JPH06238135A - 中空糸型濾過膜モジュールの透過流束回復方法 - Google Patents

中空糸型濾過膜モジュールの透過流束回復方法

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JPH06238135A
JPH06238135A JP5148393A JP5148393A JPH06238135A JP H06238135 A JPH06238135 A JP H06238135A JP 5148393 A JP5148393 A JP 5148393A JP 5148393 A JP5148393 A JP 5148393A JP H06238135 A JPH06238135 A JP H06238135A
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membrane
hollow fiber
membrane module
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Kohei Urano
紘平 浦野
Tomonobu Ase
智暢 阿瀬
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 瀘過膜モジュールを利用した浄化処理システ
ムにおいてランニングコストの低減化を図ると共に、回
収率も高くでき、有機物等の付着物による瀘過膜の目詰
まりも防止できる浄化方法を提供する。 【構成】 水を中空糸型限外または精密瀘過膜モジュー
ルを用いて内圧式クロスフロー瀘過により浄化する方法
において、通常運転では、原水流入量に対し、循環量が
ゼロを越え6倍以下で、かつ膜面線速が0.005〜
0.5m/secでクロスフローを行いながら全量瀘過
し、逆洗に際しては前記濾過膜モジュールからの透過水
等により、圧力制御またはあらかじめ定められた周期で
所定圧で間欠的に行い、前記通常運転において、数日以
上の間隔で所定時間、前記瀘過膜モジュールの上流側で
前記原水に鉱物微粒子や微小セルロース繊維等の微粒子
添加剤を添加することを特徴とする中空糸型濾過膜モジ
ュールの透過流束回復方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、河川水や湖沼水等の表
流水に代表される水を中空糸型限外または精密濾過膜モ
ジュールを用いて膜浄化する際の濾過膜モジュールの透
過流束の回復方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、河川水や湖沼水等の表流水から水
道水を得るための浄水処理システムとしては、凝集−沈
澱−砂濾過−塩素滅菌工程を経るのが一般的である。こ
のような工程を実現するためには、凝集池、沈澱池、砂
濾過池、塩素滅菌設備が必要であり、大きな設置スペー
スを要するという問題点がある。加えて、近年河川等の
水源の汚濁が進んでいるため、これに対する新しい高度
浄水処理システムの開発が求められ、上記工程に活性炭
処理システムやオゾン処理システムを付加することが提
案されている。
【0003】しかしながら、従来の浄水処理システムに
上述した活性炭処理システムやオゾン処理システムを付
加することは、設置スペースの更なる増加を招き、複雑
な計測制御技術をも必要とする新たな問題点が生ずる。
【0004】これに対し、限外又は精密濾過膜と呼ばれ
る新しい材料の利用技術が多方面にわたって提案されて
おり、その一例として中空糸型限外又は精密濾過膜モジ
ュールを使用した浄水処理システムの実用化が検討され
ている。
【0005】その一例を図7を参照して説明する。図7
において、逆止弁30を経て導入された河川水等の原水
は、ポンプ31により昇圧されて中空糸型限外瀘過膜モ
ジュール(以下、UFモジュールと呼ぶことがある)3
2に供給される。UFモジュール32は、簡単に言え
ば、中空糸状の限外瀘過膜を多数集合させたものであ
り、この中空糸膜の内側に濁質成分を含む原水を供給す
ると、濁質成分を除去された透過水が中空糸膜外に得ら
れる。このようにして、UFモジュール32では、限外
瀘過膜の瀘過作用により濁質成分を除去した透過水を、
透過水自動弁33を通して次段の処理施設に供給する。
【0006】ところで、UFモジュール32内では中空
糸膜の内側表面に透過されない濁質成分が蓄積し、詰ま
って処理能力の低下、ひいては運転停止の原因となるの
で、これを排出する処理が必要である。これは、UFモ
ジュール32の中空糸膜に供給する水流を高速とするこ
とで実現されている。すなわち、中空糸膜の内表面に糸
の長さ方向と平行に高速の水流(クロスフロー)を与え
ることで中空糸膜の内表面に付着している濁質成分を、
いわばはぎとるものである。
【0007】このため、UFモジュール32内における
中空糸膜の内側に連通する出口には、濁質成分を大量に
含んだ濃縮水を濃縮水排出自動弁34を通してその一部
を常時排出する経路35と、高速の水流を得るためにU
Fモジュール32に供給された原水をポンプ31のサク
ション側に戻すための循環経路36が接続される。ポン
プ31のサクション側に戻される循環流量は、逆止弁3
0を経て供給される原水の流量に比べて通常10倍程度
以上とはるかに多い。このようにしてUFモジュール3
2からポンプ31のサクション側に原水を戻す処理方式
はクロスフロー方式と呼ばれている。
【0008】このようなクロスフローのため、ポンプ3
1の容量は、同程度の処理能力を持つ従来の凝集ー沈澱
ー砂濾過による浄水処理システムにおけるポンプの容量
に比べてはるかに大きく、従って電力消費量も従来方式
のポンプの電力消費量に比べてはるかに多く、ランニン
グコストが高くなるという問題点がある。加えて、濃縮
水の排出は連続して行われており、例えば原水の流入量
を1としたとき、透過水を0.3得る場合は、濃縮水の
割合は0.7となり、水の大部分を捨てていることにな
るので、回収率は30%と悪いという問題点もある。な
お、ここでは透過水の流量をP、濃縮水の排出流量をC
とすると、回収率は100×P/(P+C)(%)で表
される。
【0009】さらに、上記にようにクロスフローを行っ
ても濾過膜を長期間使用すると、その処理能力が徐々に
低下する。この原因は、通常のクロスフローでは除去す
ることの難しい原水中の有機物等(以下「付着物」と称
す)が濾過膜表面に付着するためと推定される。通常濾
過膜は長期間使用するので、このような付着物の除去対
策も必要である。
【0010】濾過膜の処理能力を低下させない、あるい
は回復させる技術としてはこの分野ではこれまでに種々
知られている。特開平4−176327号公報には、濾
過装置に存在させた担体を水流により運動させ、濾過部
に付着した付着物に接触させて付着物を除去する外圧型
中空糸膜モジュールからなる濾過装置の洗浄方法が開示
されている。担体としては、ポリエチレンなどの球状、
筒状、スポンジ状で、0.5mm〜30mm程度のサイ
ズを有するものである。特公昭56−28563号公報
には、透過膜濾材に発生、付着したスケールを除去する
方法として、固形粒状物を洗浄時にのみ処理液中に混合
させ、濾過膜表面に積極的に衝突させる特定の技術が開
示されている。特開昭62ー29986号公報には、生
物工学的に製造した有用物質を細胞浮遊液からクロスフ
ローミクロ濾過により分離する方法において、粒度50
0μm以下の固体成分0.05〜1重量%添加する技術
が開示されている。固体成分としては繊維状のセルロー
スが最も好適であり、アルミニウム珪酸ナトリウムや水
酸化鉄のような固体材料では効果はないと記載されてい
る。また、特開平4−15013号公報には濾過膜に微
粒子を堆積させて濾過性能を回復させる技術が、特開平
4ー114722号公報には無機微粒子がプリコートさ
れた中空糸膜を用いて有機物を含む液を濾過し、液の透
過量が低下したときに短時間濾過を停止し、無機微粒子
を逆洗により剥離させて系外に抜き出し、再度無機微粒
子を膜にプリコートして濾過膜を再生させる方法が、特
開平4ー90831号公報には、外圧型中空糸膜の表面
に酸化鉄の微粒子の被覆膜を形成させ原水を濾過する方
法において、前記被覆膜の形成方法に関する技術が、そ
れぞれ開示されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0011】本発明の課題は前記中空糸型限外または精
密瀘過膜モジュールを利用した水の膜浄化処理システム
において、ランニングコストの低減化を図ると共に回収
率も高くでき、かつ瀘過膜表面に付着した付着物を効果
的に除去して透過流束を回復する方法を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第一によれば、
水を中空糸型限外または精密瀘過膜モジュールを用いて
内圧式クロスフロー瀘過により浄化する方法において、
通常運転においては、原水流入量に対し、循環量がゼロ
を越え6倍以下で、かつ膜面線速が0.005〜0.5
m/secでクロスフローを行いながら全量瀘過し、前
記瀘過膜モジュールの逆洗に際しては、前記濾過膜モジ
ュールからの透過水または別途供給される清浄水によ
り、圧力制御またはあらかじめ定められた周期で所定圧
で間欠的に行い、前記通常運転において、数日以上の間
隔で所定時間、前記瀘過膜モジュールの上流側で前記原
水に微粒子添加剤を添加することを特徴とする中空糸型
濾過膜モジュールの透過流束回復方法が提供される。
【0013】また本発明の第一において、微粒子添加剤
としては鉱物微粒子であることが好ましい。以下、本発
明について詳しく説明する。
【0014】本発明で用いる微粒子添加剤は実質的に水
に不溶性のものであり、平均粒径が0.1〜50μの範
囲にあるものが好ましい。この様な微粒子としてはカオ
リン、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、酸
性白土、ケイソウ土、微小セルロース繊維、ウォラスト
ナイト、ドロマイト粉、シリカ、ハロサイトクレー、タ
ルク、マイカ、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、酸化亜鉛、
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタ
ン、アルミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、中で
もカオリン、活性白土、酸性白土、ケイソウ土、ケイ酸
塩等の鉱物微粒子または微小セルロース繊維などが好ま
しい。
【0015】なお、前記濾過膜モジュールはその膜材質
が酢酸セルロースであるものが最適であり、その形状と
しては中空糸型であって、中空糸膜の内側に原水を流入
させる内圧方式を採用する。
【0016】また、前記逆洗時の前記所定圧は,前記通
常運転時の運転圧の実質上1.0倍以上3倍以下とする
ことが望ましい。更に好ましくは1.3倍以上である。
【0017】逆洗に用いられる水は、膜透過水であって
もよく、あるいはまた最終的に得られる水道水等の清浄
水を別途供給してもよい。逆洗はあらかじめ定められた
周期による時間制御でも圧力制御であってもよく、圧力
制御の場合は運転圧の実質上1.3倍以上で動作する様
にすればよい。また逆洗に用いられる前記水には、次亜
塩素酸ソーダ、塩素、過酸化水素、オゾン等の酸化性殺
菌剤を含有させることが好ましい。これらは殺菌ととも
に膜面付着物の分解・洗浄効果を有する。
【0018】
【作用】本発明においては、数日以上の間隔、例えば1
0〜20日毎に所定時間、例えば3時間微粒子添加剤を
原水に添加することにより、付着物の除去が行われる。
添加量は濾過膜の処理能力の低下程度により適宜決めら
れるが、通常原水に対して10〜50ppm程度が好ま
しい。なお、添加された微粒子添加剤は瀘過膜を透過せ
ず、逆洗時に濃縮水と共にシステム外に排出される。
【0019】本発明の好ましい態様では微粒子添加剤の
添加に加え、通常運転中は膜モジュールへ戻すクロスフ
ローの水量(循環量)は極限まで減らし、瀘過膜表面に
付着した濁質成分の除去は主に圧力制御または定時間間
隔で行われる逆洗によって実現される。すなわち、逆洗
により、瀘過膜表面に付着した濁質成分は中空糸膜の外
面側からの逆流により洗浄されることになる。通常運転
中は濃縮水を排出せず、見かけ上の全量瀘過とし、逆洗
時のみ一定量の洗浄水をシステム外に排出する。従っ
て、本発明を適用した水の膜浄化方式は、低循環量のク
ロスフロー瀘過方式を併用した見かけ上の全量瀘過方式
といえるものである。この場合透過水の流量をP、洗浄
水の排出流量をCとすると、回収率は100×(P−
C)/P(%)で表され、回収率90%以上99%以下
で運転することが可能である。
【0020】
【実施例】以下にUFモジュールを用いた場合の本発明
の一実施例について、図面を参照して説明するが、精密
濾過膜モジュールを用いても同様に行うことが出来る。
図1は本発明の透過流束回復方法を適用した水の浄化方
法を実施する処理システムの構成例を示す模式図であ
り、従来例と同様の逆止弁10、ポンプ11、UFモジ
ュール12、透過水自動弁13、洗浄水排出自動弁14
の構成に加えて、透過水を蓄積するための透過水タンク
17、蓄積された透過水をUFモジュール12の出口側
に戻して逆洗を行うためのポンプ18、逆洗自動弁19
とを設けている。更に、瀘過膜に付着した付着物を除去
するため、ポンプ11より上流側の原水供給ラインに微
粒子添加剤としてカオリンの添加器20を設けている。
【0021】この処理システムの運転は次のようにして
行われる。通常運転に際しては、透過水自動弁13を
開、洗浄水排出自動弁14、逆洗自動弁19は共に閉と
し、ポンプ18を停止状態におく。このようにして、逆
止弁10を経て導入された河川水等の原水は、ポンプ1
1により昇圧されてUFモジュール12に供給される。
UFモジュール12では、限外瀘過膜の瀘過作用により
濁質成分を除去した透過水を、透過水自動弁13を通し
て透過水タンク17に蓄積する。透過水タンク17に蓄
積された透過水は、オーバフローして次段の処理システ
ムに送られる。なお、この通常運転の間、循環経路16
を通して原水の流入量に対してゼロを越え6倍以下程度
の量のクロスフローが行われるが、透過水量は原水量に
ほぼ等しい。
【0022】逆洗は、例えば30分ないし1時間程度の
定時間間隔で30〜60secの間行われる。この場
合、原水の供給を停止すると共に透過水自動弁13を
閉、洗浄水排出自動弁14、逆洗自動弁19は共に開と
し、ポンプ11を停止状態、ポンプ18と薬注ポンプ2
2とを運転する。このようにして、透過水タンク17に
蓄積された透過水の一部を利用してUFモジュール12
に対する逆洗が行われ、逆洗により中空糸膜の内壁から
はぎとられた濁質成分は、洗浄水として洗浄水排出自動
弁14を通してシステム外に排出される。逆洗水量は洗
浄水排出水量に等しい。以上の結果、本発明を適用した
処理システムにおいても透過水の流量をP、洗浄水の排
出流量をCとすると、回収率は100×P/(P+C)
%で表される。
【0023】本発明では、瀘過膜に付着した付着物を除
去するために、後述するように、数日〜十数日程度の間
隔で所定時間だけカオリンの添加器20を作動させてカ
オリンを原水に添加する。カオリンは、瀘過膜の孔より
大きい粒径を有し、瀘過膜を透過することは無く、瀘過
膜に付着した付着物をいわば、はぎとる役目を果たす。
はぎとられた付着物及び微粒子添加剤は、上述したよう
に数十分の間隔で行われる逆洗時の濁質成分の濃縮水と
共にシステム外に排出される。
【0024】以下、図1の膜浄化装置を用いて行った各
種の測定結果を参照しながら説明する。図2〜5は逆洗
の効果を調べる参考例であり、カオリンの添加は行わな
かった。 図2は横軸の運転日数、縦軸のフラックスと
も称される単位面積・時間当たりの流束(以下、単に
「流束」と略す、単位はリットル/m2・h、但し25
℃、1kg/cm2換算)変化との関係を示した図で、
運転条件としては、UFモジュール12の材質に分画分
子量30000のポリエーテルスルホンを使用し、膜面
積は2.2m2、平均運転圧は1kg/cm2とした。
【0025】図2から明らかなように、比較参考例とし
て示すクロスフローなしの通常の全量濾過方式で運転し
た場合(図中、白丸の曲線イ)には、逆洗を行っても濁
質成分の除去が不十分で目詰りを生じ時間経過と共に流
束の低下が著しい。また1m/secの膜面線速(原水
流入量に対する循環量の倍率約8倍)でクロスフローを
行う従来法(回収率20%で運転)で、逆洗はなしの場
合(図中、黒三角の曲線ハ)は、曲線イより流束低下は
改善される。これに対し0.01m/secの遅い膜面
線速(前記循環倍率約0.4倍)でもクロスフローを行
いながら定周期で逆洗も行う場合(図中、白三角の曲線
ロ)、曲線イよりは流束の低下は抑制される。更に、逆
洗を行いながら0.1m/secの線速(前記循環倍率
約4倍)でクロスフローを行うと(図中、黒丸の曲線
ニ)、曲線ハよりも流束低下が改善される。
【0026】図3は運転日数(横軸)と流束(縦軸、1
5℃で測定)との関係に及ぼす回収率の影響を示した図
で、運転条件としては、UFモジュール12の材質に酢
酸セルロースを使用し、膜面積は1.3m2、平均運転
圧は1kg/cm2、原水の流入量は100リットル/
h、膜循環水量は300リットル/h、逆洗圧は1.5
kg/cm2とした。回収率を98%とすると、これは
逆洗時に排出される洗浄水中の濁質成分は50倍程度に
濃縮されることを意味し、回収率を95%とすると、こ
れは逆洗時に排出される洗浄水の濁質成分は20倍程度
に濃縮されることを意味する。回収率を高め、逆洗時に
排出される洗浄水中の濁質成分の濃度を高めて排水量を
少なくすることがより好ましいが、回収率を上げると流
束低下が早まるので、バランス上回収率はある限界値を
定めてこの値に維持することが必要であり、図3より、
回収率は95%程度が好ましいことがわかる。この値は
図7で説明した方式に比べて、濃縮水として無駄に排出
される水量が大幅に少なくて済むことを表わしている。
【0027】図4は運転日数(横軸)と流束(縦軸、1
5℃で測定)との関係に及ぼす逆洗圧の影響を示した図
で、運転条件としては、UFモジュール12の材質に酢
酸セルロースを使用し、膜面積は1.3m2、平均運転
圧は1kg/cm2、原水の流入量は100リットル/
h、膜循環水量は300リットル/h、回収率は94〜
95%とした。本結果により、逆洗圧は高いほうが流束
の経時的低下が低く、しかも平均運転圧より高い方が良
いことが理解できる。逆洗圧は1.5kg/cm2程度
が最適で、1.3kg/cm2程度でも十分な効果が期
待でき、従って平均運転圧の1.3倍以上とするのが好
ましい。
【0028】図5は、運転日数(横軸)とUFモジュー
ル12の膜素材による流束(縦軸、15℃で測定)の変
化との関係を示した図である。運転条件としては、UF
モジュール12の平均運転圧は1kg/cm2、原水の
流入量は100リットル/h、膜循環水量は300リッ
トル/h、逆洗圧は1.0kg/cm2とした。図から
明らかなように、分画分子量150000の酢酸セルロ
ース(CA)が最も流束が大きく、経時的低下も低いこ
とが理解できる。
【0029】なお、河川水には疎水性の濁質成分が多く
含まれていることが多く、疎水性の濁質成分除去には親
水性の膜素材が好ましいと考えられる。以上の点からU
Fモジュール12の膜素材としては、酢酸セルロースが
好ましい。
【0030】図6は本発明によりカオリンを原水に添加
した場合の透過水の流束の回復性を測定した結果を示し
た図である。運転条件は、分画分子量30000のポリ
エーテルスルホンで、膜面積2.2m2のUFモジュー
ル12を使用し、平均運転圧が1kg/cm2、膜循環
水量は300リットル/h、逆洗圧は1.5kg/cm
2とした。図中の矢印は、カオリンを原水に対し30m
g/リットルの割合で添加した時点を示す。図からも明
らかなように、カオリンは常時添加する必要は無く、添
加量は30mg/リットル程度で良い。言い換えれば、
カオリンは透過水の流束が低下した時点で添加すれば良
く、その目安は本例では40リットル/m2・hであ
り、この時点でカオリンを添加することにより流束は6
0リットル/m2・hまで回復することが確認された。
【0031】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は表流水のみならず各種の水に適用できることはいう
までも無い。
【0032】
【発明の効果】以上UFモジュールを例にして説明して
きたように、本発明によれば逆洗では除去が困難な瀘過
膜に付着した付着物の除去も行うことにより、付着物に
起因する瀘過膜の目詰まりを防止して透過膜モジュール
の透過流束を回復させることが出来る。また本発明を適
用した水の膜浄化システムにおいては、全量瀘過に近い
方式で無駄に排出される水量が非常に少ない。しかも、
従来のような凝集槽や沈澱槽を必要としない省スペース
タイプで設置も容易であり、使用するUFモジュール又
は精密瀘過モジュールに対するクロスフロー量(循環
量)も従来方式に比べてはるかに少なくて済むので、U
Fモジュール又は精密瀘過モジュールに原水を供給する
と共にクロスフローを行うためのポンプも大容量のもの
を必要とせず小型のものでよく、ポンプの電力消費量を
大幅に減らすことが出来る。従って、従来の大循環量に
よるクロスフローに比し、ランニングコストが小さくな
り、より長時間の運転が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した水の膜浄化を実施するため
の浄化装置の構成を示す模式図である。
【図2】 図1に示された構成において各種条件を設定
して運転した場合の運転日数と流束変化との関係を示し
た図である。
【図3】 図1に示された構成において各種条件を設定
して運転した場合の運転日数と流束の関係に及ぼす回収
率の影響を示した図である。
【図4】 図1に示された構成において各種条件を設定
して運転した場合の運転日数と流束の関係に及ぼす逆洗
圧の影響を示した図である。
【図5】 図1に示された構成において各種条件を設定
して運転した場合の運転日数と流束の関係に及ぼすUF
モジュール12の膜素材による影響を示した図である。
【図6】 本発明によりカオリンを添加した場合の透過
水の流束の回復性を測定した結果を示した図である。
【図7】 UFモジュール利用による従来の浄化方法を
実施するための構成を示す模式図である。
【符号の説明】
10、30 逆止弁 11、18、31、 ポンプ 12、32 UFモジュール 13、33 透過水自動弁 14、 洗浄水排出自動弁 17 透過水タンク 19 逆洗自動弁 20 微粒子添加剤添加器 34 濃縮水排出自動弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水を中空糸型限外または精密瀘過膜モジ
    ュールを用いて内圧式クロスフロー瀘過により浄化する
    方法において、通常運転においては、原水流入量に対
    し、循環量がゼロを越え6倍以下で、かつ膜面線速が
    0.005〜0.5m/secでクロスフローを行いな
    がら全量瀘過し、前記瀘過膜モジュールの逆洗に際して
    は、前記濾過膜モジュールからの透過水または別途供給
    される清浄水により、圧力制御またはあらかじめ定めら
    れた周期で所定圧で間欠的に行い、前記通常運転におい
    て、数日以上の間隔で所定時間、前記瀘過膜モジュール
    の上流側で前記原水に微粒子添加剤を添加することを特
    徴とする中空糸型濾過膜モジュールの透過流束回復方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の中空糸型濾過膜モジュー
    ルの透過流束回復方法において、前記微粒子添加剤は鉱
    物微粒子または微小セルロース繊維であることを特徴と
    する中空糸型濾過膜モジュールの透過流束回復方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の濾過膜モジュールの透過
    流束回復方法において、前記逆洗に使用する透過水また
    は清浄水に酸化性殺菌剤を含有させることを特徴とする
    中空糸型濾過膜モジュールの透過流束回復方法。
JP5148393A 1993-02-17 1993-02-17 中空糸型濾過膜モジュールの透過流束回復方法 Pending JPH06238135A (ja)

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JP (1) JPH06238135A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08141375A (ja) * 1994-11-22 1996-06-04 Daicel Chem Ind Ltd 濾過膜モジュールの洗浄方法
EP1034835A1 (en) * 1999-03-05 2000-09-13 Biothane Systems International B.V. Method of cleaning solid/liquid separation element and solid/liquid separation apparatus
KR20000063340A (ko) * 2000-06-28 2000-11-06 주용현 한외여과막을 이용한 반도체 쇼잉공정폐수의 처리방법
JP2006130452A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Mhi Environment Engineering Co Ltd 焼却灰含有水の濾過システム、及び、それの濾過方法
EP1920821A1 (en) * 2006-10-31 2008-05-14 JohnsonDiversey, Inc. Membrane surface cleaning using particles

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