及びP
d源としては、水溶性である限り特に限定されないが、
Pt源としては、塩化白金酸、ジニトロジアンミン白金
等が好ましく、Rh源としては、硝酸ロジウム、塩化ロ
ジウム等が好ましい。又、Pd源としては、硝酸パラジ
ウム、塩化パラジウム等が好ましい。また、本発明に用
いられるCe源としては、触媒中に酸化セリウム(Ce
2)として存在する限り、例えば、酸化セリウムや炭
酸セリウム等、特に限定されないが、硝酸セリウム等の
水溶性塩を活性アルミナ等に含浸担持してもよい。
【0011】本発明の触媒は、ハニカム担体上にコーテ
ィングされたウォシュコート層中に、ハニカム担体の見
かけの体積に対して、Ptを1g/l以上、Rhを0.
2g/l以上、Pdを2g/l以上、Ceを5g/l以
上含み、なおかつ、ウォシュコート層が、少なくともP
t、Rh、Ceを少なくとも含む層と、Pdを少なくと
も含む層とからなっている限り、特に製造方法は限定さ
れないが、例えば、次のようにして得られる。活性アル
ミナに硝酸酸性アルミナゾルを加えて粉砕混合して得た
スラリーをハニカム担体に担持して500℃〜700℃
で焼成し、ウォシュコート第二層を形成し、該ハニカム
担体を、Pdを少なくとも溶解する水溶液に浸漬し、さ
らに400℃〜700℃で焼成して触媒前駆体を得る。
一方、活性アルミナにセリウムの硝酸塩などの水溶性塩
を、アルミナに対して1〜5重量%含浸、乾燥させ、5
00℃〜700℃で焼成した後、得られたセリウム含有
活性アルミナに酸化セリウムと硝酸酸性アルミナゾルを
加えて粉砕混合してスラリーを調製し、該スラリーを触
媒前駆体に担持して500℃〜700℃で焼成し、ウォ
シュコート第一層を形成する。該触媒前駆体を、Pt及
びRhを少なくとも溶解した水溶液に浸漬し、更に40
0℃〜700℃で焼成して触媒を得る。
【0012】この時、触媒全体として、ハニカム担体上
にコーティングされたウォシュコート層中に、ハニカム
担体の見かけの体積に対して、Ptを1g/l以上、R
hを0.2g/l以上、Pdを2g/l以上、Ceを5
g/l以上含むように調整する必要がある。更に、本発
明の効果を高めるためには、被毒に弱いPd層を第二層
(ガスに接する側から数えて2番目のウォシュコート
層)とし、Pt−Rh−Ce層を第一層(ガスに接する
側から数えて1番目のウォシュコート層)として、P
t、Rh、Pd、Ceを、それぞれ、2g/l以上、
0.2g/l以上、3g/l以上、10g/l以上含む
ことが望ましい。なぜなら、Pt量が多い方が、理論空
燃比付近のメタン転化率を向上でき、Pd量が多い方
が、リーンあるいはリッチ側でのメタン転化率を向上で
き、また、高SVで使用する場合に高い酸素吸蔵能力が
要求されるため、Ceも多い方がよい。
【0013】また、上記に述べた製造方法の中で、活性
アルミナにセリウムを含浸させる工程は省略できるし、
活性アルミナ、または、活性アルミナと酸化セリウムを
乾式混合粉砕したものに貴金属を含浸させたのち、酢酸
酸性アルミナゾルと混練してハニカムに担持してもよ
く、あるいは、貴金属を予め含浸させた活性アルミナと
酸化セリウムを希硝酸中で混練して得たスラリーをハニ
カムに担持してもよい。又、最初のウォシュコートの後
の焼成工程は、ウォシュコート層が混じり合うことがな
ければ、乾燥で置き換えてもよい。また、別のウォシュ
コート層を更にコーティングしてもよい。加えて、各ウ
ォシュコート層には必要に応じて他の成分を含有させて
もよい。
【0014】かくして得られた触媒は、天然ガスなどの
メタン主成分ガスを燃料とするガスエンジン排ガスの処
理、特に、負荷変動の激しい天然ガス自動車や天然ガス
エンジンヒートポンプシステムの排ガスの処理に用いら
れる。即ち、適当な空燃比コントロールシステムを用い
て空燃比をほぼ1.0に調整したガスエンジンの排ガス
に、温度350℃〜700℃で使用される。温度がこれ
より低いとメタンの酸化活性が十分でなく、高すぎると
シンタリングによる劣化が著しく、耐久性に欠ける。
【0015】本発明の排ガスの浄化方法は、ガスエンジ
ン排ガスの空燃比λを三元触媒の前流側に取り付けたλ
センサーで検知し、所定のλ設定値になるようにエンジ
ンの吸気量又は燃料の供給量をフィードバック制御する
システムを少なくとも備えたガスエンジンの排ガス浄化
方法において、三元触媒として、上記の触媒を用いるも
のである。以下、添付図面を用いて本発明による浄化方
法を詳述する。図1は、空気バイパス弁を設けて空燃比
を制御するガスエンジンシステムの例である。天然ガス
などのメタン主成分ガスからなる燃料2は、エアフィル
ター3で濾過された空気1とミキサー4で混合され、エ
ンジン負荷に応じてスロットルバルブ5で流量調整され
てエンジン燃焼室6で燃焼され、燃焼排ガスは本発明に
よる三元触媒7を通り排気11となって熱交換器(図示
せず)あるいは、消音器(図示せず)に至る。この時、
空燃比が三元触媒7の働くウインドウに入るようにする
ため、三元触媒7の前流側でジルコニア式のλセンサー
8で空燃比を検知し、同時に圧力センサー10でエンジ
ン負荷を検知しながら、予め、負荷に応じて設定された
空燃比にλセンサー8の値が一致するよう、空燃比コン
トローラー9で空燃比制御用空気バイパス弁12の開度
をフィードバック制御する。ここで、三元触媒7とし
て、幅広い空燃比に対してメタン酸化活性に優れた本発
明による触媒を用いているので、触媒のウインドウがほ
ぼ理論空燃比付近に保たれ、ジルコニア式λセンサーが
良好に働く空燃比領域で制御することができ、なおか
つ、空燃比が多少変化しても、長期間、安定した排ガス
浄化が可能となる。
【0016】図2は空燃比制御を燃料バイパス弁13で
行う以外は図1と同様のシステムであり、その作動は図
1のシステムと実質的には同様である。この場合、制御
弁が小さくなるので、速い応答性を得やすく、コンパク
トになるという利点がある。なお、図1と同一の部材に
は、同一の番号を付した。
【0017】本発明のガスエンジン排ガスの浄化方法の
実施は、ガスエンジン排ガスの空燃比λを三元触媒の前
流側に取り付けたλセンサーで検知し、所定のλの設定
値になるようにエンジンの吸気量または燃料の供給量を
フィードバック制御するシステムを少なくとも備えたガ
スエンジンにおいて、三元触媒として、少なくとも、ハ
ニカム担体上のウォシュコート層が、Pt、Rh及びC
eを少なくとも含む層と、Pdを少なくとも含む層とか
らなり、Pt、Rh、Pd、Ceの含有量が、ハニカム
担体の見かけの体積に対して、それぞれ1g/l以上、
0.2g/l以上、2g/l以上、5g/l以上である
三元触媒を用いる限り、圧力センサー等、図で説明した
装置を必ずしも用いる必要はなく、また、図に示されて
いない、エンジンの回転数センサー等の付属装置を用い
ていてもよい。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づき、本発明を
詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるも
のではない。 実施例1 γ−アルミナを主成分とする活性アルミナ粉末(BET
比表面積190m2/g)1000gに、アルミナゾル
(ベーマイト10重量%+硝酸10重量%)800gを
加え、ボールミル中で混合粉砕して得たスラリーに、コ
ージェライト製モノリス担体(見かけの容積1680m
l、200セル/平方インチ)を浸漬し、目詰まりを飛
ばす目的でエアブローした後乾燥させ、さらに浸漬・エ
アブロー・乾燥を2回繰り返した後、700℃で2時間
焼成し、ハニカム担体上にウォシュコート第二層を形成
した。このハニカム担体を、塩化パラジウム水溶液に浸
漬し、エアブロー、乾燥する工程を繰り返し、Pdをハ
ニカム担体の見かけの体積に対して5g/l程度含むよ
うに担持した後、空気中で650℃で3時間焼成し、触
媒前駆体を得た。
【0019】一方、γ−アルミナを主成分とする活性ア
ルミナ粉末(BET比表面積190m2/g)1000
gに、硝酸セリウム水溶液1000ml(セリウムとし
て28g含む)を加えてよく撹拌し、150℃で乾燥し
た後、空気中で、600℃で2時間焼成した。このセリ
ウム含有活性アルミナ1000gに対し、酸化セリウム
700g、及びアルミナゾル(ベーマイト10重量%+
硝酸10重量%)2400gを加えて、ボールミル中で
混合粉砕し、スラリーを調製した。該スラリーに触媒前
駆体を浸漬し、目詰まりを飛ばす目的でエアブローした
後乾燥させ、更に浸漬・エアブロー・乾燥を2回繰り返
した後、700℃で2時間焼成し、該触媒前駆体上にウ
ォシュコート第一層を形成した。該触媒前駆体を、ジニ
トロジアンミン白金の硝酸水溶液と硝酸ロジウム水溶液
の混合溶液に浸漬し、エアブロー、乾燥する工程を繰り
返し、Ptをハニカム担体の見かけの体積に対して2.
5g/l程度、Rhを0.3g/l程度含むように担持
した後、空気中で650℃で3時間焼成し、触媒を得
た。該触媒を下表1のような条件で、各空燃比における
天然ガスエンジン排ガスに相当するガス組成の模擬ガス
を生成させ、静的な活性を測定し、各成分の転化率で表
したものが図4である。メタンの転化率はリッチ側では
ほぼ100%、リーン側でも30%以上あり、ウインド
ウは0.998付近にある。
【0020】
【表1】
【0021】実施例2 実施例1と同様にして得た触媒を、空気流通下、800
℃で5時間加熱し、エージングを行った。該触媒につい
て実施例1と同様の試験を行ったところ、図5のような
結果が得られた。ウインドウは0.997付近にとどま
っており、メタンの転化率も新品と大差が無い。このこ
とは、この触媒が熱劣化後も、ウインドウがずれず、メ
タン、NO、CO共に高い浄化率を維持していることを
示している。
【0022】比較例1 ウォシュコート第二層を形成せず、Pdを担持しないこ
とを除いて、実施例1と同様にして得られた触媒(Pt
含有量2.5g/l、Rh含有量0.3g/l、Ce含
有量40g/l)を実施例1と同様にして浄化性能を測
定したところ、図4とほぼ同様な結果が得られた。この
触媒を実施例2と同様にしてエージングを行った後、同
様に浄化性能を測定したところ、図6のような結果が得
られた。ウインドウは0.987付近までシフトしてお
り、リーン側のメタンの酸化活性はほぼ無くなってい
る。
【0023】実施例3 図2に示されるような、ガスエンジン排ガスの空燃比λ
を三元触媒の前流側に取り付けたλセンサーで検知し、
所定のλの設定値になるように燃料天然ガスの量をフィ
ードバック制御するシステムを備えた天然ガスエンジン
ヒートポンプシステムに、まず、実施例1と同様にして
得られた触媒を、最大負荷時でGHSV40000とな
るように充填し、実際にシステムを起動し、触媒層入口
温度約500℃の条件下、触媒層出口排ガス中のNO、
CO、CH4濃度がそれぞれ500ppm以下、100
0ppm以下、500ppm以下となるようにλの制御
位置を設定した。なお、このシステムの触媒層入口排ガ
ス中のNO、CO、CH4濃度は、試験条件では、それ
ぞれ約3000ppm、約5000ppm、約2000
ppmである。そのまま運転を継続し、定期的に触媒層
出口のNO、CO、CH4濃度を測定したところ、20
00時間経過後も、それぞれ、500ppm以下、10
00ppm以下、500ppm以下に保たれていた。
【0024】実施例4 図2に示されるような、ガスエンジン排ガスの空燃比λ
を三元触媒の前流側に取り付けたλセンサーで検知し、
所定のλの設定値になるように燃料天然ガスの量をフィ
ードバック制御するシステムを備えた天然ガス自動車
(排気量1500cc)に、400セル/インチの楕円
柱状のハニカム担体(1000ml)を使う以外は、実
施例1と同様にして得られた触媒を充填し、10.15
モードでのNO、CO、HCを規定の方法により測定し
た。更に、同じ触媒を実施例2と同様にしてエージング
した触媒を充填した時も、同様に測定した。表2にそれ
らの結果を示す。表2に示されるように、メタン転化率
を含め、エージングにより殆ど活性は低下しておらず、
規制値を大きく下回っていることがわかる。
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】本発明による触媒は、理論空燃比付近で
のメタンの転化活性及びNO還元活性をもつPt、R
h、Ceを含有する触媒層に、さらにPdを含有する触
媒層を共存させることにより、理論空燃比からはなれた
リッチ側及びリーン側でのメタン転化率を確保できるの
で、負荷変動などにより、空燃比が大きく変わる天然ガ
ス自動車やヒートポンプのガスエンジンなどの、メタン
を多く含む排ガスの浄化に用いれば、NO、CO及びH
Cを高い浄化率で長期間安定に浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いられるシステムを示す図
で、空燃比を制御する流体として空気を用い、触媒層前
流側のλセンサーのみで空燃比をコントロールする場合
を示す。
【図2】本発明の方法に用いられるシステムを示す図
で、空燃比を制御する流体として燃料天然ガスを用い、
触媒層前流側のλセンサーのみで空燃比をコントロール
する場合を示す。
【図3】触媒の三元特性を示し、本発明による触媒の初
期活性を示す図である。
【図4】触媒の三元特性を示し、本発明による触媒のエ
ージング後の活性を示す図である。
【図5】触媒の三元特性を示し、比較に用いた触媒のエ
ージング後の活性を示す図である。
【符号の説明】
1 燃焼用空気 2 燃料天然ガス 3 エアフィルター 4 ミキサー 5 スロットルバルブ 6 エンジン燃焼室 7 三元触媒 8 λセンサー(前流センサー) 9 空燃比コントローラー 10 圧力センサー 11 排気 12 空燃比制御用空気バイパス弁 13 空燃比制御用燃料バイパス弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 治 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 (72)発明者 岡田 良治 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハニカム担体上にコーティングされ
    たウォシュコート層中にPt、Rh、Pd及びCeを少
    なくとも含む、メタン主成分ガスを燃料とするガスエン
    ジンの排ガス浄化用三元触媒において、少なくとも、ハ
    ニカム担体上のウォシュコート層がPt、Rh及びCe
    を少なくとも含む層と、Pdを少なくとも含む層とから
    なり、Pt、Rh、Pd及びCeの含有量がハニカム担
    体の見かけの体積に対して、それぞれ1g/l以上、
    0.2g/l以上、2g/l以上、5g/l以上である
    ことを特徴とするガスエンジン排ガス浄化用三元触媒。
  2. 【請求項2】 ウォシュコート第一層中にPt、R
    h及びCeを、それぞれ、2g/l以上、0.2g/l
    以上、10g/l以上含み、ウォシュコート第二層中に
    Pdを3g/l以上含む請求項1記載のガスエンジン排
    ガス浄化用三元触媒。
  3. 【請求項3】 ガスエンジン排ガスの空燃比λを三
    元触媒の前流側に取り付けたλセンサーで検知し、所定
    のλ設定値になるようにエンジンの吸気量又は燃料の供
    給量をフィードバック制御するシステムを少なくとも備
    え、メタン主成分ガスを燃料とするガスエンジンの排ガ
    ス浄化方法において、三元触媒として、少なくとも、ハ
    ニカム担体上のウォシュコート層がPt、Rh及びCe
    を少なくも含む層と、Pdを少なくとも含む層とからな
    り、Pt、Rh、Pd及びCeの含有量が、ハニカム担
    体の見かけの体積に対して、それぞれ1g/l以上、
    0.2g/l以上、2g/l以上、5g/l以上である
    三元触媒を使用することを特徴とするガスエンジン排ガ
    スの浄化方法。
  4. 【請求項4】 三元触媒として、ウォシュコート第
    一層中にPt、Rh及びCeを、それぞれ、2g/l以
    上、0.2g/l以上、10g/l以上含み、ウォシュ
    コート第二層中にPdを3g/l以上含む三元触媒を使
    用する請求項3記載のガスエンジン排ガスの浄化方法。
  5. 【請求項5】 排ガスが天然ガス自動車の排ガスで
    ある請求項3又は4記載のガスエンジン排ガスの浄化方
    法。
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