JPH06228538A - 湿式焼結摩擦材料 - Google Patents

湿式焼結摩擦材料

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JPH06228538A
JPH06228538A JP2038793A JP2038793A JPH06228538A JP H06228538 A JPH06228538 A JP H06228538A JP 2038793 A JP2038793 A JP 2038793A JP 2038793 A JP2038793 A JP 2038793A JP H06228538 A JPH06228538 A JP H06228538A
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JP
Japan
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friction material
friction
wet
sintered
copper
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Withdrawn
Application number
JP2038793A
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English (en)
Inventor
Yoshikiyo Tanaka
義清 田中
Takemori Takayama
武盛 高山
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 湿式焼結摩擦材料の強度を低下させることな
く高摩擦係数を保持するとともに相手板への焼付き,移
着を防止する。 【構成】 シリカ,ガラス,アルミナ,カーボンのうち
の少なくとも1種で構成される粒子径150μm以下の
中空バルーン(5〜15重量%)と、黒鉛粉末(15〜
30重量%)と、銅系焼結金属,潤滑材,摩擦調整材
(残余)とを混合して焼結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿式焼結摩擦材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、工作機械,建設機械等においてそ
れら機械の回転駆動,移動運動等を任意に制御するため
にクラッチ,ブレーキ材料が必要不可欠であり、これら
クラッチ,ブレーキ材料には一般に有機質摩擦材料,メ
タリック系摩擦材料が用いられている。この有機質摩擦
材料は、繊維成分,充填剤成分(フィラー)を樹脂,ゴ
ム等のバインダーで結合させたものであり、高い摩擦係
数を有する。また、メタリック系摩擦材料は、前記フィ
ラーを金属,合金成分(例えば銅−錫焼結合金,銅−錫
−亜鉛焼結合金)等のバインダーで結合させたものであ
り、高温での摩擦係数の低下が小さく磨耗されにくい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、有機質
摩擦材料は、樹脂,ゴム等よりなるバインダーの耐熱性
が不十分であるため耐熱性に劣り、さらには摩擦熱によ
り前記バインダーが軟化するため摩擦面において液体的
な挙動を示し、流体潤滑的に摩擦係数が小さくなるとい
う問題点がある。一方、メタリック系摩擦材料は一般に
摩擦係数が小さいという問題点がある。
【0004】本発明は、以上のような問題点に鑑みてな
されたものであって、高い摩擦係数を有するとともにそ
の摩擦係数が維持される湿式焼結摩擦材料を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】一般に、メタリック系摩
擦材は使用にともなってその摩擦表面(金属マトリック
ス)が塑性流動を起こし、この塑性流動を起こした金属
マトリックスがそのメタリック系摩擦材の表面部に存在
する気孔,黒鉛の表面を被覆する。したがって、このメ
タリック系摩擦材は湿式で使用される際に特に流体潤滑
化し易い。また、このメタリック系摩擦材に例えば有機
材料系のビーズを添加混合して焼結することによりその
メタリック系摩擦材の表面に空孔を形成し、この空孔を
使用される油の逃げ道として用いることによりそのメタ
リック系摩擦材の表面の境界潤滑化を図ったとしても、
前記空孔の近傍に前記金属マトリックスの塑性流動を抑
止するものがないためそのメタリック系摩擦材が流体潤
滑化する。この結果、このメタリック系摩擦材の摩擦係
数が低下する。また、メタリック系摩擦材の使用条件
(負荷の条件)が厳しい場合、相手材料(板)への焼付
き,移着という現象を生じる。
【0006】建築材,耐火材,プラスチック充填材等と
して広く用いられている中空バルーンは、例えばブレー
キ材の摩擦材としてそのブレーキ材に添加されて使用さ
れている。この中空バルーンが添加されたブレーキ材で
はそのブレーキ材の表面の摩擦の進行にともないその表
面の平滑化が防止され、またその表面の安定な高い摩擦
係数が得られる。すなわち、このブレーキ材の表面の摩
擦にともなってその表面に中空バルーンが現出し、この
表面において前記中空バルーンが現出した部分は所謂デ
ィンプル状の凹部となっているため、このブレーキ材の
表面にはミクロな凹凸が形成されることになる。
【0007】このような中空バルーンが添加された有機
質摩擦材料は使用にともなって軟化された際、この中空
バルーンにより軟化した有機材マトリックスフィルムの
発生が防止されるとともに摩擦係数が高く維持される。
【0008】本発明者らは、このような事象に基づいて
種々の検討を重ねた結果、・前述された中空バルーンが
焼結されたメタリック系摩擦材の表面には、前記中空バ
ルーンが焼結される際に破壊されて形成されたディンプ
ル状の凹凸が形成され、この凹凸により前記メタリック
系摩擦材の表面の摩擦係数が高くなる、・前記中空バル
ーンが添加されたメタリック系摩擦材はその中空バルー
ンにより金属マトリックスの塑性流動が抑止され、例え
ば有機材料系のビーズを用いてそのメタリック系摩擦材
の表面に形成された空孔がその金属マトリックスに被覆
されることはないため、このメタリック系摩擦材の相手
材料に対する焼付き,移着が防止されてそのメタリック
系摩擦材の高負荷条件での使用が可能となるということ
を見出した。
【0009】したがって、本発明による湿式焼結摩擦材
料は、粒子径150μm以下の中空バルーン:5〜15
重量%,黒鉛粉末:15〜30重量%,銅系焼結金属,
潤滑材,摩擦調整材:残余からなることを特徴とする。
【0010】また、前記中空バルーンは、シリカ,ガラ
ス,アルミナ,カーボンのうちの少なくとも1種で構成
されるのがよい。
【0011】前記シリカ,ガラス,アルミナ,カーボン
のうちの少なくとも1種で構成される中空バルーンの粒
子径を150μm以下としているのは、150μmを超
えると前述された銅系の金属,合金成分等のバインダー
に結合される際に割れ易くなるためである。また、中空
バルーンを5〜15重量%としているのは、5重量%未
満ではディンプル状の凹凸が疎となって高い摩擦係数が
得られないためであり、15重量%を超えると耐焼付け
性が低下することと、相手材をいちじるしく攻撃するた
めである。黒鉛粉末を15〜30重量%としているの
は、15重量%未満では潤滑機能が不十分であるととも
に摩擦係数が不安定になるためであり、30重量%を超
えると当該湿式焼結摩擦材料の材料強度が低下するため
である。
【0012】
【作用】本発明による湿式焼結摩擦材料においては、シ
リカ,ガラス,アルミナ,カーボンのうちの少なくとも
1種で構成される中空バルーンが銅系焼結金属に焼結さ
れる際あるいは使用の際に破壊され、この破壊された中
空バルーンによりその銅系焼結金属の表面に凹凸が形成
される。この結果、この凹凸により銅系焼結金属の表面
に高い摩擦係数が得られる。また、この銅系焼結金属に
おいては前記中空バルーンにより金属マトリックス(例
えば銅)の塑性流動が抑止されるため、この銅系焼結金
属の相手材料に対する焼付き,移着が防止されて当該湿
式焼結摩擦材料の高負荷条件での使用が可能となる。
【0013】
【実施例】以下、本発明による湿式焼結摩擦材料の実施
例について説明する。
【0014】まず、表1に示される材料組成でA〜Gの
7種の試験片を作成した。表1中、A〜Fは本発明例で
あり、Gは比較例(従来例)である。なお、これら試験
片は銅系焼結金属としてのCu(銅)−Sn(錫)−Z
n(亜鉛)系合金を基材とし、摩擦調整材(硬質粒子)
としてSiO2 (シリカ)が添加されている。また、こ
れら試験片に潤滑材として二硫化モリブデン,フッ化カ
ルシウム等を添加してもよい。
【0015】
【表1】
【0016】次に、これら試験片A〜Gについて定速式
摩擦試験機を用いてそれら試験片A〜Gを、摺速:10
m/sec,面圧:30kg/cm2 の条件下で相手板
(S43C材)に押付けて性能を比較した。なお、潤滑
油としてはSAE規格に準ずるエンジンオイル#10を
用い、油量を50ml/min,油温を60℃の条件と
した。これら試験片A〜Gの摩擦係数および引張強さ結
果が表2に示されている。
【0017】
【表2】
【0018】表2からわかるように、試験片A〜F(本
発明例)はいずれも試験片G(比較例)に比べて高摩擦
係数を有することが確認された。また、これら試験片A
〜Fはいずれも前記相手板への焼付き,移着という現象
を生起するものではなかった。また、これら試験片A〜
Fは強度的にも比較例のものに劣るものではなかった。
【0019】本発明の湿式焼結摩擦材料によれば、中空
バルーンによりその湿式焼結摩擦材料の表面にディンプ
ル状の凹凸が形成され、この凹凸によりその湿式焼結摩
擦材料の表面の摩擦係数が高く維持されるものと考えら
れる。
【0020】なお、本実施例において硬質粒子としてシ
リカ(モース硬度4以上)を添加しているが、モース硬
度が4以上の中空バルーンを用いれば、前記硬質粒子を
添加する必要がなくなる。
【0021】
【発明の効果】以上のように構成された本発明によれ
ば、湿式焼結摩擦材料の強度を低下させることなく高摩
擦係数を維持できるとともに相手板への焼付き,移着を
防止することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子径150μm以下の中空バルーン:
    5〜15重量%,黒鉛粉末:15〜30重量%,銅系焼
    結金属,潤滑材,摩擦調整材:残余からなることを特徴
    とする湿式焼結摩擦材料。
  2. 【請求項2】 前記中空バルーンは、シリカ,ガラス,
    アルミナ,カーボンのうちの少なくとも1種で構成され
    る請求項1に記載の湿式焼結摩擦材料。
JP2038793A 1993-02-08 1993-02-08 湿式焼結摩擦材料 Withdrawn JPH06228538A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10009912C1 (de) * 2000-03-01 2001-09-06 Continental Ag Luftfeder mit zweitteiligem Gehäuse

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10009912C1 (de) * 2000-03-01 2001-09-06 Continental Ag Luftfeder mit zweitteiligem Gehäuse
WO2001065139A1 (de) * 2000-03-01 2001-09-07 Continental Aktiengesellschaft Luftfeder mit zweiteiligem gehäuse
US6742775B2 (en) 2000-03-01 2004-06-01 Continental Aktiengesellschaft Air spring with two part housing

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