JPH06235913A - 液晶パネル用カラーフィルタ - Google Patents

液晶パネル用カラーフィルタ

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JPH06235913A
JPH06235913A JP790593A JP790593A JPH06235913A JP H06235913 A JPH06235913 A JP H06235913A JP 790593 A JP790593 A JP 790593A JP 790593 A JP790593 A JP 790593A JP H06235913 A JPH06235913 A JP H06235913A
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JP
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color filter
layer
transparent
liquid crystal
solid electrolyte
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JP790593A
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English (en)
Inventor
Fumiaki Matsushima
文明 松島
Taeko Nakano
多恵子 中野
Kuniyasu Matsui
邦容 松井
Hiroyoshi Shirai
汪芳 白井
Toshiki Koyama
俊樹 小山
Hajime Komeno
肇 米野
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Seiko Epson Corp
Kyoeisha Chemical Co Ltd
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Kyoeisha Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性をもつカラーフィルタ層を有する液晶
パネル用カラーフィルタを提供する。 【構成】 透明基板上に透明電極層、有機顔料微粒子か
らなるカラーフィルタ層、高分子固体電解質層、透明保
護層、液晶配向膜を順次形成する。 【効果】 液晶駆動性に優れた液晶パネルの製造ができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の液晶パネル用カラーフィ
ルタは、カラー液晶TV・パーソナルコンピュータ用デ
ィスプレイおよびその他の液晶表示体に用いるカラーフ
ィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
1.我々は、従来有機顔料微粒子を湿式電解法により透
明電極基板上に析出させてなるカラーフィルタを出願し
た(特開平2−24063号公報)。
【0003】このカラーフィルタにおけるカラーフィル
タ層は、有機顔料微粒子のみの堆積膜であるため、従来
より周知の染色法・印刷法・顔料分散レジスト法あるい
は電着法等で作製される色材以外に樹脂バインダを含む
カラーフィルタ層に比べ、1/2以下の膜厚である1ミ
クロン以下でも十分な分光特性を有するものである。
【0004】一方、このカラーフィルタを用いて図5の
ような液晶パネルを作製した場合、膜厚が薄いため、有
機顔料層53の下に位置する該顔料膜成層形成のために
用いた透明電極52を一方の液晶駆動電極として用いた
場合でも、カラーフィルタ層である有機顔料層により生
じる液晶駆動のために印加した電圧のロスは小さく、良
好な液晶表示特性が得られた。
【0005】しかしながら、例えばパーソナルコンピュ
ータのディスプレイとして用いられる高デューティ駆動
の単純マトリクス液晶カラーパネル(STN液晶カラー
パネル)に用いた場合、わずかな印加電圧のロスにより
液晶の立ち上がり急峻性がそこなわれる、あるいは、R
GB3色の有機顔料膜で抵抗等の電気的特性がわずかに
異なるため、各顔料層上での液晶立ち上がり電圧が異な
る、等の問題が生じ十分なコントラストが得られない等
の欠点をかかえていた。
【0006】従って、この課題を解決するためには、顔
料層上に液晶駆動専用の透明電極を再度形成する等の方
法をとるしかなかった。しかしながら、再度電極形成を
行う場合、顔料層上への保護膜の形成・電極材料の真空
成膜・所定パターンへの加工等付随するプロセスが増え
るため、高コストになる等の課題があった。
【0007】2.従来、TFT(Thin Film
Transistor)液晶駆動用カラーフィルタは、
図6に示すような構造であり、TFT形成基板の対向電
極基板として液晶パネルに用いられている。ガラス基板
61上に染色法・印刷法・顔料分散レジスト法などによ
りカラーフィルタ層62が形成され、さらに必要に応じ
中間層63が形成され、さらに、その上層にスパッタリ
ング等によりITO等による液晶駆動用透明電極層65
が形成されていた。この場合、透明電極層は全面ベタ付
けであり、所定のパターンに加工する必要もないもので
あり、一定の電気伝導性が確保されていればよかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
1.上記したように、我々が従来発明した、電極上に有
機顔料のみからなるカラーフィルタ層を湿式電解法によ
り形成し、かつ有機顔料層の形成に用いた電極をそのま
ま液晶駆動用電極として用いるタイプのカラーフィルタ
において、次の課題があった。
【0009】すなわち、液晶パネルに適用した場合、液
晶駆動に適用した印加電圧のロスが生じるため、高デュ
ーティ駆動のSTNパネルにおいては、高コントラスト
の確保が困難である。また、MIMアクティブマトリク
スパネルに適用した場合でも、同様な課題が生じた。
【0010】従って、本発明の第1の目的は、上記のよ
うな課題を解決するためのもので、有機顔料層に透明導
電性の高分子固体電解質を塗布し、顔料粒子間の隙間に
含浸させることで、有機顔料層を導電化もしくは大幅に
低抵抗化し、前記したような印加電圧のロスをなくし、
高コントラストの確保できる液晶パネル用カラーフィル
タを提供することにある。
【0011】2.従来技術の2に記したTFT液晶用カ
ラーフィルタの課題は、一定の導通性をもたせるための
透明導電層を高価な真空成膜装置を用いて形成すること
にある。
【0012】従って、本発明の第2の目的は、上記した
課題を解決するためのもので、真空成膜により形成して
いた透明導電層を安価で、かつ容易にコーティングでき
る高分子固体電解質に代替した液晶パネル用カラーフィ
ルタを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶パネル用カ
ラーフィルタは、 1.透明基板上に所定のパターン形状をもつ透明電極層
が形成され、該透明電極層上に有機顔料微粒子の堆積に
よってなる膜厚0.4ミクロンから1.3ミクロンのカ
ラーフィルタ層が形成され、該カラーフィルタ層上およ
びカラーフイルタ層のないカラーフィルタ層パターン間
の透明基板露出面上に透明な高分子固体電解質層が形成
され、該高分子固体電解質層上に透明保護層が形成さ
れ、該透明保護層上に液晶配向膜が形成されたことを特
徴とする。
【0014】2.上記手段1の透明な高分子固体電解質
層が、カラーフィルタ層である有機顔料微粒子層の微粒
子間空隙部にも含浸されていることを特徴とする。
【0015】3.上記手段1の透明な高分子固体電解質
層が、リン酸化ポリビニルアルコールの金属塩とテトラ
エチレングリコールの混合系からなるシングルイオニッ
ク系高分子固体電解質であることを特徴とする。
【0016】4.上記手段1の透明保護層が、樹脂等の
高分子材料あるいは酸化物・窒化物などの無機質あるい
はこれらの組み合わせによる多層構造であることを特徴
とする。
【0017】5.上記手段1の特定の透明電極パターン
上に形成された有機顔料微粒子によるカラーフィルタ層
と、となり合った他の透明電極パターン上に形成された
カラーフィルタ層との層間の透明基板露出面に形成され
た高分子固体電解質層の抵抗値が0.1メガオーム以上
であり、該抵抗値は層間距離あるいは用いる高分子固体
電解質固有の抵抗率、あるいは高分子固体電解質の膜
厚、あるいは高分子固体電解質の局部的化学構造変化等
によって調整されることを特徴とする。
【0018】6.上記手段1の少なくともカラーフィル
タ層パターン間に、遮光層が形成されたことを特徴とす
る。
【0019】7.透明基板上に所定のパターン形状をも
つ透明電極層が形成され、該透明電極層上に有機顔料微
粒子の堆積によってなる膜厚0.4ミクロンから1.3
ミクロンのカラーフィルタ層が形成され、該カラーフィ
ルタ層上に選択的に透明な高分子固体電解質層が形成さ
れ、該高分子固体電解質層上に透明保護層が形成され、
該透明保護層上に液晶配向膜が形成されたことを特徴と
する。
【0020】8.透明基板上に所定のパターン形状をも
つ透明電極層が形成され、該透明電極層上に有機顔料微
粒子の堆積によってなる膜厚0.4から1.3ミクロン
のカラーフィルタ層が形成され、該カラーフィルタ層上
およびカラーフイルタ層のないカラーフィルタ層パータ
ン間の透明基板露出面上に透明な高分子固体電解質層が
形成され、該高分子固体電解質層上に液晶配向膜が形成
されたことを特徴とする。
【0021】9.透明基板上に所定のパターンをもたな
い透明電極層が形成され、該透明電極層上に有機顔料微
粒子の堆積によってなる膜厚0.4から1.3ミクロン
のカラーフィルタ層が形成され、該カラーフィルタ層上
およびカラーフイルタ層のないカラーフィルタ層パター
ン間の透明基板露出面上に透明な高分子固体電解質層が
形成され、該高分子固体電解質層上に透明保護層が形成
され、該透明保護層上に液晶配向膜が形成されたことを
特徴とする。
【0022】10.透明基板上に所定のパターンをもた
ない透明電極層が形成され、該透明電極層上に有機顔料
微粒子の堆積によってなる膜厚0.4から1.3ミクロ
ンのカラーフィルタ層が形成され、該カラーフィルタ層
上およびカラーフイルタ層のないカラーフィルタ層パタ
ーン間の透明基板露出面上に透明な高分子固体電解質層
が形成され、該高分子固体電解質層上に液晶配向膜が形
成されたことを特徴とする。
【0023】11.透明基板上に、染色法もしくは顔料
分散レジスト法、もしくは高分子電着法、もしくは印刷
法によるカラーフィルタ層が形成され、続いて該カラー
フィルタ層上に高分子固体電解質層が形成され、該高分
子固体電解質層上に透明保護膜および液晶配向膜が積層
されるか、もしくは液晶配向膜のみが形成されたことを
特徴とする。
【0024】
【作用】我々の従来の発明によるカラーフィルタ層は、
有機顔料微粒子の堆積層であり、粒子径は通常0.1ミ
クロン前後のものを用いている。従って、ミクロ的に見
ると堆積層中の粒子間には多くの空隙が存在したポーラ
スな構造となっているため、導電性の高分子固体電解質
を顔料層に塗布すると、液状物質である該固体電解質が
顔料粒子間の空隙に含浸され、後工程で該固体電解質を
硬化させれば、顔料層が導電化もしくは大幅に低抵抗化
したカラーフィルタが得られることになる。
【0025】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例に基づき詳細
に説明する。
【0026】予備的な確認として、カラーフィルタ層と
して用いることが可能な有機顔料について本実施例によ
る低抵抗化の効果を確認した。
【0027】透明電極材料であるITO(Indium
Thin Oxide)膜を形成したガラス基板(2
0×20mm、厚さ1.1mm)を有機顔料膜形成基板
として用いた。
【0028】有機顔料膜形成法としては、特開平2−2
4063号公報等に述べた方法を用いた。すなわち、レ
ドックス反応性を有する界面活性剤のミセル水溶液中に
有機顔料微粒子をコロイド分散した液を電解液とし、成
膜基板側電極層をアノードとして電解することにより、
有機顔料微粒子を析出させ薄膜化するものである。
【0029】有機顔料膜形成用電解液として、以下の組
成のR・G・Bの3種を調製した。Rは赤色の顔料膜成
膜用、Gは緑色の顔料膜成膜用、Bは青色の顔料膜成膜
用であり、溶媒は全て純水とした。
【0030】 R電解液 有機顔料 アントラキノン系(赤)とアゾ系(黄)顔料の9:1混合物 6g/リットル 界面活性剤 フェロセニルPEG(同仁化学製) 2g/リットル 支持電解質 LiBr 4g/リットル G電解液 有機顔料 フタロシアニングリーン系(緑)とアゾ系(黄)顔料の8:2混 合物 10g/リットル 界面活性剤 フェロセニルPEG(同仁化学製) 2g/リットル 支持電解質 LiBr 4g/リットル B電解液 有機顔料 フタロシアニンブルー系(青)とジオキサジン系(紫)顔料の9 :1混合物 7g/リットル 界面活性剤 フェロセニルPEG(同仁化学製) 2g/リットル 支持電解質 LiBr 4g/リットル 上記有機顔料の粒子の一次粒子平均径は、いずれも0.
08ミクロンから0.12ミクロンの範囲のものを用い
た。
【0031】界面活性剤のフェロセニルPEGは、レド
ックス反応性をもつ界面活性剤であり、顔料粒子の表面
に吸着しコロイド分散化させるとともに、電解によりア
ノード電極基板表面に顔料粒子を析出させる性質を持
つ。
【0032】これらを支持電解質とともに純水中に混合
し、超音波ホモジナイザーにより、有機顔料粒子をコロ
イド分散し電解液とした。
【0033】ITO付き基板をアノード電極、白金板を
カソード電極として、上記の電解液中で電解を行った。
電解電圧は0.5V(対SCE)で、電解時間はR電解
液20分間、G電解液10分間、B電解液7分間であ
り、電解により赤色の有機顔料膜厚0.8ミクロン、緑
色の有機顔料膜厚0.7ミクロン、青色の有機顔料膜厚
0.6ミクロンを得た。これらの基板を軽く水洗した
後、摂氏180度で30分間乾燥した。それぞれの有機
顔料膜の膜厚方向の抵抗値を測定すると次のようになっ
た。測定は、直径約1.5mmの面積で、直流2Vを印
加して行った。
【0034】 赤色の有機顔料膜 1×1011オーム 緑色の有機顔料膜 1×107 オーム 青色の有機顔料膜 1×107 オーム 続いて、シングルイオニック系の高分子固体電解質を、
顔料膜上にコーティングした。
【0035】用いた高分子固体電解質は、リン酸化ポリ
ビニルアルコールの金属塩(カリウム塩)とテトラエチ
レングリコールの混合系からなる透明な液状物質であ
る。この原液を純水で4倍に希釈して、スピンコーティ
ングした。コーティング後、摂氏180度で30分間オ
ーブン中で加熱・硬化した。通常、硬化した本材料は、
常温で105 オームtmの抵抗率を示す。加熱後、基板
上の顔料膜が成膜された以外の部分での膜厚で0.3ミ
クロンであったが、顔料膜上に関しては、元の顔料膜の
膜厚を増加させることなく、むしろ、0.05から0.
1ミクロン減少させた。このことは、高分子固体電解質
の含浸作用により顔料膜が焼き締まった結果と思われ
る。
【0036】次の工程として、高分子固体電解質上に透
明保護層として透明アクリル樹脂を0.2ミクロンコー
ティングし、摂氏180度で30分間加熱乾燥した。こ
れは、該高分子固体電解質中からの金属イオン漏出の可
能性を考慮し、その対策としてコートした。
【0037】さらに、液晶配向膜としてポリイミド樹脂
を0.03ミクロンの膜厚でコーティング、焼成(摂氏
180度、30分間)した。
【0038】以上の工程により作製した基板について、
前記と同様に膜の抵抗値を測定した。その結果、 赤色の有機顔料膜 1×105 オーム 緑色の有機顔料膜 1×105 オーム 青色の有機顔料膜 1×105 オーム となり、用いた高分子固体電解質が、大幅に顔料膜の抵
抗を下げる効果を確認できた。さらに、透明電極と配向
膜を形成した対向基板を用い、両基板とも所定の液晶配
向処理を施したのち、基板間ギャップを7.3ミクロン
として貼り合わせ、TN液晶を封入して液晶パネルを作
製した。偏光板を両面に貼り付け、両基板の電極間に所
定の電圧を印加して液晶駆動特性を評価した。結果の一
例として、元来最も抵抗値の高い赤色膜のカラーフィル
タについての結果を図1に示す。図1(a)は、本実施
例により、高分子固体電解質を用いて作製したパネルの
V−T(印加電圧VS.光透過率)特性図である。図1
(b)は、高分子固体電解質を用いず、従来の顔料膜の
状態のパネルの特性図である。図1(c)は、カラーフ
ィルタ層のないパネル、すなわち印加電圧が全て液晶駆
動に使われるパネルの特性図である。下記に特性値を示
した。
【0039】 ※1 V90 :透過率90%(ノーマリホワイト表
示)を示すときの電圧。
【0040】※2 ベータ値:V90とV10の電圧の比。
1に近いほど液晶の立ち上がり急峻性が良いことを示
す。
【0041】この結果、高分子固体電解質を用いた場
合、カラーフィルタ層が両基板の電極間に介在しても、
カラーフィルタ層がない場合に近い良好な液晶駆動性が
得られることがわかり、本発明の基本的な効果が確認で
きた。
【0042】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
に基づき詳細に説明する。
【0043】直径5インチのガラス基板上に、スパッタ
リングによりITOを1500オングストロームの膜厚
で形成し、これをカラーフィルタ基板とした。
【0044】このITOを、基板の中央部における対角
3.3インチの長方形の領域内において、幅190ミク
ロン、長さ5.4mmのラインパターン(パターン間幅
20ミクロン)として320本形成した。ラインパター
ンの一端は、液晶駆動用ICが実装できるよう所定のパ
ターンに加工した。
【0045】作製した基板の断面の一部を拡大したもの
を図2に示す。
【0046】カラーフィルタ層として用いる領域のライ
ンパターン電極上に、有機顔料膜を実施例1と同様の条
件で形成した。ただし、R・G・B3色の膜を形成する
当り、特定のラインパターンのみ選択的に導通し、各電
解液中で繰り返し成膜を行うことにより、各色が順次配
列されるように成膜した。
【0047】続いて、基板全面にやはり実施例1で用い
たものと同様の高分子固体電解質を用い、スピンコーテ
ィングし加熱硬化した。
【0048】次に、透明保護層として透明アクリル系樹
脂層をコーティング、加熱硬化し0.1ミクロンの膜厚
で形成した。
【0049】続いて、全面に光感光性の黒色レジストを
コーティングし、フォトリソグラフィ法により、画素間
の遮光膜26を形成した。
【0050】最後に、前記のアクリル樹脂層と同じもの
を再度全面に形成した後、液晶配向膜28を形成し、カ
ラーフィルタを完成した。
【0051】カラーフィルタ基板と直行する方向にライ
ン電極を形成した対向基板を用い、両基板ともラビング
処理した後、基板間のギャップを6ミクロンで貼り合わ
せ、STN(スーパー ツイステッド ネママチック)
パネル用液晶を封入した後、IC実装部の高分子固体電
解質層および他の樹脂層を、酸素プラズマエッチング処
理により除去し、液晶駆動用ICを実装し、STNカラ
ー液晶パネルを完成した。
【0052】1/400dutyの高デューティ駆動を
仮想した駆動電圧を印加し、コントラストを測定したと
ころ、20:1(摂氏20度)のコントラストが得ら
れ、高分子固体電解質層を付与しないカラーフィルタを
用いた場合の10:1に比べ、大幅な画質向上が認めら
れた。
【0053】一方、高分子固体電解質層を全面塗布した
わけであるが、その導電性により電極パターン間の電気
的短絡はなかった。この点について、電極パターン間の
幅、形成する高分子固体電解質の膜厚、固有の抵抗率等
の調整により、0.1メガオーム以上の電極パターン間
抵抗、好ましくは1メガオーム以上の電極パターン間抵
抗であれば顔料膜の膜面方向の低抵抗化がはかれ、電極
パターン間の短絡が回避できることが確認できた。
【0054】(実施例3)実施例2と同様のカラーフィ
ルタを作製し、MIMアクティブマトリクス基板と貼り
合わせ、パネル特性を評価した。この結果、高分子固体
電解質層を形成しないカラーフィルタを用いた場合のコ
ントラスト43:1(摂氏25度)に対し、60:1ま
でコントラストがアップし、大幅な画質向上が認められ
た。
【0055】(実施例4)本発明の第4の実施例におけ
るカラーフィルタの断面の一部拡大したものを図3に示
す。
【0056】実施例2と同様にして、顔料膜を形成した
後、高分子固体電解質層を形成した。ただし、次の工程
において、フォトレジストを用いたフォトリソグラフィ
法により、顔料膜層を形成した部分にのみ選択的に高分
子固体電解質層を形成した。すなわち、電極パターン間
には、高分子固体電解質層のない構造のカラーフィルタ
を作製した。パネルに適用した場合の特性は、実施例2
と同様である。
【0057】(実施例5)実施例2と同様にして、顔料
膜を形成した後、高分子固体電解質層を形成した。
【0058】ただし、用いた高分子固体電解質は光感光
性タイプであり、フォトマスクを用いて露光現像するこ
とにより、実施例4と同様に顔料層形成部のみに選択的
に形成できた。
【0059】実施例4と実施例5の場合は、少なくとも
隣接する電極間に高分子固体電解質層がないことから、
電極間ショートの心配が全くないというメリットがあ
る。すなわち、電極間距離、高分子固体電解質の固有の
抵抗値(温度変化による抵抗率変化も含める)、形成す
る膜厚等のパラメータを考慮せずとも、最大限顔料層の
低抵抗化にその効果が発揮できるものである。
【0060】また、本実施例にはないが、高分子固体電
解質層のうち電極パターン間に存在する部分的のみを選
択的に構造改質(例えば、レーザ照射等)し、高抵抗化
することでも同様の効果が得られる。
【0061】(実施例6)実施例2と同様であるが、高
分子固体電解質層上に透明保護層としての樹脂層のない
構造のカラーフィルタ、すなわち高分子固体電解質層上
に直接液晶配向膜を形成したものを作製したが、特に表
示性に問題はなかった。
【0062】(実施例7)実施例2と同様であるが、透
明保護層として透明樹脂層のかわりに、スパッタリング
による酸化ケイ素層を0.2ミクロンの膜厚で形成し
た。
【0063】また、透明樹脂層上に酸化ケイ素層を形成
した2層構造の透明保護層をもつカラーフィルタを作製
した。この結果、パネルとしての長期信頼性に効果が認
められた。
【0064】(実施例8)本発明の第8の実施例におけ
るカラーフィルタの断面の一部拡大したものを図4に示
す。
【0065】直径5インチのホウケイ酸系ガラス基板4
1上の中央部の、対角3.3インチの長方形の領域にお
いて、320×240個の微細画素(1画素当り約15
0ミクロン角サイズ)としてのR・G・B3色からなる
カラーフィルタ層を一般的な染色法により形成した。
【0066】次に、この染色法により形成したカラーフ
ィルタ層42上に、実施例1で用いたものと同様の高分
子固体電解質層を、直接1ミクロンの膜厚で形成し、カ
ラーフィルタ側液晶駆動用電極とした。
【0067】所定の液晶パネル化プロセスにより、TF
Tを形成した基板と貼り合わせ液晶パネル化した。
【0068】この結果、通常、ITO等で形成する共通
電極と同様の効果が得られ、真空装置で成膜するITO
が、安価で形成容易な高分子固体電解質で代替できるこ
とが確認できた。
【0069】
【発明の効果】
1.有機顔料微粒子の堆積膜で作製したカラーフィルタ
層に、高分子固体電解質をコーティングおよび含浸させ
ることで、カラーフィルタ層を導電化もしくは著しく低
抵抗化することが可能となった。この結果、液晶パネル
に適用した場合、液晶駆動電極上にカラーフィルタ層が
存在する構造でありながら、カラーフィルタ層による液
晶駆動電圧のロスをなくすことができた。すなわち、以
下の著しい効果が得られた。
【0070】従来困難であったSTNカラー液晶パネ
ルへの適用において、高デューティ駆動においても高コ
ントラストが確保できた。
【0071】MIMアクティブマトリクスパネルに適
用しても、顕著に表示品質が向上できた。
【0072】2.TFT液晶パネル用カラーフィルタに
用いる電極層を、安価で容易に形成可能な高分子固体電
解質で代替できるという効果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における液晶パネルの特性図
である。
【図2】本発明の実施例2におけるカラーフィルタの部
分的拡大断面図である。
【図3】本発明の実施例4におけるカラーフィルタの部
分的拡大断面図である。
【図4】本発明の実施例8におけるカラーフィルタの部
分的拡大断面図である。
【図5】従来の液晶パネルの部分的拡大断面図である。
【図6】TFT液晶パネルにおいて従来用いられていた
カラーフィルタの断面図である。
【符号の説明】
21,31,41 ガラス基板 22,32 透明電極(ITO) 23,33 有機顔料膜(カラーフィルタ層) 24,34,43 高分子固体電解質層 25,35 透明保護層 26,36,44 遮光層 27,37 透明保護層 28,38,45 液晶配向膜 42 カラーフィルタ層
フロントページの続き (72)発明者 松島 文明 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 中野 多恵子 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 松井 邦容 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 白井 汪芳 長野県小県郡丸子町長瀬2496 (72)発明者 小山 俊樹 長野県上田市踏入2−16−23 信州大学宿 舎内 (72)発明者 米野 肇 奈良県奈良市西九条町5丁目2番地の5号 共栄社化学工業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に所定のパターン形状をもつ
    透明電極層が形成され、該透明電極層上に有機顔料微粒
    子の堆積によってなる膜厚0.4ミクロンから1.3ミ
    クロンのカラーフィルタ層が形成され、該カラーフィル
    タ層上およびカラーフイルタ層のないカラーフィルタ層
    パターン間の透明基板露出面上に透明な高分子固体電解
    質層が形成され、該高分子固体電解質層上に透明保護層
    が形成され、該透明保護層上に液晶配向膜が形成された
    ことを特徴とする液晶パネル用カラーフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記透明な高分子固体電解質層が、カラ
    ーフィルタ層である有機顔料微粒子層の微粒子間空隙部
    にも含浸されていることを特徴とする請求項1記載の液
    晶パネル用カラーフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記透明な高分子固体電解質層が、リン
    酸化ポリビニルアルコールの金属塩とテトラエチレング
    リコールの混合系からなるシングルイオニック系高分子
    固体電解質であることを特徴とする請求項1記載の液晶
    パネル用カラーフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記透明保護層が、樹脂等の高分子材料
    あるいは酸化物・窒化物などの無機質あるいはこれらの
    組み合わせによる多層構造であることを特徴とする請求
    項1記載の液晶パネル用カラーフィルタ。
  5. 【請求項5】 前記特定の透明電極パターン上に形成さ
    れた有機顔料微粒子によるカラーフィルタ層と、となり
    合った他の透明電極パターン上に形成されたカラーフィ
    ルタ層との層間の透明基板露出面に形成された高分子固
    体電解質層の抵抗値が0.1メガオーム以上であり、該
    抵抗値は層間距離あるいは用いる高分子固体電解質固有
    の抵抗率、あるいは高分子固体電解質の膜厚、あるいは
    高分子固体電解質の局部的化学構造変化等によって調整
    されることを特徴とする請求項1記載の液晶パネル用カ
    ラーフィルタ。
  6. 【請求項6】 前記少なくともカラーフィルタ層パター
    ン間に、遮光層が形成されたことを特徴とする請求項1
    記載の液晶パネル用カラーフィルタ。
  7. 【請求項7】 透明基板上に所定のパターン形状をもつ
    透明電極層が形成され、該透明電極層上に有機顔料微粒
    子の堆積によってなる膜厚0.4ミクロンから1.3ミ
    クロンのカラーフィルタ層が形成され、該カラーフィル
    タ層上に選択的に透明な高分子固体電解質層が形成さ
    れ、該高分子固体電解質層上に透明保護層が形成され、
    該透明保護層上に液晶配向膜が形成されたことを特徴と
    する液晶パネル用カラーフィルタ。
  8. 【請求項8】 透明基板上に所定のパターン形状をもつ
    透明電極層が形成され、該透明電極層上に有機顔料微粒
    子の堆積によってなる膜厚0.4から1.3ミクロンの
    カラーフィルタ層が形成され、該カラーフィルタ層上お
    よびカラーフイルタ層のないカラーフィルタ層パターン
    間の透明基板露出面上に透明な高分子固体電解質層が形
    成され、該高分子固体電解質層上に液晶配向膜が形成さ
    れたことを特徴とする液晶パネル用カラーフィルタ。
  9. 【請求項9】 透明基板上に所定のパターンをもたない
    透明電極層が形成され、該透明電極層上に有機顔料微粒
    子の堆積によってなる膜厚0.4から1.3ミクロンの
    カラーフィルタ層が形成され、該カラーフィルタ層上お
    よびカラーフイルタ層のないカラーフィルタ層パターン
    間の透明基板露出面上に透明な高分子固体電解質層が形
    成され、該高分子固体電解質層上に透明保護層が形成さ
    れ、該透明保護層上に液晶配向膜が形成されたことを特
    徴とする液晶パネル用カラーフィルタ。
  10. 【請求項10】 透明基板上に所定のパターンをもたな
    い透明電極層が形成され、該透明電極層上に有機顔料微
    粒子の堆積によってなる膜厚0.4から1.3ミクロン
    のカラーフィルタ層が形成され、該カラーフィルタ層上
    およびカラーフイルタ層のないカラーフィルタ層パター
    ン間の透明基板露出面上に透明な高分子固体電解質層が
    形成され、該高分子固体電解質層上に液晶配向膜が形成
    されたことを特徴とする液晶パネル用カラーフィルタ。
  11. 【請求項11】 透明基板上に、染色法もしくは顔料分
    散レジスト法、もしくは高分子電着法、もしくは印刷法
    によるカラーフィルタ層が形成され、続いて該カラーフ
    ィルタ層上に高分子固体電解質層が形成され、該高分子
    固体電解質層上に透明保護膜および液晶配向膜が積層さ
    れるか、もしくは液晶配向膜のみが形成されたことを特
    徴とする液晶パネル用カラーフィルタ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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