JPH0622799A - 抗インフルエンザウイルス剤アッセイ法 - Google Patents
抗インフルエンザウイルス剤アッセイ法Info
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- JPH0622799A JPH0622799A JP18243292A JP18243292A JPH0622799A JP H0622799 A JPH0622799 A JP H0622799A JP 18243292 A JP18243292 A JP 18243292A JP 18243292 A JP18243292 A JP 18243292A JP H0622799 A JPH0622799 A JP H0622799A
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- Japan
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- influenza virus
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 複数個のインフルエンザ感染性細胞培養物の
各々に検体を添加し、次いで当該複数個の培養物の一部
にインフルエンザウイルスを感染させた後、当該複数個
の培養物全体についてMTTアッセイを行ない、当該検
体の抗インフルエンザウイルス作用及び細胞毒性を同時
に測定することを特徴とする抗インフルエンザウイルス
剤アッセイ法。 【効果】 抗インフルエンザウイルス剤のアッセイ及び
細胞毒性が簡便な操作で、迅速に再現性よく、かつ安価
にでき、アンチセンスDNA等の新しい抗ウイルス剤の
スクリーニングを容易かつ精度よくすることができる。
各々に検体を添加し、次いで当該複数個の培養物の一部
にインフルエンザウイルスを感染させた後、当該複数個
の培養物全体についてMTTアッセイを行ない、当該検
体の抗インフルエンザウイルス作用及び細胞毒性を同時
に測定することを特徴とする抗インフルエンザウイルス
剤アッセイ法。 【効果】 抗インフルエンザウイルス剤のアッセイ及び
細胞毒性が簡便な操作で、迅速に再現性よく、かつ安価
にでき、アンチセンスDNA等の新しい抗ウイルス剤の
スクリーニングを容易かつ精度よくすることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗インフルエンザウイル
ス剤のアッセイ法に関し、さらに詳細には簡便な操作で
迅速かつ正確に抗インフルエンザウイルス作用及び細胞
毒性を同時に測定する方法に関する。
ス剤のアッセイ法に関し、さらに詳細には簡便な操作で
迅速かつ正確に抗インフルエンザウイルス作用及び細胞
毒性を同時に測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インフルエンザはその流行規模が極めて
大きいことから古くから最も広く知られている疾患の一
つである。このインフルエンザは社会にとって極めて重
要な伝染病であり、ヒト以外にもウマ、ブタ、ニワトリ
などその感染対象は多岐にわたる。特にインフルエンザ
のRNAは各タンパク質ごとに独立した分節構造を有し
ているため、一つの細胞に2種類以上のウイルスが同時
に感染すると分節間の組替えがおこり、合いの子ウイル
スができる。このようにインフルエンザは抗原変異をお
こし易いために、ウイルスの過去の感染によって獲得し
た免疫が次の感染に有効に作用し得ず、またワクチンに
よる防御が非常に困難になっている。
大きいことから古くから最も広く知られている疾患の一
つである。このインフルエンザは社会にとって極めて重
要な伝染病であり、ヒト以外にもウマ、ブタ、ニワトリ
などその感染対象は多岐にわたる。特にインフルエンザ
のRNAは各タンパク質ごとに独立した分節構造を有し
ているため、一つの細胞に2種類以上のウイルスが同時
に感染すると分節間の組替えがおこり、合いの子ウイル
スができる。このようにインフルエンザは抗原変異をお
こし易いために、ウイルスの過去の感染によって獲得し
た免疫が次の感染に有効に作用し得ず、またワクチンに
よる防御が非常に困難になっている。
【0003】このようにワクチンによる防御が困難であ
ることから、最近、薬剤によるウイルス発現抑制が注目
され、ウイルス発現抑制を作用機序とする抗インフルエ
ンザウイルス剤の開発が行なわれつつある。ここで問題
となるのが、抗インフルエンザウイルス剤のアッセイ法
である。
ることから、最近、薬剤によるウイルス発現抑制が注目
され、ウイルス発現抑制を作用機序とする抗インフルエ
ンザウイルス剤の開発が行なわれつつある。ここで問題
となるのが、抗インフルエンザウイルス剤のアッセイ法
である。
【0004】従来、抗インフルエンザウイルス剤のアッ
セイ法としては、プラーク法〔北村敬,「ウイルス検査
のための組織培養技術」,p188〜211,近代出版
(1976)〕が広く用いられている。
セイ法としては、プラーク法〔北村敬,「ウイルス検査
のための組織培養技術」,p188〜211,近代出版
(1976)〕が広く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プラーク法
は、検体が多量に必要であること、プラーク法を行なう
のに熟練が必要であり、判断に人為的要因が入ること等
から簡便性、迅速性、再現性、効率性、コストの面から
充分に満足できるものではなかった。また、抗ウイルス
剤のアッセイにあっては、抗ウイルス剤自体の細胞毒性
が問題となるが、プラーク法では活性のアッセイと細胞
毒性の測定とは別個にしなければならないという欠点が
あった。従って、インフルエンザウイルス感染性細胞に
ついて熟練を必要とせず、簡便な操作で迅速かつ正確に
抗インフルエンザウイルス作用及び細胞毒性を同時に測
定できる方法の開発が望まれていた。
は、検体が多量に必要であること、プラーク法を行なう
のに熟練が必要であり、判断に人為的要因が入ること等
から簡便性、迅速性、再現性、効率性、コストの面から
充分に満足できるものではなかった。また、抗ウイルス
剤のアッセイにあっては、抗ウイルス剤自体の細胞毒性
が問題となるが、プラーク法では活性のアッセイと細胞
毒性の測定とは別個にしなければならないという欠点が
あった。従って、インフルエンザウイルス感染性細胞に
ついて熟練を必要とせず、簡便な操作で迅速かつ正確に
抗インフルエンザウイルス作用及び細胞毒性を同時に測
定できる方法の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、培
養細胞に検体を添加した後その一部にインフルエンザウ
イルスを感染させて3−(4,5−ジメチルチアゾール
−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロ
ミドを用いた光学的手法(以下、MTT法と略す)を採
用すれば、簡便な操作で迅速かつ正確に抗インフルエン
ザウイルス作用及び細胞毒性を同時に測定できることを
見出し、本発明を完成した。
発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、培
養細胞に検体を添加した後その一部にインフルエンザウ
イルスを感染させて3−(4,5−ジメチルチアゾール
−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロ
ミドを用いた光学的手法(以下、MTT法と略す)を採
用すれば、簡便な操作で迅速かつ正確に抗インフルエン
ザウイルス作用及び細胞毒性を同時に測定できることを
見出し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、複数個のインフルエ
ンザ感染性細胞培養物の各々に検体を添加し、次いで当
該複数個の培養物の一部にインフルエンザウイルスを感
染させた後、当該複数個の培養物全体についてMTTア
ッセイを行ない、当該検体の抗インフルエンザウイルス
作用及び細胞毒性を同時に測定することを特徴とする抗
インフルエンザウイルス剤アッセイ法を提供するもので
ある。
ンザ感染性細胞培養物の各々に検体を添加し、次いで当
該複数個の培養物の一部にインフルエンザウイルスを感
染させた後、当該複数個の培養物全体についてMTTア
ッセイを行ない、当該検体の抗インフルエンザウイルス
作用及び細胞毒性を同時に測定することを特徴とする抗
インフルエンザウイルス剤アッセイ法を提供するもので
ある。
【0008】本発明に用いられるMTT法そのものは細
胞生存率、細胞増殖能を測定する方法としてすでに知ら
れているものであるが、抗インフルエンザウイルス剤の
アッセイに適用した例は報告されていない。
胞生存率、細胞増殖能を測定する方法としてすでに知ら
れているものであるが、抗インフルエンザウイルス剤の
アッセイに適用した例は報告されていない。
【0009】本発明方法に用いられるインフルエンザウ
イルス感染性細胞としては、哺乳類由来であり、インフ
ルエンザウイルスが感染し得る細胞であれば特に制限さ
れないが、犬腎臓上皮性細胞(以下、MDCK細胞とい
う)が好ましい。MDCK細胞は単層細胞であるため、
抗HIV剤アッセイに用いられるMT−4細胞とはその
特性を著しく異にする。アッセイを行なうに際しては、
MDCK細胞はフラスコに単層を形成させ、これをトリ
プシン等のプロテアーゼを用いてフラスコより剥離し、
液体培地中に懸濁して、細胞浮遊液(細胞培養物)とす
る。用いる液体培地としては、10%牛胎児血清(FC
S)を含む細胞増殖用1×イーグル培地等が挙げられ
る。当該細胞浮遊液の濃度は、1×105 個/ml程度に
調整するのが好ましい。
イルス感染性細胞としては、哺乳類由来であり、インフ
ルエンザウイルスが感染し得る細胞であれば特に制限さ
れないが、犬腎臓上皮性細胞(以下、MDCK細胞とい
う)が好ましい。MDCK細胞は単層細胞であるため、
抗HIV剤アッセイに用いられるMT−4細胞とはその
特性を著しく異にする。アッセイを行なうに際しては、
MDCK細胞はフラスコに単層を形成させ、これをトリ
プシン等のプロテアーゼを用いてフラスコより剥離し、
液体培地中に懸濁して、細胞浮遊液(細胞培養物)とす
る。用いる液体培地としては、10%牛胎児血清(FC
S)を含む細胞増殖用1×イーグル培地等が挙げられ
る。当該細胞浮遊液の濃度は、1×105 個/ml程度に
調整するのが好ましい。
【0010】MDCK細胞浮遊液は、96穴プレート等
の多穴プレートのウエル中に1×104 個/ウエルとな
るように分注するのが好ましい。なお、細胞浮遊液濃度
が1×105 個/mlの場合には100μl程度分注すれ
ばよい。その後約37℃で24時間程度インキュベート
し、細胞を増殖させれば、各ウエルの細胞は飽和に達す
る。ウエル中の細胞濃度が低すぎると当該培養で飽和に
達せず、また濃度が高すぎると不必要な増殖が生起し、
吸光度にノイズが生じる。
の多穴プレートのウエル中に1×104 個/ウエルとな
るように分注するのが好ましい。なお、細胞浮遊液濃度
が1×105 個/mlの場合には100μl程度分注すれ
ばよい。その後約37℃で24時間程度インキュベート
し、細胞を増殖させれば、各ウエルの細胞は飽和に達す
る。ウエル中の細胞濃度が低すぎると当該培養で飽和に
達せず、また濃度が高すぎると不必要な増殖が生起し、
吸光度にノイズが生じる。
【0011】この複数個のインフルエンザ感染性細胞培
養物、すなわち各ウエルに添加される検体、例えば、抗
インフルエンザウイルス剤は、10γ−アセチルトリプ
シン−細胞維持培養用1×イーグル培地、10γ−アセ
チルトリプシン−細胞増殖用1×イーグル培地等の液体
培地で種々の濃度に希釈して用いるのが好ましい。な
お、この検体としてはアンチセンスDNAが好ましい。
養物、すなわち各ウエルに添加される検体、例えば、抗
インフルエンザウイルス剤は、10γ−アセチルトリプ
シン−細胞維持培養用1×イーグル培地、10γ−アセ
チルトリプシン−細胞増殖用1×イーグル培地等の液体
培地で種々の濃度に希釈して用いるのが好ましい。な
お、この検体としてはアンチセンスDNAが好ましい。
【0012】次に、検体が添加された培養物の一部、す
なわち、上記細胞含有ウエルの一部にインフルエンザウ
イルスを添加して、当該一部の培養物を感染させる。感
染されなかった培養物は細胞毒性検定に用いられる。
なわち、上記細胞含有ウエルの一部にインフルエンザウ
イルスを添加して、当該一部の培養物を感染させる。感
染されなかった培養物は細胞毒性検定に用いられる。
【0013】ここで用いられるインフルエンザウイルス
としては感染性のあるインフルエンザウイルスであれば
特に制限されないが、A型インフルエンザウイルスが特
に好ましい。。インフルエンザウイルスは、前記細胞維
持用1×イーグル培地、細胞増殖用1×イーグル培地等
で希釈し、浮遊細胞1個あたり2PFU添加するのが好
ましい。ウイルス添加量が少なすぎると、ウイルス添加
後の培養時間が長期間必要となり培地の交換も必要とな
り、また測定誤差が大きくなる。一方、ウイルス添加量
が多すぎると、経済的でない。
としては感染性のあるインフルエンザウイルスであれば
特に制限されないが、A型インフルエンザウイルスが特
に好ましい。。インフルエンザウイルスは、前記細胞維
持用1×イーグル培地、細胞増殖用1×イーグル培地等
で希釈し、浮遊細胞1個あたり2PFU添加するのが好
ましい。ウイルス添加量が少なすぎると、ウイルス添加
後の培養時間が長期間必要となり培地の交換も必要とな
り、また測定誤差が大きくなる。一方、ウイルス添加量
が多すぎると、経済的でない。
【0014】ウイルス添加後、約34℃で72時間程度
インキュベートする。これにより、コントロール細胞は
ほぼ死滅する。次いですべての培養物についてMTTア
ッセイを行ない、感染細胞群及び非感染細胞群の細胞生
存率を測定することにより、検体の抗インフルエンザウ
イルス作用及び細胞毒性を同時に測定する。
インキュベートする。これにより、コントロール細胞は
ほぼ死滅する。次いですべての培養物についてMTTア
ッセイを行ない、感染細胞群及び非感染細胞群の細胞生
存率を測定することにより、検体の抗インフルエンザウ
イルス作用及び細胞毒性を同時に測定する。
【0015】MTTアッセイは、次の如くして行なうの
が好ましい。すなわち、MTTを例えば150μg/ウ
エル添加し、約34℃で1時間インキュベートする。M
TTは水溶性の黄色の色素で、これが生細胞中に取り込
まれるとミトコンドリアの酵素で還元され、青色の有機
溶媒溶解性のホルマザンを形成する。従って、このホル
マザンを細胞から溶出させて青色の吸光度を測定すれば
生細胞数、すなわち、抗インフルエンザウイルス剤の作
用及び細胞毒性が測定できる。ホルマザンを細胞から溶
出させるには、イソプロパノール−塩酸水溶液をウエル
に添加すればよい。より好ましくは、塩酸及びトリトン
×100をイソプロパノールに溶かした溶液が用いられ
る。吸光度の測定は540nmにおける特異的吸光度及び
690nmにおける非特異的吸光度をマイクロプレートリ
ーダー等で行なうのがよい。
が好ましい。すなわち、MTTを例えば150μg/ウ
エル添加し、約34℃で1時間インキュベートする。M
TTは水溶性の黄色の色素で、これが生細胞中に取り込
まれるとミトコンドリアの酵素で還元され、青色の有機
溶媒溶解性のホルマザンを形成する。従って、このホル
マザンを細胞から溶出させて青色の吸光度を測定すれば
生細胞数、すなわち、抗インフルエンザウイルス剤の作
用及び細胞毒性が測定できる。ホルマザンを細胞から溶
出させるには、イソプロパノール−塩酸水溶液をウエル
に添加すればよい。より好ましくは、塩酸及びトリトン
×100をイソプロパノールに溶かした溶液が用いられ
る。吸光度の測定は540nmにおける特異的吸光度及び
690nmにおける非特異的吸光度をマイクロプレートリ
ーダー等で行なうのがよい。
【0016】得られた吸光度から検体の抗インフルエン
ザウイルス作用を求めるには、常法に従い、検体もウイ
ルスも加えないウエル、検体とウイルスを加えたウエル
及びウイルスのみを加えたウエルの3者の比較より算出
すればよい。また、検体の細胞毒性は、検体のみを加え
たウエル、ウイルスも検体も加えないウエル及び培地の
みのウエルの比較より算出すればよい。
ザウイルス作用を求めるには、常法に従い、検体もウイ
ルスも加えないウエル、検体とウイルスを加えたウエル
及びウイルスのみを加えたウエルの3者の比較より算出
すればよい。また、検体の細胞毒性は、検体のみを加え
たウエル、ウイルスも検体も加えないウエル及び培地の
みのウエルの比較より算出すればよい。
【0017】
【発明の効果】本発明方法によれば、抗インフルエンザ
ウイルス剤のアッセイ及び細胞毒性が簡便な操作で、迅
速に再現性よく、かつ安価にでき、アンチセンスDNA
等の新しい抗ウイルス剤のスクリーニングを容易かつ精
度よくすることができる。また、検体として抗インフル
エンザ作用及び細胞毒性について既知である物質、例え
ばインフルエンザウイルスに対し特異的に反応する既知
の抗インフルエンザウイルス剤を用いることによりイン
フルエンザ感染性細胞の感染しているインフルエンザウ
イルスの種類あるいは、後から感染させるインフルエン
ザウイルスの種類を判定する方法に応用することができ
る。例えば、検体としてアンチセンスDNAを用いた場
合、少なくともインフルエンザウイルスAについてその
存在の有無を調べることができる。アンチセンスDNA
などのインフルエンザウイルスに対する特異性について
は今後の開発が期待される。
ウイルス剤のアッセイ及び細胞毒性が簡便な操作で、迅
速に再現性よく、かつ安価にでき、アンチセンスDNA
等の新しい抗ウイルス剤のスクリーニングを容易かつ精
度よくすることができる。また、検体として抗インフル
エンザ作用及び細胞毒性について既知である物質、例え
ばインフルエンザウイルスに対し特異的に反応する既知
の抗インフルエンザウイルス剤を用いることによりイン
フルエンザ感染性細胞の感染しているインフルエンザウ
イルスの種類あるいは、後から感染させるインフルエン
ザウイルスの種類を判定する方法に応用することができ
る。例えば、検体としてアンチセンスDNAを用いた場
合、少なくともインフルエンザウイルスAについてその
存在の有無を調べることができる。アンチセンスDNA
などのインフルエンザウイルスに対する特異性について
は今後の開発が期待される。
【0018】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。
【0019】実施例1 コーニングフラスコに単層を形成させた犬腎臓上皮性細
胞(MDCK細胞)をトリプシン−EDTA溶液にて剥
離し、10%牛胎児血清(FCS)を含む細胞増殖培養
用1×Eagle’s MEM*1) (以下、これをgr
owth mediumとする)を用いて100,00
0 cells/mlの細胞浮遊液を調整する。その後、
その溶液をエッペンドルフピペットを用いて96穴プレ
ート(図1)の内側のすべての穴に100μl分注す
る。また外一回りの穴にはgrowth medium
のみを分注する。その後、37℃、5%CO2 インキュ
ベーター中で24時間インキュベーションする。24時
間後それぞれ各穴の細胞が飽和に達していることを倒立
型顕微鏡にて確認する。確認後、検体を希釈する。希釈
溶媒は、10γ−アセチルトリプシン−細胞維持培養用
1×Eagle MEM*2) (以下、maintena
ncemediumとする)とする(又は、10γ−ア
セチルトリプシン−growth medium)。こ
の際、アセチルトリプシンの添加量は、アセチルトリプ
シン検定にてあらかじめ最適添加量を決定しておき、最
適添加量の2倍量を希釈溶媒に添加する。これは、プレ
ートにまいた場合2倍に希釈されることによる。まず初
め、活性試験を行なう際の最高濃度溶液を作成する。調
整が終了した後、孔が0.22μmのメンブランフィル
ターを用い無菌ろ過をする。次に、その溶液を任意の割
合で9段階希釈した後プレートに分注する。基本的に、
マイクロプレートの一番外側を除き10列6行を使用す
る。最高検体濃度を左から2列目縦8穴に加え、順次右
側へ同様に加える。第1行と8行は検体のバックグラウ
ンドとし、また第11列目(右側より2列目)は検体を
含まないコントロールとし、第1列と第12列と同様m
aintenance mediumを加える。次にウ
イルスの希釈を行なう。希釈溶媒はmaintenan
ce medium(又はgrowth mediu
m)とする。ウイルスはあらかじめtitration
しておく。ウイルス添加濃度は2PFU/cellとす
る。また各穴に50μl接種するため基本的に細胞浮遊
液に対して4倍のウイルス希釈液を調整する。調整後第
1行から第4行第2列から第11列までの全穴に接種す
る。また、第5行から第8行第2列から第11列まで
と、第2列第12列の前穴には希釈液を加える。その
後、34℃、5%CO2 インキュベーター中で72時間
培養する。72時間培養後、MTTを20μlずつ全穴
に加える。その後、1時間34℃、5%CO2 インキュ
ベーター中で培養する。1時間後全穴から培地を150
μl除去し、ホルマザン抽出溶媒(3ml濃塩酸と25ml
トリトンX−100にイソプロパノールを加え全量を5
00mlとしたもの)を100μl加える。その後ミクロ
ミキサーにてよく攪拌し、ホルマザンを完全に溶解させ
る。溶解後、540nmの特異的吸光度と690nmの非特
異的吸光度をマイクロプレートリーダーで測定する。ウ
イルスコントロール(第11列第2行〜第4行の平均)
を0%、細胞コントロール(第11列第5行〜第8行の
吸光度の平均)を100%とし、この吸光度の差の相対
パーセントを計算し、抗ウイルス効果を細胞生存率%と
して表す。また、検体の細胞毒性の方は、細胞コントロ
ール(第11列第5行〜第8行の吸光度の平均)を10
0%とし、第12列第5行〜第8行の吸光度の平均値を
0%とし同様に求めた。更に、検体の50%細胞毒性値
(CC50)、50%有効値(EC50)、有効係数
(CC50/EC50=SI)を求める。
胞(MDCK細胞)をトリプシン−EDTA溶液にて剥
離し、10%牛胎児血清(FCS)を含む細胞増殖培養
用1×Eagle’s MEM*1) (以下、これをgr
owth mediumとする)を用いて100,00
0 cells/mlの細胞浮遊液を調整する。その後、
その溶液をエッペンドルフピペットを用いて96穴プレ
ート(図1)の内側のすべての穴に100μl分注す
る。また外一回りの穴にはgrowth medium
のみを分注する。その後、37℃、5%CO2 インキュ
ベーター中で24時間インキュベーションする。24時
間後それぞれ各穴の細胞が飽和に達していることを倒立
型顕微鏡にて確認する。確認後、検体を希釈する。希釈
溶媒は、10γ−アセチルトリプシン−細胞維持培養用
1×Eagle MEM*2) (以下、maintena
ncemediumとする)とする(又は、10γ−ア
セチルトリプシン−growth medium)。こ
の際、アセチルトリプシンの添加量は、アセチルトリプ
シン検定にてあらかじめ最適添加量を決定しておき、最
適添加量の2倍量を希釈溶媒に添加する。これは、プレ
ートにまいた場合2倍に希釈されることによる。まず初
め、活性試験を行なう際の最高濃度溶液を作成する。調
整が終了した後、孔が0.22μmのメンブランフィル
ターを用い無菌ろ過をする。次に、その溶液を任意の割
合で9段階希釈した後プレートに分注する。基本的に、
マイクロプレートの一番外側を除き10列6行を使用す
る。最高検体濃度を左から2列目縦8穴に加え、順次右
側へ同様に加える。第1行と8行は検体のバックグラウ
ンドとし、また第11列目(右側より2列目)は検体を
含まないコントロールとし、第1列と第12列と同様m
aintenance mediumを加える。次にウ
イルスの希釈を行なう。希釈溶媒はmaintenan
ce medium(又はgrowth mediu
m)とする。ウイルスはあらかじめtitration
しておく。ウイルス添加濃度は2PFU/cellとす
る。また各穴に50μl接種するため基本的に細胞浮遊
液に対して4倍のウイルス希釈液を調整する。調整後第
1行から第4行第2列から第11列までの全穴に接種す
る。また、第5行から第8行第2列から第11列まで
と、第2列第12列の前穴には希釈液を加える。その
後、34℃、5%CO2 インキュベーター中で72時間
培養する。72時間培養後、MTTを20μlずつ全穴
に加える。その後、1時間34℃、5%CO2 インキュ
ベーター中で培養する。1時間後全穴から培地を150
μl除去し、ホルマザン抽出溶媒(3ml濃塩酸と25ml
トリトンX−100にイソプロパノールを加え全量を5
00mlとしたもの)を100μl加える。その後ミクロ
ミキサーにてよく攪拌し、ホルマザンを完全に溶解させ
る。溶解後、540nmの特異的吸光度と690nmの非特
異的吸光度をマイクロプレートリーダーで測定する。ウ
イルスコントロール(第11列第2行〜第4行の平均)
を0%、細胞コントロール(第11列第5行〜第8行の
吸光度の平均)を100%とし、この吸光度の差の相対
パーセントを計算し、抗ウイルス効果を細胞生存率%と
して表す。また、検体の細胞毒性の方は、細胞コントロ
ール(第11列第5行〜第8行の吸光度の平均)を10
0%とし、第12列第5行〜第8行の吸光度の平均値を
0%とし同様に求めた。更に、検体の50%細胞毒性値
(CC50)、50%有効値(EC50)、有効係数
(CC50/EC50=SI)を求める。
【0020】
【表1】 *1:細胞増殖培養用1×Eagle’s MEM組成 10×Eagle’s MEM 100(ml) 7.5%NaHCO3 14 1mg/mlファンギゾン 2.5 滅菌水 全量を1000mlとする量 *2:細胞維持培養用2×Eagle’s MEM組成 10×Eagle’s MEM 200(ml) 7.5%NaHCO3 40 TCビタミン 2.0 1mg/ml葉酸 2.0 1mg/mlファンギゾン 2.0 35%牛血清アルブミン 11.4 滅菌水 737.6
【0021】実施例2 実施例1の試験方法において、検体として下記塩基配列
を有するアンチセンスDNA〔Kabanov,A.
V.,Federation of European
Biochemical Sciety,vol.2
59,No.2,327〜330〕を用い、細胞生存率
及び細胞毒性をアッセイした。その結果、図2に示すよ
うに当該アンチセンスDNAは優れた抗インフルエンザ
ウイルス作用を有し、かつ安全性も高かった。 アンチセンスDNA:d3′−TTAAAGCAGTT
−5′
を有するアンチセンスDNA〔Kabanov,A.
V.,Federation of European
Biochemical Sciety,vol.2
59,No.2,327〜330〕を用い、細胞生存率
及び細胞毒性をアッセイした。その結果、図2に示すよ
うに当該アンチセンスDNAは優れた抗インフルエンザ
ウイルス作用を有し、かつ安全性も高かった。 アンチセンスDNA:d3′−TTAAAGCAGTT
−5′
【図1】実施例1で使用した96穴プレートを示す図で
ある。
ある。
【図2】アンチセンスDNAの抗インフルエンザウイル
ス作用及び細胞毒性を示す図である。
ス作用及び細胞毒性を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 複数個のインフルエンザ感染性細胞培養
物の各々に検体を添加し、次いで当該複数個の培養物の
一部にインフルエンザウイルスを感染させた後、当該複
数個の培養物全体についてMTTアッセイを行ない、当
該検体の抗インフルエンザウイルス作用及び細胞毒性を
同時に測定することを特徴とする抗インフルエンザウイ
ルス剤アッセイ法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18243292A JPH0622799A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 抗インフルエンザウイルス剤アッセイ法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18243292A JPH0622799A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 抗インフルエンザウイルス剤アッセイ法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0622799A true JPH0622799A (ja) | 1994-02-01 |
Family
ID=16118170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18243292A Pending JPH0622799A (ja) | 1992-07-09 | 1992-07-09 | 抗インフルエンザウイルス剤アッセイ法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0622799A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997003356A1 (de) * | 1995-07-12 | 1997-01-30 | Christiane Lauk | Verfahren zur bestimmung der wirksamkeit und verträglichkeit eines xenogenen stoffes auf einen organismus |
-
1992
- 1992-07-09 JP JP18243292A patent/JPH0622799A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997003356A1 (de) * | 1995-07-12 | 1997-01-30 | Christiane Lauk | Verfahren zur bestimmung der wirksamkeit und verträglichkeit eines xenogenen stoffes auf einen organismus |
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