JPH06243278A - 磁気表示シート書込みヘッド - Google Patents

磁気表示シート書込みヘッド

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Publication number
JPH06243278A
JPH06243278A JP5053083A JP5308393A JPH06243278A JP H06243278 A JPH06243278 A JP H06243278A JP 5053083 A JP5053083 A JP 5053083A JP 5308393 A JP5308393 A JP 5308393A JP H06243278 A JPH06243278 A JP H06243278A
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JP
Japan
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magnetic
head
magnetic core
display sheet
magnetic display
Prior art date
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Pending
Application number
JP5053083A
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English (en)
Inventor
Toshio Yagi
敏夫 八木
Kiyoshi Kawahara
清 河原
Hiroshi Fujinami
宏 藤浪
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Star Micronics Co Ltd
Original Assignee
Star Micronics Co Ltd
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Publication date
Application filed by Star Micronics Co Ltd filed Critical Star Micronics Co Ltd
Priority to JP5053083A priority Critical patent/JPH06243278A/ja
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組み立ての簡易化とともに小型化を図り、印
字ドットの微細化及び近接化により印字品質を高めた磁
気表示シート書込みヘッドを提供する。 【構成】 棒状を成す複数の磁性芯体に磁性芯支持部を
取り付け、この磁性芯支持部をヘッド基台に形成した第
1の凹部に挿入して前記磁性芯体をマトリクス状に直立
させ、ヘッド面に磁性板を取り付けたケースを前記磁性
芯体の先端部を前記磁性板の透孔から前記ヘッド面に露
出させて被せるとともに、前記ヘッド基台に形成した基
準面で位置決めして前記ヘッド基台に固定したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感応磁片の選択的な着
磁によってコントラストを生じる磁気表示シートに所望
の文字、図形等の書込みに用いられる磁気表示シート書
込みヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、選択的な磁化作用で文字や図形等
を表示する電子黒板やディスプレイが実用化されてい
る。このような磁気的な表示や印字を行なわせるための
装置として、特開昭50−97297号「表示装置」、
特開昭58−116562号「磁気映像発生方法及び装
置」、特開昭62−92987号「書込みヘッドアレイ
を用いる透磁粉末表示パネル」、実開昭57−1891
25号「垂直磁化多トラック磁気ヘッド」、特開昭61
−41270号「垂直磁気ヘッド」、特開昭63−25
9678号「磁気パネル用書込み電磁石」等が知られて
いる。
【0003】これらの磁気的表示装置では、磁気的表示
手段としてカプセルやハニカム格子を単位とし、その中
に適当なコントラストを持つように着色されるとともに
磁化力によって流動可能な感応磁片と分散媒とを混在さ
せて挿入したものをパネル状又はシート状に配置して表
示装置としたものが使用され、磁気ヘッドから文字や図
形等を表す選択的な磁界を作用させることにより感応磁
片に表示すべき文字や図形等に対応して選択的に磁化を
生じさせて表示を行なっている。磁気ヘッドは、この表
示装置の感応磁片に対して選択的な垂直磁界を作用させ
る磁気印字手段であり、表示すべき文字や図形等の表示
品質を高める上で、磁気的特性や垂直磁界の先鋭化等が
要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本発明者
は、このような磁気パネルやシート等の大型の磁気表示
装置とは全く異なる携帯可能な磁気表示カードの実用化
を目的とし、先に特願平4−345401号「磁気表示
カード発行装置」等の出願を行なって来た。この磁気表
示カードは、名刺大のプラスチックカードであって、そ
の表面に窪みを設けて磁気表示シートを貼り付けたもの
である。この磁気表示シートは、表面を透明膜で覆い、
その内部に無数のマイクロカプセルを配置し、マイクロ
カプセル中に、例えば、透明な液体中に黒色ないし黒色
様の褐色を成す感応磁片を封入したものである。
【0005】このような磁気表示シートは、従来の磁気
パネルや磁気シートと磁性表示である点で原理的な共通
性があるものの、微細化技術や磁化技術等の点で一線を
画するものである。例えば、電子黒板では、従来の黒板
やホワイトボードによる筆記用具の消耗や塵埃の飛翔を
防止し表示及び消去を簡易化すること等にその目的があ
るが、携帯用の磁気表示カードでは、例えば、磁気記録
手段である磁気記録ストライプ等と併用され、使用者が
必要な記録情報を目視可能にすること、磁気表示を更新
可能にすること等を目的としている。しかも、その文字
や図形の表示は、電子黒板における表示文字や図形等に
比較して微細であり、記録手段としての機能性が重視さ
れて表示文字等の信頼性が高いことが要求される。
【0006】微細化技術は感応磁片を封じ込めるマイク
ロカプセル及び感応磁片の微細化を実現し、実用化させ
ている。特に、感応磁片の微細化は、表示される文字や
図形の先鋭化及び微小化の可能性を高め、磁化の選択性
と相俟って理論的には表示文字や図形は無数の感応磁片
により非常に細い線分の書込み表示を可能にしている。
【0007】しかしながら、磁界の先鋭化ないし感応磁
片の選択的な磁化は印字品質に大きく影響するが、ドッ
ト単位での磁界の先鋭化は隣接する感応磁片の磁化が作
用して非常に困難である。磁気表示シートの幅が20ミ
リメートル以下の場合、その幅内に複数行の文字、特
に、曲線や直線の組み合わせを必要とする日本文字の表
示には、表示単位であるドット径が小さく、しかも、ド
ットが隣接していることが、印字品質を高める上で重要
である。特に、日本文字では、書込みヘッドのドット構
成は幅12ミリメートル中に20ドット程度のドット密
度が必要であり、ドット密度が粗になると、印字品質の
低下は否めず、文字によっては判読が不可能になる場合
がある。ドット間の間隔設定及びその精度は印字品質に
直接影響を与えることになる。
【0008】さらに、このような書込みヘッドでは、製
品としての精度、製品の均一化が必要であり、小型化も
製品コストに大きく影響を与える。また、部品点数が多
いことは、それだけ、誤差の発生要因を多くし、しか
も、組立て工数が多くなり、また、固定構造が複雑な場
合には製造コストを高め、製品の信頼性を低下させるこ
とにもなる。
【0009】そこで、本発明は、組み立ての簡易化とと
もに小型化を図り、印字ドットの微細化及び近接化によ
り印字品質を高めた磁気表示シート書込みヘッドを提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気表示シート
書込みヘッドは、図1に例示するように、棒状を成す複
数の磁性芯体(2)に磁性芯支持部(38)を取り付
け、この磁性芯支持部をヘッド基台(6)に形成した凹
部(48)に挿入して前記磁性芯体をマトリクス状に直
立させ、ヘッド面(4)に磁性板(26)を取り付けた
ケース部材(ヘッドケース8)を前記磁性芯体の先端部
を前記磁性板の透孔(28)から前記ヘッド面に露出さ
せて被せるとともに、前記ヘッド基台に形成した基準面
(凹部10)で位置決めして前記ヘッド基台に固定して
なることを特徴とする。
【0011】また、本発明の磁気表示シート書込みヘッ
ドは、前記磁性芯体の先端部側には非磁性材料ないし反
磁性材料からなるカラー(68)を被せたことを特徴と
する。
【0012】そして、本発明の磁気表示シート書込みヘ
ッドにおいて、前記磁性板は、書込むべき磁気表示シー
ト(102)と相対的な移動関係を持つ方向の角部を前
記ヘッド面より湾曲させて後退させたことを特徴とす
る。
【0013】
【作用】請求項1に記載された本発明の磁気表示シート
書込みヘッドは表示単位であるドット径の微細化及びそ
の近接化により印字品質を高められたことが一つの特徴
である。磁性芯体は、その先端部が表示単位であるドッ
ト径を形成しており、その微細化及び近接化が表示文字
等の大きさを決定するとともに、狭い表示部分に複数の
文字の印字や印字品質の向上に寄与する。この磁気表示
シート書込みヘッドでは、磁性芯体に磁性芯支持部を設
け、この磁性芯支持部を以てヘッド基台に磁性芯体を直
立させる形態を取ったことで、磁性芯体を極細にしてお
り、その近接化及び先端径の微細化を可能にし、印字品
質の向上が図られている。
【0014】また、この磁気表示シート書込みヘッド
は、部品点数が少ない。即ち、この磁気表示シート書込
みヘッドは、基部に磁性芯支持部を取り付けた磁性芯体
と、ヘッド基台及びケースを以て印字機構部が構成され
ており、その部品点数が極めて少ない。
【0015】また、この磁気表示シート書込みヘッドは
各部品の固定構造が単純であり、位置決め精度が高いこ
とが特徴である。ヘッド基台には磁性芯支持部を挿入す
る凹部と、ケースを位置決めする基準面とを備えてい
る。また、ケースには、そのヘッド面に磁性板を取り付
け、この磁性板には磁性芯体の先端部を露出させるため
の透孔が形成されている。このような部品構造から明ら
かなように、ヘッド基台には、その凹部に磁性芯支持部
を挿入することで磁性芯体をマトリクス状に配列させ、
直立状態に保持できる。本発明では、この直立状態での
保持を可能にしたことにより、隣接する磁性芯体の間隔
精度を高めることができる。そして、その上からケース
を被せると、ケースの磁性板の透孔には磁性芯体の先端
部側が自己整合状態で挿入される。この自己整合は、ヘ
ッド基台の基準面にケースを合わせ込むことで容易かつ
自動的に実現される。ヘッド基台とケースとの結合はね
じや接着剤等の各種の固定手段により行なうことができ
る。したがって、この磁気表示シート書込みヘッドで
は、固定構造の単純化及び位置決め精度を向上させるこ
とができる。
【0016】そして、この磁気表示シート書込みヘッド
は、組立工数が削減され、製品の均一性及び信頼性の向
上に寄与している。固定構造の単純化及び位置決め精度
の向上により、組立工数が削減されることになり、組立
時間の短縮化が期待される。また、このような構造を採
用したことで、部品精度が高くなり、製品の均一性が図
られ、製造コストの低減と相俟って価値の高い製品を提
供することができる。
【0017】次に、請求項2に記載の本発明の磁気表示
シート書込みヘッドは、磁性芯体のヘッド面側の磁気出
力を非磁性材料ないし反磁性材料からなるカラーを以て
コントロールしたことが特徴である。このようなカラー
は、磁性芯体の側面側の磁気抵抗を高め、その先端側か
ら出る磁力線を磁性芯体の中心方向に制御し、磁気表示
シートに対して必要な磁力線を得ることができる。これ
は磁気表示シートに対する垂直磁化を助長させ、ドット
部における磁界の選択性、即ち、必要な磁界と不要な磁
界との間に充分なレベル差を発生させることができ、印
字品質の向上に寄与することになる。
【0018】次に、請求項3に記載の本発明の磁気表示
シート書込みヘッドは、前記ヘッド面の前記磁性板を書
込むべき磁気表示シートと相対的な移動関係を持つ方向
の角部を前記ヘッド面より湾曲させて後退させたことで
ある。ヘッドの駆動時、磁性板が磁性芯体との間で閉磁
路を成し、着磁状態となる。着磁された磁性体はその角
部側から放射状に磁力線を発生するが、この磁性板もそ
の例外ではない。そこで、磁性板の角部、即ち、進行又
は後退方向と相対的な移動関係を成す角部をヘッド面か
ら湾曲させることで後退させたことにより、磁気表示シ
ートとの間にはヘッド面側より大きな磁気的な絶縁間隔
が設定されることになる。この結果、磁気表示シートに
対して着磁状態にある磁性板の磁気的な影響を回避で
き、印字品質の向上に寄与することになる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を図面に示した実施例を参照し
て詳細に説明する。
【0020】図1ないし図3は、本発明の磁気表示シー
ト書込みヘッドの第1実施例を示している。この磁気表
示シート書込みヘッドは、被書込み媒体に対して垂直磁
界を選択的に作用させるマトリクス状に配列された棒状
を成す複数の磁性芯体2を備えている。各磁性芯体2の
配置は、ヘッド面4のドット配列から明らかである。
【0021】各磁性芯体2をマトリクス状態で配列させ
るとともに、直立状態で支持する支持手段としてヘッド
基台6が設置されている。このヘッド基台6は、絶縁性
合成樹脂を以て一体に形成されている。このヘッド基台
6の上面部にはケース部材としてのヘッドケース8を位
置決めするための位置決め手段として基準面を成す凹部
10が形成されている。この凹部10は、底面部を平坦
にし、その両側に平行な一対の突壁11を形成したもの
である。このヘッド基台6の突壁11側にはフランジ部
12が形成され、このフランジ部12にはヘッドを固定
するための複数の固定孔14が形成され、各固定孔14
の間には断面C字形を成す支持部16が形成されてい
る。支持部16には、円筒状を成す固定部18が形成さ
れており、図面上、背面側にねじ孔が形成されている。
また、凹部10の背面部には円柱状を成すねじ固定部2
0が形成されている。
【0022】このヘッド基台6には磁性芯体2を収納
し、防護するためのヘッドケース8が設置されている。
このヘッドケース8もヘッド基台6と同様に絶縁性合成
樹脂で一体に成形されている。即ち、磁性芯体2を支持
する支持機構部は、絶縁性合成樹脂で一体に形成された
2つの部品で構成されている。このヘッドケース8は、
ヘッド基台6の凹部10に適合する幅に形成されてお
り、この凹部10で位置決めされる。そして、ヘッドケ
ース8は、そのフランジ部22を以て固定手段としての
一対のねじ24で固定されている。ねじ24は、ヘッド
基台6を構成する合成樹脂の弾力性及び保持性を利用し
てねじ込まれている。これによって、ヘッド基台6とヘ
ッドケース8は磁性芯体2を強固に固定し、その固定強
度は、ヘッド基台6とヘッドケース8とが一体成形され
た程度の強度が実現されている。このような構成によ
り、固定構造の単純化とともに信頼性を高める上で必要
な固定強度が実現されているのである。
【0023】ヘッドケース8にはヘッド面4側を平坦に
した断面U字形を成す磁性板26が被せられている。こ
の磁性板26がヘッド面4を構成し、このヘッド面4に
はマトリクス状を成す磁性芯体2の先端面を露出させる
ための手段として、この実施例ではマトリクス状に配列
された20個の透孔28が形成されている。各透孔28に
は磁性芯体2の端面が露出しており、その端面とヘッド
面4は同一面を成している。これは、書込み媒体である
磁気表示シートの表面との摩擦を滑らかなものとすると
ともに、磁気表示シートに対する作用磁界の均一化を図
るためである。そして、この磁性板26には書き込むべ
き磁気表示シートと相対的な移動関係を持つ方向の角部
に湾曲面26A、26Bが形成され、この湾曲面26
A、26Bの形成により、ヘッド面4の縁部が磁性芯体
2の端面を露出させたヘッド面4より後退している。
【0024】ヘッド基台6の背面部には各磁性芯体2に
形成されたコイルと電気的な接続を図るためのプリント
回路基板30が固定され、このプリント回路基板30に
はコネクタ32を介して帯状を成すフレキシブルワイヤ
34が接続されている。このフレキシブルワイヤ34の
他端部には図示しない外部制御装置との接続を図るため
のコネクタ36が接続されている。37は、外部制御装
置側との電気的な接続に供されるピンである。
【0025】磁性芯体2には、その基部側に絶縁材料で
形成された磁性芯支持部38が形成されている。この磁
性芯支持部38は、3個の円柱体を結合して断面がブー
メラン形を成し、下面側にはリード40、42が固定さ
れている。磁性芯体2の中間部にはコイル44が巻回さ
れており、各コイル端がリード40、42に個別に接続
されている。磁性芯支持部38の断面をブーラメン形と
したのは、マトリクス状配置の位置決めを容易にし、磁
性芯体2を近接化させるとともに、リード40、42間
の絶縁保持を確実にするためである。そして、磁性芯支
持部38の下面部には円筒状のボス部46が形成されて
いる。このボス部46は、磁性芯支持部38の固定のた
めの有効長を延長するために設けられている。
【0026】ヘッド基台6の凹部10には、磁性芯体2
をマトリクス状に直立状態で保持するための複数の凹部
(第1の凹部)48が形成されている。この凹部48に
は、磁性芯体2の磁性芯支持部38が挿入され、その形
状は磁性芯支持部38に対応している。また、この凹部
48の深さは、その形状と関係するが、磁性芯支持部3
8を直立状態で保持する程度が必要であり、磁性芯体2
の先端部のその垂直線との成す角度を極力少なくするこ
とが必要である。
【0027】また、凹部10にはヘッドケース8を固定
するための固定孔21が形成され、この固定孔21はね
じ固定部20の中心に形成されている。これに対応し、
ヘッドケース8のフランジ部22には固定孔23が形成
されている。各固定孔21、23は凹部10及び立壁1
1によるヘッドケース8の位置決めと密接な関係を持て
おり、ヘッドケース8の位置決めと相俟ってヘッド基台
6にヘッドケース8を強固かつ高精度に固定することに
役立っている。ヘッド基台6とヘッドケース8の固定
は、一対のねじ24によって行なわれ、固定構造は極め
て簡単である。そして、凹部10を形成する立壁11
は、ヘッドケース8の側壁部に当たり、ヘッドケース8
が水平方向の回転を阻止しているから、水平方向の固定
強度に寄与しており、ねじ24の緩み止めとしての機能
も期待できる。
【0028】ヘッドケース8のヘッド面4側には磁性板
26を取り付けるための凹部50が形成されている。し
たがって、磁性板26は、この凹部50の内部に埋め込
まれる形態で固定され、ヘッドケース8の立壁52間に
ヘッド面4を形成する。そして、凹部50には磁性芯体
2を貫通させるためのマトリクス状を成す複数の透孔5
4が形成されている。各透孔54は、ヘッド基台6側の
凹部48に対応しており、凹部48に磁性芯体2を立設
させた際に、理想的な垂直軸上に設定されている。この
場合、凹部48に立設される磁性芯体2の垂直度が位置
決め精度と関係するとともに、凹部48と磁性芯体2側
の磁性芯支持部38との結合度に関係しており、製造段
階で誤差を皆無にすることは不可能な事である。そこ
で、透孔54の直径は、組立の便宜と許容される誤差の
範囲で磁性芯体2の直径より僅かに大きく設定されてい
る。これは、組立の容易化に繋がることである。
【0029】また、ヘッドケース8の凹部50の表面に
は、透孔54の列間に溝部56が形成されている。この
実施例では、ヘッドケース8に磁性板26を接着剤で貼
り付けることから、溝部56はその接着剤溜まりとして
機能する。従って、溝部56に不要な接着剤が保持さ
れ、漏れ出しによる不都合を回避することができる。
【0030】そして、磁性板26には、高精度にドット
位置に対応させたマトリクス状を成す複数の透孔28が
形成されており、この透孔28に磁性芯体2の先端部が
挿入され、理想的なドット位置が設定される。
【0031】また、ヘッド基台6の下面側には、プリン
ト回路基板30が設置され、その半田付け面側には弾性
を備えた海綿状絶縁材料、例えば、スポンジで形成され
た絶縁マット58が当てられ、その下面側にカバー60
が設置される。カバー60は、金属板で形成されて断面
C字形を成しており、その両側に形成された突部61に
形成された固定孔62をヘッド基台6側の固定部18に
形成されたねじ孔に対応させてねじ63によって固定さ
れる。この実施例では、絶縁マット58がプリント回路
基板30に平面状を成す圧力を加えて、適当な保持力を
与えているとともに、機械的な強度を保持するためのカ
バー60が金属板であることから、プリント回路基板3
0の配線部とカバー60との電気的な絶縁機能を果たし
ている。また、カバー60は、金属板でされているか
ら、プリント回路基板30の配線部における電気的なシ
ールドとしても機能する。
【0032】次に、図4の(A)ないし(F)及び図5
の(A)及び(B)は、磁性芯体2の詳細を示してい
る。磁性芯体2には磁性材料で形成された円柱状を成す
シャフト64が用いられ、その頂部側に小径部66が形
成されている。この小径部66の先端がヘッド面4に臨
ませられ、表示単位であるドットに対応している。この
小径部66には、非磁性材料又は反磁性材料、例えば、
真鍮で形成されたカラー68が被せられる。このカラー
68とシャフト64との結合は圧入等の固定手段によっ
て行なう。このカラー68には、その内部に小径部66
に対応して小径部65とともに、シャフト64に対応す
る径の径大部70が段差を設けて形成され、その外面部
には磁性板26の透孔28に適合する小径部72が形成
され、この小径部72に段差を設けて径大部74が形成
され、さらに下部面側にはフランジ76が形成されてい
る。換言すれば、カラー68は、磁性芯体2のシャフト
64におけるキャップであり、側面側からの磁束の漏れ
を遮断する機能を果たすものである。
【0033】シャフト64の下部側に固定すべき磁性芯
支持部38には、上面側にシャフト64を固定する固定
孔67、下面側にリード40、42を固定するための一
対の固定孔69が形成されている。また、ボス部46に
は固定孔67に通じる小径の孔71が形成されており、
この孔71から接着剤が注入される。
【0034】この磁性芯体2は、図5の(A)に示すよ
うに組み立てられ、シャフト64には、図5の(B)に
示すように、チャック73にカラー68側を固定した
後、例えは、N方向に回転させてワイヤ75を巻き付
け、コイル44を巻回する。コイル端は、リード40、
42に半田や導電性接着剤等で電気的に接続する。な
お、コイル44は、空芯コイルを別に形成してシャフト
64に装着するようにしてもよい。
【0035】次に、図6の(A)ないし(D)及び図7
の(A)ないし(D)は、ヘッド基台6の詳細を示して
いる。ヘッド基台6の凹部10に形成されている凹部4
8は、磁性芯体2のドット配列を基準にして設定されて
いる。磁性芯体2の先端部のドット配列は、印字文字や
図形の品質を高めるため、できる限り接近していること
が望ましい。この実施例の磁気表示シート書込みヘッド
のドット配列は、5ドット1列を一組とし、それを4列
構成としている。各列は第1列D1 のドット間を補完す
る形態で第2列D2 、この第2列D2 を第3列D3 、第
3列目D3 を第4列D4 が補完するように1/2ドット
程度の変位を以て設定されている。このような配列形態
を実現するため、磁性芯体2の磁性芯支持部38を挿入
する凹部48をドット配列に対応して変位させている。
そして、各凹部48はヘッド基台6の背面側に磁性芯支
持部38に突出している円柱状のボス部46を挿入する
透孔78とともに、リード部40、42をヘッド基台6
の背面側に引き出すための一対の透孔80が透孔78を
挟んで形成されている。
【0036】また、凹部48は、磁性芯体2の磁性芯支
持部38の形態に対応した形状であって、図7の(A)
に示すように、ブーメラン状を成し、その内部にはヘッ
ド基台6の背面側に通じる透孔78、80が形成されて
いる。図7の(B)は、図6の(C)のB−B線断面で
ある。また、図7の(C)は、図6の(C)のC−C線
断面、また、図7の(D)は、図6の(C)のD−D線
断面である。
【0037】次に、図8の(A)ないし(E)はヘッド
ケース8の詳細を示し、図8の(E)は、図8の(D)
のE−E線断面を示している。このヘッドケース8の形
状及び構造は、図2を参照して説明した通りであるが、
各透孔54は、磁性芯体2の外形に対応した形態となっ
ている。即ち、ヘッドケース8の上面における透孔54
は、磁性芯体2に取り付けたカラー68の径大部74に
対応し、挿入を容易にするため、径大部74より僅かに
大きい直径となっている。そして、この透孔54は、ヘ
ッドケース8の内側では、磁性芯体2のカラー68の径
に対応してテーパを以て拡開させ、コイル44に対応し
て径大になっている。また、テーパ面55は、挿入すべ
き磁性芯体2の案内面を成しており、磁性芯体2の挿入
のために透孔54を実質的に拡大している。従って、ヘ
ッド基台6に立設した磁性芯体2が振れていても、この
案内面であるテーパ面55を以て容易に磁性芯体2を所
定のドット位置に挿入することができる。
【0038】次に、図9の(A)、(B)及び(C)
は、磁気表示シート書込みヘッドの詳細を示し、(A)
は磁気表示シート書込みヘッドの背面図、(B)は一部
を切り欠いた側面図、(C)は一部を切り欠いた他の側
面図である。即ち、図2ないしないし図8を参照して各
部を説明したが、磁性芯体2、ヘッド基台6及びヘッド
ケース8を組み立て、ヘッド基台6の背面側にプリント
回路基板30を設置すると、図9に示す磁気表示シート
書込みヘッドが得られる。
【0039】次に、図10は、本発明における磁気表示
シート書込みヘッドを用いて磁気表示を行なう磁気表示
シートの実施例を示している。
【0040】この実施例では、プラスチックで形成され
た磁気表示カード100には、磁気表示シート102が
貼り付けられており、その裏面側に磁気記録部104が
形成されている。磁気記録部104は、例えば、磁気記
録テープを成形技術によって埋め込んで形成されてい
る。
【0041】そして、図10の(C)は、磁気表示シー
ト102の拡大断面を示しており、磁気表示カード10
0の凹部106に磁気表示シート102が接着されてい
る。磁気表示シート102は、表面が黒色に近い褐色で
形成されたシート108と透明なシート110との間に
無数のマイクロカプセル112を封入し、各マイクロカ
プセル112は透明樹脂114で固定されている。各マ
イクロカプセル112には、液体等の透明な分散媒11
6とともに背景色と充分なコントラストを呈する感応磁
片118が封入されている。感応磁片118は、磁界作
用で着磁したとき、分散媒116中で移動し、その方向
が変化する。
【0042】次に、図11は、本発明の磁気表示シート
書込みヘッドを用いた磁気表示カード発行装置を一例を
示している。この磁気表示カード発行装置で発行される
磁気表示カード100の磁気表示シート102には残高
等の磁気表示、磁気記録部106には、磁気テープと同
様の磁気記録が行なわれ、IDコードや各種のデータが
書き込まれる。
【0043】この磁気表示カード100は、その蓄積部
としてのカードストック部200に蓄積されて保管され
る。このカードストック部200には、発行処理に当た
って1枚毎に排出する排出機構202が設置されてい
る。この排出機構202には、各種のプログラム制御を
行なう制御装置204が接続されている。この制御装置
204は、マイクロコンピュータ等で構成されており、
プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶す
るRAM、データ処理の演算処理を行なうCPU等を備
えている。そして、この制御装置204は、排出機構2
02に対し、カード発行時にその指令を受け、単一の磁
気表示カード2を移送路206側に排出させる。
【0044】この移送路206には、磁気表示カード1
00の磁気表示シート102に対する消字処理を行なう
消字手段として消字磁石208が設置されている。この
消字磁石208は、磁気表示カード100に対する初期
消字又は更新消字の何れにも用いられ、磁気表示シート
102を印字に際して整えるための手段である。この消
字磁石208には消字モード時に消字磁石208を移送
路206側に位置的に移動させて水平磁界を磁気表示シ
ート102に作用させるための駆動機構210が設けら
れており、この駆動機構210の駆動制御は制御装置2
04によって行なわれる。
【0045】この消字を経た磁気表示シート102に対
し、所定の磁気印字を行なう印字手段として磁気表示シ
ート書込みヘッド212が設けられている。このヘッド
212は、磁気表示シート102に対してドットを成す
垂直磁界を選択的に作用させ、磁化、非磁化によって文
字や記号等を磁気表示シート102に印字する。したが
って、このヘッド212には、制御装置204から印字
情報が与えられるとともに、印字モードにおいて、位置
を移送路206側の磁気表示カード100の磁気表示シ
ート102に接触させるための位置変更手段として駆動
機構214が設けられている。この駆動機構214も制
御装置204によって駆動が制御される。
【0046】そして、磁気表示カード100の磁気記録
部104に対するデータ書込み手段、そのデータ読取り
手段として書込み・読取りヘッド216が設置されてい
る。即ち、消字磁石208及びヘッド212が磁気表示
シート102側の磁気表示に関する処理手段であるのに
対し、この書込み・読取りヘッド216は磁気記録部1
04側の処理手段である。この書込み・読取りヘッド2
16には制御装置204を通じて書き込むべきデータが
与えられ、また、この書込み・読取りヘッド216を通
じて磁気表示カード100から読み取ったデータが制御
装置204に加えられる。したがって、制御装置204
は、データの書込み、読取り及びそれらの照合を行なう
処理手段を成している。
【0047】また、移送路206には、各種の処理に応
じて磁気表示カード100を移送する移送機構218が
設けられている。この移送機構218は、磁気表示カー
ド100を安定状態で移送する複数の搬送ローラ、回転
力を得るモータ等で構成されている。即ち、この移送機
構218も制御装置204によって制御され、カードス
トック部200から受け取った磁気表示カード100を
データの書込み、照合、消字、印字及び発行の各処理に
応じて矢印B、C、D、E、F、Gの各方向に移送す
る。そして、移送路206の終端部側には磁気表示カー
ド100を排出する排出部220が設けられている。
【0048】この磁気表示カード発行装置の動作ととも
に磁気表示シート書込みヘッド212の印字動作を説明
する。図12はこの磁気表示カード発行装置の処理動
作、図13は各処理モードと磁気表示カードの移動方向
を示している。
【0049】図12において、ステップS1(磁気表示
カード100の排出モード)では、制御装置204がカ
ードの発行指令を受けると、排出機構202によってカ
ードストック部200から1枚の磁気表示カード100
が排出される。カードストック部200から排出された
磁気表示カード100は移送機構218により、移送路
206側に取り込まれて図11の矢印Aで示す方向に移
送される。
【0050】次に、ステップS2(データ書込みモー
ド)に移行する。磁気表示カード100が矢印Bで示す
方向に移送されるとともに、書込み・読取りヘッド21
6が磁気表示カード100の磁気記録部104に接触す
る。したがって、この磁気記録部104に書込み・読取
りヘッド216を通してIDコード等の各種のデータが
書き込まれる。このデータ書込みは、磁気表示カード1
00を移送しながら行なわれる。
【0051】次に、ステップS3(照合モード)では、
磁気表示カード100は矢印Cで示す方向に移送され、
書込み・読取りヘッド216を通じて磁気表示カード1
00の磁気記録部104からデータの読取りが行なわ
れ、読み込んだデータと書き込むべきデータとの照合が
行なわれ、各データが不一致の場合にはステップS4に
移行する。
【0052】ステップS4では、ステップS2〜S3の
繰返しが3回に達したか否かを判定し、3回未満の場合
にはステップS2に戻り、3回に達した場合にはステッ
プS5に移行し、不良カードとして回収処理を行い、ス
テップS1に戻る。
【0053】再び、ステップS1、S2を経て、磁気表
示カード100の磁気記録シート102にデータの書込
みが行なわれた後、ステップS3でデータの照合が行な
われる。データ照合の結果、データが一致している場合
には、ステップS6に移行し、磁気表示カード100は
矢印Dで示すように、図面上、左側に移送される。
【0054】次に、ステップS7(消字モード)では、
磁気表示カード100を矢印Eで示す方向に移送すると
ともに、消字磁石208を移送路206側に移動させ、
磁気表示シート102の消字を行なう。
【0055】次に、ステップS8(印字モード)では、
消字後の磁気表示カード100の磁気表示シート102
に印字を行なう。この印字モードでは、磁気表示カード
100が矢印Fで示す方向に移送されるとともに、ヘッ
ド212が移送路206側に突出し、移送中の磁気表示
カード100の磁気表示シート102に文字、図形、記
号等が磁気印字される。そして、ステップS9では、印
字処理が行なわれた磁気表示カード100が、矢印Gで
示す方向に移送され、排出部220から発行される。
【0056】次に、図14は、印字モードにおける磁気
表示シート書込みヘッド212による印字処理を示して
いる。磁気表示カード100は、矢印Fで示す方向に移
送され、印字前に消字磁石208で消字、即ち、不要な
磁化を一方向に固定させる前処理が行なわれる。そし
て、磁気表示カード100が磁気表示シート書込みヘッ
ド212の位置に到来するとき、それに同期して磁気表
示シート書込みヘッド212の磁性芯体2は、表示すべ
き文字や図形に応じて選択的に励磁される。即ち、コイ
ル44は駆動電流の供給で励磁され、磁性芯体2の先端
部に垂直磁界φwが発生する。この垂直磁界φwが磁気
表示カード100の磁気表示シート102に交叉し、磁
化印字が行なわれる。
【0057】この消字及び印字を説明すると、図15
は、磁気表示カード100に対する消字磁石208によ
る消字及び磁気表示シート書込みヘッド212による磁
化印字を示している。図15の(A)に示すように、消
字磁石208の消字磁界φeは磁気表示カード100の
磁気表示シート102に水平に作用させる。このとき、
磁気表示シート102のマイクロカプセル112中の感
応磁片118は、その消字磁界φeで磁化され、その磁
界の方向により水平に整列させられる。感応磁片118
は、図10の(C)に示したように、特定の幅を持った
リボン状であって、非透明である。即ち、磁気表示シー
ト102への入射光Liは、感応磁片118で反射さ
れ、その反射光Lrが得られる。この結果、磁気表示シ
ート102には、感応磁片118の着色に応じた色が現
れ、この色を例えば、白とする。
【0058】そして、(B)に示すように、磁気表示シ
ート書込みヘッド212による垂直磁界φwが作用する
と、この垂直磁界φwにより、マイクロカプセル112
中の感応磁片118は磁化され、その磁界の方向により
垂直状態に整列させられる。この場合、磁気表示シート
102のシート108の上面の着色を黒に設定するもの
とする。この場合、入射光Li は、感応磁片118で遮
られることなくマイクロカプセル112を通過し、シー
ト108の表面に至る。このシート108で得られる反
射光Lrは、そのシート108の着色に応じた色、即
ち、黒を呈する。即ち、背景色を白とし、その中に選択
的な磁化で生じた黒、即ち、磁気表示シート書込みヘッ
ド212のドット単位からなる黒の点又は線が現れ、こ
れが文字や図形として表示されることになる。
【0059】このような選択的な磁化により、磁気表示
カード100の磁気表示シート102には、図16に示
すように、文字が表示されることになる。この文字も、
再び消字磁石208による消字磁界φe即ち、水平磁界
を作用させると、消字させることができ、再び、磁気表
示シート書込みヘッド212で印字させることができ
る。磁気表示シート102は繰り返し磁化印字を行なう
ことができる。
【0060】次に、磁性芯体2に装着されたカラー68
の機能について説明する。カラー68は、磁性芯体2に
発生する垂直磁界φwの方向調整を企図したものであ
る。磁性芯体2の棒状を成すシャフト64にコイル44
が巻回されているので、シャフト64の軸方向に磁界が
発生するが、コイル44の巻回位置はシャフト64の先
端側より中途側である。しかも、図4の(A)に示すよ
うに、磁性芯体2の先端部側は小径部66とされてお
り、しかも、先端部及び小径部66に至る部分に角部が
形成されているので、この部分からの磁力線の放出があ
る。特に、小径部66を形成するのは、ドット径の微細
化にあるが、必要な垂直磁界φwを得る上でシャフト6
4の径を大きくすることが必要である。このような状況
では、磁性芯体2の先端部側での垂直磁界φwは、磁性
芯体2の先端部側を取り巻く球体状を成すことになり、
磁性芯体2のシャフト64のみでは垂直磁界φwの先鋭
化は困難となる。
【0061】この磁気表示シート書込みヘッドでは、磁
性芯体2の先端部側にカラー68を被せることで、その
周面部側の磁気抵抗を高く設定している。即ち、カラー
68が設置されたことで、磁性芯体2に生じる垂直磁界
φwの方向性及び集中化を可能にしたものである。特
に、カラー68が真鍮等の非磁性体ないし反磁性体で形
成される結果、垂直磁界φwの先鋭化及び集中化が可能
となり、磁気表示シート102に対して先鋭な磁化を行
なうことができる。したがって、このようなカラー68
の設置で印字品質の向上が図られるのである。
【0062】次に、磁性板26の機能を図17を参照し
て説明する。磁性板26は、各磁性芯体2の端面との間
で空隙を媒介とした閉磁路を構成するものである。磁性
芯体2が励磁されているとき、磁性板26も磁化される
ことになる。磁化された磁性体には、そのエッジ部分か
ら磁力線が集中的に生じることが知られている。このよ
うな現象は磁性板26も例外ではない。例えば、磁性板
26のエッジがヘッド面4に置かれている場合には、そ
のエッジ部からの磁力線が磁気表示シート102の感応
磁片118に影響を与え、印字に必要な磁界に対してノ
イズ成分として作用する。即ち、SN比の低下が印字品
質に大きく影響することになる。
【0063】そこで、この磁気表示シート書込みヘッド
では、図18に示すように、磁性板26が水平面を成す
ヘッド面4から湾曲して後退、即ち、磁気表示シート1
02から離間している。即ち、磁性板26は、湾曲部2
6A、26Bが形成されて、磁気表示シート102から
後退するように構成されている。特に、磁性板26のエ
ッジ26Cは、磁気表示シート102に対する影響が生
じない距離まで離れており、磁性板26による不要磁界
の影響を回避することができる。したがって、磁気表示
シート102に対する印字精度ないし品質を高めること
ができる。
【0064】なお、このように磁性板26を湾曲させた
ことで、移送される磁気表示カード100との衝突を防
止でき、滑らかな印字処理が可能になることは言うまで
もない。
【0065】次に、図19は本発明の磁気表示シート書
込みヘッドの第2実施例を示している。
【0066】第1実施例では、図1及び図2に示すよう
に、ヘッド基台6の上面に凹部10を形成し、この凹部
10を基準面としてヘッドケース8の位置決めを行い、
ヘッド基台6とヘッドケース8との結合位置、即ち、磁
性芯体2の配列位置を設定している。これに対し、第2
実施例の磁気表示シート書込みヘッドでは、ヘッド基台
6の上面部を基準面とし、位置決め手段として平行な位
置関係を持ちかつ形状精度の高い溝部81、82が形成
されている。これに対応し、ヘッドケース8には、溝部
81、82と共通した位置関係及び形状精度の高い突部
91、92が形成されている。したがって、ヘッド基台
6とヘッドケース8とは溝部81に突部91、溝部82
に突部92を挿入させることにより、ヘッド基台6の上
面にはヘッドケース8を高精度に結合させることができ
る。このような凹部81、82及び突部91、92の位
置決め手段によっても、第1実施例と同様の位置決め精
度を実現することができる。
【0067】次に、図20は本発明の磁気表示シート書
込みヘッドの第3実施例を示している。
【0068】第1及び第2の実施例では、ヘッド基台6
とヘッドケース8との位置決めを両者間の凹部及び突部
の位置及び結合により実現している。これに対し、第3
実施例では、ヘッド基台6の上面をフラット面に設定
し、固定孔21の外側部分に位置決め手段としてキー孔
としての位置決め孔83、84が形成されている。位置
決め孔83は円形、位置決め孔84は長円形に設定して
いるが、このような変則的な孔形状としているのは、ヘ
ッド基台6の合成樹脂による成形誤差の吸収のためであ
る。このようなヘッド基台6に対応し、ヘッドケース8
側には位置決め孔83、84に挿入される位置決めピン
93、94が形成されている。各ピン93、94は、位
置決め孔83に対応した円柱状を成しており、形成位置
は位置決め孔83、84の位置に対応している。したが
って、ヘッド基台6とヘッドケース8とは位置決め孔8
3にピン93、位置決め孔84にピン94を挿入させる
ことにより、ヘッド基台6の上面にはヘッドケース8を
高精度に結合させることができる。このような位置決め
孔83、84及びピン93、94の位置決め手段によっ
ても、第1及び第2実施例と同様の位置決め精度を実現
することができる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
磁性芯体の径小化による微細なドット径を実現でき、各
磁性芯体の近接化でドット間の密着度が高くなり、文字
の小型化とともに印字品質の向上を図ることができ、部
品点数の削減による構造の単純化、固定構造の簡易化、
組み立ての容易化及び迅速化を図って、信頼性の高い磁
気表示シート書込みヘッドを提供できる。
【0070】また、本発明によれば、磁性芯体の先端部
側に非磁性材料ないし反磁性材料からなるカラーを被せ
ることにより、必要な磁界と不要な磁界との間に充分な
レベル差を発生させることができ、印字品質の向上を図
ることができる。
【0071】そして、本発明によれば、ヘッド面の磁性
板が書き込むべき磁気表示シートと相対的な移動関係を
持つ方向の角部をヘッド面より湾曲させて後退させるこ
とにより、磁気表示シートに対して着磁状態にある磁性
板の磁気的な影響を回避でき、印字品質の向上を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気表示シート書込みヘッドの第1実
施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示した磁気表示シート書込みヘッドのヘ
ッド基台及びヘッドケース側の分解斜視図である。
【図3】図1に示した磁気表示シート書込みヘッドのヘ
ッド基台の背面側の分解斜視図である。
【図4】図1に示した磁気表示シート書込みヘッドの磁
性芯体を示す分解図である。
【図5】図4に示した磁性芯体を示し、(A)はその縦
断面図、(B)は磁性芯体におけるコイルの巻回を示す
図である。
【図6】図1に示した磁気表示シート書込みヘッドにお
けるヘッド基台を示し、(A)はその平面図、(B)は
その側面図、(C)その背面図、(D)はその側面図で
ある。
【図7】図6に示したヘッド基台の部分図であり、
(A)はその凹部の形態を示す図、(B)、(C)及び
(D)は図6の(C)に指摘した部分断面図である。
【図8】図1に示した磁気表示シート書込みヘッドにお
けるヘッドケースを示し、(A)はその平面図、(B)
及び(C)はその側面図、(D)はその背面図、(E)
はその縦断面図である。
【図9】図1に示した磁気表示シート書込みヘッドを示
し、(A)はその背面図、(B)及び(C)は部分断面
側面図である。
【図10】図1に示した磁気表示シート書込みヘッドで
書込み可能な磁気表示カードを示し、(A)はその表面
側を示す斜視図、(B)はその背面側を示す斜視図、
(C)は(A)のCーC線拡大断面図である。
【図11】本発明の磁気表示シート書込みヘッドを用い
た磁気表示カード発行装置を示すブロック図である。
【図12】図11に示した磁気表示カード発行装置の動
作を示すフローチャートである。
【図13】図11に示した磁気表示カード発行装置にお
ける磁気表示カードの移送及び処理を示す図である。
【図14】図1に示した磁気表示シート書込みヘッドの
磁化印字動作を示す要部断面図である。
【図15】磁気表示シートの消字及び印字の原理を示す
図である。
【図16】磁気表示カードの磁気表示シートへの印字例
を示す平面図である。
【図17】磁性芯体におけるカラーの作用を説明するた
めの要部断面図である。
【図18】磁気表示シート書込みヘッドにおける磁性板
の形状的な作用を説明するための要部断面図である。
【図19】本発明の磁気表示シート書込みヘッドの第2
実施例を示す分解斜視図である。
【図20】本発明の磁気表示シート書込みヘッドの第3
実施例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
2 磁性芯体 4 ヘッド面 6 ヘッド基台 8 ヘッドケース(ケース部材) 10 第2の凹部 26 磁性板 26A,26B 湾曲部 28 透孔 38 磁性芯支持部 48 第1の凹部 68 カラー 102 磁気表示シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状を成す複数の磁性芯体に磁性芯支持
    部を取り付け、この磁性芯支持部をヘッド基台に形成し
    た凹部に挿入して前記磁性芯体をマトリクス状に直立さ
    せ、ヘッド面に磁性板を取り付けたケースを前記磁性芯
    体の先端部を前記磁性板の透孔から前記ヘッド面に露出
    させて被せるとともに、前記ヘッド基台に形成した基準
    面で位置決めして前記ヘッド基台に固定してなることを
    特徴とする磁気表示シート書込みヘッド。
  2. 【請求項2】 前記磁性芯体の先端部側には非磁性材料
    ないし反磁性材料からなるカラーを被せたことを特徴と
    する請求項1記載の磁気表示シート書込みヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁性板は、書込むべき磁気表示シー
    トと相対的な移動関係を持つ方向の角部を前記ヘッド面
    より湾曲させて後退させたことを特徴とする請求項1記
    載の磁気表示シート書込みヘッド。
JP5053083A 1993-02-18 1993-02-18 磁気表示シート書込みヘッド Pending JPH06243278A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013501907A (ja) * 2009-07-23 2013-01-17 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 磁力線集束のための反磁性材料の使用方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013501907A (ja) * 2009-07-23 2013-01-17 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 磁力線集束のための反磁性材料の使用方法

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