JPH06237926A - Ｘ線診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、被検体の交替を確実に検出して連続
曝射時間のゼロリセットを含むリセットを行うことので
きるＸ線診断装置を提供することを目的とする。 【構成】本発明は、立位から傾斜位間で起倒可能な起倒
式撮影台１を備え、曝射時間をタイマー管理するＸ線診
断装置において、起倒撮影台１が立位の姿勢であること
を検出する立位検出装置３と、起倒撮影台１に載置され
たときの被検体から受ける圧力を検出する圧力センサ８
および検出回路９と、立位検出装置３から検出信号が出
力され、かつ圧力センサ８および検出回路９が検出する
圧力が所定値以下のときに上記曝射時間のゼロリセット
を含むリセットを行う手段を具備したことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、立位から傾斜位間で起
倒可能な起倒式撮影台を備え、曝射時間をタイマー管理
するＸ線診断装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のＸ線診断装置は、図５に
示すように構成されている。すなわち、３０は、オーバ
ーテーブルタイプの撮影台であり、この撮影台３０は起
倒装置３１に支持されて、立位（＋９０°）から水平位
（０°）を経て逆立位（−９０°）までの範囲で起倒す
ることができる。撮影台３０の天板上面の一端には、撮
影台３０が水平位から起きたときに、被検体Ｃが天板か
ら落下しないようにフットレスト３２が装着される。

【０００３】撮影台３０の上方にはＸ線管３３が支柱３
４に支持され、撮影台３０の内部には図示しないがイメ
ージインテンシファイアおよびスポットショット装置が
Ｘ線管３３に対向するように収容される。また、患者氏
名やフィルムナンバーをフィルムに写し込むためのネー
ムプリンタ３５が、撮影台３０に収容される。なお、こ
のフィルムナンバーとは、同一患者を繰り返し撮影した
とき、各フィルムに撮影順にしたがって付される連続番
号のことをいう。

【０００４】Ｘ線制御装置３６は、Ｘ線管３３に高電圧
を供給する高電圧発生器３７と、積算タイマー回路３８
とを備える。積算タイマー回路３８は、操作パネル３９
から透視開始の命令を受けて、高電圧発生器３７へＸ線
曝射開始信号を出力すると共に、Ｘ線曝射開始タイミン
グから操作パネル３９で設定された透視限界時間（ＪＩ
Ｓ規格では最長１０分）が経過したときに高電圧発生器
３８へＸ線遮断信号を出力する。高電圧発生器３８は、
この遮断信号を受けると、Ｘ線管３３への高電圧の供給
を停止し、Ｘ線曝射を停止する。

【０００５】このような装置において複数の患者を繰り
返し撮影する場合、一患者の撮影が終了し、次の患者に
交替する毎に、操作パネル３９を操作してリセットを行
う必要がある。このリセット操作によって、操作パネル
３９からネームプリンタ３５へフィルムナンバーのゼロ
リセット信号および次の患者の氏名情報が送られ、また
操作パネル３９から積算タイマー回路３８へ積算時間の
ゼロリセット信号が送られる。

【０００６】このリセット操作は、上述したように、患
者が交替する毎に繰り返す必要があるのでオペレータは
非常に負担を受ける。このリセット操作を行わなかった
ときには、現の患者を撮影したフィルムに前患者の氏
名、および前患者の最後のフィルムに付されたフィルム
ナンバーから連続するフィルムナンバーがプリントさ
れ、後の読影作業に重要な問題を生じさせる。また、積
算タイマー回路３８の積算時間がゼロリセットされない
ので、積算タイマー回路３８は現患者の透視時間を、前
患者の透視中に積算した積算時間から起算し、その結
果、現患者の積算時間は、短時間のうちに限界時間に達
し、予定外の短時間で現患者の透視が終了してしまうこ
ともある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に対処すべくなされたもので、その目的は、被検体の
交替を確実に検出して曝射時間のゼロリセットを含むリ
セットを行うことのできるＸ線診断装置を提供すること
である。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、立位から傾斜
位間で起倒可能な起倒式撮影台を備え、曝射時間をタイ
マー管理するＸ線診断装置において、上記起倒撮影台の
姿勢を検出する第１検出手段と、上記起倒撮影台に載置
されたときの被検体から受ける圧力を検出する第２検出
手段と、

【０００９】上記第１手段が立位を検出し、かつ上記第
２手段手段が検出する圧力が所定値以下のときに上記曝
射時間のゼロリセットを含むリセットを行う手段を具備
したことを特徴とする。

【００１０】

【作用】本発明は、起倒撮影台が立位の姿勢であり、か
つ第２手段手段が検出する圧力が所定値以下のときに、
被検体が交替したことを判断してリセット動作を行うこ
とができ、従来、被検体が交替する毎にリセット操作を
繰り返していたオペレータの負担を解消することができ
ると共に、被検体が起倒撮影台から降りたことを確実に
検出して透視撮影期間中の不要なリセット動作が行われ
ることを防止することができる。また、第２手段手段が
検出する圧力が所定値以下であるかどうかを判断するの
で、被検体の乗降中にリセット動作が繰り返されるとい
う問題を回避できる。

【００１１】

【実施例】以下、図面を参照して本発明によるＸ線診断
装置の一実施例について、図面を参照して説明する。

【００１２】図１は本実施例の構成を示す図である。撮
影台１は、起倒装置２に支持されて、立位（＋９０°）
から水平位（０°）、さらに逆立位（−９０°）までの
範囲で起倒できるようになっている。起倒装置２には、
撮影台１の姿勢（角度）を検出するロータリエンコーダ
を有し、撮影台１の姿勢が立位のときオン信号を出力す
る立位検出装置３が設けられる。

【００１３】また、この撮影台１は、オーバテーブルタ
イプであれば、図示しないが、イメージインテンシファ
イアを含む映像系やスポットショット装置を収容すると
共に、これらに対向してＸ線管４をアーム５で天板上方
に配置する。さらに、この撮影台１には、図２（ａ）に
斜線で、（ｂ）にその拡大図を示すように、フィルムＦ
に被検体氏名ＡやフィルムナンバーＢを写し込むための
ネームプリンタ６が収容される。なお、フィルムナンバ
ーとは、同一被検体Ｃを繰り返し撮影したとき、各フィ
ルムに撮影順にしたがって付される連続番号のことをい
う。

【００１４】さらに、撮影台１の天板上面の一端には、
被検体Ｃの落下を防止するためのフットレスト（踏み
台）７が装備される。このフットレスト７には、被検体
Ｃの体重によるフットレスト７にかかる圧力を検知する
圧力センサ８が配置される。この圧力センサ８は、外圧
に応じて、内部抵抗の抵抗値が変化する性質を持ってお
り、この変化は検出回路９で検出される。

【００１５】検出回路９からの検出電圧Ｖは、比較器１
０に供給される。比較器１０は、この検出回路９からの
検出電圧Ｖと基準電圧発生器１１からの基準電圧Ｖref
とを比較し、基準電圧Ｖref が高位のときにのみ、オン
信号を出力する。なお、この基準電圧Ｖref は基準電圧
発生器１１で任意に調整できるようになっている。ＡＮ
Ｄ回路１２は、この比較器１０と上述した立位検出装置
３との出力を受けて、これらが共にオン信号のとき、リ
セット信号Ｒを出力する。このリセット信号Ｒは、ＯＲ
回路１３と操作パネル１４に供給される。ＯＲ回路１３
には、操作パネル１４から入力されたリセット信号Ｒも
入力される。ＯＲ回路１３は、ＡＮＤ回路１２と操作パ
ネル１４のいずれかからリセット信号Ｒを入力したとき
にリセット信号を出力する。

【００１６】Ｘ線制御装置１５は、Ｘ線管に高電圧を供
給する高電圧発生器１６と、積算タイマー回路１７とを
備える。積算タイマー回路１７は、Ｘ線曝射開始から予
定の透視時間が経過したときに高電圧発生器１６へＸ線
遮断信号ＯＢを出力する。この透視時間は、ＪＩＳ規格
では最長１０分であり、この範囲内で任意に操作パネル
１４から設定され、積算タイマー回路１７に伝達され
る。積算タイマー回路１７は、上述のＯＲ回路１３から
リセット信号Ｒを受けたときに、現にメモリしている積
算時間をゼロリセットする。

【００１７】操作パネル１４は、透視条件、撮影条件、
透視開始／終了や撮影開始の命令、被検体氏名や透視時
間Ｔの設定等の透視撮影に必要な各種命令や情報を入力
するための入力装置である。また、操作パネル１４は、
ＡＮＤ回路からリセット信号Ｒを受けると、ネームプリ
ンタ６に、次の被検体Ｃの氏名情報やフィルムナンバー
のゼロリセット信号を出力する。次に、本実施例の作用
を説明する。

【００１８】いま、図３（ａ）に示すように、撮影台１
が水平位の状態にあるものとする。この水平位の状態の
とき、圧力センサ８は被検体Ｃからあまり圧力を受け
ず、図４に示すように、検出回路９からの検出電圧Ｖh
は、基準電圧発生器１１からの基準電圧Ｖref より低く
なり、したがって比較器１０からオン信号が出力され
る。一方、立位検出装置３からは、撮影台１が立位の姿
勢ではないので、オン信号は出力されない。このよう
に、ＡＮＤ回路１２には立位検出装置３からのオン信号
が供給されないので、ＡＮＤ回路１２からリセット信号
Ｒが出力されない。したがって、積算タイマー回路１７
の積算時間が不要にゼロリセットされたり、操作パネル
１４からネームプリンタ６に次の被検体Ｃの氏名情報や
フィルムナンバーのゼロリセット信号が不要に出力され
ることなく、透視および撮影を滞りなく進行することが
できる。

【００１９】また、透視撮影の間には、撮影台１は被検
体Ｃを乗せたまま立位の姿勢に移動されることがある。
このとき、立位検出装置３からオン信号が出力される。
一方、圧力センサ８には被検体Ｃの全体重がかかり、図
４に示すように、検出回路９の検出電圧Ｖs は基準電圧
Ｖref より高位になり、比較器１０からはオン信号が出
力されない。したがって、ＡＮＤ回路１２からはリセッ
ト信号Ｒが出力されず、積算タイマー回路１７の積算時
間が不要にゼロリセットされたり、操作パネル１４から
ネームプリンタ６に次の被検体Ｃの氏名情報やフィルム
ナンバーのゼロリセット信号が不要に出力されることな
く、透視および撮影を滞りなく進行することができる。

【００２０】さて、現に撮影していた被検体Ｃの撮影が
終了し、次の被検体Ｃに交替するとき、撮影台１は被検
体Ｃが降りやすいように立位の姿勢に移動される。この
ときは、上述したように、比較器１０からはオン信号が
出力されないのでリセットされない。そして、図３
（ｂ）に示すように、被検体Ｃが撮影台１から降りたと
き、圧力センサ８は外圧から解放され、検出回路９から
の検出電圧Ｖは、限りなくゼロに接近し、比較器１０か
らオン信号が出力される。一方、立位検出装置３からは
撮影台１が立位の姿勢であるので、オン信号が出力され
る。したがって、ＡＮＤ回路１２からリセット信号Ｒが
出力される。このリセット信号Ｒは、ＯＲ回路１３を介
して積算タイマー回路１７に供給されると共に、操作パ
ネル１４にも供給される。積算タイマー回路１７は、こ
のリセット信号Ｒを受けると、現にメモリしている積算
時間をゼロリセットする。また、操作パネル１４は、ネ
ームプリンタ６に次の被検体Ｃの氏名情報やフィルムナ
ンバーのゼロリセット信号を出力する。ネームプリンタ
６は、プリント氏名を次の被検体Ｃの氏名に変更すると
共に、撮影回数に応じて歩進していたフィルムナンバー
を初期値（１）にリセットする。

【００２１】なお、基準電圧Ｖref はゼロであってもよ
いが、基準電圧Ｖref をゼロでない値に設定できるよう
にしたことにより、次のような効果を得ることができ
る。すなわち、被検体Ｃが撮影台１に乗降するとき、圧
力センサ８にかかる圧力は、ゼロ付近で変動し、検出回
路９からの検出電圧Ｖは何度かゼロ値を示す。このと
き、基準電圧Ｖref がゼロであったならば、検出電圧Ｖ
がプラス値を示して比較器１０からのオン信号が一旦オ
フされた後に、再度ゼロ値に戻ると、その毎に、比較器
１０からオン信号が出力され、この結果、ＡＮＤ回路１
２から何度もリセット信号が出力される。したがって、
このリセット信号が出力される毎に、リセット動作が繰
り返され、操作パネル１４からの被検体Ｃの氏名が順に
先送りされてしまう。これに対し、基準電圧Ｖref をゼ
ロでない値に設定することにより、上述のように、圧力
センサ８にかかる圧力がゼロ付近で変動しても、検出回
路９からの検出電圧Ｖは基準電圧Ｖref より低い範囲で
変動するので、比較器１０からオン信号は一度もオフさ
れることなく継続して出力される。したがって、上述し
たような被検体Ｃの乗降中にリセット動作が繰り返され
るという問題を解決することができる。

【００２２】以上説明したように本実施例は、撮影台１
が立位の姿勢であり、かつフットレスト７に設けられた
圧力センサ８にかかる圧力が所定レベル以下のとき、被
検体Ｃが交替したことを判断してリセット動作を行うの
で、従来、被検体Ｃが交替する毎ににリセット操作を繰
り返していたオペレータの負担を解消することができる
と共に、被検体Ｃが撮影台１から降りたことを確実に検
出して透視撮影期間中の不要なリセット動作が行われる
ことを防止することができる。

【００２３】また、比較器１０からオン信号が、検出回
路９からの検出電圧Ｖがゼロから基準電圧Ｖref までの
範囲に含まれるときには継続して出力されるようにした
ことにより、被検体Ｃの乗降中にリセット動作が繰り返
されるという問題を回避できる。

【００２４】本発明は上述した実施例に限定されること
なく、種々変形して実施可能である。例えば、上述のリ
セット信号を病院内の各部門の情報を有機的に結合する
医療情報システムに供給すれば、撮影した画像の保管準
備や撮影室の開き状況の把握等に供することができる。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、立位から
傾斜位間で起倒可能な起倒式撮影台を備え、曝射時間を
タイマー管理するＸ線診断装置において、上記起倒撮影
台の姿勢を検出する第１検出手段と、上記起倒撮影台に
載置されたときの被検体から受ける圧力を検出する第２
検出手段と、上記第１手段が立位を検出し、かつ上記第
２手段手段が検出する圧力が所定値以下のときに上記曝
射時間のゼロリセットを含むリセットを行う手段を具備
したので、起倒撮影台が立位の姿勢であり、かつ第２手
段手段が検出する圧力が所定値以下のときに、被検体が
交替したことを判断してリセット動作を行う。したがっ
て、従来、被検体が交替する毎にリセット操作を繰り返
していたオペレータの負担を解消することができると共
に、被検体が起倒撮影台から降りたことを確実に検出し
て透視撮影期間中の不要なリセット動作が行われること
を防止することができる。また、第２手段手段が検出す
る圧力が所定値以下であるかどうかを判断するので、被
検体の乗降中にリセット動作が繰り返されるという問題
を回避できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるＸ線診断装置の一実施例の構成を
示す図。

【図２】フィルムにプリントされる被検体氏名やフィル
ムナンバーを示す図。

【図３】撮影台の姿勢を示す図。

【図４】圧力センサにかかる圧力と検出回路からの検出
電圧との相関を示すグラフ。

【図５】従来のＸ線診断装置の構成を示す図。

【符号の説明】

１…撮影台、２…起倒装置、３…立位検出装置、４…Ｘ
線管、５…アーム、６…ネームプリンタ、７…フットレ
スト、８…圧力センサ、９…検出回路、１０…比較器、
１１…基準電圧発生器、１２…ＡＮＤ回路、１３…ＯＲ
回路、１４…操作パネル、１５…Ｘ線制御装置、１６…
高電圧発生器、１７…積算タイマー回路。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 立位から傾斜位間で起倒可能な起倒式撮
   影台を備え、曝射時間をタイマー管理するＸ線診断装置
   において、 前記起倒撮影台の姿勢を検出する第１検出手段と、 前記起倒撮影台に載置されたときの被検体から受ける圧
   力を検出する第２検出手段と、 前記第１手段が立位を検出し、かつ前記第２手段手段が
   検出する圧力が所定値以下のときに前記曝射時間のゼロ
   リセットを含むリセットを行う手段を具備したことを特
   徴とするＸ線診断装置。
2. 【請求項２】 前記第２検出手段は前記起倒撮影台に設
   けられた踏み台に配置される圧力センサであることを特
   徴とする請求項１に記載のＸ線診断装置。