JPH06233996A - スケール抑制剤としての硼酸化合物の監視方法 - Google Patents

スケール抑制剤としての硼酸化合物の監視方法

Info

Publication number
JPH06233996A
JPH06233996A JP6005745A JP574594A JPH06233996A JP H06233996 A JPH06233996 A JP H06233996A JP 6005745 A JP6005745 A JP 6005745A JP 574594 A JP574594 A JP 574594A JP H06233996 A JPH06233996 A JP H06233996A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
chemical
tracer
boron compound
boric acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6005745A
Other languages
English (en)
Inventor
Paul R Young
アール.ヤング ポール
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ChampionX LLC
Original Assignee
Nalco Chemical Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nalco Chemical Co filed Critical Nalco Chemical Co
Publication of JPH06233996A publication Critical patent/JPH06233996A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F5/00Softening water; Preventing scale; Adding scale preventatives or scale removers to water, e.g. adding sequestering agents
    • C02F5/08Treatment of water with complexing chemicals or other solubilising agents for softening, scale prevention or scale removal, e.g. adding sequestering agents
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/18Water
    • G01N33/1813Specific cations in water, e.g. heavy metals
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/18Water
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T436/00Chemistry: analytical and immunological testing
    • Y10T436/12Condition responsive control
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T436/00Chemistry: analytical and immunological testing
    • Y10T436/13Tracers or tags

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hydrology & Water Resources (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱交換設備、地熱水設備、ボイラー、原油回
収設備等の水に接触する表面上のアモルファスシリカの
生成・堆積を抑制するために水に添加する硼酸又は他の
硼素化合物の水系の中での濃度変化等を監視する方法を
提供する。 【構成】 次の各過程を含んで流体系中のオルト硼酸塩
イオンを生成する硼素化合物を監視する: 1)該硼素化合物を該流体系に添加し、 2)該流体系に少なくとも1種のトレーサー化学物質を添
加し、 3)該流体系の少なくとも1箇所からの少なくとも1つの
流体サンプルを少なくとも1種の分析に供し、ここで、
該分析は該サンプル中の該トレーサー化学物質種の存在
を少なくとも検出し、該分析は該トレーサー化学物質種
の存在の該検出によって該サンプル中の該硼素化合物の
存在を少なくとも測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硼酸組成物、例えば硼酸
を含むシリカスケール抑制剤、硼酸を用いる水処理プロ
セスの監視方法、及び硼酸水処理方法に関係する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】硼酸は
水処理剤として商業的に使用されており、特に工業水系
におけるアモルファスシリカのスケールの形成を抑制す
る薬剤として使用されている。ヒドロキシル、第一アミ
ン、又は第二アミン官能基を含み、分子量が500以下
の水溶性の極性ポリ有機化合物及び硼酸又は水に溶解し
たとき若しくは加水分解によってオルト硼酸塩を形成す
る他の硼素化合物と一緒に、工業水と接触する面でのア
モルファスシリカの形成の抑制剤として使用することが
米国特許第4532047 号(1985年6月30日発行、発明者Le
onard Dubin)に教示されており、この特許は本明細書で
参考にして含まれる。また、この特許において、硼酸、
その水溶性塩及び/又は工業水に溶ける又は工業水の環
境下で加水分解することによってオルト硼酸塩イオンを
形成する任意の硼素化合物は、これらの工業水に接触す
る表面上のアモルファスシリコンのスケールの形成をそ
れ自身で防ぎ抑制することが開示されている。米国特許
第4584104 号(1986年4月22日発行、発明者Leonard Du
bin)において、硼酸及び/又はそれ自身がアモルファス
シリコンのスケール抑制剤としての他の硼素化合物の使
用がより詳細に開示されており、この特許も本明細書で
参考にして含まれる。
【0003】また、硼酸は他の商業的及び/又は工業的
な用途がある。硼酸は一般に商業的なメッキ用溶液に緩
衝剤として添加される。硼酸は制菌性と殺カビ性を有
し、柑橘類の果物にカビを防止するペイントとし使用さ
れ、うがい液、ヘヤーリンスのような消費製品にマイル
ドな防腐剤として使用される。硼素化合物は熱中性子の
優れた吸収剤であり、したがって原子力工業に多くの用
途が見られる。例えば、高純度硼酸は高圧水リアクター
に使用する冷却水に添加する。また、硼酸は難燃剤とし
て使用される。
【0004】一般に水溶性塩及び/又は水に溶解又は加
水分解することによって水環境下でオルト硼酸塩イオン
を形成する任意の硼素化合物が適用できる上記の商業的
及び/又は工業的な硼酸の用途において、硼素化合物は
溶液として水系に採用する(又は採用することができ
る)。硼酸及び/又はその水溶性塩及び/又は水に溶解
又は加水分解することによって水環境下でオルト硼酸塩
イオンを形成する任意の硼素化合物を水系の溶質として
使用する場合、このような系において、硼酸及び/又は
その水溶性塩及び/又は水に溶解又は加水分解すること
によって水環境下でオルト硼酸塩イオンを形成する任意
の硼素化合物(以降でときどきこれらを「硼素化合物」
と称する)を監視することがしばしば望ましい。ここ
で、用語「監視」及び/又は「監視する」は、他に明記
がなければ水系でのその硼素化合物の位置及び/又はル
ートを求めるための追跡又は探知、及び/又は任意の所
与の箇所及び/又は任意の所与の領域内での硼素化合物
の濃度又は量の測定を意味し、単数、間欠的な半連続、
又は連続の監視を含む。水系の中の硼酸の存在及び/又
は濃度を測定するために現在のところ最も一般に用いら
れている試験方法は実施が難しく、充分に正確ではな
い。その中の1つの当該技術分野でカルミンレッド法と
して知られる方法は、濃酸の使用を必要とするため行う
ことが危険である。コンパレーターを用いて色の変化を
測定する方法は期待よりも精度が悪く、例えば70pp
mと100ppmの硼酸濃度を判別しない。他の方法と
して当該技術分野でマンニット滴定法として知られる方
法は妨害に苦しむことがある。
【0005】本発明の1つの目的は、流体系特には水系
の中で硼素化合物組成物を監視する方法の提供であり、
特にはこのような組成物を流体にシリカスケールの堆積
抑制剤として供給した場合の監視方法の提供である。本
発明のもう1つの目的は、硼素化合物が活性処理剤であ
る工業水系(水系工業設備)の改良された処理方法の提
供であり、このような水系に、特に硼素化合物を含み高
い検出性を有する水ベースの溶液のような組成物を供給
することを特徴とする。
【0006】本発明のもう1つの目的は、硼素化合物が
活性処理剤である工業水系の改良された処理方法の提供
であり、硼素化合物の監視に危険な物質を必要とせず、
感度が高くて正確な高い検出性を有する水ベースの硼素
化合物をこのような水系に供給することを特徴とする。
本発明のこれら及びこの他の目的を次に詳細に述べる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は流体系におい
て、硼酸及びその水溶性塩、及び/又は水に溶解又は加
水分解することによって水環境下でオルト硼酸塩イオン
を形成する任意の硼素化合物を監視する方法又はプロセ
スを提供するものであり、その流体系にそのような硼素
化合物と少なくとも1種の標識化学物質の実質的に均一
な混合物を供給し、その後、その流体系の少なくとも1
つのサンプルをその標識化学物質の存在及び/又は濃度
を検出する分析に供し、その流体系の中の標識化学物質
の濃度変化及び/又は濃度勾配を間欠的に分析すること
を含む。好ましい態様において、その流体系は水ベース
の流体系である。もう1つの好ましい態様において、標
識化学物質は蛍光化合物であり、分析は蛍光分析、又は
高圧液体クロマトグラフィーと蛍光分析の組み合わせで
ある。もう1つの好ましい態様において、標識化学物質
は遷移金属であり、分析は遷移金属応答分析、又は高圧
液体クロマトグラフィーと遷移金属応答分析の組み合わ
せである。以降に詳細に示すこれらの態様及び他の好ま
しい態様において、硼素化合物は、好ましくは水系硼素
化合物溶液(液体硼素化合物組成物)、又はヒドロキシ
ル、第一アミン、第二アミン官能基を含み分子量が50
0以下の極性の水溶性有機化合物、好ましくは(ポリ)
エタノールアミンを含む濃い液体硼素化合物組成物とし
て流体系に供給する。また、本発明は、標識化学物質を
さらに含む水ベースの硼素化合物組成物を提供し、この
標識化学物質は特に蛍光分析、高圧液体クロマトグラフ
ィーと蛍光分析の組み合わせ、遷移金属応答分析、又は
高圧液体クロマトグラフィーと遷移金属応答分析の組み
合わせによってその存在及び/又は濃度を検出すること
ができる。好ましい態様において、この水ベースの硼素
化合物組成物は、高い硼素化合物溶解性を有し、(ポ
リ)エタノールアミン、硼素化合物、特に硼酸、及び水
を含んでなる。また、本発明は工業水系(水系工業設
備)の改良された処理方法を提供し、硼素化合物が活性
処理剤であり、この水系に標識化学物質、及び所望によ
りヒドロキシル、第一アミン、第二アミン官能基を含み
分子量が500以下の極性の水溶性有機化合物(好まし
くは(ポリ)エタノールアミン)を含む極性の水溶性有
機化合物を供給し、標識化学物質を硼素化合物の監視の
ためのトレーサーとして使用することを特徴とする。ま
た、本発明は、pHが少なくとも5で、溶解シリケート
を含む水系の水に接触する表面上のアモルファスシリカ
の生成を抑制する方法を提供し、硼素化合物を官能性シ
リカスケール堆積抑制剤として使用し、標識化学物質と
一緒に水系に添加し、硼素化合物を標識化学物質によっ
て監視する。本発明とこれら及び他の好ましい態様を以
降により詳細に述べる。
【0008】本明細書において、用語「硼素化合物」、
「硼酸又は他の硼素化合物」、「硼酸又は類似の硼素化
合物」は硼酸の化合物、その水溶性塩、及び/又は水に
溶解若しくは加水分解によって水の環境下でオルト硼酸
塩を生成する任意の硼素化合物の任意の1種、複数種、
組み合わせを意味する。硼酸はこれらの化合物の群の中
で好ましい化合物であり、商業的に最も一般に使用さ
れ、特にアモルファスシリカのスケール堆積抑制につい
て概して最も活性な化合物である。
【0009】最も広い態様での本発明は、流体系に供給
したときの硼酸又は他の硼素化合物の濃度に依存しな
い。硼酸(H3 BO3 )は水に限られた範囲で溶ける。
その水溶解度は、0℃の水100重量部につき約2.6
6重量部の硼酸から、100℃の水100重量部につき
約40.2重量部の硼酸まで変わる。室温(約20〜約
26℃)における水の中の硼酸の溶解度は約4〜6重量
%である。本発明は、流体系に硼酸又は他の硼素化合物
を希釈水溶液として、例えば硼酸として約6重量%まで
の硼素化合物を含む水溶液として供給する方法を含む。
【0010】高濃度の、特に水ベースの組成物である硼
酸又は他の硼素化合物の液体組成物は、希薄溶液又は固
体若しくは乾燥した形態の製品に比較して多くの長所を
提供することができる。濃い液体組成物は、使用前にか
なり希釈する又は溶解を必要とする製品の輸送及び/又
は取扱い及び/又は貯蔵において、少ないコストとエネ
ルギー消費で行うことができる。濃い液体組成物は、場
合により流体計量ポンプ又は他の便利な流体供給手段を
用いて工業水系に直接供給することができ、別な場所で
調製されていれば、現場での混合装置又は溶液の或る程
度の輸送及び/又は取扱い及び/又は貯蔵を要しないこ
とができる。また、濃い液体は、活性水処理剤としての
硼酸又は他の硼素化合物の水系への送り出しに特に有利
な形態である。本発明は、例えば上記の米国特許第4532
047 号に記載のような、標識化学物質と一緒に濃い液体
として硼酸又は他の硼素化合物を流体系に供給する方法
を含む。
【0011】周囲温度での単なる高い濃度の硼酸水溶液
は、当然ながら硼酸の限られた水溶解度によって除外さ
れる。硼酸はいくつかの有機溶媒中で溶解性が高いこと
が知られており、例えば室温で約15〜20重量%の程
度の溶解度を有する。本発明は、硼酸又は他の硼素化合
物を有機溶媒の溶液として又は混合溶媒の溶液として供
給することを含み、例えば水と1種以上の有機溶媒を含
む溶媒系として標識化学物質と一緒に供給することを含
む。
【0012】硼酸又は他の硼素化合物と一緒に標識化学
物質を供給するとは、本明細書では硼酸又は他の硼素化
合物の供給がその標識化学物質を含むことを意味する。
一緒の添加以外の方法では、流体系中での標識化学物質
と硼酸又は他の硼素化合物との所望の比例関係の達成が
充分に保証されないであろうと考えられる。例えば、標
識化学物質と硼酸又は他の硼素化合物を別々に供給する
と、各々の供給する組成物の濃度が分かっていたとして
も、供給速度を同じとすることが保証できないであろ
う。さらに、本発明の長所の1つは、供給速度の測定が
不正確であっても高感度の供給速度監視装置の使用をせ
ずに標識化学物質の濃度、したがって硼酸又は他の硼素
化合物の濃度を監視することである。
【0013】標識化学物質は本明細書でトレーサー又は
トレーサー種とも称し、以降で記すように、用いる環境
中で殆どの場合、好ましくは不活性な化合物である。硼
酸は水に溶解してオルト硼酸塩イオンを生成する。米国
特許第4584104 号に記載のように、オルト硼酸塩イオン
はシリカスケールの抑制のために存在するはずであり、
水に溶解及び/又は加水分解してオルト硼酸塩イオンを
生成する化合物はシリカスケール堆積の抑制に活性であ
る。水溶性の硼酸塩は水中でオルト硼酸塩イオンを生成
し、ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウム、
及び第四アンモニウム塩、アルカリ土類金属塩、アルミ
ニウム塩、遷移金属塩を含み(限定されない)、これら
のカチオン種が水系中で存在することができ、本発明の
プロセスの中で選ぶパラメーターと調和しておればよ
い。水に溶解及び/又は加水分解してオルト硼酸塩イオ
ンを生成する他の硼素化合物にはホウフッ化水素酸とテ
トラヒドリド硼酸ナトリウムがある(限定されない)。
上記のように、硼酸そのものはオルト硼酸塩イオンの商
業的に最も一般的な供給源であり、硼酸は最も一般的に
使用される硼素化合物であるが、本発明は所与の目的に
適切なオルト硼酸塩イオンや他の硼素化合物を生成する
硼酸塩や他のオルト硼酸塩イオンの使用を排除しない。
簡単のため、本明細書では以降でしばしば「硼酸又は他
の硼素化合物」と称するが、「他の硼素化合物」は上記
の硼素化合物を含むものとする。
【0014】標識化学物質(少なくとも1種の化学トレ
ーサー)は前記のように、硼酸又は他の硼素化合物と一
緒の混合物の中で流体系に供給する。この混合物は、好
ましくは硼酸又は他の硼素化合物と標識化学物質の両者
の溶媒である1つの溶媒中の溶液であり、例えば溶質と
して硼酸又は他の硼素化合物と標識化学物質含む水溶液
である。この水溶液又は他の混合物は他の成分を含むこ
とができる。例えば、硼酸又は他の硼素化合物と標識化
学物質の水溶液は、前記のような水溶性ポリ極性有機化
合物の1種以上を含むことができ、好ましい態様におい
て、1種以上の水溶性ポリ極性有機化合物を含み、より
好ましい態様において、用いる水溶性ポリ極性有機化合
物はモノエタノールアミン又はトリエタノールアミンで
ある。より好ましい態様において、硼酸又は他の硼素化
合物と標識化学物質の水溶液は1種以上のこのような水
溶性のポリ極性有機化合物を含み、特にモノエタノール
アミン又はトリエタノールアミンを、その水溶液中で硼
酸又は他の硼素化合物の溶解度を増すに有効な量で含
む。さらに好ましい態様において、硼酸又は他の硼素化
合物と標識化学物質の水溶液は、1種以上のこのような
水溶性ポリ極性有機化合物、特にモノエタノールアミン
又はトリエタノールアミンを、硼酸又は他の硼素化合物
の6重量部(硼酸として)につき少なくとも1重量部の
量で含む。もう1つの好ましい態様において、硼酸又は
他の硼素化合物と標識化学物質の水溶液は、1種以上の
このような水溶性ポリ極性有機化合物、特にモノエタノ
ールアミンを、硼酸又は他の硼素化合物の6重量部(硼
酸として)につき少なくとも1重量部から硼酸又は他の
硼素化合物の1重量部(硼酸として)につき1重量部ま
での量で含む。モノエタノールアミンとトリエタノール
アミンはいずれも可燃性ではなく、硼酸又は他の硼素化
合物と標識化学物質の水溶液中に一緒に存在すること
は、硼酸又は他の硼素化合物の水溶解性を増すことがで
きるであろう。硼酸又は他の硼素化合物は、室温におい
てモノエタノールアミンの混合と併せて約55重量%強
のまでの硼酸又は他の硼素化合物の濃度で提供すること
ができ、モノエタノールアミンは例えば水溶液中で約1
6重量%の濃度であり、溶質として標識化学物質をさら
に混和することは、1種以上のこのような水溶性のポリ
極性有機化合物、特にモノ及び/又はトリエタノールア
ミンを併用することによって提供された硼酸又は他の硼
素化合物の高い溶解性に害がないと一般に考えられる。
【0015】水溶性ポリ極性有機化合物は、前記のよう
に、一般に500未満の分子量を有し、好ましくは20
0未満の分子量を有する。これらの化合物のポリ極性
は、例えばエチレングリコール、グリセリン、マンニト
ール、ソルビトール、トリス−ヒドロキシメチルメラミ
ン、トリス−ヒドロキシメチルメタノール等の化合物の
ポリヒドロキシ置換基から誘導することができる。これ
らの化合物のポリ極性は、例えばエチレンジアミン、ト
リエチレントリアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、
ビス−ヘキサメチレントリアミン、ビス−ヘキサメチレ
ントリアミン、テトラエチレンペンタミン等の化合物の
ポリアミン置換基から誘導することができる。また、こ
れらの化合物のポリ極性はヒドロキシルとアミンの置換
基の組み合わせから誘導することができ、これらの化合
物には前記のようなモノエタノールアミン(2-アミノエ
タノール)、トリエタノールアミン(トリ-(2-ヒドロキ
シエチル)アミン)、及び他のアルカノールアミン、例
えばジエタノールアミン、N-エチルアミノモノエタノー
ルアミン、N,N,ジエタノールアミン、N,N,N,N-テトラキ
ス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等がある。
【0016】モノエタノールアミン又はトリエタノール
アミン、又は他の上記のような水溶性ポリ極性有機化合
物、又は水溶液又は他の形態の混合物の成分は、硼酸又
は他の硼素化合物又は標識化学物質の成分の量を有効な
最小限の量未満に減らすような悪影響をこのような成分
がもたらさないのであれば、硼酸又は他の硼素化合物と
標識化学物質と一緒の水溶液又は他の形態の混合物の中
に、処理用化学物質(例、シリカスケール堆積抑制剤、
キレート化剤(chelant) 、有機系又は無機系の腐食防止
剤、高分子分散剤、殺生剤、及び/又は他の薬剤、又は
これらの組み合わせ)として、硼酸又は他の硼素化合物
の溶解性向上剤として、又は他の目的で或いは特に目的
がなく存在することができる。硼酸又は他の硼素化合物
の有効な量は、流体系に添加する目的において流体系に
供給する速度が供給溶液又は他の形態の混合物に必要な
量である。標識化学物質の有効な量は、流体系に添加す
る目的において流体系に供給する速度が供給溶液又は他
の形態の混合物に必要な量である。一般に、標識化学物
質は、以降でより詳細に記すように、流体系から採取す
る流体のサンプルの中に少なくとも標識化学物質の存在
を検出するために流体系に供給する。硼酸又は他の硼素
化合物と標識化学物質の混合物は水溶液でなくてもよ
く、好ましくは硼酸又は他の硼素化合物と標識化学物質
の両者が実際的な濃度で、特に室温にて可溶であれば、
例えば混合溶媒系又は有機溶媒溶液であることができ
る。好ましい態様におけるこのような混合溶媒系(水と
有機溶媒の系)の有機溶媒又は有機溶媒溶液は、500
以下、より好ましくは200以下の分子量を有する前記
のような水溶性ポリ極性有機化合物である。このよう
に、硼酸又は他の硼素化合物、水、及び1種以上の水溶
性ポリ極性有機化合物を含む水溶液は本質的に混合溶媒
系でもある。1種以上の水溶性ポリ極性有機化合物を含
み、実質的に完全に有機溶媒溶液である例は、グリコー
ル、グリセリン、グリコール/グリセリンの混合物、ジ
エチレングリコール等の中の硼酸又は他の硼素化合物と
少なくとも1種の化学トレーサーの溶液である。1種以
上の水溶性ポリ極性有機化合物を含む混合溶媒溶液の例
は、グリコール/水混合物、グリセリン/水混合物、グ
リコール/グリセリン/水混合物、モノエタノールアミ
ン/水混合物、トリエタノールアミン/水混合物、及び
類似の混合物中の硼酸又は他の硼素化合物の溶液であ
る。
【0017】流体系への供給として、硼酸又は他の硼素
化合物と標識化学物質を含む殆どの溶液は供給時に室温
であることができるが、本発明は当然ながら、室温以外
で供給について有り得る及び/又は現実的な、硼酸又は
他の硼素化合物及び/又は標識化学物質の濃度の選択を
排除するものではなく、例えば硼酸又は他の硼素化合物
が少なくとも水中でより可溶である高温、又は室温より
も低い温度条件を採用してもよい。
【0018】硼酸又は他の硼素化合物と標識化学物質の
混合物は溶液でなくてもよく、硼酸又は他の硼素化合物
と標識化学物質の共通な比例濃度によって流体系の中に
その混合物を投入するに充分な硼酸又は他の硼素化合物
と標識化学物質の均一性、一致性、分布があれば、例え
ば固体又はドライ形態の混合物、コロイド形態の混合
物、又は任意の他のタイプの混合物であることができ
る。より詳しくは、本発明の最小限の目的において、流
体系から採取するサンプル中の標識化学物質の存在の検
出は、そのサンプルの中の硼酸又は他の硼素化合物の存
在もまた表すべきである。より好ましい態様において、
流体系から採取するサンプルの分析はサンプリング箇所
での流体系中の標識化学物質の濃度を指示することがで
き、順に好ましくは、サンプリング箇所での流体系中の
硼酸又は他の硼素化合物の濃度を少なくともおおよそ表
すべきである。標識化学物質の濃度から硼酸又は他の硼
素化合物の濃度を測定又は計算するためには、一般に所
与の時間で流体系に供給した硼酸又は他の硼素化合物と
標識化学物質の少なくとも相対量を知る必要がある。例
えば工業的冷却水系のような流体の流れを含む又はから
なる流体系について、硼酸又は他の硼素化合物と標識化
学物質の混合物は、全てのそれに続く標識化学物質の下
流での分析を合理的に確保するために、供給としてかな
り均一であることが必要であり、このような均一性の混
合物は一般に真溶液については保証されるが、ドライ混
合物においては、例えば処方及び/又は配合において特
別の配慮を行わなければ達成されないことがある。より
静的な流体についてはこのような高度の均一性は必要と
されないことがあり、例えば混合物を流体系に供給した
場合、何らかの実質的な流体の移動の前に硼酸又は他の
硼素化合物と標識化学物質の流体中への溶解を可能にす
ることがある。
【0019】好ましい態様において、流体系は実質的に
水系又は少なくとも約40又は50重量%の水を含む少
なくとも1種の流体系であり、硼酸又は他の硼素化合物
と標識化学物質をその流体系に水溶液又は有機溶媒溶液
又は混合溶媒溶液として供給する。より好ましい態様に
おいて、その溶液又は供給は約0.5又は1〜約55又
は60重量%の硼酸又は硼素化合物を含み、より好まし
い態様において、少なくとも約10又は15〜約55又
は60重量%の硼酸又は硼素化合物を含む。もう1つの
より好ましい態様において、その溶液又は供給は、前記
のような水溶性ポリ極性有機化合物を約0.1又は1〜
約25又は30重量%で含む混合溶媒溶液であり、さら
に好ましい態様において前記のような水溶性ポリ極性有
機化合物を約10又は15〜約25又は30重量%で含
み、特にはその水溶性ポリ極性有機化合物はトリエタノ
ールアミン又はモノエタノールアミンである。さらにも
う1つの好ましい態様において、混合溶媒溶液は又は供
給は、約0.5又は1〜約55又は60重量%の硼酸又
は他の硼素化合物及び約0.5又は1〜約25又は30
重量%の前記のような水溶性ポリ極性有機化合物を含
み、さらにより好ましい態様において、少なくとも約1
0又は15〜約55又は60重量%の硼酸又は他の硼素
化合物及び少なくとも約10又は15〜約25又は30
重量%の前記のような水溶性ポリ極性有機化合物を含
み、特にはその水溶性ポリ極性有機化合物はトリエタノ
ールアミン又はモノエタノールアミンである。
【0020】次にこのような水系又は混合溶媒溶液又は
供給中の標識化学物質の好ましい濃度を、標識化学物質
の供給を行った後の流体系の中のその濃度について詳細
に示す。概して標識化学物質の濃度は供給溶液の硼酸又
は他の硼素化合物の濃度より高くせず、流体系中の標識
化学物質の有効な量を提供するに必要な量よりも多い量
の標識化学物質を添加する現実的な目的がないため、好
ましい態様における標識化学物質の量は、硼酸又は他の
硼素化合物の10重量部(硼酸として)につき約1重量
部以下である。
【0021】また、供給組成物が1種以上の水溶性ポリ
極性有機化合物を含み、その水溶性の添加目的の少なく
とも一部がポリ極性有機化合物そのものでのシリカスケ
ール堆積抑制剤である場合、その供給は、好ましくは抑
制目的に有効な量で流体系に提供するに充分な濃度の水
溶性ポリ極性有機化合物を含むべきであり、流体系中の
水溶性ポリ極性有機化合物の有効な量は、流体系が工業
水を含む場合はしばしば少なくとも約10ppmであ
り、場合により、工業水の100万重量部につき重量基
準で少なくとも約50〜100ppmの水溶性ポリ極性
有機化合物のことがある。
【0022】好ましい態様において、流体系は工業水系
であり、特には冷却水系を含む熱交換設備、地熱水設
備、海水脱塩目的の塩水設備、ボイラー処理やスチーム
発生のために調製された水を含む工業設備、原油回収の
下げ穴水設備、逆浸透設備等である(限定されない)。
このような工業水系にはしばしばかなりのアモルファス
シリカのスケールの堆積問題があり、その抑制剤として
硼酸又は他の硼素化合物を使用しており、このため本発
明の方法は、このような水の中の硼酸又は他の硼素化合
物の監視に適用するに極めて有益である。このような工
業水系において、硼酸又は他の硼素化合物は、アモルフ
ァスシリカのスケール堆積抑制剤として、多数成分のア
モルファスシリカのスケール堆積抑制プログラムの1成
分として、或いは別な目的のために添加することができ
る。硼酸又は他の硼素化合物又は前記の水溶性ポリ極性
有機化合物を、アモルファスシリカのスケール堆積抑制
剤として又は多数成分のアモルファスシリカのスケール
堆積抑制プログラムの1成分として使用する場合、一般
に水は中性からアルカリ性のpHであり、例えば少なく
とも約5のpH値であり、SiO2 として少なくとも5
ppmの溶解シリカを含み、場合によりSiO2 として
350又は450ppmのように高い、又はさらに10
00ppmまでの溶解シリカを含む。珪酸からアモルフ
ァスシリカへの凝縮はアルカリ性によって引き起こさ
れ、したがって他の因子が一定であれば、高いアルカリ
性の水は所与の濃度の溶解シリカについてはアモルファ
スシリカのスケール形成への傾向が大きいであろう。ま
た、このような水は溶解シリカの他に分散シリカ、さら
にはコロイド状シリカを含むことがある。さらに、通常
はCaCO3 として少なくとも50ppmのように高
く、定期的にCaCO3 として1000ppmのように
さらに高い水のカルシウム硬度がシリカスケールの堆積
ポテンシャルに悪影響を及ぼす。このような水の条件は
シリカスケールの堆積問題がある工業設備において日常
的に見られる。
【0023】流体系において遭遇する温度は当然ながら
流体系のタイプに依存する。工業水系の温度は一般に約
室温から約150℃まで、場合により150℃以上まで
変化する。例えば、工業的地熱水は250℃又は260
℃を越えることがあり、硼酸又は他の硼素化合物は、単
独で又は前記の水溶性ポリ極性有機化合物の1種以上と
一緒にこのような高温の水にアモルファスシリカのスケ
ール堆積抑制のため又は他の目的に添加することができ
る。
【0024】工業的冷却水系の水を硼酸又は他の硼素化
合物を用いて、単独で又は前記の水溶性ポリ極性有機化
合物の1種以上と一緒に処理することは一般的である。
このような冷却水は上記のように定常的に中性からアル
カリ性であり、冷却水を1回通過のベースで冷却水系に
用いるとしても硼酸又は他の硼素化合物の添加を必要と
することがある。ここで、冷却水が循環冷却水系の中に
ある場合、硼酸又は他の硼素化合物の添加はより多く必
要であり、添加した硼酸又は他の硼素化合物を監視する
効率のよい方法がより重要になる。循環冷却水系の中
で、構成する水の中の不純物は10以上までの係数で定
常的に濃縮され、この濃縮はシリカスケールの堆積のよ
うな水の問題を大きくする。シリカのような溶質の適当
に低い濃度は、その水が次第に濃縮されるため構成する
水の中で相当に高くなる。また、水のアルカリ度はその
濃縮とともにしばしば高くなり、約7又は9又はそれ以
上のpHが循環冷却水系の濃縮冷却水においてしばしば
生じる。
【0025】上記のように、流体系特に工業水系に供給
する硼酸又は他の硼素化合物組成物は他の成分をさらに
含むことができ、その成分は流体系の中で活性又は流体
系の中で不活性であることができる。このような他の物
質は、硼酸又は他の硼素化合物の組成物の供給と別々に
流体系に供給することができる。工業水系に一般に添加
するこのような他の物質には腐食の抑制、アモルファス
シリカのスケール以外のタイプのスケールの生成を分散
又は抑制する物質があり、このような抑制剤にはクロ
ム、亜鉛、ホスフェート、オルトホスフェート、ポリホ
スフェート、及びアクリル酸やアクリルアミドの低分子
量ポリマー(通常500000ダルトン以下)、及び冷
却水系のような流体系で主として分散剤又は臨界(thres
hold) 剤として使用する各種のアクリレートがある。
【0026】本明細書では時々標識化学物質を「トレー
サー」と称するが、用語として機能上の「トレーサー」
も本発明の目的のトレーサーとして作用するため標識化
学物質に適用できる。トレーサーは、好ましくは本発明
の方法の所与の用途において使用される分析方法によっ
て容易に検出できるものの中から選択する。このような
分析方法には蛍光分析、比色分析、遷移金属分析、及び
高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)と他の検出
法、例えば吸光分析、カラム後の誘導、導電率等との組
み合わせがあり、これらのいくつかを次に詳細に記す。
【0027】〔蛍光発光分光分析〕蛍光発光分光分析に
よる特定の物質の検出と定量は、発光の量と存在する蛍
光物質の量の比例関係を基にする。紫外線と可視光を含
む光の形態のエネルギーをサンプルセルに導くと、蛍光
物質はそこでエネルギーを吸収し、次いで吸収光よりも
長い波長の光としてエネルギーを放射する。放射した光
の量を光検出器で測定する。実際には光学フィルター又
はモノクロメーターを通してサンプルセルに光を導き、
この結果、透過した光は励起波長と称する波長の分かっ
た光であり、一般にナノメートル(nm)で表す。放射
した光も同様にフィルターを通してスクリーンにかけ、
放射光の量を放射光波長と称する既知の波長又は波長の
スペクトルで測定し、同様にナノメートルの単位で表
す。本発明の方法においてよくあるような、特定の物質
又は特定の種類の物質を低濃度で測定する必要がある又
は測定したい場合、フィルターをほぼ最適な低レベルの
測定のために選択した特定の励起波長と放射波長の組み
合わせに設定する。
【0028】蛍光発光分光分析は本発明の方法における
好ましい分析方法の1つである。特定の化合物は固有に
蛍光性であり、又はトレースできる蛍光特性を提供して
追跡することができる。前記のように、本発明で使用す
るトレーサーは好ましくは不活性な化学物質であり、用
いる環境中で実質的に消費されない。また、トレーサー
は好ましくは流体系の流体に可溶であるべきべあり、特
定の好ましい態様における流体系は水系であるため、こ
の好ましい態様においてトレーサーは少なくとも水系に
用いるトレーサーの濃度で水溶性であるべきである。殆
どの水環境中で実質的に不活性である水溶性蛍光化学物
質の多数のタイプが知られている。これらの実質的に不
活性な化学物質にはモノ−、ジ−、及びトリスルホン化
ナフタレン、例えば各種のナフタレンジスルホン酸アイ
ソマーがあり、これは本発明で使用するに好ましい標識
化学物質である。ナフタレンジスルホン酸アイソマーは
水溶性であり、広く販売されており、公知の蛍光分析法
で定量可能である。さらに、この標識化学物質は前記の
硼酸又は他の硼素化合物の混合溶媒溶液の少なくともい
くつかと調和することが分かっており、したがって硼酸
又は他の硼素化合物の水系への供給の中に容易に混和す
ることができる。
【0029】いくつかの本来的な蛍光化合物もまた水処
理剤であり、冷却水のような水系に標準的な化合物の中
で芳香族有機系腐食防止剤、例えば芳香族(チオ)(ト
リ)アゾールを添加することができる。いくつの水処理
剤は蛍光グループと共に識別可能であり、例えば米国特
許第5128419 号(1992年7月7日発光、発明者D.W. Fon
g とJ.E. Hoots) に記載があり、この特許は本明細書で
も参考にして含まれ、カルボニルタイプの側基を有する
前駆体ポリマーの(トランス)アミド化変成によって蛍
光側基を有するポリマーの識別化が開示されている。蛍
光側基で識別化する水処理ポリマーは当然ながら(トラ
ンス)アミド化変成以外の方法によっても調製すること
ができる。この他の蛍光化学物質トレーサーと監視方法
は、例えば米国特許第4783314 号(1988年11月8日発
光、発明者J.E. HootsとE.B. Hunt)1開示されており、
この特許は本明細書でも参考にして含まれ、2-ナフタレ
ンスルホン酸のナトリウム塩とアシッドイエロー染料の
ような蛍光トレーサーを蛍光監視と組み合わせて使用し
ている。このような本来的な蛍光化合物又は蛍光識別化
化合物は、本発明の目的においては、これらがその水処
理機能の挙動の中で或る程度の消費の可能性にもかかわ
らず本発明で望まれる監視を提供することができる場合
にのみ有用であり、好ましい態様において、本発明のト
レーサーとしての蛍光水処理種又は他の水処理種の使用
を排除する。
【0030】概して、殆どの蛍光発光分光分析法は高度
の実用性があり、どんな仕方であっても蛍光トレーサー
を単離せずに分析を行うことが好ましい。したがって或
る程度のバックグラウンド蛍光が存在することがある。
バックグラウンド蛍光が低い場合、トレーサーの蛍光対
バックグラウンドの蛍光の相対強度(標準濃度の標準蛍
光化合物について測定し、例えば100の相対強度とす
る)は非常に高いことができ、例えば蛍光化合物の低濃
度においも特定の励起波長と放射波長を用いたときに1
00/10又は500/10の比と高く、この比は相対
性能(類似の条件で)としてそれぞれ10と50を表す
ことができる。殆どの冷却水バックグラウンドについ
て、妥当な濃度において少なくとも約5の相対性能を有
する化合物は蛍光トレーサーそのものとして、又は水処
理ポリマー等(その化合物が識別化反応のための適切な
反応性基を含む場合)の識別化剤として非常に適切であ
る。バックグラウンド中でかなり高い蛍光の特定の化学
種が存在する場合又は存在することがある場合、励起及
び/又は放射波長はその種の存在によって生じるトレー
サー測定の妨害を無くす又は少なくとも最小限にするよ
うに選択することがしばしば可能である。
【0031】蛍光発光分光分析と他の分析法により連続
的な流れにおいて化学トレーサーを監視する1つの方法
が米国特許第4992380 号(1991年2月12日発行、発明者
B.E.Moriarity, J.J. Hickey, W.H. Hoy, J.E. Hoots,
D.A. Johnson)に開示されており、ここでも参考にして
含まれる。 〔HPLCと蛍光分析の組み合わせ〕高圧液体クロマト
グラフィー(HPLC)と蛍光トレーサーの蛍光分析の
組み合わせは、本発明の硼酸又は他の硼素化合物の監視
方法について有力な道具であり、特に非常に低いレベル
の蛍光トレーサーを用いるか又は生じるバックグラウン
ド蛍光が蛍光分析の効率を別に妨害する場合に有力であ
る。HPLC−蛍光分析はトレーサー化合物は流体マト
リックスからトレーサー化合物を分離することを可能に
し、次いでトレーサーの濃度を測定することができる。
HPLCと蛍光分析の組み合わせは極めて汚染された流
体中のわずかなレベルのトレーサーの測定に特に有効で
ある。
【0032】また、HPLCは蛍光分析以外のトレーサ
ー検出法に使用する目的で流体マトリックスからトレー
サー化合物を分離するために有効に採用することがで
き、このような他のトレーサー検出法には吸光法、後カ
ラム誘導化、導電率等がある。 〔比色法〕比色法又は分光側光法を化学トレーサーを検
出及び/又は定量するために使用することができる。比
色法は化学種の紫外線又は可視光を吸収する性質より化
学種を測定する。比色分析法の1つはブランク又は標準
溶液(既知の濃度のトレーサー種を含む)と監視する流
体のサンプルとの視覚での対比である。もう1つの比色
法は分光側光法であり、入射光と透過光のビームの強度
比を特定の波長において光電池又は光電子増倍管のよう
な検出器を用いて測定する。Brinkman PC-80(570n
mフィルター)のような比色プローブ、光ファイバー
(二重)プローブを用い、サンプル溶液をフローセルの
中に入れ、プローブを浸す。1つの光ファイバーケーブ
ルがサンプル液を通してセルの内側の鏡に入射光を照ら
し、反射光がサンプル液を透過してもう1つの光ファイ
バーに戻り、比色計を含む比色分析装置に到達する。比
色計は変換器を有し、トレーサー濃度の反射光特性を電
気アナログ信号に変換する。変換器の出力電圧が目盛り
指示器と連続ラインレコーダー印刷機を作動する。モニ
ターの設定電圧を比色計で発生するアナログ電圧の定常
的な検出又は監視に使用することができ、トレーサー信
号を検出して(以降に述べる)応答信号を敏感な処理剤
の供給ラインに送り、供給を開始する又は偏向すること
ができる。このような比色法とそれに用いることができ
る装置が米国特許第4992380 号(1991年2月12日発行、
発明者B.E. Moriarity, J.J. Hickey,W.H. Hoy, J.E. H
oots, D.A. Johnson)に記載されており、ここでも参考
にして含まれる。比色法に関連して使用するに適切な化
学トレーサーは遷移金属(以降に述べる)、流体系に存
在する他種と識別可能な光吸収特性を示す物質、発色試
薬と反応して流体系に存在する他種と識別可能な光吸収
特性を示す物質を生成する物質がある。
【0033】〔遷移金属分析〕遷移金属化合物(遷移金
属イオン、オキシアニオン、カチオン、及び関係の錯
体)は1種以上の既知の方法によって定量的に測定する
ことができる。好ましい方法は前記の比色法である。も
う1つの方法は分子吸収である。紫外線と可視光領域に
おける分子吸収は分子の電子構造による。吸収したエネ
ルギーは電子軌道を低エネルギー状態から高エネルギー
状態に励起する。或る分子は特定の周波数のみを吸収す
ることができ、これは分子の中で特定の状態のみが可能
であり、基底状態と励起状態の間のエネルギー差が与え
たエネルギーに等しくなければならないためである。分
子が吸収する周波数において、入射エネルギーの強度は
放射エネルギーの強度よりも大きく、吸収が測定され
る。監視する流体のサンプルは既知の濃度の遷移金属
(又は他の適切なトレーサー種)を含む標準溶液から用
意したキャリブリーション曲線(吸光度対濃度)に照合
することができ、トレーサーの濃度を検出し測定する。
遷移金属トレーサーの分子吸収法は米国特許第4992380
号(1991年2月12日発行、発明者B.E. Moriarity, J.J.
Hickey, W.H. Hoy,J.E. Hoots, D.A. Johnson)に記載
されており、ここでも参考にして含まれる。
【0034】化学種を単離せずに化学種の存在及び/又
は濃度を検出するの分析方法は開発途上の技術であり、
本発明の方法に使用するための合理的な分析技術は現在
のところ進展中であり、恐らくは本発明の目的と同等な
技術が将来開発されるであろう。1種以上の分析法の選
択に基づいて所与の方法について化学種を選択すること
ができ、或いは1種以上の化学トレーサーの選択に基づ
いて所与の方法について分析法を選択することができ
る。好ましい態様において、トレーサーとして選択する
化合物は、それぞれの流体中に用いる化学トレーサーの
濃度レベルでプロセスの流体中に可溶であるべきであ
る。1つの好ましい態様において、トレーサーとして選
ぶ化合物は、トレーサーの期待される有効寿命において
流体系の環境中で安定であるべきであり、或いは分解、
堆積、錯形成反応、又は他の現象による流体からのその
損失が予測でき、補償されるべきであり、特にこれはト
レーサーの或る量の存在を検出するだけでなく、その濃
度や濃度変化を測定したい場合に必要である。
【0035】もう1つの好ましい態様において、トレー
サーとして選択する化合物は、その消費又は損失が予測
でき、流体に対する硼酸又は他の硼素化合物の損失に比
例するのでなければ、流体に対して例えば分解、堆積、
錯形成反応、又は他の現象によって消費又は損失する化
合物であるべきでなく、特にこのことは流体中の硼酸又
は他の硼素化合物の濃度又は濃度変化を測定したい場合
に必要である。硼酸又は他の硼素化合物をアモルファス
シリカのスケール堆積抑制に使用する場合、硼酸又は他
の硼素化合物は水系の中で無視できる消費又は損失であ
ると考えられる。好ましい態様において、トレーサーと
して選択の化合物とそのトレーサーの存在及び/又は濃
度を測定するために選択する分析方法の組み合わせはト
レーサーの単離なしにその測定を可能にするべきであ
り、より好ましくは、連続的及び/又はオンラインベー
スでその測定を可能にすべきである。
【0036】もう1つの好ましい態様において、トレー
サーの存在及び/又は濃度を測定するために選択する分
析方法は、硼酸又は他の硼素化合物で処理する又は他の
目的の投与のために流体への硼酸又は他の硼素化合物の
供給を調節する又は作用することができる信号を提供す
るための測定を可能にすべきである。本発明の方法の1
つの態様は、硼酸又は他の硼素化合物の組成物を流体系
に供給する前に、硼酸又は他の硼素化合物組成物そのも
のの中に化学トレーサーを加えることを含む。本発明の
もう1つの態様において、化学トレーサーは硼酸又は他
の硼素化合物組成物の供給と別々ではあるが流体系への
供給として同時に添加する。本発明は化学トレーサーを
流体系に供給する前の硼酸又は他の硼素化合物に添加
し、さらに硼酸又は他の硼素化合物と別々に同時に流体
系に直接供給する併用を除外するものではないが、この
ような二重の供給法は二重の供給速度を簡便に正確に求
めることができなければ価値がかなり少ない。
【0037】1種以上の化学トレーサーを用いることが
でき、この場合、流体系中のその各々のトレーサーの存
在及び/又は濃度はその各々のトレーサーに有効な分析
方法で求めるべきであるが、分析方法は同一又は異なる
ことがある。さらに好ましい態様において、流体系が多
数の生成物供給箇所を有する一連の連続設備のような1
より多い潜在的な硼酸又は他の硼素化合物のルートを有
する場合、上記のサンプリングと分析は1以上の箇所で
行い、特に複数のルートの少なくとも1つのまとまりの
途中の少なくとも1箇所で行い、より好ましくはその潜
在的な硼酸又は他の硼素化合物のルートの各々の途中の
実質的に少なくとも1箇所で行う。別々の潜在的な硼酸
又は他の硼素化合物のルートの途中の少なくとも1箇所
で監視することにより、そのルートの中の硼酸又は他の
硼素化合物の所在場所を求めることができ、硼酸又は他
の硼素化合物の別々なルートへの流れの範囲もまた求め
ることができる。
【0038】
【実施例及び作用効果】
例1 次の成分を混合することによって、硼酸とナフタレンジ
スルホン酸トレーサーの安定な混合溶媒溶液を調製し
た。 ・28重量部の水 ・17重量部のモノエタノールアミン ・55重量部の硼酸 ・0.26重量部のナフタレンジスルホン酸 例2 次の成分を混合することによって、硼酸とバナジウムト
レーサーの安定な混合溶媒溶液を調製した。
【0039】・46.2重量部の水 ・34重量部のモノエタノールアミン ・110重量部の硼酸 ・9.8重量部の5.1重量%バナジウム含有水溶液 本発明の或る態様において、その方法はベースライン状
態を求めるための流体系のサンプリングの予備工程を含
み、好ましくはトレーサー添加後の全ての意図する又は
可能性のあるサンプリング箇所で行う。このような予備
的ベースライン状態の測定は、トレーサー化学物質の選
択範囲を狭くするため、又はトレーサー添加後のサンプ
リング箇所の決定及び/又は修正のために採用すること
ができる。
【0040】或る好ましい態様において、サンプリング
箇所は硼酸又は他の硼素化合物と処理すべき水との最大
の混合が生じている箇所である。最大の関心が複数の潜
在的な硼酸又は他の硼素化合物のルートの1つの途中の
硼酸又は他の硼素化合物の存在及び/又は濃度である場
合、当然ながら関心のルートのみを監視することがあり
得る。場合により、トレーサー化学物質の検出と定量の
両方に最も敏感なルートを監視することが最も能率的な
ことがあり、この感度はそのルートのベースライン状態
又はそのルートの途中で期待されるトレーサー化学物質
の濃度によって引き出されることがある。ここで、所与
の工業設備における最も敏感なルート又は最も関心のあ
るルートの監視が最も現実的でないことがある。例え
ば、そのルートの流体ラインは他の流体ラインより監視
に便利でないことがある。最も敏感なルート及び/又は
最も関心のあるルートの流体ラインは要望の少ない分析
方法によってのみ監視を受けることが可能なことがあ
る。このため、最も関心のあるルート又は最も敏感なル
ートの中で流体の監視をすることが望ましいとしても、
現実的な理由により環境が取り組みを要望の少ないもの
にすることがある。
【0041】一般に、少なくとも環境において実用的な
トレーサー化学物質の量を使用することが望ましく、流
体系に添加するトレーサーの量は、少なくとも所望の測
定に有効な量とすべきである。最小限に有効な量のかな
り過剰な量で流体系にトレーサーを計画的に供給するこ
とは殆どなく、含まれるコストに適合するにそのように
する現実的な目的が概してなく、トレーサー化学物質の
存在によって生じるいずれかの流体の品質に何らかの有
害な影響を及ぼすことがあるためである。かなり過剰で
ない有効な量でトレーサーを受け入れる流体系に添加す
べきトレーサー化学物質の量は各種の因子によって変化
することがあり、このような因子としてはトレーサーと
選択の監視方法、選択の監視方法に伴うバックグラウン
ド妨害の可能性、疑わしい又は潜在的な漏れ、監視様式
(オンライン連続、半連続、スラッグとサンプル、その
他)がある(限定されない)。一般に流体系へのトレー
サーの投与量は約0.1ppmの流体中のトレーサー濃
度を提供するに充分な量と考えられ、より一般的には少
なくとも約10又は100ppm又はそれ以上である。
【0042】或る態様において、本発明は流体系中の硼
酸又は他の硼素化合物の監視方法であり、硼酸又は他の
硼素化合物を流体系に添加し、流体系に少なくとも1種
のトレーサー化学物質を添加し、流体系の少なくとも1
箇所からの少なくとも1つの流体サンプルを少なくとも
1種の分析に供する過程を含み、分析はサンプル中のト
レーサー化学物質種の存在を少なくとも検出し、分析は
トレーサー化学物質種の存在の検出からサンプル中の硼
酸又は他の硼素化合物の存在を少なくとも測定する。
【0043】或る態様において、本発明は流体系中の硼
酸又は他の硼素化合物の監視方法であり、流体系に硼酸
又は他の硼素化合物と少なくとも1種のトレーサー化学
物質を含む混合物からなる組成物を添加し、ここで混合
物中のトレーサー化学物質種と硼酸又は他の硼素化合物
との比率は実質的に分かっており、流体系の少なくとも
1箇所からの流体の少なくとも1つのサンプルを少なく
とも1種の分析に供し、分析はサンプル中のトレーサー
化学物質種の存在を少なくとも検出し、分析はトレーサ
ー化学物質種の存在の検出からサンプル中の硼酸又は他
の硼素化合物の存在を少なくとも測定する。
【0044】或る態様において、本発明は少なくともp
Hが5であり、溶解シリケートを含む水系の水と接触す
る表面上のアモルファスシリカのスケール形成を抑制す
るための方法であり、水に溶解又は加水分解したときに
オルト硼酸塩イオンを生成する少なくとも1種の硼素化
合物を、水と接触する表面上のアモルファスシリカのス
ケール形成を抑制するに有効な量で水に添加し、硼素化
合物の添加と同時に少なくとも1種のトレーサー化学物
質を水に添加し、水系の少なくとも1箇所でトレーサー
化学物質種の少なくとも存在を測定することにより水系
中の硼素化合物を監視する過程を含む。
【0045】好ましい態様において、分析は流体系で分
析する化学トレーサー種の濃度に比例する化学トレーサ
ー種の分光特性又は化学特性を測定する。いくつかの好
ましい態様における化学トレーサー種は、水溶性硼素塩
の少なくとも部分的なカチオンである遷移金属カチオン
であり、分析は遷移金属応答分析である。もう1つの好
ましい態様における化学トレーサー種は少なくとも1種
の蛍光化合物であり、分析は少なくとも蛍光分析を含
み、好ましくはオンラインの連続的又は半連続的分析で
ある。硼酸又は他の硼素化合物と化学トレーサー種は、
好ましくは実質的な水溶液又は混合溶媒溶液として、流
体系に実質的に一緒に添加する。好ましくは化学トレー
サー種の少なくとも1種の検出が信号を作用又は修正
し、作用又は修正後の信号が流体系への少なくとも1種
の処理化学物質の供給に作用し又は修正する。
【0046】もう1つの好ましい態様において、混合物
は水と分子量500以下の少なくとも1種の水溶性ポリ
極性有機化合物を含む混合溶媒溶液である。別な好まし
い態様において、混合物は水と、モノエタノールアミン
とトリエタノールアミンの少なくとも1種を含む混合溶
媒溶液である。硼素化合物は、好ましい態様において、
水中の硼酸として少なくとも約25ppmの硼酸又は他
の硼素化合物の濃度を提供する量で水に添加する。化学
トレーサー種と硼素化合物は、好ましい態様において、
混合物として水系の水に一緒に添加する。化学トレーサ
ー種と硼素化合物は、好ましい態様において、実質的な
水溶液として水系の水に一緒に添加する。化学トレーサ
ー種と硼素化合物は、別の好ましい態様において、水と
分子量200以下の少なくとも1種の水溶性ポリ極性有
機化合物を含む混合溶媒系として水系の水に一緒に添加
する。水系は好ましくは冷却水系のような熱交換水系で
ある。
【0047】或る好ましい態様において、例えば不活性
トレーサーを本発明の目的に添加した場合、又は本発明
の目的及び別のトレーサープロセスの目的の両方のため
に添加した場合、化学トレーサー種は流体系の通常の処
理プログラムと異質である。特定の好ましい態様におい
て、化学トレーサー種は少なくとも1種の蛍光化合物で
あり、分析は少なくとも蛍光分析を含み、この方法はオ
ンラインの連続又は半連続の監視に容易に使用すること
ができるため特に好ましく、さらに他の知られた長所も
ある。
【0048】或る好ましい態様において、分析は流体系
のオンラインの連続又は半連続の分析であり、化学トレ
ーサー種は少なくとも1種の蛍光化合物であり、好まし
くは流体系の中で実質的に不活性である。或る好ましい
態様において、分析は流体系のオンラインの連続的分析
であり、化学トレーサー種は少なくとも1種の蛍光化合
物であり、化学トレーサー種の少なくとも1つの検出が
信号に作用又は変換し、作用又は変換した信号が流体系
の少なくとも1種の処理化学物質の供給に作用し又は変
換し、ここで処理化学物質の供給は、場合により好まし
くは、硼酸又は他の硼素化合物を含む組成物の流体系へ
の供給であることができる。
【0049】或る好ましい態様において、流体系は熱交
換設備であり、より好ましくは冷却水設備である。或る
好ましい態様において、流体系は冷却水設備を含む(限
定されない)熱交換器の1又は複数の側面を通って流れ
る水の流れである。或る好ましい態様において、分析は
分析する流体系中の化学トレーサー種の濃度に比例し、
より好ましくは、分析する流体系中の化学トレーサー種
と硼酸又は他の硼素化合物の両方の濃度に比例する化学
トレーサー種のスペクトル又は化学特性を測定する。
【0050】或る好ましい態様において、分析は蛍光発
光分光分析、高圧液体クロマトグラフィーと蛍光発光分
光分析の組み合わせ、比色分光光度分析、遷移金属分析
の1種以上である。或る好ましい態様において、化学ト
レーサー種は流体の環境の中で分解、堆積、消費、その
他の消失メカニズムのような消失メカニズムに実質的に
耐える。或る好ましい態様において、化学トレーサー種
は、硼酸又は他の硼素化合物の同じ環境での消失メカニ
ズムに対する感受性に比例する程度又は速度で流体系の
環境中の消失メカニズムを実質的に受ける。
【0051】本明細書において特に明記がなければ、こ
こで示した全ての化合物又は複数の化合物を含む組成物
の全ての特性は、約20〜約40℃の実質的に大気圧下
で測定したその化合物又は組成物の特性である。アモル
ファスシリカのスケールの堆積は、ここでは沈澱する、
又は水系から濾過することができ、乾燥物質の全重量を
基準に、SiO2 としての少なくとも約30重量%の全
シリカ、より一般的にはSiO2 としての約50〜90
重量%又はそれ以上の全シリカを含む固体物質を意味す
る。堆積は、ここでは流体系に接触する面で生成する及
び/又は面に集まる物質を意味する。化学種の「存在の
検出」なる用語は、ここではその化学種が存在するか存
在しないかの測定を意味し、したがって用いる分析方法
の検出限界までその化学種が存在しないことを含む。硼
酸又は他の硼素化合物の後ろに続く用語「硼酸として」
は、それから生成するオルト硼酸塩イオンとして求まる
硼酸の量に等しいその硼素化合物の量を意味する。他に
明記がなければ、化合物、測定、方法、位置、化学物
質、抑制剤、成分、種、官能価はそれぞれの1種又は複
数種を含んで意味し、芳香族(チオ)(トリ)アゾール
は芳香族アゾール及び/又は芳香族チアゾール及び/又
は芳香族トリアゾールを意味する。用語「種」はここで
は1つの化合物に関して時々用い、その言及については
文脈から明らかである。用語「少なくとも1種の化学ト
レーサー」は化学トレーサー、又はトレーサーのカテゴ
リーの中の1種以上の化合物を意味する。
【0052】本発明は、例えば冷却水設備のシリカスケ
ールの堆積抑制剤等の化学処理剤として硼酸又は他の硼
素化合物を含む流体系を採用する全ての工業設備に適用
可能であり、特にその流体系の中又はその任意の箇所で
硼酸又は他の硼素化合物の存在及び/又は濃度を監視す
ることが望ましい場合に適用可能である。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の各過程を含んでなる流体系中でオル
    ト硼酸塩イオンを生成する硼素化合物の監視方法: 1)該硼素化合物を該流体系に添加し、 2)該流体系に少なくとも1種のトレーサー化学物質を添
    加し、 3)該流体系の少なくとも1箇所からの少なくとも1つの
    流体サンプルを少なくとも1種の分析に供し、ここで、
    該分析は該サンプル中の該トレーサー化学物質種の存在
    を少なくとも検出し、該分析は該トレーサー化学物質種
    の存在の該検出によって該サンプル中の該硼素化合物の
    存在を少なくとも測定する。
  2. 【請求項2】 該化学トレーサー種が該流体系の環境中
    で実質的に不活性である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 該分析が、分析する流体系中の該化学ト
    レーサー種の濃度に比例する該化学トレーサー種の分光
    又は化学的特性を測定する請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該化学トレーサー種が水溶性硼素塩の少
    なくとも一部のカチオンである遷移金属カチオンであ
    り、該分析が遷移金属応答分析である請求項1に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 該化学トレーサー種が少なくとも1種の
    蛍光化合物であり、該分析は蛍光を少なくとも含んでオ
    ンラインの連続又は半連続分析である請求項1に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 該硼素化合物と該化学トレーサー種を、
    実質的な水溶液又は混合溶媒溶液として該流体系に実質
    的に一緒に添加する請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 該化学トレーサー種の少なくとも1種の
    検出が信号を変換又は信号に作用し、変換又は作用後の
    該信号が該流体系への少なくとも1種の処理化学物質の
    供給に作用する又は供給を変換する請求項1に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 次の各過程を含んでなる流体系中でオル
    ト硼酸塩イオンを生成する硼素化合物の監視方法: 1)該硼素化合物と少なくとも1種のトレーサー化学物質
    を含む混合物を含んでなる組成物を該流体系に添加し、
    ここで該混合物中での該トレーサー化学物質種と該硼素
    化合物の比率は実質的に分かっており、 2)該流体系の少なくとも1箇所からの少なくとも1つの
    流体サンプルを少なくとも1種の分析に供し、ここで、
    該分析は該サンプル中の該トレーサー化学物質種の存在
    を少なくとも検出し、該分析は該トレーサー化学物質種
    の存在の該検出によって該サンプル中の該硼素化合物の
    存在を少なくとも測定する。
  9. 【請求項9】 該硼素化合物が硼酸である請求項8に記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 該混合物が、水、及び分子量が500
    以下の少なくとも1種の水溶性ポリ極性有機化合物を含
    む混合溶媒溶液である請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 該混合物が、水、及びモノエタノール
    アミンとトリエタノールアミンの少なくとも1種を含む
    混合溶媒溶液である請求項8に記載の方法。
  12. 【請求項12】 該化学トレーサー種が少なくとも1種
    の蛍光化合物であり、該分析が少なくとも蛍光分析を含
    む請求項8に記載の方法。
  13. 【請求項13】 該分析が該流体系のオンラインの連続
    又は半連続分析である請求項8に記載の方法。
  14. 【請求項14】 該分析が、分析する流体系中の該化学
    トレーサー種の濃度に比例する該化学トレーサー種の分
    光又は化学的特性を測定する請求項8に記載の方法。
  15. 【請求項15】 pHが少なくとも5で、溶解シリケー
    トを含む水系の水に接触する表面上のアモルファスシリ
    カのスケール生成を抑制するための方法であって、次の
    各過程を含んでなる方法: 1)該水に溶けたとき又は加水分解したときにオルト硼酸
    塩イオンを生成する少なくとも1種の硼素化合物を、該
    水に接触する表面上のアモルファスシリカのスケール生
    成を抑制するに有効な量で該水に添加し、 2)該硼素化合物の添加と同時に該水に少なくとも1種の
    トレーサー化学物質を添加し、 3)該水系の少なくとも1箇所で該トレーサー化学種の少
    なくとも存在を測定することによって該水系中の該硼素
    化合物を監視する。
  16. 【請求項16】 該硼素化合物を、該水の中の硼酸とし
    て少なくとも約25ppmの濃度を提供する量で該水に
    添加する請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 該化学トレーサー種と該硼素化合物
    を、混合物として一緒に該水系の該水に添加する請求項
    15に記載の方法。
  18. 【請求項18】 該化学トレーサー種と該硼素化合物
    を、実質的な水溶液中の溶質として一緒に該水系の該水
    に添加する請求項15に記載の方法。
  19. 【請求項19】 該化学トレーサー種と該硼素化合物
    を、水及び分子量200以下の水溶性ポリ極性有機化合
    物の少なくとも1種を含む混合溶媒溶液の溶質として一
    緒に該水系の該水に添加する請求項15に記載の方法。
  20. 【請求項20】 該水系が熱交換の水設備である請求項
    15に記載の方法。
JP6005745A 1993-01-22 1994-01-24 スケール抑制剤としての硼酸化合物の監視方法 Pending JPH06233996A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/008,702 US5266493A (en) 1993-01-22 1993-01-22 Monitoring boric acid in fluid systems
US008702 1993-01-22

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06233996A true JPH06233996A (ja) 1994-08-23

Family

ID=21733177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6005745A Pending JPH06233996A (ja) 1993-01-22 1994-01-24 スケール抑制剤としての硼酸化合物の監視方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US5266493A (ja)
EP (1) EP0608044A3 (ja)
JP (1) JPH06233996A (ja)
KR (1) KR0169113B1 (ja)
BR (1) BR9400126A (ja)
SG (1) SG45263A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5266493A (en) * 1993-01-22 1993-11-30 Nalco Chemical Company Monitoring boric acid in fluid systems
US5411889A (en) * 1994-02-14 1995-05-02 Nalco Chemical Company Regulating water treatment agent dosage based on operational system stresses
US5435969A (en) * 1994-03-29 1995-07-25 Nalco Chemical Company Monitoring water treatment agent in-system concentration and regulating dosage
US5736405A (en) * 1996-03-21 1998-04-07 Nalco Chemical Company Monitoring boiler internal treatment with fluorescent-tagged polymers
US5902749A (en) * 1997-09-18 1999-05-11 The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Interior Automated chemical metering system and method
USH2142H1 (en) * 1998-01-29 2006-01-03 Edward Elizondo Method for measuring the concentration of bodymaker lubricant in bodymaker coolant
US5976461A (en) * 1998-05-05 1999-11-02 Kostuck; Paul R. Method for protecting cooling water systems
US6361960B1 (en) 1999-11-09 2002-03-26 Environmentally Sensitive Solutions, Inc. Method and test kit for measuring concentration of a cleaning agent in a wash liquor
US6472219B1 (en) 2000-08-31 2002-10-29 Ondeo Nalco Company Use of tracers to monitor application of treatment products to cut flowers
US7767817B2 (en) * 2003-09-05 2010-08-03 Binghe Wang Water soluble boronic acid fluorescent reporter compounds and methods of use thereof
US7932091B2 (en) * 2006-07-18 2011-04-26 Prochemtech International, Inc. Colorant tracer for cooling water treatment formulations
US9266797B2 (en) 2013-02-12 2016-02-23 Ecolab Usa Inc. Online monitoring of polymerization inhibitors for control of undesirable polymerization
US9399622B2 (en) 2013-12-03 2016-07-26 Ecolab Usa Inc. Nitroxide hydroxylamine and phenylenediamine combinations as polymerization inhibitors for ethylenically unsaturated monomer processes
CN110850064B (zh) * 2019-12-03 2021-12-03 安徽省(水利部淮河水利委员会)水利科学研究院(安徽省水利工程质量检测中心站) 一种检测坡面流和壤中流新老水的方法

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3980435A (en) * 1975-09-02 1976-09-14 Continental Oil Company Method for controllng boric acid concentration in an aqueous stream
DE2657851A1 (de) * 1976-12-21 1978-06-22 Bbc Brown Boveri & Cie Vorrichtung zum kontinuierlichen messtechnischen erfassen der verschmutzung einer waessrigen fluessigkeit durch oel
EP0036303B1 (en) * 1980-03-13 1986-02-05 Hitachi, Ltd. Process for analyzing anions and process for treating radioactive liquid waste utilizing the same
US4472354A (en) * 1980-10-21 1984-09-18 Electric Power Research Institute, Inc. System for continuously monitoring the ionic content of steam-producing water
DE8110301U1 (de) * 1981-04-04 1982-03-11 Karstedt, Carus von, 2000 Norderstedt Dosier- und mischvorrichtung fuer korrosionsschutzmittel in verbindung mit wasserhydraulischen anlagen
US4532047A (en) * 1984-06-29 1985-07-30 Nalco Chemical Company Silica inhibition: prevention of silica deposition by addition of low molecular weight organic compounds
US4584104A (en) * 1984-06-29 1986-04-22 Nalco Chemical Company Silica inhibition: prevention of silica deposition by boric acid/orthorborate ion
US4783314A (en) * 1987-02-26 1988-11-08 Nalco Chemical Company Fluorescent tracers - chemical treatment monitors
JP2571795B2 (ja) * 1987-11-17 1997-01-16 住友電気工業株式会社 紫色ダイヤモンドおよびその製造方法
CA1325583C (en) * 1987-12-11 1993-12-28 Gary L. Baker Visual analytical tracer and method for detection and quantitative analysis for water treatment chemicals
US4992380A (en) * 1988-10-14 1991-02-12 Nalco Chemical Company Continuous on-stream monitoring of cooling tower water
US5041386A (en) * 1988-12-19 1991-08-20 Nalco Chemical Company Concentration cycles, percent life holding time and continuous treatment concentration monitoring in boiler systems by inert tracers
US5200106A (en) * 1989-02-27 1993-04-06 Nalco Chemical Company Compositions comprising transition metals for treating and monitoring liquid systems
US4966711A (en) * 1989-02-27 1990-10-30 Nalco Chemical Company Transition metals as treatment chemical tracers
GB2238383B (en) * 1989-11-15 1993-12-01 Ciba Geigy Ag UV sensitive marker compounds for use in aqueous systems
US5006311A (en) * 1990-03-23 1991-04-09 Nalco Chemical Company Monitoring performance of a treating agent added to a body of water
US5128419A (en) * 1990-08-20 1992-07-07 Nalco Chemical Company Synthesis of tagged polymers by post-polymerization (trans) amidation reaction
US5171450A (en) * 1991-03-20 1992-12-15 Nalco Chemical Company Monitoring and dosage control of tagged polymers in cooling water systems
US5266493A (en) * 1993-01-22 1993-11-30 Nalco Chemical Company Monitoring boric acid in fluid systems

Also Published As

Publication number Publication date
SG45263A1 (en) 1998-01-16
US5266493A (en) 1993-11-30
KR940018326A (ko) 1994-08-16
EP0608044A3 (en) 1994-11-02
EP0608044A2 (en) 1994-07-27
KR0169113B1 (ko) 1999-01-15
BR9400126A (pt) 1994-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5435969A (en) Monitoring water treatment agent in-system concentration and regulating dosage
JP3751652B2 (ja) 工業的流体系の水処理剤インシステム濃度の調節方法
US5389548A (en) Monitoring and in-system concentration control of polyelectrolytes using fluorochromatic dyes
EP0385678B2 (en) Transition metals as tracers of chemical treatment
JPH06233996A (ja) スケール抑制剤としての硼酸化合物の監視方法
US8178353B2 (en) Method for determination of polymer concentration in water systems
US9228986B2 (en) Simultaneous determination of multiple analytes in industrial water system
CA2731197A1 (en) Method for inhibiting corrosion
US5200106A (en) Compositions comprising transition metals for treating and monitoring liquid systems
EP0320086B1 (en) Visual analytical tracer and method for detection and quantitative analysis for water treatment chemicals
EP0624798A1 (en) Monitoring process consumption rates of additives
EP0703451A2 (en) Monitoring process fluids in papermaking systems
US5858798A (en) Method and apparatus for detecting amines and ammonia by fluorescence
Lu et al. The Overview of Scale Inhibitor Residual Detection Methods for Both Downstream and Upstream Applications
JPH0894520A (ja) 蛍光物質による冷却水系水処理剤濃度及び保有水量の測定方法
Scattolini et al. A Quantitative Polymer Method for Cooling Water Applications